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平成27年1-3月期 地域経済産業調査(全体及び各地域

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平成27年1-3月期 地域経済産業調査(全体及び各地域
平成27年1-3月期地域経済産業調査~全体総括(1/2)~
資料2
基調判断は5期ぶりの上方修正。地域別では、景況判断を関東、北陸、近畿、中
国、四国、九州で上方修正し、その他の地域は据え置いた。
○生産:自動車や自動車関連では、北米向けを中心に、北海道、関東、東海、近畿、九州で
堅調に推移している。一方、国内向けは軽自動車や新型車等の投入により堅調に推移す
る地域もあるが、引き続き弱含みとなっている。 電子・デバイスは、海外のスマートフォンや
自動車向けの生産が、東北、関東、東海、北陸、近畿、九州で堅調に推移。また、はん用・
生産用・業務用機械も、海外向けを中心に東北、関東、東海、北陸、近畿、四国、九州で堅
調に推移した。
○設備投資:製造業では、前期に引き続き全国的に設備の維持・更新に伴う投資を中心に、
一部に生産能力増強や工場新設への投資の動きがみられる。非製造業でも、引き続き全
国的に小売業で新規出店や既存店舗のリニューアルの動きがみられるなか、東北、九州
の小売業では、建設費用の高騰や、優良物件の減少から出店計画を見直すとの声も聞か
れた。
平成27年1-3月期地域経済産業調査~全体総括(2/2)~
○雇用情勢:製造業では、一部に適正な人員が確保されているとの声もあるが、生産・受注
増に対し社員の超過勤務でカバーするなど前期に引き続き人手不足との声が聞かれた。非
製造業でも、全国的に小売業、サービス業、建設業で人手不足が続いており、今後も継続す
る見方が強い。
○個人消費:全国的に、百貨店の高額商品やスーパーの食料品の売上げが持ち直している
が、一方で日用品は低価格志向が続いており消費の二極化が広がっているとの声が聞か
れた。また、一部に軽自動車や新型車投入効果もみられたものの、引き続き自動車販売や
家電販売は消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減の影響がみられた。なお、観光
では春節の影響もあり、北海道、関東、近畿、九州、沖縄で外国人観光客による消費が好調
との声が聞かれた。
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は持ち直しの兆しがみられる(
北海道
緩やかな持ち
直し基調が続
くなか、弱い
動きがみられ
る
(→)
)管内においては前倒し発注による公共
工事の減少、鉄筋工・型枠工などの技能者不足による工事遅延、鋼材等を運搬す
るドライバー不足などの影響で建設資材の出荷の滞りなどの状況が続いているほ
か、円安等による原材料価格の高騰で、食料品などでは収益への影響が引き続き
みられる。一方、輸送機械は自動車部品や鋼船の海外需要が堅調なほか、紙・パ
ルプでは特殊紙の生産が輸出向けを中心に伸びている。また、窯業・土石製品は
工事現場での省力化や工期短縮に対応した製品の生産が好調を維持している。
○設備投資は持ち直しの動きがみられる(→)設備の維持・更新のほか、製造業
では研究開発や能力増強のための投資、非製造業では大型小売店等の新規出店、
LED化などの省エネ投資も進んでいる。
○雇用情勢は緩やかに改善している(→)有効求人倍率は全国に比べて低いもの
の、長期にわたり改善を続けている。引き続き、雇用のミスマッチが生じており、
とりわけ札幌圏以外での人材確保は厳しい状況。また、若手社員の離職・転職が
増えているとの声も聞かれる。
○個人消費は持ち直しの動きに弱さがみられる(→)大型小売店では、生鮮品は
堅調に推移しているが、天候不順による来店客数の減少に加え、衣料品や身の回
り品などで不要不急の支出を控える節約志向の動きが続いており、新車や家電等
の耐久財も振るわない状況で、持ち直しの動きに弱さがみられる。観光はインバ
ウンドが引き続き好調で、とりわけ冬の一大イベントであるさっぽろ雪まつりが
春節の時期と重ならなかったことによる相乗効果で百貨店等での外国人客による
売上が増加、ホテルの稼働率も高水準となった。
~企業の声~
・ウイスキーの販売好調に伴ったハイボール人気の高まりから、炭酸水の生産が増加している。(中小製造業)
・2月は、雪まつりと春節の時期が重ならなかったことで長期間にわたり多くの外国人客が訪れた。ホテルで飲食するための菓子や酒類など、免税売上以外でも
外国人客への売上は伸びている。(大手小売店)
・新卒者については、社員の年齢構成にばらつきが出ないよう景気に左右されることなく毎年一定数を採用してきたが、このところ入社してからのミスマッチで
離職者が増える傾向にある。(大手卸売業)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる(
東北
緩やかな持ち
直し傾向にあ
るものの、一
部に弱い動き
がみられる
( )
)消費税率引上げに伴う駆け込み
需要の反動などによって低調に推移してきた輸送機械や情報通信機械に加え、化学・石
油製品に持ち直しの動きがみられる。また、車載・スマホ向けを中心に好調な電子・デバイ
スのほか、輸出を中心に一般機械も堅調に推移している。なお、紙・パルプや鉄鋼では需
要低迷により生産調整や在庫調整の動きがある。今後については、設備投資効果による
生産増加の見通しを持つ企業がある一方で、中国経済の成長鈍化を懸念する声がある。
○設備投資は緩やかに持ち直している(→)製造業では、業績を反映した生産能力
拡大のほか、新規受注により昨年度に比べて増額とする企業が多いが、非製造業では、
設備の維持・更新が中心となっており、横ばいや減額とする企業が多い。なお、小売各社
の新規出店への積極姿勢は継続しているものの、一部では優良物件の減少や建築コスト
の上昇などから、出店計画を見直す動きもみられる。27年度については、製造業において
新製品対応など設備投資の増額を予定する企業が見受けられるものの、非製造業では慎
重な計画が目立つ。
○雇用情勢は改善の動きが続いている(→)雇用は、復興需要の下支えもあり新規
求人倍率、有効求人倍率ともに高水準で推移しており、改善の動きが続いている。小売業
の販売職や建設業の現場管理担当者を中心とした技術者に人手不足感が強いが、製造
業では、おおむね適正な水準となっている。なお、被災県の沿岸地域では、職種等によるミ
スマッチが顕著であり厳しい状況が続いている。27年度の新卒採用計画では前年より採
用増加とする企業が多くみられるが、小売業・宿泊業では採用に苦労するとの声がある。
○個人消費は持ち直し傾向に足踏みがみられる( )大型小売店販売額は、堅調
な飲食料品を中心に持ち直し傾向にあるものの、身の回り品などでは消費税率引上げに
伴う駆け込み需要の反動減からの回復に足踏みがみられる。なお、低調に推移してきた衣
料品は2月の気温の上昇などにより春物衣料に動きがみられ11か月ぶりに前年を上回っ
た。今後については、反動減が一巡することに加え、4月以降の賃金上昇によって消費回
復を期待する声のほか、円安の影響等による商品価格の値上げによって消費者の低価
格・節約志向が定着することを懸念する声があった。
~企業の声~
・円安の継続から生産の一部について国内回帰を検討中。(大手製造業/宮城県)
・繁忙期の季節従業員の確保に苦労するため、閑散期となる同業他社から20名弱の従業員を受け入れた。(大手製造業/山形県)
・期待した国連防災会議(3/14~18:仙台市)の恩恵はほとんどみられなかった。(中小宿泊業/宮城県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は緩やかな持ち直しの動きがみられる(
緩やかに回復
している
関東
( )
)輸送機械は国内販売が厳し
い状況となっているものの、海外向けで好調に推移している。電子部品は中国、ア
ジアのスマートフォン向けの需要が堅調。一般機械では国内で設備投資を支援する
政策等により、工作機械等で受注は堅調に推移している他、海外では中国、アジア
のスマートフォン向けが好調。
○設備投資は緩やかに回復している( )製造業では、大企業において投資の
タイミングが上手く折り合わなかったことなどから来期以降に投資時期を先送りし
たとの声が一部で聞かれたものの、中小企業においては、国の施策の活用や消費マ
インドの良化等により積極的な投資計画に変更したという声が多かった。非製造業
においては設備更新や新規出店を計画通り実施しているという声が聞かれた。
○雇用情勢は緩やかに改善している(→)製造業では、多くの業種で人手の不足
感がみられ、特に生産の現場に対して雇用者を増やすことで対応する動きもみられ
る。また、非製造業では、工事現場で施工管理等を行う技術者や、小売業での店舗
販売員等に不足感があり、今後も継続するとの見方が強い。また、雇用情勢の改善
や新卒採用ルールの変化に伴い、労働市場がより大手優位の状況にあるとの意見も
多く聞かれた。
○個人消費は持ち直している(→)昨年の消費税率引上げに伴う駆け込み需要に
は及ばないとの見方が多い中、消費は二極化が更に深化し、インバウンド効果は百
貨店から他業態まで進展。インバウンドについては春節の影響により百貨店での高
額商品の売上げが好調。一方、需要サイクルの端境期にある家電量販店は生活必需
家電や「健康、安全、省エネ」家電の需要に期待を寄せている。生活必需品や外食
は高額でも付加価値の高い商品の需要はあるものの消費行動に力強さが見られない。
~企業の声~
・今期に入っても前期から引き続き受注高も堅調に推移し、それに伴い生産、売上も堅調に推移している。(中小製造業/東京都)
・マインドが良く、オリンピックも控えているので今は投資すべきと考えている。(中小製造業/新潟県)
・正社員の雇用を増加させることで労働負荷の軽減を計画(中小製造業/群馬県)
・顧客の消費動向は、値段だけでなく良いものを探す傾向がますます色濃くなっている。(大手小売業/東京都)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は緩やかに持ち直している(
緩やかに改善
しているもの
の、一部に足
中部
踏みがみられ
(東海) れる
(→)
)主力の自動車関連は、国内向けが弱含み
となっているものの、北米向けに持ち直しの動きがみられ、全体としては横ばいと
なっている。電子部品・デバイスは、スマートフォン向けを中心に増加の動きがみ
られる。金属工作機械は、北米向けが堅調なことに加え、国内向けは大企業から中
小企業にも動きが広がり緩やかに持ち直している。円安によって輸出型企業を中心
に収益改善が進んでいる。一方、中小企業では、電気料金の上昇による収益悪化の
声が引き続き聞かれる。
○設備投資は緩やかに増加している(→)製造業では、国内は、合理化・効率化
投資や維持・更新がみられ、電子部品・デバイス、自動車部品の一部には生産能力
増強投資がみられる。海外は北米、新興国への生産能力増強投資がみられる。非製
造業では、百貨店やスーパーなどの小売業で改装などがみられる。
○雇用情勢は着実に改善している(→)製造業では、残業や現状の非正規社員数
で生産量に対応できているとの声が多く聞かれる。非製造業では、スーパーやコン
ビニエンスストアなどの小売業で非正規社員の不足感が増し、募集しても人が集ま
りにくい状況が続いている。
○個人消費は緩やかに持ち直しているものの、一部に足踏みがみられる(→)
百貨店では、引き続き高額商品や催事に動きがみられる一方で、消費者の価格と価
値の見極めが厳しくなり、冬物衣料品等の動きが鈍くなっている。スーパーでは、
飲食料品は堅調であるものの、同業種間及び業態間の競争の激化から、来店客数の
減少がみられる。住宅投資は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動の影響が
みられる。家電販売は、スマートフォンに動きがみられるものの、パソコンや白物
家電を中心に振るわず、前年を下回って推移している。
~企業の声~
・国内自動車向けは、新型車効果はみられるものの、ほぼ横ばいとなっている。北米向けは好調。円安により収益が大きく改善している。(大手自動車部品製造
業/愛知県)
・企業の2極化が進んでいる。結果的に海外に進出している企業の仕事は増えており、国内生産のみの企業は苦戦している。電気料金の上昇は、コスト上昇と
なっている。(中小自動車部品製造業/愛知県)
・高額商品の需要は引き続き高いものの、衣料品やセール品の需要は厳しく、本当に欲しい物しか買わない傾向が続いている。(大手百貨店/愛知県)
・同業他社及び業態間の競争は厳しいものの、他社にはない商材を提供することで差別化を図っている。(大手スーパー/岐阜県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は増加している(→)電子部品・デバイスは、海外のスマートフォン向け
中部
(北陸)
緩やかに改善
している
( )
及び自動車向けとも好調。化学は、ジェネリック医薬品、受託製造を中心に好調。
はん用・生産用・業務用機械は、海外需要や国内の政策効果を背景に自動車分野
を中心に増加。繊維は、国内衣料が不振なものの、海外の自動車向け及び高密度
薄地織物が好調。金属製品は、住宅用サッシで消費税率引上げ前の駆け込み需要
の反動が続いており、弱含み。
○設備投資は増加している(→)製造業は、国内では、新製品の研究開発や工場
新増設、生産性向上のための設備更新などの投資を行う企業が多い。また、海外
では、需要地としての工場新増設などが引き続き行われている。非製造業は、北
陸新幹線の開業に合わせた店舗等の改装が活発に行われ、環境に配慮した省エネ
投資や新店の建設も進められている。
○雇用情勢は改善している( )製造業では、生産が増加している企業において
は、派遣社員など非正規雇用の増員で対応する動きがみられるが、希望する人材
が確保できないところが多く、社員の超過勤務でカバーしている。非製造業では、
継続的に求人を行っているものの、北陸新幹線開業もあって改装・出店ラッシュ
となっており、人材の不足感がますます強まっている。
○個人消費は一部に持ち直しの動きがみられる( )百貨店では、年初の大雪
により来店客数が減少し、その後は消費税率引上げ前の駆け込み需要の反動がみ
られた。スーパーでは、気温が高かったこともあって冬物衣料を中心に振るわな
かったものの、飲食料品は底堅く推移している。北陸新幹線開業後は、駅周辺や
観光地などで、にぎわいがみられる。一方、自動車販売や家電販売では、消費税
率引上げ前の駆け込み需要の反動が残っているものの、住宅販売では、少しずつ
回復している。
~企業の声~
・スマートフォン向け電子部品は、米国及び中国メーカーからの受注によりフル生産が続いており、販売価格にも大きな変動はない。(大手製造業/石川県)
・周辺では、小売業だけでも短期間に大型店が増えるので人材の争奪戦が加速化しており、人材のミスマッチということではなく、そもそも人手が足りない状況。
(スーパー/富山県)
・富裕層は、相続税対策もあり堅調な購買姿勢がみられるものの、ボリュームゾーンは、無理して買わない傾向が続いている。(百貨店/石川県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は緩やかな持ち直しの動き(
近畿
一部に弱さが
残るものの、
緩やかに改善
している
( )
)電子部品・デバイスは、通信網が拡張し
ている中国向けのスマートフォンや好調が継続している北米向け自動車の需要
が高水準で推移しており、輸送機械は、軽乗用車がこのところ堅調に推移すると
ともに、北米等海外向けも好調である。電気機械は、車載用のリチウムイオン蓄
電池を中心に好調を維持し、はん用・生産用・業務用機械も北米等海外向けが堅
調である。他方、電気機械工業の一部については、在庫が積み上がっており、生
産を調整しているという声も聞かれた。
○設備投資は持ち直している(→)全産業において持ち直してきており、計画ど
おりに投資が実施されている。大企業製造業を中心に、引き続き海外では地産地
消を目的とした工場の新・増設、国内では研究開発や生産能力増強のための投資
がみられる。中小製造業では老朽設備の更新等による省エネ・生産性向上、新規
事業への取り組みが継続的に行われている。非製造業では、訪日外国人や新たな
顧客獲得のための新規出店・店舗改装がみられる。
○雇用情勢は改善している( )一部に余剰感がある という声も出始めているが
、依然として人手不足が続いている。新規採用は、大企業で増加の動きがみられ
る。また、海外展開のためのグローバル人材や有資格者・技術者等の人材不足は
変わっていない。
○個人消費は一部に弱い動きがみられるものの、持ち直している(→)引き続
きボリュームゾーンの回復が遅れており、購入される品目や購入者層、郊外と都市部な
どの違いにより好不調にバラツキが目立つものの、購入単価の上昇もみられるなど総
じてみれば持ち直している。百貨店では気温上昇などもあり、主力の衣料品や高額品
等が回復、スーパー等では飲食料品が前年を上回っている。軽乗用車は引き続き高水
準で推移しているが、家電等は回復の動きがみられない。旅行は円安や政情不安等の
影響から海外旅行が減少しているが国内旅行は堅調である。
~企業の声~
・自動車向け、通信機器向け電子部品・デバイスは好調で注文が引き続き多く、暫くはフル生産を継続するだろう。(中小製造業/滋賀県)
・派遣社員で現場を埋めるなど引き続き不足感がある。また開発要員についても不足している。(中小製造業/大阪府)
・関西では大阪地区は良いが、他地域は落ちてきている。高級ブランドは良いが、ボリュームゾーンは引き続き悪い。(各種小売業/大阪府)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は一部に持ち直しの動き( )自動車は、新型車の生産開始やマイナーチェ
ンジを行った車種の生産が増え、増産。はん用・生産用・業務用機械は、高操業の事業
所が多い中、大型出荷の品目が影響し、やや増産。鉄鋼は、建設・造船向けは横ばい
ながら、製造業向けが堅調を維持しており、やや増産。電子部品・デバイスは、納入先
の電子機器メーカーの需要期を過ぎ、やや減産。情報通信機械は、冬の新モデルの生
産が落ち着いた携帯電話が影響して、やや減産。
持ち直してい
る
中国
( )
○設備投資は持ち直している(→)製造業では、設備の新設等の能力増強や維持
更新に加え、受注増加や新製品対応に向けた前向きな動きもみられる。
非製造業では、小売業の前年度の大規模新規出店の反動減がみられるものの、経営
効率化等の向上のための投資が引き続きみられる。
○雇用情勢は改善しており、幅広い業種で人手不足感が続いている(→)
製造業や建設業では、技術部門の人員不足の声が、小売業では、新規出店等に伴う販
売部門の人員不足の声が聞かれる。幅広い業種で必要な人員が集まらないなど人手不
足感が続いている。
○個人消費は一部に弱い動きがみられるものの、横ばい(→)引き続き時計の販
売が好調だったほか、飲食料品では高価格帯商品の売れ行きも良かった。一方、前年
に消費税率引上げに伴う駆け込み需要があった大型家電製品などの販売は低調。乗用
車販売は新型車投入効果がみられたものの、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の
反動により減少。
~企業の声~
・国内向け乗用車・商用車が増加するため、増産。(大手製造業/広島県)
・景気の回復や生産性向上設備に関する税制面の優遇等により、設備投資はやや増額となる見込み。(大手金融機関/広島県)
・店舗の販売員が不足。求人募集を出しても人が集まらない。また、採用してもすぐ辞職する者もいる。(大手ホームセンター/鳥取県)
・駆け込み需要の影響を除けば消費者マインドはこの1年徐々に上昇しており、悪くない状況。(大手スーパー/広島県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は緩やかな持ち直しの動き(↗)はん用・生産用機械、電気機械などは、
円安による海外競争力の高まりや堅調な国内建設需要などから、おおむね高水準
の生産となっている。化学・石油石炭製品、輸送機械(造船)などは、市況が改
善されるなど持ち直しの動きがみられる。繊維、非鉄金属などは、おおむね横ば
いで推移している。パルプ・紙・紙加工品は、一部に弱い動きがみられる。
○設備投資は一部で持ち直しの動き(→)先行きの不透明感などから、設備の維
四国
緩やかな持ち
直しの動きが
みられる
(↗)
持・更新に絞るなど抑制的な動きとなっている。このようななか、繊維、電気機
械、プラスチック製品、輸送機械(造船)、小売、電気工事などでは、増産・新
規受注対応、研究開発、店舗新設などの積極的な投資がみられる。平成27年度
の設備投資計画は、製造業を中心に増産・新規受注対応の計画が見込まれている。
○雇用情勢は改善している(→)人員を「適正」とする企業が全体の過半を占め
るなど、引き続き改善している。このようななか、輸送機械(造船)、繊維、小
売、電気工事、住宅販売、建設など幅広い業種で「不足」、「やや不足」として
おり、引き続き不足感を感じている。今後の動きでは、多くの業種・企業で雇用
者数を増加しようとする動きがみられるなど、引き続き企業の雇用意欲の高まり
がみられる。
○個人消費は弱い動きのなか、一部に持ち直しの動き(→)百貨店販売、スー
パー販売は、緩やかな持ち直しの動きがみられ、コンビニエンスストア販売は、
店舗数が増加を続けていることなどから堅調に推移している。一方、家電販売及
び乗用車販売は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動がみられ低調に推移
しているものの、底堅さもうかがえる。
~企業の声~
・復興需要などから国内建設関連向け需要が好調な上、円安により国際競争力が高まっており海外での需要が堅調。(大手製造業/香川県)
・さらに円安に振れていることから、原材料の調達環境は悪化している。原材料アップ分を価格改定で転嫁しているが、全て転嫁できている状況ではない。(大
手製造業/愛媛県)
・生産設備の増強を図る計画であったが、景気動向を見て一旦保留とし、投資のタイミングを窺っている。(中小製造業/高知県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は持ち直している(
九州
緩やかに持ち
直している
( )
)輸送機械は、自動車が海外向け普通乗用車で受注
増、国内向けも春需要で受注が堅調。電子部品・デバイスは、AV機器・一般民生品用途で
低迷が継続しているが、国内外向け自動車用途や海外向けスマホ用途が堅調に推移。は
ん用・生産用機械は、国内向け発電所関連機械がやや鈍化したものの、国内外向け空調
関係機器が堅調。電気機械は一部で前年の駆け込み需要の反動減の影響がみられる一
方、円安を背景に輸出割合の高い機械関連企業からの受注が増加。素材関連は、化学原
材料等はアジア向け研究試薬や海外向けスマホ等用途などが好調。食料品は、消費税率
引上げの影響も薄れ、需要が持ち直しつつあり、健康に配慮した商品等の生産が増加。
○設備投資は持ち直している(→)製造業では、半導体、化学、生産機械等で増産
や新製品開発に向けた投資の動きがみられた。非製造業でも、店舗のリニューアル、イン
バウンドの取り込みに向けた販売力強化、省エネなどコストダウンに向けた投資を進める
動きがある一方、建設資材の高騰などで、新規出店を先送りする動きもみられる。
○雇用情勢は改善している(→)有効求人倍率が上昇し続ける中、製造業では、生
産増や新たな受注の確保のため人材確保に向けた意欲的な動きがみられるものの、一部
では求人が充足しない厳しい状況もみられる。非製造業でも、幅広い業種で人材不足がみ
られており、賃上げや柔軟な勤務体制、社員への登用拡大等の対応が行われている。こ
のように雇用情勢は改善しているものの、企業側からみると人手不足感が強まっている。
○個人消費は持ち直しの動きがみられる( )大型小売店では、前年の消費税率
引上げ前の駆け込み需要の反動がみられ、日用品などの節約志向は継続しているものの、
海外からのインバウンドの増加や国内需要の高まり等から高額品等に動きがみられてい
る。観光レジャーは海外は円安等で低調な一方、国内は堅調に推移。家電販売は駆け込
み需要の反動が継続。自動車販売でも駆け込み需要の反動が継続しているが、足元では
持ち直しの動きもみられる。住宅関連では、戸建ては引き続き厳しいものの、都市部のマ
ンション需要は堅調に推移。
~企業の声~
・鉄道やハイブリット車用途の電子部品材料やスマホ用途の液晶バックライト用材料が堅調。(大手製造/福岡県)
・競争力の高い製品の増産に向け、26年度から27年度にかけて大規模な設備投資を実施中。(大手製造/熊本県)
・ほぼフル操業の状態が続く中、特に設計部門の人材が不足気味。新たな受注を取る際の課題となっている。(中小製造/大分県)
・前年の駆け込み需要の反動がみられるものの、外商を中心に高額品等に動きがみられ、インバウンドも増加傾向。(大手小売業/鹿児島県)
地域
全体景況
個別の動向の具体例(主なコメント)
○生産は横ばいで推移している(→)食料品は、観光需要などにより横ばいで推移
改善している
沖縄
(→)
している。窯業・土石製品は、公共工事等により底堅く推移している。一部から1月~3月
期は年間を通して最も需要が低い時期との声が聞かれた。一方で那覇空港の滑走路増
設工事、ゆいレール延伸工事などで生産が増加、物流施設、マンション等民間建設工事
も活発化しているとの声が聞かれた。
○設備投資は横ばいで推移している(→)設備投資は横ばいで推移している。設備
の維持・更新が主であるとの声が多いが、一部、製造ラインなど、工場・施設の増改築を
実施するとの声が聞かれた。特に、卸売・小売業で、施設・店舗の拡充や増改築を実施
するなどの声が多く聞かれた。また、今年度は例年どおりだが、次年度は年間投資額
増加の予定との声も一部から聞かれた。
○雇用情勢は改善の動きがみられる(→)全国と比べ依然として厳しい状況である
ものの、有効求人倍率は堅調に推移している。人材不足との声も多く、新たに短時間労
働制やノー残業デイの導入、従業員確保のための賃金アップ、従業員スキルアップのた
めの再教育を実施するなどの声も聞かれた。また、地域によっては、人員確保が更に厳
しくなっているとの声も聞かれた。
○個人消費は改善の動きがみられる(→)百貨店・スーパーでの販売動向が前年同
月比を上回るなど堅調に推移している。所得の増加傾向により、客単価の高いPB商品の
売れ行きが好調。加えて、外国人観光客の増加や消費税免税制度の改正により消費拡
大に繋がっているとの声も聞かれた。プロ野球キャンプ等のイベント、春節・旧正月の旅
行需要、クルーズ船の寄港などによる誘客効果などにより観光客数は底堅く推移してい
る。特に、2月の海外観光客数は増減率+95.7%など堅調に推移している。一部から、今
後もクルーズ船の寄港数も増加し海外観光客の需要は好調と思われるとの声も聞かれ
た。
~企業の声~
・売上げが2%上昇している。観光客の増加、外国人の消費税フリータックスになったことから購買力が上昇したことによると思われる。(中小食料品)
・車エビ、マグロ等は例年並みで、2月のプロ野球キャンプ、ダイキンオーキット、沖縄映画祭等の定期事業も安定している。海外からのプロスポーツキャンプや国内の学生ス
ポーツキャンプが増えてきており、取扱荷物が増えてきている。原油安の影響でガソリン安、航空便の運賃安などコスト減による収益増も見込めている。(中小運輸・通信業)
・資材高は落ち着き、那覇空港第二滑走路埋め立て工事に伴う資材の間接的な受注もあり、公共工事、民間工事とも堅調。モノレール浦添延伸工事の間接的な資材受注は
これからで、年度当初は構造的に公共工事の受注は低調。辺野古関連工事の進捗状況を注視している。(中小卸売・小売業)
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