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8.兵庫県南東部に少数点在している 外国人児童生徒への支援

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8.兵庫県南東部に少数点在している 外国人児童生徒への支援
8.兵庫県南東部に少数点在している
外国人児童生徒への支援
兵庫県南東部に少数点在している外国人児童生徒への支援
神戸三田外国人サポートの会
(旧:神戸三田外国人サポート・スマイル)
代表
本田
文代
[活動趣旨]
兵庫県南東部(神戸市北区、三田市、篠山市、丹波市等)には、外国籍や外国につなが
る日本国籍の子どもとその保護者が少数点在している。月 1 回の交流会を通して、同胞同
士や外国人同士の情報交換や心の安定を図る。
[開催日]
(交流会)6 月 7 日(日)、8 月 2 日(日)、9 月 6 日(日)、11 月 1 日(日)、11 月 28 日(土)、
12 月 6 日(日)、1 月 11 日(日・祝)、2 月 7 日(日)、3 月 11 日(土)計 9 回
(こども日本語教室)9 月~3 月
計 23 回
[開催内容]
交流会、中国人ママの集い、こどもにほんご教室
[参加者数]
(交流会)外国籍や外国につながる子どもと保護者 50 人、日本人やボランティア 65 人
(こども日本語教室)子ども のべ 64 人
大学生ボランティア
のべ 51 人)
[参加国籍]
中国、ペルー、ブラジル、フィリピン、スリランカ、ベトナム、日本
[事業を通しての成果]
・中国籍の中学生、高校生が集い、日本に来た当時の寂しい気持ちなどを母語で話すこと
で共感し、励ましあっていたこと。そして、学校生活の知恵や日本語習得の方法などを
教えあい、力をつけていったこと。
・中国人ママの集いでは、交通が不便な地域に住んでいるため、日頃、同胞同士集うこと
がないことや、地域住民との隔たりを感じながら寂しい思いをもって生活していること
がわかった。ママの集いでは、母語で話せるということで、日常生活の悩みや子どもの
教育について情報交換をしていた。そして、日本古来の嫁姑の考え方などを気軽に聞け
る人がいないという環境があり、集いが相談できる場所としても役割を果たした。集い
で話すことで、少し気持ちが楽になるということが、自分のためでもあり、また子育て
をするうえでも重要であることの理解が深まった。
・11 月 28 日は、外国人児童生徒とその保護者のための就学ガイダンスを行い、その交流
会の費用に助成金を使用させていただいた。交流会では、日本生まれの外国人の先輩や、
高校生で日本にきた外国人の高校生から様々な体験や夢の話を聞かせてもらったり、悩
みをうちあけ力強いアドバイスをもらうことができ、心がほっとしたのか笑顔も多く見
受けられた。
・外国人と外国にルーツをもつ子どもたちの日本語教室も 9 月から開催した。そこには、
― 299 ―
高校受験をするため日本語習得に来た 19 歳の中国人の女の子、日本国籍をで中国やフ
ィリピンにつながる子ども、合わせて 6 名が参加。日本語の教材を助成金で購入させて
いただき、大学生ボランティア 5 名が協力してくれた。教室を開催して良かったという
点は、中国につながる日本人の幼稚園児や小学生が、中国人の女の子と出会うことで「中
国」という国の文化(言葉や習慣)などに触れたこと。また、中国人の女の子は中国語
で挨拶をし、年下の子どもたちに中国の文化を伝えようとしてくれたこと。そして、友
だちがいないという孤独な状況も子どもたちと出会うことで力づけられ、年下の子ども
たちを可愛がることで、女の子の自尊感情が育まれているのを実感できたことは大きな
成果であった。
[反省点]
・公共交通機関が不便な地域に在住しているため、自家用車を保有している家族はほとん
ど見受けられない状況があり、交通費も往復千円以上かかるということから、継続的に
参加できる人がわずかであった。そのために、チラシの多言語版が英語と中国語の作成
しか出来なかった。
・子どもとママたちは、学校や地域ではマイノリティという存在でありながら、子どもた
ちが生活に必要な日本語を獲得しているので課題がないと思われており、外国人の母親
のことまでを学校で理解を深めてもらうとことが難しいことを感じた。理解があると、
学校と事業の連携も出来たのではないかと思われる。
[まとめ]
・国際結婚で日本にきた外国人女性と子どもたち。多様な背景を持ち日々生活をしている
なかで、自身の母国に触れる、ルーツをもつ人に出会うことで「エンパワメント」され
たこと。そのことにより、自分自身を好きになるという「セルフエスティーム」の重要
性を私たち日本人が学ぶことが出来たことは大変意義があった。今後、多文化共生社会
がますます進むであろうと思われる社会で、このような交流を通して、地域の住民同士
がお互いのことを尊重しあい、学びあうことが重要と感じた。
・子どもたちの日本語教室に大学生がボランティアとして参加することで、子どもと外国
人ママたちの気持ちを理解してもらえる機会を持てたことは、国際化社会を担っていく
人材育成の一端に貢献できたと考えている。この経験は、企業に就職した時などに外国
人従業員やその家族の福利というものを考えてもらえる視点にもつながっていくと感
じている。
[経費]
収
入
支
出
会 場 費
¥1,600
通 信 費
¥10,120
厚生事業団
交 流 費
¥9,847
交 通 費
¥18,000
助成金
消耗品費
¥16,201
教 材 費
¥33,622
印 刷 費
¥15,750
合
大同生命
合
計
¥100,000
¥100,000
― 300 ―
計
¥105,140
[活動の様子]
ペルーにルーツをもつ子どもたち
中国人ママの交流・中国語で情報交換
就学ガイダンスの交流会の様子
学校生活や受験の話などを
外国人の先輩から母語でアドバイス
大学生のお姉さんから
「さんだこどもにほんご教室」
漢字を教えてもらっている様子
中国につながる子どもたちで、ハイチーズ
― 301 ―
[チラシ]
さんだ地球っ子ひろば(日本語)
さんだ地球っ子ひろば(中国語)
さんだ地球っ子ひろば(英語)
就学ガイダンス(日本語・他7言語作成)
― 302 ―
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