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私の町大多喜(PDF:87KB)
平成26年度 「地域の誇り」表現コンテスト 学校名 大多喜町立大多喜中学校 学 中学2年生 氏 年 名 題 名 本 文 さかい けん と 酒井 健豊 わたし まち お お た き 中学校の部 佳作作品 私 の 町 大多喜 私の住んでいる大多喜町には、大多喜城という立派なお城があります。徳 川四天王の一人、本多忠勝が初代城主としてこの地域を守っていました。今 では大多喜城の本丸跡は城郭式で建設した博物館になっています。博物館に は「房総の城と城下町」をテーマに、刀や鎧、衣装等が展示されています。 年に何度か、夜に大多喜城をライトアップしています。それを見た私は、壮 大で美しいと感じ、歴史のあるこの町を誇りに思います。 そして、大多喜町には、この大多喜城をメインとした「お城まつり」が、 九月下旬にあります。お城まつりでは、本多忠勝候一行に扮した武者行列や みこしの渡御が城下町に繰り出します。本多忠勝役は、馬に乗って凛々しく 登場します。また、メキシコとのつながりもあり、江戸時代のころのメキシ コ人になりきった人たち、姫様や家臣たち等、行列が続きます。もちろん、 衣装も本格的で当時のときと全く同じものを着ますので、全部装着するのに かなり時間がかかります。 私は、小学6年生のころに少年鉄砲隊として武者行列に参加しました。そ の時には、鉄砲隊の隊長として、かけ声をあげる役でした。沿道の方々から 大きな拍手や声援をいただきました。まるで、江戸時代にタイムスリップし たような錯覚に陥るほどです。地元の人も観光でいらした方々も同じ気持ち でいると思います。大勢の方が一体となった感覚になります。お城まつりは それほど、壮大な自慢の祭りで、大多喜町の一大イベントなのです。 私の住んでいる地区にも、地区だけの祭りがあります。その祭りは、明治 二十二年からあり、毎年、お城まつりの次の週に行われています。みこしと 子どもみこし、そしておはやしの車を出し、地区中を歩いて回ります。いつ も地区の方々が休憩場所ごとに差し入れをしてくれます。赤飯やすし、だん 1 ご、豚汁、菓子、飲み物、それぞれの家庭で持って来てくれ、みな屋号で呼 び合い、子どもたちの成長等を喜んでくれます。普段は都市部で暮らしてい る家族も、この時には、実家に帰り、顔をみせてくれます。久しぶりに会う 人たちとは特に話は尽きません。みなが仲よく、大きな家族のようです。 その祭りでは、お囃子も披露します。私は保育所の年長のときから小太鼓 をやっています。祭りの一ヵ月ほど前から、日時を決めて集会所で練習をし ます。先生は、地区の年配の方々です。熟練されたバチさばきは、今だ私に はできません。手首の返しをリズムに乗ってできるように頑張っています。 お囃子の先生は、時には優しく時には発破を掛け、私たちがわかるように教 えてくれます。いつでも笑顔で答えてくれます。横笛と鐘と大太鼓、小太鼓 が合わさり、お囃子です。上手くたたけるさらに気持ちが高ぶります。 お城まつりも地区の祭りも歴史と伝統で受け継がれた人と人とのつながり があってからこそだと思います。私の父も祖父も曾祖父も、ずっと昔から受 け継がれたものなのです。 しかし、近年少子化が進み、私の町の子どもたちも、年々減ってきていま す。笛をふいてくれる人はかなりの年配でそろそろだれかに引きつがねばな らないのに次がいません。そして、とうとう私たちが通っていた小学校も廃 校が決定してしまいました。この学校は私の父さんも通っていた学校でした。 私も六年間その学校に通っていたので、とてもさみしく思います。このまま だといずれ私の地区でやっているお祭りも、受け継がれることなく、なくな ってしまうかもしれません。ですから私はそんなことにならないように守っ ていたいのです。私の誇りであるこの町を。 私の力はびびたるものですが、先輩や友達そして、後輩と、いっしょにこ の大多喜町を盛り立てて、これからもずっと歴史をきざみ、伝統を受けつい でいきたいと思います。 2