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授業方法 及び内容
免 疫 疾 患 Immunological Diseases コース責任者 リウマチ・膠原病・アレルギー内科教授 尾 崎 承 一 1.学習目標 1)一般目標(GIO) 本コースは三つのユニットから構成され、それぞれの領域について目標が設定されている。 (1) 自己免疫疾患ユニット GIO: 自己免疫疾患の病態生理を理解し、症候、診断と治療を学ぶ。 更に3つのサブユニット(膠原病、血管炎、関節炎)に分けて学習する。 (2) アレルギー性疾患ユニット GIO: アレルギーの機序を理解しアレルギー性疾患の病態生理、 症候、診断と治療を学ぶ。 (3) 免疫不全ユニット GIO: 免疫不全症の病態を理解し、主な疾患の診断と治療を学ぶ。 2)行動目標(SBOs) (1) 自己免疫疾患ユニット SBOs (a) 膠原病サブユニット SBO-1. 膠原病を概説し、その種類を列挙できる。 SBO-2. 自己抗体の種類と臨床的意義を説明できる。 SBO-3. レイノー症状を説明し原因疾患を列挙できる。 SBO-4. 全身性エリテマトーデスの病態生理、症候、診断と治療を説明できる。 SBO-5. 全身性エリテマトーデスの臓器障害(中枢神経ループス、ループス腎炎)を説明で きる。 SBO-6. 抗リン脂質抗体症候群の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。 SBO-7. 皮膚筋炎・多発筋炎の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。 SBO-8. 強皮症の病態生理、症候、診断、臓器病変(特に肺・腎)と治療を説明できる。 SBO-9. 混合性結合組織病(MCTD)の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。 SBO-10. Sjögren 症候群の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。 SBO-11. IgG4 関連疾患を概説できる。 SBO-12. 膠原病の臨床症状から鑑別診断と治療計画が立てられる。 (b) 血管炎サブユニット SBO-13. 血管炎症候群を列挙し、その病態生理、症候、診断を説明できる。 SBO-14. 大型血管炎(高安動脈炎、側頭動脈炎)の病態生理、症候、診断、治療を説明できる。 SBO-15. リウマチ性多発筋痛症を概説できる。 SBO-16. 中型血管炎(結節性多発動脈炎)の病態生理、症候、診断、治療を説明できる。 SBO-17. 小型血管炎(ANCA 関連血管炎、免疫複合体性血管炎)の病態生理、症候、診断、治 療を説明できる。 SBO-18. 種々の血管を侵す血管炎(ベーチェット病、コーガン症候群)の病態生理、症候、診断、 治療を説明できる。 SBO-19. 小児膠原病(川崎病、JIA)を概説できる。 SBO-20. 血管炎の臨床症状から鑑別診断と治療計画が立てられる。 (c) 関節炎サブユニット SBO-21. 関節炎を概説し、関節炎きたす疾患を列挙できる。 SBO-22. RA の病態生理、症候、診断と内科学的治療を説明できる。 SBO-23. RA の関節外症状を列挙し、その成因と治療を説明できる。 SBO-24. RA による関節機能障害及び外科的治療とリハビリテーションを説明できる。 SBO-25. 血清反応陰性脊椎関節症の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。 SBO-26. 強直性脊椎炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎を概説できる。 SBO-27. 結晶誘発性関節炎の病態生理、症候、診断と治療を説明できる。 SBO-28. 成人発症スチル病の病態生理、症候、診断と治療を説明できる SBO-29. 関節炎の臨床症状から鑑別診断と治療計画が立てられる。 (2)アレルギー性疾患ユニット SBOs SBO-30. アレルギー性疾患の特徴とその発症機序を説明できる。 SBO-31. アナフィラキシーの症候、診断と治療を説明できる。 SBO-32. 血管性浮腫を概説できる。 SBO-33. 食物アレルギー(運動誘発性を含む)を概説できる。 SBO-34. 薬物アレルギーを概説できる。 SBO-35. アレルギーの臨床症状から鑑別診断と治療計画が立てられる。 (3)免疫不全症ユニット SBOs SBO-36. 免疫不全の成因を列挙し、共通の症候を説明できる。 SBO-37. 原発性免疫不全症の病態、診断と治療を説明できる。 SBO-38. 続発性免疫不全症の病態、診断と治療を説明できる。 SBO-39. 免疫不全の臨床症状から鑑別診断と治療計画が立てられる。 2.学習内容 1)総 論 免疫機能は、外部から侵入する病原微生物や異物、組織損傷、あるいは身体内部から発生する悪 性腫瘍などに対抗して生体を防御する重要な役割を演じている。そのメカニズムを学ぶことは、感 染症、悪性腫瘍、免疫不全症あるいは組織損傷をきたす熱傷、手術など、さまざまな臨床の現場で 適切に対応するためにたいへん重要である。一方、免疫反応は生体にとって有害な結果をもたらす ことが少なくない。アレルギー、臓器移植における拒絶反応、自己免疫疾患など多彩な臨床像とし てみられるが、その病因、病態の解明や治療法に関して未解決な問題が山積みされている。これら の現状を学習する。 2)各 論 本コースでは、臨床で体験する多数の患者の実例を題材にして、その症候、病態、治療について 学び、免疫疾患について体系的な理解を深められる。 3.成績評価 1)総括的評価1 以下の4つの点につき総括的な評価をする。評価は年2回の定期試験で行う。そこでは、教科書 (『内科学、第 10 版』朝倉書店)の該当個所から文章を引用して、空欄の字句を埋めさせる形式も 採用する。 (1) 生体防御機構としての免疫応答の基礎的知識が身についたか? (2) 各種免疫疾患の典型的臨床像と診断過程、および治療法を説明できるか? (3) 免疫疾患の多彩な病態に対する好奇心と探究心をどれだけ高められたか? (4) 免疫疾患の臨床現場でみられる倫理的側面に対して配慮できたか? 2)総括的評価2 以下の4つのカテゴリーに分けて、総括的評価をコースの途中で中間試験の形で行う。そこでは、 個々の疾患に関する問題に加えて、症例を提示して疾患名を選択する多肢選択問題も含める。 (1)膠原病およびその類縁疾患 (2)血管炎 (3)関節炎 (4)アレルギー性疾患および免疫不全症 下記の評価項目を総合して総括評価する。 評価項目 実施回数 評価割合 備考 定期試験 2 88(%) 前期・後期の期末試験として実施する。 中間試験 4 12(%) 授業時間中に確認テストとして実施する。 4.教科書・参考書 教科書: 『内科学、第 10 版』朝倉書店,2013 第 10 章「リウマチ性疾患およびアレルギー性疾患」P.1225-1378 参考書: 『Harrison’s Principles of Internal Medicine ,19th ed』Mc Graw Hill, 2015 Part 15 「Immune-Mediated, Inflammatory, and Rheumatologic Disorders」P. 2103-2250 『医学・薬学のための免疫学(第2版) 』豊島聰、田坂捷雄、尾崎承一著(東京化学同人)2008 第Ⅱ部「臨床免疫学」p. 85-194 5.準備学習 予習:指定教科書(内科学 第 10 版 朝倉書店 2013 年版)の該当箇所を通読し、疾患概念を理解して 授業に臨むこと。 復習:当日の授業内容を理解し、SBOs の各項に対する 200~400 字程度のまとめを作成しておくこと。 6. オフィスアワー 所属 内科学 (リウマチ・膠原 病・アレルギー内科) 役職 氏名 時間 場所 連絡先 教授 尾崎 承一 在室している場合、 難治研センター3 階 秘書 水曜日 12 時~13 時 教授室 4119(内線) 4285(内線)