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全体最適実現のためのグループ経営のあり方 - Nomura Research

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全体最適実現のためのグループ経営のあり方 - Nomura Research
2
コンサルタントが語る
分権型組織の改革の事例
全体最適実現のためのグループ経営のあり方
上記事例が示すように、
分権化は、
BU個別
日本企業におけるBUの強化を目的としたカンパニー制等の分権型組織への移行や「小さ
企業価値の向上を阻害するおそれがある。
最適に陥り、
グループ全体最適が損なわれて、
な本社」を目指した本社改革は、価値創造能力を発揮すべき本社機能の弱体化を招いた。
分権型組織においてグループ全体最適を実現するためには、本社の事業価値創造機能とグ
最近の組織改革事例
ループ全体を有機的に結合・統合させるための「グループ・プラットフォーム」の構築が求められる。
近年、
図表1に示すとおり、
従来の分権型組
織を改革する動きがある。たとえば、
NECでは、
経
営
シ
ス
テ
ム
コ
ン
サ
ル
小テ
沼ィ
ン
グ
靖部
上
級
コ
ン
サ
ル
タ
ン
ト
全
グ体
ル最
ー適
プ
経
営
のB
方U
向個
性別
最
適
図表1
サークルKサンクス
(機能別組織)
三菱化学
(セグメント制)
NEC(BU制)
日清オイリオ
(カンパニー制)
サークルKサンクス
(持ち株会社)
帝人
(カンパニー制)
日清オイリオ
(持ち株会社)
帝人
(持ち株会社)
NEC
(カンパニー制)
集 権
分 権
BUの権限の方向性
(注)逆の動きもあり、帝人は2年前に8事業グループをすべて分社化して持ち株会社制に移行した。
8事業グループ間での
シナジー追求よりも、各事業グループで個別最適を徹底追求して、
グループ価値を高めたい意向があったのである。
型組織への移行において本社機能のスリム化
以前にカンパニー制を採っていたが、
このよう
グループ経営における現状と課題
も合わせて行われたことによって、本社機能が
な縦割り組織ではグループ全体最適が追求し
全体最適を実現するのは本社の役割である。
縮小化・弱体化したことも一因になっている。
にくいことから、11のビジネスユニットから構成
だが、実際は、本社が自立性の高いBUに過
1990年のバブル経済崩壊後、景気低迷が
自立性が高まったBUにおける個別最適経
される「BU制」に移行した。
剰に介入し、本来、育成・支援すべきBUを放
続くなか、80年代に多角化を推し進めた日本
営がグループ全体の価値破壊を招いている
持ち株会社で統合したサークルKサンクスは、
任しているケースが多く見られる。このようなグ
企業は相次いで効率的な組織を志向した。94
事例は枚挙に暇がない。実際、松下電器、
ソ
当初は傘下の子会社の自立性を認める持ち
ループ経営では、
企業価値を低下させる。
年にソニーが導入したカンパニー制組織は、
ニー、
NECのような日本を代表する優良企業
株会社制の維持を表明していたが、
経営環境
本来、本社機能は、各BUの事業特性に合
多くの企業に採用され、
BU
(BUはBusiness
においても、2000年以降、分権型組織の問題
が変化し、
コンビニエンスストア事業を2つの子
わせて設計すべきである。BU毎に発展段階
Unitの略称。BUとは事業部門および事業部
が顕在化した事例が存在する。
会社で独立して運営していくのは非効率にな
や戦略が異なることを考えれば、すべてのBU
門の傘下にあるグループ会社、
もしくは事業部
ソニーは、
2002年後半から2004年にかけて、
ってきた。このため、現在は、持ち株会社とコン
に対して一律の機能提供は想定しづらい。た
門と並立するグループ会社の総称)への分権
4種類のレコーダー
(コクーン
(HDDレコーダー)、
ビニエンスストア事業の2つの子会社を統合して、
とえば、新規事業としてラインに組み込まれた
化が進んだ。2005年6月現在で、持ち株会社
ブルーレイ、
スゴ録(DVDレコーダー)、
PSX
(D
機能別組織に移行している。
ばかりのBUには、
BUとして運営していくため
体制を採る企業が70社を超えており、分権型
VDレコーダー))
を相次いで上市した。これら
こうした事例に基づくと、
カンパニー制や持
のノウハウの提供、他のBUの経営資源を柔
組織の採用は大きなトレンドと言ってよい。
はいずれも異なるカンパニーが開発を担当し
ち株会社制等の分権型組織を導入している
軟に活用させるなどの支援を提供しても良い。
個々のBUの強化を主な目的とした分権型
ており、上市のタイミング、商品戦略のすり合わ
企業は、組織の抜本改革のタイミングに来てい
また、本社は分権型組織におけるメリットを維
組織では、
BUの自立性の向上という点で効
せ、
技術の共有化が十分であったとは言えない。
るのではないか。
持しながらも、企業価値最大化の視点からB
果は大きいが、
デメリットも多い。分権化は、
BU
商品戦略の分断化、技術の分断化は、縦割り
U個別最適とグループ全体最適のバランスを
の自立性を高めるために、
グループ全体最適
組織に見られる典型的な症状である。カンパ
追求する機能と形態を具備しなければならない。
を損ねBUの個別最適経営を誘発しがちであ
ニー制の導入による分権化は、
カンパニー間
る。BUがグループ全体最適を考えて自発的
の競争を生み出したものの、縦割り組織の弊
にシナジーを追求する行動にでることは期待
害を招いてしまったといっても過言ではない。
できない。
本来、本社主導で、縦割り組織の融合を図り、
本社の事業価値創造機能の構築
概念である。たとえば、
本社によるBU間のシナ
本来、
組織横断的な連携促進や縦割り組織
戦略の共有と技術やノウハウの共有を図るべ
多くの欧米企業では、本社をグループ経営
ジー追求とかBUへの支援というものが相当
の問題の解決は、
本社が取り組むべきであるが、
きである。
しかし、
一度、
独立志向が強まったB
の中枢という意味で「コーポレートセンター」と
する。だが、従来、成功事例が極めて少ない。
これを実現している企業は極めて少ない。分権
U間の調整は、
それほど簡単ではない。
呼んでいる。この呼称が示すように、
グループ
事業価値創造機能とは、
事業が競争優位を確
6 コンサルタントが語る-2
当レポートに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約により保護されています。
Copyright(C) 2005 Nomura Research Institute,Ltd. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
グループ全体最適実現の
ための本社機能改革
三菱化学
(カンパニー制)
このような機能を「事業価値創造機能」と
呼ぶ。事業価値創造機能というのは、
まったく
新しい概念ではなく、従来から存在していた
コンサルタントが語る-2
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コンサルタントが語る
を軸に多面的な商品開発を進めているわけだ。
保するために必要な要件(以下、
KFSという)
スである。
シェアード・サービスを構築することで、
を理解し、
KFSを充足するためにBUへの経営
BU側の間接部門は極力小さくすることができ
生BU」は、最も判断が難しく、将来の価値を
資源の最適配分を意思決定する機能、
および
る。これによって、
BU側としては固定費が削
創造する可能性を持っているものの、単独で
経営資源を効率的かつ効果的に確保・提供す
減され、利益の最大化につながる。そのサポ
るためのインフラを構築・改革する機能である。
ートを本社がする。
当該機能は、
BU個別の事業価値を高める
第2は、希少性の高い資源をグループ内で
ための機能であるが、
グループ内の経営資源
調達し、
それを必要とするBUに提供する。例
本社に事業価値創造機能を具備させた結果、
まれるBUである。M&A、設備投資、研究開
や経営機能を最大限有効活用することを前
えば、
M&Aやアライアンスで成功するケースは
グループ経営はどう変わるのか。図表2に示す
発投資や人材投入など、必要な経営資源の
提にしていることから、結果としてグループ全
全体の2∼3割に過ぎないと言われている。失
ように、事業価値創造の可能性(収益性)の
投入を行い、
積極的に支援すべきBUである。
体最適を追求するものである。
敗しているケースでは、
自社にとってシナジー
視点と本社の価値創造能力(競争優位確保
「戦略保有BU」も判断が難しいが、
BU単独
なお、
本稿における本社の事業価値創造機
効果の期待できる最適なパートナーを探索で
の可能性)
の視点から、
BUは5つに分類される。
で競争優位獲得が可能であり、現在のコーポ
能という概念は、
アッシュリッジ・ビジネススクー
きない、
もしくは、
買収後の融合がうまくいかず、
これは、
BU毎の経営資源配分の方針を決定
レート・ブランドすらなくても価値創造可能なB
ル(英国)のストラテジック・マネジメントセンター
期待されたシナジー効果を発揮できないといっ
するための事業ポートフォリオであると同時に、
Uである。そこでの判断としては、
キャッシュ・ジ
のディレクターを務めるアンドリュー・キャンベル
たことが失敗の原因となっている。M&Aやア
BU毎の本社による事業価値創造機能の方
ェネレーターであれば継続保有する、
または手
氏とマイケル・グールド氏の提唱する「ペアレン
ライアンスに関わるノウハウを本社として持って
向性を決定するものになる。
元のキャッシュが必要な場合は、
MBOやIPO
ティング」のフレームワークを参考にしている。
いれば、
BUがM&Aやアライアンスを行うときに、
縦軸は各BUの財務的価値を示している。
で独立させてしまう。
このフレームワークでは、本社を株主とBUとの
成功を支援する希少性の高いサービスを提
1つ目は、事業価値が投下資本を上回る価値
事業価値はプラスであるが投下資本を回収
間の「仲介役」
という存在として位置付けてお
供できるのだ。米国ではGEの本社M&A専門
を創造するBUがある。
2つ目は、事業価値は
していない(価値破壊を起している)
ノンコア
り、本社の存在意義はBUに付加価値を与え
部署が有名であるが、
日本企業でも同様の部
プラスだが投下資本を下回る場合は価値を破
事業(売却BU)について、売却の意思決定
ることを前提にしている。
署を設けて、
ノウハウを蓄積する動きがある。
壊するBU。
3つ目は、
投下資本にかかわらず、
ができず、
継続保有している日本企業が多い。
第3の視点は、経営資源を安定的・持続的
価値がマイナスの赤字BUがある。
極めて自立性が高く、本社として価値が提供
本社の事業価値創造機能の事例
に確保する仕組みを本社から提供する場合で
横軸は本社の価値創造能力という視点で
できないものは、
スピンオフ、売却、
IPOをして
本社の事業価値創造機能は、大きく3つの
ある。
3Mの「テクノロジー・プラットフォーム」の
ある。
BU毎に事業戦略やKFSを分析すると、
いく。本社が付加価値を提供できる親和性の
タイプが考えられる。
概念のように、既存の基礎技術をもとに、複数
現在のグループで保有し続けても競争優位獲
高いものだけでグループを構成することによっ
第1は、
グループ全体で共通性の高い資源
の異なった事業分野のBUで新商品開発を行
得が困難なBUがある。
2つ目は、独立性が高
て企業価値最大化を実現できる。
を提供することで事業価値が創造できる。たと
うように、本社が何らかの技術的なプラットフォ
く必要な経営資源を持っており、
自立して競争
本社の事業価値創造機能のあり方
えば、
BUにも人事、経理、総務などの機能が
ームを提供する場合が該当する。
3Mの新商
優位を確保可能なBUがある。
3つ目は、
KFS
必要になるが、
こうした機能のインフラやノウハ
品の多くは、
それまでになかった全く新しい技
を充足させるためにはBU単独では難しい、
本
ウは、元々、本社が保有しているため、
ベストプ
術が生み出したものではない。マイクロ複製技
社支援がなければ、競争優位の確保が難し
ラクティスを提供することによって、高度な専門
術や不織布技術のような既存の基礎技術をも
いBUがある。
サービス機能を比較的容易にBUサイドで構
とに、
各BUが新しいアイデアを付け加えて商品
この縦軸と横軸で見ていくと、
マイナス価値
築できる。
もう1つの事例がシェアード・サービ
化する。
3Mでは各テクノロジー・プラットフォーム
のBUは例外を除いてすべて撤退する。価値
本社機能改革後の
グループ経営イメージ
破壊を起している「売却BU」および「育成・再
は価値を創造するには不十分である。
「拡大
BU」は、
本社による競争優位確保のための支
援が求められ、
これによって価値創造が見込
事
業
価
値
創
造
の
可
能
性
価値創造
価値破壊
図表2
戦略保有BU
拡大BU
売却BU
マイナス
価値
育成・再生BU
撤退BU
現グループでは競争
優位確保困難
BU単独で競争
優位確保可能
本社の支援により競争
優位確保可能
ノンコア事業
本社の価値創造能力
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コア事業
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コンサルタントが語る
コンサルタントが語る
ある。
これらを「グループ・プラットフォーム」
と呼ぶ。
グループ全体最適の実現に向けて
エレクトロニクス企業に求められる事業構造変革
たとえば、
GEには完全に定着している強固
エレクトロニクス企業が苦境に陥っている原因として、企業価値向上に向けた戦略オー
なグループ・プラットフォームが存在する。
「GE
図表3
グループ全体最適を実現する上で、本社の
バリュー」という行動規範、
ワークアウト
(現場
事業価値創造機能の整備が必要なことは言う
サイドで事業そのものや事業を行う上で障害
までもない。これに加え、我々の経験則上、組織
になっている事項について意見交換して、障
の凝集性が高く一体感のある企業や求心力が
害を取り除く活動)、
ベストプラクティスの共有化、
働いている企業は、戦略上の必要性に応じて
シックスシグマなど、
ジャック・ウェルチ時代に導
自立性の高いBU間の連携・協調関係をうまく
入したGE特有の制度・仕組みがある。
図っているように思われる。このメカニズムを明ら
分権型組織を徹底させるために、
BUの事業・
かにするために、
全体最適のグループ経営を志
業界・地域特性に合わせて、
BU毎に経営理念、
向して持続的成長を実現している成功企業と
人事制度、
管理会計制度を含む各種制度・仕
業績の低迷から抜け出せない失敗企業をサン
組みといったプラットフォームが個別に構築さ
プリングし分析を試みた。成功企業としては、
ト
れることが多い。失敗企業では、各種制度・仕
ヨタ、
キヤノン、
シャープ、
日東電工、
花王、
GE、
3M
組みが完全にBU毎に個別に設計されており、
などの日米の代表的企業を十数社選定した。
グループを統合するグループ・プラットフォーム
失敗企業もほぼ同数採り上げて比較分析した。
が極めて脆弱である。結果として、
当該グルー
成功企業にはすべて、
BUの自立経営を認め
プは、過度に縦割りの独立した異事業の集合
つつグループ全体を有機的に結合・統合させる
体になり、
グループとしての一体感や凝集性が
ためのインフラと呼ぶべきものが存在しているこ
損なわれている。一端、
このようなグループを構
た戦略転換、高い目標/課題設定能力の強化など“筋肉質の戦略企画部門 ”の役割を
見直し、全社戦略の迅速な実現力・実行力の強化が求められている。
の日本企業の勝ちパターンが適用できなくな
成熟期において収益が得られない
我が国エレクトロニクス企業
事
業
開
発
コ
ン
サ
ル
テ
ィ
ン
グ
室
グ
ル
ー
中プ
マ
川ネ
隆ジ
ャ
之ー
技
術
・
産
業
コ
ン
サ
ル
テ
ィ
ン
グ
一
部
上
級
コ
ン
サ
ル
タ
ン
ト
量販店での販売量が拡大するにつれて、
代の後半から従来の勝ちパターンが通用し
価格低下のスピードが早くなったことがあげ
なくなっている。この外的要因として、以下の
られる。
3つがあげられる。
これら①∼③で掲げた現象は、
エレクトロニ
①付加価値の源泉が組立工程からデバイス
クス企業においても成熟化(コモディティ化)
ならびにソフトウエアへシフト
の波が急激に押し寄せており、
「勝者なき繁
グ
ル
ー
プ
近マ
野ネ
ジ
ャ
泰ー
技
術
経
営
コ
ン
サ
ル
テ
ィ
ン
グ
室
技
術
・
産
業
コ
ン
サ
ル
テ
ィ
ン
グ
一
部
商品の付加価値がデバ
忙」の戦いに埋没し、低マージンの競争にさ
イスにシフトすることによって、
らされている状況に陥っている現れと言えよう。
デバイスを外部から購入し、
上
級
コ
ン
サ
ル
タ
ン
ト
先述のグループの凝集性、
一体感、
求心力を高
た独立性の高いBU同士を連携させ、
シナジ
めていると推測される。たとえば、図表3で掲げ
ーを追求する運営体制にシフトしてもうまくい
るように、
グループで共通のコミュニケーション・価
かないケースが多い。高度に分権化を進めた
値観の共有化手段、
制度・仕組み、
組織風土で
カンパニー制や持ち株会社制組織において、
横串組織が機能しない事例は、
グループ・プラ
デジタル化が進み日本企
ットフォームの脆弱な企業に集中している。
業が得意としていた小型化、
最後に、分権型組織においては、共通のグ
軽量化の技術の重要性が
ループ・プラットフォームと事業・業界・地域特性
低下した。さらに付加価値
「ナンバー1、
ナンバー2」
(GE)
「グローバル・エクセレンス」
(松下電器)
に応じてBU毎に構築する個別のプラットフォ
がデバイスへとシフトし、後
経営指標:SVA(HOYA)、MCVA(三菱商事)、
新製品比率(日東電工、
3M)
●社内用語
:
4つのM(GE)
ームのいずれか一方に偏ってはならず、双方
発企業のキャッチアップが
の最適なバランスをとりつつ設計・構築するこ
早くなることによって、従来
グループ・プラット
フォームのタイプ
内 容
共通の価値観・行動規範
●
ストラテジック・プリンシプル
●
製造する海外企業の追い
上げが速まった。
「ザ・
トヨタ・ウェイ」、
「HPウェイ」、
「GEバリュー」
「人のやらないことをやる」
(ソニー)、
「三自の精神」
(キヤノン)
●
●
従来の勝ち
勝ちパターン
付加価値が
パターン
の消滅
組立てから、
図表1 エレク
トロニクス企業における競争力
デバイスならびに
通用しない先行逃げ切
の低下要因
新製品開発
りモデル
●
●
図表1 エレクトロニクス業界における競争力の
低下要因
②デジタル化によりもはや
具体例
「IBM社員のやることは市場=顧客が決める」
(ガースナーの哲学)
」
●
「経営理念・ビジョンの伝達により、10万人の
社員の求心力とモチベーション維持・向上」
(キヤノン)
●
経営トップのリーダーシップ&
コミュニケーション能力
●
③パワー量販店の販売量の増大/モデル
日本のエレクトロニクス企業では、1990年
築してしまうと、
グループ内で競争関係にあっ
事 例
りつつある。
チェンジの頻度拡大
とが明らかになった。このような各種インフラが
グループ・プラットフォームの事例
コミュニケーション・
価値観の共有化
手段
ナーシップの企画・推進補佐機能が相対的に弱体化していることを指摘したい。思い切っ
ソフトにシフト
×
による
市場開拓
×
海外製造シフト
による
コストダウン
ブランド戦略
×
海外メーカの追上げ
スピードが速まってきた
×
×
商品開発力の
低下
従来の先行逃
げ切りモデルが
通用しなくなった
消費者にとって
商品の差が
見えなくなった
●
共通言語
(経営指標、社内用語)
●
ワークアウト、
シックスシグマ、
3M、GE
経営人材育成システム
●
制度・仕組み
テクノロジー・プラットフォーム
日東電工、
3M
カイゼン
トヨタ
●
●
組織風土
◆組織学習
パワー量販店
の販売量増加
モデルチェンジ
の頻度拡大
とが求められる。
◆問題の「見える化」
(トヨタ)、
「ビジョン経営と自律化」
(キヤノン)
10 コンサルタントが語る-2
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コンサルタントが語る-3 11
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