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関節炎

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関節炎
関節炎
原因
感染症によるものと、感染症以外によるもので起きることがあります。感染症では、関節
に細菌が入って起こすものと、体に感染症が起きてそれに対する反応で関節が痛くなるも
のがあります。細菌では、黄色ブドウ球菌、A 群溶連菌という菌が多いです。細菌感染によ
る関節炎では、原因ははっきりしないことが多いですが、菌が血液の中に入り、血液をめぐ
って関節にたどりつき感染を起こします。また手術や外傷が関節の近くだと、そこから関節
炎になることもあります。
症状
関節の痛み、曲げられないなどがあり、腫れたり、赤みや熱感を伴ったりします。熱は出
ることが多いですがないこともあります。小さい子の場合は、関節の痛みから手や足などを
動かさないこともあったり、股関節や膝関節では、おむつを替えるときに嫌がったりします。
特に外傷などがないにも関わらず、関節を痛がるときは注意が必要です。
診断
レントゲンで関節をみます。さらに詳しくみるために超音波、CT、MRI などの検査をす
ることがあります。関節炎が疑わしい場合は、関節に針を刺して、関節の液体を検査します。
関節液を培養に提出し、菌がはえてこないかをみます。血液に菌がいることが多いので、血
液を培養の検査に複数回、出します。
治療
細菌による関節炎では、手術で関節のなかをきれいな水で十分に洗浄します。小さな関節
や洗うのが難しい関節では洗わないこともあります。同時に細菌を殺す抗菌薬を投与しま
す。経過がよければ、点滴から飲み薬の治療に変えることもあります。
予後
早期に治療を開始して、関節のなかが破壊されていなければ、後遺症を残すことは少ない
です。関節が破壊されると、運動に問題がでる場合があります。
予防
効果的な予防はありません。早期に診断することが大事で、特に細菌が疑われる場合、す
ぐに診断ができる病院を受診するか、かかりつけ医の先生に紹介してもらうことが重要で
す。診断前に飲み薬の抗菌薬を飲んでしまうと診断が難しくなることがあります。
東京都立小児総合医療センター 感染症科 2015.05
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