...

服飾美術学科 - 東京家政大学

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

服飾美術学科 - 東京家政大学
家政学部[板橋キャンパス]
服飾美術学科
服飾美術学科の特色
デザイン、服飾造形、服飾工
芸、服飾文化、流通・消費、
素材・加工・整理を統合した
カリキュラムのもとに、服飾
を科学とファッションの両面
からとらえ、アパレル業界・
教育界に貢献できる人材を
養成します。
207
取得できる資格
◦中学校教諭1種(家庭)
◦高等学校教諭1種(家庭)
◦学芸員
◦1級衣料管理士
◦2級衣料管理士
取得指導を行う資格検定
◦カラーコーディネーター検定
※色彩学、
色彩学実習等を履修し受験
◦パターンメーキング技術検定
※パターン設計、
立体裁断を履修し受験
◦ファッションビジネス能力検定
◦ファッション販売能力検定
◦商品装飾展示技能検定
※ビジュアルマーチャンダイジング論・
実習等を履修し受験
◦繊維製品品質管理士(TES)
資格検定
※毎年7月に実施される資格試験を受験
◦色彩検定
服飾美
美術
術学
学科
科
■
家政学部
学科のコンセプト
服飾に関する総合的カリキュラム
自然科学、
技術、
創造、
社会・歴史・文化など多面にわたる服飾の多くの分野を総合的・体系的に構成
豊富な実験・実習・演習科目
実際の服づくりの体験、繊維・布・染め・洗剤などの性質の把握のための実験、
アパレル企画やコンピュータ
グラフィックの実践など、
豊富な実験・実習・演習科目を通して得られる実力を育成
134年の伝統ある洋裁と和裁、
日本文化の伝承
洋服とともに日本文化を象徴する和服について、実際の製作・着装を通して学ぶことにより、
一人の日本人と
して世界に発信できる創造の基盤である教養をしっかり身につける
こんな人が向いています
● ファッション、
服づくり、
服飾文化、
衣の科学に強い関心をもつ人
● アパレル分野において専門家として社会で活躍したい人
●服飾に関心をもち、
教育現場で役立てたい人
主な就職先
平成27年3月卒業者 進路決定者 就職・進学状況
企画・開発、
縫製
中・高教諭等
7.3%
販売 10.3% 一般事務
10.3%
ファッションアドバイザー、
スタイリスト等
34.5%
商品・品質検査等
■ 主な就職先
5.5%
その他
3.6%
営業
4.2%
●中学校教諭:
【公立】群馬県、埼玉県③、上尾市
●高等学校教諭:
【私立】日本大学三島高等学校、
(学)武南高等学校
●大学助手:
(学)渡辺学園⑤
●衣料管理士:東京納品代行(株)
●商品・品質検査:東京納品代行(株)
、
(財)カケンテストセンター③、
(財)ボーケン
品質評価機構、
(財)日本繊維検査協会③
●スタイリスト:
(株)松枝衣裳店総本店
●企画・開発:助野(株)
、
(株)ワンピース、
(株)モンベル
●ファッションアドバイザー:
(株)三陽商会②、
(株)
イッセイミヤケ、
(株)エイ・ネッ
ト、
(株)
リンク・セオリー・ジャパン③、
(株)
ミキハウス③、
(株)アニエスベーサンライズ、
(株)
キャ
ン⑤、
(株)サンエー・インターナショナル、
(株)
ドゥニーム、
(株)
トゥモローランド、
(株)パ
パス、
(株)ユナイテッドアローズ②、
(株)三松②、
(株)東京芸夢、恵山(株)
、
(株)た
ちばな、
(株)ケーロス、
(株)
ジョイックスコーポレーション、
(株)パル、
(株)玉屋、
(株)F・
O・インターナショナル、
(株)
イング、
(株)デイ
トナインターナショナル、
(株)
ビームス、
(株)
AOKI②、
(株)
コナカ②、
(株)アーバンリサーチ、
(株)
レナウン、ジュングループ②、
(株)
進学
6.7%
4.3%
総合職
(営業)
10.9%
ブライダルアドバイザー
2.4%
アルページュ、
(株)
ロートレ・アモン、
(株)ヤマトインターナショナル、
(株)
たちばな、
(株)
ヤマダヤ、アイア(株)
、
(株)
あぶち、タダチ(株)
、
(株)ハミルトン②、ジャヴァグループ
●生産管理:田村駒(株)
●事務:
(株)第四銀行、城北信用金庫、東京東信用金庫、
トヨタウッ
ドユーホーム(株)
、
(株)
ジョイフルまるやま
●総合職(営業)
:
(株)
トンボ、東洋物産(株)
、アゼアス(株)
、クリケット
(株)
、
(株)
ドーム、丸高衣料(株)
、
(株)
しまむら、城南信用金庫、
(株)
ぐるなび
●販売:
(株)サマンサタバサジャパンリミテッド、
(株)ワコール(東京店)
、コーチ・ジャ
パン合同会社、
(株)カドリールインターナショナル、ユザワヤ商事(株)③、
(株)銀座
山形屋、
(株)三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズ
●ブライダル・その他:
(株)エスクリ、
(株)
トリート、
(株)アスティア、
(株)テイクアンド
ギヴ・ニーズ
●縫製:
(株)宝塚舞台、フクゾー洋品店
●公務員:人事院・厚生労働省、埼玉県警察採用センター、茨城県警察本部 他
208
学びの流れ
服飾造形
服飾工芸
デザイン
衣服を製作するための基本である身体の形態・構造について学び、
さらに運動による体長・体形の変化についても学ぶ。
洋服について
は、パターンメーキングと縫製の理論・技術を学び、個人を対象とし
たもの創りや既製服産業界でも活躍できるカリキュラムとなっている。
また、
日本の文化である和服の仕立てや、
着付けについても学ぶ。
刺繍、レース、ニット、織物、染
色などの服飾工芸の技術やデ
ザインを学びながら、創造性や
感性を磨く。
基礎デザインからファッション
に特化したアパレルデザイン
や企画まで、
またその表現方法
としてのファッションイラストや
CGなどの技術を学ぶ。
[ 基礎 ]
[ 応用 ]
● 服飾造形基礎
● 服飾造形Ⅱ∼Ⅳ
● 和服造形Ⅱ
・Ⅲ
● 服飾造形Ⅰ
● アパレル設計論
● 和服論
●
アパレル生産論
● 和服造形Ⅰ
● アパレル生産実習
● アパレル生理衛生論
● アパレルCAD
● パターン設計Ⅰ
・Ⅱ
● 立体裁断Ⅰ
・Ⅱ
● 機能アパレル論
● アパレル生理衛生実験
● 和装文化実習
[ 基礎 ]
● ニードルアートⅠ
● ニットⅠ
[ 応用 ]
● ニードルアートⅡ
● ニットⅡ
● 帽子
● 服飾工芸論
● テキスタイル実習(染)
● テキスタイル実習(織)
[ 基礎 ]
● 色彩学 ● 色彩学実習
● デザイン基礎概論
● 基礎造形実習
● アパレルデザイン論
● アパレルデザイン表現実習Ⅰ
● コンピュータグラフィックス基礎
[ 応用 ]
● アパレルデザイン表現実習Ⅱ
● コンピュータグラフィックス
● アパレルデザイン実習Ⅰ
・Ⅱ
● ファッションイラストレーション
● アパレル企画論
● アパレル企画実習
● ビジュアルマーチャンダイジング論・実習
服飾文化
素材・加工・整理
流通・消費
学芸員課程
デザイン・ソースの宝庫として
の日本とヨーロッパの服装の
歴史を社会・文化的背景とと
もに学ぶ。
衣料材料としての繊維や織物
の化学的性質、染色や加工の
科学や、洗濯や保存の科学を
理論と実験を通して学ぶ。
アパレル商品の流通・消費
やアパレル産業界での就職に
備えた基礎知識を学ぶ。
文化・歴史的資料の保存と
公開、および社会教育の場と
しての博物館における学芸員
の基礎を学ぶ。
[ 基礎 ]
● 被服繊維学 ● 被服材料学
● 繊維学実験Ⅰ
・Ⅱ
● 被服材料学実験Ⅰ
● 染色加工学
● 染色加工学実験
● 被服整理学
● 被服整理学実験
[ 応用 ]
● 被服材料学実験Ⅱ
● 繊維加工学実験
● 染色堅ろう度試験法
● 繊維製品の取り扱いに関す
る試験法
● 衣料用洗剤試験法
[ 基礎 ]
● 日本服飾文化史
● 西洋服飾文化史
[ 応用 ]
● 現代ファッション史
● ファッション文化論
● 民族服飾論
キャリアガイダンス
[ 基礎 ]
● ファッション販売論
● マーケティング論
● ファッションビジネス論
● 消費生活論
● 消費科学
● ケーススタディ
[ 基礎]
● 生涯学習概論
● 博物館概論
● 博物館経営論
● 博物館資料論
● 博物館資料保存論
● 博物館展示論
● 博物館教育論
● 博物館情報・メディア論
● 博物館実習
服飾総合
● 基礎教育ゼミナール
● ゼミナールⅠ
・Ⅱ
● キャリアガイダンス
● ファッションビジネス英会話
● テキスタイルアドバイザー実習
● 卒業研究
ゼミナール
卒業研究
取得できる資格
● 1級衣料管理士 ● 2級衣料管理士
取得指導を行う資格検定
● カラーコーディネーター検定
● 商品装飾展示技能検定
● 繊維製品品質管理士
(TES)
資格検定
●
中学校教諭1種(家庭) ● 高等学校教諭1種
(家庭)
● パターンメーキング技術検定
●
学芸員
● ファッションビジネス能力検定 ● 色彩検定
● ファッション販売能力検定
進
路
家政学部 服飾美術学科
取得できる資格
●
●
●
209
衣料管理士
学芸員
家庭科教員
●
●
一般企業
公務員
● ファッション
アドバイザー
● アパレル企画室
●
●
●
パタンナー
バイヤー
和裁士
●
●
大学院
専門学校
服飾美術学科の
アパレルデザイン表現実習Ⅰ・Ⅱ
ファッションデザイン表現の
感性と、基礎的な描法を学びます
ファッションデザイン画を描くため
の 感 性 と、 基 礎 的 な 技 術 ・ 描 法 の
習得が、この授業の目的です。ファッ
ションデザイン画 には 大 き く 分 けて、
( )従 来 の 全 身 デザイン画 と 呼 ば
れる比較的感性表現を目的とするも
の と、( )アパレル 業 界 で 使 用 頻
度の多い衣服のみのアイテムデザイン
画の2つがあります。
授業では、アパレル業界のニーズ
に対応するため、全身デザイン画で
は感性を根本としたデザインの具体
性のある表現方法を習得していきます。
そしてこれらの内容は、コンピュー
タグラフィックスに展開、連動する
基礎になります。
2
授業紹介
ンの変化を見ていきます。その後、
男性服・女性服を問わず、さまざま
なアイテムとシルエット・ディテー
ルについて、さらに品質や価格、取
り扱いに関して大きな決定要因とな
るマテリアルとテキスタイルについ
て学習します。デザインはデザイン
画によって表現・伝達されますが、
衣服デザインを構成する基本的な要
素を学習・理解すること
が新しいクリエーション
につながっており、実際
のデザイン表現を行うに
際し、基礎的な知識の習
得をこの授業の目的とし
ています。共通科目とし
て開講されているファッ
ションデザイン概論とと
もに履修すれば、より幅
広くデザインの基礎につ
いて学べるでしょう。
総 合 的なファッションデザイン教 育で
創 造 性 豊かな能 力を 育 成します。
アパレルデザイン論
衣服をデザインするに
あたっての基礎的な
知識を学びます
20
アパレルとは既製服の意味です
が、この授業では衣服デザインの基
本的な要素について学習します。衣
服デザインは、テクスチャー(色柄)、
マテリアル(材料)、フォーム(形)
とウエアリング(着こなし)によっ
て構成される立体造形であり、対象
となる着用者があってはじめて成立
するデザインです。したがって、社
会・環境などの影響を受けて時代と
ともに変化していきます。
授業では、流行性などの性質をも
つファッション商品の特徴について
学び、現代衣服の原型ができた 世
紀初頭から今日に至るまでのデザイ
1
もっと知りたい!
■ 私の好きな授業
ニードルアートⅠ
栗原 茜
服飾美術学科卒業 埼玉県立坂戸高校出身
澤田(株)勤務
ニードルアートの授業では、
前半に自由刺繍で欧風刺繍の基
礎を学び、デザインや構成を考
えながらランチョンマットを製
作しました。また後半は、ノル
ウェーの伝統工芸「ハーダンガー
ワーク」の基本的な技法を学び、
バッグやクッションカバーを製
作しました。
とくにハーダンガーワークでは、
さまざまなステッチの組み合わ
せによって幾何学模様を自由に
作り上げていくことに驚きまし
た。手芸が好きな人なら、ニー
ドルアートやニットの授業を履
修することで、新たな発見がきっ
と見つかることでしょう。
210
パターン設計Ⅰ・Ⅱ
パターン設計の基礎を学び、技術
検定3級取得の土台をつくります
美しいシルエットや着心地の良さ、
高い機能性を実現した衣服を製作す
るためには、パターン設計の高度な
技術が不可欠です。
「パ タ ー ン 設 計 Ⅰ」で は、原 型 か
ら各種スカート・身頃のパターン展
開を学習し、工業用パターンの知識
と作成方法、さらに衣服のパターン
をサイズ展開するグレーティング方
法の基礎などを学びます。
「パ タ ー ン 設 計 Ⅱ」で は、各 種
ア イ テ ム ご と の 原 型、カ ラ ー・ス
前半では、オペレーション練習のた
リーブのバリエーションを〝トワル
めに基本シルエットのスカートや複
チ ェ ッ ク〟(人 体 ダ ミ ー に シ ー チ ン
雑なデザインスカート等を、CAD
グで作成したアイテムを着せ、実際
を使ってパターンメーキングします。
の イ メ ー ジ と 照 ら し 合 わ せ る こ と)
後半からは、工業用ボディから作
しながら、服づくりの基礎・技術を
成した身頃原型をパターンスキャナ
習得していきます。
で取り込み、ブラウス原型を作成し
立体裁断と並行して学ぶことによ
ま す。ま た、パ タ ー ン メ ー キ ン グ 技
り、パターンメーキング技術検定3
術検定3級の課題になっている、シャ
級取得に向けての土台をつくります。 ツブラウスをパターンメーキングし
てマスターパターンとし、工業用パ
ターンを作成してグレーティング(パ
アパレルCAD
ターンのサイズ展開)やマーキング
( 生 地 上 に パ タ ー ン・型 紙 を 無 駄 な
く配置する布取りのこと)などにつ
いても学びます。
CADの基本オペレーションを
学び、技術検定3級の課題に
挑戦します
CADシステムとは、
コンピュータ支援設計
システムのこと。そし
て、アパレル産業のパ
ターン設計工程におい
て、重要なツールとし
て位置づけられている
の が「 ア パ レ ル C A D
システム」です。
授業では、アパレル
CADシステムの基本
オペレーションを習得
し、アパレルのパター
ン設計のプロセスと工
業用パターンについて
学んでいきます。授業
■ 私の好きな授業
服飾造形Ⅳ
渡辺 愛理
服飾美術学科卒業 新潟県立三条東高校出身
(株)アミリ 勤務
この授業では、重衣料のジャ
ケットの製作を一貫して学びま
す。これまでに履修した「服飾
造 形 Ⅰ ~ Ⅲ」で は、先 生 か ら
の修正の指示がたびたびあり、
ハードな日々が続きました。
しかし基礎が身についてきた
の で し ょ う か、「服 飾 造 形 Ⅳ」
では厚みのある素材の扱い方や
アイロンワークによるくせとり
方法、体形にあわせたシルエッ
トづくりなどをひとつずつ習得
し、一着のジャケットを完成さ
せることができました。
卒業後も作品を作り続けなが
ら、それらを販売する仕事につ
きたいと考えています。
家政学部 服飾美術学科
211
服飾造形Ⅰ〜Ⅳ
さまざまなアイテム製作を
通して洋服づくりに必要な
技術と知識を学びます
個人の体型にあわせた服を製作す
るのに必要な洋裁技術と知識をさま
ざまなアイテム製作を通して学んで
いきます。服飾造形Ⅰ、Ⅱでは基本
的な裁縫技術を学ぶとともに、裏付
きスカートとシャツブラウスの製作
を行います(高等学校および中学校
の家庭科教諭を希望する学生が、家
庭科の衣生活を指導していくのに
必 要 な 洋 裁 の 基 礎 を 学 び ま す)。Ⅰ、
Ⅱで学んだことを発展させて服飾造
形Ⅲではワンピースドレスとパンツ
の製作、服飾造形Ⅳではジャケット
の製作を行います。それぞれの実習
を通して①衣服設計のための材料の
選択、②パターン設計の理解、③基
礎的な縫製技術の習得、④着装評価
の良否、⑤人体と衣服との関連への
理解を深めます。
和服造形 Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
身近な日本文化である
和服構成の基本を学びます
世 界 的にファッションの 均 質 化 が
進んでいると言われますが、それぞれ
の国、都 市には独 特の文 化が存 在し
ています。和服は、美しい自然から生
み出された洗 練された民 族 服で、大
切な 日 本 文 化のひとつです。和 服の
もつ美しさ、合 理 性、機 能 性 はこれ
までヨーロッパ世界に強い印象を与え、
ファッションデザインに大きな影響を
与え続けてきました。身近な日本文化、
伝 統の理 解と日 本 人ならではの服づ
くりの発 想 源のために、和 服 造 形を
学ぶことが必要です。
■ 私の好きな授業
■ 私の好きな授業
アパレル生 産 実 習
白井 菜月
ニットⅠ・Ⅱ
加藤 万結
服飾美術学科卒業 私立朋優学院高校出身
東京家政大学大学院へ進学
この授業では、アパレルの企
画からデザイン・設計、縫製を
経て流通までの、主な流れと要
点を学ぶことができます。
なかでも勉強になったのが、
自分たちで「シャツ・ブラウス」
の商品企画から設計・価格計算・
製作までを担当するとともに、
それを地元の商店街で実際に販
売したという経験です。お客さ
まの声をお聞きしながら、今後
工夫すべきところや商品企画の
アイデアなどをつかむことがで
きました。
現在は、繊維産業分野での研
究職を目指して、大学院で「繊
維科学」を探究中です。
服飾美術学科卒業
東京都立三田高校出身
(学)渡辺学園大学助手
(P・467でも紹介しています)
ニットⅠでは、棒針編みとか
ぎ針編みでの服飾小物の製作を
通じて、編み方の基礎を学びま
した。ニットⅡでは、プルオー
バー(袖付き)の製作を通じて、
ニットファッションの基本的な
技法を習得しました。
授業以外の思い出としてあげ
ら れ る の が、「ド リ ー ム プ ラ ン
奨学金」を利用して開催した合
同展示販売会です。これはイン
スタレーション(展示空間の壁
や床に立体作品を設置する表現
法)とファッションショーを合
体させたもので、友人や先生な
ど多くの方のご協力のおかげで
成功させることができました。
212
和服造形Ⅰでは、和服構成の基本
であるゆかたの製作、Ⅱでは生地に
適した仕立て方の習得、Ⅲでは積み
重ねてきた基礎知識、技術をもとに
袷仕立てなどを学んでいきます。実
習を通して和服独自の直線を主体と
する構成方法と製作した作品の着装
方 法 を 学 び、衣 生 活 へ の 応 用 力 を
養っていきます。
繊維学実験Ⅰ・Ⅱ
染色加工製品の商品企画や消費性能、
います。
さらにクレーム処理に必要な知識を、
この授 業では、繊 維 学 実 験 Ⅰにお
いて顕微鏡観察や密度測定、燃焼性、 さまざまな実験によって習得します。
溶 解性などによる繊 維の鑑 別を学び、 「染 色 加 工 学 実 験」で は、染 色 加
工学の授業で学んだ基礎知識を、実
その後、繊 維 学 実 験 Ⅱにおいては 各
際に染色実験を行うことで、染色の
種 繊 維の取 り 扱い技 術について学 習
諸性質や浸染、擦染、染色堅ろう度
します。とくに、布に含まれる繊維を
などについて理解を深めます。
調べる繊維混用率実験は繊維製品を
「染 色 堅 ろ う 度 試 験 法」で は、1
取り扱ううえで基礎となる重要な実
級・2級衣料管理士としてアパレル
験に位置づけています。さらに、測定
関連企業や検査協会等で活躍すると
機器の原理と操作も習得します。
きに求められる、消費性能やクレー
ム処理等に関する高度な知識を習得
していきます。
染色加工学実験・
染色堅ろう度試験法
繊維製品の取り扱いに関する試験法
ともに、繊維製品の性能試験法を習
得し、繊維製品を正しく取り扱うた
めの基礎知識を身につけることが、
大きな目標です。
ファッション文化論
政治・社会・文化などの側面から
ファッションを複合的に考察
213
繊維製品の性能を理解すると
ともに試験法を習得し、正しく
取り扱う力を身につけます。
~ 世紀にスポットを当てて、
政治・社会・経済・文化などの側面
からファッションを考察します。
た と え ば「ロ コ コ 文 化 と フ ァ ッ
ション」では、 世紀のファッショ
ンの頂点からその凋落までを学び、
「革 命 と フ ァ ッ シ ョ ン」で は、フ ラ
ンス革命や産業革命がファッション
に及ぼした影響について考察します。
また、「ブルジョワ社会とファッショ
ン」では、ダンディズムやロマン主
義、市民階級の女性ファッションに
お け る 貴 族 趣 味 に つ い て 学 び、「産
業とファッション」では、オートク
チュールの出現やデパートの成立、
既製品の登場といったことについて
検証していきます。
時代ごとのファッション現象を造
形的要素だけでなく、政治・社会・
経済などの側面から複合的に考察す
る目を養います。
18
衣料品を構成する繊維素材の
特質を学びます
日常の生活において必需品とされ
各種実験を通じて、消費性能やク
ている衣料や繊維製品は、古くから
レーム処理等の知識を習得します
使われてきた天然繊維や、科学の力
羊毛やアセテート繊維、セルロー
によって作り出された合成繊維など、
ス系繊維、アクリル繊維など、各種
さまざまな繊維素材から構成されて
天然繊維から合成繊維まで、繊維
製品の評価は消費者の多様な性能へ
のニーズを踏まえて多面的に行う必
要があります。
たとえば繊維製品に求められる消
費性能としては、機械的性能(耐久
性 や 耐 熱 性、伸 縮 性、磨 耗 度 な ど)
や形態安定性、外観性能、さらに風
合いや着心地など、さまざまなもの
があげられます。
授業では、こうした繊維製品に求
められる各種消費性能を理解すると
19
家政学部 服飾美術学科
18
服飾美術学科卒業研究
ファッションショー
毎 年 恒 例の服 飾 美 術 学 科4年 生によるファッションショーが、
2015年2月1日(日)、板橋キャンパスの120周年記念館多目的
ホールで行われました。知識や技術の集大成であり、4年間を締
めくくる発表の場です。今回の参加者は昨年の倍となる80名とな
りました。それぞれの道へと羽ばたく始まりのステージを、会場いっぱ
いに詰めかけた家族や卒業生、先生方が温かく見守りました。
自由な発想から生まれたデザインが、舞台を盛り上げました
服飾美術学科卒業 ファッションショー実行委員長
原 まどかさん
ファッションショーは、卒業研究のハイライトと言えるものです。学生個人で
の参加はもちろん、ゼミ単位でテーマを決めて参加することも多く、デザイン
から製作まで半年以上の時間をかけて進めていきます。ショーの進め方から音響、
照明、演出なども学生自身の手で作り上げます。そして、各ゼミから選出され
た委員が参加人数や日程を確定し、参加者のデザインの方向性によって出演
の順番を決めていきます。モデルも参加者本人や友人が出演するため、舞台
での歩き方の練習も必要です。従来は参加者が40名ほどでしたが、今回は
80名に増えたため、1
部・2部に分けて実施
しました。また、これまでの出品はウエディング
ドレス中心だったのに対して、今回は“着る地球
儀”や“鳥”をイメージしたドレスなど、自由な発
想のデザインが多くなってきました。観客数も
年ごとに増えてきていて、アンケートに「毎年見
に来ています」と書いてくれた人もいました。自
分の作品を作りながら、パンフレットやポスター
を制作し、舞台の準備を進めるのは大変な作
業でしたが、自分たちで企画し実施できたこと
で大きな自信につながりました。
服飾美術学科 2014年度卒業研究作品展
4年間で学んだことを形にした、卒業作品の数々を展示しました。
どの作品にも、学生たちの熱い思いがこもっています。
214
服飾美術学科
家政学部
服飾美術学科
デザイン
文化
流通・消費
服飾の幅広い
専門知識
カリキュラムの特色
生活科学
造 形
主な専門科目
1年次
● 色彩学
2年次
● 色彩学実習
● アパレルデザイン論
● アパレルデザイン表現実習Ⅱ ● ファッションイラストレーション
● アパレルデザイン表現実習Ⅰ
● 服飾造形基礎
● コンピュータグラフィックス基礎
● デザイン基礎概論
● アパレル設計論
● 服飾造形Ⅰ
● 和服論
● アパレルデザイン実習Ⅰ● 基礎造形実習
● 服飾造形Ⅱ・Ⅲ
● 和服造形Ⅰ
● ニードルアートⅠ
● アパレル生理衛生論
● 和服造形Ⅱ
● ニードルアートⅡ
● パターン設計Ⅰ・Ⅱ
● 日本服飾文化史
● 西洋服飾文化史
● 被服繊維学
● 機能アパレル論
● 現代ファッション史
● ファッション販売論
● 繊維学実験Ⅰ
● 被服材料学
● 染色加工学
● ファッションビジネス論● 繊維学実験Ⅱ
● 被服整理学
● 被服整理学実験
● 基礎教育ゼミナール
● 染色加工学実験
3年次
● 被服材料学実験Ⅰ
● 繊維製品の取り扱いに関する試験法
4年次
● コンピュータグラフィックス ● アパレルデザイン実習Ⅱ ● アパレル企画論
● ビジュアルマーチャンダイジング論 ● ビジュアルマーチャンダイジング実習
● アパレル企画実習
● 服飾造形Ⅳ
● アパレル生産論
● 和服造形Ⅲ
● 和装文化実習
● アパレル生産実習
● アパレルCAD
● 立体裁断Ⅰ
・Ⅱ
● 帽子
● テキスタイル実習
(染) ● テキスタイル実習(織)
● 服飾工芸論
● アパレル生理衛生実習 ● ニットⅠ
・Ⅱ
● 民族服飾論
● ファッション文化論 ● 消費生活論
● マーケティング論
● 被服材料学実験Ⅱ
● 染色堅ろう度試験法
● ケーススタディ
● ゼミナールⅠ・Ⅱ
● 繊維加工学実験
● 衣料用洗剤試験法
● 卒業研究
● ファッションビジネス英会話
● 消費科学
● テキスタイルアドバイザー実習 ● キャリアガイダンス
320
家政学部 服飾美術学科
服飾に関する造形、デザイン、科学、文化、流通・消費に
ついて基礎から総合的に学び、
少人数クラスのゼミナールなどでより高度な専門性を
めざします。
服飾美術学科/カリキュラム・ツリー
先輩からのメッセージ
この授業がおもしろい!《繊維学実験》
被服繊維学の講義で繊維に関する基礎知識を学んだ後に、顕微鏡による形
態観察、燃焼性、溶解性、密度測定による繊維の鑑別、混用率試験、構造観察、
ナイロン66とビニロンの生成などを行い、繊維の性質について自ら体験しなが
ら知識を身につけることができます。この授業をきっかけに、講義では苦手意
識の強かった繊維科学分野に興味を持ち、TESの受験にもつながりました。
家政学部
服飾美術学科卒業
白井菜月
取得資格
私立朋優学院高校出身
東京家政大学大学院進学
1級衣料管理士
カリキュラム・ツリー
取得可能な資格
取得できる資格
●中学校教諭1種
(家庭)
●高等学校教諭1種
(家庭)
●学芸員
学んだことを生かして取得できる資格
●2級衣料管理士
●1級衣料管理士
●カラーコーディネーター検定
●色彩検定
●ファッション色彩能力検定
●ファッションビジネス能力検定
●ファッション販売能力検定
就 職
家政学部 服飾美術学科
●商品装飾展示技能検定
●フォーマルスペシャリスト検定
●パターンメーキング技術検定
●きもの文化検定
●繊維製品品質管理士
(TES)
●リビングスタイリスト
■中学・高等学校教諭 ■ファッションアドバイザー ■事務
(総合職・一般)
■総合職
(技術・営業)
■学芸員 ■進学
(大学院・専門学校)
■その他
■デザイナー
■企画・開発
■パタンナー ■生産管理
■縫製
■商品・品質管理
■商品・品質検査
●ゼミナールⅠ
・
Ⅱ ●卒業研究
学芸員関連項目・教科関連科目
応用科目
●アパレルデザイン表現実習Ⅱ
●ファッションイラストレーション
●コンピュータグラフィックス
●アパレルデザイン実習Ⅱ
●アパレル企画実習
●アパレル企画論
●ビジュアルマーチャンダイジング論
●ビジュアルマーチャンダイジング実習
●現代ファッション史
●ファッション文化論
●民族服飾論
基礎科目
●アパレルデザイン表現実習Ⅰ
●コンピュータグラフィックス基礎
●アパレルデザイン実習Ⅰ
●デザイン基礎概論
●色彩学実習
●基礎造形実習
●被服繊維学 ●繊維学実験Ⅰ
●色彩学 ●アパレルデザイン論
デザイン・文化系
321
●服飾造形Ⅲ・Ⅳ
●和服造形Ⅱ
・Ⅲ
●和装文化実習
●アパレル生産論
●アパレル生産実習
●アパレルCAD
●パターン設計Ⅱ
●立体裁断Ⅰ
●立体裁断Ⅱ
●アパレル生理衛生実験
●ニードルアートⅡ
●ニットⅡ
●服飾工芸論
●帽子
●テキスタイル実習
(染)
●テキスタイル実習
(織)
●キャリアガイダンス
●ファッションビジネス英会話
●服飾造形Ⅱ
●和服論
●和服造形Ⅰ
●パターン設計Ⅰ
●機能アパレル論
●アパレル生理衛生論
●ニードルアートⅠ
●ニットⅠ
●日本服飾文化史
●染色加工学
●染色加工学実験
●服飾造形基礎
●服飾造形Ⅰ
●基礎教育ゼミナール
服飾造形系
●繊維学実験Ⅱ
●被服材料学実験Ⅱ
●染色堅ろう度試験法
●繊維製品の取り扱いに関する試験法
●衣料用洗剤試験法
●ファッション販売論
●ファッションビジネス論
●マーケティング論
●ケーススタディ
●消費生活論
●消費科学
●テキスタイルアドバイザー実習
●被服材料学
●被服材料学実験Ⅰ
●繊維加工学実験
●被服整理学
●被服整理学実験
●アパレル設計論 ●西洋服飾文化史
科学系
ホームページでシラバス(講義概要)をご覧いただけます。 大学トップページ→「シラバス公開」をクリックしてください。
家政学部
服飾美術学科
カリキュラム
◆
○
ファッションイラストレーション (1)選
○
コンピュータグラフィックス基礎 (1)選
○
デザイン
コンピュータグラフィックス (1)選
基礎造形実習
(1)選
アパレルデザイン実習Ⅱ
(1)選
アパレル企画実習
○
○
(1)選
○
2 選
専
(2)選
(2)選
服飾造形Ⅳ
(2)選
2 選
科
服飾造形
目
和装文化実習
(2)選
アパレル設計論
アパレル生産論
アパレル生産実習
△
○
▲
○
○
●
▲
○
△◎
2 選
○
(2)選
(2)選
パターン設計Ⅰ
(2)選
(2)選
立体裁断Ⅰ
(2)選
立体裁断Ⅱ
(2)選
機能アパレル論
2 選
アパレル生理衛生論
2 選
(1)選
(1)選
ニードルアートⅡ
(1)選
ニットⅠ
(1)選
ニットⅡ
(1)選
(1)必
染色堅ろう度試験法
(1)選
繊維加工学実験
(1)選
[2] 必 ○
ゼミナールⅠ
[2] 必
ゼミナールⅡ
[2] 必
◆
卒業研究
○
○
○
○ ◆
○
◎○●
○
◆
○
○
○
○
2 選
○
帽子
(1)選
○
テキスタイル実習(染)
(1)選
○
テキスタイル実習(織)
(1)選
○
2 必
ファッションビジネス英会話 [2] 選
栄養学概論
○
○
◆
○
◆
○
◆○
○ ◎○
○ ◎○
○ ◆
◎○●
◎○
○
◆
○
△◎○●
○
△◎○
○
◆
○
▲◎○●
○
◆○
○
◎
○
◆
△◎○●
△◎○
○
◆
(1)選
テキスタイルアドバイザー実習 (1)選
○
●
○ ●
(1)必 ○
基礎教育ゼミナール
キャリアガイダンス
○
2 必 ○
◎○
学芸員関連項目
服飾工芸
アパレル生理衛生実験
ニードルアートⅠ
○
2 必
染色加工学実験
衣料用洗剤試験法
教科関連科目
パターン設計Ⅱ
◎○
○
(1)選
繊維製品の取り扱いに関する試験法(1)選
○
○
2 選
被服材料学実験Ⅱ
被服整理学実験
○
○
2 必 ○
(1)選
染色加工学
4年
2 選
被服材料学実験Ⅰ
被服整理学
○
2 必 ○
アパレル CAD
服飾工芸論
○
3年
(1)選
被服材料学
服飾総合
目
(2)選
(2)選
2 選
2 選
◆○
科
和服造形Ⅱ
ファッションビジネス論
消費生活論
(1)選
○
(2)選 ○
和服造形Ⅲ
2 選
繊維学実験Ⅱ
育
育
和服造形Ⅰ
マーケティング論
◎●
教
教
和服論
2 選
2 選
(1)必 ○
門
門
服飾造形Ⅱ
服飾造形Ⅲ
民族服飾論
ファッション販売論
2年
○
◆
○
○
○
◎
◎
◎
◎
(4)選
◎
2 選
○
◎学芸員必
△
食品学概論
2 選
○
△
調理学実習
(2)選
○
△
住居学概論
2 選
○
保育学概論
2 選
○
△
家庭工学
1 選
◐
▲
家庭工学実習
(1)選
○
生涯学習概論
2 選
博物館概論
2 選
博物館経営論
2 選
博物館資料論
2 選
学芸員必
○
学芸員必
○
学芸員必
○
博物館資料保存論
2 選
2 選
○
博物館情報 ・ メディア論
2 選
○
博物館教育論
2 選
(3)選
▲
○
博物館展示論
博物館実習
△
学芸員必
○
学芸員必
学芸員必
学芸員必
○ 学芸員必
○
◎
学芸員必
△家庭科教諭必 ▲高校家庭科教諭必 ◎1級衣料管理士必 ◆1級衣料管理士選
○2級衣料管理士必 ●他学科履修可能
322
家政学部 服飾美術学科
(1)必 ○
2 選
2 選
繊維学実験Ⅰ
○
ビジュアルマーチャンダイジング実習 (1)選
(2)必
現代ファッション史
ファッション文化論
被服繊維学
○
服飾造形基礎
2 選 ○
2 必
ケーススタディ
○
2 選
服飾造形Ⅰ
日本服飾文化史
西洋服飾文化史
消費科学
◆○●
○
素材・加工・整理
専
ビジュアルマーチャンダイジング論
○
(1)選
アパレルデザイン実習Ⅰ
アパレル企画論
○
2 選
2 必
流通・消費
アパレルデザイン表現実習Ⅱ(1)選
標準開設年次
1年
後期
前期
後期
前期
後期
前期
後期
前期
○
服飾文化
アパレルデザイン表現実習Ⅰ(1)選
◆
授業科目
必選別
◆●
○
アパレルデザイン論
4年
2 必 ○
(1)選
デザイン基礎概論
3年
単位数
2年
区 分
標準開設年次
1年
後期
前期
後期
前期
後期
前期
後期
前期
必選別
色彩学
色彩学実習
単位数
区 分
授業科目
※ 下記の内容は、平成 28 年度には一部改定される場合があります。
服飾美術学科/科目概要
※ 下記の内容は、平成 28 年度には一部改定される場合があります。
科目概要
色彩学
的には、①デザインに求められる基本的
らの内容はコンピュータグラフィック
な条件、②20世紀以降のファッションの
デザイン演習に展開、連動する基礎であ
色彩はファッションや美術・デザイン
変遷とその社会的背景、③デザインの3
る。
分野において生活を豊かにするという
つの要素、④情報と流行、⑤デザインと
コスト等について学習する。将来アパレ
アパレルデザイン実習Ⅰ・Ⅱ
目的を持ち、メッセージやイメージを伝
達するという重要なはたらきをする。そ
ルビジネスに携わるための基礎知識の
アパレルデザイン実習Ⅰ・Ⅱともに商
のようなことから色彩を理解すること
習得を、その目的とする。
品企画を前提としたデザイン発想・表現
は造形表現全般において必須の条件と
のトレーニングをおこなう。商品企画と
なる。
は、対象を明確化し、マーケットなどの
また、色彩は表現にかかわる分野だけ
ディスプレイはメッセージを視覚的
条件を前提に、コンセプトを立案した上
ではなく、物理学や化学、生理学をはじ
にアピールするコミュニケーションデ
で、販売を目的とした、イメージの具体
め心理学など多くの学問分野を横断す
ザインのひとつであるが、その方法は平
化行為であるが、授業では、毎回設定さ
ることから、色彩学では光のメカニズム
面はもとより、さまざまな立体表現に
れたテーマから学生が自由に発想した
などの科学分野から色彩表現に至る内
よって展開される。授業では街で見かけ
イメージを、まずビジュアルに表現し、
容について学び、さまざまな視点から色
るウィンドーディスプレイなど、店頭と
そ の ビ ジ ュ ア ル 表 現 に 基 づ い て、カ
彩について考察できるよう講述する。
店内を季節や販促活動に基づいたリ
ラー、マテリアル、フォルム、ウェアリン
ティールディスプレイを中心に学ぶ。ア
グなどの提案をする。アパレルメーカー
イディアプランの立案、具現化に向けて
の現場でおこなわれているデザイン
色彩学で学んだ基本的な知識をもと
のデザイニング技法、表現素材、ディス
ワークを実践しながら、アパレルデザイ
に色彩・情報の分析方法や、配色技法を
プレイ仕器や演出物などの基礎知識を
ンをトータルに学び、商品企画に関する
学び、生活における色彩調和について実
海外と日本のCDスライドやVTRなどさ
理解を深めることをその目的とする。
習する。
ビジュアルマーチャンダイジング論
家政学部 服飾美術学科
まざまなビジュアル資料を見ながら習
得する。また、和洋の美意識の違いや、実
コンピュータグラフィックス
色彩学実習
色彩調和は日本色研配色体系
(PCCS)にしたがって色彩訓練をおこ
際に街で展開されているウィンドー
アパレル業界の企画部門にデザイ
なう。
ディスプレイのリサーチを通じて意味
ナーとして就職するには、デザイン画を
①色彩訓練ではトーン別色相環、色相の
と意義を把握する。
描けることと、CGを使用して企画書を
明度、等色相面など②色彩実験では色
作成する能力が求められている。もちろ
相・明度・彩度の対比、正と負の残像、色
ん、ブランド立案に伴う情報収集および
の見えの効果、混色、色彩心理実験③色
服飾造形では各自の個性や感性を生
分析、グラフィック能力、アート的感性、
彩構成では、色の視認性、進出色と後退
かし、ファッション性のあるデザインを
パターンの知識などの能力と、これらを
色、イメージと配色、色の抽出、分析、配
取り入れた洋服作りの基礎から応用ま
総合的に集約して、理論的にプレゼン
色の移調④色名用語では、色名のルーツ
でを学ぶ。
テーションできる能力が必要である。授
と色彩イメージ、色名の分類⑤色彩計画
服飾造形Ⅰでは、基礎技法の習得を目
業では、実務的な内容に重点をおき、企
個人の色彩、生活空間の色彩、住空間
的としてスカートの製作を行う。
画書の基本を作成する。
の色彩など。
服飾造形Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ
服飾造形Ⅱでは、各種デザインへの応
用としてブラウスを製作する。
アパレルデザイン論
アパレルデザイン表現実習Ⅰ・Ⅱ
服飾造形Ⅲでは、教材としてワンピー
いまやマーケットにおいては、大量生
ファッションデザイン画を描くため
スドレスとパンツを取り上げ、各種スタ
産低価格のコモディティ(実用的な)商
の感性と技術を養う基本的な内容であ
イルのパターン展開、素材の選択、縫製
品から高額なブランド商品まで、多岐に
る。ファッションデザイン画は従来の全
方法を習得する。
わたって流通している。その価値基準
身デザイン画と呼ばれる比較的感性表
服飾造形Ⅳでは、ジャケットの作図と
は、それぞれのブランドによって多元化
現を目的とするものと、アパレル業界で
応用を学習し、接着芯の知識等、重衣料
し て い る が、ア パ レ ル デ ザ イ ン が カ
使用頻度の多い衣服のみのアイテムデ
の基本的な知識と技術を習得し、ジャ
ラー、テキスタイル、フォルムの3つの要
ザイン画の2種類がある。授業では、アパ
ケットを製作する。
素によって成り立っているという点で
レル業界に対応できる感性を根本にし
は変わりない。授業では、デザインの基
たデザインの具体的な表現方法を目的
礎知識について重点的に解説する。具体
とした全身デザイン画を習得する。これ
単位について
※1 : 各学科専攻の教職に関する科目は、学部学科共通科目となります。教職に関する科目について詳しく知りたい方は、288−289ページに掲載されてい
る教職に関する科目をご覧ください。
※2 : 単位については、以下のようになっています。
1. 単位数の数字のみは講義、[ ]は演習、( )は実験・実習および実技を示す。
2. 専門教育科目は必修科目・選択科目を合わせて、80単位以上修得する。
3. 全学共通教育科目および専門教育科目を合わせて、卒業に必要な124単位以上になるように修得する。
標準開設年次の◎は通年開講科目、○は前期または後期開講科目。 ◐ は前期後半または後期後半開講科目を示す。
323
ホームページでシラバス(講義概要)をご覧いただけます。 大学トップページ→「シラバス公開」をクリックしてください。
服飾美術学科
家政学部
※ 下記の内容は、平成 28 年度には一部改定される場合があります。
立体裁断Ⅰ・Ⅱ
アパレル設計論
科目概要
和服論
立体裁断は、ボディに直接布を当て
アパレルを設計製作するために、人体
和服は日本の美しい自然から生み出
カッティングしてデザインを表現する。
構造、人体形態把握を理解し、人体とア
され受け継がれてきた民族服である。長
立体裁断Ⅰでは立体でパターンを作成
パレル形態、デザインとアパレルパター
い歴史の中で完成されたその色彩、文
する方法の基礎的な知識と技術を学習
ンの関連を知り、アパレル素材や縫製技
様、染織は創造的、文化的価値が非常に
する。布目の流れ、量感のバランス、フォ
法を理解し、アパレルの適正な評価がで
高い。
ルムをとらえ、服の立体感を視覚でとら
きるなどアパレル設計の基本を学ぶ。
和服論では、現在着装されている和服
えながらピンを打つテクニックを学ぶ。
立体裁断Ⅱでは、創造性を高め、より
アパレル生産論
について、明治以降の変遷を踏まえなが
ら、全国にある染織品の産地、歴史ある
視覚的な感性での表現力を習得しなが
アパレル生産の仕組みと流れ、縫製加
文様の種類や意味、模様付けによるきも
ら、ブラウス、ワンピース等のドレイピ
工の基礎と問題点を学び、アパレル生産
のの種類、格などを解説し、現在どのよ
ング技術と着ごこち、機能性を考えたパ
のための改善方法、
留意点を理解する。
うな時に、どのような着こなしをするか
ターンメーキング方法を学習する。
パターンメーカー志望者には、パター
アパレル生産実習
の基本ルールを学ぶ。
和服造形Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
私たちの衣生活は、大部分を既製衣料
土台づくりをおこなう。
を利用することで成り立っている。個人
長い歴史のなかで育まれ、受け継がれ
の体型、嗜好に合わせてつくる衣服製作
てきた和服は、世界に誇れる民族服であ
も、
衣服の構造・機能・素材特性・縫製条件
る。和服造形では、直線を主体とする和
衣服と人体との間には小さな環境・衣
などを知るうえで重要な過程であるが、
服独自の構成を把握させ、素材別の扱い
服気候が作られ、その最内層を快適状態
合理的に作業工程が考えられている既製
方を習得する。さらに衣生活への応用力
に保てるよう、われわれは日々着装行動
衣料の生産方式を学ぶことは、これから
を養う。和服造形Ⅰでは和服の基礎であ
を起こしている。着衣基体である、発汗
衣服の生産、
流通の場で活躍するために、
る、
ひとえ長着
(ゆかた)
を製作し、
基礎技
する発熱体としての人体、動作で形状を
必要である。
アパレル設計論、アパレル生
術・構成を把握する。
また着装法を学ぶ。
変える運動器としての人体、肌ざわりや
産論で理解した生産方式を基本に、工業
和服造形ⅡではⅠで学んだ基礎知識・
温冷感、圧迫感などを感じとる感覚器と
用パターンの作成から製品の評価まで、
技術をもとに、ひとえ長着
(ウール地、薄
しての人体にかかわる基礎を学び、人体
特に縫製工程の流れを中心に実習を通
物など)
の仕立て方や着装法を学ぶ。
と衣服と環境とのつながりから快適性
してアパレル生産のシステムを学ぶ。
和服造形ⅢではⅠ・Ⅱで習得した基礎
アパレル生理衛生論
をとらえる能力を涵養する。多種多様の
素材の中から適切なものを選定し、目的
アパレルCAD
知識・技術をもとに袷仕立て
(長着、羽
織、コートなど)を学ぶ。表地と裏地の素
材や色の調和などを把握する。
に合ったデザインやパターン、着装のし
アパレルCADシステムは、今日では既
かたを提案できる人材や、アパレル環境
製服製造業のパターン設計工程におい
全般を見直し、総合的に着用者の健康
て有用なツールとして位置づけられてい
性・安全性・快適性の視点から衣生活の
る。この授業では、パタンメーキング、グ
服飾工芸には刺繍、レース、編物をは
向上を図ることのできる人材を養成す
レーディング、マーキングの工程をCAD
じめ、多くの種目がある。それらは、時代
る。
システムを用いて実習することにより、
や民族の習慣、気候、風土、祈りや願い、
各工程の作業内容を理解し、それに必要
人々の生活などと深く関わりあって、技
な技術や原理、
規格について学ぶ。
術が発展し、世界のいろいろな地域に独
パターン設計Ⅰ・Ⅱ
ニードルアートⅠ・Ⅱ
自の様式を見ることができる。その意義
を理解しながら、実習を通して、服飾品
美しいシルエットをつくり、着心地の
等へ応用できる基礎知識と技術を習得
よい、機能性のある衣服を製作するに
する。
は、パターン設計の技術が重要な役割を
また、これらは、学芸員や地域のボラ
果たしている。
ンティア活動等に、幅広く生かせる技術
パターン設計Ⅰでは、原型から各種ス
でもある。Ⅰでは、自由刺繍、区限刺繍、
カート・身頃のパターン展開、工業用パ
カットワーク、ミラーワーク、ハーダン
ターンの知識と作成方法、グレーディン
ガーワーク等、Ⅱでは、アジュール刺繍、
グ方法の基礎を学ぶ。
タティングレース、
紐と結び等を学ぶ。
パターン設計Ⅱでは、さらに応用発展
させ、各種アイテムごとの原型、カラー・
スリーブのバリエーションをトワルで
確認しながら服作りの基礎、技術を学習
する。立体裁断と平行して学ぶことによ
りパターンメーキング技術検定3級取得
に向けての土台づくりをおこなう。
324
家政学部 服飾美術学科
ンメーキング技術検定取得へ向けての
服飾美術学科/科目概要
日本服飾文化史
か?を追究する学問領域をいう。
水性など衣服の着心地に関係する性質、
この講義では洗濯、保管が中心とな
しわ、
強さなどの力学的性質、
変色や劣化
古来、服飾は常にそれぞれの時代や民
り、汚れの特性、どのように汚れるか?
などの化学的性質との関係を学ぶ。
族の文化の一端をにない、同時にその文
どうしたら取れるか? どのような
洗浄剤を用いるか等について解説する。
被服材料学
化の特徴をきわめて明瞭に表現してき
た。したがって、服飾史は過去の文化を
洗浄理論をさらに深めるために、界面活
織物・編物・不織布などの被服材料は、
生き生きとした形でとらえるための、有
性剤水溶液について、ぬれ、汚れの除去
いずれも繊維をいろいろな形に集合さ
効な手段のひとつである。日本は古代以
機構、機械作用、洗濯排水と環境等につ
せた材料である。繊維は、細くて長いと
来、幾度も外国の影響を受けながら、そ
いてさらにほりさげて解説する。
いう形態的特徴をもっている。この特徴
れらを消化し、独自の服装、
「 きもの」を
が、織物などの繊維集合体に被服材料と
形成した。
「きもの」は布の美しさと質感
してもっとも適った性能を発現させる。
を生かしながら、からだを優しく包む、
1級衣料管理士として、調査、試験、企
この科目では、糸・織物・編物の構造の特
世界でもユニークなスタイルをもつ衣
画、製造、販売、消費者対応などの実務に
徴、構造が発現する性質の特徴、これら
服のひとつである。この
「きもの」の成立
つくために必要な事柄を学ぶ目的で、衣
の性質と被服に求められる性能との関
過程を中心に、古代から近代までの服飾
料の検査機関(公立の繊維工業試験場、
係についての基本的な知識とともに、人
をたどりながら、わが国の文化的特性の
毛製品、化繊、染色など)や、デパート、ア
の官能評価にもとづく風合いと物理的
探究を視野に入れて講述する。
パレルの商品試験室、クリーニング研究
性質との関係を学ぶ。
テキスタイルアドバイザー実習
所において実習する。
平成26年度
家政学部 服飾美術学科
服飾美術学科
卒業論文題目一覧(抜粋)
●デザイナーズブランド企画及びコレクショ
ン製作
●花をモチーフとした帽子の制作
●深海をイメージしたドレスの制作〜音楽を
形に〜
●「つなぐ」をテーマにしたオーバーオールの
実物製作
●2015年春夏婦人服商品企画
●小袖の模様〜光琳模様とその周辺〜
●大裁女物袷長着・長襦袢の製作
●フォーマルとカジュアルのはざまの一考察
●印象派の楽曲-水の戯れ-からイメージ発想
したドレスの実物製作
●1950年代のヴィンテージファッションの研
究とドレス制作
●19世紀ヨーロッパのドレスのレプリカ制作
●コーヒー染色布の消臭性能に関する研究
●光の現象を活用した衣服製作
●18世紀から19世紀のファッション・リーダ
ーについて
●各種染色布の染色堅ろう性に及ぼす複合要
因の影響
●ナノファイバーによる繊維材料の機能化に
関する研究
被服材料学実験Ⅰ・Ⅱ
被服材料のさまざまな構造や性質に
造形として、それぞれの時代の文化を形
ついて実験をおこない、被服材料を具体
成する要素となり、またその文化的特徴
的に理解する。まず、糸の番手、よりの方
をしばしば極めて明瞭に現してきた。と
向、より数、織物組織、糸密度、糸クリン
りわけ現代の洋服に繋がる西洋の服飾
プなど糸の構造や織物、編物の構造因子
からは、人間と社会、経済、技術、価値観、
について実験する。次いで、織物の膨潤
美意識などの関係と共に、無数の豊かな
と収縮、吸水性と乾燥性、引裂きや破裂
人間の発想を見出すことが可能である。
強さ、曲げかたさ、ピリングによる布外
服を作る、あるいは創るための基礎的教
観の変化などの性質について実験する。
養として学んで欲しい。
実験に親しむことは、卒業研究・制作、さ
らに、繊維製品の品質表示・品質試験を
ビジネスの対象である販売は社会や経
となる。
済の変化で、その性格や成立は大きく変
染色加工学実験
の展開
●子供服のテキスタイルデザインの研究と製作
●バレエ衣装との融合性を高めたモダンドレ
スの制作
325
化する。生活は豊かになったが、一方では
環境問題や安全性確保の問題などの課題
皆さんが着用している衣料品には、染
もある。ファッション販売論は、商品とそ
色やいろいろな加工がなされている。そ
の特性および消費者が対象になる。消費
の染色加工製品の消費性能を理解し、将
者が要求する商品の種類、品質、価格、生
来アパレル業界に就職した際に、クレー
産、流通等の販売の概要について理解す
ムが発生したときどのように問題解決
る。授業では販売や商品知識といった視
するか、また、商品を企画する際に必要
点ばかりではなく、商品がもたらす生活ス
となる染色加工の知識を、実験を通して
タイルの変化についても勉強する。
身につける。例えば、赤い染料でも、綿を
染める染料と、毛を染める染料は種類が
違う。これを間違えると染まらない場合
被服繊維学
日常の生活に必需品とされている衣
もある。染料と繊維の相性、染色方法、染
料やそのほかの目的に使われる繊維製
色製品の洗濯や日光に対する堅ろう性
品を、賢く利用するための基礎知識を養
について実験を行う。
うことを目的として、古くから使われて
被服整理学
●服飾に関するデザイン発想から実物表現へ
ファッション販売論
おこなう立場に立ったときに、大きな力
●果物の皮を利用した染色布の堅ろう性につ
いて
西洋服飾文化史
歴史の中で、服飾は人間に最も身近な
きた各種天然繊維をはじめ、科学の力に
よってつくり出された合成繊維、さらに
被服整理学とは、衣料を繰り返し着用
社会の要請に応えて生まれ変わろうとし
するときに、どのようにして取り扱え
ている新しい繊維素材などについて学
ば、はじめの美しさ、着心地よさを保つ
ぶ。繊維の構造を分子レベルのミクロな
ことができるか? そして不用になっ
目で理解し、
アイロンによる形の固定・溶
た衣料をどのように廃棄したらよい
融などに関係する熱的性質、吸湿性・吸
ホームページでシラバス(講義概要)をご覧いただけます。 大学トップページ→「シラバス公開」をクリックしてください。
Fly UP