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33期中西類氏海外AF1での特集記事アップしました

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33期中西類氏海外AF1での特集記事アップしました
July 3rd week, 2007
力!
迫
い
な
け
NFLに負
AFL
U.S. FrontLine
ARENA FOOTBALL
アリーナフットボールに賭ける
シカゴ・ラッシュ 中西類選手に聞く
アリーナフットボールとの出会いは偶然
術を学ぶのに苦労しました。オフェンス・
らルームメイトが、日本のスーパーマーケ
だった。2002年、大学の卒業旅行で訪れ
レシーバーとして走るルートを細かく指示
ットを見つけて連れて行ってくれました。
たロサンゼルスでAFLの試合を観戦する。
されるのですが、フィールドが狭いから、
日本人を見かけると「こいつ日本から来て
パスのタイミングもコースも、アメフトよ
友達がいないから遊んでやってくれよ」と、
僕に代わってナンパまでしてくれた。
大学のフットボールチーム(中央大ラク
り正確さが要求される。壁やゴールネット
ーンズ)を引退したばかりで、次のキャリ
を使うのも初めて。日本と比べて、球際の
アをぼんやり考えている時でした。雑誌で
激しさ、当たりの強さが全然違いました。
を作って「ナカニシ」といつも唄ってくれま
読んだことはあったけど、実際に試合を見
アメリカ人も大学までは普通のフットボー
した。でも、その彼は最近解雇されてしま
たのは初めて。強烈な興奮とインパクトで
ルしかないですから、アジャストが必要と
った。厳しい世界です。仲間たちのおかげ
した。自分が知っていたフットボールと全
いう点では同じですが、彼らは小さい頃か
でハードなシーズンを乗り切ることができ
く違う。客席とフィールドが壁1枚で仕切
らフットボールに親しんで、細かい技術が
た。今では家族のような「絆」を感じます。
られているだけで、迫力がすごい。
「これ
体に染み込んでいる。
ロッカーが隣だった選手は、僕のラップ
外食ばかりだと体に悪いので、なるべく
だ!」と直感しました。アメリカでやりた
日本ではアメフトの競技人口もファンも
自炊するようにしています。日本では全く
い、と。自分とそれほど体格が変わらない
少ない。リーグ決勝戦ぐらいしか満員にな
料理をしたことがなく、最初は炊飯器に水
選手もいる。イケるんじゃないかと思いま
らないし、所詮アマチュアの会社員です。
を入れずにお米を炊いてしまいました。今
した。その時の心の欲求に従って、今に至
アメリカでは下部リーグとはいえ、プロと
は、インターネットでレシピ検索して充実
っています。
してお金をもらう。ファンも熱狂的で、シ
した食生活を送っています。ふと気づくと
ョッピングモールに行けば「コヨーテスの
献立を考えていることも。得意料理は、き
社会人リーグで経験を積み、機会を待つ。
選手だ」と声をかけられる。あー、ここは
んぴらごぼうとオムライス。僕が作るエビ
奇しくもAFLが海外に目を向け始めた時期
フットボールの国なんだなー、と。自信が
とレタスのフライドライスが、
チーム内で評
だった。05年、af2が初めて日本で実施し
ついたし、厳しい環境でやれる喜びと楽し
判でわざわざ食べに来る人もいます。これ
た入団テストに参加。セントラルバレー・
さを感じる毎日でした。
がアメリカに来て、一番成長したことかな
コヨーテス(カリフォルニア州フレズノ)
にドラフトされ、8試合出場。
最初は、アリーナフットボール独特の技
アリーナフットボール豆知識
日本人には馴染みが薄いアリーナフットボール。
元三和銀行ラークヒルズ選手で、現在、南カリフ
ォルニア大でMBA取得を目指しながらaf2チ
ームでインターン中の赤倉吉典さんに教えても
らった。
基本テクニックや防具、得点方法はアメフ
トと同じだが、8人対8人で行う。アイスホッ
ケー用室内競技場に人工芝を敷いて使用。フィ
ールドはアメフトの4分の1、ゴールポストの
幅は半分。ゴール両側に高さ32フィートのネ
ットがあり、跳ね返ったボールはインプレーと
みなされる。
AFLのシーズンは、NFLと競合しない3月
∼8月。NFLと比べて、フォーメーションが分
かりやすく、華やかなパスプレーが多い。オフ
ェンス優位のため両チーム合計100点以上の
試合も。フィールドと客席が近く、臨場感があ
る。チケットが安く、ファンがスタンドに入っ
たボールをもらえるのも嬉しい。
AFLから這い上がり、NFLのスーパーボウ
ルMVPに輝いたカート・ワーナーは有名。ジ
ョン・エルウェイやジョン・ボン・ジョビもチ
ームを所有する。
Photo by Masayuki Fujihashi
アメフトより狭いフィールドで、ゴール両側にネットがある
(AFL提供)
フットボール大国アメリカで、NFLに負けない迫力を誇るのが、アリーナフットボールだ。フィー
ルドはアメフトの4分の1、8人制のいわば「ミニNFL」
。1987年にプロリーグAFLがスタート
し、現在、下部リーグaf2を含めて全米に49チームある。ここ数年、日本からAFLに挑戦する選
手が増えている。彼らを駆り立てるアリーナフットボールの魅力とは? 今シーズン、AFL唯一
るい
の日本人練習生としてシカゴ・ラッシュで夢を追う、中西類選手に話を聞いた。
(文/佐藤美玲)
(笑)
。
中西類●東京都出身、27歳。身長173センチ、
体重76キロ。社会人オービック・シーガルズ
(旧リクルート)所属。リーグ優勝とライスボ
ウル日本一を経験。05年にaf2デビュー。今
季はAFLシカゴ・ラッシュと外国人練習生契
約。リーグ唯一の日本人選手として注目を集
める。ポジションはWR/DB。
取って、とっさに受けた指示も遂行しなけ
ればいけない。まだまだ精進が必要です。
成績が認められ翌年も契約をオファーさ
AFLで生き残る選手は、運動神経が良い
れたが、9・11以降、マイナースポーツで
02年以降、アリーナフットボールに挑戦
だけではなく、賢いベテランが多い。戦術
のビザ申請が厳しくなり、渡米を断念。ダ
した日本人は延べ45人。大半が練習生か下
理解力と経験を積んで、AFL二人目の日本
メもとで、とAFLに直接売り込んだ。
部リーグだ。AFLでは、昨年NYドラゴン
人として、来年こそ試合に出て結果を出し
ズで高橋睦巳選手が初めてベンチ入り、1
たい。頑張ります。
試合中のプレーや練習シーンをDVDに編
試合プレーしただけ。
集して、片っ端から球団に送りました。運
良くシカゴ・ラッシュが興味を持ってくれ
a f 2 と比べると、AFL
て、シーズンは始まっていましたが3月末
は選手のサイズもパワーも
に合流しました。
上。僕は、速さと俊敏さに
ラッシュは、昨シーズンの優勝チーム。
は自信があるけれど、フィ
優秀なヘッドコーチと、マット・ドラジオ
ジカルは10点満点で5点
やボディ・シッピオといったスター選手が
ぐらい。でも、一番大切な
います。チームは、スタッフも含めて30人
のは、英語を含めた「フッ
ぐらい。外国人練習生は僕だけですが、練
トボールを理解する力」だ
習もミーティングもレギュラー陣と一緒で
と思います。
す。練習が終わると、同じポジションの選
英語は、日常生活には
手と一緒にジムで汗を流します。チームメ
困りませんが、苦労してい
イトは皆いい奴らで、本当に仲間に恵まれ
ます。フットボールは綿密
ています。
な作戦を立てて、コーチの
来たばかりの頃は右も左も分からず、車
指導の下に実行するスポー
も携帯もインターネットもなくて、日本人
ツ。プレー中も絶えず選手
一人という孤独感もありました。そうした
間でコミュニケーションを
チームメイトでルームメイトのニック・マイヤー選手と
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