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アデムウォール(垂直壁タイプ)
ジオテキスタイル補強土壁工法 アデムウォール(垂直壁タイプ) kk-020061-V 壁面勾配を垂直に構築する アデムウォール工法の王道タイプです。 わが国は土地利用の制限が多い市街地、環境の保全が必要とされる用地など、道路の建設条件の厳しい箇所が数多く見ら れます。そのような箇所では垂直壁が必要とされます。アデムウォール工法はそれらのさまざまなニーズに対応します。 擁 壁 アデム 水平排水材 L=11.9m 16046 L=10.2m L=8.2m 施主:中部地方整備局浜松河川国道事務所 工事名:三遠南信道四方浄道路建設工事 概算壁面積:1147㎡ Making Process わかりやすく、明快な施行プロセスで的確に現場をサポート 60 ❶ ❷ ❸ ❹ 掘削・整地・基礎工 コンクリートパネルの設置 グリッドベルトの設置 鋼製枠の設置・組立 擁壁 補強土壁工法 Wall 角度調整の例 施主:羽曳野市役所 工事名:グレープヒル青年野外活動施設 概算壁面積:210㎡ 横断構造物との取合い例 施主:水資源機構大山ダム建設事務所 工事名:県道付替16工区1号 概算壁面積:380㎡ 排水設備の設置例 施主:石川県中能登農林総合事務所 工事名:平成17年発生林道災害災害復旧事業城石線災害復 旧工事 概算壁面積:158㎡ ❺ ❻ ❼ ❽ アデムの敷設 盛土材料のまき出し・締固め 排水層に砕石の投入 完成 擁 壁 ボックスカルバートとの取合い例 施主:長岡地域振興局 工事名:一級河川刈谷田川筋助成事業付替道路本線改良工事 長岡市中之島 概算壁面積:600㎡ 61 アデムウォール(斜壁タイプ) 壁面勾配を1分から5分まで調整できます。 斜壁タイプは壁面勾配を1:0.1∼1:0.5としたタイプです。 ブロック積み擁壁などの既存の構造物にすり付けることが可能です。 また、勾配をもたせることにより、圧迫感が低減され景観に配慮した構造物となります。 擁 壁 1:0.3 .6 1:0 L=10.4m 1600 アデム 1 1500 :1. 8 L=8.0m 1:0.3 L=7.0m 施主:西日本高速道路株式会社 工事名:高規格道路 概算壁面積:650㎡ Making Process わかりやすく、明快な施行プロセスで的確に現場をサポート 62 ❶ ❷ ❸ ❹ 掘削・整地・基礎工 斜壁専用パネルの設置 グリッドベルト・標準パネルの設置 鋼製枠の設置 15354 水平排水材 擁壁 補強土壁工法 アデム 水平排水材 Wall アデム 水平排水材 L=4.6m L=6.0m L=5.5m L=4.6m L=4.3m L=3.9m L=3.5m L=4.3m L=3.9m L=3.5m 3800 7785 L=5.5m .5 1:0 1:0.1 L=6.0m 9390 L=7.7m 3800 施主:東日本高速道路株式会社 工事名:関越自動車道災害復旧工事 概算壁面積:789㎡ アデム 水平排水材 81 1:0 00 .5 7600 2600 擁 壁 2 1. 1: L=3.8m 施主:国土交通省北九州国道事務所 工事名:福岡201号多田地区改良工事 概算壁面積:460㎡ ❺ ❻ ❼ ❽ アデムの敷設 盛土材料のまき出し・締固め 排水層に砕石の投入 完成 63 アデムウォール(壁面あと施工タイプ) 軟弱地盤上に盛土構造物を建築する場合に有効です。 コンクリート壁面タイプの補強土壁工法で軟弱地盤上に構築できるのは、アデムウォール工法(壁面あと施工タイプ)だけ です。アデムで構築された盛土(内壁)とコンクリート壁面(外壁)が分離されているため、内壁を構築し軟弱地盤の圧密沈 下終了後に外壁を構築することができます。 擁 壁 1:0.3 7900 アデム 水平排水材 L=8.5m 施主:東日本高速道路株式会社 工事名:高速道路工事 概算壁面積:350㎡ Making Process わかりやすく、明快な施行プロセスで的確に現場をサポート 64 ❶ ❷ ❸ ❹ 鋼製枠の設置・アデムの敷設 盛土材料のまき出し・締固め グリッドベルトの設置 基礎工 擁壁 Wall 補強土壁工法 あと施工タイプの特長を活かし、補強盛土体を構築後、その上 部をクレーン足場として使用し壁面材を設置することも可能で す。この場合、片側交互通行は確保でき、重機足場や資材置場 などの施工ヤードも確保することができるため、他工法に比べ 施工性や経済性に優れています。 擁 壁 施工ヤード幅 6.0m 程度 片側通行幅 3.5m 程度 ネットフェンス アデム 重力式擁壁 施主:静岡市役所 工事名:平成19年度(−)奈良間手越線(小瀬戸工区) 道路改良工事 概算壁面積:460㎡ ❺ ❻ ❼ ❽ コンクリートパネルの設置 あと施工タイプ用グリッドベルトの設置 砕石の裏込め 完成 65 アデムウォール アデムで補強された「補強盛土体」と「壁面材」の間に 「排水層」を設けた二重壁構造。 アデムで補強された「補強盛土体」と「壁面材」の間に空間を設けて施工を行う二重壁構造です。 盛土施工時に、壁面材に補強盛土体の土圧が作用しない構造となっています。重機による壁面近傍の転圧が可能となり、 十分な締め固め度を得ることができます。その結果、盛土材料の強度を有効に発揮させることが可能となり、供用後にお ける壁面の変形が抑制できます。 擁 壁 重機による壁面近傍転圧状況 正面図 アデムウォール工法の構造 1 2 [締固め前] [締固め後] ❶コンクリートパネル(壁面材) アデムウォールの『顔』となる大型コンクリートパネル。自立しやすい形状が 施工性を高め、壁面の調整が可能となります。また、凹凸のある表面が美しい 外観を形成します。 ❷鋼製枠 壁面材と盛土を分離させることで、盛土への十分な転圧が可能となり、壁面に 影響を与えることのない二重壁構造を構築することができます。 3 6 4 ❸グリッドベルト グリッドベルトにより、内壁を補強し、壁面材と盛土を一体化しています。壁 面材に多数のグリッドベルトを設置するため、壁面材と連結部に作用する荷重 が分散され、より安定性が向上します。 5 ❹内壁シート 鋼製枠の隙間から盛土材料が排水層へ吸い出されないように鋼製枠の内側に設 置します。また、 壁面付近の土を拘束し、 盛土の安定に重要な役割を果たします。 ❺盛土材料 面状の補強材であるアデムと水平排水材を使用することにより、適用できる盛 土材料の土質範囲が広がります。 ❻排水層 盛土施工時の空間から壁面材に補強盛土体の土圧が伝わらないようにする役目 を果たします。 5m 程度盛土される毎に壁面高さの半分程度まで砕石を投入し ます。砕石投入後は、排水層として機能します。 土質適用表 分類 粗粒土 細粒土 66 小分類 適用可否 備考 礫質土 砂質土 シルト(WL<50% ) 粘性土(WL<50% ) 有機質土 火山灰質粘性土 ⃝ ⃝ ⃝ ⃝ × △ 適用可能。岩ずりの適用も可。ただし、転圧可能な粒径であること。シルト分を含む土質につい ては含水状態により性状が異なる可能性があるため、水平排水材を使用することが望ましい。 条件付で適用可能。盛土内に水平排水材を必ず敷設することとし、更に盛土材の性状によっては 土質改良などによる対策を行う。 有機質土は原則不可。 擁壁 補強土壁工法 Wall コンクリートパネルは薄型、軽量。 π型の形状が安定性にすぐれています。 アデムウォールの「顔」となるべきコンクリートパネルの表面には美 しい外観を形成するべく、凹凸のある化粧が施されています。また、 裏面は現場での施工性を高めるために安定性のあるπ型を採用。施工 現場の起状や形状にあわせて、各タイプを組み合わせます。 表面(AP-900AR ) 角度調整パネル 裏面(AP-900AR ) (AP-900CR-R,-L ) 寸法図 擁 壁 ■コンクリートパネルのタイプ 高さ 幅 パネルタイプ (㎜) (㎜) AR 900 1250 WH 900 625 標準 VH 450 1250 SQ 450 625 CR 900 530 角度調整 CH 450 530 LR 900 250∼450 延長調整 LH 450 250∼450 斜壁専用 ZR ZH 厚さ (㎜) 75 75 75 75 80 80 80 80 448 1250 75 448 625 75 参考重量 (㎏) 350 175 175 88 305 153 155∼226 78∼113 ※1 164、 ※2 157 ※1 82、※279 :壁面勾配1:0.3 :壁面勾配1:0.5 ※1 ※2 67 アデムウォール 二重壁構造が迅速で経済的な補修を可能にします。 設計時の条件を大幅に上回るような荷重など(地震、豪雨)が作用した場合の変形については、二重壁の構造特性より、壁 面材だけの補修(撤去、再設置)で対応することができます。盛土本体の再施工が不要となり、工期および経済性に優れます。 ここでは、平成20年に発生した岩手・宮城内陸地震により被災し、壁面が全面に170㎜変異したアデムウォールをコンク リートパネルの交換のみで補修した事例をしめします。 補修 補修手順[撤去] 擁 壁 1 2 被災後の状況 笠石コンクリート取り壊し 補修手順[再設置] 6 グリッドベルトの切断 補修手順[撤去] 5 壁面材の取り付け 3 壁面材の撤去完了 4 壁面材の取りはずし 補修手順[再設置] 7 8 壁面材とグリッドベルトの連結 砕石の投入 9 補修完了 砕石コンクリートを取り壊す(写真❷) 排水槽内の砕石を所定の高さまで取りのぞく グリッドベルトを切断する(写真❸) 損傷を受けた壁面材を取り外す(写真❹❺) 壁面材を取り付け、裏込め土内に残るグリッドベルトと壁面材を連結する(写真❻❼) 所定の高さまで壁面材を取り付け、排水槽内に砕石を投入する(写真❽❾) 68 擁壁 補強土壁工法 Wall 確実な締固めと排水対策を行うことが、 確かな安全性の確保に繋がります。 補強盛土内への水の侵入は、盛土材料の強度低下を生じさせます。 安全なアデムウォールを構築するためには、十分な排水対策が必要不可欠です。排水計画は、アデムウォールの構築箇所 だけではなく、周辺の地形や計画箇所全体を考慮して排水対策を実施してください。 注意 ■排水対策例の断面図 擁 壁 全体の排水計画 周辺の地形や道路計画を考慮し、計画箇所全体の排水対策を行なってください。 盛土内排水 盛土材料に生じる過剰間隙水圧を速やかに消散させてください。 切盛境排水、縦断方向排水 補強領域内に地山からの湧水などが挿入しないようにしてください。 横断方向排水 切盛境排水や、縦断方向排水で集めた水は、横断方向排水工により排水してください。 施工時の排水 施工中に降雨が予想される場合は、土中への侵入が最小限となるような処理を実施してください。 仮設の排水経路を設けた場合は、適切な箇所に排水してください。 締固め 壁面付近は振動コンパクターやタンパーで入念に、それ以外はタイヤローラ(8∼20t )や振動ローラ(8∼10t )で仕上 がり厚さ30cm 以内で規定の密度が確保できるように締固めして下さい。 ■展開図 ■平面図 ■排水施工例 69 アデムウォール アデムウォール工法歩掛り表 アデムウォール工法は、使用する壁面材が薄型で軽量かつ、自立する壁面材を使用しているため、壁面材の設置が容易に できます。また、補強盛土体の締固め作業は、排水層を設けた二重壁構造の特長より、壁面近傍の締固め作業が十分かつ、 容易に施工することができます。アデムウォール工法の歩掛りは、このような特長を考慮した内容となっています。 アデムウォール工法の前掛りは、社団法人日本建設機械化協会施工技術総合研究所が実施した「アデムウォール工法歩掛り 調査業務」の確認のもとに決定されています。また、アデムウォール工法の前掛りは、国土交通省土木工事積算基準の暫定 歩掛りとなっています(NETIS 参照)。 ■ジオテキスタイル敷設工 名称 土木一般世話役 普通作業員 ジオテキスタイル 諸雑費 計 (敷設面積100㎡当り) 規格 単位 人 人 ㎡ 式 数量 0.13 0.64 100 1 摘要 ※ジオテキスタイル敷設工には、ジオテキスタイルの切断、固定ピンによる固定および長さ方向のつなぎを含む 擁 壁 ■壁面材組立、設置工 名称 土木一般世話役 特殊作業員 普通作業員 トラッククレーン運転 諸雑費 計 (壁100㎡当り) 規格 4.8∼4.9t 吊り 単位 人 人 人 日 式 数量 1.15 1.39 5.73 1.28 1 摘要 労務費および機械経費の合計額の約4% ※壁面材組立、設置工には、鋼製枠、壁面固定ベルトおよび吸出し防止材(たて目地)の設置を含む ※諸雑費は、カップラー、ワイヤー、シャックルおよび高さ調整プレートの費用を含む ■敷均し・締固め工 A 名称 土木一般世話役 特殊作業員 普通作業員 ブルドーザ運転 タイヤローラ運転 諸雑費 計 (100㎡当り) 規格 排出ガス対策型 普通15t 排出ガス対策型 8∼20t 単位 人 人 人 日 日 式 数量 0.06 0.15 0.30 0.36 0.17 1 摘要 労務費および機械運転経費の合計額の約3% ※人工および機械数量:国土交通省土木工事積算基準に準拠 ※敷均しの工種は路床、作業条件は障害ありとする ※締固め度の期待値は路床並とする ■敷均し・締固め工 B 名称 土木一般世話役 特殊作業員 普通作業員 ブルドーザ運転 振動ローラ運転 諸雑費 (100㎡当り) 規格 排出ガス対策型 普通3t 排出ガス対策型 搭乗式・コンバインド型 3∼4t 単位 人 人 人 日 数量 0.06 0.15 0.30 0.77 日 1.00 式 1 摘要 労務費および機械運転経費の合計額の約3% 計 ※人工および機械数量:国土交通省土木工事積算基準に準拠 ※締固め度の期待値は路床並とする ■敷均し・締固め工 A・B 断面図 ※ L は鋼製枠全面からの距離とする。 ※鋼製枠全面から1m の範囲は、敷均し締固め工 B とする。 ※敷設長が4m より短い場合は、 1m 以遠も敷均し締固め工 B とする。 ※敷設長が4m 以上の場合は、 1m 以遠は敷均し締固め工 A とする。 70 盛土・地盤補強用ジオグリッド アデム kk-980079-V 建設技術審査証明書取得 HG タイプ第0804号/ F タイプ第0119号 小さな伸びで大きな支え。 安全と安心を確保し、維持するための技術。 アデム HG タイプ、 F タイプはアラミド繊維(テクノーラ ドで盛土補強、地盤補強等に最大の威力を発揮します。 )より生まれた高強力、 低伸度、 低クリープひずみのジオグリッ 特長 ●高強力・低伸度特性により土を拘束し、安全な盛土を築造することができます。 ●アデム による急勾配盛土は緑化されたのり面をつくることができます。 ●軟弱地盤上盛土等の不等沈下を防止し安全性を高めます。 ●土との摩擦特性に優れています。 ●耐衝撃性に優れています。 ●耐候性、耐薬品性、耐寒・耐熱性に優れています。 擁 壁 規格/品番 タイプ HG F 品番 HG-36 HG-50 HG-60 HG-80 HG-100 HG-120 HG-150 HG-200 F-80 F-100 F-150 F-200 目合い ㎜ 100×28 100×28 100×28 100×28 50×28 50×28 50×28 50×28 18×16 18×16 18×16 18×16 幅 m 長さ m 品質管理郷度 kN/m 伸び率 % 製品基準強度 kN/m 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 2.0 2.0 2.0 2.0 30 30 30 30 30 30 30 30 50 50 50 50 36 50 60 80 100 120 150 200 80×80 100×100 150×100 200×100 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 4.5 6.0×15.0 6.0×15.0 6.0×15.0 6.0×15.0 34 47 57 76 93 112 139 185 75 90 145 180 クリープを考慮し た限界引張強さ kN/m 22 30 37 49 60 72 90 120 44 54 87 110 ※目合いは、いずれも「たて×よこ」を示す。品質管理強度、伸び率は、HG タイプは「たて」、F タイプは「たて×よこ」を示す。 2タイプから用途に合わせて選べます。 HG タイプ アデム HG タイプはポリエチレンネットにアラ ミド繊維(テクノーラ )を挿入したジオグリッ ドです。 ●急勾配盛土の補強 ●積みブロック背面盛土の補強 HG-36∼80 ●緩斜面高盛土の補強 HG-100∼200 F タイプ アデム F タイプはポリエステル繊維とにアラミド繊維(テクノーラ ) を交織させたグリッド状の織物を特殊樹脂コーティングしたジオグリッ ドです。 ●急勾配盛土の補強 ●積みブロック背面盛土の補強 F-80∼200 ●緩斜面高盛土の補強 71