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「Sailing」18巻5/6号(2005年06月)

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「Sailing」18巻5/6号(2005年06月)
Vol.18
No.5∼6
Jun.
2005
「札幌医科大学附属図書館図書館ニュース」改題
図書館と上手にお付き合いを!
附属図書館長就任にあたって・・・・・・・・・・・・・・・61
試してみよう!
Firefox と Google Scholar
で学術情報検索・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・62
Medical Online 月刊ダウンロード件数
1,500 件に達する!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66
図書館の上手な使い方(第16 回)
図書館職員と上手に付き合おう・・・・・・・・・・・67
ぶっくぽすと
甦ったアレキサンドリア図書館・・・・・・・・・・・69
図書館日誌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70
札幌医学雑誌の投稿受付について・・・・・・・・・・・70
附属図書館長就任にあたって
生理学第二講座
4月1日付けで附属図書館長を拝命いたし
青木
藩
また、本学の国外学術雑誌整備計画も、「学
ました。一言ご挨拶申し上げます。
内冊子体一誌化計画」が3年目を迎え、これま
本学図書館も新図書館として早や6年目を迎
での間、電子ジャーナル・コンソーシアム事業
え、国内の大学図書館としては先駆的、画期的
への参加により、閲覧可能なタイトルを大幅に
な事業を展開してまいりました。
増やすことができました。しかし、国外学術雑
誌の価格高騰は依然として続き、さらに電子ジ
この4月より、従来のサービスに加え、新た
ャーナルにおいても、本学でもニーズの高いタ
に「国立国会図書館雑誌記事索引」、
「統合臨床
イトルの価格高騰があるなど、相変わらず厳し
医学情報サービス SKOLAR MD(スカラー
い状況におかれています。今後も大幅な不足額
エ ム デ ィ ー )」、「 国 内 電 子 ジ ャ ー ナ ル
が見込まれており、本学の学術雑誌収集整備計
Medical Online(メディカル
オンライン)」
画そのものについて、抜本的な見直しを迫られ
などの新しいサービスを開始いたしました。特
ています。今後、この問題について図書館運営
に「国立国会図書館雑誌記事索引」検索による
委員会を中心に充分検討してまいりたいと思
医学文献情報の提供は、平成14年7月に開始
います。
した、
「PubMed」を介した文献提供サービス
の公開以降、本学卒業生や地域医療従事者の方
平成19年度には独立法人化が予定されて
より強く要望されていました、日本語の文献検
おり、図書館を取り巻く環境も大きく変わろう
索による情報提供サービスに応えるもので、こ
としていますが、これからも本学における教
れも国内初の試みとなります。このことにより、
育・研究支援をはじめ、道内地域医療支援を展
これまで日本語のデータベースを利用できな
開させながら、皆様に喜んでいただけるサービ
かった地域医療従事者の方に対し、新たなサー
スの提供に努めて参りたいと思います。関係各
ビスを提供できる事となりました。
位の一層のご支援、ご協力をお願い申し上げて、
平成 14 年にインターネットによるサービ
就任のご挨拶といたします。
スを開始してから、本学図書館の利用者は北海
道全域にわたり、今回のサービスが新たに加わ
ることによって、今後もますますの利用拡大が
予想されます。
- 61 -
ファイアーフォックス
グ ー グ ル
ス カ ラ ー
試してみよう! F i r e f o x とGoogle Scholarで学術情報検索
前号では最近、急速にユーザー数を増やしつつある Web ブラウザ「Firefox(ファイアーフォ
ックス)」で当館文献検索システム MetaLib(メタリブ)にアクセスした際に発生する文字化け
の回避方法についてご説明いたしましたが、ここでは Firefox と昨年 11 月に発表されたウェブ
検索エンジン大手 Google の学術論文の検索エンジン「Google Scholar(グーグル・スカラー)
ベータ版」による学術情報検索と検索結果からの当館サービス利用方法についてご説明いたしま
す。
1
Google Scholar とは?
Google Scholar(図1)はインターネット
上の学術情報に特化した検索エンジンで、電子
ジャーナルや学位論文,書籍,テクニカルレポ
ートなどを検索することができます。Google
は 2004 年頃より電子ジャーナルの出版代行
サービスの大手である Ingenta(インジェン
タ)や異なる出版社の電子ジャーナル論文間の
引用文献リンク・システムを提供する
CrossRef(クロスレフ)と提携するなど学術
情報に対する検索機能を拡大してきており、
Google Scholar はそれまでに蓄積されてき
た情報を集約し、より一般的な形で利用できる
ようにしたサービスと言えます。なお、現在は
試験公開中であり、研究者や図書館員等による
フィードバックが行われています。
図1.Google Scholar トップページ
2
Google Scholar で何ができるの?
Google Scholar は通常の Google 検索エンジンと同様の方法で検索ができ、また検索結果を
関連度の高い順にリスト表示するとともに、検索結果各々の情報に対し、次のサービスを提供し
ます。なお、Google Scholar を使った当館提供の電子ジャーナルへのアクセスや文献複写申し
込み方法については後述「4 Google Scholar による最新文献情報の検索と当館サービスの利
用」をご参照ください。
・「Cited by」による当該文献引用回数の表示と被引用論文の一覧へのリンク。
・フルテキストが提供されている場合は論文単位で直接フルテキストにリンク。
・フルテキストの閲覧権を持たないユーザーがアクセスした場合はアブストラクトや論文購入
ページなどへ誘導。
3
当館サービス利用のための事前準備
Google Scholar 検索結果からの当館サービス利用は図書館システム・ベンダーOpenly
Informatics 社で提供する Firefox 拡張機能「OpenURL Referrer」をインストールすることに
よって行われます。そのため Internet Explorer などの Web ブラウザを使用しての当館サービス
の利用はできませんのでご注意ください。以降の説明ではご使用のパソコンに Firefox がインス
トールされていることを前提に説明いたします。まだ Firefox をインストールされていない方は
Vector(URL http://firefox.vector.co.jp/)等から Firefox セットアップ・プログラムをダウ
ンロードの上、インストールを行ってください。
(1)OpenURL Referrer のインストール
① Firefox で Openly Informatics 社の OpenURL Referrer 解説ページにアクセスしてくだ
さい。URL は次のとおりです。
URL http://www.openly.com/openurlref/
- 62 -
② 「Installation Instructions」にある「1.
Click here to download the
extension.」をクリックしてください。イ
ンストール確認ダイアログが表示されま
すので(図2)、
「今すぐインストール」ボ
タンを クリックしてください。自動的に
インストールが開始されます。
③ インストール完了後、Firefox をいった
ん終了してください。
(2)当館システム情報の設定
① Firefox を起動し、メニューバーの「ツ
ール」→「拡張機能」を順にクリックして
ください。
② 現在、インストールされている拡張機能
が一覧表示されます。「OpenURL
Referrer」を選択し、
「設定」ボタンをク
リックしてください。
③ OpenURL Referrer 設定画面が表示さ
れますので(図3)
、以下のとおり入力、
設定を行ってください。
・Profiles では「SFX Demo」を選択
・Link Sever Base URL に次の当館シ
ステムアドレスを入力
「http://hokuto.cc..sapmed.ac.jp:
9003/sfx_local」
・OpenURL version は「0.1」を選択
・Display link as で「Text」を選択し、
検索結果画面に表示したいリンクラベ
ルを入力してください(例題は
「Check Sapmed PIRKA」と入力)。
以上で設定は全て完了しました。次はいよい
よ Google Scholar による最新文献情報の検
索と当館サービスの利用です。
図2.OpenURL Referrer インストール確認画面
図3.OpenURL referrer Preference 画面
4 Google Scholar による最新文献情報の検索と当館サービスの利用
(1)接続と検索
① Firefox を起動し、Google Scholar に接続してください。接続先アドレスは次のとおり
です。接続後は Web 検索でお馴染みの Google の Basic 検索画面が表示されます(図1)。
URL http://scholar.google.com
②
検索語入力域に任意の検索語を入力し、「seach」ボタンをクリックしてください。なお、
論題、あるいは著者名などフィールドを特定し、検索を行う場合は、ヘルプにより入力方法
を参照するか、あるいは「Advanced Scholar Search」を使って検索を行ってください。
③
該当の情報がある場合、検索結果一覧が表示されます(図4)。検索結果一覧内で提供され
る情報やリンクの働きは各々の文献により異なります。例えば、論文タイトルのクリックで
は電子ジャーナルが提供されている場合は該当論文を直接表示するか、あるいは当該論文の
抄録までナビゲーションされます。電子ジャーナルがない場合は当該論文の目録、あるいは
- 63 -
PubMed 等の抄録が表示されます。なお、
タイトルを除き、検索結果一覧で表示され
る主なリンク機能は表1のとおりです。
(2)検索結果から当館サービスを利用する
前述3の Firefox の拡張機能 OpenURL
Referrer の設定で、Display link as のリンク
ラベル名を「Check Sapmed PIRKA」とし
ましたが、設定の効果は図4のとおりで、
Google Scholar 検索結果内のリンクとして
表示されます。
「Check Sapmed PIRKA」を
ク リ ッ クすると、画面が展開 し、
PubMed/SFX や MetaLib/SFX でお馴染み
の当館 SFX サービス・メニューが表示されま
す(図5)。
SFX では2つの方法によって当該論文原報
の入手方法を提供します。検索結果論文が本学
で利用できる電子ジャーナル論文である場合、
対象システム名をリンクにより表示し、電子ジ
ャーナル論文のサイトまでナビゲーションし
ます(図5では「HighWire Press Free」と
「Journals@Ovid」の2つのシステムでの閲
覧が可能)。
また「Sapmed OPAC で所蔵を確認する」
では当館による当該論文複写サービス(実費に
つき有料)を提供します。実際の利用では当館
より事前にアカウントを取得する必要があり
ますが、操作方法の概要は次のとおりです。
① 「Sapmed OPAC で所蔵を確認する」
をクリック後、本学における当該論文掲載
誌の所蔵状況を自動的に検索し、その結果
が表示されます。
② 当該論文掲載誌の所蔵がない場合は「文
献複写へ」のリンクが表示されます。また
所蔵がある場合はタイトル形式により誌
名が表示されますので、クリックしてくだ
さい。所蔵内容の詳細とともに、画面最下
部に「文献複写へ」のリンクが表示されま
す。
③ 「文献複写へ」をクリック後、認証画面
が表示されます。当館より交付されたご自
図4.検索結果と当館サービスへのリンク
電子ジャーナル
へのリンク
当館への文献複写申
し込みリンク
図5.当館 SFX サービス・メニュー
表1.Google Scholar 検索結果内の主なリンク
リ
ン
ク
名
内
容
Cited by:
引用回数の表示と引用先文献へのリンク
Web Search
著者名、論題からのキーワード抽出による Google 検索
出版社へのリンク
出版社該当論文サイトへのリンク
Ncbi. nlm.nih.gov
PubMed 抄録形式へのリンク
Check Sapmed PIRKA
当館 SFX サービス・メニューへのリンク(本文参照)
- 64 -
身の ID とパスワードを入力し、
「認証」ボ
タンをクリックしてください。
④ 文献複写依頼画面(図6)が表示され、
選択した論文の論題や著者名、掲載誌名な
ど複写の申し込みに必要な事項が自動的
にインポートされます。内容に間違いがな
ければ「依頼」ボタンをクリックしてくだ
さい。
⑤ 最終確認画面が表示されますので、良け
れば「確認」ボタンをクリックしてくださ
い。当館担当者へ複写申し込みが行われま
すとともに、申込者本人へ確認のメールが
送付されますので文献到着までの間、保存
願います。
図6.SFX からの文献複写依頼
Google Scholar 検索結果からの当該論文
原報の入手方法は以上ですが、当館 SFX サー
ビスでは他にさまざまな機能が用意されてい
ます。詳細につきましては誌面の都合上、割愛させていただきますが、ご興味のある方は当館ホ
ームページ掲載の下記マニュアルをご参照ください。
URL http://www.sapmed.ac.jp/libr/jpn/pirka_ndl_manual.pdf
5
利用上の留意事項
① SFX サービス・メニューで提供される電子ジャーナルの利用はインターネット上で無償公
開されている Open Access Journal を除き、本学所属員に限られます。
② SFX サービス・メニューからの当館への文献複写申し込みは事前に申請書提出により当館
より利用のためのアカウント(ID とパスワード)を取得された方に限られますとともに、複
写文献は複写代金、郵送料等の実費お支払いによるご提供となります。
③ 前述のとおり Google Scholar は現在、試験公開中のシステムです。従って、今後のシス
テム改修等により本稿でご説明した機能に制限が生じる場合がありますので予めご了承くだ
さい。
6
おわりに
以上、Firefox と Google Scholar を使った学術情報検索について述べてきました。Google
Scholar は電子ジャーナルなどインターネット上にある電子化データを検索対象としている点で
は速報性を備えていますが、現段階では検索対象の電子化データの出典が公表されておらず、ま
た機械的、かつ網羅的に情報収集を行っており、ハンド・スキャンニングによって作成されてい
る MEDLINE 等のデータベースとの比較において質的な粗さが指摘されています。特に Google
Scholar 検索結果で当該論文の引用回数をあらわす「Cited by:」は引用索引データベースで高い
信頼を得ている Thomson ISI 社の Science Scitation Index(SCI)との値と大きな違いがある
ことがわかっています。引用回数は文部科学省が実施する大学 COE プログラムでも注目された
学術論文評価手法でありますが、SCI との値の違いに加え、引用回数による評価そのものに十分
な注意が必要であることから Google Scholar の「Cited by:」についても当該論文を引用した文
献を確認するといった使い方が最も無難かも知れません。
Google Scholar ベータ版は出典の公表も含め、今後の改良が期待されるところですが、電子
ジャーナルをはじめとしたインターネット上の学術情報資源をポータル化し、顕在化させた意義
は大変大きいといえます。また技術的にも米国情報標準化機構(NISO)の規格(OpenURL
Standard, Z39.88-2004)を当初より採用しており、当館 SFX のように対応するシステムを
持つ機関におけるサービスの拡充が期待でき、今後の動向が注目されます。
本稿をお読みいただき、利用されるみなさまにつきましても Google Scholar の利点と制約を
- 65 -
ご理解いただき、ご活用いただきますようお願いいたします。
なお、ご説明の中で、ご不明な点、ご意見などがございましたら附属図書館(図書館システム
係 内線 2423、E-mail: [email protected])までお寄せください。
(図書館システム係 今野 穂)
Medical Online 月間ダウンロード件数 1,500 件に達する!
本誌前号で国内誌電子ジャーナル・システムであります「Medical Online」の年内試行提供の
ご案内をいたしましたが、提供開始より僅か2ヵ月後の5月の月間ダウンロード件数が 1,500 件
に達しました。参考までに他の分野別電子ジャーナル・パッケージでの利用件数を挙げますと、
約 140 誌を提供しています Lippincott Williams & Wilkins 社の LWW@Ovid の5月の利用件数
は 909 件となっており、数値的には約 1.5 倍の利用があったことになります。Medical Online
は 267 団体、414 誌(内訳、大学・学協会 217 団体 246 誌、商用出版 50 社 168 誌)の電
子ジャーナルを提供する代行出版社であり、LWW@Ovid などのオリジナル出版社の発行物と単
純に比較することはできませんが、国内で唯一の医学・保健医療学分野の電子ジャーナル・シス
テムに対するニードの高さが十分にあらわれた結果といえます。
Medical Online で実際にダウンロードされた誌名の上位 20 誌は下記表に示すとおりでありま
す。20 誌の利用件数の合計は 1,103 件で、全体(1,500 件)の 74%を占めており、また理学
療法、リハビリテーション関連の利用の高さが顕著にあらわれており、保健医療分野の電子ジャ
ーナル整備を検討する当館においても今後を期待できる嬉しい結果となりました。
Medical Online は前号でもご案内のとおり学内冊子体1誌化事業の再整備を目的とした年内
の試行提供でありますが、今回の利用結果を踏まえ、2006 年以降の正式提供に向けた検討を進
めていきたいと考えます。引き続き、関係各位のご理解とご協力をお願いいたします。
表.Medical Online ダウンロード件数(上位 20 誌)
タ
イ
ト
ル
件数
理学療法
214
綜合臨牀
152
診断と治療
111
Modern Physician
105
産科と婦人科
66
産婦人科治療
60
治療
56
医学のあゆみ
54
日本臨床
37
トレーニング・ジャーナル
31
CARDIAC PRACTICE
29
JOURNAL OF CLINICAL REHABILITATION
28
理学療法学
24
臨床スポーツ医学
22
脳と循環
22
あたらしい眼科
22
癌と化学療法
20
臨床と微生物
17
Pharma Medica
17
脳科学とリハビリテーション
16
合
計
1,103
- 66 -
図.Medical Online トップページと PDF 論文
(図書館システム係 今野 穂)
図書館の上手な使い方(第 16 回)
図書館職員と上手に付き合おう
1.新館開館前後のサービス内容
セス可能となった電子ジャーナルタイトル数が
(1)無人開館によるサービス内容
飛躍的に増加し、現在約2,300に達してい
平成11年に現在の図書館がオープンして7
ます。この結果、図書館に来て情報を入手する
年目に入りました。それ以前の図書館をご存知
時代からコンピュータ・ネットワークを使って、
の方は、サービスの提供方法が大きく変化した
研究室等から情報を入手する時代に移行しつつ
ことに驚かれたと思います。なかでも自動入退
あります。
館システム導入により実現できた無人開館は、
本学にとって大きなターニングポイントになり
2.新館開館前後のカウンター職員の役割
ました。平日の夜間や土・日・祝日の開館は、
(1)新館開館前
本学教職員や学生ばかりでなく、道内医療機関
図書館サービスが全く電子化されていなかっ
等で活躍されている卒業生の方にとっても、こ
た時代は、カウンター職員が利用者と直接、顔
の無人開館のもたらした功績は大きかったと思
を合わせ、対話しながら手作業で全てのサービ
われます。
スを提供していました。
その時代の主な業務は、
職員不在時の利用者が不便を感じないように
館内サインやホームページの充実を図り、情報
次のとおりでした。
①製本状況の問い合わせ
を得られ易いような環境作りを行ってきました。 ②新刊学術雑誌到着状況の問い合わせ
特にホームページは、図書館で持っている主な
③文献複写依頼の受け付け
情報を入手できるようになっています。
④貸出・返却手続き
開館日数は以前に比べ多くなった反面、学内
⑤督促(リスト作成は手作業)
ネットワークの充実により図書館を訪れること
⑥質問の回答(対面、電話)
なく、研究室等からホームページにアクセスし
⑦文献検索指導
て情報を入手する傾向が増えてきているのも事
⑧その他
実です。
この中で、最も多かったのは「製本状況と新刊
(2)提供サービスコンテンツの充実
学術雑誌到着の問い合わせ」だったと記憶して
附属図書館はホームページの充実とともに、
います。現在、これらの情報はホームページを
電子化された MEDLINE、医学中央雑誌、国立
使って、利用者自らが容易に確認できるように
国会図書館等が持っている情報と当館システム
なっています。
との連携によるサービスの提供や電子ジャーナ
(2)新館開館後
ル等のコンテンツの充実を図ってきました。平
図書館サービスが全て電子化された現在、カ
成15年度から開始した「国外学術雑誌学内一
ウンター職員と利用者が直接、顔を合わせて話
誌化事業」により、学内ネットワークからアク
をする機会が少なくなっているように思われが
- 67 -
ちですが、決してそうではありません。利用者
があるかもしれません。これは、こちら側にも
の質問内容が学習、研究の為の情報収集に加え
同じことが言えるわけで、利用者側が今、抱え
て、各種データベースの利用法をはじめ、AV
ている疑問や要望等を直接、聞くことができま
機器操作方法やメンテナンス等の依頼が新たに
す。利用者にとって、使い勝手の良い図書館サ
生まれてきました。実はこれが大きなウェイト
ービスを提供していく環境作りを進めていく上
を占めているのです。現在の主な業務は、次の
で、最も大事なことと感じています。
とおりです。
(2)本以外のことも聞いてみよう
前述のとおり、ここ数年、カウンターへの質
①返却手続き
②各種データベースの利用指導
問には、
各種データベースの利用法ばかでなく、
③質問の回答(対面、電話、メール)
パソコンあるいは AV 機器の操作説明が新たに
④督促(リスト作成はコンピュータ作業)
加わっています。最近、これらの機器の進化が
⑤パソコン、AV 機器等の使用方法およびメン
著しく、利用者からの様々な要望に応えるため
の知識の習得が必要になってきています。カウ
テナンス
ンター職員の利用者へのサービス内容が、情報
⑥その他
検索等の説明に加え、AV 機器等を利用者の目
的に応じた使い方の情報提供へと徐々に変化し
3.図書館職員と上手に付き合おう
図書館の抱えている情報は、主としてホーム
ているように思われます。
ページから提供しており、インターネット環境
が整備された場所があれば何時でも情報を得る
このように、図書館の役割が多様化する今日
ことが出来きます。
(なお、メンテナンス作業の
この頃ですが、利用者とのつながりはどのよう
ため、午前0時以降一時的にサービスを休止し
な形であろうと続いていくものであり、双方が
ています。
)このように、本学に限らず図書館サ
お互いに有益な情報を入手できる関係を続けて
ービスは、ネットワークを通じて利用者に発信
いくことを願っています。
していく時代に入っています。このような環境
においても、人とのコミュニケーションから得
以上、図書館のサービス提供についての概略
られる情報もあるはずで、次のようなことを試
を書いてきましたが、ホームページや職員への
みられては如何でしょうか。
問い合わせ等から得られる情報を有効に活用し
(1)気軽に声をかけてみよう
て、学習・研究等に役立てていただければと思
図書館職員は、利用者より図書館のこと、利
っています。利用者自身が必要に応じて、情報
用者にとって有益な情報をたくさん抱えていま
収集を行う時代となり、その方法については、
す。利用者は、有益な情報を入手するために、
各人が自分に合ったスタイルをお持ちになられ
各自様々な方法で図書館を利用していると思い
ていますが、図書館職員とのコミュニケーショ
ますが、図書館に来る用事があった場合は館内
ンを深めて、上手に付き合ってみるのは如何で
で見かけた図書館職員に気軽に質問したりする
しょうか。思わぬ情報が舞い込んでくるかもし
習慣をつけるのはどうでしょうか。何気ない会
れません。
話の中で思いも寄らない情報が入ってくること
- 68 -
(図書管理係
池崎 康)
甦ったアレキサンドリア図書館
エジプトの古都アレキサンドリアで、2000
征してきたシーザー軍による放火で、図書館と
年ぶりに大図書館「ビブリオテーク・アレキサ
蔵書はすべて焼失し、大図書館は歴史の表舞台
ンドリーナ(Bibliotheca Alexandrina)」が
からその姿を消した。
再建された(2002 年 4 月)。自分の人生に図
書館という文字がちらつき始めた頃から、今は
2000年の時を経た今、ビブリオテーク・
歴史の彼方のこの図書館に憧れに似たものを
アレキサンドリーナは近代建築の粋を集め、か
もってきた。二度と見ることができないという
つての図書館の跡地に巨大な姿で甦り、アレキ
郷愁のようなものであろうか。
サンドリアに新たな歴史の一歩を記した。実際
に見ているわけではないが、図書館を伝える記
アレキサンドリア図書館は、紀元前300年
事によると、新図書館は 11 階建て、高さ 35
頃、プトレマイオス1世によって、地中海に面
メートルの円筒を斜めに切った形で、地中海側
するアレキサンドリアに建てられた古代の世
に面した傾斜面はすべて窓という自然採光型
界最大図書館である。隣接した学術研究所には、
図書館だ。コンピュータネットワークを駆使し、
ギリシャの著名な哲学者、医学者、数学者、天
建築素材も世界各国から集められ、建物の壁面
文学者らが集まって研究に没頭し、図書館は学
には地球上のすべての文字が刻まれたレリー
者たちにとって、まさに「知のオアシス」であ
フで飾られているという。まさに世界の知識の
った。ユークリッドが幾何学の法則を発見した
縮図を象徴しているかのようだ。
のもここであったといわれている。
新図書館は、読書や資料調査ばかりではなく、
蔵書は50万巻を数え、クレオパトラ女王の
古代の図書館が当時の文化交流の中心であっ
時代には70万巻を超えたともいわれている。
たように、図書館のほか、国際会議場、プラネ
当時はまだ印刷技術が無い時で、その書物は、
タリウム、考古学博物館、写本博物館など文化
ナイル川の岸に繁っていたパピルス紙や羊皮
交流活動のための多目的施設を併設している
紙に手書きされた巻物が中心で、写字生によっ
という。建設にあたってはユネスコの協力と世
て写本が書き写されていた。この図書館は世界
界中からの多額の支援を受けたとあるが、新図
各地の書物の収集を目的としており、書物の収
書館は文化の衝突を乗り越えて、永遠に存続し
集には莫大な費用が払われた。時には非合法的
てほしいと思う。
手段もとられ、アレキサンドリアに入港した船
に書物があれば没収し、原本は図書館に収め写
パピルスや羊皮紙に始まった書物も、グーテ
本を戻したり、さらに他の都市から書物を借り
ンベルグの印刷術によって紙に印刷され、現代
ると、これも原本を図書館に隠し、紛失したと
ではコンピュータの発達とともに、文献そのも
偽って莫大な弁償金とともに写本を戻したと
のまでが電子化され、図書館も大きく姿を変え
いう話もある。
てきている。本学図書館も、新たな世界へ一歩
ギリシャ語の bibliotheca(図書館)は、
を踏み出した。未知の世界へ挑む多くの利用者
biblio「本」と theca「入れ物、箱」の意味だ
にとって、いつまでも「知のオアシス」であり
が、パピルスや羊皮紙の巻物の保管場所がその
続けたいと願っている。
語源という説もある。
こうして蓄積した蔵書だが、BC47 年に遠
- 69 -
(主任司書
中山純一)
図
書
館
日
誌
【平成17年4月】
4月
5日(火)
・臨床研修医図書館ガイダンス
7日(木)
・新入生(保)オリエンテーション及び図書館見学
8日(金)
・新入生(医)及び編入生(保)オリエンテーション
11日(月)
・新入生(医)図書館見学
20日(水)
・北海道地区大学図書館職員研究集会第1回企画委員会
(於:北海道大学)
小岩主任出席
25日(月)
・大学院医学研究科前期研修図書館ガイダンス
26日(火)
・保健医療学部看護学科4年図書館ガイダンス
29日(金)
・特別開館休館
∼5月5日(木)
札幌医学雑誌の投稿受付について
投稿に際しましては、「札幌医学雑誌投稿規定」を必ずお読みください。「札幌医学雑誌投
稿規定」につきましては 2002 年より改正になりましたので、札幌医学雑誌最新号の投稿規
定をご参照ください(札幌医学雑誌
第71巻第5号
平成 14 年10月より適用)。
なお、
「原著論文」、
「総説論文」を投稿される方は「札幌医学雑誌への論文投稿にあたって」、
また「学位申請論文」、
「学位集成論文」を投稿される方は、それぞれ『「学位申請論文」投稿
の手引き』、
『「学位修正論文」投稿の手引き』がありますので事前にお問い合せください。
問合せ先:図書館システム係
永岡
茂
(内線 2423>E-mail to: [email protected])
- 70 -
附属図書館へのお問合せ先
お 問 い 合 わ せ 内 容
図書館利用に関すること
雑誌に関すること
内 線
2425
2426
2416
E-mail
[email protected]
利用サービス係
[email protected]
図書管理係
2426
[email protected]
(学外利用者の方はこちらから)
2417
[email protected]
(学内利用者の方はこちらから)
2417
[email protected]
図書館システムに関すること
2423
札幌医学雑誌の投稿に関すること
2423
図書館の庶務に関すること
2415
図書に関すること
担 当 係
文献複写依頼
図書館へのご意見ご希望に関する
こと
2413
図書館システム係
[email protected]
[email protected].
jp
札幌医科大学附属図書館
〒060-8556 札幌市中央区南 1 条西 17 丁目
(TEL) 011-611-2111(代表)
(FAX) 011-641-9646(図書館直通)
発 行 日
平成17年 6 月 1 日
図書館システム係
総務係
∼ SAILING 札幌医科大学附属図書館情報誌 18巻 5∼6号 ∼
編集・発行
利用サービス係
主任司書
Fly UP