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繊維業界の需要動向

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繊維業界の需要動向
第5号
平成 28 年 9 月 30 日
繊維業界の需要動向
≪定点観測≫ 全国の小売店の状況
① 日本チェーンストア協会 6 月~8 月の販売金額
部門
6 月(万円)
7 月(万円)
衣料品
期間:平成 28 年 7 月~9 月
作成:多可町商工会
8 月(万円)
8 月(前年同月比)
9,415,195
9,920,581
8,125,287
90.3%
紳士衣料
1,992,510
1,844,082
1,359,116
91.0%
婦人衣料
2,540,293
3,220,132
2,413,921
89.2%
その他の衣料・洋品
4,882,392
4,856,367
4,352,250
90.8%
○紳士衣料
カジュアルパンツ・シャツ、ショートパンツなどカジュアル関係が好調だった。
○婦人衣料
スカート、カットソー、Tシャツなどは良かったが、ブラウス等が不調。
○その他衣料・洋品
レイングッズ等は堅調だったが、紳士・子供パジャマ等が苦戦。
② 百貨店 6 月~8 月の販売金額
部門
6 月(百万円)
7 月(百万円)
8 月(百万円)
137,693
173,547
110,595
紳士衣料
30,449
34,681
20,163
婦人衣料
88,429
114,078
72,401
8,129
11,353
8,083
10,684
13,434
9,947
衣料品
子供服・洋品
その他の衣料品
・6 月は主要 5 品目全てが前年を割ったものの、中元の購買客の買い回りがあり、衣料品
は前月比がマイナスながらも縮小幅が小さかった。
・7 月の全体売上高は結果的にはマイナスに終わったが、中元商戦などにより入店客数が
増加し、前月に比べて大幅な改善が見られた。しかし衣料品はクリアランスの前倒しを
行ったため、前年に届かない厳しい結果となった。
・8 月は不安定な天候が入店客数に影響し、全体売上高は今年一番の落ち込みとなった。
中でも衣料品は、回復の兆しが見えない婦人服・紳士服・子供服が揃って大きく数字を
落とす結果となった。
③ 国内の衣類の消費動向
●総務省「家計調査」(二人以上の世帯)における 8 月の「被服および履物」への支出状況
・全品目において前年同期を下回っており、詳細を見てみると前年同期を上回っている
のは、男子用洋服と子供用シャツ・セーターのみであった。
被服及び履物への支出額
「被服及び履物」
への
支出の内訳
和服
洋服
シャツ・セーター類
下着類
生地・糸類
他の被服
その他(履物・関連サービス)
金額
8,024 円
100 円
2,693 円
1,923 円
876 円
85 円
547 円
1,799 円
前年同期比
▲12.9%
▲44.0%
▲9.3%
▲8.1%
▲12.3%
▲17.5%
▲21.5%
*
≪参考 URL≫
日本チェーンストア協会 販売統計◆https://www.jcsa.gr.jp/public/statistics.html
日本百貨店協会◆http://www.depart.or.jp/common_department_store_sale/list
総務省統計局家計調査報告◆http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/shihanki/index.htm
≪ネット上等に見られる繊維業関連の需要動向≫
2020 年東京五輪のエンブレムが、来年夏のテキスタイル柄の注目柄になる可能性も
総合素材展プレミアム・テキスタイル・ジャパンで、トレンドの大花やペイズリーに加え、
市松柄が目を引いた。
「東京五輪エンブレムがイメージ源」とする企業もあり、隠れた注目柄として今後浮上する
可能性がある。
市松模様は日本の古典柄であり、日本産を訴求する国内の生地サプライヤーの意向にも合致
するもので、売り場においてもベーシックなものが依然好まれることから、アパレルからも取
り入れやすいと好評を得ている。
西脇市の産元商社「内外織物㈱」は、生地ブランド『ヌノノ』の新柄として企画提案されて
おり、各地の繊維業者がそれぞれの市松模様を提案・表現し始めている。
来年の春夏のテキスタイル柄として注目を集めそうな予感がする。
≪参考 URL≫「繊研~17ss テキスタイル 隠れトレンドは~」より
◆http://www.senken.co.jp/news/supply/17ss-textile-160719/
日本らしさが表現されている東京五輪エンブレム。エンブレムだけでなく「日本ら
しさ」が海外から好まれていることもあり、日本の地場産業を今一度見つめ直し、
日本らしさを守りつつ、新たな挑戦を興していくことも必要であると思われる。
ベトナム最大の繊維・縫製会社が伊藤忠と提携、糸・生地から一貫生産
繊維製品の輸出が急拡大するベトナムの中で、最大の繊
維・縫製会社の「ビナテックス」が台頭してきている。
ビナテックスは国営の繊維関連会社が合併して誕生し、
グループ傘下に約 80 企業を抱えている。製糸から織り、
編み、染め、縫製まで繊維産業の全工程を手掛けている。
100 台を超えるベルギー製織機が揃う生地工場は約 30
億円を投じて稼働。できあがった生地は車で 10 分ほど離
れたグループ企業の縫製工場に運ばれ、約 2,000 人の従業
員が裁断・縫製作業を行っている。
勢いづくベトナムの繊維輸出
一貫生産の実現により、注文から最短 25 日で輸出が可
(日本経済新聞の記事より)
能となっている。今後さらに織機を増やして、生産能力を
現在の 2.4 倍となる月産 170 万メートルに引き上げるとしている。
中国などからの輸入に頼っていた糸は、今年 7 月に開所した製糸工場で月 240 トンを生産
し、この工場を含めて約 170 億円を糸・生地の拠点に投資することになっている。
勢いに乗るベトナムを「最重要拠点」と位置付けた伊藤忠商事は、昨年 1 月に業務提携を結
び、欧米や日本のアパレル大手などへの開拓を進め、世界各国への販売拡大を目指している。
≪参考≫ 日本経済新聞(9/30 発行)「新繊維大国の旗手 世界へ」
大量生産・短納期というベトナム大手の台頭には、どうあがいたとしても太刀打ち
できるようなレベルではないが、培ってきた播州織 220 年の歴史と優れた技術力に
よる播州織にしかできない「ものづくり」のチカラを示していくべきと考える。
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