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北極圏海氷調査 Ⅱ: 圧縮強度・応力緩和の測定

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北極圏海氷調査 Ⅱ: 圧縮強度・応力緩和の測定
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北極圏海氷調査 Ⅱ : 圧縮強度・応力緩和の測定
青田, 昌秋; 田畑, 忠司; 石川, 正雄
低温科學. 物理篇 = Low temperature science. Series A,
Physical sciences, 34: 209-220
1977-03-25
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/18314
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
34_p209-220.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
Masaaki AOTA,Tadashi TABATA and Masao ISHIKAW A 1
9
7
6 A
r
c
t
i
c Sea I
c
e
1
. Measuremento
fCompressive S
t
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e
n
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h and R
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・A,
84. (WithEnglighSummaryp
.2
1
9
i
TemperatureS
c
i
e
n
c
e
北 極 圏 海 氷 調 査
n
*
.
料
庄縮強度・応力緩和の測定一一
青田昌秋・田畑忠司・石川正雄
(低温科学研究所)
(昭和 5
1年 1
0月受理)
1
. まえがき
氷野の運動の研究や凍る海域の構造物の設計には氷の力学的性質についての知識が必要で
ある。
昭和 51年 4月下旬から約 1カ月間アラスカ北端パローにおいて海氷の圧縮破壊強度と
応力緩和の測定を行なった。
試料は北極海に面するパロー沿岸の定着氷(氷厚約 2m) から採取した。
圧縮は定歪速度
.
5,2
.
0X 10- cm/secの 3段階である。
の一軸圧縮で,圧縮速度は 20ム 6
3
海氷の強度は氷温,氷中の塩分量,結晶構造によって変化する。さらに試料の大きさや結
晶軸に対する圧縮の方向,圧縮の速度によっても変わることが知られている 1-2)。
今回の観測においては海氷の圧縮強度と以上の諸条件との関係を知ることを主な目的とし
た。次に海氷の応力緩和の測定によって,粘弾性係数の算出を試みた。海氷の応力緩和は静荷
重による曲げと同じく弾性係数一定のスプリングと粘性係数が時間変化する泊緩衝器を連結し
た力学模型で説明し得ることがわかった。
1
1
. 実験方法
第 1図が実験装置の略図である。試料 Sは電動機 M の駆動で上下する圧縮板 F で圧縮
0
.
0X 10-3cm/sec,6.5X10-3cm/secお
される。 F の下降速度はプーリー P の交換によって 2
.
0X 10-3cm/secを選ぶことができる。
よび 2
海氷の反抗力は, 400~1 ,500 kgであった。
この範囲では,圧縮板の下降速度の変化は認
められなかった。よって歪は電動機の駆動時間に比例するとみなすことができる。また試料に
加わる力は電気式荷重計 L によって測定し連続的に記録した。
試料は北極海沿岸のパロー沖の定着氷(氷厚約 2m) の上層および中層から 50cmx50
cmx30cmぐらいの氷塊十数個を切り出しこれらの氷塊から底面が 5cmx5cm,高さ 7,10
および 13cmの氷の角柱を作った。
海氷の構造はその厚さの方向には均一でないので表面からの距離のちがし、によって試料を
*北海道大学低温科学研究所業績
第 1
8
0
5号
特北海道大学低温科学研究所流氷研究施設研究報告第 5
0号
低温科学物理篇第3
4輯 昭 和 51年
2
1
0
青田昌秋・他
区分した。すなわち表面の雪氷 6cm
を 除 き そ の 下 層 の 約 25cmを A 層
,
0cmを B層とした。
その下の約 3
測定期間中の気温は比較的緩かく
O
-l1C以 上 で あ っ た 。 現 地 に は 低 温
実験室がなかったので,室温を換気扇
と電熱器で調整して氷温を一定に保っ
た。圧縮強度の測定直後に試料にドリ
ルで細い穴をあけてアルコール温度計
を挿入して氷温を測った。コアドリル
で全層の採氷を行ない薄片を作り結晶
第 1図
構造を観察した。また,圧縮試験を行
実験装置の略図
なった試料からも薄片を作って結晶構造の変化を観察した。
塩分に関しては試験後試料を融かしてモールの銀滴定法によって塩素量を求めた。
1
1
1
. 測定結果
1
. 海氷中の塩分および結品構造
試料の採取点附近でコアードリルを用いて全層の氷を採取した。円柱試料を約 10cm毎に
o
切断して融かしそールの銀滴定によって塩
CHLORINITV
?
%
。
ど
50
素量を測定した。海氷中の塩素量の鉛直分布
を第 2図に示す。
、。¥¥
第 2図に示すように現場の海氷の塩素量
。/ノ
は1.9~3.0ルで平均は 2.5~らである。なお海
}
水の塩素量は 1
8仇であった。
各試料は圧聞の問解吋の塩
(
素量を測定した。 A 層の試料の試験時の平均
z
←
0
.
.1
0
0
。
w
塩 素 量 は 1仇
¥
j
B層 の そ れ は 1
.
7
%
0であっ
た。第 2図に示した現場の塩素量の鉛直分布
より少ないのは採取した氷塊を 1~3 日間陸
(
上に置いた後試験を行なったためである。
氷 の 円 柱 試 料 の う ち 表 面 川 cmまで
¥
2
0
0
c
第 2図
。
の垂直断面およびいくつかの水平断面の偏光
)
写 真 加 図 に 示 す 。 第 3図の lおよび 2か
1
ら明らかなように表面から 15cmぐらいまで
は粒状氷で結晶も小さい ο それ以深の部分は
パロー沖の定着氷中の塩素量の
1
9
7
6年 5月 7日)
鉛直分布 (
海氷に特有なモザイク状結晶構造を示してお
,
り 17.5cmの深さではまだ結晶粒が小さい
北極関海氷調査 I
I 圧縮強度・応力緩和
結晶構造
1 表層 -35cmの鉛直断面
2 2.
5cm隠の水平断面(直径 7
.
5cm,
以下同じ),
3 1
7.
5cm層
4 50cm層
5 1
0
0cm層
,
6 1
2
5cm関
7 1
5
0cm層
8 1
7
5cm層
211
2
1
2
青田昌秋・他
が(第 3図の 3)垂直断面を見ると 20cmぐらいから結晶粒が大きくなっているようであり,
第 3 図 4~8 に見るように深くなるに従って結晶粒は多少大きくなっているようである。圧縮
試験を行なった B 層(深さ 30~60 cm) では結晶構造は一様であり A 層 (6~30 cm) では結晶
粒はそれより小さいが結品構造はほぼ一様であったと見なすことが出来ょう。
2
. 海氷の圧縮強度
海氷の力学的性質は氷の温度,氷の中に含まれる塩分および結晶構造によって変化する。
また外力の加わり方や測定しようとする氷の大きさによっても異なることが知られている。
a
)海氷の圧縮強度と氷温の関係, (
b
) 圧縮の方向による強度の違い, (
c
)
ここでは主に, (
歪速度と強度の関係, (
d
)氷の長さの影響の 4項目に注目して圧縮試験を行なった。
0
温度条件は -5
C と -100C とした。
圧縮の方向は圧縮軸の方向が氷の成長方向と同じ場
合一一垂直圧縮と呼ぶことにする一ーと圧縮軸の方向が氷の成長方向に直交する場合一一水平
0
.
0,6
.
5,2
.
0X 1
0
-3cm/secであった。氷の形状は底
圧縮と呼ぶーーの 2方向で,圧縮速度は 2
面は同じく 5cmx5cmとし高さを 7,1
0および 13cmの 3種にした。
なお同じ条件下でおのおの 5本の試験を行ないその平均値を採用したがそれらの強度には
大きなちがし、はなくほぼ均一な値を示した。
第 4~6 図に異なる条件の下のいくつかの測定例を示す。
横軸は歪,縦軸は氷中に加わっ
た応力を表わしている。図中に氷温,圧縮速度,氷柱の長さおよび圧縮方向を示した。図から
明らかなように歪の増加に対する内部応力の変化は一様ではない。
たとえば第 4図の No.62に示すように垂直圧縮で低温でかつ査速度が速い場合はいくつ
かの亀裂が生じた後爆発的に破壊する場合が多かった。いっぽう特に第 6図 No.22にみるよ
kg/cm2
kg/cm2
5
0
NO. 62
NO.51
5
0
VERTICAL
H= 7 c
m
T=・5
・
C
VERTICAL
H=7 c町1
T=ー1
OOC_3
3
.
c
V =2
0
.
1
0 m/sec
V=
I1
、
1
:
vl
vl
W
vl
vl
町
、
1
1
1 I
a:四│¥
w
a
:
n
:25~:
NO.7
HORIZONTAL
E
;
: 25~;ì
H=7c
、
円
T=-5o
c^
V=2
0
.
1
σ
o
t
c
m
/
s
e
c
.
o
2
3
x
l
0
'
STRAIN
2
0
.
1
0c
m
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s
e
c
.
1
1:¥
0
1
NO.68
HORIZONTAL
H =7c
m
T=
ー1
0oC
.
V=2
0.1
0
c
m
/
s
e
c
.
2 x
l
0
'
STRAIN
応力一歪曲線の例
第 4図
No.7 と No.51 および No.62 と No.68の各組はそれぞれ圧縮方向による
圧縮強度の根違を示している。垂直圧縮 (
No.51 と No.62)では数回亀裂が生
No.7 と No.68)では爆発的な
じた後爆発的に粉砕した。いっぽう水平圧縮 (
破壊は起らず塑性変形が生じた
2
1
3
北極圏海氷調査 I
I 圧縮強度・応力緩和
うに水平圧縮で、比較的高温かつ圧縮速度が遅い場合には亀裂は発生せず塑性的変形を起こすの
みであった。
このため海氷の圧縮強度を示す量として亀裂の発生時の内部応力および測定中に生じた内
部応力の最大値を採用することとした。この結果を第 1表に示す。さきにも述べたように同一
凶 n2
kgJW
NO. 122
4
0
4
0
HORIZONTAL
H=1
3 cm
T=ー 1
00 C
V=2
x
1d'cm/sec
の 30
t
I
l
n
:20
,
,
HORIZONTAL
、
'
‘
,
、、
t
『 ‘
の 30
ぴ3
w
Z
NO.70
、
w
-------・・ーー
H=1
3cm
T=ー100C
V= 20x1
O
'
cm/sec.
‘
0
:
:
:
お20
NO.ll
NO.20
HORIZONOTAL
H=13cm
10
T=-5 C
b"
HORIZONTAL
H=1
3cm
T= 50C
V=20漏 1O
'
cm
/
s
e
c
.
101
:
0
司
V= 2
x
1O-'cm/sec.
o
5
xlO-2
10
STRAIN
0
1
1
Q5 .
1
0 1
5川 0
STRAIN
第 5図 応 力 歪 曲 線 の 例
No.20 と No.122 お よ び No.11 と No.70 の各組はとにも水平圧縮で前者
0
-3cm/sec,後者は 20X1
0
-3cm/secの場合の圧縮強度に対す
は圧縮速度が 2X 1
る氷湿の影響を表わしている。ともに塑性変形を示している
匂 Icm2
NO.109
VERTICAL
50
H=7cm
T=
-10"C3
V=2
.
1
0
-cm/sec
,~、,
,
t
I
l
ω40
w
d
NO.33
VERT
lCAL
,
,
,
,
g
ト
ー
ω30
NO.1
12
HORIZONTAL
H=7cm
0
T=・ 5
C_
V=2
x
l
0
20
⋮
叫
〆↑。
U/
5
1
0
xl
O
-2
STRAIN
第 6図 応 力 歪 曲 線 の 例
圧縮速度はすべて 2X 1
0
-3cm/secである。垂直圧縮 (No. 33 と No.109) では
1
,2回亀裂が生じたあと塑性変形した。水平圧縮 (No.20 と No.112) では塑
性変形のみでありかつ最大内部応力は前者に較べて極めて小さい
青田昌秋・他
214
第 1表
海氷 の 圧縮 強 度
2
亀裂発生時の内部応力 kg/cm
│
ーデC
温│
氷
1
0
C
0
Crossheadi
ー
I ')()vl千
cm21 6.
S附 d
12
0.
0kg/cm21 6
.
5 I2.0X~:ι:ecI20.O kg/
5 I2.0X
1
c
叫
悶
試料分類
3
Length\\~"', U~~I
日uont 唱
A
EURIon
層
V
e
r
t
i
c
a
l
Comp.
B
Horizontal
Comp.
2
2
.
5
1
6
.
0
3
7
.
3
1
0
4
1
7.
3
6
.
1
21
.2
1
3
1
6
.
2
3
9
.
8
2
0
.
3
7
2
3
.
2
2
9
.
0
4
0
.
6
7cm
Horizontal
Comp.
2
6
.
2
2
0
.
1
1
7
.
6
層
V
e
r
t
i
c
a
l
Comp.
3
6
.
6
7
2
3
.
2
2
最 大 内 部 応 力 kg/cm
│
氷
ーデ C
温│
-1OOC
Crosshead!
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試料分類
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6
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3
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.
9
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.
7
6
3
.
7
7cm
Horizontal
Comp.
44.
4
3
3
.
1
唱
guRton
層
V
e
r
t
i
c
a
l
Comp
B
Horizontal
Comp
2
6
.
2
2
0
.
1
1
7
.
6
層
V
e
r
t
i
c
a
l
Comp.
7
6
9
.
0
2
3
.
2
5
2
.
1
6
2
.
0
条件の下で各 5本の試験を行なった。表中の強度は各 5個の平均値である。
2で氷温,
第 1 表から海氷の圧縮破壊強度は 16~75 kg/cm
圧縮速度(歪速度)などの条件
によって大きく変化していることがわかる。
(
a
) 氷温の影響
氷温が -5C と -10Cのときの強度の比較によって次のことがわかる。
0
0
には温度の低下によって圧縮強度は増大している。
水平圧縮の場合
すなわち氷温が -10Cのときの圧縮強度
0
0
は一 5 C のときのそれに較べて平均して 20~30% 大きい。一方垂直圧縮のときは歪速度によ
って傾向が異っている。
(
b
) 圧縮方向による圧縮強度の相違
海氷は第 3図に見られるように特有のモザイク状の結晶構造をしており, 圧縮の方向によ
ってその強度が異なることが期待される。
ここでは圧縮軸の方向が氷の成長方向と同じ場合一一垂直圧縮一ーと圧縮軸の方向が氷の
2
1
5
北極圏海氷調査 I
I 圧縮強度・応力緩和
成長方向に直交する場合一一水平圧縮一ーの強度を高さ 7cmの氷柱で比較した。
1
,2の例外を除くと一般的に垂直圧縮強度の方が水平圧縮強度より大であり
3倍以上に
なる場合もみられる。
(
c
) 歪速度と圧縮強度の関係
垂直圧縮の場合圧縮強度は査速度が大きくなるに従って増大する。すなわち圧縮速度が
2
.
0X 1
0
-3cm/secの場合にくらべて圧縮速度が 6
.
5X 1
0-3cm/sec の場合は1.2~1.7 倍となり,
平均して1.4倍である。さらに圧縮速度が 2
0
.
0X 1
0
-3cm/secになると圧縮速度 2
0
.
0X 1
0-3cm/
sec のときのl.4 ~2.1 倍で平均1.8 倍となっている。一方水平圧縮の場合は圧縮速度が増大す
ると強度が極端に増大する場合と減少する場合があり一般的傾向は認められない。
(
d
) 氷柱の形状の効果
試料はすべて底面は 5cmx5cmの 正 方 形 で , 高 さ は 7
,1
0および 1
3cmの 3種の角柱で
ある。試料の大きさによって圧縮強度が変化するか否かは,表から角柱の高さは圧縮強度に影
響しないことが明らかである。
3
. 海氷の応力緩和
海氷の圧縮強度の測定と同時に応力緩和の測定を行なった。装置は圧縮試験に用いたもの
を利用した。海氷が破壊する直前で圧縮機の駆動を停止,すなわち査を一定に保った状態で応
力の時間変化を記録した。測定時聞は 5~10 分である。試料は 5 cmx5cmx7cmの角柱であ
る。圧縮の方向が氷の成長方向と一致する 3例と直交する 4例を測定した。第 7図にそれらの
応力緩和曲線を示す。
第 7図から応力 σ(
t
)の時間的変化は実験式
l
na(
t
)= A -Bt+
c・
e
-Tt
(1)
で近似できることが明らかである。
静荷重による海氷の梁の曲げや圧縮などの力学的性質は粘弾性理論のいわゆる Maxwell-
Voigt模型でよくあらわされることが知られている。 Maxwell-Voigt模型とは,弾性係数 E1
のスプリングと粘性係数引の油緩衝器からなる Maxwell模型と,弾性係数 E2 のスプリング
と粘性係数%の油緩衝器からなる Voigt模型を直列につないだ力学模型である。
いま定歪による海氷の応力緩和 σ(
t
)をさきに述べた Maxwell-Voigt模型によってあらわ
すと
a(t)=C
1・ 叫
r
~u
:
1+:
2+ 判 +J(旦十五+旦Y
4:
1.~斗 1
L
~
l
¥布1
守2
守2 / ¥ ザ1
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可2 / ザ1
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C
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2
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.
.
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11
t
1
“ .L
~
l
¥ザ1
ザ2
守2 /
v ¥ザ1
1
ザ2
守2 / ザ1
ザ2
JJ
(2)
となる。ここで tは時間,Cl および
C2 は積分定数である。この
2
)式と実験式 (
1
)から海氷の粘弾性係数
た応力緩和 (
E h ザh
Maxwell-Voigt模型で表わし
E2 および%を求めることは困難
である。
定歪の応力緩和の実験から海氷の粕弾性係数を求めるため力学模型の簡略化を試みた。
N]戸町
、-ー
1
0
0
0
1
0
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一
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ー
・
ー・ ー ・ ← ー
一
一
LL
1
0
0
0
NO.6
一
o
∞f
1
0
第 7図 応 力 緩 和 曲 線
No. l-No. 3 垂 直 圧 縮
No.4-No. 7 水 平 圧 縮
NO.7
1
0
0
o
2
4
T IM E
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N
.
2
1
7
北極圏海氷調査 I
I 圧縮強度・応力緩和
いま定査の応力緩和を弾性係数 E のスプリングと時間変化する粘性係数甲 (
t
)の油緩衝器
を連結した力学模型で-表わし得るとする。
1および ε
2, 系全体の査を ε
, この系の応力を σ とす
スプリングおよび油緩衝器の歪を "
ると
ε=ε1+ε2
(3)
]
(= E・
ε
1
(4)
d
ξ
σ =守 d
t-
(5)
となる。
ここで歪 sを一定 ε
。に保っときの応力の時間変化 σ(
t
)
,すなわち応力緩和を求める。
(
3
)
(
5
)式から
1
dσ
ー
一
一
一
一
十
一
一
E
d
t
マ=0
(6)
(
6
)式から
hσ ト
l
(一子)dt+C
(
7
)
ここで t=Oにおける応力を σ。とすると (
7
)式は
什子 d
川 め =l
n
(8)
となる。
(
8
)式が実験式 (
1
)を満足するとして守 (
t
)を求めると
ザ(
t
)= 一一旦一一
+b・
(
9)
となる。ここで a,bおよび α は定数である。
逆に定歪の応力緩和は弾性係数
Eのスプリ
γ グと
(
9
)式に示すような時間変化をする粘性
係数の油緩衝器を直列につないだ力学模型で、表わせるといえる。この力学模型によって実験式
(
1
)から海氷の粘弾性係数を求めた。実験式 (
1
)の係数
A,B,C および Tとこの力学模型の各
定数 E,a,bおよび α との関係は
A =ln(E匂
)
ー
B=E'a
C=土
E
4
(
1
0
)
α
r=α
である。ここで ε
。は氷柱に加えた歪で、ある。
第 7図の歪一時間曲線から定まる実験式 (
1
)の係数 A,B,C および Tと (
1
0
)式の関係か
9
)式
ら粘弾性係数 E および甲が求まる。それらの結果を第 2表 に 示 す 。 な お 粘 性 係 数 万 は (
1 _~ _
.
.___ヂ
1
に示したようにl'J(t ~O)= 五干古から時聞がたつ L 従って加盟国)- a へと増大する。 従って表に
育回昌秋・他
218
第 2表 海 氷 の 粘 弾 性 係 数
。
A
ε
No.
圧縮方向
C
B
r
E
ベ号)
X1
0
-2
(Xl
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∞
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No.
圧縮方向
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1
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0
は加 ~o) と初=∞)を記した。
応力緩和の観測から求めた海氷の弾性係数は (0.7~ 1.2)
X
2
109dyn/cm
で,粘性係数守 (0) は
9
1
0
2
(0.5~2.7) X10 dyn ・ min/cm 2 ,ザ(∞)は (2~7) X10
dyn.min/cm
である。これらの粘弾性係数
には圧縮の方向のちがいによる顕著な相違は認められない。
I
V
. 結 語
1976 年 4 月 ~5 月アラスカ北端パローにおいて海氷の圧縮破壊強度および応力緩和の測定
を行なった。
圧縮は定歪速度の一軸圧縮で査速度は加 .
0,6
.
5,2
.
0x10-3cm/secとした。
これ
により氷の温度,結晶方向,氷の形状および歪速度と圧縮破壊強度との関係を求めた。また定
査のときの応力緩和を測定し
その結果を弾性係数 E のスプリングと粘性係数が 7
j(t)=
a
o
+
;
i
r
Mなる時間変化をする油緩衝器を連結した変形 Maxwe同 型 で あ ら わ し た 。 こ れ に
よって粘弾性係数
(i)
E,ザ(0) およびザ(∞)を求めた。得られた結果を以下に要約する。
海氷の圧縮破壊強度は 16~75 kg/cm
2 で,氷温,圧縮方向および歪速度で大きく変
化する。
(
i
i
) 圧縮軸が氷の成長方向と直交する場合(水平圧縮)は氷の温度が低下することによっ
て圧縮強度は増加の傾向を示す。
いっぽう,
圧縮方向が成長方向に平行な場合(垂直圧縮)は
2
1
9
北極圏海氷調査 I
I 圧縮強度・応力緩和
歪速度によって傾向が異なる。
(
i
i
i
) 垂直圧縮の場合の強度は水平圧縮のときよりも大きい。
(
i
v
) 歪速度が速くなると垂直圧縮では強度は大きくなるが,
水平圧縮では歪速度は,
あ
まり強度に影響しない。
(v) 氷柱の長さは圧縮強度に大きな影響を与えなかった。
(
v
i
) 海氷の応力緩和から E:(
0
.
7~1) x1
09dyn/cm2, 7
)(0): (0.5~2.7) x1
09dyn.min/cm
九
万(∞):
(2~7)
x1010dynmin/cm2が得られた。
おわりにのぞみ,現地観測に際しては,アラスカ大学の Shapiro博士ならびに Metzner
氏の暖かい御協力を得た。この報告の作製にあたっては鈴木義男助教授,大学院生納口恭明君
の御協力をいただいた。厚く感謝の意を表します。
また NARLの施設使用の便宜を与えられた OFFICEo
fN AVALRESEARCHおよび同
所北極研究主任・ McGregor氏および NARLの Denner博士, Shaws氏をはじめ NARLの
皆様の御協力に厚く感謝申し上げます。
文 献
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