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本 和子

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本 和子
ConciseOxfordEnglishDictionary
第12版
に見 る現 代 英 語 の 変 化
藤本 和子
11911年
に 出 版 され たTheConciseOxfordZ)ictionaryofCurrentEnglish(以
COD1)か
ら100周 年 の2011年
下COD12)が
に 、ConciseOxfordEnglishDictionary第12版(以
出 版 され た。 こ の 年 には 、 同様 に100周
版 が 、DavidCrystalに
よる新 た なIntroductionが
学 出 版 局 か ら 出 版 さ れ て い る。t)CODI2の
240,000を
超 え る語(句)や
あ り、COD1の
よる と、CODは
年 を記 念 して 、COD1の
復刻
加 え られ て 、 オ ック ス フ ォー ド大
ジ ャ ケ ッ トの 情 報 に よ る と、 同 版 に は
語 義 が 収 録 さ れ て お り、 そ の ペ ー ジ 数 は1,682ペ
ペ ー ジ 数1,041ペ
COZ)12(pp.ix-xvii)に
下
ー ジで
ー ジ2)と 比 較 し て、 お よ そ1.6倍 に な っ て い る。
掲 載 さ れ て い るElizabethKnowlesに
、 も と もとTheOxfordEnglishDictionary(以
よるCODの
歴史 紹介 に
下OED)3)の
情報 を
圧 縮 して 、 小 さ くて 、手 ご ろな 価 格 の 辞 典 の 作 成 を 意 図 して 編 纂 が ス ター トした 。 し
か しな が ら、 同 時 に、CODは
単 な るOEDの
縮 約 版 で は な く、 最 新 の 情 報 を掲 載 す
る とい う編 纂 方 針 が あ る 。HenryWatsonFowlerとFrancisGeorgeFowler兄
COD1編
纂 の依 頼 が な され た の は1906年
後 に 完 成 を見 る こ とに な る。OED編
よ り、JamesMurrayに
冊 は、A-ANTま
1933年
の こ とで あ っ た。COD1は
纂 は 、1879年
まで 補 遺 版 編 纂 が 続 く。4)COD1編
一59一
、 そ れ か ら5年
に オ ックス フ ォー ド大 学 出 版 局 に
依 頼 され る。 そ れ か ら5年 後 の1884年
で の 語 を 収 録 し て お り、1928年
弟に
に発 行 され た最 初 の 分
に最 後 の分 冊 が完 成 す る ものの、
纂 の 進 行 は 、 途 中 でOEDの
編 纂 を追 い
抜 くこ と にな るが 、 そ の後 もCOD1の
料 が 用 い ら れ た 。CODI2に
1929年
よ る と、COD1か
、COD3(Addenda付
COD6は1976年
は1999年
き)は1934年
、COD7は1982年
、COD10改
編 纂 に はOED編
纂 の ため に 準備 され た言 語 材
らCOD12ま
、COD4は1951年
、COD8は1990年
訂 版 は2001年
で の 改 訂 は、COD2は
、COD9は1995年
、COD11は2004年
、CODII改
訂 版 は2006年
の2回 、 そ し て2011年
2002年
に も再 発 行 さ れ て お り、 この 時 、 タ イ トル が 現 在 のConciseOxfordEnglish
COD8以
版 に 至 る。 し か し な が ら、COD10は
降 、 テ クノ ロ ジ ー の 開 発 も伴 っ て、 改 訂 の ス ピー ドが 増 して い る こ とが 分 か
出 版 の 前 年1998年
に は 、 オ ック ス フ ォー ド大 学 出 版 局 か らThe1>ew
OxfordDictionaryofEnglish(以
を 収 録)が
下1>ODE)(350,000を
出 版 さ れ た 。NODEは
ReadingProgrammeの
デ ー タベ ー ス を利 用 して 編 纂 され て い る。COD10は
基 づ い て 編 纂 さ れ て お り、COD11は
Eη8」'∫h第3版(以 下ODE3)編
第2版 で あ るOxford
参 考 に 編 纂 さ れ て い る。
に 出版 さ れ たOxfordDictionaryof
纂 の研 究 分 析 が 生 か さ れ て い る。COD1で
ミ
恥
通 して 、 過 去100年
間 の 英 語 に ど の よ うな 変 化 を垣 間見 る こ とが で きる
の 記 述 の 変 化 を述 べ た1911/2011ボ
年 を 記 念 し てCOD12で
ック ス(以 下1911/2011ボ
両 辞 典 に設 け られ て い るUsage欄
や 語 義 を収 録 し たODE3で
見 られ る英 語
ッ クス)を 分 析 す る。 こ
新 た に 設 け ら れ た ボ ッ ク ス で あ る。 さ ら に、
代 英 語 の 変 化 に つ い て 探 る こ と を 目的 とす る。CODI2と
ODE3のUsage欄
は、編纂
られ て い る。
で あ ろ うか 。 本 稿 で は まず 、1911年 か ら2011年 の100年 間 に 、CODに
COD12とODE3の
、 この
編 纂 に は、20億 語 規 模 のtheOxfordEnglishCorpusやthe
Ox鉛rdReadingProgra㎜eカ
れ は、100周
語義
弟 は 、 用 例 を得 る た め に、 自 らの 読 書 な ど に頼 らな け れ ば な らなか っ
た が 、 今 や 、COD12の
COD12を
、NODEの
出 版 。 以 下01)E2)を
編 纂 に は 、 そ の 出 版 の 前 年 の2010年
者 のFowler兄
超 え る語(句)や
、theBritishNationaICorpusやtheOxford
DictionaryofEnglish(2003年
COD12の
、
変 更 さ れ た 。5)初 め て す べ て の 文 書 が コ ン ピ ュ ー タ ー で 処 理 され た
る。COI)10の
NODEに
、
、COD10
2008年
Dictionaryに
のCOD12出
、COD5は1964年
を比 較 分 析 す る こ とに よ り、 現
、350,000を
は 、 当 然 、 規 模 が 異 な る 。COD12のUsage欄
超 え る語(句)
は、単 に
の規 模 を 縮 小 し た だ け の もの で あ ろ うか 。 あ る い は 、ODE3出
一60一
版
の 後 、COZ)12が
出 版 され る ま で の1年 間 に も、 何 か し らの 英 語 の変 化 が 観 察 さ れ 、
記 述 に反 映 され て い る の か 調 査 した い 。
2COZ)12で
は、1911年
新 た に 設 け られ た1911/2011ボ
に 出版 され たCOD1の
し な が ら、 過 去100年
ック ス を 分 析 してみ よ う。 この ボ ック ス
記 述 と2011年
に出 版 さ れ たCOD12の
記 述 を比 較
間 の 社 会 、 文 化 、 政 治 、 経 済 、 医 療 な どの 変 化 を背 景 とし た
英 語 の 記 述 の 変 化 を追 っ た もの で あ る。COI)12(p.V111)に
は 、 こ の1911/2011ボ
ック
ス は ・`highlightingjustsomeofthechangesinlanguageandstylebetweenthe
firstandthetwelftheditions'と
あ る 。 中 に は 、 ボ ック ス が 設 け られ て い る エ ン トリ
ー 以 外 の 語 の 情 報 に つ い て も掲 載 され て い る項 目が あ り
、 エ ン トリー か らそ の 語 の 情
報 検 索 を す る とい う実 用 的 なボ ックス とい う よ りも、 教 養 的 な要 素 を もつ もの も含 ま
れ て い る とい え よう。 この1911/2011ボ
ら は大 き く分 類 して、1)COD1に
(義)に つ い て 、2)COD1に
ック ス は全 部 で58項
目設 け られ て い る。 そ れ
掲 載 され て い な か った が 、 後 の版 で掲 載 さ れ た 語
掲 載 さ れ て い た が 、後 の版 で 削 除 され た 語(義)に
3)語 義 の 掲 載 順 の 変 化 につ い て 、4)綴
つ いて、
りの 変 化 に つ い て 、5)そ の他 に 関 す る もの が
あ る。 項 目に よ っ て は、1)-5)の うち、 複 数 の 情 報 が1つ の ボ ックス 中 に掲 載 され て い
る もの もあ る。1)-5)の そ れ ぞ れ の例 を 見 て み よ う。1911/2011ボ
ック ス名 に は 、 そ れ
らが 設 け られ て い るエ ン トリー 名 を用 い る 。
2.1CODIに
掲 載 さ れ て い な か っ た が 、 後 の 版 で 掲 載 さ れ た 語
(1)computer
Thewordcomputersurelyexhibitsoneofthemostdramaticchangesinmeaning
overthelast100years.Itonlyappearedonceinthefirstedition,inthedefinition
oflogarithm:'Oneofaclassofarithmeticalfunctionstabulatedforusein
abridgingcalculation&enablingcomputertosubstituteaddition&subtractionfor
コる
multiplication&division,&thelattertwoforinvolution&evolution'.Thereit
meantsimply'apersonwhocomputes',anditwasthennotconsideredimportant
enoughtobeenteredinthedictionary,letalonedefined.
一61一
儀)に
つ い て の 項 目
Computerは
、 「こ の100年
の 語 はCOD1で
の 問 に 最 も劇 的 に意 昧 が 変 化 した 語 の ひ とつ 」とあ る。 こ
は 、logarithmの
定 義 の 中 で 、`apersonwhocomputes'の
一 度 用 い られ て い る の み で あ っ た
COD12のcomputerの
。CODIに
は 、computerの
意 味で、
エ ン トリー は な い 。
エ ン トリ ー に 掲 載 さ れ て い る 意 味 は 、`anelectronicdevicelで
あ り、`apersonwhocomputes'の
意 味 は掲 載 され て い な い 。 時 代 の流 れ の 中 で 、新
た に 開 発 さ れ た も の や 普 及 率 が 高 ま っ た も の が 辞 典 に 掲 載 さ れ た こ と.を示 す よ い 例
で あ ろ う。
(2)ecology
It'sahottopictoday,butyouwouldn'tfindecologyinthefirstedition.Youwould
findoecology,however:thewordwasenteredunderitsoriginalGreek-influenced
spelling.Thedefinitionisverysimilartothemodernone:`branchofbiology
dealingwithlivingorganisms'habits,modesoflife,&relationstotheir
surroundings'.Bycontrast,thecurrentassociationsofenvironmentareabsent,the
wordbeingdefinedsimplyas`surrounding;surroundingobjects,region,or
circumstances'.
現 在 、 環 境 問 題 は 世 界 的 な 問 題 で あ る と い え よ う。Ecologyは
題 」 で あ る が 、 こ の 語 は 、CODIに
綴 りを も つoecologyはCODIに
、 今 日 で は 「最 新 の 話
は掲 載 され てい な か っ た 。 ギ リシ ア語 に 由 来 す る
掲 載 さ れ て お り、 そ の 定 義 は 、COD12のecologyの
定 義 と 非 常 に 似 て い る 。CODI2のecologyの
定 義 は 、`thebranchofbiology
concernedwiththerelationsoforganismstooneanotherandtotheirphysical
surroundings'で
あ る。
(3)fabulous
Thefirsteditionwascertainlyagreatachievementandafabulousdictionary,butit
wouldnothavebeendescribedinthatway.Thedominantmodernsenseof`very
good,wonderful'isnotrecordeduntilthe1950s,andin1911fabulousmeant
一62一
`celebratedinfable
,legendary'and`incredible,absurd'.
現 在 、 こ の 語 の 優 勢 な 意 味`verygood,wonderful'は
ら ず 、1911年
absurd'を
、1950年
代 まで 記 録 され て お
に は 、 こ の 語 は 、`celebratedinfable,legendary'や`incredible,
意 味 し た 。 語 義 変 化 の 中 で も 、 意 味 の 向 上 の 例 と い え よ う。
(4)friend
Theprimarymeaningoffriendhasn'tchangedmuchsincethefirstedition,
thoughthedefinitiontherehasapoeticqualitythatthecurrentoneperhapslacks:
`
onejoinedtoanotherinintimacy&mutualbenevolenceindependentofsexualor
familylove'.It'sthesecondarysensesthathavechanged:whereaswehave`a
contactonasocialnetworkingwebsite',theyhad`personwhoactsforone,e.g.as
secondinduel'.
こ の 語 の 第1義
は 、COD1か
ら さ ほ ど 変 化 し て い な い が 、CODI2で
か っ た 、`acontactonasocialnetworkingwebsite'が
ー の 発 達 に 伴 い 、friendが
は 、COD1に
な
掲 載 さ れ て お り、 テ ク ノ ロ ジ
新 た な 意 味 を もつ よ うに な った こ とが 分 か る 。
(5)titanic'
Oneofthenotableeventsof1911,theyearofthefirstedition'spublication,was
thelaunchofRMSTitanicbytheWhiteStarLineinBelfaston31May.Theship
sankonthenightof14-15April1912duringitsmaidenvoyage,andtheword
titanicacquiredlastingconnotations.Inthefirsteditionitwasnotevendefined,
beingmerelyaboldformattheendoftheentryforTitan.
CODIが
1912年
出 版 さ れ た1911年
は、 タイ タニ ッ ク号 が 進 水 した 年 で あ る 。 この 船 は 翌 年
の 処 女 航 海 で 沈 没 す る が 、 こ の 語 は、 後 に も用 い られ る こ とに な る 。COD1
で は 、 この 語 は 、 エ ン トリーTitanの 最 後 に ゴ シ ック体 で 掲 載 され て い た の み で あ っ
一63一
た が 、CODI2で
power'の
は 、 エ ン ト リ ー と し て 掲 載 さ れ 、`ofexceptionalstrength
,size,or
よ うに 定 義 さ れ て い る 。
(6)zymurgy
ZymurgyhasbeenthelastwordintheConcisesincethesixtheditionof1976.
Beforeitwasaddedthelastwordwaszymotic,whichwasthefinalentryinthe
firsteditionof1911.
新 た な 語 が 掲 載 さ れ るに 伴 い、CODの
分 か る。CODIか
zymoticで
ら1976年
あ った が 、COD6以
2.2CODIに
最 後 に 掲 載 さ れ る語 に も変 化 が あ った こ とが
出 版 のCOD6以
前 の 版 で は、 最 後 の エ ン トリー は
後 の 版 で は 、 最 後 の エ ン トリー はzymurgyで
掲 載 さ れ て い た が 、 後 の 版 で 削 除 さ れ た 語(義)に
あ る。
つ い て の 項 目
(1)growl
Sincethefirsteditionmanythousandsofnewwordshavebeenadded:afterall
moderndictionarywithoutwordssuchascomputer,radio
,a
,ortelevisionwouldbe
oflittleuse.Thesizeandnumberofthebook'spageshaveincreasedsubstantially,
butsomecutshavestillbeennecessary.Oneofthemostdelightfulwordstobe
removedisgrowlery,definedinthefirsteditionas'growling;placetogrowlin
,
privateroom,den'.Othersincludebrabble('paltrynoisyquarrel'),cockyolly
bird(`nurseryphraseforabird'),andimpaludism(`morbidstate...foundin
dwellersinmarshes').
COD1以
来 、 多 くの 新 語 が 掲 載 さ れ て い る が 、 辞 典 の サ イズ とペ ー ジ数 は か な り大
き くな り、辞 典 の サ イ ズ を 考 慮 す る と、す で に掲 載 され て い る語 の 削 除 が 必 要 とな る 。
「削 除 され た 語 で 最 も喜 ば し い もの の 一 つ は 、glowleryで
Growlの1911/2011ボ
bird、impaludismが
あ る」と記 述 さ れ て い る 。
ック ス 内 に は 、 そ の 他 の削 除 され た 語 、brabble、cockyolly
挙 げ られ て い る 。 しか し なが ら、brabbleな
一64一
どの 語 が 削 除 され た
こ とが 、grow1の1911/2011ボ
ッ クス に 記 述 さ れ て い る とは 、 辞 典 利 用 者 に は予 測 で
きな い で あ ろ う。 こ の 点 か らす る と、1911/2011ボ
ックス は 、実 用 的 で あ る と はい え
な い だ ろ う。
2.3語
義 の 掲 載 順 の 変 化 に つ い て の 項
目
(1)blouse
Nowanarchetypallyfemalegarment,blousewasdefinedinthefirsteditionas
`
workman'slooselinenorcottonuppergarmentusu.beltedatthewaist(chiefly
French)'.Themodernsensewasgivensecond,as`woman'slooselightbodice
visibleonlytowaist,andtherebelted':presumably`visibleonlytowaist'皿eans
't
uckedin',buttheexpressionfeelsoddtothemodernear.
今 で は 、 典 型 的 な 女 性 の 衣 服 で あ るblouseだ
が 、COD1で
は 、 第1義
の 衣 服 に つ い て で あ り、 現 在 、 一 般 に 使 用 さ れ て い る 意 味 は 、 第2義
looselightbodicevisibleonlytowaist,andtherebelted'の
COD1の
中 の 、`visibleonlytowaist'は
は 、`workman'
に 、`woman's
よ うに掲 載 され て い た 。
、お そ ら く`tuckedin'の
の 定 義 は 現 代 で は 奇 妙 に 感 じ ら れ る 」 と あ る よ う に 、CODIの
意 味 で あ ろ う が 、「こ
定 義 中 の 風 変 わ りな表
現 が 指 摘 され て い る。
(2)rude
Oneofthebest-knowndatedmeaningsofacommonwordistheonegivenfourth
inthisdictionary'sentryforrude,`roughlymadeordone',asintheirdwelling
placewasarudeshelterformedbytheboughsandbarkoftrees.Thefirstedition
oftheConcisemadethistheprimarymeaning,withtoday'sfirstsense,'impoliteor
bad-mannered',tuckedawayattheveryendoftheentry....
身 近 な 語 の 時 代 遅 れ の意 味 の うち 、 最 も よ く知 られ る もの の 一 つ が 、COD12のrude
の 第4義`roughlymadeordone'で
あ る。COD1は
一65一
、 これ に相 当 す る語 義 を 第1義 と
して掲 載 し、 今 日の 第1義`impoliteorbad-mannered'に
エ ン トリー 中 、 最 後 に 掲 載 して い た 。 過 去100年
相 当 す る語 義 は 、rudeの
の 問 に、 主 要 で なか った 意 味 が 、 主
要 な 意 味 に な っ た こ とが 分 か る。
2.4綴
り の 変 化 に つ い て の 項 目
(1)rhyme
Over100yearsthemeaningsofwordschange,newwordsarecoined,andothers
falloutofuse.Butspellingschangeaswell.Inthefirsteditionrhymewasshown
withthealternativespellingrime,andshowwiththevariantchew.Themain
spellingoftyrewastire,soccerwasspelledsocker,andconnectionwasspelled
connexion.Compoundnounsweregenerallyhyphenated,withhorse-box,horsechestnut,andhorseflyforthemodernhorsebox,horsechestnut,andhorsefly.
100年
間 を 振 り返 る と 、 語 義 の 変 化 や 新 語 の 誕 生 な ど が 見 ら れ る が 、 同 様 に 綴 り も変
化 し て い る 。COD1で
は 、 例 え ば 、rhymeは
も に 並 ん で 掲 載 さ れ て い る 。Tyreの
connectionはconnexionと
わ りに 、horse-boxの
主 要 な 綴 り は 、tireで
、horse1の
と
あ り、soccerはsocker、
代
は、
エ ン トリ ー 中 に 、そ れ ぞ れ 、h.-box、
し て 、 ハ イ フ ン と と も に 、horseがh.の
よ うに省 略 され て掲 載 さ
は 、 そ れ ぞ れ 、horsebox、
よ う に ノ・イ フ ン な し の 綴 りで 、 エ ン ト リ ー と し て 掲 載 さ れ
て い る。
2,5そ
、shewと
よ う に 、 ハ イ フ ン が 使 用 さ れ て い た 。 ち な み に 、CODIで
れ て い る 。 ス ペ ー ス 節 約 の 工 夫 が 伺 え る 。COD12で
horsechestnut、horseflyの
と も に 、showは
綴 ら れ た 。 さ ら に 、 複 合 名 詞 も 、 一 般 に 、horseboxの
horse-box、horse-chestnut、horse-flyは
h.-chestnut、h.f-yと
、rimeと
の他 の項 目
(1)absquatulate
Thereisn'tagreatdealofAmericanvocabularyinthefirstedition.The
correspondenceoftheco-editorHenryFowlerrevealsthathewouldhavebeen
..
happytoincludemorebutfeltthathelackedsufficientknowledge.Apartfroma
fewbasicssuchasrailroad,saloon,sidewalk,andstore,USwordsthatwere
includedtendedtoberatherquirky,suchastheuncommonabsquatulate,
sockdolager(aheavyblow),andvamoose(spelledvamose).
ア メ リ カ英 語 の 掲 載 に つ い て 述 べ られ た ボ ッ クス で あ る。COD1に
は 多 く掲 載 され て い な い 。HenryFowlerは
は 、 アメ リカ英 語
、 もっ と多 くの ア メ リ カ英 語 を 掲 載 した
か った が 、 ア メ リカ英 語 に つ い て の十 分 な知 識 が な か っ た と考 え られ る。Railroad、
saloon、sidewalkやstoreの
よ うな 基 本 的 な ア メ リ カ英 語 の 掲 載 もあ れ ば 、 中 に は、
広 く知 られ て い な いabsquatulate、sockdolager、vamooseの
よ うな 一 風 変 わ っ た 語
が 掲 載 され て い る 。 こ の よ うな ア メ リカ英 語 の 掲 載 に 関 す る情 報 は 、absquatulateの
1911/2011ボ
ックス を見 な け れ ば 気 づ か な い 。 こ こで も、1911/2011ボ
ック ス の掲 載
の し方 は 、 実 用 的 とい う よ りもむ し ろ、 教 養 的 な印 象 を与 え る。
(2)badger
Thefirsteditionisingeneralamasterpieceofclarity,butsomeentriesmadefew
concessionstoreaders.Take,forexample,badger,whichisdefinedas`greycoatedstrong-jawednocturnalhibernatingplantigradequadrupedbetweenweasels
andbears'.Thisdefinitionseemsperverseinnotmentioningtheanimal'sstriped
head,and`betweenweaselsandbears'reflectsoutmodedideasoftaxonomic
hierarchy.
CODIの
定 義 の 不 十 分 さ に つ い て 述 べ た ボ ック ス で あ る 。COD1の
不 明 瞭 な もの もあ る こ とが 指 摘 さ れ て い る。 例 え ば、badgerの
の`stripedhead'の
定 義 の中 には、
定 義 に は、 こ の 動 物
よう な身 体 上 の特 徴 が 述 べ られ て い な か っ た り、分 類 も`between
weaselsandbears'の
よう に、 時 代 遅 れ の 情 報 が 与 え られ て い る こ とが 分 か る。 現 在
で は 、 オ ック ス フ ォー ド大 学 出 版 局 の 辞 典 は 、 様 々 な 分 野 の 専 門 家 を 編 纂 チ ー ム に
入 れ て い る が 、CODlの
編 纂 体 制 を考 え る と、badgerの
一67一
定 義 の よ うな ケ ー ス は 想 像
に難 くな い だ ろ う。
(3)lady
Accordingtothefirstedition,aladywasa`rulingwoman'!It'snotreallyclear
whytheeditorschosetoputthatmeaningfirst,asitisnottheearliestrecordedand
evenin1911itwasuncommon,usedmainlyinphrasessuchasladyofthemanor.
Thefollowingsensesare皿orefamiliar,butweredefinedinawaythatnowseems
コる
る
quaint:'womantowhommanisdevoted,mistress,love'and'womanbelongingto,
orfittedbymanners,habits,&sentimentsfor,theupperclasses'.
COD1の
第1義
語 義 に 疑 問 を 投 げ か け る ボ ッ ク ス で あ る 。COD1で
と し て 掲 載 さ れ て い る こ と が 分 か る 。COD1が
ま れ な`rulingwoman'と
COZ)1のladyの
い う 意 味 を 、ladyの 第1義
、ladyの
、 な ぜ 、1911年
まれ な 意 味 が
に お いて さ え も
と して 掲 載 した の か 定 か で は な い 。
そ の 他 の 意 味 は 、 も っ と な じ み の あ る も の だ が 、`womantowhom
manisdevoted,mistress,10ve'や`womanbelongingto,orfittedbymanners,
habits,&sentimentsfor,theupperclasses'の
な さ れ て い る 。CODI編
よ うに 、 現 在 で は 一 風 変 わ っ た 定 義 が
纂 当 時 は 、 電 子 化 さ れ た 大 規 模 な コ ー パ ス デ ー タ も な く、 語
義 掲 載 や 、 掲 載 の 順 番 は 辞 典 編 纂 者 の語 感 に 頼 る と こ ろが 大 きか った の で は な い だ
ろ うか 。
3COD12のPreface(p.vii)に
は 、CODI2の
編 纂 は 、ODE3(2010年
出 版)編 纂 の
た め の 言 語 調 査 や 分 析 を 参 考 に して い る こ とが 述 べ られ て い る 。 ここ で は 、CODI2
とODE3の
両 版 に見 られ るUsage欄
を 比 較 す る こ と に よ り、 わ ず か1年 違 いで 出 版 さ
れ た 両 辞 典 の 問 に も 、語 法 注 記 に 何 か し らの違 い が あ る か に つ い て 調 べ る こ と を 目
的 とす る。
ODE3とCOD12に
る(ODE3のUsage欄
は 、 そ れ ぞ れ 、535項
目 と368項
分 析 に つ い て は 藤 本(2012b)を
一68一
目のUsage欄
が 掲 載 され て い
参 照 の こ と)。ODE3に
は、
CODI2の
お よそ1.5倍 の 数 のUsage欄
か に 、1)発 音 に 関 す る も の 、2)綴
が 掲 載 され て い る。 こ れ らのUsage欄
は大 ま
りに 関 す る も の 、3)語 義 に 関 す る も のa)語
義の
混 用 に 関 す る もの 、b)語 義 の 変 遷 に 関 す る もの 、4)語 法 ・文 法 に 関す る もの5)社
会 ・文 化 な ど に 関 す る も の と い う5つ の タ イ プ に 分 類 さ れ る 。 両 辞 典 の す べ て の
Usage欄
を比 較 し てみ る と、 全 体 に わ た って 、COD12のUsage欄
は 、ODE3の
それ
を も とに 記 述 が 縮 約 さ れ た も の が ほ と ん ど で あ る こ と が 分 か る 。 し か し な が ら、
ODE3に
は掲 載 さ れ て い な い が 、CODI2に
れ らUsage欄
の10項
は 掲 載 さ れ て い る 項 目が10項
目は 、f藍air、flare、innit、licence、people、purposefu1、
Serbo・Croat、there、whatever、whereで
あ る(Usage欄
は、 そ れ が 設 け られ て い
るエ ン トリー 名 で 呼 ぶ こ と とす る)。 これ らの うち 、flan.people.thereは
flairの`seeusageatFLARE'の
ODE3に
はUsage欄
、personを
類 似 の 内 容 のUsage欄
、ODE3の
同 様 に 、theirでODE3と
厳 密 に新 た な 内 容 とい え るの は 、flare.licence.purposefulで
は あ る10項
(1)fiare
Donotconfuseflarewithflair:flaremeans`burn'or'graduallybecomewider',
whereasflairmeans'anaturalabilityortalent'.Trousersmaybeflared,not
Haired.
Flareとflairの 語 義 の 混 用 に注 意 を促 す 記 述 で あ る。
目の うち 、
ある。それ ぞれの記
述 を 見 て み よう。
一69一
同様 の 内
内 容 は 、ODE3のhowever
は な い が 、COD12に
(2)licence
は、
エ ン トリー 中 に 見 られ る 地 の 文 が
と して取 り入 れ られ た。Whateverとwhereの
で カ バ ー さ れ て い る。 従 って 、ODE3に
同様 の 内 容 が
参 照 す る よ う に な っ て お り、personに
が あ る。Thereも
容 が 扱 わ れ て い る。Serbo・Croatは
Usage欄
、例 えば 、
よ う に、 他 項 目 を 参 照 す る項 目で あ る。Innitは 、
は な い が 、 同辞 典 のWordtrends欄6)でCOD12と
扱 わ れ て い る 。Peopleは
ODE3と
目あ る。 こ
NotethatinBritishEnglishlicenceisthecorrectspellingforthenoun,andisalso
anacceptablevariantspellingoftheverb.InUSEnglishbothnounandverbare
spelledlicense.
Licenceとlicenseに
つ い て 、 イ ギ リス 綴 り と ア メ リ カ 綴 り の 違 い に つ い て の 注 記 で あ
る。
(3)purposeful
Theadverbspu叩osefully,purposely,andpurposivelyhavedifferentmeanings.
Purposelymeans`onpurpose,deliberately',whilepurposefullymeans
'
resolutely'or`withastrongpurpose',asinhestrodepurposefullythroughthe
courtyard.Theuncommonwordpurposivelymeans'withaparticularpurpose'.
Purposefully、purposely、purposivelyの
語 義 の 混 用 に注 意 を促 す 記 述 で あ る 。
これ ら、(1)一(3)の項 目は、 言 葉 の 変 化 とい う よ りも、 辞 典 利 用 者 に とって 親 切 な 記 述
が 加 え ら れ た も の と い え よ う。 さ ら に、 こ れ ら3項 目 の う ち、COD11に
COD12に
あ る項 目と記 述 は 、licenceの み で あ る。
さ らに 、A、K、MのUsage欄
を見 て み よう。ODE3の
Aの
はな く
の 項 目で 、ODE3に
は あ るが 、COD12に
項 目名 で 表 わ す 。
項 目
actor
actress(他
adviser
AfricanAmerican(他
alumnus
amylnitrate
antidisestablishmentarianism
any
aubretia
一70一
項 目 参 照)
項 目 参 照)
は な い もの
Kの 項 目
koala
Mの
項目
mankind(他
項 目参 照)
mongolism(他
moot
項 目参 照)
mouse
muckle(他
項 目参 照)
上 記 の リス ト中 に 、 「
他 項 目参 照 」と付 した よ うに、ODE3に
な い 項 目の 中 に は、 空 項 目のUsage欄
ODE3とCOD12両
は
も見 受 け られ る。
辞 典 に あ るUsage欄
あ る が 、COD12に
は あ るが 、COD12に
の 記 述 内 容 は、 全 体 を 通 じ て ほ ぼ 同 じで
は 、ODE3のUsage欄
の記 述 を 簡 潔 に した もの が 多 く見 られ る。
そ の 主 要 な 理 由 の1つ は 、 ス ペ ー ス の 節 約 の た め と考 え られ る 。 記 述 を 簡 潔 にす る工
美 と して 、 例 え ば 、affect1は
は 掲 載 され て い な い 。Anyoneは
用 さ れ ず 、`isnot'と
Barbecueの
、ODE3に
、ODE3で
は 、Usage欄
な っ て い た が 、CODI2で
よ うに、ODE3で
の 説 明 文 中 に 短 縮 形 は使
は 、`isn't'が 用 い ら れ て い る。
掲 載 され て い る コー パ ス情 報 が 、COD12で
され て い る項 目もあ る。Millenniumは
COD12で
は 、 例 文 が 掲 載 され て い た が 、COD12で
、ODE3で
は 、削 除
は、語 源 情 報 が 掲 載 さ れ て い た が 、
は掲 載 さ れ て い な い(も ち ろ ん 、CODI2のUsage欄
で 、 す べ て の 項 目で
語 源 情 報 が 削 除 さ れ て い る わ け で は な い こ と は い う ま で も な い で あ ろ う)。
Stationaryは
ODE3で
4現
、ODE3で
は 、`Ann'に
は 、 例 文 中 の 主 語 が 、`myfather'で
変 え られ て 短 くな った 。
代 英 語 の 変 化 を 見 る た め に 、CODl2に
す る と とも に 、ODE3とCOD12のUsage欄
と2011年
あ っ た の に対 し て、
に 出 版 さ れ たCODI2の
設 け られ た1911/2011ボ
を 比 較 し た。1911年
記 述 の 違 い か ら、 過 去100年
一 端 を知 る こ とが で きる 。ODE3とCOD12のUsage欄
に 出 版 され たCOD1
の問の英語 の変 化 の
の 比 較 で は 、本 稿 の 調 査 で は 、
両 版 の 問 に 、 英 語 の語 法 自体 の 変 化 を見 る こ と は で き なか った 。
一71一
ック ス を分 析
辞 典 の記述 の変化 は、社 会 の変 化 と言 語の変 化 が密接 に関係 してい ることを伝 え
て くれ る。 今 や 、CODの
編 纂 に は 、Fowler兄
弟 のCOZ)1の
編 纂 時 に は な か った 電
子 化 され た 大 規 模 デ ー タが 使 用 さ れ て い る 。 コー パ ス な どの デ ー タベ ー ス の 開発 や
発 展 に よ り、 今 後 も、 英 語 の 現 在 の 姿 が 、 さ ら に広 く、 緻 密 に 捕 らえ られ る こ とを期
待 す る。
Notes
)
1
TheConciseOxfordDictionary:The1911FirstEdition.2011.Oxford:OxfordUniversity
)
2
Press.
COD12のPreface(p.vii)に
)
3
の 本 体 は1,041ペ
は 、COD1は
、`1,064pagesofA-Ztext'と
あ る が 、 実 際 に は 、A-Z
ー ジ で あ る。
も と も とANewEnglishDictionaryonHistoricalPrinciplesの
タ イ トル で 出 版 さ れ 、1933年
)
4
12巻 本 に リ プ リ ン ト さ れ た 時 に 、 現 在 の タ イ トルTheOxfordEnglishDictionaryと
OEDの
に
な っ た。
歴 史 に つ い て は 、DEDVol1(pp.vii-xxvi)のHISTORICAL-NTRODUCTIONや
、ウ ェ
ブ サ イ ト、History(ゾ'hεOEL).2012.OxfordUniversityPress.Availableathttp:〃public.oed.
)
5
com/history-of-the-oed/(accessed70ctober2012)な
COD12のKnowlesに
よ るCOI)の
ど を参 照 の こ と。
歴 史 紹 介(p.xvii)に
でConciseOxfordEnglishDictionaryに
は 、CODの
タ イ トル が 、COD11(2004)
変 更 さ れ た と あ る が 、 す で に 、COD10(2002)か
ら、
)
6
現 在 の タ イ トル に な っ て い る 。
Wordtrends欄
21世
は 、ODESで
設 け られ た ボ ッ ク ス で 、theOxfordEngIishCorpusの
分 析 に基 づ き、
紀 に入 って 、用 法 の著 しい 変 化 に より注 目 を浴 び る い くつ か の語 が 扱 われ て い る。
References
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OxfordDictionaryofEnglish.3rded.2010.Oxford:OxfordUniversityPress.(ODE3)
TheConciseOxfordDictionary:The1911FirstEdition.2011.Oxford:OxfordUniversityPress.
(COD1)
一72一
‐Usage欄
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一73一
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