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DLS3周年記念お誕生日プレゼント +new エクササイズたち

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DLS3周年記念お誕生日プレゼント +new エクササイズたち
DLS3周年記念お誕生日プレゼント
+new エクササイズたち
Happy Birthday DLS!
2016 年 8 月 1 日、DLS は 3 歳になります。いつも応援ありがとうございます!ブログがア
ップされるために読んでくれる皆さんのおかげで、ソーシャルメディアでシェアをしてく
れる人達のおかげで、そしてセミナーに参加してくれる皆さんのおかげで、DLS はここま
で来ることができました。
3歳になり、幼稚園に通うことのできる年齢にもなりましたので、入学祝のお返しとして
無料 eBook を作りました。
DLS ブログでも人気のシリーズである「ダンサーの腹筋事情」をまとめ、編集したものに、
今回のために新しいエクササイズ、記事、考えてほしいことをプラスしておきました。
みなさんの健康なダンス生活の役に立てたら嬉しいです!
無料 eBook だけれどいくつかお約束事はあります
*この eBook に書かれていることは一般的なアドバイスです。個人の病気、体調、ケガな
どからくるエクササイズ助言は専門家にお願いしてください。
*いくら無料だからって無断転載はしないでね。頑張って作りましたので、生徒さんとシ
ェアする場合 DLS サイトを教えてあげてください。生徒さんやご両親の皆さんにも知って
ほしいバレエの、体の記事がたくさんありますから。
*治療家・トレーナーさんが使用する場合も同じです。ただ、セミナーなどの材料にはし
ないでくださいよ?バレエ界は狭いですから誰かしら教えてくれるものです。法的処置を
とりますからね。
*最後に。読んでいても腹筋は強くなりません!一緒にエクササイズをやってみて。レッ
スンの時に意識してみて!行動にうつすことが上達に繋がりますから…
Happy Dancing!
目次(題名をクリックするとページに飛びます)
はじめに-Happy Birthday DLS!
1 ダンサーの腹筋事情
2 ダンサーの腹筋事情 解剖学編
3 ダンサーの腹筋事情 腸腰筋編
4 おなかを使って脚を上げるってどういう事?
5 踊るためのエクササイズで覚えておきたい事
6 下向き腹筋
7 普通腹筋をダンサー腹筋へ
8 ★new★ダンサー腹筋攻略のヒント
9 ドローインと引き上げ
10 ★new★下向き腹筋レッグクロス
11 腹筋とスタミナ
12 腹筋を逃がさないエクササイズ1
13 腹筋を逃がさないエクササイズ2
14 ★new★腹筋について覚えておいてほしいこと
私の使っているブログシステムによると、DLS には「腹筋」という言葉が出てくる記事が
39 個あるそうです。
特に集中しているのが、コアマッスルについてお話したシリーズそして体幹のエクササイ
ズとしてプランクたちをお話してきたシリーズ
そりゃそうですよね。
コアマッスルのひとつに腹筋があるわけだし、体幹のひとつに腹筋があるわけで。
ここらへん、忘れちゃった人は復習しておきましょうね。
腹筋について、さまざまなブログが色々なことを書いています。だから今まであえて書い
てきませんでした。私じゃなくてもいーだろーと笑
が。
今年新しく入学してきた生徒の慢性腰痛、そして「お腹を使って踊る」だったり、
「腹筋を使って脚を上げる」という事への理解不足。(彼女は真っ直ぐ椅子に座れない!)
自分の体で理解できていない中で、そして解剖学はもちろん、バレエ用語やステップを知
らずにレッスンを教えてきた、という悲しい事実。
(スタジオでアルバイトとして教えるって普通だものね)
はたまた、冬の講習会で見た、バレエ教育法を学んできた、または体について勉強をして
いる、という先生に長年バレエを教わってきた生徒達が骨盤を真っ直ぐのままタンジュデ
ヴァンが出来ない現実をみて。
この問題はもっと奥深いのではないか?って考えていました。
この記事を書き始める前に(思いついたのは 1 月だったのだけれど、すでに 3 月・・・)
どのような形でお話しするのが一番いいのか?って考え込んでいました。
だって



インターネット上に情報はたくさんある。
腹筋について知らない人は居ない。
腹筋という言葉を口にするバレエ教師はたくさんいる。
なのに現実として





タンジュデヴァンが出来ない。
ダンサーにおける慢性的な腰痛。
脚の外側がパンパンになってしまう子たち
お腹がぐにゃぐにゃ、軸がないダンサー
ネバーエンディングの注意「腹筋強くしなさいっ!!」
を目にしない(耳にしない?)レッスンはないほど。
このギャップはどこから生まれるのだろう?と頭を掻いていたら問題は何層かに分かれて
いることに気がつきました。
1. 机上の解剖学になってしまっている
2. 深みのない、ロボット的な注意になってしまっている
3. 踊りにおけるプライオリティ(優先順位)
机上の解剖学
本で勉強したから。
コースを受講したから。
このようにトレーナーから習ったから…
知識だけで解剖学が止まってしまっているケース。
腹筋の名前や場所、役割を勉強したところで終わっている。
ポッドキャストで骨盤のプレースメントを取り上げた月間を作ったし、ブログでも様々な
エクササイズをご紹介してきましたが、
骨盤のプレースメントを正しくキープして動こうとすると、腹筋を使わなければいけな
い!って分かりますし、感じます。
ただ、椅子に座っているだけで腹筋のことを知らなくてもかなりの腹筋運動になるんです。
それが、知識から体へ入っていない。または、繋がっていないと理解できません。
深みのない、ロボット的な注意
自分が言われてきたから
お偉い先生がおっしゃっていたから
バレエ雑誌に書いてあったからという習慣で
デベロッペデヴァンで脚がキープできない子=腹筋が弱い
ピルエットで軸がずれてしまう子=腹筋が弱い
センターでバランスが取れない子=腹筋が弱い
という考えが定着しすぎてしまっている。
よって同じ注意を繰り返すロボット。
だけど結果は出ないっ!生徒達は怠けているのね。一日腹筋 50 回やりなさい!
腹筋が弱かったらダンサーになれないわよ!!
頑張る生徒達。3 ヵ月後。レッスンでの成果が見えず。。。
受験期が来てタイムオーバー。
これから週に 1 回のレッスンにしますって言われてがっくり。
結果が見えないんだもの、踊っていても楽しくないよね
あなたの脚が上がらない理由?という記事で書いたけれど、
脚が上がらない。バランスが取れない。軸がしっかりしない。という原因は1つではない
んですよね。
この原因を探り、様々な言葉や方向からバレエの動きを見るために解剖学を勉強するので
すよ。(ただ格好をつけるために、または生徒を呼び込むために勉強するんではありませ
んからねっ!)
折角忙しい生活の合間を縫ってレッスンに来ているのだから早く効果が見たいじゃないで
すか!!
踊りにおけるプライオリティ
レッスンでの優先順位が問題で変化が見られないケース。
私がバレエ学校で目にする一番の原因。
腹筋について知っている。
腹筋だけにフォーカスすれば簡単なアンシェヌマンを美しく踊りこなせる。
だけど、踊りのプライオリティが脚をとっても高く上げることだったり、
何がなんでも回ることだったり、実力と比べて難易度の高すぎるステップを無我夢中でこ
なそうとしていたり。
そんなところで「正しいテクニック」の優先順位が落ちてしまうケース。
つまり、知っていることが頭に入っていても、身に染み付いていないってことね。
身についていたら自然に出来るはずだから。
この3つのポイントって繋がっているんですよ。
だから最初に問題は「何層かに」分かれている、って書き方をしました。
最初。バレエを始めたばかり!
何がなんだか分からないけれど踊るのたのしー!から始まって、
長年のレッスンで自分の言われてきた注意を口にするようになる。
言われてきた注意を当たり前だと思う
(例 お腹を使って踊らないと脚だけ太くなりますよ!)
体について興味が出てきて勉強した出したときにぶつかる壁が机上の解剖学。
(例 腹筋を使うと体幹が安定するので踊りやすくなる「予定」)
んでもって、その壁を越すと待っているのがなかなか身につかない現実。
(例 腹筋エクササイズだけ、タンジュだけだとしっかり踊れるのに、センターになった
らぐにゃぐにゃ)
っていう層。言いたいこと通じています?
なのでこれから何回かに分けて腹筋を見ていきますが、
シンプルな解剖学を勉強
↓
いつも言われている注意を分析
↓
身にしみこませるための自主練プラン
って感じてお話していこうと思っています。
ということで、今のうちによく言われる腹筋に関する質問、毎日言われているけれどイマ
イチわかんない注意などがあったら教えてくださいね。
ちなみに。このトピックは「教師の為のバレエ解剖学講座 モジュール1」にてお話して
います。また、フロアエクササイズ for ダンサーズシリーズでも行っています。
やっぱりバレエは動きだから。文章で説明できることにリミットがあるのですよ。
DLS の記事をよんでこういうことに興味があったらセミナーたちにも遊びに来てください。
この前、ダンサーの腹筋についての理想と現実っていうのを見てみました。
どうして、みーんな腹筋がどこにあるのか分かっているし、腹筋運動の仕方を知っている
し、腹筋が大事だって事も知っているのに出来ないのか。
今日は何層にもなっている問題の一番最初、シンプルな解剖学を見ていきましょう。
「腹筋」
と呼ばれる子達は4つの筋肉群で出来ています。
お腹の皮膚に一番近いところから
腹直筋
外腹斜筋
内腹斜筋
腹横筋
という順番に体に納まっているそうです。
もちろん、毎回くしゃみをするたびに筋繊維が絡まらないようにって全ての筋肉たちは筋
膜っていう膜に覆われています。
腹筋筋肉痛のときにくしゃみをするととっても痛いの!くしゃみ、せきってかなり腹筋使
うのですよね。くしゃみした途端、ぎっくり腰ってこともあるくらい笑
さて、ダンサーはお医者さんじゃないので、筋肉がどの骨のどのエリアから始まって、ど
んな神経が通っていて・・・なんて事知らなくって大丈夫。
DLS 特有の点と点原理で見ていきましょうか。
一番シンプルなのが腹直筋。
イラストを見て分かるように最初の点は肋骨。終わりの
点は骨盤の恥骨のところについていますね。
この点と点を縮めると・・・
胴体が曲がって腹筋運動みたいな形になるのが分かりま
すよね。
これが腹直筋のお仕事。肋骨と骨盤の前の距離を縮めま
す。
腹斜筋たち
は外側のと内側ので繊維の方向は違うものの、肋骨から骨盤に斜めに点と点が働くことが
分かると思います。
左右対称に動いてくれたら腹直筋と同じように肋骨と骨盤の距離を縮めますが、右だけ、
左だけ、って働く場合斜めのラインが出来るのがわかりますね。これが腹筋運動をすると
きに「ひねり」を入れる秘密です。
ちなみに殆どの人は左右対称じゃない。だからこの筋肉の左右の強さが一緒じゃないこと
が殆どです。
分かり易い例として、
ウエストの高さ、くびれ具合の違い
だとか
サークルポーデブラをした時の動き易さ、だとか
センターでの 4 番ポジションポーデブラでの安定性だとか。
そんなところで分かります。
腹横筋はコアマッスルのところで説明しまし
たから簡単に。
点と点で見た場合、
肋骨と恥骨、っていう腹筋らしいスタイルはあるものの、
ウエストをぐるっと回った点と点になり、ウエスト周りを細
く保つのが分かりますね。そのほかの動きはコアマッスルの
記事を読んで下さい。
まとめとして


腹筋は4つある
全ての筋肉で繊維の方向は違うものの肋骨と骨盤を繋げている
という事が分かります。
この肋骨と骨盤を繋げている、って言うところが体幹の強さっていわれるところ。
肋骨が開いちゃう!っていう注意はレッスンで良くされますが、この記事で書いたように、
腹筋の弱さが原因の場合もありますね。
柔らかなサイドカンブレから素早く体を真っ直ぐに戻してくる動き。
グランパドドゥのフィッシュダイブからアラベスクに戻ってくるところなどで腹筋が大活
躍するのが分かりますね。
腹筋たちのそのほかの仕事。
それは内臓たちが飛び出るのを防ぐこと笑
ってことはコンテンポラリー作品や、オーディションビデオでお腹がでっぱって見えない
ためにも強くしておきたい筋肉のひとつだって事。
バレエは芸術ですからね。つまり「鑑賞美」を作るために必要な筋肉ともいえます。
素早い方向転換や、様々な方向へのジャンプでも軸に戻ってこられる強さって言うのもこ
こにあります。
が。気がつきました?
脚。
そーなの。
腹筋は脚の骨、つまり大腿骨には繋がっていないの。
なのにバレエでは腹筋が弱いから脚が上がらないって言われるのっ!
ここがバレエダンサーにおける腹筋を考えたときのキーになるから考えてみてくださいね。
点と点原理でお話したように筋肉の仕事は
始まっているところの点と終わりの点を縮めたり、キープしたり
コントロールしながら伸ばすこと(この記事参照)
では「腹筋を使って脚を上げる」って言うのは先生の嘘だったのかしらっ!?
前回までの腹筋シリーズではレッスン場での腹筋にまつわる悩みから始まって
腹筋とは4つあり、それぞれどんな風に体に納まっているのか?というのを考えてみまし
た。
その一番最後で気づいてしまったこと。それは・・・
腹筋って脚につながっていないじゃないっ!
という、なんとも人間不信になりそうな事実。
そして焦りのバレエ教師たち!
あの記事の後、一時期レッスン場から腹筋と言う言葉が消えてたりして笑
今日はそのヒントとなる腸腰筋を今日は見ていきます。
腸腰筋とは実は2つの筋肉グループからできていて、
1 つのグループは 2 つにわかれて・・・なんて面倒くさい!
腸腰筋 iliopsoas=腸骨筋 iliacus+腰筋 psoas(大腰筋 major+小腰筋 miner)
てな感じです。
いつもどおり、ダンサーは「腸腰筋」って言葉さえ知っていれば良くって、他の部分はト
リビア程度で大丈夫。
但し、トレーナーさんは腸骨筋と大腰筋の微妙なスイッチオンの仕方をトレーニングする
必要があるかもしれないし、治療家はもちろん、これらをしっかりと治療しわける必要が
あります。
ここがポッドキャストにも取り上げた「スーパーマンシンドローム」の対処法ね。
全てを知っている必要はないから。努力する方向性をしっかりと見据えましょう。
例えばプロを目指すダンサーだったら腹筋について、そしてこれからお話する腸腰筋につ
いて知っておきたいわけです。
だってレッスンで言われるから。
教師も同じ。
自分で行う注意くらい、しっかりと理論でわかっていなければいけませんよね。
それだったら、どうやってレッスンで取り組めるか?
どんな生徒が「この筋肉が弱い」ってことになるのか?
どうやってお家でエクササイズできるか?に時間を割いた方が効率的。
スーパーマンシンドロームに陥ると、何でも自分で勉強したい!知りたい!
でもって結局中途半端・・・燃え尽きちゃって・・・荷物もって旅に出ます!ってなっち
ゃうから。
話は逸れましたが筋肉を見てみましょうか。いつもどおり点と点。
腸骨についているのが腸骨筋で、腰椎についているのが腰筋で。
(ヨーク見ると第12
胸椎にもついているん
ですが)大きいほうが
大腰筋で、小さいほう
が小腰筋。
ね、シンプルでしょ
う?
腸腰筋、とグループで
呼ばれる理由はこの、
終わりの点。両方とも
大腿骨の内側にくっつ
いています。
よって点と点原理でみると同じような動きをします。(骨盤だけ動き、腰椎が動かないこ
とはないですよね。)
脚の点と腰、そして骨盤の点が縮まるので・・・
大腿骨を背骨のほうに持ってきてくれたり、体を大腿骨のほうへ持ってきてくれたり。
バレエで言うと、グランバットマン・デヴァンやアラセコンドのように
脚を前に上げたり、横に上げたり
(注意!クラシックバレエにおけるアラセコンドは真横ではありませんね。知ってますよね
ー説明要らないですよねー記事にしたほうがいいですか・・・?)
するときに、大腿骨と骨盤、そして腰椎の距離を縮めてくれます。
この子たちの素敵なところ。それは点と点。
大腿骨の内側の点が背骨、つまり体の中心に行くでしょう?って事は脚がしっかりと体の
前に上がるようになるし(外に開いちゃったデヴァンポジションはみっともない!)
背骨の前側に点がついているってことは、脚を上げたからって、腰が後ろに引けないって
ところ。
背骨の健康にも大切だけれど、腰がぼこって出たダンサーっていくら脚が上がっていても
格好悪いでしょう?
ここら辺でそろそろヒントになったかな?
腹筋を使って足を上げなさいっていう注意について…
レッスン中に腹筋、おなかの注意をされない事はないのに、どうして出来ないんでしょ?
というところから、腹筋という筋肉たちを勉強しています。
この前分かった事。それは腸腰筋という筋肉たちの働き。
だけど腹筋と腸腰筋ってどうやって関係あるの?
そして、あの
「おなか使いなさーい!!」
「腹筋がないから脚があがらないのよっ!」
という注意を今日はお話しします。
だけど中級者レベルになりますから分からなくなったらピンクの文字をクリックしてそれ
ぞれの説明がある DLS 記事に飛んでください。
この前点と点原理で勉強したように、腸腰筋は脚を前と横にあげてくれます。
そしてこの筋肉は腰椎の前にあります。ってことは!!
「おなか(の深部)を使って脚を(前と横に)上げなさい!」
って言う注意が成り立ちますよね!!
イエーイ!!
謎が一つ解けましたよ。
じゃあ
「腹筋を使って脚を上げなさい」って言葉は正しくないのかしら?
ここら辺で複雑になってくるのです。答えはもちろん腹筋も必要ですよ。になるのですが、
それじゃー意味がない。もっと詳しく見ていきましょう。
その前に。
ここでいう脚を高く上げる、というのはクラシックバレエにおける脚を高く上げる、とい
う事です。
つまり、軸足はターンアウトされていて、背骨は引き上がっていて、
肋骨は正しいところにあって、上半身に力みがない事を指します。
もちろん上がっている脚はターンアウトされ、つま先ものびています。
時々、ただ脚をあげればいいのね!って思っている人がいますが、
それはバレエ界では脚が上がった事にはなりません。
腰椎が落ちたり、軸足が曲がったり、ターンアウトが出来ていなくって
「脚上がったよー」
なんて言っていたら頭、叩きにいきますよ?
同じように、「この子、脚は上がるんですけどね、アライメントを直そうとすると、
脚が落ちちゃうんです。」という相談で、
テクニックなく脚を上げているという事だったら彼女の脚は上がっていませんからね。
そこ、しっかりと理解してください。柔軟性=テクニックではありません!(柔軟性と強
度に関する記事はこちら)
話を元に戻します。
腸腰筋は胸椎の一番最後と、腰椎全てにくっついていて、
骨盤の中を通り大腿骨についています。
点と点を縮めると動きが生まれますよね。
だから、例えばデヴァンに上げたときに腰椎が後ろに落ちてしまったら?点と点の距離が
縮まらないの、分かりますか?
ってことは腸腰筋が上手く使えないから他のところが頑張ってしまいます。
他のところ、って言うのは大腿四頭筋。
この子もヒップフレクサー、つまり大腿骨を骨盤に持ってくる子でしたよね?(覚えてい
ない人はこちらから)
ではどうやったら、この腰椎を落として脚を上げる、っていう悪い癖を直す事が出来ます
でしょうか?
腰を支えている筋肉たちが助けにこないと行けませんね。
例えば脊柱起立筋。この話はしましたね。
また、安定性を考えたら、コアマッスルである多裂筋は背骨をつなげてくれていますね。
腹横筋も背骨のほうからぐるっとウエストをカバーしてくれていますし。
肋骨が開いてしまう、なんて悩みのためにも、腹筋たちが骨盤と肋骨を結んでいてくれる
訳です。
これだけ色々知っていないと理解が出来ないので中級者レベルって最初に書きました。
こうやって作られた強い背骨と骨盤。
そこで腸腰筋が100%の力を発する事ができて、脚を高く、そして安全に上げる事が出
来るのです。
だから腹筋が必要。
「腹筋を使って(おなかの筋肉を一番効果的に使えるようにサポートし)脚を上げる」
わけね。
忘れてはいけない事。それは筋肉はグループになって働いています。
「これだけやっておけば大丈夫!」って事はないのです。
みんながサポートしてくれているの。ここら辺が、解剖学を勉強し始めた人たちが陥りや
すい落とし穴。
そしてこれが医者が教える解剖学はダンサーに意味がないところ。
ダンサーにはダンサーの体の使い方、求められるもの、必要なものがあります。
そしてそれに沿った解剖学でないと机上の解剖学になっちゃいますよ。
それにそった強化エクササイズでないと、レッスンでないと結果は出ませんよー。
ここの理解が出来ていないと、毎日腹筋50回しているのに、おなかグニャグニャのダン
サーが腰いたい、っていう生活を送るようになっちゃうわけ。
しっかり勉強してくださいね。ということで、解剖学的に見た腹筋は終了!
次回から実際にエクササイズについてお話ししていきましょう。
ダンサーの腹筋事情、というシリーズはまだまだ続いています。
このままでは DLS 至上一番長いシリーズになってしまいそうです・・・が、それだけ必要
ってことだし、それだけ悩みがあるってことだよね?って許してください。
パート1では腹筋について知らないダンサー、教師はいないのにレッスンで腹筋を使える
ダンサーがとても少ないのはなんで?という質問から考えていき
パート2で腹筋という解剖学をチェックしました。
パート3では腹筋たちの深部にある筋肉である腸腰筋をカバーし、
パート4では「おなかを使って脚をあげる」という謎を解きました。
これだけでも素敵な知識なのですが、知識だけでは舞台で輝けません。
ダンサーは動けてナンボなのです。
だから頭で分かっただけでは足りないですよ。特にバレエ教師の皆様。
自分で体感すれば、言葉に発するときに重みが出ます。
そうなれば「おなかを使って脚をあげなさい」って言われてたのによくわからんダンサー
たちが減ってくれるはずです。
エクササイズは沢山ありますが、文章で動きを説明するには限りがあるので、いくつか分
かりやすい、そしてセミナーで行う事が多いエクササイズたちをご紹介していきます。
予習として、座骨を探す、骨盤のプレースメントを探すエクササイズたちは腹筋を始める
前にマスターしておいてくださいね。
腹筋たちは骨盤と肋骨を結んでいますよね。だからベースとなる骨盤がふらふらしていた
ら効率的に腹筋を鍛えられません。
座骨を探せ 保存版!という記事ではこれらのエクササイズたちをまとめてあります。参
考にしてください。これらのエクササイズたちの中に、腸腰筋を使っちゃう!素敵なエク
ササイズがあるんですよ。どれでしょうね?探してみて下さい。
また、コアマッスルのイメトレも大切です。だって、腹筋の一つである腹横筋がコアマッ
スルのひとりでもありましたよね?こちらも復習しておきましょう。
よくある間違いとして、「エクササイズが感じられたらオッケー!」というお気楽ダンサ
ーの考え方です。
そんなに簡単にダンサーに必要な筋肉を鍛えられたらみーんなダンサーになってますよ!
ダンサーの筋トレというのは、
1)筋肉を感じ、正しく行う事が出来る
というのはモチロン、
2)複雑な振付け、表現をしている時もしっかりと使える
という強さ、そして
3)2時間クラス中絶対に弱くならない、全幕ものを踊りきるだけのスタミナ
というのも大切です。
冬季講習会を見学してくださったトレーナーのお一人が、ご自身がトレーニングされてい
るダンサー(講習会参加者)をみて
「45 分のトレーニングセッションだと動けていたと思っていたんですけどね」と言ってい
ました。
そうなんです。
45 分だろうが、1時間半だろうが。それだけに集中できるトレーニングで動けなかったら
舞台では使えません。だから最初はそこから始めます。
が、そこから先まで行かないとダンサーのトレーニングになりません。
留学したいダンサーへ向けて書いた、レッスン量の記事で書きましたが、バレエ留学する
と毎日4−5時間踊るようになります。そこで継続的に使う事が出来なければいけないんで
す。
プロになれば、朝のレッスンから10時半に終わる公演まで使えるだけの強さが必要なの
ですよね。
ヒント!
そんなにエクササイズしている時間がないよー!という忙しい現代ダンサーのために。
エクササイズで筋肉を探す、という事をレッスンの前に行い、その感覚を考えながらレッ
スンをすると、レッスン+筋トレになってくれます。
ウォームアップにもなるし、一石三鳥!素敵じゃないですか。
=時間がない、は言い訳になりません。
冬期講習会をうけたダンサー達は覚えていますよね?しっかりとウォームアップをして筋
肉を捜すと、しっかりと踊れるって事。
さて、予習が終わった皆さんは実際のエクササイズにチャレンジしてみましょう。
長い事続いているシリーズである「ダンサーの腹筋事情」
おなかを使って足を上げる?!
おなかが弱いからバランスがとれない??
なんていう「おなか」とレッスン中の「注意」を見ていっているシリーズです。
2014 年にスタジオ訪問をしたとき、一人の若いダンサー(多分14歳くらい?)が
ジャンプが飛べるようになりたい!と教えてくれました。
何が弱いとジャンプが出来ないんだろう?と聞いてみると、
腹筋。
そっかー。腹筋が弱いから飛べないのね?ということで連続ジャンプをしてみました。
そのあとどこの筋肉使った感じがする?どこが疲れた?
と聞いてみると太もも。
そっかー。
その後、彼女の先生とお話しする事が出来たのですが、彼女は「そんな注意した覚えない
んだけど?」と首を傾げていて。
なんでだか分からないけれど、腹筋が強いとどんなテクニックでも出来る!という考えは
定着しているみたい。
インナーマッスルとかという言い方もそう。それだけ鍛えておけばオッケー!みたいな。
ちなみに、インナーマッスルって英語なような気がするけれど、こっちでは使いません。
試しに英語の Google に検索をかけてみたら、最初に出てきたのはお洋服でした。
インナー、って下着って意味だから。
その話はまた今度記事にするとして。
腹筋ね。
今日ご紹介する腹筋エクササイズは皆さんが知っている腹筋とちょっと違うと思います。
でもダンサー、特にバレエダンサーにはとっても大切な体のコントロールですから、しっ
かりと練習しましょう。
下向き腹筋のしかた
1)腹這いになって寝転がり
ます。
肘を曲げ、おでこを指先の上
に乗せておきましょう。
どうせエクササイズをするの
ですから、内転筋も少しだけ
使って、両足をしっかりとそ
ろえておきましょう。
2)おへそを背骨の方に持ってきます。ホールドしましょう。
終了!
ね、簡単でしょう?何も感じないって?
普通の腹筋っていって頭に思い
浮かぶのはこちらですよね?
これについてもまた説明します。
ただ、問題なのはバレエにおけ
る腹筋って体を屈曲する時だけ
ではないんですよ。
逆に、クラシックの場合、体を
屈曲する動きってとても少なく
それよりも伸展が多い。
(この言葉たち、勉強しましたね。忘れちゃったらこっちで復習)
そうしたら、上の腹筋だけだと多分踊っているときに使えない。
よって毎日腹筋運動しているのに、



アラベスクのときにおなかがベローンと落ちてる。
立っているときにお腹が出っ張っている。
腰が痛い。
なんて問題が色々出てくる訳です。
ここら辺は、教師のためのバレエ解剖学でもっと詳しくお話ししていますから、
もっと知りたい人、教えたい人はそちらのコースを受講してください。
ブログでの目的は、誰でも出来る、なるべく安全な動きを説明する事だけですから。(し
かも文章で!)
下向き腹筋の種明かし
これは重力に引っ張られている内臓たちを、自分の筋力で持ち上げる、キープするという
エクササイズをしています。
腹筋のお仕事のひとつが、内臓をしっかりとおさめておく事だから。
このとき、お腹を浮かせる事だけに
フォーカスしてしまうと、骨盤が浮
いてしまったり、
腰椎の部分が丸くなってしまったり
します。
これでは、踊るときに骨盤がタックのポジションに入っている事になるし、腹筋を使う=
腰を落とす、という練習をしている事になってしまいます。
また、お腹にフォーカスしたとたん、両足をしっかりとそろ
えておけない、という場合は、踊っているときに腹筋と内転
筋、両方一緒に使えない、という事になります。
それじゃあ舞台に通用しません!
または、お腹の筋肉を使う代わりに肩が上がってきてしまう
ダンサーも沢山見られます。
腹筋=肩を上げる!というマッスルメモリーを作っていい事なんてありません。
そんな練習は時間の無駄です。
前回お話ししたように、ダンサーの筋トレというのは、
1)筋肉を感じ、正しく行う事が出来る
2)複雑な振付け、表現をしている時もしっかりと使える
3)2時間クラス中絶対に弱くならない、全幕ものを踊りきるだけのスタミナ
この下向き腹筋では、1番目の筋肉を感じ、正しく行う事が出来る。というところだけを
考えています。
バレエでいう、「正しい姿勢」では、




骨盤をタックにもしない。
腰椎を落とさない。
内転筋を使って立つ。
肩は下げておく。
でしょう?そうしたら、バレエ用の腹筋をするときに
上で挙げた点を忘れちゃったら意味ないですよ?
お家で練習してください。
これが出来るようになったら、
次の記事、普通腹筋をバレエ腹筋に考えるエクササイ
ズを試してみましょうね。
前回の腹筋事情では、お腹を入れて真っ直ぐ立つ!というレッスンでの一番ベーシックな
形を考えた腹筋をご紹介しました。
その腹筋が出来ると、お腹を入れて!といわれた瞬間酷いタックに入るダンサーや、
腹筋を使って!といわれたら、肩に力が入ってしまうダンサーを直すことが出来ます。
確かに簡単なエクササイズですけれど、しっかりとマッスルメモリーに入れておくこと。
今日は、腹筋、といって皆が思いつく、普通の形を見ていきましょう。
これです。だれでも知っているエクササイズね。
1)膝を曲げて床に寝転がります。
足は骨盤の幅に開き、両膝の感覚も同じ
にしておくこと。骨盤の三角形は地面と
水平です。
2)上体を起こしてきます。それだけ。
ただ、このエクササイズ、とーっても正しく行わないとレッスンでは使えなくなってしま
います。
チェックリストを見てみましょう
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
骨盤の三角形は、上体を起こしても変わらない
足の付け根(股関節の前)には力が入らない
首が動きを先導しない
ひじが顔のほうへ上がってこない
脇が地面から浮くまで体を起こす
膝が外に逃げない
足の指たちに力が入らない。アーチが崩れない
お腹は平らのまま
まー初心者ならばここら辺まで気をつけたいですね。
え!?初心者で、ここまで気をつけなければいけないの!?
そうなんです。誰でも知っているくせに、難しいんですよ、この腹筋。
骨盤の三角形は、上体を起こしても変わらない
→腹筋を使っても、骨盤のプレースメントに影響しないようなコントロール力
→タックに入ってしまったら、腰椎を押し出すことに!レッスンで使わないよね?
足の付け根(股関節の前)には力が入らない
→解剖学編で、腹筋は肋骨から骨盤までを繋げる、ってお話したでしょう?
腹筋を鍛えるのがゴールなのだから、他のエリアは使わない!
首が動きを先導しない
→首は動きます。ただね、胴体に首が付いているから動くのであって、
首から動きが生まれるわけではないよね?肋骨の点を骨盤の点のほうへ縮めるのだから。
ひじが顔のほうへ上がってこない
→5 番ポジションにした時に、ひじは 180 度開きません。
だから、腹筋でもひじが少し前に来るよ。だけど、顔を隠すほどひじが動いてしまったら、
ポーデブラを背中からキープしていることにならないよね?
脇が地面から浮くまで体を起こす
→この動き、バレエだとナンでしょう?
カンブレデヴァン、になると思いません?その時、動かす範囲は胸椎の部分。首だけでは
ないよね。
膝が外に逃げない
→腹筋をしている時に内転筋を使えなかったら、踊っているときに内モモが使えない、っ
てことね。
足の指たちに力が入らない。アーチが崩れない
→腹筋している時に足の指を丸めたら、トウシューズどころか、安定してアテールで立て
ませんよー。
体のどのエリアを使っているのか?という考えと、それをコントロールする力を作ってい
るのですから。
お腹は平らのまま
→トレーニングの面から見たり、ピラティスのドローイン、と呼ばれる動きからみたりで
きるのですが、難しくなってしまうから。
この注意、ダンサー的に考えると当たり前ね。踊っているときにお腹を出っ張らせないで
しょ?腹筋を使って!というときにお腹がぽっこりしていたら変でしょ?
と、説明を書くとこんな感じです。
いつもレッスンで注意することを、エクササイズでやっているんだ。っていう事を考えた
らこれくらい当たり前な気がしませんか?
この前と、今回、そしてプランクたちは基本の動きです。基本が一番難しい!
でもゴールは踊っているときに使える体作りでしょう?という事はこれくらいシンプルな
動きの中で、



しっかりと考える、
コントロールできる、
続けられる。
そんな強さがダンサーには必要ですよね。練習していきましょう。
次回は、腹筋と引き上げ、そしてドローイン、という言葉(聞いた事、ありますか?)を
考えてみましょうね。
レッスン場では腹筋が弱いと引き上がっていない!って言われるので、その紐を解いてみ
ましょう。
New!ダンサー腹筋攻略のヒント
バレエ腹筋、理論的には簡単そうなんだけれど、股関節の前の部分の力が抜けなくって困
っちゃうダンサーが多いのも事実。
特にかくれタックが上手な嘘つきダンサーはこの部分に力を入れることが大好きだし、
股関節の前が痛くなっちゃったり、脚をアラセコンドにあげると股関節がゴリゴリする、
なんて人もこの部分を使い過ぎて踊る傾向があります。
または、股関節の前の力は抜けたけれど、首に力が入っちゃって腹筋はあまり感じられな
い…なんて人もいますよね。
このような人は肩甲骨のちょっと下の部分
にフォームローラーを入れて体を起こして
あげて下さい。
体を持ち上げることで股関節の力が抜けや
すくなる他、腹筋が働きやすいポジション
に体を持って来ることができます。
このポジションで腹筋を正しくスイッチオンできるように練習してから床から始めるバレ
エ腹筋に戻ってください。
ダンサーとしてのゴールは体がまっすぐなところから腹筋を使い、自由に踊ることですが、
それが難しかったら、その前の準備としてこのような形を試してみてね。
フォームローラーがない人、もしくはローラー
だとゴロゴロしてしまって体が落ち着かない、
という人は枕やクッションを入れてみましょう。
これは特に側弯症気味の子に有効です。側弯症
だと、左右の肋骨の形が違うため、ローラーに
乗ると痛いな、って感じる子がいます。その場
合、柔らかい素材を使ってあげるといいでしょう。
また、体がゴロゴロする理由の一つは左右の腹筋(腹斜筋ね)の力に差があることが。コ
ンクールなどで同じような動きばかりを練習してきた子は体の左右差があります。クッシ
ョンからはじめて、ローラーに移動し、床からのバレエ腹筋まで持ってきてくださいね。
ながーく続いているダンサーの腹筋事情シリーズエクササイズ編では、



舞台で通用するエクササイズとは何か?を考え、
下向き腹筋という基本的な立ち姿を勉強し、
普通腹筋をバレエの言葉で考えてみました。
今日はドローイン、という言葉と、みなさんおなじみの引き上げって言葉を見ていきます。
昔書いた引き上げに関する記事はこちらとこちら。
ドローイン、って言葉を聞いたことはありますか?
エクササイズ、特にピラティスなどで使われる言葉です。
が。
グーグル検索をかけてみるとダイエットやお腹をへこます運動!として紹介されている悲
しい子達です。
ドローイン、ってエクササイズの言葉と思われているけれど、英語ですので draw in と書
きます。
これを辞書で引くと
pull inward or towards a center
となります。
つまり、真ん中のほうへ引っ張ってくる、という事ね。
これを下向き腹筋では使っています。
背骨を動かさず、お腹を重力に逆ら
ってセンターへもってくる。ってこ
とだものね。
ここで、ドローイン、という意味が分かっていないと、お腹をへこませばいいんだー!っ
て皆凄い勢いでお腹を入れます。
そーするとタックちゃんになってし
まうし、第一腰椎に悪いったら!
レッスンでも見える問題ですよね。
お腹を使って!
お腹を入れて!
といわれた途端、タック!!!!!!!!!!
ドローインがいい、悪い。エクササイズとしていい、悪い。
またはお腹が凹む、ダイエットに効くかどうか。というのをおいて置いて。
この姿勢、つまり腰椎を引き上げたまま、お腹を入れる。
という姿勢はクラシックバレエで大事なことです。
引き上げの一部。
そう、引き上げって言葉は
pull up=中に引っ張って持ち上げる。
ドローインをさらに上に伸ばした!ってことになりますよね!!
 引き上げがイマイチ分からん、
 引き上げたつもりが肋骨が開いてしまう。
 引き上げたらアップアップしちゃって動け
ない。
なーんて問題がある人は、この下向き腹筋を毎日
毎日練習してください。
確かにね、背骨は長いからこのエリアだけやって
いれば完璧な引き上げが出来るわけではないけれ
ど、
土台となる強い体を元、つまり体幹を感じること
が出来るはずですから。
次回は腹筋が強くなったよ!というプランク生活実施中の方からのメッセージを読みつつ、
腹筋とスタミナについて見ていきましょう。
あまり知られていない腹筋を強くするメリットの一つをご紹介します。
New!下向き腹筋レッグクロス
下向き腹筋と、引き上げのコンセプトが分かったところで新しいエクササイズをご紹介し
ようと思います。
このエクササイズ、ダンサーを指導する時のお気に入りです。
なので私の生徒たちはどのエクササイズか分かるし、DLS セミナーに来てくれた人達もや
ったことがあるエクササイズだと思います。
このエクササイズは下向き腹筋の応用編で、しっかりと行うのは難しくなりますので基礎
が出来ているかしっかりとチェックしてくださいね。
1)スタートポジションは下向き腹筋です
おなかが地面から引きあがりますが、肩と骨盤が動かない様に気を付けて。
脚を小さな1番ポジションにしましょう。
床を使ってかかとを押し下げることで、嘘つきターンアウトができてしまいますから、お
尻の下の部分にあるターンアウト筋肉、外旋六筋たちが働いているのを感じて。
2)脚をすこーしだけ持ち上げ(1番ポジションからちっちゃなタンジュデ
リエールへ)その足を3番ポジションになるようにクロスさせます。
クロスした脚を1番ポジションデリエールにもどし、1番ポジションに戻してきます。
もちろん、脚が空中に浮いている間も下向き腹筋を続けますよ。両方の骨盤の出っ張り
(ASIS)がしっかりと地面についているのも確認して。
これを10セットほど繰り返します。
上手にできるようになったらすぐに脚を地面に降ろさず何度か1番デリエール、3番デリ
エールを繰り返してください。
脚にウエイトを付けることも可能で、そのように私の生徒には指導していますが、本当に
正しくできているのか確認してから負荷をかけてください。間違ったところで負荷をかけ
たら、間違った癖を強くしているのと同じになってしまいますから。
注意してほしいところたち
下向き腹筋やバレエ腹筋の様に動きが1つではなくなりますのでたくさん注意することが
あります。ゆっくり、確認しながら行ってね。
1)脚を持ち上げた瞬間にデリエールが外に外れないように!
これでは「バレエのテクニ
ック」を育てることはでき
ませんよね。
真っすぐに持ち上げる、デ
リエールのポジションを理
解する、ということと腹筋
を使う、という事。
これが両方一緒にできるよ
うにフロアから練習をする必要があります。特にアラベスクに上げたとき、脚が外に外れ
てしまう人はここでしっかりと気を付けて。
2)クロスしたときに骨盤がずれない!
ここでは腹筋をつな
いながら、キープし
ながら、脚をクロス
させる練習をしてい
ます。
ということは、骨盤
が動いてしまったら
脚をクロスさせてい
ることにはならず、
体をひねっているこ
とになるんです。
センターで体をまっすぐにキープするのが難しい人は特に気を付けて。たくさんクロスす
る必要はありませんが、動きをコントロールする必要はありますよね。
3)脚を上げたときにおなかが落ちない(背骨が縮まない!)
&肩はやっぱり影響されない!
骨盤を地面につけておけばいいんでしょー!っと思いっきり脚を持ち上げないでください。
小さなデリエールだって覚えておいてね。腰椎が縮んだり、恥骨が地面から持ちあがった
りしないように。
もちろん、脚を上げたとたん肩まであがっちゃったらダンサーらしくないですから、肩に
無駄な力が入っていないかも確認してください。
いったいいつになったら腹筋シリーズは終わるのだろうか・・・なんて声が聞こえてきそ
うな今日この頃。
もっともっとエクササイズとかあるのですが、あと1種類の腹筋エクササイズをお話して
ブログシリーズとしては終わりにしようと思います。
さてと。今日は腹筋とスタミナを見ていきます。
腹筋のスタミナ、ではなくて、腹筋とスタミナ。
まずはメールで頂いたプランク攻略本の感想からみていきましょうか。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
私は5月 1 日に愛さんのプランク(攻略本チャレンジ)を始めてひと月経ちました
*\(^o^)/*
まず 1 番驚いている事は踊っても全く疲れなくなった事です。
ローズをやっても 3 幕をやっても。以前よりふくらはぎの疲れがひどかったですが今はそ
んなに疲れません。息もアダジオならあがりません。
バリエーションもちょっとハァハァ。ぐらいです。
さすがにコーダまで終わると息が上がりますが(笑)
プランク、全くその場から動かないのに不思議ですね(>_<)
先月、アダジオで疲れてしまっていたフロリナの生徒は
先日、普通にすべて通してやっていました。
愛さんのポッドキャストを聞いて毎日プランクしていると言っていました。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
嬉しい!
というのと同時にこのコメントに大きなカギが含まれているので今日はそこを分析してい
きます。
「疲れづらくなった」というところと「プランク」ね。
下向き腹筋を空中で行うとプランクになりますよね。違うところは膝、または足先と肘、
または手のひらを使ってバランスを取っているか否か。
胴体の部分は同じようにキープされています。
つまり、下向き腹筋を難しくしようとしたら、プランクにいけばいいし、
普通プランクがとっても難しい人は、下向き腹筋の練習を加えていきたい、って事。
疲れづらくなった=プランクで体力作りができた!
ではないんですよ。
プランクで鍛えた体幹=ぶれない軸、楽に保てる胴体
=エネルギーを踊る事にフォーカスできる!
=疲れづらくなった!!
って事なの。
この記事でも書いたけれど、ダンサーのエクササイズの目的はただ、エクササイズをする
こと。ではないよね。
舞台で使える体作り。
これがゴール。
毎日、毎日。プリエ、タンジュ、ジュッテ…を繰り返す理由は、ここにもあります。
別に舞台でプリエだけ延々と続ける事ないでしょ?だけどプリエがステップとステップの
間に入ってきているよね。
ということは、正しくプリエを使う事でバレエで使う筋肉を鍛えるということ(この記事
参照!)他に、プリエという動きを体に入れておいて
「考えなくても、一番省エネで出来る!」から舞台で使えるの。
だからダンサーとして腹筋をするゴールも、



舞台でぶれない軸を作るってこと。
肋骨と骨盤をしっかりと結んでくれる安定感を作るってこと。
アラベスクでも内臓が落ちないで、しっかりとキープできる体を作る事。
体のセンターが強かったら、省エネで踊る事が出来る。
そのエネルギーを使って、安定した舞台を毎日踊り続けられるし、疲労からのケガを防ぐ
ことが出来る。
1幕と3幕で力の差が出来ない=観客の求めているものを送る事が出来る。
毎回アラベスクするために、よっこいしょ!ってポジションにリターンしていたら、格好
わるいでしょう?
そして音にも遅れてしまうし、踊りにシャープさ、ダイナミックさが出なくなる。
これでは舞台で使えないよね。
継続は力なり。これはどんなところでも言えるけれど、腹筋だけでみたら
(腹筋トレーニングを)継続(すること)は(舞台での)力なり。
これだけやればバレエ上達!というエクササイズはありません。魔法の杖があったら、み
んなダンサーになっています。
プランクだけやっていたら全てのテクニックが強くなる訳ではないけれど、スタート地点
としては必要な事。
これが出来たら次は手足を動かしても崩れない腹筋練習に行きたいの。
(DLS のプランク攻略本はこちらからチェック!)
ダンサーの道を生き残れる人。
それは地道に努力の出来る人なんだよ、って言う事で、
今日のブログを終わりにしましょう。
そろそろ終わりに近づいてきたダンサーの腹筋シリーズ、次回は腹筋を逃がさないで踊る
ためのエクササイズパート1です。
今日も腹筋シリーズです。
飽きた人はこのページに行くとほかのエリアの解剖学記事が見つけられます笑
今日は腹筋を「にがさない!」というのがテーマです。
今まで
解剖学的にみる腹筋とおなかの筋肉を勉強し、
腹筋を使って脚をあげる、という事が何なのか?を勉強しました。
そのあと、
ダンサーに必要なエクササイズ=舞台で使えるエクササイズ
という式に乗っ取って、いくつかの腹筋エクササイズをご紹介しました。
腹筋、そして体幹が強くなるメリットをこの前見たところでしたね。
今日のは応用編。
ポーデブラをするといきなりおなかが崩れる!!という人向けのエクササイズを、
次回はこれの難易度を挙げたものをご紹介します。これで腹筋シリーズはおしまい、とい
う事にします。
まずは基本姿勢の復習
チェックリストはこちらね。





股関節の前に力が入っていない?(A)
肩が上がったり、肋骨が浮いたりしていない?(B,C)
お腹は平ら?(C)
腰椎は落ちていない?(B)
つま先に無駄な力が入っていない?(写真下)
エクササイズ
基本の姿勢から何も変えずに腕を持ち上げます。それだけ!
いつも通り動きはシンプルね。
下の 3 つの写真で正しいものはどれでしょうか?
答え合わせ。
真ん中は絶対だめですね。肩が上がり、首に力が入っているのが見えます。
右と左は難しいところ。スカートをはいているのでわかりにくいですが、右はお腹を入れ
ようとして少しだけタックに入っています。
見える?
先生がたはこの小さな違いを見分けられる目が必要ですね。
特に立って、早く動いている状態を注意しなければいけないんですから。
生徒さんたち、わかりづらいでしょう?
これがレッスン中にレオタードだけ着る理由ですよ。
早く上手になりたければ、しっかり体が見える格好でレッスンに挑みましょう。
ここから腕を 2 番ポジションに持ってきたり(肋骨が地面から浮きやすいポーズ)5 番ポ
ジション(肩が上がりやすいポーズ)に挑戦したりしてみましょう。
足を怪我していて立って踊れない人は、このようにポーデブラの練習をすることができま
すからね。
次回の腹筋エクササイズ最終回は今までで一番難易度の高いエクササイズを見ていきまし
ょう。
それまでの間、今までエクササイズたちを毎日練習してくださいね。体にしっかり落とし
込むこと。それがダンサーのエクササイズだという事をお忘れなく。
追伸。
アリシア(そう、彼女があのアリシアなの!記事はこちら)
は膝の間にソフトボールを入れて内転筋を意識するようにしています。
これはオプション。
内転筋が弱い人、うちももの感覚がない人はおススメです。
ソフトボールをはじめ、私の好きなアイテムはこちら
ついに来ちゃいましたよ!腹筋シリーズの最終回っ!!
これでも書きたいことすべて終わっていないんですよ。
今日も含め、ここで挙げている腹筋たちは、腹筋群のみ。腸腰筋エクササイズなどはお話
ししていません。また、ケアの方法や、怪我しているときの応用など。
いろいろあるんだけれど、これだけ書いていたら DLS でなくって ALS(abdominal’s life
support)になっちゃうから。
ではエクササイズです。
基本姿勢を復習して、間違いやすい姿勢を確認
して。
つま先まで意識を向けて。
エクササイズ
前回のように腕を天井に向けて持ち上げたポーズから始めます。
片足ずつ持ち上げます。
腕を動かしながら、足を動かしながら。それでも逃げないお腹を作っている、っていうわ
けです。
肩や肋骨の注意は前回と同じなので飛ばしますね。
今回、難しくなってくるのは脚のアライメントです。上げている脚はいつでもパラレル
(平行)になっていなければいけませんよ。
足全体で床を押せず、膝が中に入ったり、
内転筋が緩んで膝が落ちてしまったたり
(これは軸足、動脚、そして両方の足に見えますから注意!)しないように気を付けてく
ださいね。
また、膝を持ち上げた時にお腹が出っ張らないように。
手とか足とかいろいろ動いていますが、結局は腹筋エクササイズなんですから。
下向き腹筋と同じようにお腹をしっかりと入れて、骨盤が動かないように気を付けましょ
う。
応用編として。
前回説明したポーデブラをしならが脚を動かす、とすると肋骨キープが大変になりますし、
コーディネーション力をつける練習にもなります。
上級者になったら



下向き腹筋のお腹をキープしつつ、
普通バレエ腹筋を使いつつ、
脚も動かせるようになりましょう。
バレエでいうと、



引上げをしながら、
カンブレデヴァンをして
脚を自由に動かす
ってことね。
ということで、これで腹筋シリーズが終わりです。どうでしたか?
机上の解剖学でなく、
エクササイズでできるだけでなく、
レッスンで使えて、
舞台で使える。
このステップの2つめ、エクササイズまで来ました。
今後は、この感覚をレッスンで使ってください。
そのためにはこれらの腹筋たちをレッスンの前に行うのがお勧めです。
New!腹筋について覚えておいてほしいこと
これで腹筋シリーズは終わりですが、バイバイする前にいくつか覚えておいてほしいこと
があります。
ここに載っている腹筋を行ったらプロになれるか?
そんなわけはありません。
ダンサーになるためにはレッスンをしなければいけません。逆にいうと、レッスンの時に
正しく腹筋を感じることができて、腹筋、コア、そして体幹を育てることが出来ればこの
ようなエクササイズたちは必要なくなるって事です。
ただ、レッスンの時はたくさん考えることがありますよね。振り付け、音の取り方、そし
て腹筋以外の注意とか。
だからこそ、自習の時間に腹筋を感じる、使う、キープする練習を続けてください。一番
最初に書いたように、腹筋を使う、という感覚を体に取り組まなければ舞台で使えるよう
になりません。
エクササイズで感じた腹筋を次はレッスンで探してください。
そうやって自分で応用していけば絶対に上達しますよ!
読んだだけでは腹筋は強くならない!
当たり前だけれど…腹筋について知ってしまうと、頭が満足してしまってできている気分
になってしまいます。
それでは困るよね。知っていることを実践してみると思ったよりも難しいケースがたくさ
んあります。
だけどね、自転車にのる練習の様に、何度も繰り返せば勝手にできるようになります。そ
こまで繰り返し、繰り返し、反復練習をしてください。
プロダンサーでもプリエから始めるのは、反復することに意味があるからですよね。
回数に意味はない
何回やったら OK!ということはありません。
その人によっては何度もやる必要があるかもしれません(3 幕主役を踊る体力を作ってい
ます!)
もしくは、数回やってみるだけでいいかもしれません(バーとセンターの合間で数回腹筋
をチェックしてみる)
何を目指しているのか?というのは人によって違います。もしかしたら毎日 10 回眠くても
絶対やる!と心に決めることで、自習の習慣を身につけるのが目的かもしれませんよね。
自分に必要なものは何か?常に自分と対話しながらエクササイズを続けてください。
自分の頭を信じない
すごく残念だけれど本当。
自分ではできているつもりだったのに、発表会のビデオをみたら酷かった…という経験あ
りません?
エクササイズもそう。自分の頭の真っすぐ、と本当の真っすぐは違うことがあります。最
近はスマートフォンを誰でも持っているでしょう?自分がエクササイズをしているところ
をビデオに撮ってみてみてください。自分を客観的に観察する、というのはダンサーにと
って大事な能力ですから、それも一緒に育ててしまいましょう。
この eBook が皆さんの役に立ちますように…
p.s.
もっとエクササイズ系 eBook が欲しい!という人は、DLS ストアに



プランク攻略本(腹筋シリーズと混ぜて行ったらすごく強い体幹ができますよ!)
強い足先を作るデミポイントシューズの作り方(足先のエクササイズやタンジュの
チェックリスト付き)
ダンサーのためのヨガブック(エクササイズでなくってストレッチ系が知りたい人)
などもあります。これからもダンサーをサポートする記事を作り続けるために応援してく
ださい。
この eBook そして、DLS サイトやセミナーの感想は [email protected] に送っ
て下さい。みんなの声を聞くと元気になれます。
頑張って作りました。無断転載はやめてね。
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