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ヨウ素系消毒剤の乳頭噴霧による牛乳頭腫症の蔓延防止効果

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ヨウ素系消毒剤の乳頭噴霧による牛乳頭腫症の蔓延防止効果
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Preventive effect of iodine spraying on teat papillomatosis
in a herd of Holstein heifers.
Tomoko OMORI, Hiroyuki MIYAMOTO, Shyouhei MATUURA, Takeshi KISHIMOTO,
Tadahiko IDE, Katsuyoshi NISHIJO and Hiroyuki TOUJO
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―42―
大森朋子・宮本博幸・松浦昌平・岸本剛ほか:ヨウ素系消毒剤の乳頭噴霧による牛乳頭腫症の蔓延防止効果
2007、Hatama ら 2011)したところ、BPV-1 と 6 であ
調査対象牛
った。
平成 21 年 10 月以降に導入し、平成 25 年 10 月まで
に分娩に至った 32 頭を調査対象とした。
処理方法
平成 21 年 10 月から噴霧処理開始前の平成 23 年6
牛乳頭腫症の新規導入育成牛への蔓延を防ぐため、
月までに導入した育成牛は 18 頭で“噴霧開始前導入
平成 23 年7月以降、腫瘤の有無を問わず育成舎内の全
群”とした。育成舎内で噴霧処理を受けていない期間
頭に対して消毒剤の噴霧を実施した。消毒剤には、搾
があり、その期間は、最短2ヵ月から最長 17 ヵ月と、
乳牛の乳頭を消毒する際に一般的に用いられている有
個体により異なる。
効ヨウ素 0.5%液のディッピング剤(セラテック,GEA
平成 23 年7月以降に導入した育成牛は 14 頭で“噴
オリオンファームテクノロジーズ株式会社,長野)を
霧開始後導入群“とした。育成舎内で飼養されたすべ
用いた。春から秋(4~10 月)は朝夕2回、冬(11~
ての期間で噴霧処理を受けた。
3月)は日中1回、乳頭全体をスプレーで毎日噴霧し
た。1頭1回あたりの噴霧量は約 15ml であった。な
調査方法
お、噴霧期間は育成舎で飼養されている期間のみとし
育成舎への導入時と分娩時に腫瘤形成程度を調査し
た。
た。乳頭に形成された腫瘤の大きさや数を、0から3
の4段階の臨床スコアに類別し評価した(表1、図1)。
表1 臨床スコアの評価表
臨床
スコア
罹患乳
頭数(本)
腫瘤の大きさ
腫瘤の形状
腫瘤の数
(個)
搾乳性
0
0
なし
なし
なし
問題なし
1
1~2
米粒大~小豆大
1~2
腫瘤からの出血
ライナースリップの発生
2
3~4
小指頭大~母指頭大 多数
ミルカー装着が困難
多数
ミルカー装着が不可能
こぶし大
3
4
鶏卵大
結節状・シダ状
単房性
結節状・シダ状
単房性
カリフラワー状
多房性
結節状
単房性
図1 乳頭部に発生した腫瘤の肉眼像
左:臨床スコア 1
中央:臨床スコア 2
―43―
右:臨床スコア 3
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