...

附属図書館研究開発室の概要 - Kyushu University Library

by user

on
Category: Documents
2

views

Report

Comments

Transcript

附属図書館研究開発室の概要 - Kyushu University Library
附属図書館研究開発室の概要
却ゆJl ~2α0)2
第
( 6年次)
九州大学附属図書館
はじめに
附属図書館では、近年の教育研究活動の高度化、多様化、学際化、国際化等の進展に対応
した高度な学術情報の提供サービスを実現するため、平成8年4月に評議会決定により5年間
の期限付きで研究開発室を設置し、以来5年間に亙って研究開発活動を展開してきました。
本年度は、研究開発室員を7人に増員し、当館が抱えている様々な課題に組織的に取組み、
ここに報告しますように、それぞれの課題について着実に研究成果を上げることができまし
た。
研究成果は、年度ごとに『附属図書館研究開発室の概要』としてまとめ、刊行・公開して
きましたが、本年度は、発足以来6年目という節目に当り、今後の研究開発室の継続を検討
してもらうために、この6年間に展開してきた研究開発室の活動と得られた成果、今後の大
学図書館における重要な研究開発課等等についての報告を評議員を対象にして実施しまし
た。その結果、多くの評議員から積極的な高い評価を頂き、3月開催の評議会において、さ
らに5年間の延長を決定して頂きました。
研究開発室の活動に対してこれまでに頂きました総長・評議員はじめ関係者の皆様のご理
解とご支援に対しまして、また、研究開発室室員及び附属図書館の関係者のご努力に対しま
して深く感謝いたします。
平成14年度は、研究開発室にとりまして第2期の5ヵ年のスタートの年になります。平成ll
年度から学内的に措置されています研究開発室専任の助教授のポストについても、さらに3
年間の運用を認めて頂いています。引き続き、研究開発室に事業に対して、ご理解・ご支援
くださいますようお願い申し上げます。
平成14年4月
九州大学附属図書館長
有 川 節 夫
目 次
はじめに
1 設置の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…
H組織・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… ’”.’’’”.’
345678
皿 平成13年度における研究開発
1 電子図書館システムの研究開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 2
2 貴重資料の画像及び書誌データベース作成に関する研究開発・・・・・・・… 6
古活字本『枕草子』(十三行本)画像データベース(付・慶安2年刊整版本)の
作成と公開について
九州大学附属図書館所蔵の古書・文書データベース構築に関する調査研究・… 8
統合移転後の新図書館建設に関する調査研究・・・・・・・・・・・・・・… 9
内外大学図書館の組織、運営及びサービスに関する調査研究・・・・・・・… 10
医学分館所蔵貴重古医書のデータベース化及び医史学的、書誌学的な調査研究・・13
1Cタグによる図書館運用に関する調査研究 ・・・・・・・・・・・・・・… 15
レファレンス事例検索システムに関する調査研究・・・・・・・・・・・・… 17
インターネット上の書誌情報からの1青報獲得について
研究開発室懇談会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 19
V 研究開発室会議・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… ........21
平成14年度における研究開発事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 23
関連規則等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 26
皿沿革・日誌1996∼2002・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・… 28
1
設置②圖的
九州大学附属図書館研究開発室は、大学における学術情報の収集、加工、蓄積、提供及び
その他図書館が行う教育研究支援活動の改善に関する事項のうち、附属図書館長が指定する
事項について研究開発を行い、もって高度な図書館サービス実現に寄与することを目的とす
る。
研究開発室室員(助教授)
研究開発室室長(附属図書館長)
〃 (本学教官兼任)
研究開発室特別研究員
1/
事務部(情報管理課)
(情報サービス課)
(情報システム課)
i
i
(医学分館)
(六本松分館)
研究開発室会議
長員
室室
名 簿(平成13年度)
有川 節夫
(附属図書館長、システム情報科学研究院教授)
松尾 文碩
(情報基盤センター長、システム情報科学研究院教授)
喜田 拓也
(附属図書館研究開発室講師)
南 俊朗
(九州情報大学教授、特別研究員)
今西 裕一郎
(人文科学研究院教授)
吉田 昌彦
(比較社会文化研究院教授)
山野 善郎
(人間環境学研究院助教授)
柳原 正治
(法学研究院教授)
Wolfgang Michel(言語文化研究院教授)
藤崎 清孝 (システム情報科学研究院助教授)
有村 博紀 (システム情報科学研究院助教授)
一1一
尾田
ステムの研
松喜南
電子
員員員署署
発 部部
開 当当
究室室室担理
シ
図
館
書
1
文碩(システム情報科学研究院 教授)
拓也(研究開発室 講師)
俊朗(研究開発室 特別研究員)
情報システム課電子情報掛長
情報基盤センター電子図書館掛長
〈研究開発概要>
IC(RF−ID)タグを利用した図書館自動化に関する調査・考察を中心に活動を行った。図書
目録イメージ検索システムに関しては、福井大学附属図書館への適用他、招待講演等による広
報活動が中心となったが、システムに関しても、総合目録データの入力やツリービューの追加
などの基本的な部分の改善等の進展があった。
また、IT時代に図書館や電子図書館を有効に活用するためには、利用者側にも十分なスキル
が要請されるとの認識により、情報スキルアップ教育活動も含めて幅広く電子図書館への活動
を行った。
昨年度に引き続き、電子図書館のための検索サービス技術に関する研究・開発のために、九
州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト(P&P)よりの研究費の助成を受ける
ことができた。これにより、図書目録イメージ検索システムの改良や、ICタグに関する技術動
向の調査、参考調査事例検索システムの研究など、図書館の電子化・自動化に関する研究・調
査を大きく進展させることができた。また、データベース科研費からの助成により、総合目録
カードの約半数のデータ入力を行うことができた。来年度ないしは再来年度には総合目録全体
の入力を終了させたい。
〈研究開発の内容〉
【図書目録イメージ検索システム】
今年度は、我々が開発してきた手法による蔵書検索システムの機能改善とならんで、全国図
書館大会をはじめとする講演による広報活動の機会があった。また、福井大学附属図書館と共
同で、本手法による当館の蔵書検索システムが開発された。本手法の大きな特徴は、従来の遡
及入力による方法よりも短期間かつ少ない費用で、電子的な蔵書検索を実現することができる
点にある。それが他図書館においても広く認められつつあるものと考えられる。これまで試験
公開という形で本システムを公開してきたが、来年度は本公開を目指す。また、システムを更
に洗練させていく。
一2一
1.図書目録検索システムの改善
図書目録カードイメージのブラウジング方法として新たに「ツリービュー」を加え、より
効率の良い検索が行えるようシステムを拡張した。また、元々のブラウジング手法を「ボッ
クスビュー J と名付けたうえで、ユーザーがより違和感なく操作できるよう、システムに改
良を加えた。
2
. イメージデータの整備
これまで、文学部・教育学部・理学部の目録カードデータを、本システムにてテスト公開
してきた。今年度は、データベース科研費からの補助を得て、 2 年計画による総合目録カー
ドのイメージデータ化を開始した。総合目録は最も数が多く、そのうちの全ての洋書約
176万件と、和書の一部である約 4万件の入力が完了した。医学部の目録カード約 10万
件と総合目録の和書の残りを加え、来年度中にはシステムへの搭載と公開を行いたい。
3.
による目録カードのテキストデータ化の調査
既存の市販ソフト 5 種を目録カードイメージの一部に適用し、比較検討を行った。各ソフ
OCR
トに使用感の一長一短はあるものの、押し並べて、活字体に対する認識率は 9割程度であり、
手書き文字に対しては 1 割にも満たなかった。今後、これら不完全なテキストデータに対す
る検索システムを近似文字列照合の技術を用いて実現し、その有効性を検証する。また、手
書き文字認識の精度向上に関する調査・研究も行う。
!E 回目白_.・-_.-四.'~:l"'WTTT.'I f. -:r
1
_
'
.
:
'
J・
l1!&
4,
.
タ
守
,
-
⋮⋮一問一一
⋮一一⋮⋮⋮⋮⋮
同日
••
•
0
"
'
"
・唱・H 向2・
・
】
・
‘
.時
e・
M・
.副
..同
.. 61 凶・UMN"ω. '・
.
r
U
r
',
- ...
蜘
.蜘
トトー一-1.耐叫
1
1
..抽 '1Oo¥t" 闘
訓
・
齢
、
.
Ir
u.
・
_"".・
・
I _τ
II~阿 ・・ ,
〓間回目鋼、
"1
l'
跡舗.・剛秘...
M
R
叩
訓"
.咽伽剛"'"・
国劇剛岬
,¥哨『
凶払刷.1$
1'
'
'
'
"
~ t ,'''' ~ー
図2
. ボックスビュー
図1.ツリービュー
【
CI タグを利用した図書館の自動化に関する調査・研究】
ICタグは、 ICチップにアンテナを取り付けたものであり、電磁誘導によって外部から供給さ
れるエネルギーを用いて外部と電波による通信を行う。この ICタグのラベルを図書に貼付する
ことにより、現在タトルテープを用いて実現されている盗難防止機能とバーコードを用いた図
書貸出・返却等の機能の双方を、 ICタグ一つの貼付により代替することができる。
-3-
昨年度の調査を踏まえ、今年度も、
1Cタグの導入による図書館蔵書管理の自動化及びそれ
を利用した業務の効率化並びに新規サービスの可能性に関して調査・検討を行った。町民サー
ビスの一環として先駆的に導入した宮崎県北方町立図書館の事例調査の他、関係メーカが一同
に会する自動認識展での調査やタグや書架メーカ等との討論を通じて、 IC タグの課題に関する
今後の見通がはっきりしてきた。
図書館業務に取り入れた場合の問題点をまとめると、現在、タグ自体のコストが高いことが
最大の問題である。また、現在用いられているタトルテープと比べて遮蔽が容易である等の問
題がある。タトルのような磁気的ブックディテクションを組み込んだタグの開発を行うなど、
セキュリティに関する工夫が必要となるものと考えられる。
非接触によるデータのリード・ライト機能をより有効に活用するためには、新たな利用法を
確立する必要がある。その 1つの答えが ICタグによる蔵書点検作業の効率化である。本学附属
図書館のように蔵書が膨大であるところでは、人手による蔵書点検は現実的に非常に困難であ
る。そのため、誤配架された図書は紛失したとも同然であり、大規模な図書館においては非常
に重大な問題である。ハンディタイプのスキャナによる蔵書点検を更に効率化させる手法とし
て、書架に ICタグとの通信を行うアンテナを組み込み、リアルタイムでの蔵書点検を可能とす
ることが考えられる。現在、メーカによるアンテナ付き書架の開発・研究を協力して行ってい
る。将来、十分なコストダウンが図られれば、図書館にとって大きな福音となる。
"""."'
【電子情報横断検索システムに関する研究】
各種の電子的情報が流通している現在では、
それらを個別的にではなく横断的に検索する
機能が求められている。本システムは、情報
検索の国際規格である Z
3
9
.
5
0プロトコルに
H 量嘱ロ
ヲ句チ‘句ワ』‘"
I
ー
r;ヨ
;;;.rr庁
ii'
基づいたものであり、本学が発信する情報だ
応 布 ミ7一一ヨ│
回目才一一ヨ│
区苛芯おアーヨ│
けではなく他機関が発信する情報も横断検索
する機能を持っている。
ド高ヨ
丙
3'i
同司
丘三J之
'J.!
本学が発信する情報に関しては、以下の 3
つのデータベースが完成しており、近々の公
デ タ ペ ス 岨制t>"1I!し(
< l.i~
い.
,
"ヒ
.司 F
開を予定している。
ゆ失包書
・九州大学 OPAC (横断検索専用)
-メタデータベース(西日本大水
害写真)
・文書等データベース(書誌情報)
図3
. 横断検索システム
【その他の調査・研究・活動】
r
n
i
n
gに関する研究
・情報リテラシー教育の実施とかLe a
電子図書館的機能を推進するためには、単にシステムを開発し提供するだけでは不十分であ
り、システムの利用者の利用スキルアップを図ることが重要である。そのような認識に基づき、
利用者教育の推進にも力を入れている。本年度は、その一環として、附属図書館内関係掛や情
報基盤センターと協力して情報検索に関する講習会を開催した。講習会と Web上の教材を連携
- 4ー
させ、また、より効果の上がる手法の開発を目指して、e−Leamingに関する調査・研究を開始
した。来年度以降、学内他部局とも連携し、本テーマの研究を進めていく。
・図書館の調査
電子図書館や情報リテラシー教育など、様々な図書館サービスに関する先進的活動を行って
いる国内外の図書館を訪問し調査を行って来た。今年度は、琉球大学・名古屋大学・東京学芸
大学・千葉大学・明治大学等の国内大学附属図書館、そして、オーストラリアのシドニー大学
・ニューサウスウェールズ大学、ニュージーランドのオークランド大学、米国のインディアナ
大学・カリフォルニア州立大学バークレー校の国外大学図書館を訪問し、電子図書館関連の活
動等に関する調査を行った。また、宮崎県北方町立図書館を訪問し、図書館におけるICタグの
導入に関する調査を行った。
・参考調査支援システムに関する調査・研究
本テーマに関しては、今年度は調査活動が中心となり、研究を十分進めることができなかっ
た。しかし、本テーマの重要性を考え、来年度以降も引き続き調査・研究を進めていく。調査
としては、九州地区の大学図書館が協力して進めているレファレンス事例データベースの構築
と、その検索システムに関して調査を行った。データベースおよびその検索システムは熊本大
学附属図書館で開発と管理を行っており、その担当者より話しを伺った。また、国連やECの
委託図書館におけるレファレンス事例収集に関する調査のため、西南学院大学図書館および琉
球大学附属図書館を訪問した。これらの図書館においては委託図書館全体で協力して、電子化
はされていないものの、紙ベースでのレファレンス事例収集を行っている。今後、これらのデ
ータを電子化し、参考調査支援システムに取り入れることを検討したい。
【論文等】
’Minami, T. and S. Arikawa: Amalgamation of Classification and Keyword, Searches of Library
Catalogs with Web Technology, KES 2001, pp.1420−1424, September 6−8, 2001.
・南俊朗:ネットワーク時代の電子図書館像を考える一九州大学附属図書館における試行一,
全国図書館大会第3分科会大学図書館事例発表2,2001年10月25日,岐阜大学附属
図書館.(招待講演)
・南俊朗:大会記録集:平成13年度第87回全国図書館大会記録・岐阜「2001年・岐
阜・図書館の旅一IT時代の図書館像を考える一,全国図書館大会実行委員会, pp.76−84,平
成14年3月発行.
・南俊朗:図書目録カード検索システムの開発と図書館電子化,大分県大学図書館協議会研
修会講演,大分医科大学,平成13年11月7日。(招待講演)
・喜田拓也,南俊朗:電子図書館:図書館自動化&ディジタル化,産学官地域交流事業「環
境・情報に関する産学官技術シーズ展示交流会」,2002年2月.
・南俊朗:ネットワーク情報社会における図書館像に関する一考察,九州情報大学研究論集,
第4巻第1号,2002年3月.
・南俊朗:図書目録カード検索システムの開発と可能性一図書館情報のバランスのとれた電子
化を目指して一,Academic Resource Guide,第116号,2001.http:〃www. ne.
jp/asahi/coffee/house/ARGI I 16.html¥#C
一5一
2 貴重資料の画像及び書誌データベース作成に関する研究開発
【古活字版r枕草子』(十三行本)画像データベース(付・慶安2年刊整版本)の
作成と公開について】
室 員 今西 裕一郎(人文科学研究院 教授)
担当部署 情報サービス課図書館専門員
〈研究開発概要〉
昨12年度の〈古活字版『枕草子』(13行本)画像データベース〉(付・慶安二年刊整版本)
において、江戸時代初期に出版された2種の『枕草子』版本を画像データベースとして提供し
たのに引き続き、今年度は、同じく江戸時代元禄期以前に出版された『枕草子』の注釈書、『清
少納言枕双紙抄』の画像データベース作成を行った。
〈研究開発の内容〉
江戸時代に出版された『枕草子』の注釈書としては、延宝2年(1674)の践をもつ、北
村季吟(1624∼1705)の『枕草子春曙抄』が著名であり、刊行以来、明治にいたるま
で版木が摩滅するほどに版を重ね、近代になっても『枕草子』のもっとも信頼すべき注釈書と
しての名声を保ち続けてきた。
他方、その『春曙抄』の践と同じ延宝2年の刊記を有する、加藤盤齋(1625∼1674)
の手になる『清少納言枕草子抄』(15巻15冊)は、『春曙抄』の盛行に圧されたせいか、さ
ほどの流布は見られなかった。したがって現存本も多くはなく、『国書総目録』に記載される
のは次の8図書館・文庫の蔵本のみである。
国立公文書館内閣文庫
静嘉堂文庫
九州大学附属図書館
実践女子大学
京都府立図書館
西尾市立図書館岩瀬文庫
島原松平文庫
金刀比仁山図書館
しかし、『清少納言枕双紙抄』は『枕草子』注釈史の上では無視できない著作であり、はや
く国文註釈全書(明治41年、國學院大學出版部)および国文学註釈叢書において、翻字がな
されていた。また、昭和60年には『加藤盤最古注釈集成』(新典社)の第2巻に編者有吉氏
蔵本の『清少納言枕双紙抄』が全巻影印された。
今回の画像データベースは、『国書総目録』に記載される九州大学付属図書館音無文庫蔵本
をもとに作業を進めた。
画像には、古活字版データベースの場合と同様、『校本枕冊子』の章段番号を付記し、その
章段番号による画像検索システムを採用した。
今回の『清少納言枕双紙抄』にかぎらず、江戸時代刊の『枕草子』注釈書の本文は、原則的
には前回データベース化した古活字版のような、能動本系統の本文であるが、その実態は三巻
一6一
本系統の本文の混入によって、必ずしも純粋な能因本とはいえない要素が見られ、個々の章段
の検索は、一般の読者はもとより、研究者にとっても容易ではない。本データベースでは、画
像に、能因本系統の最善本を採用する『校本枕冊子』の章段番号を付記し、それを検索のキイ
とすることによって、『清少納言枕双紙抄』の錯綜した本文の検索を容易にした。その結果、
江戸時代の『枕草子』注釈書の本文において、能因本系統の本文が蒙った変容を容易に窺うこ
とができるようになり、近世『枕草子』の本文研究への寄与が期待される。
-7-
3 九州大学附属図書館所蔵の古書・文書データベース構築に関する調査研究
室 員 吉田 昌彦(比較社会文化研究院 教授)
担当部署 六本松分館受入掛長
〈研究開発概要〉
本研究は、九州大学附属図書館及び各部局に分散所蔵されている古文書類の一元化された目
録データーベースの作成、電子化の方策などを具体化するための調査研究を行うことを課題と
しているが、今年度は次の3点を行った。
〈研究開発の内容〉
まず、九州大学附属図書館及び各部局に分散所蔵されている古文書類の所蔵状況の概要調査
を行うとともに本学における古文書の保存管理形態についての一定の検討を行った。この検討
結果については平成14年度春、古書・文書整理検討委員会に対して報告を行う予定である。
第2には古文書類の一元化された目録データーベースの作成、電子化の方策などの準備とし
て下記の通りの作業を行った。
①六本松地区分館所蔵檜垣文庫史料の原所在地不明分の再検討。
②六本松地区分館所蔵旧玉泉館史料関係目録の再検討とデーターベース化。
まず、①の檜垣文庫史料の原所在地不明分の再検討に関してであるが、檜垣文庫古文書の目
録データベースの電子化は、昨年度、原所在地判明分については終了している。本年度の作業
はその残余分を対象としてものであ、来年度をもって再検討作業を終了し再検討結果の入力作
業に入ることを予定している。
②は、旧玉泉館史料の内、筑前国恰土郡の大庄屋文書でその数3000点余りの文書群であ
る三苫家史料を主として取り扱った。同史料については、すでに目録が刊行されているが、目
録の誤りをチェックしつつ入力作業を行い、目録データーベースの電子化を行った。同文書は、
大庄屋文書として村方の動向がわかるほか、自分や家族を質に入れる質奉公人関係の証文類が
含まれており、当時の人身売買の実態や社会的背景を知る上で貴重であると考えられ、その一
部を画像化する準備を進めている。
また、福岡県八女郡上広川町役場史料の目録データーベースの作成に着手した。同史料は、
明治0年代から大正年間までの史料で、その内容も財政、庶務、統計、学校、土地、議会など
広汎に亘っている。本史料は、案件ごとの書類を複数綴じ込んでつくられた書冊や帳簿が大部
分であるため、綴り込められている案件ごとに検索できるようなデーターベースを作成するこ
とを目指している。
一8一
4 統合移転後の新図書館建設に関する調査研究
室 員 山野 善郎(人間環境学研究院 助教授)
担当部署 情報サービス課情報サービス第二掛長
〈研究開発概要〉
九州大学のキャンパス移転後の新図書館建設計画に向けて、新図書館の設計等、理想的な大
学図書館を建設するための調査研究に着手する初年度として、今年度は、新・理系図書館に関
して、どのような基本性能を要求すべきかを調査し、また、施設部から回答を求められた諸項
目について検討を加えた。
〈研究開発の内容〉
大学図書館の果たすべき機能が急速に多様化し、肥大化しつつある現在において、大学図書
館の理想像を静的な方法で描き出すことは、あまり意味のある行為とはいえない。ある時点で
理想的と考えられた機能が、ものの10年も経たない間に陳腐化することを、過去の多数の事
例が示している。したがって、もし新キャンパスに建築される図書館に理想像を求めるならば、
少なくとも機能面におけるそれは動的なモデルでなければならない。
にもかかわらず、他方で、一度建てられた図書館建築は、少なくとも数十年間、一定の物理
的制約下におかれる。空調設備や備品、各室の間仕切り等については将来の入替えを当初から
プログラムできるとしても、根幹をなす建築構造や耐震、耐火、防水性能は、容易には改変で
きない。また、階段、エレベーターシャフト、トイレをはじめとして、増改築の際に移動の困
難な要素が数多く存在する。そうした制約条件を建築の「基本性能」と呼び、テンポラリーな
「機能」と区別する。
すなわち、新しい図書館建築は、利用者、図書館員および蔵書の安全を第一としっっ、継続
的、安定的にサービスを提供し続け、妥当な経費で維持・管理できる「基本性能」を、第一に
確保しなければならない。
本年度、新・理系図書館の計画に着手するに当たって、上記の視点を現在の九州大学附属図
書館のライブラリアンが共有することを目的として、6月22日に関係各課各掛のライブラリア
ンに対する講演を行った。その上で、附属図書館が施設部に対して提示すべき要求事項の集約
を依頼した。集約された諸事項について、「性能」と「機能」の視点から適宜分類すべきこと
を助言し、分類の試案を提示した。
これと並行して、九州大学事務局施設部に保管されている営繕関係書類の分類・整理に着手
し、本学における図書館建築の沿革を明らかにするとともに、大学図書館を維持・管理してい
く上で必要な事項を抽出する研究を開始した。現在のところ、明治期における医学部図書館の
営繕工事関係資料のデータベース化をほぼ完了した。
また、アメリカ図書館協会から刊行された図書館建築に関するチェックリストを入手し、新
・理系図書館の設計に際して留意すべき項目について、現在、検討中である。
一9一
5 内外大学図書館の組織、運営及びサービスに関する調査研究
室 員 柳原 正治(法学研究院教授)
担当部署 情報管理課課長補佐
〈研究開発概要〉
九州大学のキャンパス移転後の新図書館建設計画策定並びに図書館サービスの高度化及び図
書館業務改善に向けた内外大学図書館の組織、運営及びサービスに関する情報収集と調査研究
を進めている。
今年度も例年通り職員の研修出張の機会等を捉え、国内の大学図書館を視察し調査と情報を
収集することと、外国の大学図書館を視察し調査と情報を収集することにより情報収集するこ
とを基に調査研究を行った。
〈研究開発の内容>
1.海外大学図書館等の視察
今年度においては、海外大学視察として実施したものは無いが、大韓民国甲唄町域市の慶
北大学校中央図書館との間で図書館問交流協定を締結するため訪韓し、慶北大学校中央図書
館を短時間ではあるが視察した。
なお、慶北大学校中央図書館とは、協定締結作業を相互に推進することで合意し、学内手
続に入っている。協定を締結した後は、①図書館利用、②刊行物の交換、③共同開発計画、
④図書館職員の交流、⑤両者が合意したその他の交流計画を進めることとしているので、今
後の新図書館構想等に大いに貢献するものと考える。
訪問したのは、有川研究開発室長(附属図書館長)、今西研究開発室員(人文科学研究院
教授)、松原言語文化研究院教授及び栗山情報管理課課長補佐である。
事務協議の合間に視察した慶事大学校中央図書館は、次のようであった。
D 大学の概要
慶北大学校は、大韓民国の旧邸(テグ)広域市に所在する。既設の3単科大学National
Co皿ege(1923年設立の教育大学、1933年設立の医科大学、1944年設立の農業大学)と新設
の2単科大学(教養学大学、法律・政治学大学)とを統合して総合大学Universityとして
1951年に創立された。学生数約32,000人(学部学生26,300人、大学院生5,700人)にのぼる
韓国有数の総合大学である。
2) 中央図書館の概要
(D 図書館現況
職員数 53人 蔵書数 1,682,860冊 延面積 29,316,42㎡ 閲覧席 4,515席
(2) 図書館の特色
①慶北大学校図書館学術情報システムであるKUDOS(Kyungpook University Libray
Document Retrieval and Online System)は、文献検索、収書、貸出、定期刊行物の管理
等、図書館の全般的な業務に活用できるトータルシステムである。
②電子資料室に所蔵している先端のCD−NET装備と各種のCD−ROMを使うと、最新
の学術資料をより迅速で効率的に検索することができる。CD・ROM検索用ソフトウェ
ー 10 一
アを図書館のホームページで利用者のPCにダウンロードすると、どこでも自由に検
索することができる。
③各種電子ジャーナル統合検索(アルファベット順、キーワード検索)を使うとジャ
ーナルの原文に容易にアクセスでき、EBSCO社が提供する電子ジャーナルを利用する
ことができる。
④主電算機では約160万冊の蔵書をデータベース化して、複本調査、検索、貸出、逐次
刊行物の管理及び記事索引、蔵書管理、利用者サービス等のためのトータルシステム
として運営している。
鐘
.■味、
﹂ぎレ
も孕耳f
輩﹄﹄ゴ ﹁
釧レ
馬
悪
.竪.騨蛎、
一蜘▲
2.国内大学図書館等の視察
今年度の訪問機関、訪問者及び調査事項は概ね次のとおりである。また、各大学図書館等
についての資料等も収集している。
○宮崎県北方町立図書館
有川研究開発室長、南研究開発室員、藤崎研究開発室員(システム情報科学研究院助教授)、
佐田事務部長、田中情報サービス課長、栗山情報管理課課長補佐、昌子情報サービス第二
掛長、井上医学分館図書館専門員、緒方相互利用掛長
・ICタグの図書館運用
○岡山大学・倉敷芸術科学大学
原田参考調査掛長、二二データベース掛員
・法制史関係資料のデータベース化
・ICタグの図書館運用
○神戸大学
喜田拓也研究開発室員、南研究開発室特別研究員、小早川システム情報課長
・電子図書館機能の整備
一11一
・図書館建築
・蔵書構築方針(貴重書、特殊コレクション)
・資料保存(ガイドライン)
○東京学芸大学・千葉大学・明治大学
喜田拓也研究開発室員、南研究開発室特別研究員、山田図書館専門員
・電子図書館機能の整備
・図書館建築
・蔵書構築方針(貴重書、特殊コレクション)
・資料保存(ガイドライン)
○京都大学・奈良先端科学技術大学院大学
武藤庶務掛長、保田図書情報第二掛長、小柳情報サービス掛員
・図書館総務業務
・受入業務
・利用者サービス
○筑波大学・山梨大学
栗山情報管理課課長補佐、宮原会計掛長、安永情報サービス第一掛長
・大学統合における組織、運営、図書館事務、利用者サービス
○島根医科大学、鳥取大学
園田図書館専門員、昌子情報サービス第二掛長、山本会計掛員
・大学統合における組織、運営、図書館事務、利用者サービス
・学内デリバリー
○一橋大学社会科学古典資料センター、国文学研究資料館、東京大学
原田参考調査掛長、久原雑誌情報掛員、大村図書情報第一掛員
・資料保存
・利用者サービス
・外国雑誌契約
○東京大学教養学部
林田図書情報第一掛長、大平雑誌情報掛員
・図書館管理
・外国雑誌契約
一 12 一
6 医学分館所蔵貴重古医書のデータベース化及び医史学的、書誌学的な調査研究
室 員 Wolfgang Miche1(言語文化研究院 教授)
担当部署 附属図書館医学分館図書館専門員
〈研究開発概要>
1999年に附属図書館医学分館の保存図書館で発見された古書について、総長裁量経費に
より2000年春に体系的な再調査が行われ、和洋書の医学・博物学関係の書物、事典など
1870年代までの書籍約2,000冊の存在が明らかになった。この中にはヨーロッパでも貴
重書となっているものも少なくない上、手稿や写本も数編含まれている。これらの古書の遡及
目録を作成し、データベース化による公開を進め、併せてコレクションとしての医学学的及び
書誌学的な資料価値等についても調査研究を行う。
〈研究開発の内容〉
平成12年度は、主に西洋の書物を中心に目録作成を行ったが、平成13年度は、総計
2,550冊にのぼる漢籍や和書に着手した。対象としたのは1630年頃から19世紀末頃ま
でのものである。各書物の内容は非常に多岐にわたっており、医学(東洋医学、西洋医学)か
ら本草学、博物学にまで及んでいる。江戸時代の写本のいくつかは、現在わかっている限りで
は、非常に珍しい貴重なものである。和漢書の大部分は、それまで全く未調査だったため、時
間のかかるラベル貼りの作業や書誌学的な調査が必要であった。
古書の遡及目録作成は現在も続けられており、平成13年度末までには1,689冊が大学の
OpACとNACSISのWebcatに登録された。貴重図書室の洋書と合わせ、国内でも屈指のコレク
ションとなることと思われる。
貴重図書室の整理にあたり、新たにマイクロフィルム用の整理ダンスを購入した。
また、1800年代後半以降の約387冊の資料は酸性紙劣化が激しいため、脱酸処理(DAE
法)を施した。特に損傷の激しい19世紀の書籍41冊は製本し直し、もとどおり利用できる
ようにした。
現在、これらの書物を九州大学附属図書館医学分館の古医書コレクションとして公開するウ
ェブサイト(http:/1herakles. lib. kyushu−u. ac. jp/igaku/index−j.html)にコレクションの総索引も掲
載している。
また、和書に関しては、作成中の仮目録を上記のウェブサイトで公開し、その中の数冊には
解説文や画像資料も付け加えた。
九州大学開学記念関連行事として、平成13年5月7日∼12日にかけて行われた附属図書
館医学分館の展示において書籍の一部を公開した。そのうち何冊かは、解説などを添え、医学
分館の展示室で常設展示されている。
一 13 一
ィ
ρ
,
卜
!吹川子分館所蔵口市"
nK
件北川による
﹃
山身体の内 MM
恒
民
.
図1
附属図書館医学分館の展示会(平成 13年 5月 7日から 12日)
-14ー
7 1Cタグによる図書館運用に関する調査研究
室 員 藤崎 清孝(システム情報科学研究院 助教授)
担当部署 情報サービス課情報サービス第一掛長
〈研究開発概要〉
九州大学附属図書館における図書貸出/返却窓口の作業の効率化、図書検索時間の短縮、無
人ゲートによる入退館管理など、図書館サービスの拡大を目指したrr化推進のために、 Icタ
グを用いた図書館運用に関して研究調査を行う。
〈研究開発の内容〉
図書館業務の電子化、自動化を進めていく上で、蔵書管理の電子化は重要な役割を持つと考
えられる。非接触型のICタグ(Radio Frequency Identification Tag:以降RFID)は・そのキーと
なる技術の一つであり、このRFIDを蔵書に貼り付けることにより、蔵書に特別な装置を接続
することなく、その蔵書の情報を読み出したり、それに関連した情報を書き込んだりすること
が可能となる。
また、この性質を利用することで、現在、タトルテープを用いて実現されている盗難防止機
能とバーコードによる蔵書情報の読み出しを行う作業をこのRFID 1つで実現可能となる。こ
の結果、(D図書貸出/返却窓口の作業の効率化、(2)図書検索時間の短縮、(3)無人ゲート
による入聖運管理、(4)蔵書管理の効率化が期待される。
今年度は、このICタグを導入した図書館の1つである宮崎県東臼杵郡北方町の北方町立図書
館を視察し、RFIDシステムの導入状況及び運用における問題点などについて調査を行った。更
に、このRFIDシステムの開発及び販売に取り組んでいる幾つかの企業からシステムの現状に
ついてヒアリングを行った。この結果、現状のシステムでは、日本の電波法の制限により、端
末とタグが通信できる距離が非常に短く、このため、(1)ゲートを通過する図書の検出能力を
上げることができない、(2)書架が鉄製の場合、書架により電磁エネルギーが吸収され、配架
されている図書の読み取り能力が大きく低下するという問題点があることが明らかになった。
更に、この技術が新しいこともあり、現在流通している製品の具体的な耐久性が不明であり、
耐用年数は概ね10年程度という回答の企業がほとんどであった。また、タグの単価が高く、メ
ーカー間でタグに互換性が無いということも明らかになった。この互換性の問題は、本学の附
属図書館の様に、大規模な蔵書管理を必要とする場合に大きな問題となる。
現在、このRFIDについては、国際機関による規格化が図られているが、最終的に1つの規
格に落ち着く可能性は低く、どのメーカーの仕様がデファクトスタンダードになるのかを予測
することは難しい。RFIDシステムには、図書館の蔵書管理以外にも、無人自動精算システム、
製品の在庫及び配送管理、空港などの手荷物管理、宅配便管理、ビデオやCDなどのレンタル
品管理など、様々なサービス分野での利用が期待されている。しかしながら、現在のRFIDシ
ステムはこの様な状況であり、このシステムを活かしたこれらの全ての応用を熟すには、シス
テム自体がまだ未成熟の段階であると言わざるをえない。電波法の規制の緩和やタグ仕様の標
準化も含め、今後の発展を期待するところである。
来年度は、九州大学の移転を睨んで、具体的に現在販売されているRFIDシステムの1つを
一 15 一
ベースに、この開発企業との共同研究により、実際の図書館運用の中で既存のシステムによる
試験及び評価と改良を行い、新キャンパスに設置される附属図書館の基本運用管理システムと
して最適なRFIDシステムの開発へとつなげていく計画である。
一 16 一
8 レファレンス事例検索システムに関する調査研究
【インターネット上の書誌情報からの情報獲得について】
室 員 有村 博紀(システム情報科学研究院 助教授)
担当部署 情報サービス課参考調査掛長
〈研究開発概要〉
「レファレンス事例検索システム」は、九州大学附属図書館におけるレファレンス業務支援
のために、過去の事例を蓄積し、今後のサービス提供に役立てるためのレファレンス事例検索
システムの構築に関する情報収集と調査研究を行うことを目標としている。電子図書館におけ
るレファレンス業務支援の基本は。日常的なレファレンス業務を通じて業務情報を再利用可能
な形で収集・蓄積・再構成し、それを日常業務における利用者支援のために活用することであ
る。業務情報の蓄積・再利用によって。利用者支援、新人教育、利用者の潜在的要求の発見な
どを効率よく行える。そこで、本学においては、九州地区大学図書館協議会の各図書館とも連
携し、今後の図書館の電子化に対応できるシステムの実現を目指してきた。一方で、蓄積され
たレファレンス業務支援のための業務情報は、一般に非定形かつ大量のテキスト情報であるた
め、現在のデータベース技術と情報検索技術だけでは、そこから有用な情報を獲得することが
難しい。そこで、本年度は、このような非定形テキストデータから効率よく情報を抽出するた
めの基礎研究と、技術調査を行った。
〈研究開発の内容>
1.ウェブ上の書誌情報獲得のための基本手法の開発
長期的には、図書館の日常的活動から必要な利用者支援情報が蓄積されることが望ましい。
しかし、事例検索システムの初期稼動時期においては、十分な利用者情報を得ることが難し
い。書評情報や読書サークル、一般人の読書リスト情報等を対象に、インターネット上で公
開されている各種の情報から、必要な情報を大量に収集するための基礎研究をおこなった。
そのために、少数のウェブページ上で利用者が例を用いて切り出したい部分を指示すること
で、同種の大量のページから必要な情報を抽出する半自動的な手法を開発し、従来手法より
よい結果を得た。
2.半構造データからの特徴抽出法の研究
図書館の電子化と情報共有の標準化にともない、XMLやRDFなど半構造データとしての
情報の蓄積が盛んになると予測される。これらの半構造データを活用する方法については、
膨大なデータから、基本的な構造を抽出したり、その概要を取り出す作業が欠かせない。そ
こで、XMLデータ形式で格納された大規模データを対象に、きわめて高速にその頻出部分構
造や、指定された統計値を最適化する構造を見つける手法を開発した。インターネット上の
論文書誌情報データと映画情報データのデータの解析に試験的に適用し、性能を調査中であ
る。この技術は、自由文形式アンケートやウェブ上の自由形式文等に適用することで、利用
者の潜在的傾向や要求の解析に使えると考えられる。
3.半構造データ向け軽量検索エンジンの研究
現在までの調査・開発を進める中で、レファレンスサービス等、XML等の半構造データ用
一 17 一
いた非定形業務では、半構造データに対する簡便かつ高速・柔軟な検索が行える検索システ
ムが必要であることがわかってきた。そのため、システム情報科学研究院の竹田正幸助教授
および篠原歩助教授と共同で、この種の小規模から中規模応用に必要な機能を提供する半構
造データ検索システムの研究を開始した。
(
a
) ウェプからの情報抽出実験:ページ
(
b
) インターネット映画 DBの XML
データから発見された構造
加
制
・
・
個
-.・
耐
.1..,
..
‘
・
・
.・
伺
.惜
.の
u4
,
・
句
a
.'
・
・
,
n
.
.
.
.
.
.
.
幡町田‘由耐"1:Io
"1
h・国同3官・
Il
胸
叫
幅
句
碑
眠
・
・
圃
"' . .
9
崎園川.
r
_
・詞 2ゐ
・d
00
lJ1 3
)c(
オンライン論文書誌情報データ
)d(
ベース
ページの構造を抽出したもの。
この情報から、ページ中の書誌情
報の切り出し等ができる。
川蝿,.。噌
・"...
"uo
町民呼
n
m
v
IV研究圃翻室墨璽皇
席
時者事
日出議
平成8年度第1回
平成9年1月9日(木) 11:00∼13:00 館長室
小山(研究開発室長)、竹田、柳原、中野(室員)
予算について
研究開発状況について
平成9年度の研究開発事項について
その他
日出議
席
時者事
平成9年度第1回
平成9年9月4日(月) 10:30∼12:00 館長室
小山(研究開発室長)、竹田、柳原、中野(室員)
予算について
海外大学図書館の視察計画について
研究開発状況について
その他
平成9年度第2回
日 時
平成9年12月22日(月) 11:00∼13:00 館長室
出席者
小山(研究開発室長)、竹田、柳原、中野(室員)
議 事
1 国文学関係資料画像データベースの公開について
「大和物語」、「伊勢物語」、「建礼門院右京大夫集」
2 海外大学図書館の視察について(報告)
3 その他
平成9年度第3回
日 時
平成10年3月24日(火) 11:00∼13:00 館長室
出席者
小山(研究開発室長)、竹田、柳原(室員)
議 事
17∼18世紀国際法・国制史コレクションデータベースの公開について
国文学関係「扶桑名勝図」の画像データベースの公開について
平成10年度研究開発事項について
その他
一 19 一
平成10年度第1回
日 時 平成10年7月6日(月) 13:30∼15:30 館長室
出席者 有川(研究開発室長)、竹田、中野、今西、柳原(室員)
議 事 1 平成10年度研究開発計画について
2 奨学寄付金の受入について
3 その他
平成10年度第2回
日 時 平成10年10月28日(水) 10:00∼11:30 館長室
出席者 有川(研究開発室長)、竹田、中野(室員)
議 事 1 予算について
2 研究開発及び調査研究の動向について
3 研究開発室研究会の開催について
4 その他
平成10年度第3回
日 時 平成11年2月22日(月) 15:30∼17:00 会議室(新館4階)
出席者 有川(研究開発室長)、竹田、中野、今西、柳原(室員)
議 事 1 ソウル大学校中央図書館との交流協定について
2 平成10年度研究開発の進捗状況について
3 その他
一 20 一
※平成11年度より「研究開発室懇談会」を「研究開発室会議」と名称変更
平成11年度第1回
日 時 平成ll年4月12日(月) 13:30∼ 館長室
出席者 有川(研究開発室長)、竹田、今西、柳原、松原、吉田(室員)
議事 1会議名称の変更について
2 平成11年度研究開発事項について
3 選考委員会について
4 その他
平成11年度第2回
日 時 平成11年5月17日(月) 10:00∼ 館長室
出席者 有川(研究開発室長)、竹田、今西、柳原、松原(室員)
議 事 1 附属図書館研究開発室助教授候補者の選考について
2 その他
平成11年度第3回
忌日 時 平成12年3月22日(水) 15:00∼ 館長室
出席者 有川(研究開発室長)、南、竹田、今西、吉田(室員)
議 事 1 平成11年度研究開発の進捗状況について
2 平成12年度研究開発事項(案)について
3 その他
平成12年度第1回
日時平成12年4月22日(水)15:00∼館長室
出席者 有川(研究開発室長)、南、竹田、今西、吉田(室員)
議 事 1 平成11年度研究開発の進捗状況について
2 平成12年度研究開発事項(案)について
3 その他
平成13年度第1回
日 時 平成13年5月ll日(金) 15:30∼ 館長室
出席者 有川(研究開発室長)、松尾、南、今西、吉田、山野、藤崎、有村(室員)
議 事 1 平成13年度研究開発事項(案)について
2 その他
一 21 一
平成13年度第2回
日時平成13年IO月15日(月)13:00∼館長室
出席者 有川(研究開発室長)、松尾、喜田、南、山野、藤崎、有村(室員)
議 事 1 平成13年度研究開発事項の進捗状況について
2 その他
一 22 一
1/3
事 項
九州大学附属図書館研究開発室に係る研究開発の総括
概 要
大学における学術情報の収集、加工、蓄積、提供及びその他図書館が行う学習・教育・
、究支援活動の改善に関する事項のうち、九州大学附属図書館研究開発室において行う
ロ題を指定し総括する。
室 長
有川節夫(附属図書館長、システム情報科学研究院教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
山田律子(情報システム課図書館専門員)
事 項
図書館の将来計画に関する調査研究
概 要
九州大学附属図書館としての将来計画、特に、元岡地区への移転統合、国立大学の独立
s政法人化における図書館のあり方等、図書館の将来計画について調査研究する。
室 員
藤田昌也(附属図書館副館長、経済学研究院教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
濱崎修一(情報管理課長)
事 項
九州大学附属図書館における電子図書館システムの研究開発
1
2
概 要
3
電子図書館化推進のための基礎及び実用化に関する研究を行う。特に、図書目録カード
フイメージデータによる書誌情報検索支援システムの総合的支援システムの実用化に重
_をおいた研究開発を進める。
@その他、参考調査業務支援システム等の電子的情報収集・検索システム、ICタグを
?pした図書館機能の電子化・自動化、図書館サービスのパーソナル化、書誌情報の遡
y入力支援システムなどに関して、要素技術からその適用システムに至る研究を推進す
驕B
室 員
松尾文碩(情報基盤センター長、システム情報科学研究院教授)
?c拓也(研究開発室講師)
?@俊朗(研究開発室特別研究員 九州情報大学教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
服部綾乃(情報システム課電子情報掛)
ャ川 稔(情報基盤センター電子図書館掛長)
一 23 一
2/3
事 項
九州大学附属図書館所蔵の貴重資料の画像及び書誌データベース作成に関する研究開発
概 要
九州大学附属図書館で所蔵する貴重資料の画像及び書誌データベース作成に当たっての
ホ象資料の選定、入力方式、表示方式、検索法等に関する研究開発を行う。
室 員
今西裕一郎(人文科学研究院教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
園田國昭(情報サービス課図書館専門員)
事 項
九州大学附属図書館所蔵の古書・文書データベース構築に関する調査研究
概 要
古書・文書整理検討委員会から出された報告書(平成9年2月)に盛り込まれた検討の後
受け、九州大学附属図書館及び各部局毎に分散所蔵している古文書類の一元化された
レ録データベースを作成、電子化するための方策等について具体化するための調査研究
4
行う。
5
室 員
吉田昌彦(比較社会文化研究院教授)
{崎克則(総合研究博物館助教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
園田國昭(情報サービス課図書館専門員)、堀之口三教(六本松分館受入掛長)
事 項
統合移転後の新図書館建設に関する調査研究
概 要
九州大学のキャンパス移転後の新図書館建設計画に向けて、新図書館の設計等、理想的
ネ大学図書館を建設するための調査研究を行う。
室 員
山野善郎(人間環境学研究院助教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
栗山 平(情報管理課課長補佐)、昌子喜信(情報管理課企画掛長)
事 項
韓国との間における図書館間交流の推進に関する調査研究
概 要
九州大学附属図書館は、平成11年度の韓国ソウル大学校中央図書館に続き、平成14
N度に慶北大学校中央図書館との間に図書館間交流協定を締結することを計画してい
6
驕Bそこで、これらに関する具体的な計画立案と実施に関する調査研究を行う。
7
室 員
松原孝俊(言語文化研究院教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
栗山 平(情報管理課課長補佐)
一 24 一
3/3
事 項
医学分館所蔵貴重古医書のデータベース化及び医史学的、書誌学的な調査研究
概 要
曹ェ含まれている。平成11年度は総長裁量経費により再調査、整理作業を行い、平成
P2年度から平成13年度まで具体的に調査研究を行っている。引き続き、これの遡及
工学部旧保存書庫収蔵の医学部蔵書中には、先達の収集になる多数の16.19世紀の貴重
レ録、データベース化による公開を促進し、併せてコレクションとしての医史学的及び
綜所w的な資料価値等に関する調査研究を行う。
8
室 員
Wo㎏a皿g Miche1(言語文化研究院教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
井上久宏(医学分館図書館専門員)
事 項
ICタグによる図書館運用に関する調査研究
概 要
ウ人ゲートによる入出者管理など、図書館サービスの拡大を目指した1T化推進のため
ノ、ICタグを用いた図書館運用に関して調査研究を行う。
室 員
藤崎清孝(システム情報科学研究院助教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
安永振一郎(情報サービス課情報サービス第一掛長)
事 項
レファレンス事例検索システムに関する調査研究
九州大学附属図書館における図書貸出/返却窓口の作業の効率化、図書検索時間の短縮、
9
概 要
10
九州大学附属図書館におけるレファレンス業務支援のために、過去の事例を蓄積し、今
繧フサービス提供に役だてるためのレファレンス事例検索システムの構築に関する情報
繒Wと調査研究を行う。とくに、九州地区大学図書館協議会の各図書館との連携も考慮
オ、今後の図書館の電子化に対応できるシステムの実現法について調査研究を行う。
竹田正幸(システム情報科学研究院助教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
原田紀子(情報サービス課参考調査掛長)
事 項
ホームページ等、附属図書館広報活動における英文化に関する調査研究
概 要
ホームページをはじめ附属図書館が行う各種の広報活動について、国際化に対応できる
p文化を図り、より国際的な視点から調査研究を行う。
室 員
Cobbing Andrew(留学生センター教授)
期 間
平成14年4月1日∼平成15年3月31日
担当窓口
昌子喜信(情報管理課企画掛長)
11
室 員
一 25 一
九州大学附属図書館研究開発室の設置について
(平成8年2月20日評議会決定)
(平成11年5月21日評議会改正)
(平成12年3月23日評議会改正)
一 設 置
九州大学附属図書館に研究開発室を置く。
二 目 的
研究開発室は、大学における学術情報の収集、加工、蓄積、提供及びその他図書館が行
う教育研究支援活動の改善に関する事項のうち、附属図書館長が指定する課題について研
究開発を行い、もって高度な図書館サービスの実現に寄与することを目的とする。
三 室 長
1 研究開発室に室長を置き、附属図書館長をもって充てる。
2 室長は、研究開発室の業務を総括する。
四 室 員
1 研究開発室に室員を置く。
2 室員は、指定された課題について研究開発を行う。
3 室員は、本学の教官のうちから、附属図書館長の推薦に基づき、総長が任命する。
4 室員の任期は一年とし、再任を妨げない。
五 事 務
研究開発室の事務は、附属図書館情報管理課において処理する。
六 その他
この決定に定めるもののほか、研究開発室の運営に関し必要な事項は、室長が定める。
附 記
1 この決定は、平成13年4月1日から実施する。
2 研究開発室は、平成13年4月1日から平成18年3月31日までの間存続するもの
とする。ただし、同室の業務の成果の評価を踏まえて見直しの上、平成18年4月1日
以降も存続する必要があるときは、適切な時限を設けて、評議会の了承を得るものとす
る。
一 26 一
九州大学附属図書館研究開発室要項
(平成8年3月19日附属図書館商議委員会承認)
(趣 旨)
1 この要項は、「九州大学附属図書館研究開発室の設置について」(平成8年2月20日評議
会決定)に定めるもののほか、九州大学附属図書館研究開発室(以下「研究開発室」とい
う。)の運営に関し必要な事項を定めるものとする。
(研究開発)
2 附属図書館長は、研究開発事項及び期間を定め、研究開発事項に適した者を室員として
選抜するものとする。
(総長への室員の推薦)
3 附属図書館長は、総長に室員を推薦するにあたり、室員が所属する部局等の長の承諾を
得るものとする。
(研究開発成果等の報告)
4 研究開発室長は、研究開発の成果及び進捗状況を適宜商議委員会等に報告するものとす
る。
(運営経費)
5 研究開発室の運営に関する経費は、附属図書館の予算上可能な範囲で支弁するものとす
る。
(その他)
6 この要項に定めるもののほか、研究開発室の運営については、研究開発室長の定めると
ころによる。
(実 施)
7 この要項は、平成8年4月1日から実施する。
一 27 一
V皿,沿箪。圓誌
1996N2002
平成8年2月20日
評議会において「九州大学附属図書館研究開発室の設置について」決定
3月19日
附属図書館商議委員会において「九州大学附属図書館研究開発室要項」承
認
4月1日
研究開発室設置
6月1日
研究開発室員総長発令(竹田正幸大学院システム情報科学研究科助教授、
柳原正治法学部教授、中野三敏文学部教授)
11月19日
九州大学の新図書館情報システムの披露葦囲及びデモンストレーションを
開催(研究開発の成果を披露、OPAC横断検索システム、 CD−ROMサー
バシステム、画像検索システム、全文検索システムなど)
於:九州大学中央図書館視聴覚ホール
ll月29日
竹田正幸室員による講演『電子図書館を超えて』(平成8年度福岡県・佐
賀県大学図書館協議会福岡地区第2回研究会)
於=九州大学中央図書館会議室
平成9年1月9日
研究開発室懇談会(第1回)開催 於:館長室
3月18日
研究開発室員を講師として図書館職員研修会を開催
竹田正幸室員『情報検索と図書館』
柳原正治室員『欧米及び日本の「外交史料館」について』
中野三敏室員『坂本書誌学の諸問題』
4月1日
平成9年度研究開発事項として前年度研究開発事項及び研究室員を継続
ESAKIA全文データベースをWWWサーバーにより公開
5月1日
附属図書館研究開発室の概要 1996−97発行
9月4日
研究開発室懇談会(平成9年度第1回)於:館長室
11月15日
米国大学図書館視察(柳原研究開発室員、末次情報管理課課長補佐。シカ
ゴ大学図書館、アメリカ図書館協会本部など視察。大規模大学図書館の組
織・運営・サービス、電子図書館化、研究開発機能等の実態調査のため。
11月22日まで)
12月1日
国文学関係貴重資料「大和物語」「伊勢物語」「建礼門院右京大夫集」画像
データベースをWWWサーバーにより公開
12月22日
平成10年2月1日
研究開発室懇談会(平成9年度第2回)於:館長室
「17∼18世紀国際法史・国財史コレクション」データベースをWWWサ
ーバーにより公開
一 28 一
3月24日
研究開発室懇談会(平成9年度第3回)於:館長室
4月1日
研究開発室総長発令(竹田正幸大学院システム情報科学研究科助教授、
柳原正治法学部教授、中野三敏文学部教授、今西裕一郎文学部教授)
4月1日
附属図書館研究開発室の概要 1997−98発行
4月1日
国文学関係貴重資料「扶桑名勝図」画像データベースをWWWサーバー
により公開
7月6日
研究開発室懇談会(平成10年度第1回)於:館長室
10月28日
研究開発室懇談会(平成10年度第2回)於:館長室
11月9日
秦ソウル大学校中央図書館長による講演『情報化時代における韓日文化交
流と大学図書館の役割』於:視聴覚ホール
11月9日
研究開発室研究会 於:中央図書館会議室
ソウル大学校中央図書館と九州大学附属図書館における電子化の状況につ
いての報告と意見交換
平成ll年2月22日
研究開発室懇談会(平成10年度第3回)於:館長室
3月26日
ソウル大学校図書館との図書館間交流協定締結 於:ソウル大学校
4月1日
研究開発室総長発令(竹田正幸大学院システム情報科学研究科助教授、
柳原正治大学院法学研究科教授、今西裕一郎文学部教授、松原孝俊 言
語文化部教授、吉田昌彦大学院比較社会文化研究科教授、)
4月1日
附属図書館研究開発室の概要 1998−99発行
4月12日
研究開発室会議(平成11年度第1回)於:館長室
5月10日
松原孝俊室員による開学記念貴重文物展観「韓国を知る、日本を知る」一
江戸時代から21世紀の国際交流を考える一5月16日まで
有川室長講演(日本医学図書館協会シンポジウムパネル討論「情報の検索
から知識の発見へ」於:アクロス福岡)
5月ll日
松原孝俊室員による公開講演会「命を五年縮候」一雨森芳洲と日韓文化交
流一
5月17日
研究開発室会議(平成ll年度第2回)於:館長室
5月27日
有川室長講演(国立大学図書館協議会「図書目録カードのイメージ化とそ
の検索」於:東京大学附属図書館)
7月1日
研究開発室南俊朗助教授発令(教官定員運用による、大型計算機センター)
7月21日
有川室長講演(名古屋大学図書系職員研修会「情報学研究と大学図書館」
於:名古屋大学附属図書館)
10月31日
東南アジア大学視察(柳原研究開発室室員、栗山情報管理課課長補佐、益
森電子情報掛長。国立シンガポール大学、チュラロンコン大学及びタマサ
ート大学図書館など視察。東南アジアにおける電子図書館化の現状、英語
一 29 一
以外言語使用国における電子図書館化及び組織・運営・サービス・予算等
の実態調査のため。ll月5日まで)
平成12年1月26日
有川室長講演(熊本大学学術講演会「九州大学における情報基盤センター
への期待」於:熊本大学附属図書館)
3月1日
有川室長講演(九州大学附属図書館講演会「九州大学附属図書館の中・長
期目標について」於:九州大学附属図書館)
3月22日
研究開発室会議(平成ll年度第3回)於:館長室
3月24日
有川室長、今西室員、佐田事務部長ソウル大学校中央図書館訪問
3月31日
国文学関係貴重資料「源氏物語」画像データベースをWWWサーバーに
より公開
4月1日
研究開発室総長発令(竹田正幸大学院システム情報科学研究科助教授、
柳原正治大学院法学研究科教授、今西裕一郎文学部教授、松原孝俊言
語文化部教授、吉田昌彦大学院比較社会文化研究科教授、Wolfgang Michel
言語文化研究院教授)
4月1日
附属図書館研究開発室の概要 1999−2000発行
5月8日
今西室員による開学記念貴重文物展観「平安朝文学入門」一竹取・伊勢・
源氏の世界一5月14日まで
5月ll日
今西室員による公開講演会「平安朝文学の楽しみ方」
5月29日
研究開発室会議(平成12年度第1回)於:館長室
6月16日
ソウル大学校中央図書館を訪問(今西室員、田中情報サービス課長、山田
情報システム課図書館専門員)
6月27日
アメリカ合衆国カリフォルニア州立大学バークレー校、スタンフォード大
学を訪問(今西室員、中野三敏九大名誉教授、古賀情報サービス課図書館
専門員が、和漢書書誌調査、図書館運営の実態等を調査。7月2日まで)
7月6日
文学部及び九州文化史研究所の図書目録カード約50万枚を新たに入力し、
イメージデータによる図書目録検索システムをさらに充実させ公開
8月1日
Yamanoue, T., Minami, T. and Ruxton, 1.: Using the WebLEAP(Web
Language Evaluation Assistant Program) to Write English Compositions,
FLEAT IV(The Fourth Conference on Foreign Language Education and
Technology), July 28 一August 1, 2000.
8月23日
有川室長講演(東北大学附属図書館講演会「九州大学における電子図書館
機能の拡充」於:東北大学附属図書館)
9月27日
南俊朗,栗田英和,有川節夫:イメージによる図書目録カード検索システ
ムー遡及入力問題の一解決法一,ディジタル図書館,ISSNI340−7287, No.
18, sep. 2000.
一 30 一
ll月8日
有川室長講演(国立情報学研究所公開講演会特別講演「情報学研究所への
期待」於:京都国際会議場)
11月10日
台湾大学呉明徳図書館長が来館し、「図書館の電子化と電子図書館に関す
る合同セミナー」を開催(有川室長のオープニングに続き、呉館長
rDevelopment of Degital Libraries in Taiwan」、南室員「Putting Old Date into
New System:Web.based Catalog Card lmage Searghing」、竹田室員「Air・and
SIGMA: Two EffTicient lnformation Renieval Systems at Kyushu University] .
篠原歩システム情報科学研究院助教授「Efficient String Pattem Matching
and Text Compression=The Dawn of a New Era」、有村博紀システム情報科
学研究院助教授「Discovery of㎞po貢ant Keywords in the Cybeerspa㏄」松
原室員により締めくくり。)
11月13日
2000年京都電子図書館国際会議におけるチュートリアル他(有川室長「大
学図書館と電子図書館の未来」、Toshiro Minami, Hidekazu Kurita, Setsuo
Arikawa rPutting Old Data into New System: Web−based Catalog Card lmage
Searchingl, Hiroki Arimura, Jun−ichiro Abe, Hiroshi Sakamoto, Setsuo
Arikawa, Ryoichi Fujino (ENICOM), Shinichi Shimozono (Kyusyu lnstitute
of Technology) rText Data Mining: Discovery of lmportant Keywords in the
Cyberspace」11月16日まで)
11月14日
Minami, T., Kurita, H. and Arikawa, S.: Putting Old Data into New
System: Web−based Catalog Card lmage Searching, Proc. 2000 Kyoto
International Conference on Digital Libraries(ICDL2000), pp.296−303, Nov.
2000.
11月17日
韓国高麗大学、梨花女子大学等を訪問(今西室員、山口情報サービス課掛
員、木村医学分館相互利用掛長、松田六本松分館閲覧掛長、阿部経済学部
図書掛長が視察し、韓国における大学図書館の電子図書館状況、利用サー
ビスの現況等を調査する。)
ll月18日
オーストラリア国立大学、モナッシュ大学を訪問(江藤雑誌情報掛員が九
州大学創立八十周年記念事業により、オーストラリアにおける大学図書館
のコンソーシアムの実態等について調査。11月25日まで)
ll月29日
松川伸一,南俊朗:図書目録カードイメージ入力のボトルネックー大量デ
ータの正当性を検証する一,ディジタル図書館,ISSNI340−7287, No.19,
Nov. 2000.
山之上卓,南俊朗,Ian Ruxton:文書作成支援のためのWWWコンコーダ
ンサー,第7回ソフトウェア工学の基礎ワークショップ(FOSE2000),Nov.
2000.
一 31 一
12月7日
有川室長講演(国立大学図書館協議会シンポジウム基調講演「オンライン
ジャーナルの導入と外国雑誌の収集体制の在り方」於:名古屋大学附属図
書館)
12月12日
Oda, M. and Minami, T.:From lnformation Search towards Knowledge and
Ski11 Acquisition with SASS, Proc・ 2000 Pacific Rim Knowledge Acquisition
Workshop(PKAW 2000), Dec. 2000.
平成13年1月10日
勉誠出版より「古活字版 源氏物語」全巻画像データベースー九州大学附
属図書館所蔵本一九州大学附属図書館研究開発室編 監修・解説 今西裕
一郎(人文科学研究院教授)CD−ROM発行
2月16日
韓国釜山大学、慶山大学、韓国中央図書館等を訪問(松原室員、園田医学
分館図書館専門員、田村情報サービス第二掛長、林田データベース掛長が
電子図書館化、データベース化の現状、利用サービスの実態等を調査)
3月7日
有川室長講演(東京大学附属図書館講演会「学習・教育・研究の基盤とし
ての大学図書館をめざして」於:東京大学附属図書館)
3月ll日
研究開発室会議(平成13年度第1回)於:館長室
3月20日
韓国ソウル大学校を訪問(有川室長、今西室員、南室員、高塩情報管理課
長がソウル大学校中央図書館との交流協定事業のひとつである、刊行物の
交換の一環として、ソウル大学校出版会と九州大学出版会の刊行物を相互
に寄贈交換することについての協議を行い、合意に達した。)
3月20日
有川室長講演(ソウル大学校中央図書館「Discovery of lmportant KeyWords
in the Cyberspace]
今西室員講演:(ソウル大学校中央図書館「古活字版源氏物語画像データベ
ース」)
南室員講演(ソウル大学校中央図書館「Putting Old Data into New System」)
10月15日
研究開発室会議(平成13年度第2回)於:館長室
平成14年1月7日
附属図書館講演会(研究開発室研究開発業務成果報告会)
1 プレゼンテーション
D 図書館と情報スキルアップ教育
一情報検索講習会報告と今後の展望一
喜田 拓也(研究開発室講師)
2) 図書館自動化&ディジタル化=電子図書館
一附属図書館における現状と展望一
南 俊朗(研究開発室特別研究員・九州情報大学教授)
3) RFIDを用いた図書館運用について
藤崎 清孝(研究開発室員・システム情報科学研究院助教授)
一 32 一
4) 古書・文書データベース構築に関する調査研究
吉田 昌彦(研究開発室員・比較社会文化研究院教授)
5) 統合移転後の新図書館建築に関する調査研究
山野 善郎(研究開発室員・人間環境学研究院教授)
皿 講 演
これからの大学図書館 有川節夫(研究開発室長、附属図書館長)
2月22日 韓国慶北大学校を訪問(有川室長、今西室員、松原言語文化研究院教授、
栗山情報管理課課長補佐が慶北大学校中央図書館との図書館間交流協定締
結のための協議を行い、締結に向けて相互に手続を推進することを確認し
た。)
また、慶北大学校からの要請により、有川館長が特講として「これからの
大学図書館」の講演を行い、この韓国語版もテキストとして後日配布され
た。
一 33 一
附属図書館研究開発室の概要
2001−2002(第6年次)
2002年4月1日発行
九州大学附属図書館
〒812−8581 福岡市東区箱崎6−10−1
電話 092(642)2324
Fly UP