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一般社団法人 川崎市観光協会 平成25年度事業報告
一般社団法人 川崎市観光協会 平成25年度事業報告 東日本大震災から3年目を迎えるなか、平成25年度の日本経済は円安の流れとと もに景気動向も上昇傾向にあるなど経済の再生に向けて好感触の1年となり、また、 訪日外国人が始めて1,000万人を越え、観光関係者にとっては久し振りに明るい 兆しが見えた1年でありました。 こうしたなか、当協会としては法人化後3年目にあたり、川崎の観光の将来に向け て重要な年と位置づけ、地域経済への波及効果がより期待される事業を模索しつつ、 地区観光協会等の観光推進主体との連携をさらに強め、一層の事業活動の充実に取り 組みました。 Ⅰ 川崎市と連携して、市内の観光推進事業に取り組む。 1 川崎市制記念多摩川花火大会の開催 72回目を迎えた花火大会は、昨年に引き続き世田谷区との同日開催となり、川 崎側22万人、東京側6万人の計28万人観客数を数え、光と音の競演を楽しんで いただきました。開催にあたり、多くの企業や個人から協賛を寄せていただきまし た。 (1) 主 催 川崎市・川崎市観光協会・高津観光協会 (主管: 神奈川新聞社) (2) 開催日 8月17日(土) (3) 会 場 高津区諏訪(多摩川河川敷:第三京浜道路と二子橋間の河 川敷) (4) 花火打ち上げ総数 約6,000発 (5) 内 容 ア 開会式 午後6時30分から イ 花火打上げ 午後7時から8時まで (6) 東日本大震災被災者ご招待 66世帯・148人 なお、前々日の8月15日(木)に京都府福知山市で開催された花火大会会場に おいて、露天商店舗での爆発事故により、多数の負傷者が出る事態が発生しました。 この事故を受けて、直ちに主催者として、消防当局等との協議、本大会会場に出店 する露天商に対する火器取扱いに対する注意喚起を文書により行うとともに、当局 による巡回監視を実施するなど万全を期して、対応しました。 2 観光案内所等の運営 昨年度に引き続き市内3カ所の案内所等の運営を川崎市から受託し、川崎市内観 光に係る案内情報の提供や周辺施設の案内などを行いました。 (1)観光案内所 -1- ・場 所 地下街アゼリア・インフォメーション内 ・運営時間 10時から17時まで ・運営体制 1名体制(半日交代) ・運 営 日 地下街アゼリアと同じ (2)観光情報端末機(観光ガイド「かわさき“あい”ネット」) ・場 所 JR川崎駅東西自由通路(川崎観光情報コーナー) ・運営時間 午前8時から午後9時まで ・運営体制 無人 ・運 営 日 年中無休 (3)多摩麻生観光情報端末機(観光ガイド「かわさき“あい”ネット」) ・場 所 登戸行政サービスコーナー内 ・運営時間 平日:9時から18時まで 日曜・休日:9時から17時まで (行政サービスコーナーと同じ) ・運営体制 無人 ・運 営 日 行政サービスコーナーと同じ *ほかに、川崎駅、武蔵小杉駅、新百合ヶ丘駅に近接する協会会員のホテル の協力を得て、情報端末機を設置・運営しました。 3 第57回観光写真コンクールの開催 川崎の観光資源の再発見や「観光のまち・かわさき」の宣伝を目的として、観光 写真コンクールを川崎市から受託し、開催しました。あわせて、写真コンクールの PRを兼ねて平成24年度のコンクール受賞作品を5月に川崎アゼリア川崎市広 報掲示コーナー、3月に東海道かわさき宿交流館3階企画展示室で巡回展示を行い ました。 平成25年度は「これが川崎・ベストショットだ ! 」をキャッチフレーズに作品 を募集し、市の内外から155名、371点の応募があり、平成26年2月20日 (木)に審査会を開催し、最優秀賞1点、優秀賞6点、入賞20点が選ばれました。 3月28日(金)に、相原神奈川県議会副議長、飯塚川崎市議会副議長の列席の もと、東海道かわさき宿交流館において表彰式を行いました。 4 国内・海外との観光交流事業の推進 川崎の魅力を全国の方々に知っていただくとともに市民同士の観光交流を目指 して、他都市の観光協会や関係団体との交流を行ってきています。 新たに富山県氷見市の観光協会から交流の希望が寄せられ、関係者間での情報交 換等の取組みを行い、3月4日(火)川崎市内において両市の会長ほか関係者が出 席して「川崎市・氷見市両市観光協会友好締結協定書」を取り交わし、観光をはじ め文化。教育、芸術、経済など幅広い分野での交流を進めていくこととしました。 5 「東海道かわさき宿交流館」の管理・運営 観光のまち・かわさきの拠点として、地元住民の皆さんが建設運動を取り組んで -2- こられた「東海道川崎宿歴史資料館」が、10月 1 日に新しい文化・観光施設とし て「東海道かわさき宿交流館」の名称でオープンし、指定管理者グループとして川 崎市文化財団とともに管理運営業務を開始しました。 市内、市外から多くの人々が訪れ、江戸時代以降の川崎の歴史に触れ、また、 街歩きの休息場所として、さらに地域の方がたの交流の場として利用され、あわせ てタイムリーな企画展の開催などの事業展開に努めた結果、この3月末までで予想 を上回る3万人を越える入館者を数えました。 当協会の役割として、館長の派遣、自主事業への参画、物販関係の事業者との 調整及び販売商品の管理等の業務を担っています。 Ⅱ 市内の地区観光協会と一体となって、地域の観光事業を推進する。 1 地区観光協会との連携 (1) 地区観光協会との協働 川崎北部の3地区観光協会の共同事業として取り組まれている「2013 多摩 麻生観光まつり」バスツアーの開催、また、地区観光協会が主催ある いは共催による菊花大会・菊花展に対する後援、助成など、川崎市内の観光 資源を広く知ってもらい、また、地区観光協会との連携・交流を強化する事 業に取り組みました。 なお、多摩区内の観光推進組織の1本化を目指して、稲田多摩川観光協会、 稲田堤観光協会の多摩区内の2協会が、他の観光推進団体とともに約2年間 にわたって新組織の設立について検討、協議が行われてきましたが、平成2 6年4月23日に3者の合併による「多摩区観光協会」として新しい観光推 進組織が設立されました。 (2) 「丸子の渡し復活協議会」への対応 中原街道・丸子の渡しの復活を目指して、10月に3年ぶりとなる丸子の 渡し復活協議会の組織再編を機に、当協会として正式に参加し、地元の丸子 多摩川観光協会及び武蔵中原観光協会とも協力して、その実現に努めること としました。 11月17日(日)には「渡し舟体験」を行い、船着き場の設置や対岸の 大田区の関係団体への働きかけなど復活事業への課題等を確認しました。 (3) 観光関連ガイド団体との連携 川崎市ガイド団体連絡協議会(代表: 「NPO法人かわさき歴史ガイド協会」 吉 野理事長)の総会を、7月3日(水)に川崎市総合福祉センター(エポッ クなかはら)で開催し、加盟各ガイド団体からそれぞれの取組みの報告や意 見交換、今後の方向などを協議しました。 参加したガイド団体は、かわさき歴史ガイド協会、さいわい歴史の会(野 口始男代表)、なかはら散策ガイドの会(髙橋秀雄会長)、高津シルバーガイ ドの会(佐藤忠会長)、宮前区ボランティアガイドの会(三谷益巳代表)、二 ケ領用水宿河原堀を愛する会(關山武男会長)、多摩区麻生区観光ガイドの会 -3- (松本良樹代表)、多摩区観光ガイドの会(事務局:多摩区役所地域振興課) の8団体となりました。 さらに、高津・宮前・多摩区のガイド団体が実行委員会を結成し、関係の 地区観光協会と協力して1月から3月にかけて実施した「準西国稲毛三十三 所観音霊場札所めぐり」に対し、地区観光協会との連携・交流事業として、 地域発の新たな観光イベントとして支援・助成を行いました。 (4) 市内菊花展、菊花大会に対する支援 市内における菊花展の各地区の開催については、川崎区稲毛公園で開催さ れた第61回関東川崎菊花展に主催者として参画したほか、各地区観光協会 が主催あるいは共催する菊花展、菊花大会に対して支援、助成、広報などに よる協力を行いました。 2 観光事業・イベントなどへの後援、協賛 市内における観光関連事業の多様な展開に向けて、地区観光協会や市内団体等が 主催する各種事業やイベントに対し、後援・協賛し、助成金や奨励金を交付するな どの取り組みを行いました。 また、市外からの観光客を誘致するという観点から、JR東日本が展開している 「駅からハイキング」について、地元商店街への消費拡大に結び付くよう、参加者 受付業務を市観光案内所でかわさき歴史ガイド協会の協力で行うなど、地元の観光 協会や関係団体との調整などの支援を行いました。 Ⅲ 1 市内観光情報の適切な提供を目指し、関連団体との協力・支援関係の構築を図る。 観光情報発信機能の拡充 「かわさきの観光情報」ホームページ(日本語)にあわせ、平成25年度は引き続 き自動翻訳ソフトを活用し、観光ホームページの英語版の観光情報の発信を実施し ました。また、スマートフォン対応の観光情報の発信にも取り組みました。 2 情報発信に向けた関連団体との協力・支援関係の構築 「かわさき名産品」のPRをはじめ、市内における食事、宿泊、遊び、買い物、 行楽情報など、来街者が求める各種の観光情報について、鮮度の高いかつ分かり易 い提供を目指しました。 市観光案内所等の運営でふれた川崎駅東西自由通路やJR南武線登戸駅のコン コースなどにタッチ画面式の情報モニター端末を設置し、近隣地域の飲食や宿泊事 業者とも協力して、地域発の「おススメ情報」なども加えた多彩、多様な情報発信・ 情報提供を展開しました。 3 伝統的文化への取組み 「川崎大師薪能」の復活開催について、文化団体や関係者との協議を進めた結果、 平成26年の開催から主催者の一員として参加し、関係団体との協力・連携のもと -4- に進めることとしました。 4 観光資源PR強化事業の推進 川崎市の委託事業として、「民間旅行商品造成等支援事業」による観光資源PR 強化事業について受託し、川崎市の観光情報や「かわさき名産品」の普及・宣伝、 市内滞在型ツアーの開発に向けた情報の収集、整理等を行いました。 委託事業の目的では、市内滞在型ツアーの誘致を図り、観光客の増加による消費 活動の拡大など地域経済の活性化と観光関連の雇用の拡大を図ることも目指して おり、国の緊急雇用創出臨時特例基金を活用した事業として、1年間の期限で実施 するものです。 Ⅳ 観光=集客の考えに沿って、関係事業者との連携強化を進める。 1 産業観光の推進 川崎産業観光振興協議会(川崎市、川崎商工会議所、市内企業などで構成)と連 携して、定期観光ツアー以外の産業観光バスツアーや工場夜景クルーズ事業などを 企画・実施するとともに、工場夜景サミットなど国内他都市との連携、さらに川崎 商工会議所が主催する川崎産業観光検定試験の実施への協力、産業観光ガイドの養 成、新たな市場としての修学旅行の誘致など、産業観光の推進に取り組みました。 (1)川崎発着の工場夜景バスツアーのリニューアル・再構築 ① 毎週水曜日の19時発に変更 ② 地域企業に配慮し、大型バスからマイクロバス運行へ変更 ③ 川崎産業観光学生プロモーターと川崎日航ホテルとの共同開発により、工 場夜景スイーツと工場夜景カクテルをツアー特典とする。 ④ 新たにサンケミカル㈱の協力を得て、根本造船と2箇所を使い分けて行程 に組み込み ⑤ 集客を考慮し、往路のみ横浜発とする。 (2)川崎工場夜景クルーズを夏季(8~10月)は毎週運航に変更し、パンフレ ットを刷新(印刷代は(株)長八海運負担、協会は編集協力) (3)全日本写真連盟との共催による「工場夜景屋形船クルーズ写真撮影会」を実 施(1月31日、2月1日・計126名) (4)川崎産業観光学生プロモーターの自主企画による大学生向け「ハロウィン& 工場夜景屋形船クルーズ」を実施(10月24日・約40名) (5)京急電鉄グループとの共同で「大人の賛歌」産業観光ツアーを実施(9月2 7日・44名) (6)修学旅行誘致セールス ・5月27日~29日:北海道(道南)・東北 ・9月2日~4日:北海道(道央・道東) ・10月28日~30日:四国(松山・高知・高松市) -5- ・3月24日~25日:名古屋・京都・大阪 (7)川崎観光タクシー具現化実施への協力 2 商店街や大学との連携 街中の賑わいを取り戻し、特色ある市内商業の発展を図るため、市内の大学生に よる観光プロモーターを公募し、市内の商店街や大学との連携による産業観光の浸 透を図りました。 3 外国人観光客の誘致 川崎市と連携して、パシフィコ横浜で開催された「トラベルマート2013」へ の出展、会員向けの外国人観光客誘客講座の開催、国内のランドオペレーターを対 象とするセミナーやモデル観光コースの視察ツアーなどを実施しました。 また、インターネットと連携した外国語広報、外国語ガイドによる観光案内のほ か、アジア向けの旅行情報誌に川崎の観光情報特集を掲載するなど、外国人観光客 の誘致に取り組みました。 (1)インターネットや情報誌と連携した広報活動 海外向け観光ホームページの「Discover Kawasaki」など を通じ、インターネットを利用した市内観光情報の積極的な広報に努めるとと もに、各種の観光・旅行誌への情報提供を行いました。 (2)外国語ガイドによる観光案内 市内を訪れた外国人観光客に対応するため、通訳ボランティア団体と連携し て、希望に応じた市内観光コースを案内する「外国語ガイドによる観光案内」 事業を実施しました。 (3)観光案内所の外国語対応 昨年10月から、地下街アゼリア・インフォメーション内の観光案内所にお いて、NTT東日本㈱と協力し、訪日観光客が無料でWi-Fi利用を可能と する情報環境整備を3ヵ年計画で推進することとしました。 25年度の内容は、14日間に限って無料で利用できるWi-Fiアクセス カードを、地下街アゼリア・インフォメーション内の観光案内所等で発行する 短期滞在者向けのサービスですが、この3月末までに台湾、韓国、アメリカ、 タイ、マレーシアなどからの観光客38人に配布を行いました。 (4)外国人観光客誘致のためのセミナーの実施 日本国内で活躍している外国人旅行者の案内やホテル、レストランなどを手 配する観光事業者や旅行業者を対象とするセミナーを実施し、海外からの観光 客、とりわけ東南アジアからの観光客を誘致するため、川崎市内観光ツアーの 売込みに協力しました。 4 「かわさき名産品」認定事業実行委員会への参加 川崎の名産品を広く市の内外に宣伝・販売促進を行うため、川崎市や川崎商工 会議所による「かわさき名産品」認定事業に参加し、平成24年1月指定の「20 12かわさき名産品」78点(和菓子30点、洋菓子22点、その他食品20点、 -6- 工芸品6品)と、その後追加認定を受けた菓子3点の普及・宣伝に取り組みました。 その一環として、名産品認定事業者との協議に基づき認定商品の一部21品目に ついて、10月1日から東海道かわさき宿交流館の1階物販コーナーで受託販売を 行いました。年度末までに96万円余りの売上げとなっています。 また、11月に開催された「第36回かわさき市民まつり」の会場においても、 名産品指定事業者から希望があった認定商品の販売を、認定事業実行委員会関係団 体として協力して行いました。 Ⅴ 事務事業の不断の見直しを行うとともに、経費の節減、自主財源の確保など財 政基盤の確立に努める。 1 財務基盤の強化 法人化に伴い、自主財源の拡充による協会運営が求められているなか、関係団体 の観光振興に対する理解や当協会に対する支援を深めるよう取り組みを進めると ともに、協会会員加入の呼びかけ、ツアー企画監修料収入などの増大を図り、財務 基盤の強化を目指しました。 2 平成26年度川崎市への予算要望への取り組み 次年度の事業展開に向けて、例年、懸案の観光課題に関する予算要望活動を川崎 市長や市議会各派に対して行ってきていますが、平成26年度は市制90周年を迎 えることから、大型観光バスの停車場の整備をはじめ継続して行ってきている要望 事項に加えて、90周年記念事業の実施にむけた財政措置等について要望を行いま した。 3 大都市観光協会連絡協議会の開催 平成25年度は社団法人さいたま観光国際協会が当番幹事となり、東京都及び政 令指定都市の観光協会21協会で構成する当連絡協議会総会が7月25日(木)、 26日(金)に、事務主管者会議が11月28日(木)、29日(金)の日程で、 さいたま市内で開催されました。 総会には専務理事が、事務主管者会議には事務局長が出席し、大都市の観光事業 や組織運営の課題等について情報交換を行うとともに、市内施設の視察研修に参加 しました。 4 会員へのサービスの充実 協会ホームページに掲載するバナー広告の会員割引、協会ニュースレターの無料 配布、観光関連研修セミナーの開講など引き続き会員サービスに努めました。 5 部会等の設置・活用 市内11地区の観光協会の会長により構成する「地区観光協会会長会議」を開催 し、当協会の観光事業の状況や各地区観光協会における事業報告、今後の観光事業 -7- の取組み等を紹介し、意見交換を行いました。 -8-