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昨年に続き発生ゼロ 2月以降の動向が注目
2012年(平成24年)1月オホーツク管内倒産整理企業 平成24年 昨年に続き発生ゼロ 2月以降の動向が注目 1月の発生ゼロは3年連続 10年間で4回目 ■前 月 比 件 数 負債総額 ■前年同月比 件 2 件減少 3億1,400万円減少 1日 〒090-0817 北見市常盤町3丁目16番42号 Tel(0157)23-6288 Fax24-1033 (平成23年12月 ( 〃 2 件) 3億1,400万円) 数 同 じ (平成23年 負債総額 同 じ ( (1)平成24年 2月 1月 〃 0 件) 0 円) 1月の発生状況 平成24年1月のオホーツク管内における倒産整理企業(負債総額1,000万円以上・内整理を含む)は、発生 件数がゼロだった。 これは前月と比較すると件数で2件、負債総額では3億1,400万円の減少、発生がゼロだった前年同月比では 同じだった。1月の発生ゼロは一昨年から3年連続となり、過去10年間で4度目。長引く景気の低迷や公共事業の 削、東日本大震災などの影響が心配された今年の動向だったが、1月を見る限りでは平穏な年明けスタートとなった。 ただ、管内を含む道内経済は一段と混迷の度合いを深めている。業種や業歴を問わず、長引く景気の低迷で市場規 模の縮小や財務疲弊が続いており、閑散期での息切れや資金需要の高まる春先が心配。特に、一昨年以降、比較的沈 静化を保っている管内倒産。昨年は発生件数が平成元年以降では最少の9件に止まっており、年間一桁台の発生はバ ブル経済期以降でも例がない。その背景には景気対策の一環として実施された中小事業者向けのセーフティネット貸 付や金融円滑化法など国の施策効果がある。管内でも相当数の制度利用事例が見込まれ倒産防止効果は高い。ただ、 制度利用によって債務そのものが軽減されるわけではなく、あくまでも先送り効果なのが実態。制度運用の変更次第 では増加反転の懸念もあり、企業淘汰へと流れを変えかねない状況は積み残されたまま。2月以降の動向が気がかり。 (2)過去5年間の1月の発生推移 昨年以前の過去5年間の1月の発生推移は右表のとおりで、平成1 9年が3件、20年が1件、21年6件、22~23年がゼロとなっ 過去5年間と今年1月の件数・負債額推移 年 別 件 数 負 総 額 19年 3件 3億1,500万円 ており、平均では件数が2.0件、負債総額では3億9,960万円。 20年 1件 8,700万円 19年には紋別市で包装資材業者2社を含め倒産が集中したほか、2 21年 6件 15億9,600万円 1年には7億8,500万円の負債を抱えた㈱紋別ゴルフクラブのほ 22年 0件 0円 か網走や紋別市で中堅の建設業者や水産加工業者の表面化が相次いで 23年 0件 0円 平均数値を押し上げており、これに比べると今年1月は過去の平均を 24年 0件 0円 大きく下回るもので小康を保ったといえる。ただ、デフレ基調下の景気の長期低迷、国と地方財政の硬直化、グロー バル経済の進展に伴う不確的要素の拡大などを背景に地方経済は萎縮傾向を強めており、表面化には至っていないま でも支払いの繰延べなどで何とか業態を維持している企業もあり、今後、資金繰りに窮するケースの頻発の懸念も。 (3)今後の見通しと問題点 東日本大震災の復興、原発事故の修復が待ったなしの状況下にあるなか、株安や円高の進行、デフレ圧力など難題 山積の日本経経。ここに来て社会保障と税の一体改革の名の下での消費税増税問題が国民の不安を煽っている。1兆 円を超える国の借金、税収の落ち込みなどを考慮すると何らかの改革案は必要だ。ただ、このところの国会審議を聞 くにつれ、危機感のなさと共に論戦のお粗末さが目につく。党利党略でなく国民のための審議であるはずなのだが。 「持ち直しの動きに足踏み感がみられる」との道内経済の月例報告。月によって浮き沈みはあるものの既に底を脱し たとの判断が続く。だが、管内は道内の景気推移からさらに下回り、企業環境は依然厳しい状況が続く。管内の基幹 産業の一つとなっている建設は土木を中心とする公共事業の一段の削減に加え、民需を主力とする建築工事は低調の ままで、厳冬の閑散期という季節的要因も重なり、より際立っている。若干ながらの外国客の入り込み増を含む冬季 観光が流氷の早期接岸で比較的好調な出足となっているのは明るい材料だが、近年、来道客数の減少傾向下に今年も 苦戦は必至。漁業も流氷による長期休業時期を迎えるなど管内経済を押し上げる要素はほとんど見あたらず、財務の 疲弊や市場規模の縮小が進むなかで管内企業にとっては試練が続く。事業活動の停滞、後退によって地域経済そのも のが貧血状態にあり、経済動向の慎重な見極めに加え、自社企業の以前に増してのリスク管理が強く求められる。