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58 代夏合宿レラカムイ隊

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58 代夏合宿レラカムイ隊
58 代夏合宿レラカムイ隊
【主旨】
レラカムイとは、アイヌ語で「風(rera)の神(kamuy)」という意味である。我々の隊は自転車の持つ
機動力を最大限に活かし、北海道の風となって道内を駆け巡る。
1R では苫小牧から稚内まで道央の広野を南から北へ縦断し、日本最北の地・宗谷岬を目指す。この行
程をこなす中で、北海道の広大さを全身で感じるとともに、本州では味わうことのできない北の大地独自
の風土や文化を満喫できることだろう。続く 2R では「最果ての島」利尻島・礼文島に渡り、それぞれ登
山と島歩きを存分に楽しむ。夏でも涼しいこの島々では、低地でも様々な高山植物が我々を迎えてくれる
に違いない。最後を飾る 3R では網走湖や屈斜路湖、摩周湖の湖畔を巡り、湿原を通り抜けて集結地、釧
路を目指す。
二週間以上もの長い行程を皆で喜びや苦労を分かち合い、乗り越えたとき、かけがえのない仲間との絆
と胸に込み上げて止まない充実感 (―Priceless!) が必ずや得られていることだろう。隊員一丸となっ
てメリハリのある楽しい合宿にしよう。
【メンバー】
L 池田雄樹(記録・カメラ・渉外・会計)
SL(1R) 小松達彦(渉外・気象・医療)
SL(2,3R)谷口佳子(渉外・装備・食糧 C)
新人 佐藤理沙(1R 地域研究・食糧)
田中政大(1R 地域研究・食糧)
筒井宏輔(2R 地域研究・食糧)
中山智明(3R 地域研究・食糧)
- 1 -
【行動予定】
日付
行動距離
予定時間
20km
30km
80km
70km
1.5h
7h
7h
6h
60km
100km
90km
70km
5h
8h
7h
6h
60km
5h
《1R 苫小牧~稚内》
8/ 5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
18:30 大洗発=(フェリー 19h \12,150)=苫小牧
13:30 苫小牧着-支笏湖[C1]
支笏湖-樽前山ピストン-支笏湖[C2]
支笏湖-札幌-岩見沢[C3]
岩見沢-富良野[C4]
【休養日】
富良野-美瑛-旭川[C5]
旭川-名寄-美深[C6]
美深-音威子府-天塩[C7]
天塩-サロベツ原野-稚内[C8]
《2R 利尻島・礼文島》
15
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18
19
20
稚内-宗谷岬-稚内=(フェリー1h40m \1,880)=利尻[C9]
【休養日】
利尻山ピストン=(フェリー 40m \730)=礼文島[C10]
礼文島(桃岩展望台コーストレッキング)[C11]
礼文島-スコトン岬-香深港=(フェリー \2,100)=稚内[C12]
【移動日】稚内=(電車)=網走
21
22
23
網走-屈斜路湖[C13]
屈斜路湖-摩周湖-釧路[C14]
【予備日】
24
【予備日】
25
【集結】
26
【解散】
6h
5h
4h
《3R 網走~釧路》
90km
90km
8h
7h
【行動準則】
・ 19 日までに礼文島に上陸していない場合、礼文島は行程からカットする。
・ 2R のフェリー乗船前に数日後の天気予報まで調べておき、天候により運行の中止が見込まれる場合は
乗船を見合わせる。
・ 2R 終了までに予備日がなくなった場合、3R のスタート地点を美幌に変更し、行程を短縮する。
・ 各ラウンド終了時に監督コーチに連絡する。
・ 25 日に集結地にたどりつけない場合は行動を中止し、電車を使って集結地へ向かう
【気象メモ】
・NHK 第一周波数〔KHz〕
札幌
留萌
室蘭
帯広
567
1,161
945
603
旭川
稚内
釧路
北見
621
927
585
1,188
・地方気象台
札幌管区気象台
旭川地方気象台
室蘭地方気象台
釧路地方気象台
網走地方気象台
稚内地方気象台
- 2 -
名寄 837
遠別 792
中標津 1,341
011-611-6127
0166-32-7101
0143-22-2598
0154-31-5145
0152-44-6891
0162-23-6016
【行動予定(登山・島歩き)】
利尻山
日時
8/17
使用地図:鴛泊(1/25,000)
行動予定
北麓野野営場(B.C.)-長官山-利尻岳山小屋-
利尻山-利尻岳山小屋-長官山-北麓野野営場
予定時間
6h
レラカムイ隊記録
8月5日
大洗港=苫小牧港
15:00 高田馬場駅集合。出発は白雪さすらい隊と一緒に出る形となったが、両隊ともに皆少し表情が硬
くなっている気がする。微妙な時間帯だというのに、それでもたくさんの OB・OG がこれまたたくさんの差
し入れを持って見送りに来てくださった。
激励を背に、新人にとっても通い慣れ始めた早稲田の地を後にする。まずは苫小牧行きのフェリーが出
ている茨城県の大洗港を目指す。
電車に揺られている間、これから始まる三週間の長旅を自分が一つの隊をまとめていくのだというプレ
ッシャーを改めて感じ、気を引き締めるとともに、かえってやる気がみなぎってくるのを感じた。精神的
なコンディションは悪くない。
そんな自分の心情とは裏腹に大洗について輪行に取り掛かると、はやくも問題発生。谷口がやけに輪行
にてこずっているので、様子をみると、ディレイラーの調子がおかしく、うまく組みあがらないという。
仕方がないのでその場は港まで自転車を押して行かせることにして、苫小牧についてから対応することに
した。
そのトラブルがあったこともあり、乗船時間ギリギリに乗り込む。大洗まで単身駆けつけてくださった
57 代廣光 OB にお別れをし、18:30 出航。半日を超える船旅に色んな意味で酔いしれる。普段乗り慣れな
いフェリーに一同興奮して、船内をまわり、船旅を満喫する。
明日からの行動に向けて英気を養い、就寝。
- 3 -
8月6日
停滞(苫小牧)
13:30 苫小牧着。長かった船旅を終え、遥かな蝦夷の大地に第一歩を踏み出す。ここで、白雪さすらい
隊の面々とも別れを告げ、一隊での行動が始まる。
まずは、初っ端から壊れてしまった谷口の自転車に対処すべく、谷口と1ラウンド SL の小松に付近の
自転車屋に修理に行かせる。
この時点で三年 L の自分と新人四人という構成になってしまうあたり、やはり上級生不足は否めない。
同時進行で買出しに行く。その後、谷口達と合流する。幸い、自転車屋のおじさんの職人技で、すぐに直
った。ひとまずほっと胸をなでおろす。
予定では、今日は支笏湖畔のキャンプ場まで行く予定であったが、修理に時間を割いた関係もあり、苫
小牧市内の海に程近い公園を幕場とした。ここで早くも、郷土料理に挑戦。苫小牧名産のホッキ貝を使っ
た鍋を作る。うん、美味なり!
翌日は予定の段階で少なめの行動に設定していたので、遅れを取り戻すべく、苫小牧から支笏湖畔まで
の道のりを加え、樽前山にも登ることとした。22:30 就寝。
8月7日
苫小牧-樽前山(登山)-支笏湖
5:30 起床。支笏湖付近では食材を調達できる場所がないため、朝食後、苫小牧市内の朝市で食材を購
入する。
深い霧の中、緩やかに高度を上げながら、樽前山の麓を目指す。
予報では、この先一週間ほど悪天が自分たちの行程についてまわることになっている。やれやれと思い
つつも、貴重な予備日をここで使うと後々の行程に響くと考え、11:00 樽前山登山を敢行。案の定一面ガ
スの中、外輪に出てからは横殴りの雨に遭う。外輪を一周したところで視界は望めそうもないので、手前
の東山山頂だけ踏み、早々に下山とする。
時刻は 12:40。時間が早いので、支笏湖北岸のポロピナイキャンプ場まで進むことにする。途中、この
旅初の温泉に入り、一休み。
17:00 幕場着。明日の行動に備え、21:30 就寝。
8月8日
支笏湖-札幌
5:00 起床、7:00 幕場発。天気は晴れのち曇
り時々雨と、相変わらず微妙。
行動はじめは 1000m 弱の登りとそこそこイカ
つい感じ。しかし、パーティーワンダリングな
どの成果か、皆あまりハマルことなく走ること
ができている。
予想よりもだいぶ早い 10:30 札幌着。午後は
一日札幌観光とし、ビール博物館などに赴いた。
ちなみに、そこで入学以来断固飲酒を拒否し続
けていた新人田中がついに生まれて初めてのビ
ールを飲み、大人の階段を昇る。
夕食はご当地札幌ラーメンをみんなで食べに
行く。その後、エレキ行動で岩見沢まで一気
北海道上陸、まずは樽前山登山
に行ってしまおうとするが、これが良くなか
った。川沿いのサイクリングロードから途中国道へ出るところを外し、ルートをロスト。そのまま川沿い
に北上してしまう。結局札幌郊外にあるモエレ沼より少し北に位置する中学校の前で一晩泊めさせていた
だくこととした。22:30 就寝。
8月9日
札幌-岩見沢-富良野
4:30 起床。あまり長居して学校に迷惑をかけても悪いので、朝食後早々に出発する。
- 4 -
天候は終日曇りベース。この日は新人知佳・理沙のお父上であり、前監督 32 代佐藤佳一 OB の同級生で
ある千葉さんのお宅でお世話になることになっている。
千葉さんのお宅は富良野にあり、札幌からはかなりの距離があるので、とばしていきたいところである
…のだが、この日はパンクなどのマシントラブルが続いてしまう。特に良くなかったのは、谷口のキャリ
アーねじが外れたときに、対応するねじを持ってきていなかったことだ。装備係でもあるのにさすがにこ
れはアリエナイ。一喝する。
そうした紆余曲折を経て 16:00、ようやくドラマ『北の国から』の舞台として有名な富良野にたどり着く。
千葉さん御一家に温かく歓迎していただき、たくさんのご馳走をいただく。我が隊の元気印、新人中山
の「早い者勝ちですよ」発言を発端に、食卓がさながら戦場と化す。どうかこの無作法者どもをお許しくだ
さい。
食事の後は千葉さんのご主人にご自身で掘られたアンモナイトなどの化石をたくさん見せていただいた。
地学命な新人筒井はとくに話が合うようで、色々とお話を聞かせていただいた。その晩は久々に家庭の温
かさを満喫させていただいた一同であった。
8 月 10 日
休養日(富良野)
7:00 起床。朝食をいただき、午前中の自由時間は、夜のうちに千葉さんの奥さんからお聞きしていた
チーズ工房に行くことにした。なんでも、そこではチーズがタダでたくさん食べられるということで、新
人グルメコンビの田中・理沙は行く前から目を輝かせている…気がする。たくさんのチーズや乳製品をい
ただく。
14:30、千葉さん御一家にお別れを告げ、富良野で一、二を争うくらい有名なファーム富田の素晴らし
いお花畑を見る。
この日はそのまますぐ近くの中富良野のキャンプ場に泊まることとした。22:00 就寝。
8 月 11 日
富良野-美瑛-旭川
6:00 起床 8:00 発。天気は曇り時々雨。この日は旭川まで一気に目指す。富良野から先、道中にすれ違
うチャリダーの数も多くなってきた。途中、理科大の一年生と友達になり、少し話しながら走る。彼は美
瑛も見てまわるということだったので、途中で分かれることになった。
旭川に着くと、日本で最も北に位置する動物園である、旭山動物園に行く。ここでは日本の動物園では
めったに見ることができない白熊やペンギンたちをたくさん見ることができた。ただ、彼らにとってはや
はり暑いのか、かなりダレ気味ではあったが…。
この日の幕場は旭川郊外にある春光台キャンプ場。16:30 到着。無料キャンプ場でありながら、設備も
よく、とてもきれいなキャンプ場だった。おまけにこの合宿始まって以来、悩まされ続けた天気がようや
く回復し、溜まりに溜まった洗濯物を干すことができた。ラジオでも今後天気は回復していくという予報
であり、良い兆しである。21:30 就寝。
8 月 12 日
旭川-名寄-美深
5:00 起床 7:00 発。今日は旭川から美深まで 100km
と、長めの行程だ。ただし、天気は終日快晴で、絶好
の自転車日和である。
ただ、またしてもマシントラブルが。なんと、谷口
のキャリアーが荷物の重さに耐え切れずに折れてしま
ったのだ。古い自転車からの使い回しということで、
経年劣化が原因だろう。その場は針金でつないで対応
する。近くの自転車屋で相談したところ、溶接したほ
うが良いということだった。稚内まで行かないと溶接
できるようなところもないそうなので、それまでは、
針金の応急処置で何とかするしかない。
海の向こうには利尻島
その後は順調に距離を稼ぎ、智恵文の何万本ものひ
まわり畑を見たりして、美深のキャンプ場まで走った。
ここでも、工学院の三年生と友達になった。さらに、昨日あった理科大の一年生とも偶然合流し、彼らは
自炊していないということなので、夕食にお招きした。わざわざ洗い茶までご丁寧に付き合ってくれ、思
いがけずワンゲル文化を広めることとなった。彼らはそれぞれ単独だということもあり、我々より大分ペ
ースは速い。明日から一緒になることはないだろう。まさに、一期一会である。22 時就寝。
- 5 -
8 月 13 日
美深-音威子府-天塩
5:30 起床 7:30 発。富良野から先、道央をひた走ってきたが、この日から進路を西に取り、海岸を目指
す。天気は相変わらず晴れていて気持ちが良い。今日の走行距離は 90km。ロングライドが続くが、皆逞
しく漕いでいる。途中、『北海道命名の地』に寄ったが、何のことはないただの河原で少しがっかり。名
付け親を忘れてしまったが、なぜここでインスピレーションを得たのだろうか。今日は他に特に見所とい
うところもないので、幕場である天塩まで一気に駆け抜ける。
13:40、海岸のなぜか外人さんが多いキャンプ場を幕場とした。明日はいよいよ1ラウンド核心部のサ
ロベツ原野である。どうか晴れてくれ。21:30 就寝。
8 月 14 日
天塩-サロベツ原野-稚内
5:00 起床、6:50 発。朝方は霧に包まれており、せっかくのサロベツ原野がガスで景色が見えないので
は、と一抹の不安を覚えた。しかし、そんな不安をよそに、一本終わるころにはバッチリと晴れ渡り、左
手の海のほうを見れば、海の中に利尻島が雄大な姿でたたずんでいる。その姿はまさしく島全体が山とい
う感じで、非常に美しい形状をしており、別名「利尻富士」と、富士の名に恥じない堂々たる山容である。
サロベツ原野はそんな感じで、最高のコンディションで走ることができ、隊員全員のテンションも最高潮
にあがる。ここは、やはり北海道でも随一の道であるのか、北大のサイクリングクラブもたくさんのパー
ティーをなして走っている。
稚内に着くと、一年と自分は食材の買出しへ、二年二人には自転車の修理と渉外に行かせる。幸い、谷
口のキャリアーを溶接することができた。この日は無料という響きに誘われて、高台にある公園のキャン
プ場を幕場に選んだのだが、かなりの傾斜があり、少し後悔する。21:00 就寝。明日は日本最北端の地、
宗谷岬である。21:00 就寝。
8 月 15 日
稚内⇔宗谷岬
4:00 起床、5:50 発。荷物を防波堤ドームにデポして宗
谷岬を目指す。追い風のため行きは快調に飛ばす。7:40 宗
谷岬着。新人田中・中山は感極まって入水している。思え
ばかなりの距離を来たな、と感慨に浸りつつ、心は既に 2
ラウンドへと歩みを進めつつあった。今日のうちに移動し
てしまいたい。
しかし、宗谷岬からの帰りは思いがけないほど強い向か
い風にあおられ、なかなか前に進まない。結局、予定して
いたフェリーに乗るのは厳しいと判断されたこと、ここの
ところハードな日程が続いており、疲れが溜まっているこ
と、午後はあまり天気が思わしくないこともあって、今日
は防波堤ドームを幕場として、稚内に留まり、明日利尻島
へ移動することにする。
1 ラウンドの終了ということで、夜に軽く宴会をして、
明日からの 2 ラウンドに備えることにした。
8 月 16 日
ツーリストの聖地『宗谷岬』に到達!
稚内=利尻島
7:00 起床。稚内にいるうちに買出しを済ませて、11:10 利尻島行きのフェリーに乗り込む。到着と同時
に輪行を解除。ふと顔を上げると、利尻山がすぐ目の前に飛び込んでくる。この日は終日曇りベースであ
り、山頂上にはかさ雲が発生していた。
北麗野営キャンプ場を幕場とする。ジンギスカンを食べて力を蓄える。地元のお兄さんと話をしたら、
「明日は
晴れないよ」と嫌なことを言っている。利尻登山に備えて早めの就寝 21:00。
- 6 -
8 月 17 日
利尻山(登山)
4:00 起床、5:30 発。明け方は曇りで、これは樽前山
の時の二の舞になってしまうのでは、と心配するもの
の、進んで、高度を上げていくにつれて、どんどん天
気が良くなっていく。そのまま、山頂まで絶好の天気
の中、気持ちの良い登山が続く。山頂でも心配された
風はほとんど吹いておらず、ぽかぽかと暖かい。これ
まで、登山をあまり好きになれきれていなかった新人
にとっても、この山行はやはりとても気持ちの良いも
のだったようだ。めったにはれる場所ではないという
ことなので、非常に嬉しい。
山頂ではもちろん式典を行う。その場に早稲田の生
物研究会の OB の方がいて、一緒に校歌を歌ってくだ
さった。B.C.まで戻って、その日もそこで泊まる。
利尻山頂
眼下には無限の雲海が広がる
8 月 18 日
利尻島一周
5:30 起床、8:00 発。今後の天気予報では今後一週間くらい大きく崩れることはないようなので、そろ
そろ予備日を有効に使いたいと考え、利尻島の外周を自転車でまわることにした。この日は沓形にあるキ
ャンプ場に泊まる。ここは海の程近くにあり、青い海と空に利尻山の緑がよく映えてきれいだった。晩御
飯には「海からの贈り物」も加わって、非常に豪華なものになった。夜はささやかながら花火をして楽し
む。明日にはこの楽園のような島を去らなければならないのが少しさびしく感じられる。22:00 就寝。
8 月 19 日
礼文島(トレッキング)
6:00 起床、7:40 発。港から出る 10:05 発のフェリーに乗り、次なる島、礼文島へ向かう。
渡って早々、自転車で少し走ったところでとまっていると、目の前の家に住むおばちゃんがふかし芋を
片手に持って近寄ってきて、ご馳走してくださった。田舎の人の優しさにはいつも感激させられてしまう。
その後、自転車を置いて、桃岩のトレッキングコースを歩く。残念ながら、この日は曇りで利尻を望むこ
とはできなかった。独特な形をした桃岩を後にした後、石が大好きな新人筒井たっての希望で、メノーと
いう石がよく落ちている元地海岸へ行く。そこで、世にも珍しいとど肉を食べられる店があったので食べ
てみると、これまた美味なり。
その後自転車を置いた場所まで戻り、一路北の九種湖畔のキャンプ場を目指す。ここのキャンプ場はと
ても手入れが行き届いているが、その分とても料金が高かった。代わりに一人一匹わっしょいで出てくる
ようなパックに詰まったホッケをもらったが。…食べきれません、はい。
8 月 20 日
礼文島-スコトン岬-香深港=稚内
5:30 起床、7:10 発。空身でスコトン岬を目指す。
天気はあまりよくなく、強風が吹いている。そのた
めか、スコトン岬は非常にわびしく感じられる場所
で、写真を取るだけで、すぐにキャンプ場の方へ戻
ることにした。午前中は休養。その時間に、キャン
プ場に遊びに来ていた地元の女の子を相手にしてい
た新人理沙は、その子の言葉巧みな話術でジュース
などを勝ってあげる羽目になったようで、田中にい
たってはその子にいじめられる始末であった。うー
ん、子供は侮れない。
その後港まで戻り、16:10 発のフェリーに乗って稚
内まで戻り、無事 2 ラウンド終了。防波堤ドームで
バーベキューをして、ラウンド終了を祝う。
海の幸を求めて礼文へ
- 7 -
8 月 21 日
稚内=網走
この日は朝から晩まで3ラウンドスタート地点の網走に向かうべく、電車にて移動する。
19:30、長い輪行を終えて網走着。すぐに出発して呼子キャンプ場へ向けてエレキ行動へ。遅い夕食を
済ませて、23:30 就寝。
8 月 22 日
網走-屈斜路湖
6:00 起床 7:30 発。美幌峠までは晴れていて暑くはあるが、向かい風であった。おまけに長い上り坂。若干
みんなふらつきがち。峠に到着するとすぐに土砂降りの雨が降り始め、少しの間屋内で待機してやり過ごす。
雨が収まり、気を取り直して出発。屈斜路湖までは一気に下り降りる。途中にあったアイヌ民族資料館
で鹿の角で作ったイカしたナイフがあったので、鳴海さんへの記念品として購入した。その後、湖畔のキ
ャンプ場まで移動。23:00 就寝。
8 月 23 日
屈斜路湖-摩周湖-釧路
6:00 起床、7:45 発。この日の行程も摩周湖まで上り坂が続く。
『晴れた摩周湖を見たら婚期が遅れる』とい
う伝説があるそうだが、この日の摩周湖は…見事に晴れ!それを知った理沙はとても悲惨そうな顔をしている。
摩周湖からの下りが終われば、あとは釧路湿原を越えて集結地釧路を目指すのみ!…なのだが、ここか
らが意外と長かった。走行距離 130km 強といったところだろうか。なかなか疲れたが、その分達成感もひ
としおだった。一足早くついている日昇高天隊の荷物にチャリ隊が到着したことを知らせるちょっとした
いたずらを仕掛けて、河原で BBQ をして全行程制覇を祝った。
8 月 24 日
予備日(釧路)
予備日のため、キャンプ場までの移動だけ。昼まで自由時間として、13:40 釧路駅発。途中でキャンプ
ファイヤー用の薪などの下見をした後に、幕場へと向かう。
8 月 25 日
予備日(釧路)
集結日。狂乱の宴が催される。夏合宿集結の四年生は毎年のことながらやはりかっこいい。59 代の夏
合宿集結で、願わくば自分もそのように思われたいものだ。
夏合宿はやはり長いようで終わってみると非常に短く感じ、一抹のさびしさが残るものだと改めて思っ
た。同時に長期での初 L を無事終えることができ、ほっとした瞬間だった。
記録:池田
58 代夏合宿レラカムイ隊総括
【全体総評】
我々の隊は自転車活動を中心に、北海道の大地の広がりと文化を感じ、最果ての島を歩き、その風土に
触れることを目的に活動を展開した。
1R 前半こそ天候に悩まされる行程が続いたが、その厳しい行程のなかでも、隊員一人一人が互いに協
力し合い、それぞれの役割を果たす中で、パーティーワンダリングより育んできた隊としてのまとまりを
いっそう強いものにできたように感じられた。そして、そうした行程を越えたからこそ核心部ともいえる
サロベツ原野や利尻岳山頂では隊員の誰もが心の底から楽しいと思える活動ができたのだと思う。3R ま
で、長期にわたって非常に広範囲にわたって活動するなかで、誰もが、忘れられない場所、思い出が出来
たであろうし、その中でより濃密な人間関係を築くことが出来たことと思う。
しかし、隊全体に渡って、装備の故障や紛失が多すぎる。やむをえない故障も中にはあったであろうが、
事前の準備や注意を怠ったことによるミスも多く見られた。装備の不備は山では生命に関わる問題である。
もっと緊張感をもって活動に取り組むこと。
この合宿で得たもの、反省すべきことを忘れずに、59 代の活動でも活かしていってもらいたい。
- 8 -
【行動概略】
【1R】8/ 6 [苫小牧] 0km
13:30 苫小牧港着
14:30 行動開始
《買出し》
17:30 幕場(苫小牧)着
18:30 食当点火
20:30 T.P.点火
22:30 就寝
8/ 9 [札幌~富良野] 90km
4:30
起床・食当点火
6:00
行動開始
16:30 幕場(富良野)着
19:00 夕食
就寝フリー
8/12 [旭川~美深] 110km
5:00
起床・食当点火
7:00
行動開始
14:30 智恵文ひまわり畑
《買出し》
16:00 幕場(美深)着
17:30 食当点火
20:00 T.P.点火
22:00 就寝
8/15 [稚内] 60km
4:00
起床・食当点火
5:50
行動開始
7:40
宗谷岬
10:50 幕場(稚内)着
《買出し》
17:00 食当点火
18:45 T.P.点火
22:00 就寝
8/18 [利尻島] 30km
5:30
起床・食当点火
8:00
幕場発
10:00 行動開始
《買出し》
13:30 幕場(利尻)着
《自由時間・温泉》
17:30 食当点火
19:30 T.P.点火
22:00 就寝
8/21(移動日)
5:15
起床
《電車移動・買出し》
19:30 網走駅着
19:50 行動開始
20:15 幕場(網走)着
20:45 食当点火
22:15 T.P.点火
23:00 就寝
8/ 7 [苫小牧~支笏湖] 60km
5:30
起床・食当点火
7:00
行動開始
《買出し》
11:00~12:40 樽前山登山
14:15~16:30 支笏湖温泉
17:00 幕場(支笏湖)着
18:00 食当点火
20:00 T.P.点火
21:30 就寝
8/10 [富良野] 10km
7:00
起床・朝食
8:00~12:00 自由時間
12:00 昼食
14:30 行動開始
《買出し》
16:30 幕場(中富良野)着
18:00 食当点火
20:00 T.P.点火
22:00 就寝
8/13 [美深~天塩] 90km
5:30
起床・食当点火
7:40
行動開始
13:40 幕場(天塩)着
《買出し》
17:00 食当点火
19:40 T.P.点火
21:30 就寝
8/ 8 [支笏湖~札幌] 90km
5:00
起床・食当点火
7:00
行動開始
10:30 札幌着
11:30~16:30 市内散策
《
買出し》
18:00 夕食
20:30 幕場(札幌北東部)着
22:30 就寝
【2R】8/16 [利尻島] 5km
7:00
起床・食当点火
《買出し》
11:10~13:00 フェリー
14:10 幕場(利尻)着
16:00 食当点火
17:50 T.P.点火
21:00 就寝
8/17 [利尻島] 0km
4:00
起床・食当点火
5:30
行動開始
10:00 山頂着
15:00 幕場(利尻)着
17:00 食当点火
18:45 T.P.点火
21:00 就寝
8/19 [礼文島] 30km
6:00
起床・食当点火
7:40
行動開始
10:05~10:50 フェリー
11:40~15:15
桃岩・元地トレッキング
《買出し》
16:30 幕場(礼文)着
17:45 食当点火
19:40 T.P.点火
21:30 就寝
8/22 [網走~屈斜路湖]90km
6:00
起床・食当点火
7:30
行動開始
12:40 美幌峠着
15:00 アイヌ資料館
《買出し》
17:40 幕場着
《温泉》
19:30 食当点火
21:30 T.P.点火
23:00 就寝
8/20 [礼文島・稚内] 20km
5:30
起床・食当点火
7:10
行動開始
7:40
スコトン岬
8:50~13:00 自由時間
16:20~18:15 フェリー
《買出し》
20:00 食当点火
就寝フリー
8/24 [釧路~達古武]30km
7:00
起床
《買出し・自由時間》
12:40 行動開始
15:45 幕場(達古武)着
19:00 食当点火
20:50 T.P.点火
24:00 就寝
- 9 -
8/11 [富良野~旭川] 60km
6:00
起床・食当点火
8:10
行動開始
11:30~14:30 旭山動物園
《買出し》
16:30 幕場(旭川)着
17:45 食当点火
20:30 T.P.点火
21:30 就寝
8/14 [天塩~稚内] 60km
5:00
起床・食当点火
6:50
行動開始
10:50~12:20 温泉
13:30 幕場(稚内)着
《買出し》
16:30 食当点火
18:10 T.P.点火
21:00 就寝
8/23[屈斜路湖~釧路]100km
6:00
起床・食当点火
7:45
行動開始
10:00 摩周湖着
16:15 幕場着
《買出し》
18:30 食当点火
就寝フリー
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