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恵 庭 市 の 環 境 ― 平成25年度版 恵 庭 市 − − 第1章 目 次 − 環境行政の意義と体制・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第1節 環境行政の意義 ◎ 恵庭市の概況 第2節 環境行政の体制 1 1 1 1 1.本市の環境担当部局の機構 1 2.恵庭市環境審議会 2 3.自然保護監視員・鳥獣保護員 2 4.自然公園指導員 2 第2章 公害対策の状況・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第1節 大気環境及び生活環境の保全 3 3 1.大気汚染の防止に関する取り組み 3 (1)大気に関する環境基準 3 (2)ばい煙・粉じん発生施設への対策 3 (3)硫黄酸化物調査 4 (4)窒素酸化物調査 6 (5)浮遊粒子状物質調査 7 2.生活環境に係る問題への取り組み 9 (1)騒音に関する環境基準 9 (2)騒音・振動対策 10 ア)騒音・振動発生施設への対策 10 イ)特定建設作業の騒音・振動対策 11 ウ)自動車交通騒音調査 12 (3)悪臭対策 13 ア)悪臭発生施設への対策 15 イ)悪臭調査 15 第2節 水環境の保全 16 1.水質汚濁の防止に関する取り組み 16 (1)水質に関する環境基準 16 ア)人の健康保護に関する環境基準 16 イ)生活環境の保全に関する環境基準 17 ウ)地下水に関する環境基準 18 (2)水質汚濁施設への対策 21 ア)有害物質に係る一般排水基準 21 イ)生活環境項目に係る一般排水基準 21 ウ)暫定排水基準 23 エ)上乗せ排水基準 24 (3)河川水質調査 25 (4)地下水水質調査 28 (5)ゴルフ場使用農薬の安全使用対策 28 2.水道水源保全の取り組み 30 (1)ゴルフ場に係る排水基準 30 (2)廃棄物最終処分場に係る排水基準 30 (3)安全な水道水の供給 32 第3節 その他の環境汚染に対する取り組み 34 1.ダイオキシン類に係る問題への取り組み 34 (1)ダイオキシン類に関する環境基準 34 (2)ダイオキシン類発生施設への対策 34 2.放射線量測定について 36 3.環境ホルモンなどその他の有害物質について 36 第4節 第3章 第1節 公害防止協定等 人と自然との共生の確保・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 自然環境の保全 37 38 38 1.恵庭の自然 38 (1)条例に基づく環境保全地区等 38 (2)その他の指定地域・森林等 39 2.恵庭の野生鳥獣 39 (1)恵庭に生息する野生鳥獣 39 (2)有害鳥獣駆除 42 第2節 環境保全思想の普及に関する取り組み 43 1.環境学習活動 43 (1)小学校・中学校での取り組み 43 廃食油の回収(市内全小学校) 43 総合的な学習「エコプロジェクト」 (若草小学校) 43 いざり川不思議発見(若草小学校) 43 エコキャップ・リングプル回収(若草小学校) 44 クリーン作戦(恵み野小学校) 44 リングプル・古切手の回収(恵み野小学校) 44 廃食油の回収(恵み野小学校) 44 川とともに(恵み野旭小学校) 45 総合的な学習の時間「住みよい街ってどんな街?」(柏小学校) 45 森林学習(松恵小学校) 45 「ゴミゼロの日」クリーンウォーク(恵庭中学校) 45 「ゴミゼロの日」クリーンウォーク(恵明中学校) 46 えにわ市民植樹祭(恵明中学校) 46 ボランティア校地外清掃(柏陽中学校) 46 恵み野地区「千人植え」 ・ 「花の集会」 ・ 「花壇苗植え」 (恵み野中学校) 47 恵み野クリーンウォーク(恵み野中学校) 47 地域ボランティア活動(恵北中学校) 48 (2)地域での取り組み 48 2013 柏地区体験合宿(キャンプ) 48 えにわ☆虫塾 48 えにわ☆魚塾・森塾 49 めざせ!もっと冬の達人 49 ヤマメ稚魚の放流、河川清掃 50 (3)環境課の取り組み 電気自動車の展示 50 50 第4章 環境への負荷の少ない循環型社会の実現・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 第1節 51 1.地球温暖化について 51 (1)地球温暖化のメカニズム 51 (2)地球温暖化の現状と影響 52 (3)地球温暖化の取り組み状況 53 2.恵庭市地球温暖化防止実行計画 54 (1)第 3 次実行計画の目的 54 (2)根拠法令 54 (3)温暖化防止実施計画は2種類 54 (4)温暖化防止実行計画の特徴 55 (5)平成 24 年度の温室効果ガスの排出状況 57 3.市独自のマネジメントシステム 63 (1)特徴 63 (2)エネルギー対策基本方針 63 (3)活動経過 63 (4)組織体制 63 4.環境に配慮した取り組みについて 64 第2節 < 地球的規模の大気環境問題に対する取り組み 51 恵庭市環境基本計画の推進 66 1.第 2 次恵庭市環境基本計画の概要 66 2.第 2 次恵庭市環境基本計画の実施状況 68 巻末資料 > 資 料 1.大気汚染物質測定地点位置図 資 料 2.硫黄酸化物測定結果 資 料 3.二酸化硫黄測定結果 資 料 4.窒素酸化物測定結果 資 料 5.浮遊粒子状物質測定結果 資 料 6.騒音規制法・振動規制法に基づく規制区域図 資 料 7.交通騒音測定結果 資 料 8.悪臭防止法に基づく規制区域図 資 料 9.河川水質調査地点位置図 資 料 10.定期河川水質調査結果 資 料 11.地下水汚染実態調査結果 資 料 12.環境施策の展開 第 1 章 環境行政の意義と体制 第 1 節 環境行政の意義 本市は、恵庭岳とその裾野につらなる緑の森林地帯が市域の西半分を覆い、ここを源としたまちを潤す漁川の清流など豊かな自然 に囲まれ、また、 「道都札幌」や空の玄関「新千歳空港」に隣接した道央圏という地理的条件に恵まれ、将来像として「水・緑・花 人 がふれあう生活都市「えにわ」を目指し、コンパクトなまちづくりをすすめています。 一方、都市化が進展するにつれ人間の生活は飛躍的に便利なものとなった半面、資源やエネルギーを大量に消費し、身近な環境に 様々な公害や負荷を与え、自然の生態系や地球環境に影響が及ぶまでに至っています。 人と自然とが共生することができる社会をつくりあげていくために、一人ひとりが環境問題に対する理解と知識を深め、市民・事 業者・市民と行政が一体となって環境保全活動を実践していくことが大切です。 ◎ 恵庭市の概況 ○ 位 置: 北緯 42゜47′40″∼ 43゜00′05″ 東経 141゜14′10″∼141゜39′15″ ○ 海 抜: 34.1m ○ 面 積: 294.87 ㎞ 2 ○ 人口/世帯数: 人 口 世帯数 68,893 人 31,060 世帯 69,187 人 30,977 世帯 68,945 人 30,604 世帯 68,881 人 30,366 世帯 30,076 世帯 H25/12/31 現在 H24/12/31 現在 H23/12/31 現在 H22/12/31 現在 H21/12/31 現在 68,738 人 第 2 節 環境行政の体制 1.本市の環境担当部局の機構 市生活環境部では、戸籍・住民票、町内会活動、廃棄物及び環境関連など、市民生活に密接に関係することを担当しています。こ のうち、生活環境部環境課と廃棄物対策室が環境関連担当セクションとして位置付されています。 <図 1 本市の環境担当部局機構図(平成 25 年 4 月 1 日現在)> 生活環境部 廃棄物管理課長 環境課長 環 境 管 理 担 当 廃棄物対策室 生 活 環 境 担 当 排 出 ・ 担 リ 当サ イ ク ル 管 理 担 当 -1- 計画調整課長 計 画 調 整 担 当 施 設 整 備 担 当 2.恵庭市環境審議会 政策に関する重要事項について、市民の意見を幅広く聴き政策に反映させるため、各種の審議会が設置されています。 審議会は、市長の諮問機関として関係団体の代表、または識見者などから構成されています。 環境政策に関する審議会では、当初は恵庭市公害防止条例(昭和 48 年 恵庭市条例第 38 号)に基づき「恵庭市公害対策審議会」と して設置されていましたが、 「恵庭市環境基本条例(平成 9 年 恵庭市条例第 21 号) 」が制定されたことに伴い、 「恵庭市環境審議会(委 員名簿:表 1) 」として再編され、その職務が移行されました。 環境基本計画の見直し時、また、水道水源保全条例の規制物質や規制地域の変更時など、環境政策に関する重要事項について市民 の意見を幅広く聴いて反映させるために、一般公募による委員を含め事業者代表、市民代表及び識見者の中から市長が委嘱し、任期 は 2 年となっています。 <表 1:恵庭市環境審議会委員名簿(平成 24 年 6 月∼平成 26 年 5 月)> 委 員 氏 名 会 長 佐 藤 俊 選 出 区 分 識見を有する者 副会長 高 橋 美智子 識見を有する者 委 員 石 山 香 織 市民 委 員 尾 谷 百合子 識見を有する者 委 員 神 田 美佐子 団体推薦・市民代表 委 員 駒場 義剛 ※五十音順 識見を有する者 委 員 佐 々 木 隆浩 事業者 委 員 寺 本 幸 司 事業者 委 員 橋 本 晃 識見を有する者 委 員 橋 本 健 事業者 委 員 広 瀬 良宏 事業者 3.自然保護監視員・鳥獣保護員 北海道では、北海道自然環境等保全条例(昭和 48 年北海道条例第 64 号)及び鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律(平成 14 年法律第 88 号)に基づき自然環境保全監視員制度を設け、全道に自然保護監視員と鳥獣保護員を配置しています。本市内からは自然 保護監視員に田中光男さん、鳥獣保護員に玉川徳信さんが委嘱され、環境緑地保護地区等の適正管理や狩猟に対する指導・監視など を行っており、任期は 1 年です。 4.自然公園指導員 国では、自然公園指導員設置要綱に基づき、国立・国定公園の保護と適正な利用のため、環境省自然環境局長の委嘱により全国に およそ 3,000 名の自然公園指導員を配置しており、本市内からは藤原博さんと坂下健治さんが委嘱されています。指導員は動植物保 護や美化清掃、並びに事故防止などの利用者指導及び情報提供などを行っており、任期は 2 年です。 -2- 第 2 章 公害対策の状況 第 1 節 大気環境及び生活環境の保全 1.大気汚染の防止に関する取り組み (1) 大気に関する環境基準 大気を汚染する物質として、硫黄酸化物・窒素酸化物・炭化水素・浮遊粒子状物質・オキシダント・ばいじん・粉じんなどが代表 的なものでしたが、近年は、ダイオキシン類やアスベストなどの有害微小粒子などの新しい問題が表面化しており、平成 21 年 9 月 9 日より直径が2.5 μm以下の超微粒子で、 ぜんそくや気管支炎を引き起こすとされるPM2.5が環境基準として新たに追加されました。 現在、環境基本法に基づき、この追加項目を含め 10 物質について大気環境基準(表 2-1)が定められています。 また、ダイオキシン類についてはダイオキシン類対策特別措置法に基づき環境基準が定められています(第 3 節参照) 。 <表 2-1:大気の汚染に係る環境基準> 大気汚染物質 環 境 上 の 条 件 二 酸 化 硫 黄 1 時間値の 1 日平均値が 0.04ppm 以下であり、かつ、1 時間値が 0.1ppm 以下であること。 二 酸 化 窒 素 1 時間値の 1 日平均値が 0.04ppm から 0.06ppm までのゾーン内又はそれ以下であること。 一 酸 化 炭 素 1 時間値の 1 日平均値が 10ppm 以下であり、かつ、1 時間値の 8 時間平均値が 20ppm 以下であること。 光化学オキシダント 1 時間値が 0.06ppm 以下であること。 浮 遊 粒 子 状 物 質 1 時間値の 1 日平均値が 0.10mg/ 以下であり、かつ、1 時間値が 0.20mg/ 以下であること。 ベ 1 年平均値が 0.003 mg/ 以下であること。 P ン M ゼ ン 2 . 5 1 年平均値が 15μg/ 以下であり、かつ、1 日平均値が 35μg/ 以下であること。 トリクロロエチレン 1 年平均値が 0.2 mg/ 以下であること。 テトラクロロエチレン 1 年平均値が 0.2 mg/ 以下であること。 ジ ク ロ ロ メ タ ン 1 年平均値が 0.15 mg/ 以下であること。 (2) ばい煙・粉じん発生施設への対策 公害を未然に防ぐために、大気汚染防止法(昭和 43 年法律第 97 号) 、北海道公害防止条例(昭和 46 年北海道条例第 38 号)及び恵 庭市公害防止条例に基づいて、ばい煙や粉じんなどを発生する可能性のある特定の種類の施設については、その設置内容・使用方法 等を事前に届け出なければならないことになっており、これらの施設に対しては規制基準の遵守を義務づけています。 実際の規制基準と規制項目は一律のものがあるわけではなく、施設の種類や規模ごとに異なる内容となっており、本市ではボイラ ーのように特に硫黄酸化物とばいじんが排出規制対象となる施設が多い状況となっています。 平成 25 年末現在での届出状況は(表 2-2)のとおりで、法の対象となる施設については、道が立入調査などにより実際の使用状況 等を確認しています。 -3- <表 2-2:ばい煙等発生施設数>(平成 25 年末時) 法・条例 施 設 大 気 汚 染 防 止 法 北海道公害 防 止 条 例 恵庭市公害 防 止 条 例 ば ボ イ ラ ー 227 − 110 乾 燥 炉 等 3 − 3 炉 1 − 1 廃 棄 物 焼 却 い 煙 加 熱 炉 0 − 2 そ の 他 4 − ― 計 235 − 116 数 82 − 74 施 設 工 数 場 粉 堆 合 等 じ 場 7 − 1 原材料等置場(鉱物・土石以外) 積 − 3 − ベルトコンベア・破砕機・ふるい等 6 52 2 他 0 8 26 計 13 63 29 数 3 14 10 そ ん 施 工 の 設 数 場 合 等 ※施設数合計と工場等数とは一致しません。 (3) 硫黄酸化物調査(測定地点位置図:資料 1) 大気中の硫黄酸化物は、石油・石炭等の硫黄分を含有する化石燃料又は原材料の燃焼によって排出されるものがほとんどで、主な 発生源は重油や石炭を燃料として使用するボイラーや加熱炉などを持つ工場・事業場です。 硫黄酸化物のうち二酸化硫黄は、気管支や肺など呼吸器系器官に対して影響を及ぼすことが知られており、環境基準が設定されて います。本市では、硫黄酸化物の測定を市内 7 地点で二酸化鉛法という簡易測定法で行っており、これは二酸化鉛を大気中に暴露し、 変化した硫酸鉛の硫酸を定量して硫黄酸化物濃度を求める方法です。環境基準との直接の比較はできませんが、二酸化鉛法による硫 黄酸化物汚染の判定表に従って汚染状態を判定することは可能です(表 2-3) 。 また、黄金中央 5 丁目の国道 36 号沿に設置している黄金環境測定局舎においては、環境基準との比較が可能な溶液導電率法による 自動測定装置により、大気中の二酸化硫黄濃度を通年で 24 時間連続測定しています。 <結 果>(年間測定値:資料 2、資料 3) 平成 24 年度の調査では、二酸化鉛法による硫黄酸化物の測定においては市内 7 地点の全てで第 1 度の汚染度(軽微な汚染)以下の 結果となり、いずれも第 1 度の汚染度に達しない良好な環境にあります(表 2-4) 。また、7 地点全ての平均をとった値の経年変化を 見ると、長期的には改善傾向にあることが分かります(図 2-1) 。 溶液導電率法による二酸化硫黄の測定においては、年平均値は平成 11 年度の測定開始以来 0.003∼0.005ppm とほぼ一定で、日平均 値も 0.04ppm を超えた日は 1 日もなく、また 1 時間値の最高値も 0.1ppm 以下であり、環境基準を達成しています。平成 24 年度の月 ごとの変化を(図 2-2)に示します。 ◆◇用語説明◇◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●1ppm=重量比濃度(体積比濃度を指す場合もある)で 100 万分の 1 のこと(=103ppb) ●1g(グラム)=103mg(ミリグラム)=106μg(マイクログラム)=109ng(ナノグラム)=1012pg(ピコグラム) -4- <表 2-3:二酸化鉛法の硫黄酸化物の汚染度> 汚染度 測 定 値 判 第1度 0.5∼1.0 未満 第2度 <表 2-4:硫黄酸化物の濃度(年平均値)> 定 № 測 定 地 点 測 定 値 軽 微 な 汚 染 1 末広町(グリーンベルト) 0.04 1.0∼2.0 未満 普通度の汚染 2 和光町(ユカンボシ公園) 0.07 第3度 2.0∼3.0 未満 中程度の汚染 3 北柏木町(市道柏木戸磯線) 0.06 第4度 3.0∼4.0 未満 やや高度の汚染 4 恵 み 野 ( 国 道 36 号 ) 0.05 第5度 4.0 以上 高 度 の 汚 染 5 黄 金 町 ( 国 道 36 号 ) 0.07 単位: (SO3mg/日/100cm2) 6 島松仲町(島松支所横) 0.03 7 戸 磯 2( 市 道 南 26 号 ) 0.07 単位: (SO3mg/日/100cm2) <図 2-1:硫黄酸化物経年変化(市内全域平均)> <図 2-2:二酸化硫黄経月変化(恵庭市環境測定局舎)単位:ppm> 【 メモ(二酸化硫黄) 】 二酸化硫黄というと、私たちには普段あまり馴染みのない物質に思えます。しかし、マッチ(最近はあまり使われなくなりましたが) を擦ったときに鼻にツンとくる刺激臭、あれが二酸化硫黄なのです。石炭やC重油のように硫黄分を多く含んだ燃料を燃やしたときや、 火山噴火などによって発生します。別名を亜硫酸ガスといい、水と反応して亜硫酸になります。亜硫酸は光と酸素があれば、さらに徐々に 硫酸へと変化していきますが、亜硫酸の方が硫酸よりもずっと強い毒性を持っています。二酸化硫黄が引き起こした悪影響では、森の木 を大量に枯らせてしまった酸性雨や、日本の四大公害の一つであった四日市ぜんそくなどが知られています。三重県の四日市市で大戦終 了後から昭和 40 年代にかけて、石油化学工場や火力発電所で燃料の重油を燃やしたときに発生した煙に含まれていた二酸化硫黄を、呼吸 で長年吸ってきた住民が発症した呼吸器系疾患が四日市ぜんそくです。国が認定した患者数は最大で 1000 人以上にもなりました。 -5- (4) 窒素酸化物調査(測定地点位置図:資料 1) 大気中の窒素酸化物は物の燃焼によって排出されるものがほとんどです。燃料に含まれている窒素分のみならず、燃焼空気中に含 まれる窒素分も酸化されて発生するためその発生源は多様であり、主なものは自動車と工場・事業場ですが、家庭の暖厨房なども原 因の一つです。窒素酸化物は発生源の排出口では主に一酸化窒素として排出されますが、これが大気中で反応して二酸化窒素になり ます。この二酸化窒素が人の健康に影響を与えるとして、窒素酸化物のなかでは二酸化窒素のみに環境基準が設定されています。 本市では、黄金中央 5 丁目の総合体育館敷地内と平成 20 年度より新たに設置した牧場の市民スケート場敷地内の2ヶ所で化学発光 法による自動測定装置により、大気中の窒素酸化物を通年で 24 時間連続測定しています。 <結 果>(年間測定値:資料 4-1、4-2) 平成 24 年度の調査において、恵庭市黄金環境測定局舎では二酸化窒素の年平均値は 0.012ppm でした。平成 10 年度の測定開始以来 0.012∼0.020ppm とほぼ一定で、日平均値も 0.06ppm を超えた日は 1 日もなく、環境基準を達成しています。 一方、牧場環境局舎においては、二酸化窒素の年平均値は 0.010ppm と自動車交通量の関係からさらに低い数値が観測され、良好な 環境であることが分かります。 環境測定局舎で実施している窒素酸化物の測定は、主に自動車排ガスによる大気汚染度の測定を目的としたものですが、窒素酸化 物は家庭暖房などによっても発生するため、経月変化を見ると冬場に高くなることが分かります。 平成 24 年度の月ごとの変化を(図 2-3、図 2-4)に示します。 <図 2-3:窒素酸化物経月変化(恵庭市黄金環境測定局舎)> <図 2-4:窒素酸化物経月変化(恵庭市牧場環境測定局舎)> -6- (5) 浮遊粒子状物質調査(測定地点位置図:資料 1) 浮遊粒子状物質は、大気中に浮遊している微粒子で粒径 10μm(1μm は 100 万分の 1m のこと)以下のものをいいます。また、この うち、2.5μm 以下のものを PM2.5 と称し、肺胞など気道より奥に付着するため、人体への影響が大きいと考えられ平成 21 年 9 月 9 日より新たに環境基準として設定されました。 浮遊粒子状物質は、主にディーゼルエンジン車から多く排出されますが、工場・事業場からのばい煙、舞い上がった土壌などの自 然的原因のもの、また、スパイクタイヤによる車粉じんにより発生するものなどがあります。浮遊粒子状物質は沈降速度が小さく大 気中に比較的長時間滞留すること、また、気道や肺胞に沈着して呼吸器系疾患の原因となることから環境基準が設定されています。 本市では、黄金中央 5 丁目の恵庭市総合体育館敷地内の黄金環境測定局舎及び平成 20 年度より新たに設置した牧場の市民スケート 場敷地内の牧場環境測定局者においてβ線吸収法による自動測定装置により、大気中の浮遊粒子状物質を通年で 24 時間連続測定して います。 <結 果>(年間測定値:資料 5-1、5-2) 本市は、昭和 62 年度に浮遊粒子状物質の測定を開始しました。測定開始当時はスパイクタイヤによる車粉じんなどのため環境基準 未達成となっていましたが、 「スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律」が施行され、スパイクタイヤの使用が平成 3 年 4 月 以降事実上禁止されてからは、スタッドレスタイヤの普及によって徐々に改善が進み、平成 10 年度以降の年平均測定値は 0.011∼ 。 0.020mg/ の範囲で減少傾向にあります(図 2-5) 平成24 年度の黄金環境測定局舎の年平均値は0.011mg/ で、 日平均値の0.1mg/ を超えた日は1 日もなく、 また、 1 時間値の0.2mg/ を超えた時間帯もなく、短期的評価及び長期的評価で環境基準を達成いたしました。 一方、新たに測定を開始した牧場環境局舎においても年平均値は 0.010mg/ と良好な数値が観測されました。 平成 24 年度の月ごとの変化を(図 2-6)及び(図 2-7)に示します。 なお近年では、冬の終わりから春の始め頃にかけて中国大陸からの黄砂が原因で高い測定値を示すことがあり、これは、森林伐採 や地球温暖化による中国内陸地方の砂漠化が進んでいることの影響である可能性があります。 <図 2-5:浮遊粒子状物質経年変化(恵庭市黄金環境測定局舎)> -7- <図 2-6:浮遊粒子状物質経月変化(恵庭市黄金環境測定局舎)> <図 2-7:浮遊粒子状物質経月変化(恵庭市牧場環境測定局舎)> ◆◇用語説明◇◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●PM2.5 直径が 2.5μm 以下の超微粒子。微小粒子状物質という呼び方もある。大気汚染の原因物質とされている浮遊 粒子状物質(SPM)は、環境基準として「大気中に浮遊する粒子状物質であってその粒径が 10μm 以下のものをいう」と定 められているが、それよりもはるかに小さい粒子。 PM2.5 はぜんそくや気管支炎を引き起こす。それは大きな粒子より小さな粒子の方が気管を通過しやすく、肺胞など気道 より奥に付着するため、人体への影響が大きいと考えられている。 代表的な微小粒子状物質であるディーゼル排気微粒子は、大部分が粒径 0.1∼0.3μm の範囲内にあり、発ガン性や気管支 ぜんそく、花粉症などの健康影響との関連が懸念されている。 -8- 2.生活環境に係る問題への取り組み 生活環境を保全するうえでは、大気汚染のほかに主に人の感覚に関わる問題である騒音・振動・悪臭が重要課題となっています。 騒音・振動・悪臭に関する苦情は、本市に寄せられる公害等の苦情のなかでも多い件数を占めており、発生源も多様化しています。 これらの問題について次の施策を推進しています。 (1) 騒音に関する環境基準(区域区分図:資料 6) 騒音規制法(昭和 43 年法律第 98 号) 、振動規制法(昭和 51 年法律第 64 号)は、工場等における事業活動や建設工事に伴って発生す る相当範囲にわたる騒音及び振動について必要な規制を行うなど、生活環境を保全し国民の健康の保護に資することを目的として制 定され、地域指定制をとっています。区域の指定は平成 24 年 4 月 1 日より市長が行っており、その区分は都市計画法(昭和 43 年法 律第 100 号)による用途地域の定められている区域については、原則として当該用途地域の区分に従うとされていますが、工業専用 地域のような住民の生活環境を保全すべき実態がない区域については、指定から除外しています(表 2-5) 。 <表 2-5:騒音及び振動の区域区分と都市計画の用途地域の対照表> 騒音の区域区分 振動の区域区分 都市計画の用途地域 第 1 種低層住居専用地域及び第 2 種低層住宅専用地域(第 1 種中高層住居専用地域及び第 2 第 1 種区域 第 1 種区域 第 2 種区域 第 3 種区域 第 2 種区域 第 4 種区域 種中高層住居専用地域のうち、中高層住宅が一団として建設されている地区) 第 1 種中高層住居専用地域及び第 2 種中高層住居専用地域、第 1 種住居地域、第 2 種 住居地域及び準住居地域 近隣商業地域、商業地域及び準工業地域 工業地域 環境基本法に基づいて、騒音に関しては「騒音に係る環境基準」と「航空機騒音に係る環境基準」の 2 種類の基準が設定されてお り(表 2-6、表 2-7) 、市では騒音規制法に基づく規制区域と整合を図りながら、環境基準の地域類型を指定しています。なお、振動 に関しては、人の健康や生活環境に与える影響が定量的に把握することが難しいなどの理由により、環境基準は定められていません。 <表 2-6:騒音に係る環境基準> 類型 地域の 区 分 騒音規制法に基づく地域指定 車 線 昼 間 6∼22 時 夜 間 22∼6 時 55dB 45dB 60dB 50dB 60dB 55dB 65dB 60dB 第 1 種区域及び第 2 種区域 A (都市計画法上の用途地域が第 1・2 種低層住専及び第 1・2 種中高層住専に限る) B 第 2 種区域(類型 A を当てはめる地域を除く) C 第 3 種区域及び第 4 種区域 A (都市計画法上の用途地域が第 1・2 種低層住専及び第 1・2 種中高層住専に限る) 2 車線以上 B 第 2 種区域(類型 A を当てはめる地域を除く) 2 車線以上 C 第 3 種区域及び第 4 種区域 1 車線以上 一般地域 第 1 種区域及び第 2 種区域 道路に面 する地域 ※ 基準値の dB(デシベル)は等価騒音レベル(Leq) ※ なお、道路に面する地域において、幹線交通を担う道路に近接する空間については、上表に関わらず、特例として次表の基準値とする。 (幹 線道路近接空間における特例) -9- <表 2-6(続き) :騒音に係る環境基準−幹線道路近接空間における特例−> 昼 間 6∼22 時 夜 間 22∼6 時 70dB 65dB ◎ 幹線道路の定義 ・高速道路、国道、道道、4 車線以上の市道 ◎ 幹線道路近接空間の定義 ・2 車線以下の幹線道路なら、道路境界から 15m 背後までの範囲 ・2 車線超の幹線道路なら、道路境界から 20m 背後までの範囲 備 考 : 個別の住居等において、騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認めら れるときは、屋内へ透過する騒音に係る環境基準(昼間は 45dB 以下、夜間は 40dB 以下)によることがで きる。 <表 2-7:航空機騒音に係る環境基準> 地域の類型 基準値(単位:WECPNL) Ⅰ 70 以下 専ら住居の用に供する地域 あてはめる地域 Ⅱ 75 以下 Ⅰ以外の地域であって通常の生活を保全する必要がある地域 (2) 騒音・振動対策 ア)騒音・振動発生施設への対策 騒音規制法、振動規制法及び恵庭市公害防止条例により、市街化区域のうち工業専用地域を除く地域が規制区域として指定され、 この区域内で騒音や振動を発生する一定規模以上の特定の施設を設置しようとしている事業者は、公害を未然に防ぐために、施設の 設置内容・使用方法等を事前に届け出なければならないことになっており、これらの施設を持つ事業場に対しては規制基準の遵守を 義務づけています(表 2-8) 。また、道公害防止条例では、規制区域外について、特定の騒音・振動発生施設について届出対象として います。 平成 24 年 4 月 1 日より、騒音規制法・振動規制法に関しては、従来の届出受付事務及び規制事務のほか規制区域の指定、規制基準 の設定等も市の事務となり、このことにより全ての事務が市の法定受託事務となりました。 これは、大気汚染や水質汚染に比べると、騒音・振動による影響は地域が限定されていることによります。平成 25 年末現在での届 出状況を(表 2-9、表 2-10)に示します。 <表 2-8:特定工場において発生する騒音・振動の規制基準> 時間区分 夜 間 第 1 種区域 40dB 45dB 40dB 第 2 種区域 45dB 55dB 40dB 第 3 種区域 55dB 65dB 50dB 第 4 種区域 65dB 70dB 60dB 時間区分 昼 間 夜 間 第 1 種区域 60dB 55dB 第 2 種区域 65dB 60dB 区域区分 動 音 昼 間 振 騒 朝・夕 区域区分 ※騒音の時間区分:朝・夕 6 時∼8 時・19 時∼22 時、昼間 8 時∼19 時、夜間 22 時∼6 時 振動の時間区分:昼間 8 時∼19 時、夜間 19 時∼8 時 ※規制基準値は特定工場の敷地境界で測定した場合のレベル ◆◇用語説明◇◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●等価騒音レベル(Leq) :通常、騒音は大きくなったり小さくなったりとレベルが刻々と変動しているが、それを一定の大き さの騒音( 「定常騒音」という)と比べた場合、エネルギー的にどれくらいの定常騒音の値に相当するかで表す。 ●WECPNL:Weighted Equivalent Continuous Perceived Noise Level(加重等価平均感覚騒音レベル)の頭文字で、一般に「 (航 空機騒音の)うるささ指数」と呼ばれることもある。航空騒音の体感的な特徴を取り入れ、航空機 1 機ごとの騒音レベルと 時間帯ごとの飛行回数の両方を加味して 1 日当たりの総騒音量を表した、航空騒音のうるささの単位。 - 10 - <表 2-9:騒音発生特定施設数>(平成 25 年末時) <表 2-10:振動発生特定施設数>(平成 25 年末時) 6 北海道公害 防止条例 71 恵庭市公害 防止条例 14 金 属 加 工 機 械 32 北海道公害 防止条例 82 126 366 22 圧 機 43 103 土石・鉱物用施設 − 21 − 土石・鉱物用施設 − 21 建設用資材製造機 5 10 − コンクリート製品製造機械 2 9 木 材 加 工 機 械 12 15 11 木 材 加 工 機 械 1 − 印 械 13 6 − 印 械 7 3 他 − 12 22 そ 他 − 12 施 設 数 合 計 162 501 69 施 設 数 合 計 85 230 工 数 46 68 36 工 数 21 42 法・条例 施設 騒音規制法 金 属 加 工 機 械 空気圧縮機・送風機 刷 そ 機 の 場 等 法・条例 施設 縮 刷 機 の 場 (1 事業場で多数施設ある場合有り) 等 振動規制法 (1 事業場で多数施設ある場合有り) イ)特定建設作業の騒音・振動対策 特定施設の設置と同様、著しい騒音や振動を発生する機械を用いた建設作業は、法に基づき事前に届出を行うことになっており、 その作業の実施にあたっては、発生する騒音・振動のレベル、作業する曜日や時間帯等について規制を受けます(表 2-11) 。本市で は、原則として低騒音工法を採用することなどの指導を行っており、現在、規制区域内はもちろん、区域外にあってもほとんどが低 騒音・低振動工法で施工されています。 平成 24 年度の届出状況を(表 2-12)に示します。 <表 2-11:特定建設作業の作業基準> 区 作業種類 分 騒音規制法に基づく 特 定 建 設 作 業 第 1 号区域 敷地境界における騒音・振動レベル 第 2 号区域 振動規制法に基づく 特 定 建 設 作 業 第 1 号区域 85dB 第 2 号区域 75dB 作業ができない時間帯 19 時∼7 時 22 時∼6 時 19 時∼7 時 22 時∼6 時 1 日当たりの作業時間 10 時間まで 14 時間まで 10 時間まで 14 時間まで 同一場所における作業期間 作 業 日 【 区域区分の定義 】 連続 6 日間まで 連続 6 日間まで 日曜日その他の休日を除く 日曜日その他の休日を除く 【第 1 号区域】 騒音規制法の規定 により指定された 第1種及び第2種区 域の全域、並びに第 3 種及び第4 種区域 のうち学校、保育 所、病院、患者収容 施設を有する診療 所、図書館及び特別 養護老人ホームの 敷地の周囲概ね80m 以内の区域 - 11 - 【第 2 号区域】 騒音規制法の規定 により指定された 第3種及び第4種区 域であって左記第1 号区域以外の区域 【第 1 号区域】 振動規制法の規定 により指定された 第 1 種区域の全域、 並びに第 2 種区域 のうち学校、保育 所、病院、患者収容 施設を有する診療 所、図書館及び特別 養護老人ホームの 敷地の周囲概ね80m 以内の区域 【第 2 号区域】 振動規制法の規定 により指定された 第 2 種区域であっ て左記第 1 号区域 以外の区域 <表 2-12:特定建設作業届出数>(平成 24 年度) 種 法・条例 類 くい打機等を使用する作業 騒音規制法 振動規制法 1 1 さく岩機を使 用する作業 5 − ブレーカーを使用する作業 − 5 圧縮機を使用する作業 0 − その他の特定建設作業 0 0 計 6 6 ウ)自動車交通騒音調査 自動車騒音の常時監視については、騒音規正法第 18 条の規定に基づき、北海道知事がその事務を実施しておりましたが平成 24 年 4 月より本市の事務(法廷受託)となりました。 恵庭市における自動車騒音の常時監視は、国道、道道及び高速道路の全幹線道路を 5 区分し 5 年サイクルで沿道の片側 50m範囲に おいて騒音測定及び推計等により環境基準適合調査を実施することとしています。 (表 2-13) 。 <表 2-13:自動車交通騒音に係る常時監視計画> - 12 - <結 果>(調査結果:資料 7) 平成 24 年度の評価路線は国道 36 号線(評価区間 7.7km)です。 この区間を平成 22 年度に実施された全国道路・街路交通情勢調査(道路交通センサス)を基に8つに分けて評価しました。 自動車騒音を評価する範囲については、道路端より 50mであり、近傍空間(道路境界から 20mの範囲)及び非近傍空間(道路境界 から 20mから 50mまでの範囲)ごとに評価しました。 この結果、国道 36 号線の自動車騒音に関する環境基準に関しては、すべての評価対象区間(対象戸数 444 戸)で環境基準を達成し ているという結果となりました。 <図 2-8:自動車交通騒音常時監視調査結果> (3) 悪臭対策(規制区域図:資料 8) 悪臭防止法では悪臭の原因となり生活環境をそこなうおそれのある物質のうち、22 物質を特定悪臭物質として指定し、規制の対象 としています(表 2-14) 。人間や動物の生命活動に伴って発生する物質、その排泄物や加工施設から発生する物質、あるいは、塗装・ 印刷工場や化学製品の製造工場などから発生する物質などです。 法では地域指定性をとっていますが、指定にあたっては平成 24 年 4 月 1 日より市長が行うこととされ、本市では工業専用地域も含 めて市街化区域の全域を規制区域として指定しおり、当該区域内においては、物質濃度に対応した規制基準を定めていますが、本法 は他の公害関連法と異なり、特定の施設について規制するのではなく、規制区域内の全ての特定悪臭物質発生源が規制の対象となり ます。したがって施設についての設置・使用に関する届出義務のようなものはありません。なお、悪臭に関しての環境基準はありま せん。 - 13 - <表 2-14:特定悪臭物質ごとの臭気強度と対応する物質濃度> 規制地域の区域区分 臭気強度 A 区域 B 区域 C 区域 単位: (ppm) 臭いの特徴 1 2 2.5 3 3.5 4 5 0.1 0.6 1 2 5 10 40 し尿臭 メチルメルカプタン 0.0001 0.0007 0.002 0.004 0.01 0.03 0.2 腐った玉ねぎ臭 硫 特定悪臭物質 ア ン モ 素 0.0005 0.006 0.02 0.06 0.2 0.7 8 腐卵臭 0.0001 0.002 0.01 0.05 0.2 0.8 2 腐ったキャベツ臭 ル 0.0003 0.003 0.009 0.03 0.1 0.3 3 腐ったキャベツ臭 ト リ メ チ ル ア ミ ン 0.0001 0.001 0.005 0.02 0.07 0.2 3 腐った魚臭 ア セ ト ア ル デ ヒ ド 0.002 0.01 0.05 0.1 0.5 1 10 青臭い刺激臭 プロピオンアルデヒド 0.002 0.02 0.05 0.1 0.5 1 10 甘酸っぱい焦げた臭い ノルマルブチルアルデヒド 0.0003 0.003 0.009 0.03 0.08 0.3 2 甘酸っぱい焦げた臭い イソブチルアルデヒド 0.0009 0.008 0.02 0.07 0.2 0.6 5 甘酸っぱい焦げた臭い ノルマルバレルアルデヒド 0.0007 0.004 0.009 0.02 0.05 0.1 0.6 甘酸っぱい焦げた臭い イソバレルアルデヒド 0.0002 0.001 0.003 0.006 0.01 0.03 0.2 甘酸っぱい焦げた臭い イ ソ ブ タ ニ ー ル 0.01 0.02 0.09 4 20 70 1000 発酵したような刺激臭 酢 ル 0.3 1 3 7 20 40 200 シンナー臭 メチルイソブ チルケトン 0.2 0.7 1 3 6 10 50 シンナー臭 ト ル エ ン 0.9 5 10 30 60 100 700 ガソリン臭 ス チ レ ン 0.03 0.2 0.4 0.8 2 4 20 都市ガス臭 キ シ レ ン 0.1 0.5 1 2 5 10 50 ガソリン臭 0.03 0.07 0.2 0.4 2 刺激的な酸っぱい臭い 二 化 硫 水 ア ル 硫 化 ニ メ 化 酸 チ メ エ チ チ プ ロ ピ オ ン 酸 0.002 0.01 ノ ル マ ル 酪 酸 0.00007 0.0004 0.001 0.002 0.006 0.02 0.09 汗臭い臭い ノ ル マ ル 吉 草 酸 0.0001 0.0005 0.0009 0.002 0.004 0.008 0.004 蒸れた靴下臭 イ 0.00005 0.0004 0.001 0.004 0.01 0.03 0.3 蒸れた靴下臭 ソ 吉 草 酸 法に基づく規制基準は、6 段階臭気強度表示(表 2-15)と敷地境界線上における調香師(香料等の製造にあたる臭いの専門家)に よる嗅覚試験を基に示された濃度の関係から定められています。 規制基準を適用する区域には、厳しい順に A(臭気強度 2.5) 、B(同 3) 、C(同 3.5)の 3 種類の区域区分が設けられており、本市 においては市街化区域の全域が最も厳しい A 区域に指定されています。 <表 2-15:6 段階臭気強度表示法> 臭気強度 内 容 0 無臭 1 やっと感知できるにおい(検知閾値濃度) 2 何のにおいであるかが分かる弱いにおい(認知閾値濃度) (2.5) 3 (3.5) 規制区域区分 (2 と 3 の中間) A 区域 らくに感知できるにおい B 区域 (3 と 4 の中間) C 区域 4 強いにおい 5 強烈なにおい なお、悪臭はそのほとんどが多種多様な悪臭原因物質が複合して強い臭いとなる複合臭であることから、従来の法による規制基準 では人間の感覚と差異を生じるとして、物質の種類や濃度に関係なく「どれくらい強い臭いか」という臭気指数(臭いを含む空気を その臭いが感じられなくなるまで薄めたときの希釈倍数から求める)による規制が導入されつつあります。 (現在のところ、道内では 札幌市と石狩市のみが行っています。 ) - 14 - ア)悪臭発生施設への対策 法が施設の種類を特定せずに臭気強度に対応した悪臭物質の濃度で規制しているのに対し、道の公害防止条例及び市の公害防止条 例では物質濃度による規制基準は設けず、悪臭を発生する施設の種類を定めて一定の事項について事前の届出義務を課すことによっ て規制しています。道条例は本市全域を規制対象に、また、市条例は法に基づく規制区域と同一の区域を規制対象としています。平 成 25 年末現在での届出状況を(表 2-16)に示します。 <表 2-16:悪臭発生施設数>(平成 25 年末) 北海道公害防止条例 恵庭市公害防止条例 1 0 飼料施設 動物の飼養収容の用に供する 施設であって右に挙げる施設 0 0 肥 料 製 造 用 鶏 ふ ん 乾 燥 施 設 1 0 てん菜糖製造用廃液貯りゅう沈殿施設 0 飼 料 ・ 肥 料 の 製 造 用 施 設 1 でん粉製造用廃液貯りゅう沈殿施設 0 パルプ、紙又は紙加工品製造用施設 0 ゴ 0 ム 製 品 製 造 し尿施設 用 施 設 イ)悪臭調査 近年、都市化が進展し農村地域と市街地が接近してきたこと、また、生活環境が改善されて住民の環境に対する意識が向上してき たことに伴い、たとえば農業に使われる堆肥のように、ひと昔前であれば問題とならなかった「臭い」が、現在では「悪臭問題」に 発展してしまうケースがしばしばあります。市に寄せられる問合せや苦情のなかでも悪臭に関するものは騒音・振動と並んで多くな っています。 本市では、悪臭問題が発生した場合に、規制区域内かどうか、住民の健康に影響を及ぼす可能性があるかどうかなどを勘案しなが ら、臭気物質濃度調査を行っています。その調査結果をもとに発生源に対する改善指導を行うなど、悪臭対策に役立てています。 - 15 - 第 2 節 水環境の保全 1.水質汚濁の防止に関する取り組み (1) 水質に関する環境基準 環境基本法に基づいて、河川・湖沼及び海域等の公共用水域については、人の健康保護に関する項目と生活環境に関する項目の 2 種類の環境基準が、また、地下水についても、公共用水域と一つの水循環系を構成しているという観点から、公共用水域における健 康保護に関する項目とほぼ同様の環境基準が設定されています。 また、ダイオキシン類については、ダイオキシン類対策特別措置法に基づき大気・土壌とともに水質・底質(川底の泥)について も環境基準が定められています(第 3 節参照) 。 ア)人の健康保護に関する環境基準 カドミウム、シアン等 27 項目について環境基準が定められており、全公共用水域につき一律に適用されるものとして設定されてい ます(表 2-17) 。設定の前提条件としては、その性質上、水量など水域の条件の如何を問わず、常に維持されるべきものとされてい ます。 <表 2-17:人の健康の保護に関する環境基準> 項 カ 目 ド ミ 全 シ 基 ウ ア 価 ク ロ 値 項 目 基 準 値 ム 0.003 mg/ 以下 1,1,2− ト リ ク ロ ロ エ タ ン 0.006 mg/ 以下 ン 検出されないこと ト リ ク ロ ロ エ チ レ ン 0.03 mg/ 以下 0.01 mg/ 以下 テトラクロロエチレン 0.01 mg/ 以下 鉛 六 準 ム 0.05 mg/ 以下 1,3− ジ ク ロ ロ プ ロ ペ ン 0.002 mg/ 以下 素 0.01 mg/ 以下 チ ウ ラ ム 0.006 mg/ 以下 銀 0.0005 mg/ 以下 シ マ ジ ン 0.003 mg/ 以下 銀 検出されないこと チ ポ リ 塩 化 ビ フ ェ ニ ル 検出されないこと ベ ン 0.02 mg/ 以下 セ 素 0.002 mg/ 以下 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10 mg/ 以下 1,2− ジ ク ロ ロ エ タ ン 0.004 mg/ 以下 ふ っ 素 0.8 mg/ 以下 1,1− ジ ク ロ ロ エ チ レ ン 0.1 ほ う 素 1 mg/ 以下 砒 総 ア ジ 四 水 ル ク キ ロ 塩 ル ロ 化 メ 水 タ 炭 mg/ 以下 シス−1,2−ジクロロエチレン 0.04 mg/ 以下 1,1,1− ト リ ク ロ ロ エ タ ン 1 mg/ 以下 オ ベ ン ン カ ゼ レ ル ブ 0.02 mg/ 以下 ン 0.01 mg/ 以下 ン 0.01 mg/ 以下 1,4− ジ オ キ サ ン 0.05 mg/ 以下 また、環境基準項目ではありませんが、人の健康の保護に関連する物質ではあるものの、公共用水域等における検出状況などから 見て、現時点では直ちに環境基準項目とせず、引き続き知見の集積に努めるべきと判断されるものについては「要監視項目」として 位置づけ、継続して公共用水域等の水質測定を行い、その推移を把握していくこととされています。 具体的な項目としては、有機塩素化合物・農薬等のなかから 26 項目が選定されています(表 2-18) 。 - 16 - <表 2-18:要監視項目及び指針値><公共用水域> 項 目 ク ロ ロ ホ ル ム トランス−1,2−ジクロロエチレン 1,2− ジ ク ロ ロ プ ロ パ ン p− ジ ク ロ ロ ベ ン ゼ ン イ ソ キ サ チ オ ン ダ イ ア ジ ノ ン フ ェ ニ ト ロ チ オ ン イ ソ プ ロ チ オ ラ ン オ キ シ ン 銅 ク ロ ロ タ ロ ニ ル プ ロ ピ ザ ミ ド E P N ジ ク ロ ル ボ ス 基 準 値 0.06 mg/ 以下 0.04 mg/ 以下 0.06 mg/ 以下 0.2 mg/ 以下 0.008 mg/ 以下 0.005 mg/ 以下 0.003 mg/ 以下 0.04 mg/ 以下 0.04 mg/ 以下 0.05 mg/ 以下 0.008 mg/ 以下 0.006 mg/ 以下 0.008 mg/ 以下 項 目 フ ェ ノ ブ カ ル ブ イ プ ロ ベ ン ホ ス ク ロ ル ニ ト ロ フ ェ ン ト ル エ ン キ シ レ ン フ タル酸 ジエチ ルヘキ シル ニ ッ ケ ル モ リ ブ デ ン ア ン チ モ ン 塩 化 ビ ニ ル モ ノ マ ー エ ピ ク ロ ロ ヒ ド リ ン 全 マ ン ガ ン ウ ラ 基 準 値 0.03 mg/ 以下 0.008 mg/ 以下 − 0.6 mg/ 以下 0.4 mg/ 以下 0.06 mg/ 以下 − 0.07 mg/ 以下 0.02 mg/ 以下 0.002 mg/ 以下 0.0004 mg/ 以下 0.2 mg/ 以下 0.002 mg/ 以下 ン イ)生活環境の保全に関する環境基準 環境基本法に基づき、水素イオン濃度、生物化学的酸素要求量など、全部で最大 9 項目について定められていますが、人の健康保 護に関する環境基準とは異なり、全公共用水域について同一の基準が一律に適用される方式ではありません。 河川、湖沼及び海域の水域群別に利用目的に応じた類型が設定されており( 「水域群別方式」 ) 、環境省大臣、または都道府県知事が 指定した水域類型ごとに、基準項目及び基準値が決められています。 本市内を流れる河川のうち、知事が類型を指定しているのは千歳川だけで、 「千歳川下流水域」として内別川合流点から下流につい て A 類型が指定されています(表 2-19) 。水生生物の生息状況の適応性については本市内を流れる河川において類型指定されている ところはありません。 <表 2-19(1):生活環境の保全に関する環境基準(河川)> 項目 類型 AA A B C D E 利用目的 の適応性 基 水素イオン濃度 (pH) 水道 1 級 6.5 以上 自然環境保全 8.5 以下 水道 2 級 6.5 以上 水産 1 級・水浴 8.5 以下 水道 3 級 6.5 以上 水産 2 級 8.5 以下 水産 3 級 6.5 以上 工業用水 1 級 8.5 以下 工業用水 2 級 6.0 以上 農業用水 8.5 以下 工業用水 3 級 6.0 以上 環境保全 8.5 以下 準 値 生物化学的酸素要求量 (BOD) 浮遊物質量 (SS) 溶存酸素量 (DO) 1mg/ 以下 25 mg/ 以下 7.5 mg/ 以上 2 mg/ 以下 25 mg/ 以下 7.5 mg/ 以上 3 mg/ 以下 25 mg/ 以下 5 mg/ 以上 5 mg/ 以下 50 mg/ 以下 5 mg/ 以上 − 8 mg/ 以下 100 mg/ 以下 2 mg/ 以上 − 2 mg/ 以上 − 10 mg/ 以下 ごみ等の浮遊が認 められないこと。 注)1 自然環境保全:自然探勝等の環境保全 2 水道 1 級 :ろ過等による簡易な浄水操作を行うもの 水道 2 級 :沈殿ろ過等による通常の浄化作用を行うもの 水道 3 級 :前処理等を伴う高度の浄水操作を行うもの 3 水産 1 級 :ヤマメ、イワナ等の貧腐水性水域の水産生物用並びに水産 2 級及び水産 3 級の水産生物用 水産 2 級 :サケ科魚類及びアユ等貧腐水性水域の水産生物用及び水産 3 級の水産生物用 水産 3 級 :コイ、フナ等、β−中腐水性水域の水産生物用 4 工業用水 1 級:沈殿等による通常の浄水操作を行うもの 工業用水 2 級:薬品注入等による高度の浄水操作を行うもの 工業用水 3 級:特殊の浄水操作を行うもの 5 環境保全 :国民の日常生活(沿岸の遊歩等を含む)において不快感を生じない限度 - 17 - 大腸菌群数 50MPN /100m 以下 1,000MPN /100m 以下 5,000MPN /100m 以下 <表 2-19(2):生活環境の保全に関する環境基準(河川)> 基準値 項目 水生生物の生息状況の適応性 類型 イワナ、サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生 生物 A 物が生息する水域 生物Aの水域のうち、生物Aの欄に掲げる水生生物の産卵場(繁殖 生物特 A 場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 コイ、フナ等比較的高温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生 生物 B 息する水域 生物A又は生物Bの水域のうち、生物Bの欄に掲げる水生生物の産 生物特 B 卵場(繁殖場)又は幼稚仔の生育場として特に保全が必要な水域 全亜鉛 ノニルフェノール 0.03mg/L 以下 0.001mg/L 以下 0.03mg/L 以下 0.0006mg/L 以下 0.03mg/L 以下 0.002mg/L 以下 0.03mg/L 以下 0.002mg/L 以下 ウ)地下水に関する環境基準 近年、地下水汚染が各地で顕在化していますが、なかでもトリクロロエチレンなどの有機塩素化合物は、いったん地下水を汚染す ると長期間にわたって継続するという特徴を有しており問題となっています。 地下水についても公共用水域と一つの水循環系を構成しているなどの観点から、環境基本法に基づき、公共用水域における環境基 準健康項目とほぼ同様の 28 項目について基準(表 2-20)が設定されています。 また、 「要監視項目」についても 24 項目が位置づけされ、継続して地下水等の水質測定を行い、その推移を把握していくこととさ れています(表 2-21) 。 <表 2-20:地下水の水質汚濁に係る環境基準> 項 カ 目 ド 値 項 目 基 準 値 0.003 mg/ 以下 1,1,1− ト リ ク ロ ロ エ タ ン 1 mg/ 以下 ン 検出されないこと 1,1,2− ト リ ク ロ ロ エ タ ン 0.006 mg/ 以下 0.01 mg/ 以下 ト リ ク ロ ロ エ チ レ ン 0.03 mg/ 以下 ム 0.05 mg/ 以下 テトラクロロエチレン 0.01 mg/ 以下 素 0.01 mg/ 以下 1,3− ジ ク ロ ロ プ ロ ペ ン 0.002 mg/ 以下 銀 0.0005 mg/ 以下 チ ウ ラ ム 0.006 mg/ 以下 銀 検出されないこと シ マ ジ ン 0.003 mg/ 以下 ポ リ 塩 化 ビ フ ェ ニ ル 検出されないこと チ ブ 0.02 mg/ 以下 ン 0.01 mg/ 以下 ン 0.01 mg/ 以下 シ ウ 準 ム 全 ミ 基 ア 鉛 六 価 ク ロ 砒 総 ア ジ 水 ル ロ ル タ ベ ン ベ セ 塩化 ビニ ルモ ノマー 0.002 mg/ 以下 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素 10 mg/ 以下 1,2− ジ ク ロ ロ エ タ ン 0.004 mg/ 以下 ふ っ 素 0.8 mg/ 以下 1,1− ジ ク ロ ロ エ チ レ ン 0.1 ほ う 素 1 mg/ 以下 1,2− ジ ク ロ ロ エ チ レ ン 0.04 mg/ 以下 mg/ 以下 ゼ ル 0.02 mg/ 以下 炭 ン カ 0.002 mg/ 以下 化 メ オ 素 塩 ロ 水 ン 四 ク キ レ 1,4− ジ オ キ サ ン - 18 - 0.05 mg/ 以下 <表 2-21:要監視項目及び指針値><地下水> 項 目 ク ロ ロ ホ ル ム 1,2− ジ ク ロ ロ プ ロ パ ン p− ジ ク ロ ロ ベ ン ゼ ン イ ソ キ サ チ オ ン ダ イ ア ジ ノ ン フ ェ ニ ト ロ チ オ ン イ ソ プ ロ チ オ ラ ン オ キ シ ン 銅 ク ロ ロ タ ロ ニ ル プ ロ ピ ザ ミ ド E P N ジ ク ロ ル ボ ス 基 準 値 0.06 mg/ 以下 0.06 mg/ 以下 0.2 mg/ 以下 0.008 mg/ 以下 0.005 mg/ 以下 0.003 mg/ 以下 0.04 mg/ 以下 0.04 mg/ 以下 0.05 mg/ 以下 0.008 mg/ 以下 0.006 mg/ 以下 0.008 mg/ 以下 項 目 フ ェ ノ ブ カ ル ブ イ プ ロ ベ ン ホ ス ク ロ ル ニ ト ロ フ ェ ン ト ル エ ン キ シ レ ン フ タル酸 ジエチ ルヘキ シル ニ ッ ケ ル モ リ ブ デ ン ア ン チ モ ン エ ピ ク ロ ロ ヒ ド リ ン 全 マ ン ガ ン ウ ラ ン - 19 - 基 準 値 0.03 mg/ 以下 0.008 mg/ 以下 − 0.6 mg/ 以下 0.4 mg/ 以下 0.06 mg/ 以下 − 0.07 mg/ 以下 0.02 mg/ 以下 0.0004 mg/ 以下 0.2 mg/ 以下 0.002 mg/ 以下 【 メモ(環境基準と規制基準の違い) 】 ●環境基準とはなにか 特定の場所や施設ではなく、広い範囲の普通一般の空気や 海や河川等における基準で、人間の健康と暮らしの環境を 保護するうえで守ることが望ましいとされている基準です。 言わば強い努力目標です。 ●基準を達成するように誰が責任を持たねばならないか 環境基準自体は努力目標値ですが、国などの行政が監視や 測定等を行って、これが達成できるようにする責任があり ます。このために、必要とあれば国などの行政は新たに法 律や条例を作ったり、基準達成に向けた地域全体の取り組み を先導するなどして手段を講じなければなりません。 ●規制基準とはなにか 環境基準がある程度広い範囲に対して設けられているのに 対し、規制基準は特定の事業所や施設から直接出るばい煙、 排水や騒音に対して適用される基準で、公害を直接的に防 止するために設けられています。 ●基準を満たすように誰が責任を持たねばならないか 規制基準を守ることは個々の事業所や施設側の義務であり、 みずからが監視や測定を行い、基準を満たしているかを確 認し、超過しないように手段を講じる責任を持ちます。そ の責任を放棄したりすると刑罰の対象となります。 ◆◇用語説明◇◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●BOD:生物化学的酸素要求量のことで、微生物が水中の有機物(即ち汚濁物質)を分解するときに消費する酸素量で表す。水質 の汚濁度を測る最も一般的な指標。数値が大きいほど汚濁度が高いことを示す。 ●COD:化学的酸素要求量のことで、BOD 測定は検査に日数がかかるなどのため、COD 測定では酸化剤を使用して水中の有機物を分 解するのに必要な酸素量で表す。海域・湖沼の汚濁度を示す代表的な指標。 ●DO:水中に溶け込んでいる酸素(溶存酸素)量のことで、この数値が大きいほど水質が良好であることを示す。通常、同一の 水の BOD と DO は数値の大小が逆の相関関係がある。 ●SS:水に濁りを生じさせる不溶性の浮遊物質のことで、これが高濃度であると、魚のエラが詰まって窒息を起こしたり、水中 植物の光合成を妨げて死滅させたりする。 ●大腸菌群数:大腸菌群は、一般に人畜の腸内に生息する細菌(糞便 1g 中に 10∼100 億が存在)で、この量を測定することによ り、水がし尿で汚染されているかどうかの指標となる。なお、本来の大腸菌とは別に、し尿とは無縁の若干の菌も含まれるこ とがある。 - 20 - (2) 水質汚濁施設への対策 公害を未然に防ぐために、水質汚濁防止法、道公害防止条例及び市公害防止条例に基づいて、特定の施設から汚水や廃水(施設を 設置している事業場敷地からの排出水を含む)を河川や湖沼、公共の水路などの公共用水域に排出させたり、地下に浸透させる場合 は、その施設の設置内容・使用方法等を事前に届け出なければならないことになっており、これらの施設に対しては規制基準の遵守 を義務づけています。 平成 25 年末時での届出状況は(表 2-22)のとおりで、実際には排水量別ではなくて施設の種類ごとの区分になります。法の対象 となる施設については、道が立入調査などにより実際の使用状況等を確認しています。 <表 2-22:特定施設設置届出数>(平成 25 年末時) 水質汚濁防止法 日排水量 50t 未満 22 日排水量 50t 以上 12 北海道公害防止条例 0 0 0 恵庭市公害防止条例 1 3 4 合計 34 法では、事前予防に力点を置き、特定施設からの排出水に対して原則的に全水域一律の基準を設定しており、その内容は「一般排 水基準」と「暫定排水基準」の二本立てとなっています。 なお、水域によってはこの一律の排水基準では水質の汚濁防止が十分でないところも予測されるため、都道府県条例で一律排水基 準よりも厳しい上乗せ排水基準を設定できることとしています。 ア)有害物質に係る一般排水基準 全特定事業場に適用され、基準値のレベルは水質環境基準の約 10 倍の値を設定しています。これは、排出水が公共用水域へ排出さ れるとそこを流れる河川水などによって、通常少なくとも約 10 倍程度は希釈されるであろうという想定に基づいており、従来は排出 水の日間平均値でしたが現在は最大値で定められています。 (表 2-23) イ)生活環境項目に係る一般排水基準 BOD・COD・SS・窒素含有量及び燐含有量については、一般家庭下水を簡易な沈殿法により処理して得られる数値と同等のものとし て定められ、大腸菌群数については、塩素滅菌法によって確保し得る数値とされています。その他の項目については、水道用水基準 などの利用目的・河川水等による希釈などを考慮して定められています。この基準値も、まず排出水の最大値で定められていますが、 BOD・COD・SS・窒素含有量及び燐含有量については、併せて日間平均値による基準も採用しています(表 2-24) 。 なお、窒素含有量及び燐含有量については、環境大臣が指定した湖沼及び海域に排出される排出水のみに適用される排水基準です。 現在、本市に関係するところでは、えにわ湖への排出水にのみ燐含有量の排出基準が適用されています。 - 21 - <表 2-23:有害物質に係る一般排水基準(一律)> 項 目 許 容 カドミウム及びその化合物 カドミウムにつき シアン化合物 シアンにつき 基 有機燐化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメトン及び EPN に限る) 準 0.1mg/ 1mg/ 1mg/ 鉛及びその化合物 鉛につき 0.1mg/ 六価クロム化合物 六価クロムにつき 0.5mg/ 砒素及びその化合物 砒素につき 0.1mg/ 水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物 水銀につき 0.005mg/ アルキル水銀化合物 検出されないこと ポリ塩化ビフェニル 0.003mg/ トリクロロエチレン 0.3mg/ テトラクロロエチレン 0.1mg/ ジクロロメタン 0.2mg/ 四塩化炭素 0.02mg/ 1,2−ジクロロエタン 0.04mg/ 1,1−ジクロロエチレン 1mg/ シス 1,2-ジクロロエチレン及びトランス 1,2−ジクロロエチレン 1,2-ジクロロエチレンの合計量 0.4mg/ 1,1,1−トリクロロエタン 3mg/ 1,1,2−トリクロロエタン 0.06mg/ 1,3−ジクロロプロペン 0.02mg/ チウラム 0.06mg/ シマジン 0.03mg/ チオベンカルブ 0.2mg/ ベンゼン 0.1mg/ セレン及びその化合物 ほう素及びその化合物 ふっ素及びその化合物 セレンにつき 海域以外への水域への排出 0.1mg/ 10mg/ 海域への排出 230mg/ 海域以外への水域への排出 8mg/ 海域への排出 15mg/ アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化合物 塩化ビニルモノマー アンモニア性窒素に 0.4 を乗じたものと亜 硝酸性窒素及び硝酸性窒素との合計量につ いて 100mg/ 0.002mg/ 1.4-ジオキサン 0.05mg/ 【備考】 砒素及びその化合物の排水基準については、本法施行令の施行の際に現に湧出していた温泉を利用する旅館業からの排出水には適用されない。 - 22 - <表 2-24:生活環境項目に係る一般排水基準(一律)> 項 水素イオン濃度 目 許 海域以外への水域への排出 海 域 へ の 排 容 限 度 5.8∼8.6 出 5.0∼9.0 生物化学的酸素要求量(BOD) 160mg/ (日間平均 120 mg/ ) 化学的酸素要求量(COD) 160mg/ (日間平均 120 mg/ ) 浮遊物質量(SS) 200mg/ (日間平均 150 mg/ ) ノルマルヘキサン抽出物質 含 有 量 鉱 油 類 含 有 量 動植物油脂類含有量 5mg/ 30mg/ フェノール類含有量 5mg/ 銅含有量 3mg/ 亜鉛含有量 2mg/ 溶解性鉄含有量 10mg/ 溶解性マンガン含有量 10mg/ クロム含有量 2mg/ 大腸菌群類 日間平均 3,000 個/c 窒素含有量 120mg/ (日間平均 60 mg/ ) 燐含有量 16mg/ (日間平均 8 mg/ ) 【備考】 1.1 日当たりの平均的な排出水の量が 50 トン未満の特定事業場の排出水には適用されない。 2.水素イオン濃度及び溶解性鉄含有量の排水基準については、硫黄鉱業からの排出水には適用されない。 3.水素イオン濃度、銅含有量、亜鉛含有量、溶解性鉄含有量、溶解性マンガン含有量及びクロム含有量の排水基準については、本法施行令の 施行の際に現に湧出していた温泉を利用する旅館業からの排出水には適用されない。 4.生物化学的酸素要求量の排水基準については河川に、化学的酸素要求量の排水基準については海域及び湖沼に排出される排出水のみに適用 される。 5.窒素含有量及び燐含有量の排水基準については、植物プランクトンの著しい増殖をもたらすおそれがあるとして環境大臣が定めた湖沼及び 海域に排出される排出水のみに適用される。 ウ)暫定排水基準 一般排水基準に関する有害物質項目のうち、ほう素、ふっ素、アンモニア及び亜硝酸・硝酸化合物の 3 項目について、並びに生活 環境項目のうち、窒素含有量、燐含有量の 2 項目については、これらの排出基準が適用される特定施設を持つ業種のうち、一律の排 水基準への対応が著しく困難と認められる業種に限って、一種の経過措置として一定の期間(ほう素、ふっ素、アンモニア及び亜硝 酸・硝酸化合物に関しては平成 28 年 6 月 30 日までの間、窒素含有量及び燐含有量に関しては平成 30 年 9 月 30 日までの間、適用さ れる暫定的なゆるい排水基準を定めています。 暫定排水基準は、全公共用水域につき一律の基準ではありますが、業種別には異なった基準値が設定されており、本市に実質的に 関係するところでは、 畜産農業の用に供する特定施設からの排出水については、 アンモニア及び亜硝酸・硝酸化合物の排水基準は700mg / の値が暫定的に適用となります。 ◆◇用語説明◇◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●日間平均値:文字どおり 1 日当たりの平均的な数値のことで、水質汚濁防止法で使われている定義でいうと、 「1 日の操業時 間内において、排出水を 3 回以上測定した結果の平均値として取り扱う。この場合、操業開始直後及び操業開始直前におい て排出水が排出されている時点を必ず含むものとする。なお、終日操業している場合は、1 日につき夜間を含め 3 回以上測定 するものとする。 」とされている。 - 23 - エ)上乗せ排水基準 上乗せ排水基準は、法が設定した一律の排水基準では水質汚濁防止上不十分であると認められた水域について、都道府県が水質汚 濁防止法に基づき条例で定めることにより、より厳しい排水基準を上乗せするものであり、上乗せ排水基準が適用される区域の特定 事業場は、指定項目について一般排水基準ではなく上乗せ排水基準が適用されます。 本市に関係するところでは、支笏湖水域と石狩川水域に設定されています(表 2-25、表 2-26、表 2-27) 。 <表 2-25:人の健康の保護に係る項目の上乗せ基準(単位:mg/ )> 項目 業種 カドミウム 非鉄金属鉱業 全 業 種 (非鉄金属鉱業を除く) 非鉄金属鉱業 シ ア ン 有 機 燐 六価クロム 砒 素 総 水 銀 0.05 0.5 − − − − 0.01 検出され ないこと 検出され ないこと 0.05 0.05 0.0005 0.06 0.6 − − − − 適用区域 支笏湖水域 石狩川水域 <表 2-26:生活環境の保全に係る項目の上乗せ基準(単位:mg/ )> 項 目 対象業務 BOD 許容 限度 肉製品製造業 許容 限度 日間 平均 80 60 80 60 70 50 − − 150 110 150 110 120 100 /日以上) 紙製造業 パルプ製造業(クラフトパルプ製造施設のみを有するもの) 日間 平均 70 50 − 120 100 − − 70 50 ガス供給業 80 60 70 50 と畜業(活性汚泥法による排水処理をするもの) − − 70 50 90 70 90 − − 80 60 − − し尿浄化槽(S47.10.1 以後設置、処理対象 501 人以上) 40 30 90 70 下水終末処理施設(活性汚泥法、標準散水ろ床法で処理) − 20 − 70 下水終末処理施設(高速散水ろ床法、モディファイド・エアレーション法で処理) − 60 − 120 し尿浄化槽(S46.9.24 から 47.9.30 までの間に設置、処理対象 501 人以上) 域 30 水 40 120 し尿浄化槽(S46.9.23 以前に設置され、処理対象 501 人以上) 川 − 化学肥料製造業 狩 パルプ製造業(クラフトパルプ製造施設のみを有するものを除く) し尿処理施設(し尿浄化槽以外のもの) 適用 区域 石 乳製品製造業(平均排水量 1,000 SS <表 2-27:生活環境の保全に係る項目(一般項目)の上乗せ基準(単位:mg/ )> 非鉄金属鉱業 全 業 種 ノルマルヘキサン 抽出物質 (鉱物類) フェノール類 銅 − − 1.5 1 1 − 溶解性鉄 溶 解 性 マンガン ふ っ 素 2.5 − − − − − − − 亜 鉛 【備考】1.平均的な排出量が 50 /日以上の工場・事業場に適用する。 2.温泉を利用する旅館については、ふっ素に係る排水基準は適用しない。 - 24 - 適用 区域 支笏湖 水 域 (3) 河川水質調査(調査地点位置図:資料 9) 本市では、市内を流れる 7 河川から 10 地点を選び、2 ヶ月ごとに生物化学的酸素要求量(BOD)など 12 項目について定点観測を行 っています。 なお、生活環境の保全に関する環境基準については、本市内を流れる河川のうち千歳川のみが類型指定(A 類型)されています。 したがって、千歳川以外の河川については正確には環境基準と比較した評価はできません。 <結 果>(調査結果:資料 10-1∼10-3) 河川の水質の汚濁状況を見るための最も一般的な指標である BOD(各年の全ての日間平均値の 75%水質値)の経年変化を河川ごとに 示します(図 2-9∼図 2-15) 。 Ⅰ.ユカンボシ川 <図 2-9:ユカンボシ川 BOD(75%値)の経年変化> 恵庭公園は原生林の多い水の生まれる公園として、市民に親しまれ ている公園ですが、ユカンボシ川はここから生まれ、千歳市の長都川 へと合流しています。本市内における延長は 4 ㎞で、下流域で農業用 水などとして利用されています。 公共下水道の整備に伴い「南 26 号橋」の水質も以前に比べると改 善され安定化の傾向にあります。 Ⅱ.漁川 <図 2-10:漁川 BOD(75%値)の経年変化> 盤尻と国有林内に水源を発し、漁太で千歳川と合流する漁川 は延長 45 ㎞と、市内の河川では最も大きく、上水道水源や発電・ 農業用水などとして幅広く利用されています。また、市街地中 心部を貫いて流れていることから、河川敷は各種の親水空間と なっており、大変市民に親しまれています。 水質全般としては比較的安定していますが、 「南 12 号橋」の BOD だけが非常に高くなっています。これは、市の下水終末処理 場の排水吐口の下流側にあたることから、その排水中のアンモ ニア成分の硝化作用により、見かけ上の酸素要求量が大きく見 えるためと思われます。 - 25 - Ⅲ.茂漁川 <図 2-11:茂漁川 BOD(75%値)の経年変化> 水源が桜森の島松演習場内にあり、中島町で漁川と合流している茂漁 川は延長 10 ㎞で、上流部で農業用水として取水されています。 源流部が近いことから、水質は全体的に安定した良好な状況にあり、 多自然型工法による河川改修の成果もあって、バイカモの密生する清流 の戻った河川です。 Ⅳ.柏木川 <図 2-12:柏木川 BOD(75%値)の経年変化> 水源が桜森の島松演習場内にあり、穂栄で島松川へと合流する柏木川は 延長 22 ㎞で、水源直下に水産ふ化場や民間養魚場が立地するほか、農業用 水にも利用されています。 ふ化場や養魚場のある辺りは大変清らかな水質ですが、島松川に合流す るまでの間に、工場排水、生活排水及び農業排水などが流入し、恒常的に ではありませんが汚濁が見られることがあましたが、下水道の普及や排水 浄化施設の改善などにより、水質は改善の傾向にあります。 Ⅴ.ルルマップ川 <図 2-13:ルルマップ川 BOD(75%値)の経年変化> 水源は桜森島松演習場内で、下島松で柏木川に合流するルルマッ プ川は延長 13 ㎞で、農業用水に利用されてきました。 流量が小さい河川のため、農業排水などによる影響を受けやすく、 過去には水質が汚濁した時期もありましたが、現在では汚染源もほ とんどなく安定した水質となっています。 - 26 - Ⅵ.島松川 <図 2-14:島松川 BOD(75%値)の経年変化> 水源が桜森の島松演習場内にあり、北島で千歳川と合流するこの川は延 長 21 ㎞で、上流域には養魚場などがあり、下流域では農業用水として利用 されています。 流域には住宅や事業場などが少ないため水質も良く、比較的自然が多く 残されている河川です。 Ⅶ.千歳川 <図 2-15:千歳川 BOD(75%値)の経年変化> 千歳川は支笏湖に源流部を持ち、周辺の山間を経て多くの支川を集めな がら石狩平野を北上して石狩川に合流する延長 108 ㎞、流域面積 1,246k ㎡ の河川です。流域には、上流から千歳市、長沼町、恵庭市、北広島市、南 幌町、江別市の順で 4 市 2 町が位置しています。 BOD などの生活環境の保全に関する環境基準については、本市内を流れ る河川のうち千歳川のみが類型指定(A 類型)されており、環境基準と比 較した評価が可能です。千歳川は支川が合流するごとに水質が悪くなって いきますが、 「舞鶴橋」では近年ずっと基準を満たしています。 <千歳川水系水質保全連絡会議> 昭和 49 年 2 月、千歳川の水質を保全するのに必要な情報・資料収集や交換を目的に流域の 4 市 2 町が参集し、道の関係支庁の協力 も得て「千歳川水系水質保全連絡会議」が発足しました。 同連絡会議は以来 30 年以上にわたり、年 6 回の定点観測による水質調査、千歳川川下りによる水質調査、また汚染源調査などを共 同で実施し、得られた情報をそれぞれの行政に活用しています。 ◆◇用語説明◇◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●75%水質値:ある調査箇所の年間の全測定データ(日間平均値)をその値の小さいものから順に並べ、0.75×n 番目(n 測定し たデータ数)のデータ値をもって 75%水質値とする。0.75×n が整数でない場合は端数を切り上げた整数番目の値とする。環境 基準と比較した場合の評価方法としては、年間の全測定データのうち、75%以上のデータが基準値を満足する場合に環境基準に 適合しているものと判断する。 - 27 - (4) 地下水水質調査 トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物は、主に精密部品の洗浄剤、金属製品の脱脂洗浄剤あるいはドラ イクリーニング用などとして使用されてきた経緯があり、発ガン性のあることが知られています。 現在では排出規制が徹底され、安全性の高い代替物質への転換が図られるなど、事業場等からの地下浸透を防止するための措置が 講じられていますが、過去には工業地域の地下水が汚染されたとして全国的に問題となりました。 また、近年、窒素系化学肥料の過剰施肥や畜産系ふん尿の不適切な取り扱いから、アンモニア及び亜硝酸・硝酸化合物の地下水汚 染も問題になっています。この問題は主に道東方面で大きく表面化していますが、道では全道の該当する市町村や地域と一体となっ て改善に向けて取り組んでいます。 いずれも、これら地下水は一度汚染されると回復が非常に困難であることから、継続した監視が必要とされています。 本市での地下水汚染の実態を把握するために、現在、道では過去に有機塩素化合物を使用していた事業場や畜産事業場等の地下水 を定点観測しています。本市では、道の調査を補う形でその周辺の地下水の水質調査を行い、道の調査結果と併せて対策に役立てて います。 <結 果>(調査結果:資料 11) 平成 24 年度に実施した調査結果では、有機塩素化合物及びアンモニア及び亜硝酸・硝酸化合物については環境基準を超えるような 数値は検出されていません。 しかし、環境基準以下であっても、一部項目において検出されており、引き続き監視が必要と思われます。 (5) ゴルフ場使用農薬の安全使用対策 現在の農薬は有機系化合物により形成されており、散布後、様々な作用により分解され自然界に存在する物質となります。自然界 での分解には、物理的・化学的・生物的な作用があり、これらの作用によっても分解されずに自然界にその毒性を保ち続け、流出・ 残留などが起こるときに問題となります。 本市内でゴルフ場を営み農薬を使用する場合には、道や市の指導要綱により農薬使用管理者を定め、受払の記録、保管庫の整備の 義務づけなど細かな規定があります。また、各ゴルフ場とは公害防止協定を結び、万が一河川に農薬が流出して悪影響を及ぼした場 合の責任を明確化するなど、農薬の安全使用のために対策しています。 本市では農薬を含んだ排水が河川に流入しないように特に注意をして監視しており、降雨や雪解けなどに伴う排水については、ゴ ルフ場が自主調査を行っているほか、本市も独自に調査・分析を行っています。試料の採取地点はゴルフ場の排水口、調整池あるい は直下の河川等であり、平成 24 年度の調査結果では、殺菌剤として使用しているユキスター水和剤(成分名:イプロジオン)につい て一部ゴルフ場で検出はされたものの同指針値を大幅に下回り問題はありません。市内の 3 ゴルフ場では適正に管理・使用されてい ると言えます。 暫定指導指針値は(表 2-28)のとおりとなっています。 - 28 - <表 2-28:ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針値> 農 薬 名 指針値(mg/ ) (殺虫剤) イソキサチオン クロルピリホス ダイアジノン チオジカルブ トリクロルホン(DEP) フェニトロチオン(MEP) ペルメトリン ベンスルタップ 薬 名 指針値(mg/ ) (除草剤) 0.08 0.02 0.05 0.8 0.05 0.03 1 0.9 (殺菌剤) イプロジオン イミノクタジンアルベシル酸塩及びイミ ノクタジン酢酸塩 (イミノクタジンとして) エトジアゾール(エクロメゾール) オキシン銅(有機銅) キャプタン クロロタロニル(TPN) クロロネブ ジフェノコナゾール シプロコナゾール チウラム(チラム) チオファネートメチル チフルザミド テトラコナゾール トリフルミゾール トルクロホスメチル バリダマイシン ヒドロキシイソキサゾール(ヒメキ サゾール) プロピコナゾール ベノミル ボスカリド ホセチル ポリカーバメート 農 3 0.06 0.04 0.4 3 0.4 0.5 0.3 0.3 0.2 3 0.5 0.1 0.5 2 12 1 アシュラム エトキシスルフロン シクロスルファムロン シデュロン シマジン(CAT) トリクロピル ナプロパミド フラザスルフロン プロピサミド ベンフルラリン(ベスロジン) MCPAイソプロピルアミン塩及びMC 2 1 0.8 3 0.03 0.06 0.3 0.3 0.5 0.1 0.051 PAナトリウム塩 (MCPA として) (植物成長調整剤) トリネキサパックエチル 0.15 0.5 0.2 1.1 23 0.3 (平成 25 年 6 月 18 日一部改正) 注1:表に記載の指針値は以下の式から算出している。 指針値={ADI(mg/kg 体重/日)×53.3(kg)×(ADI の 10%配分)/2(L/人/日)}×10 注2:表に記載のない農薬であっても水質汚濁に係る農薬登録保留基準(以下「水濁基準値」という。)が設定 されているものについては、その値の 10 倍値を指針値 とする。 注3:表に掲げた農薬の指針値についても、今後新たに水濁基準値が設定された場合にはその値 10 倍値を指針 値とする。 - 29 - 2.水道水源保全の取り組み 本市内を流れる漁川は、恵庭市民の生活に潤いと安らぎを与えるとともに、水道水を供給する貴重な水源域です。しかし、良好な 自然環境への市民ニーズが近年一層の高まりを見せている一方、私たちの生活や経済活動から生ずる排出水がその水質に影響を及ぼ すことが懸念されるようになりました。 本市の水道水は、この漁川上流に位置する石狩東部広域水道企業団浄水場より日最大供給量 24,000 浄水場のやや下流にある本市の浄水場では、表流水・伏流水を合わせて日最大給水量 8,000 を受水し、さらに、同企業団 の自己水源を有しています。本市は、 漁川上流域のこの大切な水源を積極的に保全し、6 万 9 千人の恵庭市民が現在及び将来にわたって安全な水を飲めるように、 「恵庭市 漁川流域に係る水道水源の水質の保全に関する条例」を設けてその排出水の水質を規制しています。 規制対象とする対象事業場はゴルフ場と廃棄物最終処分場の二つで、排水基準については上位法に抵触しない範囲で最も厳しい値 を採用したことのほか、対象事業者には新設・拡張時の届出や事前の住民説明会の実施等の義務を課しています。また、保全地域と して牧場及び盤尻地区の一部(国有林野及び北海道大演習場区域を除く)の 725ha を指定しており、排水基準についても今後も日々 刻々と新たな物質が発見・認知されている昨今の状況を踏まえ、国の規制制度などと整合性を保って基準値の追加等の措置を講ずる こととしています。 (1) ゴルフ場に係る排水基準 環境庁水質保全局長通知の「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針」を準用しています(表 2-28 と 同一) 。 (2) 廃棄物最終処分場に係る排水基準 安定型産業廃棄物最終処分場と、管理型産業廃棄物最終処分場及び一般廃棄物最終処分場の 2 種類に区分し、さらに各々生活環境 項目と有害物質について基準値を定めています。特に安定型産業廃棄物最終処分場から排出される有害物質に関する排水基準には環 境基準値を採用し、厳しい許容限度としています(表 2-29、表 2-30) 。 <表 2-29:廃棄物最終処分場に係る排水基準(生活環境項目)> 区 項 分 許 容 限 度 目 安定型産廃処分場 管理型産廃処分場・一般処分場 水素イオン濃度 5.8∼8.6 5.8∼8.6 生物化学的酸素要求量(BOD) 20mg/ 60mg/ 浮遊物質量(SS) 60mg/ 60mg/ 鉱 油 類 含 有 量 5mg/ 5mg/ 動植物油脂類含有量 30mg/ 30mg/ フェノール類含有量 5mg/ 5mg/ 銅含有量 3mg/ 3mg/ 亜鉛含有量 5mg/ 5mg/ 溶解性鉄含有量 10mg/ 10mg/ 溶解性マンガン含有量 10mg/ 10mg/ クロム含有量 2mg/ 2mg/ 3,000 個/cm3 3,000 個/cm3 ノルマルヘキサン抽出物質含有量 大腸菌群数(日間平均) - 30 - <表 2-30:廃棄物最終処分場に係る排水基準(有害物質)> 区 項 分 目 許 容 安定型産廃処分場 カドミウム 限 度 管理型産廃処分場・一般処分場 0.01mg/ カドミウム及びその化合物 0.1 mg/ 全シアン 検出されないこと シアン化合物 1 mg/ 有機燐化合物(パラチオン、メチルパラチオン、メチルジメ 1 mg/ トン及び EPN に限る) 鉛 0.01 mg/ 鉛及びその化合物 0.1 mg/ 六価クロム 0.05 mg/ 六価クロム化合物 0.5 mg/ 砒素 0.01 mg/ 砒素及びその化合物 0.1 mg/ 総水銀 0.0005 mg/ 水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物 0.005 mg/ アルキル水銀 検出されないこと アルキル水銀化合物 検出されないこと ポリ塩化ビフェニル(PCB) 検出されないこと 0.003mg/ トリクロロエチレン 0.03 mg/ 0.3mg/ テトラクロロエチレン 0.01 mg/ 0.1mg/ ジクロロメタン 0.02 mg/ 0.2mg/ 四塩化炭素 0.002 mg/ 0.02mg/ 1,2−ジクロロエタン 0.004 mg/ 0.04mg/ 1,1−ジクロロエチレン 0.02 mg/ 0.2mg/ シス−1,2−ジクロロエチレン 0.04 mg/ 0.4mg/ 1,1,1−トリクロロエタン 1 mg/ 3mg/ 1,1,2−トリクロロエタン 0.006 mg/ 0.06mg/ 1,3−ジクロロプロペン 0.002 mg/ 0.02mg/ チウラム 0.006 mg/ 0.06mg/ シマジン 0.003 mg/ 0.03mg/ チオベンカルブ 0.02 mg/ 0.2mg/ ベンゼン 0.01 mg/ 0.1mg/ セレン 0.01 mg/ セレン及びその化合物 0.1mg/ ふっ素 0.8 mg/ 8 mg/ ふっ素及びその化合物 ほう素 1 mg/ ほう素及びその化合物 10 mg/ 硝酸性窒素、亜硝酸性窒素 10 mg/ アンモニア、アンモニウム化合物、亜硝酸化合物及び硝酸化 合物 - 31 - 100mg/ (アンモニア性窒素量に 0.4 を乗じた ものと亜硝酸性窒素及び硝酸性窒素の 合計量) (3) 安全な水道水の供給 本市では安全で良質な水道水を供給するために、水源の川や湖、浄水場、そして配水池から家庭に届くまでの水の流れの各段階で 厳重な水質管理を実施しています。なかでも、水質検査は水道水の安全性を確認するために不可欠であり、水質管理の中核をなす大 切な要素です。平成 15 年改正の水道法に基づく水質基準には、ヒ素、シアン、水銀など人の健康に影響を与える項目や色、濁り、味 など生活利用上支障が生じるおそれがある項目など、水道水が備えるべき水質上の要件として定められた 51 項目が設定されており (表 2-31) 、本市では毎年作成する水質検査計画に基づいて水道水の品質管理を行っています。 <表 2-31:水道水の水質基準項目>(平成26年4月 1 日最終改正) 項 目 名 基 準 値 一般細菌 100 個/m 以下 大腸菌 検出されないこと カドミウム及びその化合物 0.003mg/ 以下 水銀及びその化合物 0.0005mg/ 以下 分 類 病原生物 セレン及びその化合物 0.01mg/ 以下 鉛及びその化合物 0.01mg/ 以下 砒素及びその化合物 0.01mg/ 以下 六価クロム化合物 0.05mg/ 以下 亜硝酸態窒素 0.04mg/ 以下 シアン化物イオン及び 塩化シオン 硝酸態窒素及び 亜硝酸態窒素 無機物質 ・重金属 概 要 一般細菌として検出される細菌の多くは、直接病原菌との関連はないが、多量に検出さ れる場合は病原生物に汚染されている可能性がある。また、消毒効果を確認する判断基準 になる。 ヒト及び動物の糞便中に存在する。飲料水中に大腸菌が検出された場合、糞便に由来す る病原菌に汚染されている可能性がある。 電気めっき、顔料、電池等に用いられてる。鉱山や工場排水等から混入する場合がある。 イタイイタイ病の原因物質として知られている。 体温計、乾電池、歯科用等に用いられる。工場排水等から汚染される場合がある。有機 水銀化合物は水俣病の原因物質として知られている。 生体微量必須元素で自然界に存在している。半導体材料、顔料、薬剤等に利用され、工 場排水等から混入する場合がある。 蓄電池、はんだ等に広く用いられ、工場排水等から汚染される場合がある。水道水中の 鉛は主に鉛管からの溶出によるもの。 半導体材料、殺鼠剤、医薬品原料、ガラス工芸等に用いられている。工場排水等から混 入する場合がある。 クロムめっき、電池、顔料等に用いられる。工場排水等から混入する場合がある。 自然界に広く存在しており、窒素肥料、化学工業、食品の防腐剤等に用いられている。 工場排水等から混入する場合がある。 0.01mg/ 以下 自然水中にはほとんど存在せず、シアン化合物を含む工場排水等の混入によって検出さ れる場合がある。 10mg/ 以下 自然界に広く存在しており、窒素肥料、化学工業、食品の防腐剤等に用いられている。 工場排水等から混入する場合がある。 自然界に広く分布しており主に地質に由来する。アルミニウム電解、セラミックス、半 導体等で用いられる。高濃度の摂取は斑状歯の原因となる。 金属表面処理、ガラス工場等で用いられる。また火山地帯の地下水や温泉などに含まれ る場合がある。 フロンガスの原料に用いられる。表流水に混入した場合、短時間で大気中に揮散するが 土壌汚染などにより地下水に検出されることがある。 ふっ素及びその化合物 0.8mg/ 以下 ほう素及びその化合物 1.0mg/ 以下 四塩化炭素 0.002mg/ 以下 1,4−ジオキサン 0.05mg/ 以下 シス−1,2−ジクロロエチレン 及びトランス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/ 以下 ジクロロメタン 0.02mg/ 以下 テトラクロロエチレン 0.01mg/ 以下 トリクロロエチレン 0.01mg/ 以下 ベンゼン 0.01mg/ 以下 塩素酸 クロロ酢酸 クロロホルム ジクロロ酢酸 ジブロモクロロメタン 0.6mg/ 以下 0.02mg/ 以下 0.06mg/ 以下 0.04mg/ 以下 0.1mg/ 以下 溶剤、オイル、ワックス等に用いられる。 主に塩化ビニリデン樹脂の原料。揮発性が高いが地下に浸透すると地下水を汚染する。 臭素酸 0.01mg/ 以下 総トリハロメタン 0.1mg/ 以下 トリクロロ酢酸 ブロモジクロロメタン ブロモホルム ホルムアルデヒド 0.2mg/ 以下 0.03mg/ 以下 0.09mg/ 以下 0.08mg/ 以下 一般有機 化学物質 有機溶剤、ラッカー、香料等に用いられる。揮発性は高いが地下に浸透すると地下水を 汚染する。 塗料の剥離剤、洗浄剤、溶媒等に用いられる。揮発性は高いが地下に浸透すると地下水 を汚染する。 ドライクリーニング等に用いられる。揮発性は高いが地下に浸透すると地下水を汚染す る。 溶剤、ドライクリーニング等に用いられる。揮発性は高いが地下に浸透すると地下水を 汚染する。 染料、合成ゴム、有機顔料、医薬品等に用いられる。地下に浸透すると地下水を汚染す るが微生物により緩やかに分解される。 塩素処理等により、原水中の有機物質と塩素が反応して生成される。 塩素処理等により、原水中の有機物質と消毒剤の不純物により生成される。 消毒 副生成物 小麦粉改良剤、毛髪のコールドウェーブ用薬品に用いられる。オゾン処理や消毒剤の次 亜塩素酸生成時に不純物の臭素が酸化されて生成する。 総トリハロメタンとは、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン 及びブロモホルムの4物質の総称。 塩素処理等により、原水中の有機物質と塩素が反応して生成される。 塩素処理等により、原水中の有機物質と消毒剤の不純物により生成される。 塩素処理等により、原水中の有機物質と塩素が反応して生成される。 ( - 32 - <表 2-31(続き) :水道水の水質基準項目> 項 目 名 基 準 値 分 類 亜鉛及びその化合物 1.0mg/ 以下 アルミニウム及び その化合物 0.2mg/ 以下 鉄及びその化合物 0.3mg/ 以下 銅及びその化合物 1.0mg/ 以下 ナトリウム及びその化合物 200mg/ 以下 味覚 マンガン及びその化合物 0.05mg/ 以下 色 塩化物イオン 200mg/ 以下 カルシウム・ マグネシウム等(硬度) 300mg/ 以下 蒸発残留物 500mg/ 以下 陰イオン界面活性剤 ジェオスミン 2−メチルイソボルネオール 色 0.2mg/ 以下 0.00001mg/ 以下 0.00001mg/ 以下 味覚 発泡 かび臭 非イオン界面活性剤 0.02mg/ 以下 発泡 フェノール類 0.005mg/ 以下 臭気 3mg/ 以下 味覚 有機物 (全有機炭素(TOC)の量) pH 値 味 臭気 色度 濁度 5.8 以上 8.6 以下 異常でないこと 異常でないこと 基礎的 性状 5 度以下 2 度以下 概 要 写真凸版、乾電池、めっき等に用いられる。工場排水等から混入する場合がある。高濃 度に含まれると白濁の原因となる。 地質中にもっとも多く含まれる物質。合金、家庭用品、電気部品等に用いられる。水道 では凝集剤として利用される。 生体必須元素。高濃度に含まれると、異臭味(金気臭)や洗濯物の着色(赤褐色)の原 因になる。 生体微量必須元素。工場排水等の混入のほか、水道水中には銅管から溶出する場合があ る。高濃度に含まれると着色(青色)の原因となる。 石鹸、食品工業等に用いられる。自然水中に広く存在し、水質基準では味覚を考慮した 数値となっている。 生体微量必須元素であり地質中に広く分布する元素のひとつ。乾電池、医薬品、合金等 に用いられる。高濃度に含まれると酸化して黒く着色することがある。 地質や海水の浸透、下水、家庭排水、工場排水及びし尿等の混入によって濃度が増加す る。水質基準では味覚を考慮した数値となっている。 硬度とはカルシウムイオンとマグネシウムイオンの合計量をいい、主として地質による もの。硬度は低すぎると淡白でコクのない味がし、硬度が高すぎると口に残るような味が する。硬度が高い水は、石鹸の泡立ちを悪くする。 水中に浮遊する物質と溶解する物質の総和。主な成分には、カルシウム、マグネシウム、 ケイ酸、ナトリウム、カリウム等の塩類及び有機物。 洗濯排水、工場排水等の混入に由来し、高濃度に含まれると水の泡立ちの原因となる。 アナベナ属やフォルミジウム属などの藍藻類や放線菌により産生される。 洗剤、乳化剤等に用いられる。洗濯排水、工場排水等の混入に由来し、高濃度に含まれ ると水の泡立ちの原因となる。 防腐剤、医薬品、合成樹脂等に用いられる。自然水に含まれることはなく、工場排水等 から混入する場合がある。異臭味の原因となる。 有機物等による汚染の度合いをあらわす。し尿、下水、工場排水等の混入により増加す る。多く含まれると味を悪くする原因となる。 pH7 は中性をあらわし、それより低いと酸性が強くなり、高いとアルカリ性が強くな る。 水の味は、水に溶存する物質の種類・濃度によって感じ方が異なってくる。 水の臭気は、化学物質による汚染、藻類の繁殖、下水の混入及び地質等に起因する。 水の着色の程度を示すもので、基準値以下であれば、ほぼ無色。 水の濁りの程度を示すもので、基準値以下であれば、ほぼ透明。 - 33 - 第 3 節 その他の環境汚染に対する取り組み 1.ダイオキシン類に係る問題への取り組み ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾパラジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン及びコプラナーポリ塩化ビフェニールの総称で あり、化学物質の合成過程や燃焼過程などで非意図的に生成されます。ダイオキシン類には、その化学構造によっておよそ 200 以上 もの種類があります。一般的な性質として熱や酸、アルカリなどによって分解されにくく、環境中で安定した物質であること、また 脂肪によく溶けるため生物の体内に取り込まれると脂肪組織などに蓄積しやすく、体外に排出されにくいことなどが分かっています。 ダイオキシン類の発生の原因には様々なものがありますが、塩化ビニールのような塩素を含んだ廃棄物の焼却時に、その焼却温度、 燃焼条件や排ガス処理の状況等が大きな影響を及ぼすと考えられています。ダイオキシン類の毒性については、ベトナム戦争で米軍 が大量に散布した「枯れ葉剤」による被害(先天性異常児の出産等)でよく知られているほか、発ガン性も指摘されています。 (1) ダイオキシン類に関する環境基準 ダイオキシン類対策特別措置法に基づいて、大気・水質・土壌・底質(川底の泥)の各々についてダイオキシン類濃度の環境基準 が設けられています。環境基準(表 2-32)については TDI(耐容 1 日摂取量)を踏まえ設定されています。 <表 2-32:ダイオキシン類に係る環境基準> 媒体 大気 水質 基 準 値 0.6pg-TEQ/ 以下 (年平均値) 1pg-TEQ/ 以下 (年平均値) 土壌 1,000pg-TEQ/g 以下 底質 150pg-TEQ/g 以下 備 考 工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域又は場所に ついては適用しない。 公共用水域及び地下水について適用する。 廃棄物の埋立地その他の場所であって、外部から適切に区別されている施 設に係る土壌については適用しない。 環境基準が達成されている場合であっても、250pg-TEQ/g 以上の場合には 必要な調査を実施することとする。 全ての公共用水域について適用する。 (2) ダイオキシン類発生施設への対策 ダイオキシン類を発生する一定規模以上の特定の施設を設置し、あるいは使用しようとする事業者は、ダイオキシン類による環境 汚染を未然に防ぐために、法に基づきその施設の設置内容・使用方法等を事前に届け出なければならないことになっており、これら の施設に対しては規制基準の遵守を義務づけています(表 2-33) 。 平成 25 年末の届出状況は(表 2-34)のとおりですが、平成 14 年 12 月から法による排出基準が厳しくなったこともあり、稼動中 の特定施設の数は減少しました。なお、ダイオキシン類に係る水質基準の対象施設については本市では届出はありません。 ダイオキシン類に係る特定施設については、道が立入調査などにより届出状況の確認をしています。 ◆◇用語説明◇◆・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●TDI(耐容 1 日摂取量):人が一生涯にわたって体内に取り込んでも健康に影響が現れないと判断される 1 日当りの摂取量。ダ イオキシン類の TDI は体重 1 ㎏当り 4 ピコグラム以下と定められている。 ●TEQ(毒性等量):ダイオキシン類は毒性が各々異なっているため、なかでも一番毒性が強い 2,3,7,8−TCDD の毒性を基準に、 他のダイオキシン類の毒性も 2,3,7,8−TCDD の毒性に換算してから足し合わせて、全体としての毒性の値(TEQ)としている。 - 34 - <表 2-33:ダイオキシン類に係る排出基準> (単位:大気 ng−TEQ/ N、水質 pg−TEQ/ ) 大 気 排 出 基 準 特 定 施 設 の 種 類 H12.1.15 以降に 設置された施設 H12.1.14 以前に 設置された施設 焼結鉱の製造の用に供する焼結炉であって、原料処理能力が 1t/時以 上のもの 0.1 1 製鋼の用に供する電気炉であって、変圧器定格容量が 1000kVA 以上のも の 0.5 5(0.5) 亜鉛の回収の用に供する焙焼炉、焼結炉、溶鉱炉、乾燥炉であって、原 料処理能力が 0.5t/時以上のもの 1 10 アルミニウム合金の製造の用に供する溶解炉、焙焼炉、乾燥炉であって、 溶解炉は容量が 1t 異常、焙焼炉、乾燥炉は原料処理能力が 0.5t/時以 上のもの 1 5 4t/時 以上 2t/時∼4t/時 0.1 1 1(0.1) 5(1) 2t/時 未満 5 10(5) 廃棄物焼却炉であって、火床面積が 0.5 ㎡以上又は焼却能力が 50 ㎏/時以上の もの 水 質 排 出 基 準 特 定 施 設 の 種 類 施設の設置時期 による区分なし クラフトパルプ又はサルファイトパルプの製造の用に供する塩素系漂 白施設 10 塩化ビニルモノマー製造の用に供する二塩化エチレン洗浄施設 10 アルミニウム・同合金の製造の用に供する焙焼炉、溶解炉又は乾燥炉に 係る廃ガスの洗浄施設又は湿式集じん施設 10 廃棄物焼却炉に係る廃ガスの洗浄施設又は湿式集じん施設及び当該廃 棄物焼却炉に係る汚水等を排出する灰ピット 10 廃PCB 等又は PCB 処理物の分解施設及びPCB 汚染物又はPCB 処理物の洗 浄施設 10 上記の施設から排出される汚水等を含む下水を処理する下水道終末処 理施設 10 上記の施設を設置する事業場から排出される水の処理施設 10 ※平成 9 年 12 月 2 日以降に設置された製鋼用電気炉及び廃棄物焼却炉(火格子面積が 2 ㎡以上又は 200 ㎏/h 以上)の既存施設については、表中( ) の基準が適用される。 ※水質排出基準は、特定施設を設置している事業場から公共用水域に排出される排出水について、排出口ごとに適用される。 <表 2-34:ダイオキシン類に係る大気基準適用施設(平成 25 年末時)> 鉄 鋼 業 焼 結 施 設 製 鉄 用 電 気 炉 亜 鉛 回 収 施 設 アルミニウム合金製造施設 4t/時 以上 廃棄物焼却炉 2t/時∼4t/時 2t/時 未満 合 計 - 35 - 施設数 0 0 0 0 1 0 2 3 2.放射線量測定について 恵庭市では、平成 24 年 2 月 10 日より、環境中の放射線量の平均的な状況を測定しています。測定方法はシンチレーション式サー ベイメーターという機械で毎月 10 日、20 日の 2 回、市役所駐車場にてガンマ線の空間線量率を計測しています。 <測定結果> 観測以来、測定値は 0.025∼0.042(μSv/h)で推移しており、平常レベル(※)と考えられます。 (※)北海道における放射線量の平常値が 0.02∼0.105(μSv/h)であることからこの範囲内は平常レベルと判断しています。 <表 2-35:空間線量率測定結果(市役所駐車場)> 測定時刻 天候 測定値(μSv/h) 平成 25 年 1 月 10 日(木) 測定日 14:00 晴れ 0.037 平成 25 年 1 月 22 日(火) 9:15 くもり 0.036 平成 25 年 2 月 12 日(火) 12:00 晴れ 0.028 平成 25 年 2 月 20 日(水) 13:05 くもり時々晴れ 0.036 平成 25 年 3 月 11 日(月) 11:40 雪 0.033 平成 25 年 3 月 21 日(木) 9:30 くもり時々晴れ 0.025 平成 25 年 4 月 10 日(水) 11:30 晴れ時々くもり 0.034 平成 25 年 4 月 22 日(月) 10:00 くもり 0.034 平成 25 年 5 月 10 日(金) 9:15 晴れ 0.037 平成 25 年 5 月 20 日(月) 11:15 雨 0.032 平成 25 年 6 月 10 日(月) 9:30 晴れ 0.035 平成 25 年 6 月 20 日(木) 9:10 くもり 0.040 平成 25 年 7 月 10 日(水) 9:30 くもりのち雨 0.038 平成 25 年 7 月 22 日(月) 10:00 くもり 0.034 平成 25 年 8 月 12 日(月) 9:35 雨 0.042 平成 25 年 8 月 20 日(火) 9:05 晴れ 0.039 平成 25 年 9 月 10 日(火) 9:15 晴れ 0.042 平成 25 年 9 月 20 日(金 9:05 くもり 0.038 平成 25 年 10 月 10 日(木) 11:00 晴れ 0.036 平成 25 年 10 月 21 日(月) 9:20 雨のちくもり 0.041 平成 25 年 11 月 11 日(月) 8:50 晴れ 0.041 平成 25 年 11 月 20 日(水) 10:25 晴れ 0.037 平成 25 年 12 月 10 日(火) 8:55 雨 0.038 平成 25 年 12 月 20 日(金) 13:35 くもり 0.034 3.環境ホルモンなどその他の有害物質について 我々を取り巻く環境中には様々な化学物質があり、そのうち動物の生体内に取り込まれた場合に、その体内で営まれている正常な ホルモン作用に影響を与える物質を外因性内分泌攪乱物質、いわゆる「環境ホルモン」と呼んでいます。 本来、ホルモンは体内にある内分泌器官で作られ、極めて微量で体に様々な作用を及ぼす化学物質です。 近年、環境ホルモンはその生体内の正常なホルモン作用を攪乱することを通じて、生殖機能を阻害したり、がんを引き起こすなど の悪影響を及ぼしている可能性が指摘されており、このような環境汚染は世代を越えた深刻な影響をもたらすおそれがあるとして懸 念されています。今のところ環境ホルモンの疑いがもたれているものには、工業製品や農薬として使われている化学物質に加えて、 ダイオキシン類といった非意図的生成物があります。 その他には、鉛、水銀、カドミウムなどの重金属類も環境ホルモンとしての作用を持つのではないかと考えられていますが、環境 ホルモンについては、まだ科学的に解明されていない点が多いのが実態です。 その他にも、製造工場の従業員や付近の住民に肺がんをもたらした疑いがあるとして、最近特に問題となっているものにアスベス - 36 - ト(石綿)があります。本市内には該当する製造工場などはありませんが、製造が規制される以前に建設された建築物などには問題 となる濃度のアスベストを含有する建材が未だに使用されていることが考えられ、今後も解体工事時の規制や工事に関する技術的手 法の確立などに努めていく必要があります。 第 4 節 公害防止協定等 公害の発生や環境の悪化をもたらすおそれのある事業場が新たに設置される場合は市公害防止条例に基づき、 「公害防止協定」を締 結しています。ゴルフ場については農薬の安全使用に関する指導要綱に基づき協定を締結し、農薬の適正な使用と公害防止に努めて います。また、平成 12 年 4 月に締結した 2 事業場(ゴルフ場)については、漁川上流域の水質を積極的に保全するための水道水源保 全条例の制定に伴い、本条例の趣旨を盛り込んだ協定を締結しました。 これまでに締結された事業場は(表 2-36)のとおりです。 <表 2-36:本市との公害防止協定締結事業場> 事 業 場 名 所 在 地 締 結 年 月 不 二 建 設 株 式 会 社 北柏木町 3 丁目 昭和 50 年 1 月 株 式 会 社 ロ バ パ ン 恵 南 1 番 地 昭和 58 年 6 月 恵 恵 南 22 番 地 平成 2 年 2 月 札幌エルムカントリークラブ 庭 ゴ ル フ 場 島 松 沢 55 番 地 平成 2 年 2 月 株式会社新薬開発研究所 戸 磯 452 番 地 平成 3 年 8 月 株 式 会 社 エ バ ー ラ イ ブ 盤 尻 17 番 地 平成 4 年 7 月 備 考 覚 書 日本エア・リキード株式会社 戸 磯 76 番 地 平成 6 年 9 月 恵 庭 カ ン ト リ ー 倶 楽 部 盤 尻 53 番 地 平成 12 年 4 月 再締結 株式会社随縁カントリークラブ 盤 尻 144 番 地 平成 12 年 4 月 再締結 - 37 - 第 3 章 人と自然との共生の確保 第 1 節 自然環境の保全 地球上には数千万種を超えると言われる多様な生物種が存在しています。多様な種が存在するということは、それだけ多様な生息 環境=生態系が地球上に存在していること(これを「生物多様性」といいます)を示しています。 しかし、このような多様な生物種はそれぞれが独立して存在しているわけではなく、互いに網の目のような関係を持ってはじめて 存在が可能となるものです。つまり、食物連鎖のシステムからも分かるように、この関係のどこか一ヶ所が切れてもこの生態系(こ の系のなかには我々人類も当然含まれます)はバランスが崩れ、成り立つことができなくなるおそれがあります。したがって、単純 に特定の種の生物の保護に力を注ぐことが必ずしも自然保護になるわけではなく、満遍のないあらゆる種の生物や自然環境の保全が 地球環境を守るうえで大切なこととなります。 1.恵庭の自然 本市は、その行政面積 294.87 平方キロメートルのうち、自衛隊の演習地も含めるとおよそ 3 分の 2 が森林地域となっています。山 岳部は西端側に支笏洞爺国立公園の一部を含んでおり、恵庭岳のすそ野に広がる恵庭渓谷には、漁岳や空沼岳に源流部を持つ漁川と ラルマナイ川が貫流し、白扇の滝などのすぐれた自然景観に恵まれています。 植生について見ると、標高の高いところから順に、ハイマツ群落、ダケカンバ、ハンノキ、ナナカマドの上部広葉樹林、エゾマツ、 トドマツ、ミズナラ、ニレ、イタヤカエデ、カシワ、シナノキなどの多種が混交する針広混交林となっており、植林地以外は主にク マザサ、チシマザサを林床とした、本道中央部を象徴する林相となっています。 しかしまた、平野部は千歳川水系の多くの河川の流域を含み、広大な田園が広がる大変に水環境に恵まれた地域となっている一方、 市街地では人口の増加や企業進出による住宅団地や工業団地の開発により、自然は徐々にですが減少傾向にあります。 (1) 条例に基づく環境保全地区等 良好な自然環境は、都市計画法、森林法といった法の運用により維持・保全が図られてきたほか、北海道自然環境等保全条例や恵 庭市水と緑のまちづくり推進条例では、良好な環境を形成している樹林地、由緒由来のある樹木や美観風致などを維持するための樹 木で、住民の休養や都市景観上保全することが必要と認められるものを、保護地区・保全地区や保護樹木として指定し、地区内で行 う行為を制限するなど保全・保護を図っています。それらの指定地区を(表 3-1、表 3-2)に示します。 <表 3-1:北海道自然環境等保全条例指定の環境緑地保護地区等> 名 称 西 島 松 環 境 緑 地 保 護 地 区 所 西 在 島 地 松 指 定 内 広葉樹壮齢林 2.17ha 下 島 松 環 境 緑 地 保 護 地 区 島松旭町 3 丁目 豊栄 神社 環境 緑地 保護地 区 大 町 3 丁 目 境内林 0.78ha 島松 神社 環境 緑地 保護地 区 島松本町 4 丁目 境内林 0.76ha イチイ 3本 恵庭市庁舎前庭記念保護樹木 京 - 38 - 町 広葉樹壮齢林 0.56ha 容 <表 3-2:恵庭市水と緑のまちづくり推進条例指定の自然環境保全地区等> 名 称 所 在 地 指 定 内 恵 庭 公 園 動 植 物 保 全 地 区 駒場町 4 丁目 樹林地等 42.0ha 中恵庭公園環境緑地保全地区 上 山 口 樹林地等 1.1ha 開拓記念公園環境緑地保全地区 南 島 松 樹林地等 1.1ha 恵 庭 小 学 校 保 護 樹 木 福住町 2 丁目 アカマツ・ハルニレ 中 恵 庭 出 張 所 前 保 護 樹 木 中 イチイ 恵 み 野 森 公 園 保 護 樹 木 恵み野北 6 丁目 リギダマツ 茂 漁 松 園 線 道 路 保 護 樹 木 南 ハルニレ グリ ーン ベル ト横 保護樹 木 福住町 2 丁目 央 島 松 容 2本 ハルニレ・ヤマモミジ (2) その他の指定地域・森林等 このほか、道では自然環境の実態を的確に把握・評価し、保全するための基本的な方向を定めるために北海道自然環境保全指針を 策定していますが、そのなかでこれまで蓄積された資料などを基に「すぐれた自然地域」や「身近な自然地域」を選定しています。 本市内では、この指針に基づき次の箇所が指定されています。 ○「すぐれた自然地域」 :漁川渓谷(クマゲラなどの繁殖と特異な地形、景観による) ○「身近な自然地域」 :恵庭公園・恵み野中央公園・開拓記念公園・中恵庭公園・漁川河川緑地・ 耕地防風林・紫雲台孝子堂周辺・中島公園 また、北海道森林管理局では道路沿いや湖沿いの人間にとってアクセス可能な森林であって、自然を満喫したり、森林浴や自然観 察、あるいはハイキングやスキーなどといった自然に親しむことができるものを「レクリエーションの森」として位置づけしていま す。本市内では、えにわ湖周辺の次の森がその設定をされています。 ○「レクリエーションの森(自然観察教育林) 」 :緑のふるさと森林公園近辺の森 ○「レクリエーションの森(風景林) 」 :上記以外のえにわ湖周辺の森 2.恵庭の野生鳥獣 盤尻地区の森林地域には、豊かな自然に育まれた野生の鳥獣類が数多く生息し森林生態系を形成しています。 本市が実施した市民意識調査においても、盤尻地区は「守っていきたい自然環境」の第 1 位となっており、市民の意識も高いもの があります。以前は、盤尻地区の奥へは整備の行き届いていない林道のような道をたどらなければ行けませんでしたが、平成 12 年に 道道恵庭岳公園線が改良整備されて通年開通となったことにより、この地域への人間の入り込みが急激に増しました。このことは、 自然に触れる機会が飛躍的に提供されるようになり、環境保全思想の普及上も好ましいことである反面、今まで比較的に人間とは一 線を画して生息していた盤尻の野生鳥獣が、これからは人間との間であつれきを生じる可能性があることも示しています。 (1) 恵庭に生息する野生鳥獣 恵まれた自然環境を持つ本市の野生鳥獣の生息状況については、以前より個人研究家を中心に調査報告がなされてきました。本市 でも平成 14 年に盤尻地区の鳥獣類生息状況の独自調査を行いました。その結果、鳥類 67 種、ほ乳類 9 種(ネズミ類を除く)を確認 しましたが、これに過去の他の研究者の調査報告なども合わせると、記録されている分だけで鳥類 84 種、ほ乳類 13 種(ネズミ類を 含む)が確認されています(表 3-3) 。さらに他にも潜在種がいることを考慮すれば、非常に多くの鳥獣類が盤尻地区に生息している ことが分かります。 とりわけ、えにわ湖周辺は森林以外にも大きな淡水面と開放空間があって生息環境が多様なため、他の地域と比較してここだけで 確認できる野鳥も多くなっています。満遍ない環境を必要とする猛禽類や、水鳥類も多く生息しており、さらに、天然記念物である クマゲラがこの付近に通年生息しています。ほ乳類では、エゾヒグマの生活圏内に入っているほか、エゾシカ、キタキツネ、エゾリ ス、エゾユキウサギなど十分な種数の鳥獣類が生息可能となっています。 なお、 (表 3-3)は盤尻地区で確認されたものについての一覧であり、盤尻地区以外の平野部・農村部も含めると、ハクチョウなど のガン・カモ類や平地を好む鳥類など生息種類数はさらに多くなり、本市全体では 100 種類を優に超える鳥類が生息していることが 分かっています。 - 39 - <表 3-3:盤尻地区での鳥獣確認リスト> 鳥 類 確 認 種 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 目名 カイツブリ コウノトリ カモ 科名 カイツブリ サギ カモ タカ タカ キジ チドリ ハト ハヤブサ ライチョウ キジ シギ ハト 種名 学名 カイツブリ Tachybaptus ruficollis アオサギ Ardea cinerea オシドリ ◆ Aix galericulata コガモ Anas crecca トビ Milvus migrans オジロワシ △★◇◎ Haliaeetus albicilla オオタカ ■☆◎ Accipiter gentilis ツミ Accipiter gularis ハイタカ □☆ Accipiter nisus チュウヒ ■☆ Circus spilonotus Kaup チョウゲンボウ Falco tinnunculus Linnaeus エゾライチョウ ◆ Tetrastes bonasia コウライキジ Phasianus colchicus karpowi オオジシギ □◆ Gallinago hardwickii キジバト アオバト カッコウ カッコウ ジュウイチ カッコウ ツツドリ フクロウ フクロウ コノハズク ヨタカ ヨタカ ヨタカ ◆ アマツバメ アマツバメ ハリオアマツバメ アマツバメ ブッポウソウ カワセミ ヤマセミ ◆ カワセミ キツツキ キツツキ ヤマゲラ クマゲラ ■☆◇ アカゲラ オオアカゲラ ▽ コゲラ スズメ ツバメ ショウドウツバメ イワツバメ セキレイ キセキレイ ハクセキレイ セグロセキレイ ビンズイ ヒヨドリ ヒヨドリ モズ モズ レンジャク キレンジャク カワガラス カワガラス ミソサザイ ミソサザイ ツグミ コルリ ノビタキ トラツグミ クロツグミ アカハラ ウグイス ヤブサメ ウグイス エゾセンニュウ メボソムシクイ エゾムシクイ センダイムシクイ キクイタダキ ヒタキ キビタキ オオルリ サメビタキ コサメビタキ エナガ シマエナガ シジュウカラ ハシブトガラ コガラ - 40 - Streptopelia orientalis Sphenurus sieboldii Cuculus fugax Cuculus canorus Cuculus saturatus Otus scops Caprimulgus indicus Hirundapus caudacutus Apus pacificus Ceryle lugubris Alcedo atthis Picus canus Dryocopus martius Dendrocopos major Dendrocopos leucotos Dendrocopos kizuki Riparia riparia Delichon urbica Motacilla cinerea Motacilla alba Motacilla grandis Anthus hodgsoni Hypsipetes amaurotis Lanius bucephalus Bombycilla garrulus Cinclus pallasii Troglodytes troglodytes Luscinia cyane Saxicola torquata Zoothera dauma Turdus cardis Turdus chrysolaus Temminck Urosphena squameiceps Cettia diphone Locustella fasciolata Phylloscopus borealis Phylloscopus tenellipes Phylloscopus coronatus Regulus regulus Ficedula narcissina Cyanoptila cyanomelana Muscicapa sibirica Gmelin Muscicapa dauurica Pallas Aegithalos caudatus japonicus Parus palustris Parus montanus <表 3-3(続き) :盤尻地区での鳥獣確認リスト> 鳥 類 確 認 種 No. 目名 61 スズメ 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 科名 種名 学名 シジュウカラ ヒガラ Parus ater ヤマガラ Parus varius シジュウカラ Parus major ゴジュウカラ ゴジュウカラ Sitta europaea キバシリ キバシリ Certhia familiaris メジロ メジロ Zosterops japonica ホオジロ ホオジロ Emberiza cioides カシラダカ Emberiza rustica Pallas アオジ Emberiza spodocephala クロジ Emberiza variabilis アトリ アトリ Fringilla montifringilla カワラヒワ Carduelis sinica マヒワ Carduelis spinus イスカ Loxia curvirostra ウソ Pyrrhula pyrrhula イカル Eophona personata シメ Coccothraustes coccothraustes ハタオリドリ ニュウナイスズメ Passer rutilans ムクドリ コムクドリ Sturnus philippensis ムクドリ Sturnus cineraceus カラス カケス Garrulus glandarius ミヤマカケス Garrulus glandarius brandtii ハシボソガラス Corvus corone ハシブトガラス Corvus macrorhynchos ほ 乳 類 確 認 種 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 科名 種名 トガリネズミ エゾトガリネズミ ウサギ エゾユキウサギ リス エゾリス エゾシマリス エゾモモンガ ネズミ エゾヤチネズミ アカネズミ ヒメネズミ クマ エゾヒグマ ▼ アライグマ アライグマ イヌ キタキツネ ホンドテン又はエゾクロテン イタチ シカ エゾシカ 目名 モグラ ウサギ ネズミ ネコ ウシ 注)1. 種名の右横の記号は重要種を表す。 (1)環境省レッドリスト1998 ①絶滅危惧ⅠA類(CR)-▲ ②絶滅危惧ⅠB類(EN)-△ ③絶滅危惧Ⅱ類(VU)---■ ④準絶滅危惧(NT)-----□ ⑤情報不足(DD)-------DD 学名 Sorex caecutiens saevus Lepus timidus ainu Sciurus vulgaris orientis Tamias sibiricus lineatus Pteromys volans orii Clethrionomys rufocanus bedfordiae Apodemus speciosus Apodemus argenteus Ursus arctos yesoensis Procyon lotor Vulpes vulpes schrencki Martes Cervus hortulorum yesoensis (2)北海道レッドリスト2001 ①絶滅危機種(Cr)-----● ②絶滅危惧種(En)-----★ ③絶滅危急種(Vu)-----☆ ④希少種(R)-----------◆ ⑤地域個体群(Lp)-----▼ ⑥留意種(N)-----------▽ (3)文化財保護法 ①天然記念物-------------◇ (4)絶滅の恐れのある野生動物種の種の保存に関する法律 ①国内希少野生動物種-----◎ 2. 種名及び配列は、鳥類については「日本鳥類目録」(日本鳥学会2000)を、ほ乳類については 「日本産野生生物目録」(環境庁1993)を参考にした。 参考文献・調査記録等 ・ 「恵庭の鳥類」(1979 小山政弘) ・ 「みずなら第二号、緑のふるさと森林公園ほ乳類調査」(1993 泉健司/恵庭自然研究会) ・ 「みずなら第二号、恵庭の野鳥調査1992」(1993 高橋正彰・美智子/恵庭自然研究会) ・ 「みずなら第三号、恵庭の野鳥調査1993」(1994 高橋正彰・美智子/恵庭自然研究会) ・ 「みずなら第四号、恵庭の野鳥調査1994」(1995 高橋美智子/恵庭自然研究会) ・ 「みずなら第五号、恵庭の野鳥調査1995」(1996 高橋美智子/恵庭自然研究会) ・ 「漁川ダムの四季」(1996 北海道開発局石狩川開発建設部漁川ダム管理所) ・ 「恵庭市盤尻地区鳥獣生息状況基礎調査報告書」(2003 恵庭市生活環境部環境衛生課) - 41 - (2) 有害鳥獣駆除 北海道は豊かで変化に富んだ自然環境に恵まれており、そこには様々な野生鳥獣類が生息し、日本国内のほかの地域とは異なった 特有の生物相を形成しています。こうした野生鳥獣の保護管理には、これまで「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」などに より必要な措置を講じてきました。 しかしながら、市内に生息する野生鳥獣類には、私たち人間の生活やバランスのとれている自然環境にとって著しく害を及ぼして いるものがあります。また、もともとの在来種のほかに、移入動物であるアライグマやミンクなどもいます。 特に北米原産であるアライグマは、ペットとして日本に輸入されたものが昭和 50 年代頃から本市を中心に野生化したと言われてお り、甚大な農作物被害や養殖魚の捕食による内水面漁業被害などを発生させて大きな問題となりました。 近年は、人間に対する農漁業被害はもとより、他の動物や野鳥の生息環境を圧迫し、既存の生態系に対する悪影響が心配される状 況となっています。 本市では、野生鳥獣による農業被害やその他の被害に対して、一義的には自助努力による被害回避の啓発に努めていますが、やむ を得ない場合においては生態系に影響を与えない範囲で有害鳥獣駆除を許可・実施してきました。 特にアライグマについては本市での被害(表 3-4)が甚大であったため、他の市町村に先駆けて平成 8 年度から駆除の許可・実施 (表 3-4)を行うようになりました。また、既存の生態系を守るためにアライグマの駆除を推進する国の方針も受け、平成 18 年 4 月 1 日より平成 33 年 3 月 31 日までの 15 年間(平成 23 年 1 月に 10 年間延長更新) 「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に 関する法律」に基づき市内全域を確認区域として指定し、アライグマ及びアメリカンミンクに限り、計画的な防除として、箱わなに より捕獲し、適切な処分を行っているところであります。 しかしながら、その後の積極的な駆除の実施にもかかわらず、旺盛な繁殖力のためなかなか推定生息数が減らないのが実情です。 <表 3-4:アライグマ捕獲数及び農業被害額の推移> 単位 ∼ 捕獲数:頭 被害額 : 千円 (各年度) 平成 8 年 平成 9 年 平成 10 年 平成 11 年 平成 12 年 平成 13 年 平成 14 年 平成 15 年 平成 16 年 捕 獲 数 9 118 146 73 48 77 64 58 33 農業被害額 4,744 9,200 8,371 4,717 1,627 1,223 913 1,005 230 平成 17 年 平成 18 年 平成 19 年 平成 21 年 平成 22 年 平成 23 年 平成 24 年 捕 獲 数 83 49 29 59 71 25 53 72 農業被害額 320 192 128 141 212 56 210 285 平成 20 年 - 42 - 第 2 節 環境保全思想の普及に関する取り組み 環境への負荷の少ない社会を実現していくには、市民一人ひとりが環境に関心を持ち、環境保全に関する責任と義務を理解し、環 境保全活動に積極的に参加していくなどの高い意識を醸成していくことが重要です。そのためには、社会全体に共通認識が形成され るように、継続した環境保全思想普及の取り組みが必要となります。 1.環境学習活動 恵まれた自然環境を次世代に引き継いでいくことは、私たちの重要な使命です。そのためには未来を担う子どもたちと一緒に環境 学習に取り組むことも大切なことです。本市では社会教育事業等により、青少年をはじめ市民への環境学習の機会を提供しています。 また、広報広聴事業の一つである「出前講座」として、一般市民からの要望に応えるかたちで、自然保護に限らず広く環境保全をテ ーマに様々な情報提供を行っています。 (1)小学校・中学校での取り組み ◎ 廃食油の回収(市内全小学校) 市内全小学校では、年間を通した活動として、家庭から出る廃食油の回収に取り組んでいます。子どもたち自らが回収作業にも携 わり、株式会社アレフさんの協力により、回収した廃食油(年間約 1,300 リットル)がバイオディーゼル燃料(BDF)に精製され、車両 の燃料等として再利用されています。 ◎ 総合的な学習の時間「エコプロジェクト」(若草小学校) 5 年生は、総合的な学習の時間で「環境」をテーマに学習に取り組みました。株式会社アレフさんのご協力をいただき、えこりん 村でひまわりの栽培を行い、工場で搾油体験や出来上がった油でいももちの調理をしました。また、バイオディーゼル燃料について 学び、学校で原料となる廃油回収活動(毎週水曜朝、全校児童が専用容器で持ってくる油をこして大きい容器に移し㈱アレフさんが 回収)に取り組みました。 ◎「いざり川不思議発見」(若草小学校) 3 年生は、総合的な学習の時間で校区を流れる漁川についての学習を行いました。4月にサケ、6月にヤマメの稚魚を放流したり、 川べりの清掃をしたりしました。夏には川に入って、そこに生息する魚や植物を見つけました。川にすむ生き物や植物など、子ども が調べたい色々なテーマで、本やインターネットで調べたことを新聞にまとめました。 - 43 - ◎ エコキャップ・リングプル回収(若草小学校) エコキャップとリングプルの回収は、資源のリサイクルとボランティア活動の学習の場として、児童会・学級委員会が中心となっ て活動を継続しています。今年度も通年の取り組みとして、廊下にに回収ボックスを設置し回収をすすめています。また、夏休み中 に集める活動も行いました。今年はエコキャップで作ったアート作品を職員室前に展示し、回収の啓蒙を図っています。 世界の子どもたちにポリオワクチンを届けたいという思いで集めたエコキャップは今年で 1293kg(累計 204,980kg)になりました。 ◎ クリーン作戦(恵み野小学校) 本校は、年に 2 回クリーン作戦を実施しています。1 回目の 5 月は、恵庭市で取り組んでいる「ごみゼロの日」 (学校としてエント リーしている)にあわせ、クリーン作戦を行っています。 2 回目は、10月に行っています。どちらも、児童会が企画・準備をして、学年ごと分担した箇所を清掃します。全校児童が、地 域(公園も含む)や学校の周りのごみを拾って歩きます。 ◎ リングプル・古切手の回収(恵み野小学校) 児童会「代表委員会」の活動の一環として、リングプル・古切手 エイト を回収しています。集める日は、 「トリプル 8 デー」とし、8 のつく 日(8日・18日・28日)に集めています。数字の 8 がリングプル の形に似ていることから、児童がこのネーミングを考えました。 ◎ 廃食油の回収(恵み野小学校) 毎月 1 回、回収しています。この活動は地域にもお知らせし、回収に協力してもらっています。 - 44 - ◎ 川とともに(恵み野旭小学校) 4年生の総合的な学習では、千歳川・漁川の学習や体験を通して、自分たちの地域の自然や歴史・環境を考える学習をしました。 第 1 次は、千歳川河川事務所の方が来校して、千歳川・漁川について説明してくださいました。 第 2 次は、漁川へ行って、水質検査や川の生き物を探す学習をしました。河川事務所の方に指導していただきながら、パックテス トも体験することができました。 第 3 次では、自分で調べたいテーマ(生き物、歴史、環境など)を考えて模造紙にまとめ、発表会を行いました。 ◎ 総合的な学習の時間「住みよい街ってどんな街?」 (柏小学校) 自分たちの住むこの恵庭市をより住みよくするために、 自分たちができることは何かを考えていく学習を行いました。 考えたことの中から、まず校区内のゴミ拾いをすることにしました。 ◎ 森林学習(松恵小学校) 松恵小学校3・4年生(33名)の森林学習としてルルマップ 自然公園ふれらんどにおいて「北集園」さんに指導していただき ハスカップ23本を植樹しました。 ◎ 「ゴミゼロの日」クリーンウォーク(恵庭中学校) 5 月 30 日の放課後、 「ゴミゼロの日」クリーンウォークに参加 しました。当日は生徒会役員と各学級からの希望者で地域清掃に 取り組みました。学校周辺や交通公園付近など、参加した生徒は 意欲的にゴミ拾いを行いました。 当日は天候にも恵まれ、さわやかな気持ちで行えました。 - 45 - ◎ 「ゴミゼロの日」クリーンウォーク(恵明中学校) 5 月 30 日(水)の 6 校時、 「ゴミゼロの日」にちなんだ「クリーンウォーク 2013」に取り組みました。全校生徒を大きく 2 つのグ ループに分け(各学級が 2 つに分かれました) 、クリーンウォークで校外に出る生徒、校内に残って学級・学年花壇の整備(苗植え) を行う生徒というように振り分けました。 クリーンウォークでは、恵明中学校の周囲をはじめ、文教大学の周囲や総合体育館の周囲、天融寺付近の 36 号線沿いの歩道などを クラス別にゴミ拾いを行いました。ゴミは場所により多いところと少ないところで差がありました。燃やせるゴミの袋と燃やせない ゴミの袋を持つ人が別なので、歩きながらそれらを分別して袋に入れるのが大変でした。 少し疲れはしましたが、校舎周辺ももきれいになって気持ちの良い日になりました。 ◎ えにわ市民植樹祭(恵明中学校) 10 月 19 日にルルマップ自然公園ふれらんどで 行われるえにわ市民植樹祭に向け、10 月 7 日に講 師を招きカミネッコンの作り方を学びました。 植樹祭当日は好天の中、科学郷土研究部員 12 名が 参加し多くの一般市民とともにハンノキややまぼう しなど 600 本を植樹しました。 ◎ ボランティア校地外清掃(柏陽中学校) 11 月 11 日、生徒会が主催し、2,3年生の有志を募って校地外清掃を行いました。2 年生は恵み野駅周辺を中心に、3年生は校区 内の公園を中心に約 50 名の生徒がゴミ拾いを行いました。例年のことですが、駅周辺のゴミの多さに驚きました。寒い中でしたが、 地域の一員として環境を大切にしていかなければならないという気持ちになりました。 - 46 - ◎ 恵み野地区「千人植え」 ・ 「花の集会」 ・ 「花壇苗植え」 (恵み野中学校) 毎年、美しい恵み野花の街づくり推進協議会から依頼され、恵み野地区の街路樹への花植えに協力しています。放課後の時間での 作業なので、部活動生徒を中心としてボランティアを募り、約 100 名の生徒が参加しました。事前に「おやじの会」による土起こし の作業も行い、連携した取り組みとなっています。また、今年度から「花の街恵み野」の歴史を学ぶための「花の集会」も実施しま した。 ①平成 25 年 5 月 11 日 土曜日 14 時から「おやじの会」による土起こし作業 ②平成 25 年 5 月 17 日 金曜日 16 時から花協による千人植え ③平成 25 年 5 月 29 日 水曜日 13 時から花協会長・事務局長による講話 ④平成 25 年 5 月 31 日 金曜日 16 時から環境委員・学級の環境係りによる学級花壇苗植え ① ② ③ ④ ◎ 恵み野クリーンウォーク(恵み野中学校) ゴミゼロの日である 5 月 30 日に「クリーンウォーク 2013」に生徒会ボランティア「恵み野クリーンウォーク」と一体化させ、全 校で参加しました。 体育館で全体集会を行い出発しました。 恵み野地域のほぼ全体(学級数の減少とともに、 全ての地域を分担することは難しくなってきて います)をクラスごとに分担しゴミ拾いを行い ました。 恵み野地域は放置されるゴミも少ないのです が、それでもゴミ袋 9 つ分ほどになりました。 「ゴ ミを拾う」ことを通じて「ゴミを捨てない」地域 の一人として、地域を大切にする心が育っていく ものと考えます。 - 47 - ◎ 地域ボランティア活動(恵北中学校) 年に3回(今年度は5月20日、6月14日、8月23日) 、 全校生徒で通学路や校舎周辺、島松市内のゴミ拾いを行ってい ます。ゴミ拾いはクラス単位で地域を分担して行い、道路や歩 道脇のゴミや町内の公園内のゴミも拾います。特に、学校周辺 の18号線や農道からは、春先、空き缶などの多くのゴミが拾 われます。 (2)地域での取り組み ◎ 2013 柏地区体験合宿(キャンプ) 学校や家庭ではなかなか経験できない体験活動や、 地域の大人と子どもがともに学びあい、地域コミュ ニティの充実を図ることを目的に、町内会等で組織 する実行委員会が実施し、10 月 9 日から 11 日までの 3 日間の体験合宿に柏小学校の 4∼6 年生 22 名が参加 しました。その中のプログラムで 10 月 10 日「漁川 ダム」 ・ 「浄水場」の見学を行い、ダムの役割や安心 安全な飲料水が作られる行程を学びました。 ◎ えにわ☆虫塾 夜に活動する昆虫の観察を通して、 「生物多様性保全の理解」と「親子で学ぶ」ことを目的として実施しました。普段は 夜間閉鎖している「緑のふるさと森林公園」でライトトラップを使って昆虫を集めました。講師の村井さんによる昆虫を 取り巻く環境についてのお話は、大人も子どもも夢中になって聞き、自分たちが住む地域の自然環境や生物の多様性を知 る機会となりました。 - 48 - ◎ えにわ☆魚塾・森塾 自然環境保護、生物多様性への理解を深めるとともに、科学的なものの考え方を育む趣旨で、市内の小学 4∼6 年生が 21 名参加して実施しました。魚塾(10/5)では 10 パウンドでのルアーフィッシング体験、さけます内水面水産試験場での魚解剖や鱗 の標本作りを行いました。 森塾(10/19)では「緑のふるさと森林公園」においてグループで協力しながらクイズラリーを行いました。また、自然観察では「森 について」と「森と川について」というテーマを基に観察した結果を発表しました。 ◎ めざせ!もっと冬の達人 冬の自然体験活動をとおして、豊かな人間性や感性を育み、自然環境保護の理解を深める趣旨で、市内の小学 4∼6 年生 20 名が参 加し、しこつ湖自然体験クラブ*トゥレップの皆さんを講師に迎え 2 月 22、23 日に開催しました。 冬の恵庭公園にスノーシューを履いて入り、冬の生き物探し、スノーシェルター作り、ビバーク体験、キャンドルナイト、手作り そり遊び、ターザンロープ、スノートーテムポール作りなどを自然の中で行いました。 - 49 - ◎ ヤマメ稚魚の放流、河川清掃 6 月 11 日,13 日,20 日の 3 日間、恵庭河川愛護会主催により、若草小学校、柏小学校、恵庭小学校の児童が茂漁川及び漁川にヤマ メの稚魚を 7,000∼8,000 匹放流しました。また、7 月 6 日には恵庭河川愛護会員および協賛団体の協力で漁川と茂漁川の河川清掃を 行いました。 (3)環境課の取り組み ◎ 電気自動車(EV)の展示 電気自動車の特性である“動く蓄電池”としての機能につい て、給電装置を用いたデモンストレーション等を実施しながら 多様な利活用方法を提案し、普及・促進を図るために、市役所 庁舎前での電気自動車からの給電の展示を行いました。 また、9 月 7,8 日に実施したえにわマルシェにおいて出店し ている店舗に対する電気自動車からの給電、9 月 14 日に開催 した恵庭環境エネルギー製品展示会での電気自動車の展示を 行いました。 9 月 7,8 日 えにわマルシェ 8 月 22 日 市役所庁舎前の EV 給電展示 9 月 14 日 恵庭環境エネルギー製品展示会 - 50 - 第 4 章 環境への負荷の少ない循環型社会の実現 第 1 節 地球的規模の大気環境問題に対する取り組み 1.地球温暖化について (1) 地球温暖化のメカニズム 地球温暖化の原因は、大気中の二酸化炭素やメタンガス等の温室効果ガスの濃度が増加したことにあります。 地球は太陽からの日射エネルギーにより暖められますが、暖められた地球は、地表面から熱(赤外線)を放射します。大気中の二 酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスは、地表から放射された熱を吸収し、再び地表へと熱を放射して、地球上の人や動植物が生命 を維持できるように環境を調節しています。この作用を「温室効果」といいます。 しかし、産業革命以降、石油や石炭等の化石燃料の大量消費に伴う人為的な温室効果ガスの排出量が増加してきたため、温室効果 が強まって地球の温度が上昇しつつあるといわれています。 <図 4-1 地球温暖化の仕組み(資料:(財)新エネルギー財団)> 特に、二酸化炭素は他の温室効果ガスに比べて排出量が膨大であるため、地球温暖化への影響度は産業革命以降大きな割合を占め ています。2012(平成 24)年度の日本の温室効果ガス排出量(速報値)は、二酸化炭素排出量が総排出量の約 95%を占めています。 HFCs 1.46% PFCs 0.27% N0 1.76% CH 1.62% PFCs 0.2% HFCs SF 0.15% SF 0.1% N0 1.5% CH 1.5% 2010年度の 総排出量 1258.5 (百万t−CO ) CO 94.74% 2012年度の 総排出量 1343 (百万t−CO ) CO 95.0% <図 4-2 日本国の温室効果ガス排出量の 2010 年度《確定値》と 2012 年度《速報値》の比較> (資料:独立行政法人国立環境研究所 温室効果ガスインベントリオフィス) - 51 - (2) 地球温暖化の現状と影響 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が 2007 年に第 4 次評価報告書を取りまとめ、地球温暖化の現状について整理しています。同報 告書では、世界の平均気温の変化、平均海水面などの推移をもとに、地球温暖化に伴う気候変動の現状について、また、世界全体の 経済成長や人口、技術開発、経済、エネルギー構造等の動向について複数のシナリオに基づく将来予測が行われています。また、第 5 次評価報告書は、2013 年 9 月に第 1 作業部会、2014 年 3 月に第 2 作業部会、2014 年 4 月に第 3 作業部会が承認されます。 地球規模での平均気温の上昇(平均 0.74℃/100 年間) 、平均海水面の上昇(平均 17cm)などの気候変動に関する現状を踏まえて、気 候システムに温暖化が起こっていることを断定するとともに、産業革命以降に観測された世界平均気温の上昇のほとんどは人為的な 温室効果ガスの増加が原因である可能性が高いことを示唆しています。 指標 観測された変化 ・2005 年までの 100 年間に世界の平均気温が 0.74(0.56∼0.92)℃上昇 ・最近 50 年間の気温の上昇傾向は過去 100 年間のほぼ 2 倍 世界平均気温 ・1995 年から 2006 年のうち、1996 年を除く 11 年の世界の地上気温は、1850 年以降で最も温暖な 12 年の中に入る。 ・北極の平均気温は過去 100 年間で世界平均の上昇率のほとんど 2 倍の速さで上昇 平均海面水位 暑い日及び熱波 寒い日、寒い夜及び 霜が降りる日 ・20 世紀を通じた海面水位上昇量は 17cm ・1993 年∼2003 年の上昇率は年あたり 3.1mm ・発生頻度が増加 ・発生頻度が減少 大雨現象 ・発生頻度が増加 干ばつ ・1970 年代以降、特に熱帯地域や亜熱帯地域で干ばつの地域が拡大。激しさと期間が増加 氷河、積雪面積 ・南北両半球において、山岳氷河と積雪面積は平均すると縮小 <表 4-1 地球温暖化の影響の現状> (資料:環境省「平成 24 年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」 ) <図 4-3 地球温暖化による影響(イメージ)> (資料:NEDO「新エネルギーガイドブック 2008」 ) - 52 - (3) 地球温暖化の取り組み状況 ア)国際的な取り組み 現在、地球は温暖化という人類の生存基盤に関わる大きな問題に直面しており、世界各国が協力して取り組んでいかなければなり ません。 1997 年 12 月に京都で開催された第 3 回気候変動枠組み条約締約国会議(COP3)では、先進国の温室効果ガス削減のための数値目標 などを示した「京都議定書」が採択され、 「2008 年から 2012 年の間に基準年である 1990 年に比べて、6 種類の温室効果ガス(二酸化 炭素(CO2)、メタン(CH4) 、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六フッ化硫 黄(SF6)排出量を一定数値削減することが義務づけされました。削減の割合は、各国のエネルギー需要により、EU は 8%、アメリカは 7%(その後 2001 年に離脱)というように異なる目標が設定され、日本は 6%となりました。この京都議定書については 2012 年末が 期限となっていました。 2012 年 12 月、カタールのドーハで開催された COP18 で日本は京都議定書第 2 約束期間に参加しないことを表明しましたが、国際 貢献について目標を設定し、引き続き温暖化対策に取り組むこととしました。2013 年 11 月、ポーランドのワルシャワで開催された COP19 で石原環境大臣による演説等において、京都議定書第一約束期間の削減実績は8.2%が見込まれ、6%削減目標を達成する こと、2020年の削減目標を2005年比3.8%減とすることを説明するとともに、安倍総理が掲げた美しい星に向けた行動 「Actions for Cool Earth: ACE(エース) 」に取り組むことを表明ました。 イ)国内的な取り組み 日本では、平成 10 年に地球温暖化対策の推進に関する法律(以下「温対法」という。 )が制定されました。この法律により、国、地 方公共団体、事業者及び国民個々の責務を明らかにするとともに、国及び地方公共団体に自らが排出する温室効果ガスの削減を図る ための計画(実行計画)の策定が義務付けられました。 京都議定書の発効を受けて、政府は「京都議定書目標達成計画」を策定したほか、平成 18 年 4 月 1 日からは、温対法に基づく温室 効果ガス排出量算定・報告・公表制度により、エネルギーの使用による二酸化炭素の排出についてはエネルギーの使用の合理化に関 する法律(以下「省エネルギー法」という。 )の特定事業者に対し、それ以外の温室効果ガスについては種類ごとに二酸化炭素排出量 に換算して 3,000t 以上排出する事業者に対し、自らの温室効果ガスの排出量を算定し、国に報告することを義務づけました。 平成 20 年 5 月には省エネルギー法が改正され、事業者全体で原油に換算して 1,500 キロリットル以上のエネルギーを消費している 場合、使用量を国へ届け出るとともに、3∼5 年間でのエネルギー使用の合理化を計画した中長期計画書を提出し、年 1%以上のエネ ルギー消費低減に努めなくてはならなくなりました。 ウ)北海道の取り組み 北海道では、平成 22 年 3 月 31 日に北海道地球温暖化防止対策条例を施行し、また、同年 5 月に北海道地球温暖化対策推進計画を 策定し、平成 2 年度に対し平成 32 年度までに 738 万 t-CO2 を削減することとしています。 エ)恵庭市の取り組み 恵庭市では、平成 21 年度に恵庭市地域新エネルギー・省エネルギービジョンを策定し、地域に存在するエネルギー資源の利活用を 進めるための調査を行うとともに、平成 22 年度には、バイオマス資源の有効活用を重点テーマとして位置づけ、今後の恵庭市におけ る新エネルギー導入計画の指針とする調査を行いました。 平成 23 年度に第 2 次環境基本計画を策定し、また、エネルギー対策マネジメントシステム、第 3 次恵庭市地球温暖化防止実行計画 を策定し、省エネ、省資源対策に取り組んできました。平成 24 年度は新たに恵庭市エネルギー対策協議会を立ち上げ、北海道電力泊 発電所の運転停止による電力不足が懸念される中、新エネ・省エネ機器に関する補助制度の実施について協議しました。 - 53 - 2.恵庭市地球温暖化防止実行計画 温対法に基づき、地方公共団体も事務及び事業に関して温室効果ガスの排出削減のための実行計画を策定し公表することとなり、 本市においても国や道が定める温室効果ガスの排出抑制などのための措置に関する計画の策定に準じて、平成 13 年度に「第 1 次恵庭 市地球温暖化防止実行計画」(以下「第 1 次実行計画」という。 )を、平成 17 年度には「第 2 次恵庭市地球温暖化防止実行計画」(以 下「第 2 次実行計画」という。 )策定しました。 第 1 次計画では、平成 13 年度∼平成 16 年度の 4 ヵ年を計画期間として、市の事務及び事業に関する温室効果ガス排出量の約 60% を占める化石燃料と電気の使用による二酸化炭素排出量を、基準年度である平成 11 年度に比べ 3%(約 297t-CO2)削減しました。 第 2 次計画では、 平成 17 年度∼平成 22 年度の 6 ヵ年を計画期間として、 基準年度である平成 11 年度比 7.3%の削減目標に設定し、 10.8%削減しました。 平成 23 年度より、エネルギーの使用による温室効果ガスの排出量を、基準となる平成 21 年度と比較し、毎年 1%以上、目標年で ある平成 27 年度までに 5%以上の削減を目標とした「第 3 次恵庭市地球温暖化防止実行計画」を策定し、運用をしています。 (1) 第 3 次実行計画の目的 第 3 次実行計画では、地球温暖化防止対策の具体的な取り組みを行うほか、設備・機器の効率的な運転管理と、新エネルギー設備、 機器導入可能性も含めた、新たなエネルギー対策を主とし、市民及び事業者に対し地球温暖化及び新エネルギー、省エネルギーにつ いて幅広く情報を提供及び周知することにより地球温暖化防止対策、新エネルギー、省エネルギー対策の取り組みを促すことを目的 とします。 (2) 根拠法令 実行計画は、 温対法第20 条の3 第1 項の規定に基づく地方公共団体の事務及び事業に関する温暖化防止実行計画として策定します。 「地球温暖化対策の推進に関する法律」(第二十条の三) 都道府県及び市町村は、京都議定書目標達成計画に即して、当該都道府県及び市町村の事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の量 の削減並びに吸収作用の保全及び強化のための措置に関する計画(以下「地方公共団体実行計画」という。 )を策定するものとする。 2 地方公共団体実行計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一 計画期間 二 地方公共団体実行計画の目標 三 実施しようとする措置の内容 四 その他地方公共団体実行計画の実施に関し必要な事項 (3) 温暖化防止実行計画は 2 種類 温暖化防止実行計画は次の 2 種類があり、このうち本市が策定しているのは、①新実行計画(事務事業編)です。 ① 市役所の事務及び事業に関する温室効果ガスの排出抑制等のための計画 → 地球温暖化対策地方公共団体実行計画(事務事業編) (略称)新実行計画(事務事業編) 全ての都道府県、市町村に策定を義務 づけ ② 市域全体の温室効果ガス排出抑制等のための計画 → 地球温暖化対策地方公共団体実行計画(区域施策編) 全ての都道府県、指定都市、中核市、 特例市に策定を義務づけ (略称)新実行計画(区域施策) - 54 - (4) 温暖化防止実行計画の特徴 ア)実行計画と恵庭市独自のマネジメントシステムの関係 第 3 次実行計画では、省エネルギー行動のほか、新エネルギー機器の導入検討を加えた取り組みにより温室効果ガスの削減を実行 します。省エネルギー法、温対法を考慮しつつ、エネルギー対策マネジメントシステムの取り組みと類似する形になっています。 エネルギー対策マネジメントシステム 対 象 施 目 基 準 第 3 次実行計画(事務事業編) 設 職員が通年において常駐し、管理できる施設 全施設 標 省エネ行動、エネルギー対策 温室効果ガス排出量の削減 年 平成 21 年度 平成 21 年度 計 画 年 度 平成 23 年度∼平成 27 年度 平成 23 年度∼平成 27 年度 組 織 体 制 環境管理委員会 環境管理委員会 エネルギー使用量を把握し、省エネ行動に努める。 取り組み組み内容 中長期計画を立て、省エネ機器の導入を検討し、エ ネルギー使用量の逓減を図る。 エネルギー対策マネジメントシステム及び関係法令に よる進行管理。 <表 4-2 市独自のマネジメントシステムと実行計画(事務事業編)の関係> イ)計画期間 第 3 次実行計画は、平成 23 年度∼平成 27 年度までの 5 か年を計画期間とします。 なお、取り組みの進捗状況や社会情勢の変化等の状況により必要に応じて見直しを行います。 ウ)計画の基準年 第 3 次実行計画では、省エネルギー法に合わせ、平成 21 年度を基準年とします。 エ)計画の対象範囲 計画の範囲は市が直接実施する事務及び事業により発生する温室効果ガスのうち、エネルギーの使用に伴って発生する二酸化炭素 とし、関連の機関及び出先機関を含む全ての部局を対象とします。 オ)実行計画に対する実績の公表 実行計画に対する実績は、 「恵庭市の環境」や「市ホームページ」等により 1 年に 1 回公表します。 カ)公表の対象となる事業 市が実施する事務及び事業により発生する温室効果ガスとします。 キ)公表の対象となる温室効果ガス 温対法第 2 条 3 項では次の 6 物質としています。 このうち、パーフルオロカーボン(PFC)及び六フッ化硫黄(SF6)は市の事務及び事業では排出されていないことから対象外とし、 これらを除いた 4 物資とします。 - 55 - 温室効果ガスの種類 主な発生原因等 発生の原因となる市の事務・事業 二酸化炭素(CO2) 化石燃料の燃焼、廃棄物の燃焼等 メタン(CH4) 家畜ふん尿、下水処理及び廃棄物の埋立等 一酸化二窒素(N2O) 自動車の走行、廃棄物の焼却等 ハイドロフルオロカーボン (HFC)※ 冷蔵庫やカーエアコン等の冷媒の廃棄等 重油、灯油、ガス、ガソリン、軽油、 電気の使用、 公用車の走行、下水処理、廃棄物の 埋立、牛の反すう及びふん尿処理 公用車の走行、牛のふん尿処理、 下水処理 カーエアコンの使用(※HFC-134a) パーフルオロカーボン(PFC) 半導体の製造プロセス等 対象外 六フッ化硫黄(SF6) 変圧器等の電気絶縁用ガスの点検等 対象外 地球温暖化 係 数 1 21 310 140 ∼11,700 6,500 ∼9,200 23,900 <表 4-3 計画の対象とする温室効果ガスの種類と地球温暖化係数> ※ ハイドロフルオロカーボン(HFC)は、HFC134a(地球温暖化係数は 1,300)を対象ガスとする。 ※ 地球温暖化係数 : 温室効果ガスが 100 年間にもたらす温室効果の程度を、二酸化炭素を 1 として示した値のことを地球温 暖化係数(GWP:Global Warming Potential)といい、各々の排出量に GWP を乗じることで二酸化炭素換算値となる。 ク)目標値 第 3 次実行計画では、平成 27 年度における温室効果ガスのうち、電気や燃料の使用に伴って発生する二酸化炭素の排出量を、平成 21 年度の排出量に比べて 5.0%の削減が目標となっています。 <図 4-4 第 3 次実行計画における平成 27 年度の目標値> ※ 第 3 次実行計画では、省エネ法及び温対法で報告又は報告対象となる数値を使用し、当該年度の排出量をそのまま比較し、排出 係数変更による再計算を行わないこととしています。そのため平成 21 年度の二酸化炭素排出量について、過去の資料と比較する と排出量に違いが発生していますが、燃料及び電気の使用量に変動はありません。 - 56 - 平成 21 年度の温室効果ガス排出量 二酸化炭素 メタン (Kg-CO2) (kg-CH4) 燃料・電気の使用 (a) 自動車の走行 (b) 9.58 廃棄物の分解(埋立) (C) 446,466.50 一酸化二窒 ハイドロフル 素 オロカーボン (kg-N2O) (kg-HFC) 11,925,291 計 11,925,291 16.35 25.93 446,466.50 下水等の処理 (d) 9,685.70 1,761.04 11,446.74 家畜の反すう・ふん尿 (e) 6,466.16 13.97 6,480.13 自動車エアコン (f) 合 計 (g) 地球温暖化係数 二酸化炭素換算(CO2-Kg) 11,925,291 (h) 462,627.94 1 (g)×(h) 0.198 12,389,710.498 1300 - 9,715,187 555,322 257 22,196,057 53.73% 43.77% 2.50% 0.00% 100.0% 11,925,291 - - - 5.0% - - - 11,329,026 - - - 削減率 目標数値・2015(平成 27)年度 310 0.198 11,925,291 排出量の割合 目標数値の対象数値 1,791.36 21 0.198 11,925,291 11,329,026 <表4-4 第3次実行計画での目標数値> ※ 廃棄物が分解される際に排出されるメタンについては、 「算定・広報・報告制度(平成 18 年 4 月 1 日施行) 」に基づき、乾重 量ベースで算定し、単年度で全量排出されることとして算出しています。 (5) 平成 24 年度の温室効果ガスの排出状況 第 3 次実行計画に基づく平成 24 年度の市の事務及び事業に関する温室効果ガス排出量の算定結果を以下に記載します。 ア)温室効果ガスの算定結果(全体) 平成 24 年度の市の事務及び事業活動に伴い排出された温室効果ガスの量は、17,829 トン(二酸化炭素換算:以下同様)となり、 基準年度である平成 21 年度の 22,165 トンと比較して、4,366.5 トン、19.67%減少しています。 平成 21 年度 温室効果ガスの種類 二酸化炭素(CO2) メタン(CH4) 一酸化二窒素(N20) 平成 21 年度と 平成 24 年度 (第 2 次実行計画基準年度) 較 割合(%) 11,925,291 53.73% 10,704,439 60.04% ▲ 10.23 % 9,715,187 43.77% 6,557,717 36.78% ▲ 32.50 % 555,322 2.50% 566,992 3.18 2.10 % 257 0.00% 465 0.00% 80.93 % (HFC) 割合(%) 比 排出量(Kg-CO2) ハイドロフルオロカーボン 排出量(Kg-CO2) 平成 24 年度の パーフルオロカーボン(PFC) - - - - - 六フッ化硫黄(SF6) - - - - - 計 (二酸化炭素換算) 22,196,057 100.00% 17,829,613 100.00% ▲ 19.67 % <表 4-5 平成 21 年度と比較した、平成 24 度の市の事務及び事業に関する温室効果ガス排出量(全体)> - 57 - 2012年度(平成24年度)市の事務・事業に伴う温室効果ガスの排出量 燃料の使用による二酸化炭素排出量 調 査 項 目 年間活動量 ガソリン 61,612 灯油 315,992 軽油 229,179 A重油 1,242,315 液化石油ガス 18,041 二酸化炭素排出量(小計) 電気の使用による二酸化炭素排出量 調 査 項 目 年間活動量 電気 11,881,649 二酸化炭素排出量 単位 l l l l ㎏ (CO2 ・㎏) 二酸化炭素排出量 142,940 786,820 591,282 3,366,674 54,123 4,941,839 単位 kWh (CO2 ・㎏) 二酸化炭素排出量 5,762,600 10,704,439.000 (CO2 ・㎏) 自動車の走行によるメタン排出量 調 査 項 目 年間活動量 単位 走行距離 897,862 ㎞ 廃棄物の埋立によるメタン排出量 調 査 項 目 年間活動量 単位 埋立によるメタン排出量 ㎏ 下水処理によるメタン排出量 調 査 項 目 年間活動量 単位 下水処理量 11,235,111 m3 家畜の反すう及びふん尿処理によるメタン排出量 調 査 項 目 年間活動量 単位 牛 64.6 頭 メタン排出量の二酸化炭素換算排出量 (CH4・㎏) メタン排出量 11.974 自動車の走行による一酸化二窒素排出量 調 査 項 目 年間活動量 単位 走行距離 897,862 ㎞ 下水処理による一酸化二窒素排出量 調 査 項 目 年間活動量 単位 下水処理量 11,235,111 m3 家畜のふん尿処理による一酸化二窒素排出量 調 査 項 目 年間活動量 単位 牛 64.6 頭 一酸化二窒素排出量の二酸化炭素換算排出量 (N 2O・㎏) 一酸化二窒素排出量 19.761 カーエアコンの使用によるHFC排出量 調 査 項 目 年間活動量 カーエアコン 143.0 HFC排出量の二酸化炭素換算排出量 SF6封入の電気機械器具からのSF6排出量 調 査 項 目 年間活動量 電気機械器具 0.000 (CH4・㎏) メタン排出量 306,880.50 ※乾重量 (CH4・㎏) メタン排出量 0.000 (CH4・㎏) メタン排出量 5,379.760 6,557,716.914 (CO2 ・㎏) (N 2O・㎏) 一酸化二窒素排出量 1,797.618 (N 2O・㎏) 一酸化二窒素排出量 11.628 566,992.170 (CO2 ・㎏) 単位 台 (HFC・㎏) HFC排出量 0.358 465.400 (CO2 ・㎏) 単位 ㎏ (SF6・㎏) SF6排出量 0.00000 0 (CO2 ・㎏) SF6排出量の二酸化炭素換算排出量 二酸化炭素換算排出量の合計 17,829,613.484 (CO2 ・㎏) <表 4-6 平成 24 度の市の事務及び事業に関する温室効果ガス排出量(全体)> - 58 - イ)数値目標を設定している温室効果ガス ■ 二酸化炭素 第 3 次実行計画に基づいて取り組んだ結果について下記に示します。 節電・節水・節燃料といった省エネ活動やリサイクル品の利活用等の取り組みを行ってきた結果、基準年度である平成 21 年度 と比較して 10.24%の減少となりました。 調査項目 単位 ガソリン 化 灯油 石 軽油 燃 A重油 料 液化石油ガス 電 気 合 計 l l l l kg kWh 2009(平成21)年度 消費量 換算係数 排出量(tCO2) (A) (B) (C)=(A)×(B) 52310 2.32 121.359 322714 2.49 803.558 143083 2.62 374.877 1195439 2.71 3239.640 20828 3.00 62.484 12454715 0.588 7323.372 11925.290 2012(平成24)年度 増減率 増 減 消費量 換算係数 排出量(tCO2) (D) (E) (F)=(D)×(E) (G)=(F)-(C) (F)÷(C)×100 61612 2.32 142.940 21.581 17.78% 315992 2.49 786.820 △ 16.738 -2.08% 229179 2.58 591.282 216.405 57.73% 1242315 2.71 3366.674 127.034 3.92% 18041 3.00 54.123 △ 8.361 -13.38% 11881649 0.485 5762.600 △ 1560.772 -21.31% 10704.439 △ 1220.850 -10.24% <表 4-7 平成 21 年度に対する平成 24 年度二酸化炭素排出量比較> ● 電気使用による排出量 平成 24 度は、基準年度である平成 21 年度と比較して 21.31%の減少となりました。OA 機器類のこまめな電源 OFF や不要な照明 の消灯、街路灯のナトリウム灯導入、防犯灯の LED 化による省エネ機器類への更新などの節電によって削減を行い、消費量として は 1,560.7wh の削減となり、排出係数も減少しており、排出量の削減に繋がっています。 ● 施設の燃料使用による排出量 基準年度である平成 21 年と比較すると、灯油が 2.08%、LP ガスが 13.38%の削減、A 重油が 3.92%の増加となりました。 施設で使用する燃料は、冬季間の大雪や寒波等により使用量の増減がある程度発生します。恵庭市では 11 月から 3 月までウォ ーム・ビズを実施し、室温の適正管理をより綿密に行うなど継続した取り組みを行っていますが、平成 24 年度は厳しい寒さが継 続したことにより、A 重油の使用が増加したと推測されます。また、施設の開庁時間など、施設に由来するものもあります。 LP ガスの利用については施設を利用される方のご協力により使用量を削減することができました。今後も継続して削減に向けて 取り組んでいただけるよう、周知していきます。 ● 公用車等の燃料使用による排出量 ガソリン・軽油は、ほとんどが公用車等の使用によるもので、平成 24 年度は基準年度である平成 21 年度の排出量に対して、ガ ソリンで 17.78%、軽油は 57.73%の増加となりました。 増加となった理由として、特別支援学級が全校配置となり、スクールバス事業の増加による車両数・使用頻度の増加が考えられ ます。 - 59 - ウ)数値目標を設定していない温室効果ガス ◆ メタン メタン排出量については、実行計画では削減数値を定めてい ませんが、平成 24 年度は基準年度である平成 21 年度の排出量 に対して、 150,356kg-CH4 の減少となっています。 排出係数 は 21 ですので、150,356×21= 3,157,476 二酸化炭素に換算 すると、およそ 3,000 トンが減少したことになります。これは、 平成 24 年度より生ごみ処理施設が稼動し、発生するメタンをバ イオガス化しマイクロガスタービン(発電)の燃料としている ため、大気中にメタンが放出されていないためです。 <<図 4-5 メタン発生量の推移> ◆ 一酸化二窒素 一酸化二窒素は、自動車の走行、家畜(牛)の消化管内発 酵又は下水処理水から発生し、平成 24 年度は基準年度である 平成 21 年度に対し 37.6Kg-N2O の増加となっています。排出 係数は 310 ですので、37.6×310=11,656 二酸化炭素に換算 すると、およそ 11.7 トンの二酸化炭素が増加したことになり ます。 一酸化二窒素の排出の約98%は下水処理水によるものなの で、下水処理量の増減が一酸化二窒素の排出に大きな影響を 与えることになります。 <図 4-6 一酸化二窒素排出量の推移> ◆ ハイドロフルオロカーボン(HFC) HFC が冷媒として使用されている自動車用エアコンディショ ナー(カーエアコン)を使用している場合に、カーエアコンか ら漏洩し大気中に HFC が排出されます。 基準年度である平成 21 年度の HFC 使用公用車台数は 79 台に 対し、平成 24 年度の公用車台数は 143 台、0.16Kg-HFC の増加と なっています。 排出係数は 1300 ですので、0.16×1300=208、二酸化炭素に 換算すると、およそ 208 キログラムの二酸化炭素が増加したこ とになります。 <図 4-7 HFC 排出量の推移> - 60 - エ)重点施策 実行計画では、 「省エネルギー職員行動ルール」に基づいて各部局や職員が、自覚と行動により取り組むことを基本として、第 3 次恵庭市地球温暖化防止実行計画では、 地球温暖化の原因となっている温室効果ガス削減のために、 次に掲げる3 つの対策のもと、 8 つの施策を以下のとおり設定しました。また、施策に対する検証は平成 24 年度分より行っています。 対策 1 施設・設備の改善による削減 施 策 取り組み目標 公共建築物に係る新築、増築、改築、改修 工事又はエネルギー使用設備の更新に関する 1 公共施設の新エネ・省エ ネ機器導入の検討・推進 整備事業にあたっては、省エネルギー法の中 長期計画書に基づき、省エネルギー及び新エ 検証 市役所増築庁舎の LED 化 499 灯 を蛍光灯から LED 化した。 防犯灯の一部 LED 灯(80 灯)への交 換を実施した。 全課 夢創館のホール照明の LED 化を実 ネルギー設備導入の検討、費用対効果の検証 施した。 など詳細な調査及び検討を行ったうえで積極 市役所庁舎の電力使用量計を設置 的な導入に努めます。 実施担当 全施設 しピークの低減を図った。 恵庭市役所がクリーンエネルギー自動車を 計画的、率先的に導入することにより、自動 2 クリーンエネルギー公 車排ガスに起因する二酸化炭素を削減し、地 用車の導入の検討 球温暖化対策を講じるとともに、大気汚染の 公用車のハイブリッドカーの使用 (エスティマ 2台、プリウス 財政課 環境課 1台) 原因となる二酸化窒素や浮遊粒子状物質の環 境濃度の改善を行います。 対策 2 職員の自主行動による削減 施 策 取り組み目標 検証 実施担当 恵庭市エネルギー対策マネジメントシステ ムにより、事務事業活動によって生じる二酸化 3 職員省エネ行動ルール の徹底 節電対策基本方針を夏期、冬期 炭素排出量の削減に取り組んできましたが、今 でそれぞれ策定し、具体的な行動 後においても職員一人ひとりの環境意識のよ 方針を示した。それらを職員への 環境課 り一層の徹底を図るため「職員省エネ行動ルー 周知を行った。 ル」により取り組みを行います。 夏期の節電時には節電対策フロ 職員一人ひとりが、常に環境に対する意識と 4 地球温暖化防止、エネル 行動が伴うよう問題の認識・分析、解決方法の ギー管理研修会の実施 検討など多様な能力を高めるための研修を実 施し、地球温暖化防止能力を高めます。 アマネージャーを設定し、節電対 策基本方針で定めた職員の行動ル ールの遵守状況を確認してもらっ 環境課 た。節電対策フロアマネージャ就 任時に、チェックすべき項目等の 説明会を実施した。 新エネルギーや省エネルギー機器の最新の 5 庁内温暖化防止、エネル 情報収集を通じ、温室効果ガス排出量の削減や ギー対策の啓発強化 経済的効果などを紹介することによって、職員 の省エネ意識の醸成を図ります。 - 61 - 節電期間中において市役所の電 力使用量を職員へ周知した。 環境課 対策 3 事業者・市民の活動推進 施 策 取り組み目標 検証 実施担当 運輸部門はエネルギー使用量も大きく、 6 公共交通機関の利用促 進 また、省エネ行動による大きな削減効果も 市営駐車場の整備、エコバスの運用 期待されます。そのため、公共交通機関の を実施した。 利用を促進していくための取り組みを推進 生活安全 課 します。 市域における新エネルギー・省エネルギ ー事業について、実施体制、実施効果、実 7 新エネ・省エネ協議会 (仮称)の設立 平成 24 年 4 月にエネルギー対策協 施の可否などについて検討し、適切に事業 議会を設立し、年度内に6回の協議会 の推進を図るため「(仮称)恵庭市新エネ・ を開催した。 環境課 省エネ協議会」を設置し、これらの検討を 進めます。 平成 24 年度に生ゴミの分別収集を 開始し、それまでの生ゴミの埋め立て 8 廃棄物発生量の抑制、リ サイクル率の向上 ごみの収集運搬や処理・処分に要する化 石燃料の削減を目指し、ごみ排出量の削減 を推進します。 処分から、下水汚泥、し尿、浄化槽汚 泥を混合することによりメタンガス 廃棄物 を発生し、発電および熱利用の原料と 対策課 して利用を開始した。発生した電気、 熱は下水終末処理場の施設で用いて いる。 - 62 - 3.市独自のマネジメントシステム (1) 特徴 恵庭市では平成 14 年 3 月に ISO14001 の認証を取得し、同システムの規格に沿った形で省エネ・省資源活動や環境法令の順守、 さらには業務目標管理を取り入れながら、環境負荷低減に向けて職員一丸となって取り組みを行ってきました。 平成 19 年度末で認証取後 6 年が経過し、また、2 回目の更新審査時期をむかえ、今後の ISO14001 のあり方について、庁内組織 である環境管理委員会で協議・検討した結果、 「職員の環境意識の醸成」や「環境に配慮した行動の定着化」などの効果や実績が 認められたことより、平成 20 年4月からは、ISO14001 の認証を更新せず、自らの責任において自ら決定する、本市独自の環境マ ネジメントシステムを構築していくこととしました。 平成 20 年 5 月に省エネルギー法が改正され、恵庭市役所は特定事業者に指定されることになり、エネルギー使用量の削減、そ して、削減に向けた中長期計画の策定が必須となりました。このため、平成 23 年度より、効果的で効率的なシステムの構築を目 指し、エネルギー対策に特化した「エネルギー対策マネジメントシステム」に移行しました。 (2) エネルギー対策基本方針 エネルギー対策マネジメントシステムでは、エネルギー対策基本方針を定め、その中で基本理念及び実現を図るための取組み方 針を示しています。この方針は全職員に周知するとともに、市役所内外に開示しています。 この他に、平成 25 年度は節電要請があったことから、節電対策基本方針を掲げ、全庁的に節電に取り組みました。 (3) 活動経過 ・平成 12 年 9 月 18 日 市長によるキックオフ宣言 ・平成 14 年 3 月 13 日 ISO14001 認証取得 ・平成 17 年 3 月 13 日 認証の更新審査 ・平成 20 年 3 月 12 日 市独自の環境マネジメントシステムへの移行宣言 ・平成 20 年 4 月 1 日 市独自環境マネジメントシステムの運用開始 ・平成 23 年 10 月 1 日 市独自エネルギー対策マネジメントシステムの運用開始 <図 4-5 エネルギー対策マネジメントシステムのPDCAサイクル> - 63 - (4) 組織体制 エネルギー対策マネジメントシステムの組織・体制は次のとおりです。 市 長 エネルギー対策最高責任者 環境管理委員会 委員長:副市長 副委員長:教育長 内部監査チーム エネルギー対策責任者 生活環境部長 エネルギー対策事務局 環境課 市長部局 教育委員会 市長部局のエネルギー管理統括者 (総務部長) 教育委員会のエネルギー管理統括者 (教育部長) エネルギー管理 企画推進者 エネルギー管理 企画推進者 教育部 職 員 消防本部・消防署 農業委員会事務局 監査・選挙管理委員会事務局 議会事務局 エネルギー 管理推進員 (課長職) 会計室 水道部 建設部 エネルギー 管理主任推進員 (次長職) 経済部 子ども未来室 保健福祉部 廃棄物対策室 生活環境部 地域整備室 企画振興部 総務部 エネルギー 管理責任者 (部長職) エネルギー 管理主任 推進員 (次長職) <図 4-9 エネルギー対策組織(平成 25 年度)> - 64 - エネルギー 管理推進員 (課長職) 職 員 4 環境に配慮した取り組みについて 恵庭市役所では、平成 14 年 3 月より ISO14001 を認証取得し、平成 20 年 3 月からは恵庭市独自の環境マネジメントシステムに、平 成 23 年 10 月よりエネルギー対策マネジメントシステムへ移行しました。この項目では、事務事業活動に伴う環境負荷の低減を図る 取り組みについて紹介します。 ア)“ウォーム・ビズ”の取り組み 市では、平成 17 年度より国や北海道の「ウォーム・ビズ」の取り組みと連携し、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑 制するため、市の公共施設の室内温度を設定する取り組みを実施しています。 室内の温度設定を基本 19℃とし、稼働時間を 1 時間短縮することによって暖房に必要な化石燃料や電気等のエネルギー使用量を削 減することで、二酸化炭素の発生を削減することを目的としてウォーム・ビズを実施しています。 ・実施期間 毎年 11 月 1 日∼3 月 31 日 ・対象施設 市の全ての公共施設。ただし、インフルエンザ対策を講じるため一部の施設は除外する。 ・取組内容 設定温度 ∼ 室温は 19 度を基準とし、それぞれの施設で室温をこまめに確認し、温度調整を行う。 稼働時間 ∼ 業務終了 1 時間前を基本とし可能な限り稼動時間を短縮。 イ)“公用自転車”の取り組み 市では、平成 16 年度より、環境への配慮及び化石燃料の削減を図ることを目的として公用自転車を設置し、職員の外勤用として利 用しています。また、平成 20 年度から新たな取り組みとして、自転車・シェアリングを実施しています。 ◆ 自転車・シェアリングのフロー シェアリング(sharing)とは、 「分かち合い」という意味で、最近よくカーシェアリングやハウスシェアリングということを耳にすると 思いますが、いずれも一つのものを数人で利用することをいいます。市では、このシェアリングを広義に捉え、公用自転車の利用 促進を図るためのキーワードとしました。すなわち、1 台の自転車を複数の職員が共同で利用することした「自転車・シェアリン グ」を実施しています。 公用自転車と職員福利厚生会が管理するフクリン号の 2 種類があり、フクリン号については、朝・晩は職員の通勤用自転車とし て導入し、日中は公用自転車として利用しています。 市役所 日中は、公用自転車として使用します。 昼 市役所 勤務終了後は、職員の自宅までの通勤自転車 として利用します。 保管責任は利用者となりますので適正な場 所で保管します。 市役所 自宅 自宅 自宅 自宅 夜 自宅 自宅 自宅 翌朝、通勤自転車として市役所まで乗ってい き、所定の駐輪所に返却します。 自宅 朝 自宅 自宅 <図 4-10 自転車・シェアリングのフロー図> - 65 - 第 2 節 恵庭市環境基本計画の推進 1.第 2 次恵庭市環境基本計画の概要 恵庭市環境基本計画は、平成9年に制定された「恵庭市環境基本条例」に基づいて、良好な環境の確保及び将来の世代への継承や、 環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会の構築などを基本理念として平成13年3月に策定しました。策定から10年以上経 過し、計画の個別施策の中には、既に達成された施策がある一方で、未だ成し遂げていないものもあり、再度問題点を整理しながら、 より効果的な施策のへの展開や、市民・事業者の各主体の自主的な取り組みが必要となっています。新たな課題や情勢の変化に対応 するため、平成24年度当初に第2次環境基本計画を策定しました。 第2次計画では、 『自然と共生し、継承していくまち』 、 『快適で、心の豊かさをはぐくむまち』 、 『安全で安心してくらせるまち』 、 『地 域から地球へ、みんなで地球を大切にするまち』 、 『限りある資源を大切にし、循環に取組むまち』 、 『みんなが環境について学び、一 体となるまち』の6つの望ましい環境像を設定し、 『自然との共生』 、 『安全・安心な地域環境』 、 『地球温暖化対策の推進』 、 『循環型社 会の形成』 、 『情報提供・担い手づくり』の5つの基本目標を定め、15項目の環境施策、32項目の取組項目、178項目の個別施策を設定 し、取り組みを実施します。第2次環境基本計画は平成24年度から開始され平成33年頃までを目標期間としています。 望ましい環境像 ・自然と共生し、継承していくまち ・快適で、心の豊かさをはぐくむまち ・安全で安心してくらせるまち ・地域から地球へ、みんなで地球を大切にするまち ・限りある資源を大切にし、循環に取組むまち ・みんなが環境について学び、一体となるまち 視点・基本目標 【自然環境】 自然との共生 【地球環境】 地球温暖化対策の推進 【生活環境】 安全・安心な地域環境 【循環】 循環型社会の形成 【協働】 情報提供・担い手づくり <図 4-11 望ましい環境像、視点・基本目標> - 66 - 環境施策 取 組 項 目 自然環境の保全 豊かな森林の保全と継承 水辺環境の保全と創造 生物多様性の保全 野生動植物の保護と保全 健全な生態系の保全と管理 ふれあい空間の創造 自然とふれあえる場づくり 公園や緑地の整備の推進 魅力ある景観の創出 快適な環境の保全と創造 花と緑のまちづくりの推進 歴史と文化の継承 環境保全型農業の推進 自然との共生 澄みきった空気の保全 大気汚染の防止と啓発 自動車排気ガス対策の推進 健全な水循環の創造 水道水源の保全の推進 豊富・安全な水の確保 排水対策と河川の水質浄化の 推進 静けさのあるくらしの確保 騒音・振動対策の推進 良好なくらしの確保 安全な土壌環境の保全 有害化学物質対策の推進 地球温暖化防止対策の推進 温室効果ガス排出抑制の推進 悪臭防止対策の推進 安全・安心な地域環境 省資源・省エネルギー対策の 推進 新エネルギーの利用の推進 地球環境保全対策の推進 オゾン層破壊の防止と保護 地球規模の森林保全への貢 献 地球温暖化対策の推進 廃棄物適正処理の推進 ごみ排出量の削減対策の推進 リサイクル対策の推進 リサイクル社会の推進 環境に関する情報の充実 透明性の向上と信頼の確保 環境学習の推進 環境学習の推進 協働体制づくりの推進 市民・事業者・市の間でのパー トナーシップの確立 廃棄物の適正な処理・処分対 策の推進 循環型社会の形成 環境情報の提供の充実 近隣市町村を含めた広域的な ネットワークの形成 情報提供・担い手づくり <図 4-12 環境施策・取組項目> - 67 - 2.第2次環境基本計画の実施状況 第2次環境基本計画は、毎年個別施策 178 項目についてそれぞれ実施状況を以下の5つの分類にわけ確認していきます。 【実施状況の分類】 ①個別施策について具体化されて完了したもの ②個別施策について具体化されて継続中のもの ③個別施策について具体化されて実施に向け調査中のもの ④個別施策について具体化されておらず未着手のもの ⑤個別施策について中止となったもの 初年度の平成24年度の実施状況の取りまとめ結果は下表の通りです 施策のうち、 「完了」となったものは8項目と少なく、約89%にあたる162項目の施策が「継続中」となっています。施策の性 質上、完了とはならず、継続していくことが必要な項目もあるため、来年度以降も実施状況の確認を続けていくことが必要となりま す。 第2次環境基本計画の平成 24 年度の実施状況 ① 環境施策 1-1 自然環境の保全 1-2 生物多様性の保全 1-3 ふれあい空間の創造 1-4 快適な環境の保全と創造 2-1 澄みきった空気の保全 2-2 健全な水循環の創造 2-3 静けさのある暮らしの確保 2-4 良好なくらしの確保 3-1 地球温暖化防止対策の推進 3-2 地球環境保全対策の推進 4-1 廃棄物適正処理の推進 4-2 リサイクル対策の推進 5-1 環境に関する情報の充実 5-2 環境学習の推進 5-3 協働体制づくりの推進 取組項目 項目数 ①豊かな森林の保全と継承 ②水辺環境の保全と創造 ①野生動植物の保護と保全 ②健全な生態系の保全と管理 ①自然とふれあえる場づくり ②公園や緑地の整備の推進 ③魅力ある景観の創出 ①花と緑のまちづくりの推進 ②環境保全型農業の推進 ③歴史と文化の継承 ①大気汚染の防止と啓発 ②自動車排ガス対策の推進 ①水道水源の保全の推進 ②豊富・安全な水の確保 ③排水対策と河川水質浄化の推進 ①騒音・振動対策の推進 ①安全な土壌環境の保全 ②悪臭防止対策の推進 ③有害化学物質対策の推進 ①温室効果ガス排出抑制の推進 ②省資源・省エネルギー対策の推進 ③新エネルギー利用の推進 ①オゾン層破壊の防止と保護 ②地球規模の森林保全への貢献 ①ごみ排出量の削減対策の推進 ②廃棄物の適正な処理・処分対策の推進 ①リサイクル社会の推進 ①透明性の向上と信頼性の確保 ②環境情報の提供の充実 ①環境学習の推進 ①市民・事業者・市の間でのパートナーシップの確立 ②近隣市町村を含めた広域的なネットワークの形成 合 計 - 68 - 完了 ② ③ ④ ⑤ ⑥ 継続中 調査中 (具体化) 調査中 (非具体化) 未着手 中止 11 9 7 5 4 3 5 7 3 5 3 2 3 3 10 6 3 1 6 11 9 5 2 6 7 9 10 3 4 7 5 4 0 1 0 0 1 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 11 7 7 5 3 3 5 7 2 4 2 2 3 3 10 6 3 1 6 9 8 4 1 4 5 9 9 3 4 7 5 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 178 8 162 3 0 5 0