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カリフォルニアエネルギー政策について 概要
Sector Strategy 2012 年度報告書 第1弾 1. 報告書 1.1.2012-2013 代替/再生可能燃料および車両技術プログラム投資計画 カリフォルニアエネルギー委員会による報告書。化石燃料使用の減少、温室効果 ガス排出の減少、代替燃料の利用増加やバイオエネルギーの発展などを目指す投資 計画。関係者や諮問委員会などから意見を募り、どのような投資を行っていくかに 言及している。 1.2.EPRI による福島第一原発に関する報告書 EPRI は 2011 年 3 月に起こった福島第一原発での事故の原因について調査。外部か らの水の流入に対する防衛策が不十分だったため、結果的に核リアクターの冷却シ ステムが動かなくなった原因だとしている。今回の津波は建設計画の段階で想定さ れていた津波の高さよりも遙かに高かったとのこと。 1.3.EPRI による米国の発電施設が立地可能な土地についての報告書 EPRI は全米で原子力、石炭、ソーラーなどによる発電を行える場所についての報 告書を発表。先進的石炭発電により 158GW、CSP で合計 78GW、大規模原子力発電で 515GW、小規模原子力発電で 201GW などの可能性を指摘した。 1.4.EPRI による蓄電技術に関する報告書 蓄電技術導入の現状と今後の技術導入がもたらすであろう利益、蓄電システムの ライフサイクルコストなどについて言及。発電、送電、配電から電力顧客までの電 力システム全体での様々な蓄電技術の利用方法について議論する。 1.5.California State Senate Office of Oversight and Outcomes による再生可能エネルギ ーに関する報告書 California State Senate Office of Oversight and Outcomes (CSOOO)はクリーンエネルギ -の将来とそれが生み出す雇用に注目し、州が「グリーン銀行」を設立し、雇用を 生み出すクリーンテック起業に融資を行うべきだと提言している。 2. カリフォルニア州政策情報 2.1.Molycorp 社 モハベ砂漠の採掘場を再開 Molycorp 社は 10 年ほどの休止していたモハベ砂漠の採掘場での採掘を再開。携帯 電話やミサイルなどに使われる 15 種のレアアースの採掘を行う。 2.2.カリフォルニア公益事業委員会 蓄電関連 2010 年にシュワルツェネッガー前州知事によって署名された AB2514 ではカリフォ ルニア公益事業委員会 (CPUC) に株式上場電力会社が経済効率よく蓄電設備を導入す るための適切な目標を定めることを課している。CPUC は 2010 年 12 月から議事を開 始、2011 年 12 月に職員による提案書を発表。現在は電力会社によるパイロットプロ ジェクトなども計画が進んでいる。 2.3.カリフォルニア公益事業委員会 RPS 改訂 2012 年 4 月、CPUC は電力会社が州の RPS 目標を達成するために再生可能エネルギ ー電源を確保する方法に大きく影響を与える提案を発表。これは、今後再生可能エ ネルギー発電プロジェクトの優先順位を発電所から送電設備への距離を基準に優劣 をつけるというもの。より送電設備へ近い発電プロジェクトが優先されることにな る。最終決定はまだ行われていない。 2.4.スマートメーターオプトアウトによる電力料金の高騰 電力会社南カリフォルニアエジソンが電力供給を行っている地域では、2012 年末 までに 500 万台のスマートメーターを設置予定でいるが、2008 年から CPUC には 946 件の苦情が寄せられている。スマートメーターの導入により、健康への被害やプラ イバシーの侵害などへの懸念が高まっているのと同時に、導入後電力料金が 2 倍に 跳ね上がった例などもある。CPUC はオプトアウトを可能にするという採択をしたが、 旧式のメーターを希望する住宅用顧客は最初に 75 ドル、その後毎月 10 ドルの電気 料金負担を強いられることになる。 2.5.カリフォルニア州低炭素燃料基準 合衆国控訴裁判所はカリフォルニア州の低炭素燃料基準が憲法に反すると判断。 CARB が今後摘要書を提出し、6 月 25 日までに裁判所が返答を行う予定。 2.6.ゼロエミッション車両に関する行政命令 カリフォルニア州は NRG 社に対し和解案として、NRG 社が最低 200 の電気自動車 用公共高速充電器と 1000 カ所以上に合計 1 万台の充電設備を設置するために合計 1 億 2000 万ドルを投資するよう提示。この訴訟はカリフォルニアエネルギー危機を発 端としている。 2.7.カリフォルニア州のネットメータリング CPUC はこれまで明確に定義されていなかった電力各社のネットメータリングを受 け入れる上限の計算方法を再確認するべく提案書を提出。規定では「ピーク需要の 統計の 5%」となっていたため、電力会社各社はシステム全体のピーク需要の 5%を ネットメータリングの最低ラインとして設定していたが、この解釈を「個別顧客それ ぞれのピーク需要の合計」と定義し直す。これによりネットメータリングの上限は大幅 に上がることになる。 3. 米国西部関連 3.1.ネバダ州で全米初の国有地での太陽発電プロジェクト 米内務省は全米で初めての国有地でのソーラー発電プロジェクトを認可。ネバダ 州で 600 エーカーの土地を提供する。 3.2.2011 年 9 月の南カリフォルニア/アリゾナなどでの大規模停電に関する報告書 2011 年 9 月に合計 270 万人の顧客に影響を及ぼした停電について、FERC と NERC は計画が不十分であったこと、システムの可観測性が乏しかったこと、システム運 営の条件の認識が甘かったことなどを原因として挙げた。 3.3.景気低迷による RPS 制度への影響 各州での RPS 制度の導入により、再生可能エネルギーの導入量は着実に増えてお り、NREL の試算によると 2015 年には全米で合計 1 億 5000 万 MWh の再生可能エネ ルギーによる電力が見こまれる。しかし、景気の低迷により、各州が RPS 目標を下 げたり、再生可能エネルギーとしてみとめる電源の幅を広げるなど再生可能エネル ギーの導入スピードが下降し始めている。 3.4.Consumer Energy Alliance (CEA) が米国北東部のクリーン燃料標準に異議申し立て CEA は現状のクリーン燃料標準が憲法に反しているとの意見書を、クリーン燃料標 準を協議している州の司法長官宛てに送付。 3.5.オレゴン州 石炭輸出政策の見直し オレゴン州知事は米内務省などに対し、石炭の輸出に関する認可がこれ以上進ま ないうちに、輸出への連邦政策と輸出が進んだ場合の環境への影響に関する報告書 をまとめるよう申請した。 3.6.ユタ州における原子力発電所建設による近隣地域の水源への影響 Blue Castle Holdings はユタ州で 160 億ドル規模の原子力発電所を計画しているが、 近隣地域からの水源への影響への懸念によって、反対を受けている。計画地を流れ るグリーン側は縮小が懸念されているコロラド川の支流で、周辺地域の農業などに 100 年以上の間利用されてきた。この発電所の建設が確定すれば、グリーン側の水源 は発電所の冷却システムなどに大量に利用されることになる。 4. 連邦政策情報 4.1.2011 年 12 月バイオディーゼルの生産が 1 億 900 万ガロンを記録 米国エネルギー情報局 (EIA) によると、2011 年 12 月の時点で米国でのバイオディ ーゼルの生産が 1 億 900 万ガロンを記録。113 の精製所からの合計。EIA の分析によ ると、バイオディーゼルの生産量は混入業者に対する免税プログラムに大きく影響 を受けている。 4.2.連邦クリーンエネルギー標準 連邦クリーンエネルギー標準 (CES) についての議論が進んでいる。風力や太陽発電 などの再生可能エネルギーに加え、温室効果ガス排出の低いバイオマス、天然ガス、 水力、原子力、クリーンコールなども加えられる見通し。この連邦標準は既に設定 されている各州の RPS などに代わるものではない。 5. 今後の会議、ワークショップ Sector Strategy 2012 年度報告書 第2弾 1. 報告書 1.1. NREL による再生可能エネルギーの将来に関する報告書 NREL は 6 月に、米国は必要な電力量の 80%を 2050 年までには商業化された クリーンエネルギー、再生可能エネルギー技術を使ってでまかなうことが可能で あるとの予測を発表。より柔軟な電力システム、新しい送電網、蓄電設備などが 必要であるが、温室効果ガス排出を減らし、水資源の利用を削減しつつ、クリー ンエネルギーを使って需要の大部分を供給できるとした。 1.2. Pike Research による 2012 年第 2 四半期住宅用エネルギーマネジメント市場に関 する報告書 Pike Research は HEM システムの出荷は 2011 年現在の年間 25 万ドルから 2020 年には 470 万ドルまで伸びると予測している。現在のメイン市場は EU で、2020 年には市場の半分が北米になると予想。また、HEM 産業全体は 2011 年の 1 億ド ルから、世界中で 20 億ドル以上まで拡大するだろうとしている。この動きの障 壁となり得るものとして、システムを使うことによる効果が小さいため一部の消 費者以外からの賛同を得にくいこと、初期投資額が比較的大きいこと、技術標準 がまだ統一されていないことなどを挙げている。 1.3. Pike Research によるスマートグリッド動向に関する報告書 Pike Research はスマートグリッド市場の動向に関するレポートの中で、マイク ログリッド市場が拡大してきていることを挙げている。2017 年には 173 億ドル 規模になると予測、全米で計画されているマイクログリッドプロジェクトの大き さは 2011 年 (1,026MW) と 2012 年 (1,550MW) を比べると 50%の伸びを記録して いることについて言及している。 2. カリフォルニア州政策情報 2.1. CARB 嫌気性有機物処理によるメタンガス生成に向けて低炭素燃料標準の提案 CARB 職員は低炭素燃料標準(LCFS: Low Carbon Fuel Standard)の一部として嫌 気性処理プロセスを利用し、有機廃棄物からメタンガスを生成する方法 (HSAD: High Solids Anaerobic Digestion) を提案。多ステージの一定量のリサイクルできな い紙や使用済み油などにも対応できる食品や木材などの mesophilic destruction をもとにする。この処理施設を廃棄物埋め立て地の近隣に設置することで、輸送 のコストなどを最小限に抑えることにも言及した。 2.2. CARB 2012-2050 年の Clean Air へのビジョン 2012 年 6 月、CARB は South Coast Air Quality Management District と San Joaquin Valley Air Pollution Control District と協力して、2012 年から 2050 年の Clean Air へ のビジョンに関する報告書の草案を公開。カリフォルニア州で大気スモッグの減 少に成功したのは新しい燃料や技術が開発されたことが大きいとし、2050 年ま でに目標を達成するにはゼロエミッション技術のさらなる発展が重要だとした。 2.3.カリフォルニアエネルギー委員会 ビルの新しい省エネ標準を認可 5 月 31 日にカリフォルニアエネルギー委員会はエネルギー費用を抑え、消費 者の負担を軽くし、且つ快適性を向上させる新しい住宅やビルの省エネ基準を承 認した。この 2013 建物省エネ標準は 2014 年から実施され、以前の基準と比べ ると住宅用建物では 25%、非住宅用建物では 30%省エネ率が向上するとのこと。 2.4.ネットメータリング CPUC はネットメータリングがこの制度を利用していない電力需要家にどの程 度コストの影響を与えているかの報告書を発表。386MW の屋根上ソーラーが導 入された状態で、それによるネットメータリングに参加していない消費者への負 担は毎年 2000 万ドルと試算された。現在は 1,200MW 分のソーラーが設置され ているため、コストもその 3 倍となっているとの予測。1kWh 当たり 0.12 ドルの 追加負担となっている。 3. 米国西部関連 3.1.ブラトルグループ 太陽発電がテキサス州で電力卸売価格を下落させるとの報告 ブラトルグループのアナリストは 2011 年の夏のテキサス電力市場のデータを 分析し、発電源に太陽光発電が加わっていたらどのような変化があったかの分析 を行った。試算によると、テキサスの需要家は 1MWh 当たり 155 ドルから 281 ドルを削減できたとし、化石燃料による発電を利用しないことで燃料費やメンテ ナンス費用が節約されることを考えるとさらに 1MWh 当たり 52 ドルの節約にな ったはずだとした。テキサスの電力網全体で 5 億 2000 万ドル相当の経済効果が 得られるとのこと。 3.2.Western Governors’ Association と National Oceanic and Atmospheric Administration が四半期毎の気候の影響と見通しに関する報告書を発表 報告書では米国西部の気温、降水量、気候全体の見通しについて言及されて おり、2012 年の夏は北西部では降水量が例年より少なく、南西部では例年より 気温が高くなるであろうとのこと。 4. 会議、ワークショップ情報 Sector Strategy 2012 年度報告書 第3弾 1. 報告書 1.1. ネットメータリングと系統連系 Freeing the Grid 2.0 という米国の各州を再生可能エネルギー関連政策や導 入状況でランキングをつけているガイドの第 6 版が発表された。焦点はル ーフトップ太陽発電、ネットメータリングと系統連系である。ネットメー タリングと系統連系の政策両方でランク A がついたのはデラウェア、マサ チューセッツ、ユタの 3 州。カリフォルニア、コロラド、コネチカットな ども総合成績で上位、一方低いランク付けとなったのはアラバマ、ジョー ジア、ハワイなど。 1.2. 米国スマートグリッド: 電力会社の電気自動車タリフ 米国 6 州(カリフォルニア、ジョージア、ミシガン、ネバダ、オレゴン、 テキサス)にある 10 の電力会社の電気自動車タリフのベンチマークについ て言及。従来のガソリン車よりも電気自動車のリチャージの方が低コスト であるとの結果であった。 1.3. 気候の変化と海岸地域 これまで様々な研究で地球の温暖化と具体的な気象現象はあまり結びつ けて話されなかったが、今回のレポートでは地球温暖化はヒートウェーブ 現象と関連しているとの発表。その他、干ばつや大雨などの現象とも結び ついているのではないかとの見解もあった。 2. カリフォルニア政策情報 2.1. ハイスピードレールのルート変更 カリフォルニア州で計画中のハイスピードレールは、以前 Bakersfield の 市街地を通る計画となっていたが、その案が見送られることとなった。 2.2. ロサンゼルス、4800 万ドルの太陽発電プラント ロサンゼルスの公益電力/水道会社である Los Angeles Department of Water and Power は 3,300 世帯に電力を供給できる 10MW 規模の太陽発電設備を 発表。このモハベ砂漠プラントは 4800 万ドルの資金を投入され、ソラ-パ ネルの数は 46,000。 2.3. PG&E 太陽発電が再生可能エネルギー発電の重点 PG&E は 2020 年までに同社の再生可能エネルギーポートフォリオの 40% を太陽発電が占める予定だとのこと。昨年の時点で太陽発電が PG&E の再 生可能エネルギーポートフォリオの 1%に過ぎなかったが、今年に入って 大きく伸びている。 2.4. カリフォルニア州の再生可能エネルギー市場を太陽発電が牽引 カリフォルニア州の株式上場電力会社 3 社は 2011 年の末時点で、エネル ギーミックスの 20%を再生可能エネルギーでまかなった。さらに同州の 87%の電力需要をカバーする電力会社 13 社を見ると、発電の 30%を再生 可能エネルギー源と大規模水力発電から行っている。再生可能エネルギー の中でも太陽発電には大きな期待がかかっており、2020 年までには株式上 場電力会社 3 社の再生可能エネルギーポートフォリオの 40%が太陽発電に よるものになるであろうとの予測である。 3. 米国西部関連 3.1. CPS Energy が OCI Solar Power と太陽発電設備建設 OCI Solar Power はテキサス州サンアントニオで同社主導のコンソーシア ムによる 400MW 規模の太陽発電設備建設を発表。CPS Energy と提携し、 米国で最大規模の公共電力会社による太陽発電プロジェクトとなる。この プロジェクトによって 800 以上の長期雇用機会が生まれるという。 3.2. 米国政府、西部太陽発電プロジェクト候補地決定 米内務省と米エネルギー省はカリフォルニアとその他南西部 5 州の国有 地合計 285,000 エーカーに 17 のユーティリティ規模太陽発電プロジェクト 優先エリアを設定した。環境への影響を最小限にとどめられるよう 4 年間 をかけて決定したもの。 4. 連邦政策 4.1. NREL エネルギー技術のコスト算出データベースを発表 NREL は電力会社や政策関係者、大学などが新しい発電技術やや再生可能 燃料などのコストとパフォーマンスを予測できる Transparent Cost Database (TCDB) というデータベースをウェブ上で公開。コストのベンチマークの算 出やエネルギーシナリオモデルなどを提供し R&D の意志決定に役立つ情報 を提供する。 4.2. 米国炭素税 温室効果ガスの排出を減少させるため、炭素税の導入が検討されている。 導入されれば数十億ドルの歳入が見込め、財政赤字の解消にも役立つ見通 し。 5. 会議、ワークショップなど Sector Strategy 2012 年度報告書 第4弾 1. 報告書 1.1. グリーンエコノミーとその効果に関する報告書 Economic Policy Institute によるレポートでは、グリーンジョブの割合が多 い業界はそうでない業界と比べると雇用が拡大しているとのこと。よりグ リーンな業界が成長スピードが速く、グリーンジョブが多い州は経済危機 にも対応でき、学士号を持たない労働者も門戸が広く、製造業がグリーン エコノミーに与える影響は大きいとした。 1.2. CEC による電池充電システムに関する質問への回答 カリフォルニアエネルギー委員会は電池の充電システムに関する技術的 な質問に対する回答を一つの報告書として発表。カリフォルニア州で充電 システムを持つ製品を販売するには、CEC の認可を受けなければならない。 1.3. California Climate Change Center による報告書第 3 弾 カリフォルニア州は州内各地域と州全体の気候の変化に関するアセスメ ントとその影響にどう対応すべきかをまとめた報告書を作成。主なポイン トとしては、カリフォルニア州の気温は今後上昇し、湿度は低下していく、 電力供給に問題が出る可能性がある、などがある。 1.4. 再生可能エネルギーによる発電量に関する最新情報 RPS 制度は電力小売でどの程度再生可能エネルギーが使われていなけれ ばならないかを定めるものだが、Renewable Net Short (RNS) は再生可能エネ ルギー源を使った発電所の容量ではなく、実際の発電量を測るもの。それ ゆえ、RNS では発電の際に必要な水ポンプを動かすために使われた電力や、 自家発電なども換算される。CEC スタッフはこの RNS の測定方法に関する ワークショップを行った。 1.5. ACEEE による米国各州の省エネスコアボード 米国エネルギー効率経済協議会は進展しつつある各種の省エネに関する 評価を発表。上位はカリフォルニア、ニューヨーク、オレゴン、バーモン ト、コネチカット、ロードアイランド、ワシントン、メリーランド、ミネ ソタとなった。 1.6. Pike research によるデマンドレスポンスに関する報告書 住宅セクターのデマンドレスポンスに注目し、現在世界中で 1100 万世帯 がデマンドレスポンスに参加しているが、今後 2018 年までには 2350 万世 帯まで拡大するであろうと予測。報告書では電力会社や電力網運営機関は 今後ロードコントロールスイッチに合計 8 億 600 万ドル、サーモスタット に 29 億ドルを住宅セクターでのデマンドレスポンスのために投資すると推 測している。 1.7. Brattle group による石炭発電所の今後についての報告書 環境政策や予想よりも伸び悩んでいる電力需要のため、石炭発電所の閉 鎖が相次ぐことが予測され、それによる経済的打撃は 1440 億ドルにもなる。 今後 5 年間で 59, 000MW から 77, 000MW 分の発電所が閉鎖されるだろうと 予測している。現在全米で合計 317,000MW 相当の石炭発電所がある。 2. カリフォルニア政策情報 2.1. スマートメーター CPUC は株式上場電力会社に対し、消費者が常に州全体でスマートメータ ーの利点を活用できるよう HAN 機能を搭載したスマートメーターを作るよ うに要請。PG&E、南カリフォルニアエジソン、SDG&E はすでに HAN 機能 を持ったスマートメーターを 1000 万台以上設置している。この要請により、 電力会社各社は州全体で共通の HAN 通信標準を目指す必要が出てきた。 2012 年 12 月 15 日までに電力会社は顧客に対し、スマートメーターの活用 方法について情報提供をし、2013 年 1 月 15 日までに顧客からスマートメ ーターの HAN 機能をアクティベートする要請を受け入れる義務がある。 2.2. 石油の価格情報サービス 1 月に低炭素燃料標準が施工されれば、石油の価格が上がることが予測 されると Oil Price Information Center は発表。ガソリンでは 1 ガロン当たり 1 ドル、ディーゼルでは 1 ガロン当たり最大 2 ドルの値段上昇があると予 測している。 2.3. CARB、カリフォルニア州の電気自動車導入目標以上を目指すと発言 電気自動車の販売が伸び悩んでいるが、温室効果月排出削減のために電 気自動車導入の目標は維持すると CARB の代表は発言。新しい建物に充電 設備を設置する際のインセンティブを作ったり、電力会社と協力すること で、電気自動車の市場は確実に拡大していくと予測していると述べた。 2.4. CEC クリーン輸送機関に 2000 万ドルの予算 CEC は低炭素輸送機関プロジェクトをサポートするため、2000 万ドル以 上の投資を決定。その 50%は Tesla Motors へ投資された。これは CEC の Alternative and Renewable Fuel and Vehicle Technology Program を通して行わ れたもの。このプログラムでは、投資を受ける側は CEC から受ける金額と 同額を自己負担する義務がある。 2.5. カリフォルニア州低炭素燃料標準 カリフォルニア州は先進的な低炭素燃料標準の制定に関して、連邦特別 行政高等裁判所で法的議論を行う。裁判所判事はカリフォルニア州のこれ らの規則は連邦法には反せず、環境規制に力を入れる同州にとってこの制 定が重要であるという主張について検討する。 CAISO と CPUC Flexible Capacity Requirement に関して意見が対立 CAISO は柔軟な Capacity Requirement について議論するためのイニシアテ ィブを開始、柔軟な資源適性の条件などについて調査を進め、一方 CPUC は安定性の確保のため短期間の電力購入の仕組みについて改良を重ねる。 2.7. Western Power Trading Forum カリフォルニアの容量市場のフレームワー クに言及 Western Power Trading Forum は様々な種類の容量を規定する必要性など を含めカリフォルニアの容量市場設立に向けてのフレームワークについて 提言。カリフォルニアの資源適性については、現在 CPUC の管轄下で扱わ れている。 2.8. CEC バイオメタンガスによる発電の RPS への換算を一旦停止 CEC は発電源が RPS に換算されるべきかどうかの認定を行っており、 Renewables Portfolio Standard Guidebook という評価の基準に関わる資料を発 行している。2012 年 3 月 28 日、CEC は新しい法律に基づいてバイオメタ ンガスの発電を RPS にどう換算するか協議する必要があるとして、バイオ メタンガス発電所の認定を一旦停止するとした。 2.9. 住友商事 Desert Sunlight Solar Farm の一部を購入 住友商事の子会社は 550MW の Desert Sunlight Solar Farm に 25%出資。米 国での太陽光発電事業に初参画を果たした。 2.6. 3. 米国西部関連 3.1. ユタ州で大規模地熱発電源が発見される 2 年間の研究を終え、ユタ州に大規模地熱発電源があることが確認され た。熱源は Black Rock Desert basin に位置しており、広さは約 100 平方マイ ル。Geothermal Energy Association は今後は関心のある投資家を集め、資金 提供を求める。 3.2. 米国各州「グリーンバンク」設立へ関心 米国各州は急成長を続けるグリーンエコノミーが予算カットや、重要な 連邦インセンティブなどの失効により何教区に立たされるのではないかと 懸念している。Brookings Institute と Coalition for Green Capital は共同研究を 行い、この問題を解決するにはグリーンバンクと呼ばれる融資メカニズム を導入することだと提言。これにより州政府機関が再生可能エネルギーデ ベロッパーやグリーンビルのデベロッパーに融資を行ったり、債権を発行 したりできるようになる。この仕組みによって、1 年ごとの国家予算に縛 られることなくグリーンエコノミーを下支えできるようになるとの考え。 4. 連邦政策 4.1. FERC 米国西部の送電タリフに関する案件の優先扱いを拒否 FERC はカリフォルニア州やその他の西部の州にニューメキシコ州での太 陽光発電源に接続できる 200 マイルの送電ラインに関する認可を優先的に 扱ってほしいという申請を却下した。しかし、New Mexico Renewable Energy Authority はこの 3 億 5000 万ドル相当の送電線のの重要性を引き続 き FERC に訴えるとしている。 5. 会議、ワークショップなど Sector Strategy 2012 年度報告書 1. 第5弾 報告書 1.1. 2011 年米国と中国のクリーンテック関連の貿易関係に関する報 告書 Pew Charitable Trust 社からの報告書によると、2011 年米国はク リーンテック関連の対中国貿易で 16 億ドルの黒字となっていた とのこと。報告書では、この結果は米国のイノベーションでのリ ーダーシップや起業家精神によるところが大きいとしている。 1.2. 時間帯別料金に関する報告書 カリフォルニア大学バークレー校 Haas Institute による報告書に よると、商工業顧客に広く義務化されている時間帯別料金制度は ピーク需要や各企業の電力消費を減らすことに成功していないと のこと。制度の導入による電力消費パターンへの影響はほとんど 見られず、電力料金の値上がりなどのリスクが誇張されてしまっ たようだとの見方を示している。 1.3. 地熱発電業界に関する報告書 地熱エネルギー協会(Geothermal Energy Association)によると、 昨年地熱発電業界は発展を見せ、今後 2-3 年の間に新しい地熱発 電所が建設される可能性もあるとしている。地熱発電による発電 容量は昨年 147.05MW 増加し、5%の伸びとなっている。米国全 体での容量は現在 3.4W で、そのうち 2.7GW がカリフォルニア州 に設置されている。 2. カリフォルニア政策最新情報 2.1. ブラウン州知事の予算提案 2013 年 1 月、ブラウン知事は州の予算提案を行った。景気が若 干回復傾向にあることとブラウン知事による増税によって、5 年 ぶりに費用削減以外の内容も議論に含まれた。知事は現在 278 億 ドルある州の負債を 2013 年度に 42 億ドル返済し、2016 年度ま でには全体を 43 億ドルまで減らすとしている。 2.2. カリフォルニア大気資源局 キャップアンドトレードによる収入 の使い道を提案 キャップアンドトレードプログラムによる収入をどのように消 費するかはカリフォルニア大気資源局でも話題となっており、 2013 年 2 月一般市民からの提案を募った。ゼロエミッション車や 充電ステーションへのインセンティブとして使う、据置型燃料電 池、太陽発電、バイオマス、バイオ燃料導入の資金として使う、 などが挙げられた。 2.3. カリフォルニア大気資源局スコーピング計画最新情報 カリフォルニア大気資源局は 2013 年春に AB32 達成へ向けての スコーピング計画の最新版作成のためのワークショップを開催予 定。燃料・インフラを含む交通、送電インフラと省エネを含む発 電、廃棄物、水道、農業の 5 分野に関して対策を考える。 2.4. カリフォルニア州エネルギー政策に関する報告書 Advanced Energy Economy Institute business group による報告書 で、カリフォルニア州のエネルギー政策の今後に関する懸念、 アドバイスなどが報告された。同州は先進的なエネルギー政策 で有名であるが、多くの政策が様々な機関で作られているため、 現在それらが混在し、効率が悪くなっているとの指摘がある。 様々なプログラムに関しても、1 年ごとに区切られるインセンテ 2.5. 2.6. 2.7. ィブではなく、長期間のコミットメントが望ましいなどの提案 も含まれた。 カリフォルニア独立系統運用機関(CAISO)容量市場を提案 CAISO は現在の 1 年先のみを考慮する資源適性政策でなく、5 年先を見て柔軟な電力資源対策を行えるよう容量市場の設置を 提案。太陽発電源や風力発電源の増加や、ワンススルークーリ ング規制によるガス発電所の閉所などに備えて必要であるとし ている。 ゼロエミッション車に関する規制について 2025 年までにカリフォルニア州内で販売される車両の 15%を ゼロエミッション車にしなければならないという ZEV 規制が環 境保護局 (EPA) に承認された。2025 年には現在の 20 倍の 100 万 台程度の電気自動車や水素自動車がカリフォルニア州の路上を 走ることになる。 ベイエリアの充電ステーション競合会社 2 社が提携を発表 ベイエリアの充電ステーション競合会社 Ecotality と ChargePoint は提携を発表。両社の顧客はどちらの充電ステーシ ョンでも使えるようになる。 3. 米国西部関連 3.1. PacifiCorp と CAISO インバランス市場の設置へ向けて合意 米国西部の 2 大独立系等運輸機関である Pacificorp と CAISO は 2014 年の 10 月までにインバランス市場を設置するために協力す るとして MOU を交わした。 4. 会議、ワークショップなど