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流行の善悪 最近、猫かふぇ、飼い猫、写真集と静かな猫ブームです。CM
平成 28 年 7 月 22 日 夏休み前全校集会講話 流行の善悪 最近、猫かふぇ、飼い猫、写真集と静かな猫ブームです。CMの世界では、 車を運転したり、刀をもったりした猫が脚光を浴びています。私自身は数十年 来の猫ファンなので、いまさらの猫ブームにやや不満です。とはいえ、いつの 時代にも、多くの人が同じものに熱中する現象、いわゆる流行がおこります。 多くの人が共通の趣味をもったり、同じような服装を身に付けることで、話 が弾んだり、多くの商品が売れたりするという良さもあります。しかし同時に、 流行は、みんなと同じ行動をとることを周囲に強制させたり、自分の頭で考え ることを放棄させたりする危険性も併せ持っています。 今から、30年ほど前に、中学生や高校生の男子生徒の間で、「短らん」と 呼ばれる極端に短い学生服が流行りました。不良少年ものの漫画やドラマが流 行し、主人公たちが来ていた学生服が「短らん」でした。 また今から、20年ほど前には、中高校生の女子生徒間でルーズソックスと 呼ばれる極端に太くてしわしわのソックスが流行りました。顔を黒く塗るガン グロとか、こギャル系と呼ばれる女性ファッションが流行し、街中モデルの方々 が雑誌の中で必ずはいていたのがこのルーズソックスでした。 現在のファッション感覚でいうと、あまり合理的な服装とはいえず、おしゃ れからほど遠いものでしたが、その当時の中学生、高校生は「短らん」や「ル ーズソックス」に異常なほど執着していました。 そこには「なぜ、これが良いのか」という論理的な理屈はなく、 「流行っている から、みんながこれだから、これでなければいけないから」という感情むきだ しの理由でした。 つまり、これが流行の危うさです。流行に流されると自分の頭で考え、理性 的に判断するという回路が切れてしまう場合があるのです。幸い現在の日本の 中学生・高校生の中で、服装や頭髪に関して、非合理的な主張を振り回したり、 流行に流されて自分の考えや判断を放棄したりする人は減ってきました。東中 には、そんな人は、全くいません。 それでは今の中学生・高校生の中に、流行に影響されて自分自身を見失いが ちな人は、本当にいないのでしょうか。残念ながら、スマホ等を使ったSNS の世界では、自らの正常な判断力を見失いがちになっている中学生・高校生が いるのではないかと私は思うのです。 ラインやツイッター上の友達の悪口、自分や友達の写真掲載、犯罪行為の動 画掲載、犯罪予告メールなどが、相変わらず減らない状態が続いています。 皆さんは、友達の悪口や仲間外しを呼びかける言葉をライン上に掲載してき ませんでしたか。ツイッターやインスタグラムに、友達の写真はもちろんのこ と、個人が特定される自分の写真や情報を掲載してきませんでしたか。 ラインやツイッター、インスタグラム等は、確かに便利なツールです。流行 の真最中です。だからこそ、自分の頭でしっかりと考え、判断し、もしも使用 するならば、自らも友達も傷つけないように、正しく使いこなすことが求めら れるのです。 明日から32日間の夏休みです。安易に流行にのることなく、 「何事も自らの 頭でじっくりと考え、正しく判断して行動できる東中生」という自覚をもち、 健康で有意義な時間を過ごしてください。 8月 24 日、元気な皆さんにお会いできることを楽しみにしています。