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経営管理態勢 - 大和証券グループ本社

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経営管理態勢 - 大和証券グループ本社
34
経営管理態勢
35 スペシャル対談
38 トップマネジメント
40 委員会設置会社として
41 コーポレート・ガバナンス
43 コンプライアンス
44 ディスクロージャー
45 IT 戦略・情報セキュリティ
46 リスク管理
49 CSR への取組み
経営 管 理 態 勢
大和証券グループ 年次報告書 2014
35
スペシャル対 談
大和証券グループでは、女性社員の活躍を成長戦略のひとつと考え、これまで女性の働きやすい職
大和証券グルー プ概要
女性が力を発揮する大和証券グループ
場環境の構築を推進してきました。その結果、大和証券の支店長・営業所長を務める女性は現在
大和証券グループ本社
社外取締役
松 原 亘 子
ta l k
田 代 桂 子
1986 年に大和証券グループの女性総合職二期生として入社。
IR 室長、ダイレクト企画部長を経て、2009 年に大和証券の執行
役員、2013 年に大和証券グループ本社の米州担当常務執行役員。
2014 年 6 月の株主総会にて、大和証券グループ本社の取締役兼
常務執行役に就任。
経営戦略
1964 年に労働省に入省し、男女雇用機会均等法(1986 年施行)
の策定に主担当者として携わる。1997 年、日本で女性初の事務
次官に就任。その後、駐イタリア大使などを経て、2008 年に大和
証券グループ本社の社外取締役に就任。
大和証券グループ本社
取締役 常務執行役
ステー クホルダー の皆様へ
となり、全体の 14%を占めるまでになっています。今回は、大和証券グ
18 名( 2014 年 4 月1 日現在)
ループ本社の社外取締役である松原亘子と今年取締役に就任した田代桂子が 、大和証券グループ
における女性の積極的な登用について語りました。
経営管理態勢
ディスクロー ジャー
大和証券グループ 年次報告書 2014
36
経営管理態勢
スペシャル対談
するのではなく、企業が女性の戦力化に
産休や育休などの制度は両立のため
いて、どのようにお考えですか?
コミットし 、それに女 性 社員が能 力を
のベースになるため、当社グループでも
発 揮しな がら応 えて いくというの が
充実した制度を整えています。一方で、
松原 男女雇用機会均等法(以下、均
やはり王道です 。つまり、女性社員が
諸制度が充実した結果、女性社員の仕
等法)
が施行されたのは今から28 年前で
男性社員と同じように入社後さまざまな
事の責任が小さくなってしまっては、やり
すが、当時は四年制大学卒の女性の採
経験を積むことで 、教育され 、能力を
がいが薄らいでしまいます。仕事が楽で
用をはじめ研修や昇進などの就労条件に
発揮し 、経営を理解して役員になると
家庭をより尊重できるから大和証券を選
おいて、一般的に女性は男性よりも著し
いうプロセスが大事です。
んだのではなく、この仕事が好きでこの
く不利な立場に置かれていました。均等
たとえば、大和証券グループでは、転
会社が好きだからこそ頑張ることができ
法施行によって、田代さんのような方が
居を伴わない地域内に転勤先を限定す
るのではないでしょうか。
入社し、今、取締役という重責を担うまで
るエリア総合職の採用を行っていますよ
になったことに、深い感慨があります。
ね。これは家庭責任の大きい女性にとっ
現在の日本における男女の就労状況につ
て、総合職として働き続けながら階段を
田代 私は均等法が施行される直前に
登っていくために大変画期的な仕組みだ
就職活動を行いましたが、当時、企業ご
と思います。実際に、エリア総合職の女
とに女性雇用に対するスタンスがかなり
性社員から大和証券の執行役員が誕生
異なっていました。均等法が始まるから
しており、優秀な人材を戦力として維持・
女性の総合職採用を行うといった企業も
育成するために有効に機能しています。
多かったなかで、大和証券は女性社員に
均等法の施行から28 年、大和証券
対してより長期的なビジョンを持ってい
グループでは 、こうした女性の人材育
るのが伝わってきました。これは、均等
成プロセスが順調に展開され、いよいよ
法導入以前から多くの女性社員が職制
田代さんのような方が誕生したと捉え
の違いを超えて重要な戦力となっていた
ています。
からだと思います。法律が施行されて急
に変化したのではなく、それを契機とし
企業のなかで女性が能力を発揮し、活躍
つつも、実際には長年にわたる企業努力
するためには、何が必要ですか?
制限されていた時代があり、
「なぜ私は
男性と同じように一生懸命働いてはいけ
が実績の大きな差となって表れ始めてい
るのではないでしょうか。
かつて法律で女性の残業時間が著しく
田代 「やりがい」に尽きると思います。
ないのか?」と悩む同世代の女性総合職
やりがいのある仕事には大きな責任が
も多かったようです。私の場合、配属先
松原 全く同感です。近年、女性管理
伴いますが、家事や育児も大変な仕事で
の部署が忙しかったことも幸運でしたが、
職の登用が声高に語られることが多く
すから、その両立という困難に立ち向か
そうしたときでも、社員のモチベーション
なってきましたが 、女性総合職比率や
うにはそれ相応のやりがいがなければ
を大切にする大和証券グループの企業
女 性 管 理 職 比 率の数 値だけを目標と
続けられないのではないでしょうか。
文化には、とても助けられました。男女
分け隔てなく仕事に全力を尽くす文化が、
当社グループには根付いています。
社員のモチベーションを大切にする大和証券
グループの企業文化には、とても助けられ
ました。
松原 私も若い頃、男性の上司の「気遣
い」の結果、残業せざるを得ない厳しい
仕事を任せてもらえないという時期もあ
りました。厳しい仕事をやり遂げることは
難しい一方で、得られる経験も大きい。
大和証券グループ 年次報告書 2014
37
者の意志が極めて明確で、それを社員
に対して自分の言葉で伝える努力をして
いる大和証券グループを私は高く評価し
ています。監査委員会のメンバーとして
女性を戦力と考える経営者の意志が極めて
明確で 、それを社員に対して自分の言葉で
伝える努力をしている大和証券グループを
私は高く評価しています。
大和証券グルー プ概要
その意味では、女性を戦力と考える経営
時折支店を訪問していますが、どの支店
でも女性が実に堂々と活き活きと働いて
いて、やり遂げれば報われるという意識
てきました。
フ・バランスへの取組みに対する評価は
いかがですか?
ば、社員は育児休暇なども気兼ねなく取
得できるでしょうし、この結果、仕事を辞
めずに働き続ける社員が多くなれば、組
織の戦力も維持されやすくなります。
松原 リテール部門を主とする19 時前
退社の励行も画期的です。日本社会の
最後に女性管理職の心得について、ご意
最大の問題点は長時間労働です。長時
見をお聞かせください。
間働けば評価されるという職業観が、企
業サイドにも、また働いている側にもかな
ステー クホルダー の皆様へ
をもって仕事にあたっているのが伝わっ
大和証券グループの掲げるワーク・ライ
田代 「女性」として、という区別は全く
ありません。管理職の仕事は、男女関係
て取り組まなければならない時期には長
特性を見極めながら仕事を与え、管理
時間働かざるを得ない場合もあります。
し、組 織力を最 大に引き上げることで
そういった場合に対処できるよう、女性
す。一方で、若い女性社員のなかには、
自身もいわば仕事と家庭両立のための
将来管理職を目指している人とそうでな
危機管理をする必要があると思います。
い人がいると思います。後者の人もいざ
また、これからは働きながら介護をする
昇進したときに十分に力を発揮できるよ
出産・育児の支援制度は、それらがな
時代になるわけですから、女性社員の
う、将来のキャリアアップや 、チームに
くては仕事を続けることが難しい社員の
問題だけでなく男性も含めた家庭・社会
おける役割のステップアップも視野に入
ためのセーフティー・ネットであり、その
全体の問題となってくるので、より柔軟
れて業務に取り組めるようアドバイスし
目的は社員がスムーズに職場復帰し、就
性のある人事管理が求められます。
てきました。
業を継続すること。女性社員が出産や
田代 そうですね。ワーク・ライフ・バラ
松原 これまで日本の民間企業におい
ンスは、仕事をほどほどにしろということ
ては、女性管理職のロールモデルを見つ
営陣や直属の上司が明確に伝え、女性
では決してありませんからね。19 時前
けることが難しかったと思いますが、現
社員はその期待に応えて諸制度を利用
退社の励行も、仕事の効率化を図ってほ
在、大和証券グループの成長戦略とし
しつつ働き続け、能力を発揮していく、と
しいというメッセージにほかならず、これ
てだけでなく、国家戦略としても女性の
いう好循環が大和証券グループにはあ
は男女関係なく必要なことだと思います。
活躍に注目が集まっています。今年から
ると思います。
私の勤務地である米国と比較すると、
取締役に就任した田代さんには、この時
日本ではテンポラリースタッフの起用な
代をリードする存在として私も期待して
どに関して、法律的な柔軟性がいまだに
います。
低いと言わざるを得ません。出産や介護
などによる休職などの一時的な戦線離
脱を機敏にカバーしてくれる制度があれ
大和証券グループ 年次報告書 2014
ディスクロー ジャー
育児で休んだときに、
「早く戻ってきて、
また一緒にやろう」というメッセージを経
経営管理態勢
用も進みません。一方で、仕事に集中し
なく多様性のなかで一人ひとりの能力や
経営戦略
りあると思いますが、それでは女性の登
38
経営管理態勢
トップマネジメント
トップマネジメント
取締役
執行役
取締役会長
鈴木 茂晴
取締役
日比 野 隆司
岩本 信 之
髙橋 昭夫
日比野 隆司
岩本 信之
髙橋 昭夫
草木 頼幸
中村 比呂志
田代 桂子
白瀧 勝
代表執行役社長 最高経営責任者
( CEO)
大和証券 代表取締役社長
1979 年
2002 年
2004 年
大和証券入社
大和証券グループ本社 経営企画部長
大和証券エスエムビーシー 執行役員
大和証券グループ本社 常務執行役員
同 取締役 兼 常務執行役
安田 隆二
2007 年
2008 年
同 取締役 兼 専務執行役
松原 亘子
2009 年
大和証券グループ本社 取締役
兼 執行役副社長
兼 大和証券エスエムビーシー
代表取締役副社長
2011 年
大和証券グループ本社 取締役
兼 代表執行役社長 兼 大和証券
代表取締役社長
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
代表取締役社長
2012 年
大和証券グループ本社 取締役
兼 代表執行役社長
兼 大和証券 代表取締役社長
但木 敬一
津田 廣喜
小野寺 正
大和証券エスエムビーシー
専務執行役員
草木 頼幸
代表執行役副社長 最高執行責任者
(COO)
兼 海外担当
大和証券 代表取締役副社長
1980 年
2001 年
大和証券入社
2005 年
2006 年
2008 年
2009 年
2011 年
大和証券グループ本社 執行役
2012 年
大和証券エスエムビーシー
国際金融部長
同 取締役 兼 執行役
同 取締役 兼 常務執行役
同 取締役 兼 専務執行役
大和証券グループ本社 取締役
兼 代表執行役副社長
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
代表取締役副社長
中 村 比呂志
執行役副社長 ホールセール部門副担当
大和証券 代表取締役副社長
1980 年
2002 年
1980 年
2001 年
2005 年
2008 年
2010 年
2011 年
2012 年
2004 年
2007 年
2009 年
2012 年
大和証券エスエムビーシー
事業法人第三部長
同 執行役員
同 常務執行役員
大和証券 専務取締役
大和証券グループ本社 取締役
兼 執行役副社長
兼 大和証券 代表取締役副社長
1978 年
2003 年
大和証券入社
2004 年
2007 年
2008 年
2009 年
2011 年
同 執行役員
2012 年
大和証券グループ本社 取締役
兼 代表執行役副社長
兼 大和証券 代表取締役副社長
執行役副社長 リテール部門担当
大和証券 代表取締役副社長
大和証券入社
執行役副社長 ホールセール部門担当
大和証券 代表取締役副社長
大和証券入社
大和証券エスエムビーシー 債券部長
大和証券 執行役員
同 常務執行役員
大和証券エスエムビーシー
エクイティ・キャピタルマーケット部長
同 常務執行役員
同 常務取締役
同 専務取締役
大和証券グループ本社 執行役副社長
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
代表取締役副社長
大和証券グループ本社 取締役
兼 執行役副社長
兼 大和証券 代表取締役副社長
白川 真
執行役副社長
アセットマネジメント部門担当
大和証券投資信託委託 代表取締役社長
1978 年
2003 年
大和証券入社
大和証券エスエムビーシー 金融法人
第一部長
大和証券グループ本社 専務執行役員
兼 大和証券 専務取締役
2004 年
2006 年
2007 年
2009 年
2013 年
大和証券グループ本社 執行役副社長
兼 大和証券 代表取締役副社長
2010 年
2014 年
大和証券グループ本社 取締役
兼 執行役副社長
兼 大和証券 代表取締役副社長
大和証券グループ本社 取締役
兼 執行役副社長
兼 大和証券 代表取締役副社長
2012 年
大和証券グループ本社 執行役副社長
兼 大和証券投資信託委託
代表取締役社長
同 常務取締役
同 専務取締役
大和証券 執行役員
同 常務取締役
同 専務取締役
大和証券グループ本社 執行役副社長
兼 大和証券 代表取締役副社長
大和証券グループ 年次報告書 2014
39
1978 年
2001 年
2002 年
2005 年
2007 年
2009 年
2010 年
大和証券入社
大和証券 神戸支店長
同 執行役員
同 常務取締役
同 専務取締役
大和証券グループ本社 取締役
兼 執行役副社長
兼 大和証券 代表取締役副社長
常務執行役 海外副担当
(米州担当)
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
アメリカ HD Inc. 会長
1985 年
2008 年
大和証券入社
2009 年
2011 年
同 執行役
1986 年
2005 年
2009 年
2011 年
2012 年
大和証券グループ本社
常務執行役
兼 大和証券 常務執行役員
2014 年
大和証券グループ本社
専務執行役
兼 大和証券 専務取締役
大和証券エスエムビーシー
(大和証券エスエムビーシー
ヨーロッパリミテッド社長)
大和証券キャピタル・マーケッツ
執行役員
2011 年
大和証券グループ本社 執行役員
兼 大和証券 執行役員
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
執行役員
2012 年
大和証券グループ本社 執行役員
兼 大和証券 執行役員
2013 年
大和証券グループ本社
常務執行役
兼 大和証券 常務執行役員
猪瀬 祐之
2012 年
2013 年
2014 年
同 ダイレクト企画部長
同 執行役員
大和証券キャピタル・マーケッツ
執行役員
大和証券 執行役員
大和証券グループ本社 常務執行役員
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
アメリカ HD Inc. 会長
大和証券グループ本社
取締役 兼 常務執行役
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
アメリカ HD Inc. 会長
執行役
大和証券 代表取締役会長
1984 年
2010 年
1971 年
1997 年
1998 年
2001 年
2002 年
2011 年
大和証券グループ本社
グループリスクマネジメント部長
大和証券グループ本社 執行役
兼 大和証券 執行役員
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
執行役員
2012 年
大和証券グループ本社 執行役員
兼 大和証券 執行役員
2014 年
大和証券グループ本社 執行役
兼 大和証券 取締役
2008 年
2011 年
2013 年
大和証券入社
大和証券エスエムビーシー
企画担当付部長
(大和証券エスエムビーシー
プリンシパル・インベストメンツ
〈現大和 PI パートナーズ〉へ出向)
兼 大和証券エスエムビーシー
プリンシパル・インベストメンツ
常務取締役
大和証券エスエムビーシー
執行役員
大和証券グループ本社 取締役
同 常務執行役
兼 大和証券 常務執行役員
鈴木 茂晴
執行役 最高リスク管理責任者(CRO)
大和証券 取締役
大和証券入社
1984 年
2007 年
2003 年
2004 年
2011 年
大和証券入社
同 取締役事業法人本部担当
同 常務取締役
同 専務取締役
大和証券エスエムビーシー
専務取締役
同 代表取締役専務取締役
大和証券グループ本社 取締役
兼 代表執行役社長
兼 大和証券 代表取締役社長
ディスクロー ジャー
2010 年
同 常務執行役
兼 大和証券 執行役員
常務執行役 内部監査担当
大和証券 常務執行役員
経営管理態勢
大和証券入社
大和証券グループ本社
経営企画部長
大和証券入社
大西 敏彦
経営戦略
常務執行役 最高財務責任者
(CFO)
兼 企画副担当
兼 海外副担当
大和証券 常務執行役員
1985 年
2008 年
専務執行役 企画担当 兼 人事担当 大和証券 専務取締役
大和証券グループ本社
執行役副社長
兼 大和総研 HD 代表取締役社長
兼 大和総研 代表取締役社長
兼 大和総研 BI 代表取締役社長
小松 幹太
田代 桂 子
ステー クホルダー の皆様へ
執行役副社長 シンクタンク部門担当
大和総研ホールディングス 代表取締役社長
大和総研 代表取締役社長
大和総研ビジネス・イノベーション 代表取締役社長
松井 敏 浩
大和証券グルー プ概要
深 井 崇史
大和証券グループ本社
取締役会長
兼 執行役
兼 大和証券 代表取締役会長
大和証券グループ 年次報告書 2014
40
経営管理態勢
委員会設置会社として/コーポレート・ガバナンス
委員会 設 置 会 社として
大和証券グループは、1999 年に国内上場企業としては初めての持株会社体制となり、さらに2004
年には委員会等設置会社 * に移行しました。その体制のもと、
「 指名委員会」
「 監査委員会」
「報酬
委員会」を設置し、監督と業務執行の機能を明確に分離しています。
*2006 年5月より委員会設置会社
指名委員会
鈴木 茂晴
(委員長)
日比野 隆司
安田 隆二
白瀧 勝
安田 隆 二
松 原 亘子
取締役
社外取締役
社外取締役
松原 亘子
但木 敬一
小野寺 正
監査委員会
1985 年
2011 年
2013 年
大和証券入社
1976 年
大和証券グループ本社
グループ内部監査部長
兼 大和証券 内部監査部長
兼 大和証券キャピタル・マーケッツ
内部監査部長
モルガン・ギャランティ・トラスト・カンパニー ,
NY(現 J.P. モルガン・チェース)入社
インベストメント・リサーチ・オフィサー
1979 年
マッキンゼー・アンド・カンパニー入社
(1986年パートナー、1991年 ディレクター)
1996 年
A.T. カーニー アジア総代表、
経営会議メンバー
A.T. カーニー 極東アジア会長
一橋大学大学院国際企業戦略
研究科客員教授
A.T. カーニー 極東アジア会長を退任
ジェイ・ウィル・パートナーズ取締役会長
大和証券グループ本社 社外取締役
一橋大学大学院国際企業戦略
研究科教授
ジェイ・ウィル・パートナーズ取締役会長を
退任
大和証券グループ本社 取締役
2002 年
但木 敬一(委員長)
2003 年
白瀧 勝
2004 年
松原 亘子
2006 年
津田 廣喜
安田隆二氏は、著名コンサルティング会社パ
ートナーなどを歴任し、現在は一橋大学大学
院国際企業戦略研究科教授です。その経歴
を通じて培われた経営戦略に関する専門的な
知識・経験を当社の経営に活かしていただい
ています。同氏の当社社外取締役就任期間は
11年間です。
報酬委員会
安田 隆二
(委員長)
鈴木 茂晴
1964 年
1987 年
1991 年
1997 年
1999 年
2002 年
2006 年
2008 年
2012 年
労働省入省
同 国際労働課長
同 婦人局長
労働事務次官
日本障害者雇用促進協会 会長
駐イタリア大使
兼 駐アルバニア大使
兼 駐サンマリノ大使
兼 駐マルタ大使
財団法人 21 世紀職業財団
(現 公益財団法人 21 世紀職業財団)会長
大和証券グループ本社 社外取締役
財団法人 21世紀職業財団 名誉会長
松原亘子氏は、労働事務次官、駐イタリア大
使などを歴任し、現在は公益財団法人 21世
紀職業財団名誉会長です。その経歴を通じて
培われた専門的な知識・幅広い経験などを当
社の経営に活かしていただいています。同氏
の当社社外取締役就任期間は 6 年間です。
日比野 隆司
津田 廣喜
小野寺 正
但 木 敬一
津田 廣喜
小野寺 正
社外取締役
社外取締役
社外取締役
1969 年
1996 年
1997 年
2002 年
2004 年
2006 年
2008 年
2009 年
東京地方検察庁 検事
大分地方検察庁 検事正
最高検察庁 検事 法務大臣官房長
法務事務次官
東京高等検察庁 検事長
検事総長
検事総長を退官 弁護士
大和証券グループ本社 社外取締役
但木敬一氏は、法務事務次官、東京高等検
察庁検事長、検事総長を歴任し、現在は弁護
士です。その経歴を通じて培われた法律やコ
ンプライアンスに関する豊かな経験・専門的
な知識を当社の経営に活かしていただいてい
ます。同氏の当社社外取締役就任期間は 5 年
間です。
1972 年
2002 年
2003 年
2004 年
2006 年
2007 年
2008 年
2013 年
大蔵省入省
財務省 東京税関長
同 大臣官房総括審議官
同 大臣官房長
同 主計局長
財務事務次官
早稲田大学公共経営大学院教授
大和証券グループ本社 社外取締役
早稲田大学公共経営大学院教授を退任
津田廣喜氏は、財務省主計局長、財務事務
次官などを歴任しています。その経歴を通じ
て培われた専門的な知識・経験を当社の経
営に活かしていただいています。同 氏の当社
社外取締役就任期間は1年間です。
1989 年
1995 年
1997 年
2001 年
2005 年
2010 年
2014 年
第二電電(株)(現 KDDI(株)
)取締役
同 常務取締役
同 代表取締役副社長
KDDI(株)
代表取締役社長
同 代表取締役社長 兼 会長
同 代表取締役会長
大和証券グループ本社 社外取締役
小野寺正氏は、現在は KDDI 株式会社会長で
す。その経歴を通じて培われた経営に関する
豊かな経験・見識を当社の経営に活かしてい
ただくべく、2014 年の株主総会にて新たに社
外取締役に就任しました。
大和証券グループ 年次報告書 2014
41
コー ポレート・ガバナンス
レート・ガバナンス態勢を構築しています。大和証券グル ープ本社の執行役に加え 、本社機能を
担う職員が証券子会社を兼務することにより、本社部門の効率化とグループ各社間のシナジー を
最大限発揮できる経営体制を目指しています。
当社グループは、1999 年に国内上場企業では初めて持株
て検討しました。取締役候補者の選定については、指名委員
会社体制に移行し、グループ各社の独自性・専門性と各社間
会において取締役選任基準に照らして審議・決定されます
のシナジーの発揮 、そして透明性・客観性の高いガバナンス
が 、当基準には社外取締役の独立性を担保するための基準
態勢の実現を追求してきました。
も盛り込んでいます。
2004 年 6 月には大和証券グループ本社が委員会等設置会
監査委員会は、2013 年度には 12 回開催し、取締役および
社( 2006 年 5 月より委員会設置会社)へと移行し、取締役会
執行役の職務執行の監査、事業報告および計算書類等の監
から執行役への大幅な権限委譲による意思決定の機動性向
査、監査報告の作成などを行いました。
上と、社外取締役の増員および指名・監査・報酬各委員会の
報酬委員会は 、2013 年度には 5 回開催し、役員報酬に関
設置による経営の監督機能の強化を図りました。また、大和
する方針および個別報酬内容の決定に関する事項や 、連結
証券グループ本社の執行役の一部がグループ各社の主要役
業績の向上に資するグループ全体のインセンティブ・プラン
員を兼務することによって 、グループ戦略にもとづいた事業
などについて検討しました。
戦略をより効率的に実践する体制を整えています。
なお、2013 年度において取締役会は10 回開催され、社外
指名委員会は 、2013 年度には 3 回開催し、コーポレート・
取締役の出席率は、100%となっています。
経営戦略
に関する基本的な考え方、取締役候補者の選定などについ
ステー クホルダー の皆様へ
ガバナンス態勢の特徴 大和証券グルー プ概要
大和証券グループは、経営の監督と業務執行の機能を明確に分離し、透明性・客観性の高いコーポ
ガバナンスに配慮した取締役会の構成 、取締役候補者の指名
経営管理態勢
大和証券グループのコー ポレート・ガバナンス体制図
株主総会
取締役会 13 名
(うち社外取締役 5 名)
監査委員会 4 名
(うち社外取締役 3 名)
報酬委員会 5 名
(うち社外取締役 3 名)
取締役の選任および
解任議案の決定
取締役および執行役の
職務執行の監査、事業報告
および計算書類等の監査、
監査報告書の作成
取締役および執行役の
報酬の方針、個人別報酬
内容の決定
執行役会 13 名
グループリスク
マネジメント会議
ディスクロージャー委員会
グループ IT 戦略会議
海外部門経営会議
グループ全体に係る
事業戦略・経営課題、
財務に係る重要事項
リスク管理態勢・リスク状況
等の把握、リスク管理に
係る方針および具体的な
施策の決定
財務報告の連結範囲、
内部統制報告の評価範囲、
重要な情報の開示の決定
IT 投資予算原案の策定、
IT 投資の評価・モニタリング
海外店等の経営管理に
関する事項の決定
代表執行役
グループ内部監査会議
経営の基本方針
内部監査態勢の整備および
内部統制の検証に関する
事項の決定
大和証券グループ 年次報告書 2014
ディスクロー ジャー
指名委員会 6 名
(うち社外取締役 4 名)
42
経営管理態勢
コーポレート・ガバナンス/コンプライアンス
業績連動性を重視した役員報酬制度 業績連動型報酬は 、連結経常利益を基準に 、連結 ROE
取締役・執行役の報酬は、基本報酬、業績連動型報酬、株
および中 期 経 営 計 画における経 営目標の達 成 状 況などを
価連動型報酬で構成され、報酬委員会において決定されます。
総合的に加味したうえで決定されます。
2013 年度大和証券グループ本社役員の役員報酬の内容
区分
報酬委員会決議にもとづく
報酬等の額
※1
※2
※3
※4
取締役
計
執行役
支給人員
支給額
支給人員
支給額
支給人員
支給額
8名
113百万円
14名
1,159百万円
22名
1,273百万円
上記の支給額には、当期の業績連動型報酬を含む。
上記の支給額には、取締役および執行役に対し、 ストック・オプションとして割り当てられた新株予約権の価額合計 95 百万円を含む。
社外取締役 6 名に対する報酬等の総額は 85 百万円。
取締役と執行役の兼任者
(7名)の報酬は、執行役に対する報酬等の支給額の欄に総額を記載。
内部統制および内部監査について グループの内部監査活動のうえで着目する事項は 、大和
当社グループでは、業務を健全かつ適切に遂行できる内部
証券および海外拠点におけるグローバルな金融商品取引業
統制態勢の維持は経営者の責任であるとの認識に立って、グ
者としての内部統制態勢、大和ネクスト銀行における銀行と
ループの事業に係る各種の主要なリスクについて当社を中心
しての内部統制態勢 、グループ連携ビジネスの状況、グルー
とする管理態勢を構築し、業務の有効性および効率性 、財務
プ各社に対する当社からの統制の状況などを含みます。
報告の信頼性 、事業活動にかかわる法令等の遵守、資産の
グループ各社の内部監査部門との連携は、定例会議、モニ
保全などを図っています。
タリングおよび監査活動を通じて実施しており、グループの内
また、健全かつ効率的な内部統制態勢の構築を通じてグ
部監査に関する共通の方針およびリスクベースの監査計画を
ループの価値が高められるとの認識にもとづき、内部監査は
作成し、モニタリングを行っています。
そのなかで重要な機能を担うものと位置付け、当社に専任の
内部監査部は 、監査活動を効率的に行うために監査委員
内部監査担当執行役を置き、他の部署から独立した内部監査
会および会計監査人と連絡 、調整を行っているほか、監査委
部が内部統制態勢を検証しています。内部監査計画の承認
員会から調査の委嘱を受ける場合があります。
および監査結果の報告は、最高経営責任者( CEO )直轄のグ
ループ内部監査会議で行われるとともに、監査委員会にも報
告されます。
当社グループでは、内部監査部が中心となってリスクベー
スで内部監査を実施し、効果的な内部監査を通じて企業価値
向上を図っています。
大和証券グループ 年次報告書 2014
43
コンプライアンス
利益の確保」を掲げています。当社グル ープは 、コンプライアンスをこれらの企業理念を実現する
ための重要な条件と考えており、単なる
「法令の遵守」
を超えた、お客様、市場、社会および株主から
の信用の獲得と捉えています。
当社グループ全体としては、法令遵守と自己規律を徹底し、
の社会的責任を果たし、お客様からの強固な信頼を獲得すべ
高い倫理観を持って社会の持続的発展に貢献できるよう、コ
く、お客様からお預りした個人情報を始めとする情報資産を
ンプライアンスに関する教育や、入社時やそのほか定期的な
安全かつ正確に保護するため 、さまざまな情報セキュリティ
研修を通じて 、役職員のコンプライアンス意識の向上と知識
対策に取り組んでいます。
の充実を図っています。これにより、法令諸規則が必ずしも
情報セキュリティに関するグループ共通の基本方針として
整備されていない新しいビジネスにチャレンジする際も、常に
「情報セキュリティに関するグループ・ミニマムスタンダード」
法令諸規則の原点に立ち返り、社会通念や良識に照らして誠
を定め、この基本方針に則り、グループ各社は関連諸規程な
実に行動し、リーガル・マインドにもとづく強い自己規律を持
どのルールを整備しています。また、情報セキュリティに関す
つよう、社員を養成しています。
る諸規程などのルールを役職員に遵守させるため、社内イン
インサイダー取引未然防止のための取組みに関しては 、
トラネットなどを通じて周知するとともに、e ラーニングなどを
2013 年度も引き続きグループ各社で研修を実施し、周知徹
通じた情報セキュリティに関する教育・研修や確認テストなど
底を図っています。
を定期的に実施し、周知徹底を図っています。
経営戦略
また、当社グループでは 、金融・資本市場の担い手として
ステー クホルダー の皆様へ
大和証券グループとしての取組み
大和証券グルー プ概要
大和証券グループでは 、企業理念として
「信頼の構築」、
「人材の重視」、
「社会への貢献」、
「健全な
反社会的勢力との関係遮断のための取組みに関しては 、
その手口を巧妙化させてゆく反社会的勢力に対し、警察など
関係機関 、法律関係者などと連携を密にして情報収集を行う
経営管理態勢
一方で、対外諸手続き面においても反社会的勢力との「関係
遮断の徹底」の充実を図っています。
さらに、グループ会社と反社会的勢力排除のために必要な
情報共有を図るなど、グループ全体をあげて反社会的勢力と
の関係遮断のための取組みを行っています。
ディスクロー ジャー
大和証券グループ 年次報告書 2014
44
経営管理態勢
ディスクロージャー/ IT 戦略・情報セキュリティ
ディスクロー ジャー
大和証券グループは、お客様 、株主・投資家、地域社会や役職員などあらゆるステークホルダーの
当社グル ープに対する理解と適切な評価を促進するため 、積極的なコミュニケー ション活動と
公正かつ適時・適正な情報開示に努めています。
ディスクロージャー体制 し、情報収集と大和証券グループ本社への報告が的確に実
大和証券グループは 、情報開示に対する基本的な考え方
施される体制を整えています。ディスクロージャーにあたって
を定めた「ディスクロージャー・ポリシー」を制定し、公正かつ
は、その対象ごとに役割の分担が明確化されています。株主
適時・適切な情報開示に取り組んでいます。また、本ポリシー
や投資家・アナリストに対してはIR 室、マスメディアや地域社
の精神を具現化するために、大和証券グループ本社に制定
会に対しては広報部が中心となり、インターネットや出版物な
された「ディスクロージャー規程」にもとづき、執行役会の分
ど多様なツールを活用した情報開示を行っています。また、グ
科会として「ディスクロージャー委員会」を設置し、情報開示
ループ各社のディスクロージャー関連部署による「 広報・IR
に関する最終的な意思決定を行っています。また、主要グ
連絡会」を毎月開催し、グループ全体を通じたディスクロー
ループ会社ではそれぞれ「 経営関連情報管理規程」を制定
ジャー関連情報の共有に努めています。
大和証券グループの情報開示フロー
情報開示
大和証券グループ本社
報告*1
ディスクロージャー委員会
情報開示の内容、方法などを決定
執行役会
ディスクロージャー委員会事務局
経営企画部
財務部
経営関連情報(財務情報を除く)
の流れ
子会社*2
情報集約部署(経営企画部など)
情報の所管部署または担当役員
財務情報の流れ
*1 委員長が重要と判断した決定事項を報告
*2 当該子会社の子会社を含む
大和証券グループ本社 ディスクロージャー・ポリシー
当社は、株主・投資家、地域社会を始めとするあらゆるステークホルダー の当社に対する理解を促進し、その適正な評価のために、当社グループに関する重要
な情報(財務的・社会的・環境的側面の情報を含む)
の公正かつ適時・適切な開示を行います。
l 当社は、金融商品取引法、
その他の法令および当社の有価証券を上場している金融商品取引所の規則を遵守します。
l 当社は、内容的にも時間的にも公平な開示に努めます。
l 当社は、説明会、電話会議、
インターネット、各種印刷物を始めとするさまざまな情報伝達手段を活用し、より多くの投資家の皆様にわかりやすい開示を行うよ
う努めます。
l 当社は、情報開示にあたって、常に証券市場を担う立場にあることを意識し、他の株式上場企業の模範となるよう努めます。
l これらの精神を実現するために、
当社は
「ディスクロージャー規程」
を制定し、
「ディスクロージャー委員会」
の設置や当社グループの情報開示の方法等を定めて
います。
l
大和証券グループ 年次報告書 2014
45
IT 戦略・情報セキュリティ
提供するべく、情報技術( IT )
を戦略的に活用しています。また、金融・資本市場の担い手として個人
情報を始めとする情報資産を社内外のさまざまな脅威から保護するため、情報セキュリティレベル
の維持・向上に努めています。
当社グループでは、執行役会の分科会として「グループ IT
当社グループでは、積極的に情報セキュリティ対策の強化
戦略会議」を設置し、同会議にてグループ IT 投資予算やグ
に取り組み 、技術トレンドを取り込みながらさまざまな脅威か
ループ内の IT 機能配置などに関する事項の審議決定を行っ
らお客様の個人情報を始めとする情報資産を保護する対策
ています。IT 投資予算の策定にあたっては 、経営戦略とIT
に取り組んでいます。
戦略の整合性を図ることが重要との認識のもと、グループの
サイバー攻撃など、近年は外部からの脅威が深刻化・巧妙
経営目標および事業戦略の実現に寄与する投資に予算を重
化しており、検知や防御の重要性はますます高まっています。
点的に配分しています。
これらについても技術的・物理的な情報セキュリティ対策を
また、同会議の事前協議機関として「グループ IT マネジメ
適切かつ迅速に講じることにより、安全性と正確性の確保に
ント会議」を設置し、グループ各社に共通するテーマを担当役
努めています。
員レベルで協議する体制を整備しています。
また、各種情報システムのユーザ ID やアクセス権限管理
経営戦略
情報セキュリティ対策
ステー クホルダー の皆様へ
IT ガバナンス体制
大和証券グルー プ概要
大和証券グループでは、付加価値の高い商品・サービスをお客様に素早く正確に、適正なコストで
などをはじめ、定期的なモニタリングなどを通じて、問題となる
IT 戦略
行為の未然防止や早期発見に取り組み、情報資産管理レベル
当社グループは、2012 年度からスタートしたグループ中期
の向上を図っています。
経営計画∼“ Passion
for the Best ”2014 ∼におけるIT 戦
障害対策
ジネスインフラの再構築」、
「 IT ガバナンスの強化」を掲げ 、
当社グループでは 、システムの運用状況、キャパシティ状
これを推進しています。
況、障害発生状況などを適正に管理するとともに、グループ
また、ビジネス戦略にもとづいた中長期的なIT 戦略をグロー
間で障害情報の共有を行うなどの連携を図り、再発防止策や
バルベースで計画・立案、質・量ともに営業員を高次元でサ
未然防止策の策定に活用しています。
ポートするべく、タイムリーで確実なシステムを開発し、安定
また、過去の障害内容を分析しパターン化することにより、
的なサービスをお客様に提供できるよう努めています。
システム障害発生から復旧までの一連のプロセスを手順化・
2013 年度は、制度開始と同時に充実した商品ラインアップ
自動化し、復旧時間の短縮を図っています。
経営管理態勢
として、グループの持続的成長に向けた「ビ
略( IT 基本方針)
を取り揃えた少額投資非課税制度( NISA )関連サービスを
ディスクロー ジャー
提供するとともに、営業店とコンタクトセンターの連携機能を
強化するなどお客様サービスの向上と営業活動の効率化に
注力しました。
2014 年度は、グローバルな金融規制強化の流れに対応し
つつ、引き続きNISA や営業の効率化・質の向上 、お客様の
利便性向上につながる分野へリソースを重点的に配分し、当
社グループが「 貯蓄から投資へ」の時代をリードしていくため
の基盤構築に取り組んでいます。
大和証券グループ 年次報告書 2014
46
経営管理態勢
リスク管理
リスク管理
大和証券グループでは、収益性や成長性を追求する一方で、事業に伴う各種のリスクを適切に認識・
評価し効果的に管理することが重要であると考えています。リスクとリターンのバランスがとれた
健全な財務構造や収益構造を維持し 、適切なリスク管理を行うことにより企業価値の持続的な
向上を図ります。
リスク管理の基本方針 くことが重要であると考えています。大和証券グループ本社
大和証券グループ本社は、グループ全体のリスク管理を行
では、管理すべきリスク
(市場リスク、信用リスク、資金流動性
うに際し、
「リスク管理規程」を定め 、次のとおり基本方針を
リスク、オペレーショナルリスク、レピュテーショナルリスク)
を
明らかにしています。
明確に定め 、事業特性やリスク・プロファイルを踏まえたリス
1
リスク管理への経営の積極的な関与
2
当社グループの保有するリスクの特性に応じたリスク管理
3
4
ク管理の実施に努めています。
態勢の整備
リスク管理態勢
統合的なリスク管理にもとづくリスク総体の把握と自己資
大和証券グループ本社は、グループ全体のリスク管理を行
本の充実
ううえで、リスク管理の基本方針 、管理すべきリスクの種類、
リスク管理プロセスの明確化
主要リスクごとの担当役員・所管部署などを定めた「リスク管
また、グループのリスクを経営体力の範囲内に収めるため、
理規程」を取締役会で決定しています。子会社はリスク管理
グループとして各種のリスク限度枠を設定しています。
の基本方針にもとづき、各事業のリスク特性や規模に応じた
リスク管理を行い 、大和証券グループ本社は子会社のリスク
リスクの種類
管理態勢およびリスクの状況をモニタリングしています。子
グループで展開するビジネスには 、多種多様なリスクが存
会社のモニタリングを通して掌握した子会社のリスクの状況
在します。健全な財務構造や収益構造を維持するためには、
のほか、各社におけるリスク管理態勢上の課題などについて
これらのリスクを認識し、かつ適切な評価のもとに管理してい
リスク管理体制
大和証券グループ本社
グループ会社
指名委員会
取締役会
監査委員会
執行役会
報酬委員会
代表執行役
グループ内部監査会議
大和証券
方針・指示
大和証券投資信託委託
報告
大和証券オフィス投資法人
CRO
協議・報告
統合的リスク管理
大和企業投資
大和 PI パートナーズ
リスクマネジメント部
信用
リスク
大和証券キャピタル・マーケッツ 香港
大和証券キャピタル・マーケッツ アメリカ
グループリスクマネジメント会議
市場
リスク
大和証券キャピタル・マーケッツ ヨーロッパ
資金
流動性
リスク
大和証券エスエムビーシー
プリンシパル・インベストメンツ
オペレーショナルリスク
事務
リスク
システム
リスク
情報
セキュリ
ティ
リスク
コンプライ
アンス
リスク
リーガル
リスク
人的
リスク
有形資産
リスク
大和ネクスト銀行
その他のグループ会社
大和証券グループ 年次報告書 2014
47
信用リスク管理
ループリスクマネジメント会議に報告し、審議・決定していま
信用リスクとは、与信先の財務状況の悪化などにより、資産
す。主要な子会社においてもリスクマネジメント会議などを定
(オフバランス資産を含む)の価値が減少ないし消失し、また
期的に開催し、リスク管理の強化を図っています。
は債務が履行されないことにより損失を被るリスクです。
当社グループのトレーディング業務において信用リスクが
生じる取引については、事前に取引先の格付などにもとづい
市場リスク管理
て与信枠を設定し、当該与信枠の遵守状況をモニタリングし
市場リスクとは、株式・金利・為替・コモディティなどの相
ています。
場が変動することにより損失を被るリスクです。
特に、相対的にエクスポージャーが大きいホールセールビ
当社グループのトレーディング業務では、財務状況や対象
ジネスなどにおいては 、格付評価モデルにもとづく定量評価
部門のビジネスプラン・予算などを勘案したうえで、VaR(バ
および定性評価を行い 、取引先の信用水準を把握していま
リュー・アット・リスク) 、ポジション、感応度などに限度枠を
す。そのうえで、期間、担保の有無などの取引諸条件を勘案
設定しています。当社のリスク管理部署ではグループ全体の
した与信枠を設定しています。さらに、信用 VaRを計測し、大
市場リスクの状況をモニタリングし、経営陣に日次で報告して
口与信の影響について定期的なモニタリングを行っています。
*
ステー クホルダー の皆様へ
主要リスクごとの管理体制
大和証券グルー プ概要
は 、大 和 証 券グループ本 社の執 行 役 会の分 科 会であるグ
います。また、一定期間のデータにもとづいて統計的仮定に
トレーディング業務以外の市場リスク管理および信用リスク
ト変動にもとづくシナリオや 、仮想的なストレスイベントにもと
管理
づくシナリオを用いて、ストレステストを実施しています。
当社グループはトレーディング業務以外でも、投資業務に
*特定のポジションを一定期間保有すると仮定した場合において、将来の価格変動により一 定の確率の範囲内で予想される最大の損失額
経営戦略
より算出した VaR の限界を補うべく、過去の大幅なマーケッ
おける営業投資有価証券 、銀行業務における貸出金・有価
証券のほか 、取引関係上の目的などで保有する投資有価証
券などの資産を保有しています。これらの資産についても、
市場リスク、信用リスクが生じますが、各事業において特有の
リスク特性があるため、それらのリスク特性に応じたリスク管
経営管理態勢
理を行っています。
大和証券グループ
(連結)VaR(バリュー ・アット・リスク)
VaR の範囲と前提 l 対象:トレーディング勘定 l 信頼水準:片側 99% 、保有期間:1 日 l 商品間の価格変動の相関を考慮
リスクファクター別
(月末)
株式
金利
為替
コモディティ
12 / 9
12 /12
13 / 3
13 /6
13 / 9
13 /12
14 / 3
1.74
1.55
1.77
1.63
1.96
1.30
1.41
1.48
2.15
1.38
1.71
2.29
1.29
1.77
2.02
1.20
1.54
2.43
1.16
1.61
2.41
1.31
1.84
2.95
1.09
1.57
2.47
1.21
1.65
2.33
1.09
1.52
0.68
1.48
0.60
0.01
0.48
1.32
0.47
—
0.95
1.67
0.50
—
0.56
1.52
0.96
—
1.11
1.33
0.65
—
0.81
1.28
0.22
—
0.64
1.35
0.19
0.01
0.82
1.36
0.20
—
大和証券グループ 年次報告書 2014
ディスクロー ジャー
VaR(月末)
四半期
最大値
最小値
平均値
(十億円)
12 /6
48
経営管理態勢
リスク管理/ CSR への取組み
資金流動性リスク管理
オペレーショナルリスク管理
資金流動性リスクとは、市場環境の変化 、当社グループ各
オペレーショナルリスクとは、内部プロセス・人・システムが
社の財務内容の悪化などにより資金繰りに支障をきたすリス
不適切であること、もしくは機能しないこと、または外生的事
ク、あるいは通常よりも著しく高いコストでの資金調達を余儀
象が生起することから生じる損失に係るリスクです。業務の
なくされることにより損失を被るリスクです。当社グループは、
高度化・多様化、システム化の進展などに伴いさまざまなリ
多くの資産および負債を用いて有価証券関連業務を中心とし
スクが生じており、オペレーショナルリスク管理の重要性は
たビジネスを行っており、ビジネスを継続するうえで十分な流
年々高まっています。
動性を効率的かつ安定的に確保することを資金調達の基本
当社グループの主要なグループ各社では、当社のオペレー
方針としています。当社グループでは 、環境が大きく変動し
ショナルリスク管理に関する規程にもとづき、RCSA(リスク・
た場合においても事業の継続に支障をきたすことのないよう、
コントロール・セルフアセスメント)
を実施するなど 、適切なオ
平時から安定的に資金を確保するよう努めています。特に近
ペレーショナルリスク管理を行っています。加えて、権限の厳
年においては 、世界的金融危機および信用危機による不測
正化、人為的ミス削減のための事務処理の機械化、業務マ
の事態に備え、市場からの資金調達 、金融機関からの借入等
ニュアルの整備などの必要な対策を講じており、グループ各
により手元流動性の積み増しを行っています。同時に、危機
社の事業特性に応じたオペレーショナルリスクの削減に努め
発生等により新規の資金調達および既存資金の再調達が困
ています。
難となる場合も想定し、調達資金の償還期限および調達先の
分散を図っています。
レピュテーショナルリスク管理
また大和証券グループ本社は、バーゼル委員会が提示した
レピュテーショナルリスクとは、当社グループに関する風評
流動性カバレッジ比率を参考にした手法で当社グループの流
や 、誤った情報などにより当社グループの信用・評判・評価
動性管理体制を構築しています。すなわち、一定期間内に期
が低下し、不測の損失ならびに当社グループの取引先の動向
日が到来する無担保調達資金および同期間にストレスが発生
への悪影響などが生じるリスクです。いろいろな事象に起因
した場合の資金流出見込額に対し複数のストレスシナリオを
するため、その管理手法は必ずしも一律のものではありません。
想定したうえで、それらをカバーする流動性ポートフォリオが
当社グループでは、特に情報管理と情報提供の観点からディ
保持されていることを毎日確認しています。これにより当社
スクロージャー・ポリシーにもとづく各種規程を整備し、グルー
グループでは、今後 1 年間無担保資金調達が行えない場合で
プ本社にディスクロージャー委員会を設置しています。当社
も業務の継続が可能となるよう体制を構築しています。
グループ各社においては、ディスクロージャー委員会にレピュ
テーショナルリスクの発生が想定される情報を報告すること
により、グループ本社での情報の把握、一元管理と、同委員
会決定によるタイムリー で正確な情報発信を行っています。
また、当該リスクが発生した場合には 、当社グループへの影
響を最小限にとどめるため、レピュテーショナルリスクに係る
問題・事象の状況把握に努め、誤りや不正確な情報について
は的確に是正し、誹謗中傷などに対しては適切な対処を講じ
るなど、リスクの未然防止および極小化を図る広報・IR 活動
体制をとっています。
大和証券グループ 年次報告書 2014
49
CSR への取組み
び経済の発展に貢献するという重要な使命を担っています。私たちが永続的にこの使命を果たし、
かつ成長するためには、ステークホルダーとの強い信頼関係が必要不可欠であると考えています。
大和証券グループ CSR 重要課題
「信頼の構築 」
企業理念を実行し、持続可能な社会実現に向けて、これまでに
お客様からの信頼こそが、大和証券グループの基盤である。お客様を
寄せられたステークホルダーの声や要請などをもとに、2つの CSR
第一に考える誠実さと高い専門能力により、最も魅力ある証券グループ
重要課題を設定しています。
となる。
重要課題 1
「人材の重視 」
金融機能を活用して持続可能な社会に貢献する
大和証券グループの競争力の源泉は人材である。社員一人ひとりの創
重要課題 2
造性を重視し、チャレンジ精神溢れる自由闊達な社風を育み、社員の
健全な金融・資本市場を発展させ次の世代につなげる
能力、貢献を正しく評価する。
金融・資本市場を通じて社会および経済の発展に資することは、大和
することが重要課題を推進するうえで大切であると考えています。
証券グループの使命である。法令遵守と自己規律を徹底し、高い倫理
2 つの CSR 重要課題と
観を持って社会の持続的発展に貢献する。
社員が「働きがい 」を感じる職場をつくる
▼
「健全な利益の確保 」
健全なビジネス展開を通じて企業価値を高めることは、株主に対する
この 3 つの柱で、大和証券グループの
企業理念を果たします。
責務である。大和証券グループはお客様に価値あるサービスを提供し
て適正な利益を獲得し、株主に報いる。
い、意識の浸透を図っているほか、日本全国の本支店や海外
大和証券グループ本社内に設置された広報部 CSR 課は、
主要拠点と、活動についての情報共有など、協力体制を構築
さまざまなステークホルダー の声を取り入れるため 、社内外
しています。さまざまなCSR の課題について社外有識者との
の会合などでの情報収集や対話を積極的に行っています。ま
対話を行い 、その内容を「対話で考える CSR 」として大和証
た、新入社員合同研修において 、CSR についての講義を行
券グループ本社 CSRウェブサイトに公開しています。
財団
大和証券グループ本社
代表執行役
対話
執行役
指揮・命令
報告
広報部 CSR 課
対話
ステークホルダー
情報発信・啓発
お客様
株主
取引先
政府
NPO / NGO
地域社会
相談・報告
各部署
大和証券グループ 年次報告書 2014
ディスクロー ジャー
対話
経営管理態勢
CSR 推進体制
グループ各社
経営戦略
そして、社員が高いモチベーションで仕事に誇りを持って行動
「社会への貢献 」
大和証券ヘルス財団
大和証券福祉財団
大和日英基金(英国)
大和日緬基金(ミャンマー)
ステー クホルダー の皆様へ
大和証券グループ企業理念
大和証券グルー プ概要
大和証券グループは、投資家の資産形成や企業活動の支援といった日々の業務を通じて、社会およ
50
経営管理態勢
CSR への取組み
証券ビジネスを通じて
大和証券グループの主要事業である証券ビジネスは、企業
当社グループでは、企業の株式投資に際して、財務情報の
や政府の資金調達のニーズとさまざまな投資家の資金運用
みならず環境面や社会面の取組みなど 、企業の社会的責任
のニーズを結びつけるという社会的役割を担っています。
も評価に加味する投資手法を推進しています。また、
( CSR )
資金調達サイドにおいては、株式・債券などの有価証券の
近年は、社会的課題を解決するための用途に対し、直接的に
発行や証券化商品の組成などを通して 、企業の設備投資や
投資を行う「インパクト・インベストメント」と呼ばれる投資手
研究開発資金、国や地方自治体 、国際機関・公共法人などの
法を用いた金融商品の組成・販売に注力しています。経済的
事業資金の調達ニーズに対して、アドバイスや資金調達実行
な利益を追求すると同時に、社会的課題の解決を図るこれら
のサポートをしています。
商品の組成・販売により、金融機関の立場から社会への貢献
資金運用サイドにおいては、個人・法人や機関投資家・年金
を図っています。
基金などの資金運用ニーズに対して、適切な投資情報 、アド
バイス、多様な金融商品およびサービスを総合的に提供して
社会的責任投資( SRI )への取組み
います 。
SRIとは、企業の株式投資に際して、財務情報のみならず
このように証券ビジネスは 、主に金融・資本市場を介して
環境面や社会面の取組みなどを評価に加味する投資の手法
資金の需要と供給を結びつけることにより円滑なお金の流れ
です。また、株主として、社会的課題への取組みや倫理的行
をつくり出し、社会的課題を解決する事業や新たな技術開発
動を行うように企業に働きかけることも含まれます。
などに資金を回すことで持続可能な発展に貢献するという
役割と責任を担っています。
大和証券グループの SRI 投資信託とインパクト・インベストメント債券の歩み
SRI 投資信託のシェア
大和証券販売額
554 億円
*1
2014 年
18 %
「ダイワ新スマートグリッド関連株ファンド」
●「ダイワ・ニッポン応援ファンドVol.3 」
●「大和マイクロファイナンス・ファンド」
●
総額 3,017 億円
*2
2012 年
「ダイワ/ブラックロックグリーン・
ニューエネルギー・ファンド」
●「環境ビジネス日本株オープン」
●「次世代環境ビジネス・
ファンド」
●
201 1 年
2010 年
2009 年
「JICA 債 」
「エコロジー・ボンド」
●「ワクチン債 」
●「中南米 子育て支援債」
●
●
「グリーンボンド」
「ウォーター・ボンド」2回
●
2013 年
●
「JICA 債 」
「エコロジー・ボンド」
●「女性の力 応援ボンド」
●「アグリ・ボンド」2回
●「ウォーター・サポート
・ボンド」
●「マイクロファイナンス
・ボンド」
●「ワクチン債 」
●
●
「JICA 債 」
「マイクロファイナンス・ボンド」
「グリーンボンド」
●「アグリ・ボンド」
●「ウォーター・ボンド」
●
「マイクロファイナンス・ボンド」
(IFC)
●「ワクチン債 」
●
「エコロジー・ボンド」2 回
●「マイクロファイナンス・ボンド」
(IFC)
●「アフリカ 教育ボンド」
●「中南米 子育て支援債」
●「マイクロファイナンス・ボンド」
(EBRD)
●「ウォーター・ボンド」
●「ワクチン債」
●「グリーン世銀債」
●
●
●
個人向けインパクト・インベストメント
債券のシェア
大和証券販売額
5,654億円
*1
59 %
総額 9 , 578 億円* 1
*1 大和証券調べ
*2 大和ファンド・コンサルティング調べ
(2014 年 3月末現在)
大和証券グループ 年次報告書 2014
51
「女性の力 応援ボンド」を初めて販売
2013 年 11 月、国際金融公社( IFC )が国際機関による女
壊や途上国の貧困など 、人類の存続を脅かす可能性がある
性をテーマとした日本で初めての債券「女性の力 応援ボンド」
ような課題など、従来の SRI 投資に比べて、投資が及ぼす直
を発行し、大和証券が主に個人投資家向けに販売しました。
接的な社会的インパクトを重視する点に特徴があるのがイン
本債券により調達した資金は IFCを通じて、途上国の女性起
パクト・インベストメントです。経済的な利益を生むだけでな
業家に対する融資事業に活用されます。
く、貧困や環境問題などの社会的な課題に対して解決を図る
「女性の力 応援ボンド」の発行に先立ち、2013 年 6 月に
用途に限定して資産を運用する投資の方法です。
は、IFC 、大和証券および NPO 法人 社会的責任投資フォー
当社グループでは 、これまでにさまざまな種類のインパク
ラム共催「アフリカにおける女性のエンパワーメント支援とイ
ト・インベストメント債券を販売しており、社会的課題の解決を
ンパクト投資」セミナーを行いました。当日は 、パネルディス
金融機関の立場からサポートしています。
カッション・講演を通じ、日本ではまだあまり知られていない
2013 年度は、9 銘柄計 1,152 億円のインパクト・インベスト
アフリカでの貧困ビジネスの実例と、女性が主導するビジネス
メント債券を販売し、国内累計販売額は、2014 年 3 月末現在
の実際の様子を紹介しました。
9,578 億円、うち大和証券の販売額は 5,654 億円(大和証券
となっています(大和証券調べ)。
のシェアは 59%)
日本初のヘルスケア施設特化型投資法人
大和リアル・エステート・アセット・マネジメントは 、高齢化
社会が進行するなか 、日本初のヘルスケア施設特化型投資
経営戦略
「日本ヘルスケア投資法人」の設立
ステー クホルダー の皆様へ
ための商品を組成・販売してきました。地球規模での環境破
大和証券グルー プ概要
当社グループでは、社会的視点を持った投資を普及させる
法人「日本ヘルスケア投資法人」を2014 年 1 月に設立しまし
た。医療、介護関連施設への不動産投資で実績を持つ投資
事業会社のエイ・アイ・ピー・ジャパンをアドバイザーとし、投
資対象は 、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅など
の高齢者施設・住宅のほか、病院やメディカルモールなどの
医療施設で、運用開始時の資産規模は約90 億円としています。
共催セミナー開催
同年 3 月より運用を開始し、東京証券取引所への上場を目指
個人向け国際協力機構債券( JICA 債)は 、数少ない国内
しています。
発行体によるインパクト・インベストメント債券で、個人を中心
一般財団法人 大和日緬基金
会を提供しています。
大和証券グループは、2013 年 4 月 1 日、ミャンマー の国民
JICA は2011 年 12 月より毎年 、個人向けJICA 債を発行し
生活向上や持続的経済成長のために不可欠な人材の育成
ており、2013 年も12 月に発行しました。大和証券では初回
などを目的に、一般財団法人 大和日緬基金を設立しました。
起債より3 年連続で事務主幹事を努め、本債券の普及と販売
ミャンマー政府の若手幹部職員に日本留学の機会を与える
に取り組んでいます。
奨学金事業を開始するなど 、将来のミャンマー資本市場の
2013 年度はJICA 債の発行にあわせて複数の支店でJICA
中核を担う人材の育成に力を入れています。同年12月2日には、
との共催セミナーを実施し、インパクト・インベストメント債券
ミャンマー会計士協会と会計士の人材育成支援の協力に関する
の現状と、JICA の活動内容などについてプレゼンテーション
覚書を締結しました。
を行いました。
大和証券グループ 年次報告書 2014
ディスクロー ジャー
としたお客様に JICA が行う国際協力につながる投資への機
経営管理態勢
個人向け「 JICA 債」の主幹事を 3 年連続で獲得/
52
経営管理態勢
CSR への取組み
ミャンマー資本市場育成支援
被災地の未上場企業を支援するファンドを設立
大和総研は、2012 年 5 月にミャンマー中央銀行 、東京証券
大和企業投資では、独立行政法人 中小企業基盤整備機
取引所グループ
(現:日本取引所グループ)
と、ミャンマーに
構、七十七銀行、岩手銀行、東邦銀行および青森銀行などか
を締結しました。
おける証券取引所設立に係る覚書( MOU )
らの出資を受け「東日本大震災中小企業復興支援投資事業有
ミャンマーの企業に資金調達の場を提供し、投資家の資産形
限責任組合」を組成しました。
成を可能とする証券取引所を2015 年に開設するプロジェクト
この投資ファンドは、被災地域の未上場企業に対する機動
で 、以来 、政府関係者への提言活動やミャンマー でのセミ
的なリスクマネーの供給を通じて、被災からの復旧・復興、新
ナー開催 、同国からの研修生受入れ 、といったさまざまな取
事業展開、転業、事業の再編、継承など、または起業によって
組みを行っています。
新たな成長・発展を目指す企業を積極的に支援することによ
2013 年 4 月8 日には、ミャンマー有数のIT 企業であるACE
り、より早期の被災地域の復興と持続的発展に貢献することを
Data Systems Ltd.( 以 下、ACE 社)と、ミャン マーに IT
サービスを提供する合弁会社 DIR-ACE Technology Ltd.
を設立しました。ACE 社はミャンマーで銀行システムも手掛
けており、大和総研は ACE 社に対し、2010 年 12 月より証券
目的としています。大和企業投資ではこのファンドを運営する
ために新たに東北支社を設立し、当社グループの広範なネット
ワークの活用はもとより、中小企業基盤整備機構および地域
金融機関などと密な連携を図り、投資先企業の成長を支援し
業務にかかわるシステム開発を中心に委託し、協力関係を築
ていきます。
いています。
すでに、水産加工業、造船業などの被災企業への復旧・復
2013 年 5 月 31 日には 、ミャンマー中央銀行と「 IT 分野の
興投資から完全人工光型植物工場、次世代の結線用新素材
支援に関する覚書」を締結し、その一環として 、大和総研よ
開発などの大学発ベンチャー企業への投資も開始しており、投
り、同行に対しパソコンとクラウド環境を提供しました。さらに
資先、投資見込先からの生の声・要望を自治体・中央官庁の
1,000 台以上のパソコンを提供する予定で、これにより、同行
東北本部に伝えるとともに、公的機関の政策と各種補助事
のほぼすべての行員へパソコンが行きわたることになります。
業、国からの専門家派遣制度やビジネスマッチングの活用法
また、ミャンマーのヤンゴン市内に最新鋭のコンテナ型サーバ
を投資先などに伝達することにより、復旧・復興企業の一日
ルームを設置することに関する合意もなされています。
も早い復興とベンチャー企業の成長を加速することに注力し
当社グループでは、今後もグループの総力をあげてミャン
ています。
マーの資本市場育成を支援していきます。
メガソーラープロジェクト
大和PI パートナーズは、2012 年7 月の再生可能エネルギー
固定価格買取制度の開始から、当社グループのネットワーク
を活用し、再生可能エネルギー事業への投資案件発掘を積極的
に行い 、現在複数のメガソーラープロジェクトに取り組んで
います。
そのうち、香川県観音寺市のメガソーラー発電所について
は、2014 年 4 月より電力の供給を開始しました。また、北海道
釧路市では、2014 年 4 月にメガソーラー発電所 2ヵ所の工事
に着手しました。
大和証券グループ 年次報告書 2014
53
社員とのかかわり
大限に高めることが 、お客様の満足度の向上、ひいては株主
時間軸で行っています。
価値の向上につながると考えています。社員一人ひとりが働
また、意欲と能力の高い役職員が定年後も活躍できる制度
きがいを感じるとともに、その家族や関係者を含め 、当社グ
として「大和マスター制度」がありますが、上席アドバイザーの
ループの一員であることを一層誇らしく思える会社を目指し、
場合には最長 70 歳まで勤務できます。高齢化社会を見据えた
さまざまな施策を実施しています。
国内の動向に先駆けて 70 歳まで延長することで 、より経験
また、企業理念をもとに、創業以来築き上げてきた企業文化
豊かな人材の活用を進め、顧客へのきめ細かな対応や若手の
に含まれている
“大和らしさ”
を表わす基本的な考え方や心構
育成につながるような体制を整備しています。
えを整理し、
「大和スピリット」として明文化して共有しています。
「大和スピリット」を通じて、社員の一体感・連帯感、そしてグ
ループの総合力をより一層高めていきたいと考えています。
人材の育成とスキルアップ
当社グループにとって競争力の源泉は「人材」です。経営ビ
ジョンに掲げられている「日本に強固な事業基盤を有し、アジ
アを代表する総合証券グループ」を実現するプロフェッショナ
当社グループでは、社員一人ひとりに入社から定年まで高い
ル集団を目指し、人材育成に注力しています。特に、社会人と
ロイヤルティとモチベーションを持って働いてもらいたいと考え
して、大和証券グループ社員としてスタートをきる入社時から
ています。会社に対して信頼や誇りを感じ、社員同士が連帯感
の基礎教育が最重要と位置付け、研修プログラムを充実させ
を持って働けるように、新卒採用では、障がい者も含めて全員
ています。基礎的な知識・スキル習得はもちろん、企業理念や
を正社員として採用しています。2014 年 4 月1 日には610 名の
新入社員が入社しました。
CSRなどさまざまなカリキュラムを実践しています。
また、当社グループのCSR 重要課題でもある、健全な金融・
また、多様な個性が活躍できる環境を整えることは優秀な人
資本市場の発展のために、まず社員から企業倫理やコンプラ
材の確保につながります。
「アジアを代表する総合証券グルー
イアンスを徹底することが重要と考え、定期的に情報セキュリ
プ」となるために、グローバルに活躍できる人材の確保にも積
ティ・コンプライアンス研修を実施しています。
経営戦略
雇用・採用における取組み
ステー クホルダー の皆様へ
る地域に赴任して地域密着型のコンサルティング営業を長い
大和証券グルー プ概要
大和証券グループは、社員一人ひとりのモチベーションを最
極的に取り組んでいます。
グループ共通の方針にもとづき、それぞれの段階に応じて
現在、約 170 名の障がいがある社員が、当社グループの本
社員研修を実施しています 。グループ合同での研修機会を
部、営業店、コンタクトセンターなどで幅広く活躍しています。
充実させ、グループ社員同士の横のつながりや連帯感の醸成
としての新卒採用を開始し、
2008 年度から正社員(業務職)
を図っています。
さらに 2011 年度からは募集する職制を総合職 、エリア総合
大和証券においては 、2013 年度下期から専門性向上を
職およびカスタマーサービス職に拡大しています。また、新
目的としたプログラムを新設し、社員の一層のスキルアップを
卒向け会社説明会の開催や各種合同企業説明会への参画の
支援しています 。また 、管理職向けには 、組織の生産性を
ほか、障がいがある大学生の就職活動支援も実施し、採用機
さらに高めるべくマネジメント研修を拡充しました。
会を積極的に増やしています。
新入社員教育として 、2013 年度より専任インストラクター
入社後も、総合職・エリア総合職への職制転向の機会を設
による「アネックス教育」をエリア総合職新入社員にも実施し
けるなど、社員のキャリアアップを支援しています。
たほか、
「チューター制度」を入社 2 年目の社員まで拡大する
など、若手教育の環境整備・制度拡充を図っています。
ベテラン層の活躍支援
豊富な経験を持つベテラン層が活躍する場として 、
「上席
アドバイザー制度」があります。上席アドバイザーは、希望す
大和証券グループ 年次報告書 2014
ディスクロー ジャー
障がい者の採用
経営管理態勢
教育・研修制度
54
経営管理態勢
CSR への取組み
資格取得支援
働きやすい職場環境への取組み
当社グループでは、グローバル化や 、アジア重視の企業戦
ワーク・ライフ・バランスの推進
略に鑑み、社員の英語力向上に取り組んでいます。また、大和
当社グループでは 、「高次元のワーク・ライフ・バランスの
およ
証券では、ファイナンシャルプランナー資格( AFP・CFP )
実現」を目標に掲げ、仕事と生活の調和の取れた働き方の追
び証券アナリスト資格を証券業務コア資格と位置付け、取得を
求と、男女ともに多様な働き方ができる職場環境の充実を目
推進しています。特にCFPについては「業界最高水準の取得
指し、ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んでいます。
者数」を目指しています。ほかにも、各種資格取得のための費
多様な働き方を実現するための制度を整備するにとどまら
用補助など、専門スキルを高めてプロフェッショナル人材とな
ず、19 時前退社の徹底や年休取得の促進、家族の職場訪問
るための手厚いサポートをしています。
など、社員の意識改革にグループをあげて取り組んでいます。
育児や介護の両立支援においては法定以上の制度を導入
評価制度
しています 。2012 年 度からは 、仕 事と育 児の両 立 支 援に
すべての社員がモチベーション高く働き続けるためには、よ
関するアンケートを全社員向けに実施し、制度の利用状況・
り公正で納得性の高い評価が行われることが重要です。大和
要望の把握に努め 、すべての社員が働きやすい環境を整備
証券グループでは、マネージャーを対象に配下社員や関係部
しています。育児休職から復職する際には、事前に本人と部室
署が評価する「多面評価」を実施しています。これは、日常の
店長が面談を行い、スムーズに職場に復帰できるようサポート
業務推進における職務行動を配下社員や関係部署が評価し、
しています。また育児休職中も、それまでの実績などを正しく
その結果を本人にフィードバックすることで、マネジメント能力
評価し、昇格の対象としています。
の向上やグループ全体での生産性向上につなげることを目的
優秀な人材が当社グループに集まり、多様な成果を上げる
とするものです。コンプライアンス面の実績も加味した総合的
集団となるために、今後も取組みを推進していきます。
な評価を行っています。
また、入社年次を問わず、若手・中堅・ベテランのすべての
層がより高いステージや責任の大きいポジションで頑張りたい
と思えるような評価体系を目指しています。
ワーク・ライフ・バランス推進 、女性活躍支援の主な取組み例
制度名
プロフェッショナルリターンプラン
(営業員再雇用制度)
制度の概要
結婚・出産などの理由により退職した正社員に対し、再雇用する道を提供する
勤務地変更制度
結婚・配偶者の転勤などの理由により転居が必要な場合に、転居先で就労場所を提供する
育児休職制度
3 歳に達する前日まで取得可能とする
所定時間外労働免除・制限
子どもが小学校 3 年修了までの期間、所定時間外労働の免除を申請可能とする。また小学校卒業までの期間、所定時間外
労働の制限を申請可能とする
保育施設費用補助制度
子どもが小学校入学までの期間、保育施設にかかる費用を補助
休暇制度の充実
結婚準備休暇やファミリー・デイ休暇(家族の親睦を深めるための休暇)を定め有給休暇取得を促進
制度利用のフォローアップ
従業員個々の育児関連スケジュールを把握し、人事部から制度利用をタイムリーに案内
職場復帰のサポート
育児休職からの復職サポートを体系的に実施。2011 年度は復職サポートガイドラインを改訂。育児や介護に関するさまざ
まなサポート制度や情報を掲載しているワーク・ライフ・バランス推進サイト「ダイワWLB ステーション」 を通して各種情報
提供を行い、復職時に円滑な職場復帰ができるよう配慮
大和証券グループ 年次報告書 2014
55
当社グループは、「企業理念」、
「人権教育・啓発推進法」、
しています。公正な評価にもとづく登用を進め 、多様な人材
「 国連グロー バル・コンパクト」および「 ISO26000 」などを
が能力を最大限に発揮できる環境を整備することが企業価値
受け、人権の尊重を基本理念とする企業文化のさらなる向上を
向上につながると考えています。
目指し、人権教育・啓発への取組みを一段と強化しています。
女性マネジメント層のさらなる拡大を図るため、活躍している
1984 年に「同和問題をはじめとするあらゆる人権問題の
女性社員をロールモデルとして社内報で積極的に紹介したり、
正しい理解と認識を深めるため、人権啓発活動や研修を推進
全社横断的なコミュニケーション機会を提供するなど 、より
する」という目的で設立された「 人権啓発推進委員会」は 、
本人の意欲に働きかける取組みも行っています。
現在、大和証券グループ本社人事担当役員が委員長に、人事
社内のワーク・ライフ・バランス推進サイトでは、キャリアに
副担当役員および人事部長が副委員長に就任し、総務部長、
関する相談窓口を設置し、女性役員や女性部室店長が後輩
コンプライアンス統括部長 、広報部長など 5 名の部長が委員
女性社員からの悩みや相談に対応しています 。女性役員は
を務めています。また、委員会の下には当社グループ全部室
大 和 証 券グ ループ 本 社 の 取 締 役・執 行 役 の 2 名を含 め、
店長が推進員として組織されています。なお、2011 年 5 月、
グループ全体で取締役・執行役・執行役員として 6 名を登用
委員会は「人権・同和問題への取り組みの基本方針」を改定し、
しています。女性管理職数は年々増加し、2013 年度末の時点で
これを公表しています。
はグループで221 名となっており、女性管理職比率はグループ
2013 年度は、グループ新入社員への集合研修や 、部長・
で 10 年 前(2004 年 度 末)の 2.2% から5.4%(大 和 証 券では
次長・課長代理昇格者に対して研修を実施しました。また 、
2.3% から6.3% )まで上昇しています。ロールモデルの増加
グループ全役職員を対象とした教材ビデオを視聴後、部署ごと
により、女性がキャリアを描きやすくなり、近年 、総合職・エリ
にディスカッションを行う「人権啓発研修会」、広く人権に関する
ア総合職への職制転向を通じてキャリアアップを目指す女性
意識の浸透を図ることを目的に、グループ役職員およびその
社員が大幅に増加しています。総合職などへの職制転向者
家族を対象とした「 人権啓発標語」の募集も実施しました。
は2009 年度から2013 年度の過去 5 年間で約 850 名となって
初めての試みですが 、部室店長および管理職を対象とした
います。近年では、プロフェッショナルリターンプラン
(育児・
パワーハラスメントを教材とした「ビデオ研修」も行いました。
「 人権・同和問題への取り組みの基本方針」
なる制度)
を利用する社員も増えており、ビジネスを支える優
秀な人材の確保につながっています。
今後も、日本の金融界をけん引する女性リーダ ー輩出に
向け、女性マネジメント層の拡大を図っていきます 。
1
れている人権の擁護を支持・尊重し、人権の侵害に加担しない。
2
当社グループの人事施策に関するさまざまな取組みに対し、
●
厚生労働省主催「キャリア支援企業表彰2013∼人を育て・人
が育つ企業表彰∼」厚生労働大臣表彰を受賞(2013 年10月)
●
厚生労働省主催「 第 2 回健康寿命をのばそう!アワード」
厚生労働大臣優秀賞を受賞( 2013 年 11 月)
●
経済産業省主催「ダイバーシティ経営企業 100 選」に選出
また、同時に人権・同和問題を他人事ではなく自らの問題として捉
え、他人の心の痛みに共鳴できる感性を醸成する。
4
人を大切にし、差別のない公正な職場環境を維持する。
5
社員一人ひとりが偏見を持たない社会人になる。
具体的な活動内容として
1
あらゆるステークホルダーの人権を尊重し、地域社会や顧客に対しす
べての社員が高い人権意識をもち応対する。
2
公正な採用選考・人事考課・労務管理を徹底する。
3
グループ内の人権教育・啓発活動を一段と充実させ、研修を計画的
に実施し、その結果をフィードバックする。
(2011年 5月18 日 人権啓発推進委員会)
(2014 年 3 月)
大和証券グループ 年次報告書 2014
ディスクロー ジャー
外部より評価されました。
大和証券グループ社員に対し、人権・同和問題に関する正しい知識
の教育・啓発活動を行う。
3
外部評価
大和証券グループは、その影響の及ぼす範囲内で、国際的に宣言さ
経営管理態勢
介護などを理由に退職をした社員が、同じ処遇条件で再雇用と
経営戦略
当社グループでは、男女問わず優秀な人材を積極的に登用
ステー クホルダー の皆様へ
人権教育・啓発への取組み
大和証券グルー プ概要
女性活躍の推進
56
経営管理態勢
CSR への取組み
環境への配慮
生活基盤である地球環境を守ることは、持続可能な社会形
気候変動への取組み
成に欠かせません。大和証券グループでは 、社会の環境負
当社グループでは 、事業活動を通じて気候変動問題の緩
荷を低減する商品開発や、環境技術、インフラ整備のための
和に向けた官民連携を推進し、さまざまな取組みやサービス
資金調達をサポートするなど、事業を通して環境課題の解決
の開発を実施しています。
に貢献していきます。また、自らの事業活動では 、環境負荷
低減に向け、効率的な環境負荷データの収集態勢を整えるこ
途上国における気候変動対策プロジェクトの資金調達
と、社員一人ひとりの環境意識向上を図ることを継続的に進
途上国の気候変動対策プロジェクトに必要な資金調達の
めています。
サポートをしており、
「グリーンボンド」などの売出しを通じて、
環境ビジョン/環境理念/環境基本方針
日本の投資家のリスクマネーを途上国の再生可能エネルギー
などに提供しています。
環境ビジョン
大和証券グループは、かけがえのない地球環境を将来世代へ引き継ぐた
め、本業である金融機能を活用して貢献する。
大和総研ビジネス・イノベーションでは、埼玉県が推進する
環境理念
私たちは、21 世紀の持続可能な社会の形成に向けて、「地球温暖化の
防止 」
「資源の循環的な利用」
「生態系の保全 」等の重要性を認識し、
「金融業務を通じた環境課題解決への貢献 」に努めるとともに、企業市
民としても、継続的に環境負荷低減に努めます。
本業を通じた環境への取組み
低炭素社会、循環型社会、共生型社会の実現に向け、金融商品・サ
ービスの開発・提供に努めます。
2
エコタウンプロジェクトの一環として、
「 HEMS * インフラを活
用した行政サービスの提供」を行っています。住宅に本システ
ムを設置し、各家庭のエネルギー使用状況を分析しながら、エ
ネルギー管理と効率的な行政サービスの提供を検証します。こ
環境基本方針
1
埼玉エコタウンプロジェクト実証事業に参画
環境管理態勢の整備・運営
環境管理態勢を整備し、環境活動の継続的改善に努めます。また、環
れらのインフラを活用して 、住民サービスの向上と環境配慮
型都市づくりを支援しています。
*Home Energy Management System の略で、家庭における電気などのエネルギー管理
(表示・制御)
を支援するシステム
境教育、啓発活動を実施し、社員の環境保全意識の向上に努めます。
3
省資源・省エネルギー・生態系保全への取組み
省資源、省エネルギー技術やシステムの導入、効率的な利用(業務の
効率化も含む)の推進に努めます。また、節水、リデュース(廃棄物等
本支店における取組み
発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)に取り組み、
大 和 証 券では 、本 支 店の設 備を更 新する際、トップラン
循環型社会の実現への貢献に努めます。さらに、生物多様性への配
ナー基準の製品を指定しています。また、本支店において使
慮、環境との共生等を目指し、グリーン調達の推進等に努めます。
4
事業活動における環境負荷低減に向けた取組み
環境コミュニケーションの推進
環境に関する情報の積極的な開示に努めるとともに、お客様をはじ
について、今後数年間で、
用している乗用車(合計約 900 台)
エコカー・ハイブリッド車に置換する方針を決定しました。
め、社会との幅広いコミュニケーションを図り、取引先、地域コミュニ
ティ、NGO・NPO 等との連携と協働に努めます。
5
環境に配慮したサービスの提供
環境関連法規制等の遵守
環境関連法令・規則をはじめ自社の環境方針等を遵守し、 環境保全
に努めます。
株式会社大和証券グループ本社
執行役社長(CEO) 日比野 隆司
(2012 年 5月22日)
大和証券では、お客様に交付する報告書類(取引残高報告
書や取引報告書など)
について 、書面での交付に代えて 、パ
ソコン上で確認できる「 eメンバー 」サービスを提供していま
す。電子交付により受領された報告書類は、原則として交付
後 5 年間はいつでもインターネット上で確認でき、必要に応じ
てパソコンに保存したり、印刷することも可能です。
大和証券グループ 年次報告書 2014
57
社会とのかかわり
大和証券フェニックスジャパン・プログラム
をはじめ、地域社会と連携しさまざまな取組みを行っています。
2012 年 5 月、東日本大震災の被災地域における社会基盤
また、東日本大震災の被災地における復興支援など、災害支
の再建に向けた復興支援プログラムを設立しました。大和証
援活動も継続して推進していきます。
券が販売する投資信託「ダイワ・ニッポン応援ファンドVol.3
経済・金融教育への取組み
―フェニックスジャパン―」からの信託報酬の一部を認定特定
非営利活動法人 日本 NPO センター の「東日本大震災現地
います。
できるようプログラムを推進していきます。
当社グループは、3 歳から中学生までの子どもを対象とした
職業体験型テーマパーク「キッザニア」に協賛し、東京・甲子
子どもたちに「社会のしくみ」や「お金の大切さ」、金融イン
フラとしての「証券会社の機能」を学ん
大和証券グループ津波復興基金
でもらいながら、金融教育の向上に貢献
2004 年 12 月に発生したスマトラ沖地震・インド洋津波の被災
することを狙いとしています。
地の復興支援策として、
「大和証券グループ津波復興基金」を
ファイナンス・パーク
総額 1 億円を拠出する長期的な支援で、インドネシア、スリラン
ジュニア・アチーブメント日本が、中学生向けの生活設計実
カ、インドの被災 3ヵ国で、4 分野(子どもの心のケア、マイクロ
技演習の場として、品川および京都に開設し、新たに2014 年
ファイナンスの活用、子どもに対する教育機会の提供、被災者間
5 月いわき、同年 8 月仙台に開設する予
の交流・協力活動の推進と経験・情報の共有と普及)
で支援活
定です。当社グループは、施設の開設
動を行う現地 NPOに助成金を提供しています。一過性の義援
資金と出店費用ならびに人的サポート
金ではなく長期の復興支援策であることや、公益信託、マイクロ
で、特別協賛しています。
ファイナンスなど、金融システムを活かした支援であることが外
スチューデント・カンパニー・プログラム
高校生が学校のなかに会社を設立するプログラムで、当社
グループでは社外取締役として社員を派遣し協力しています。
経営管理態勢
部より評価され、さまざまな取組みに広がりをみせています。
経営戦略
設立しました。2005 年度から10 年間にわたり、毎年1,000 万円、
ステー クホルダー の皆様へ
園の両施設にて「証券コンサルティング」パビリオンを出展して
NPO 応援基金(特定助成)」を通じ、現地で支援活動を行う
NPOへ助成するものです。2013 年5月、基金への寄付( 4,987
万円)
を行い、第 2 期助成を実施しました
(助成件数 9 件、助成
。今後も引き続き長期的かつ安定的に活動
総額 3,503 万円)
キッザニア
大和証券グルー プ概要
大和証券グループは、よき企業市民として、経済・金融教育
参加者は、同プログラムを通して会社経営や世の中の仕組
みを学びます。2013 年度は東京都立高校のプログラムを支援
しました。
当社グループでは、初心者を対象に金融に関する考え方や
お金に関する計画、経済の基礎知識などをテーマにしたセミ
ナーを開催しています(手話・文字通訳付)
。持続可能な社会
形成に向けての一助となることを目指し、
2013 年から2014 年にかけて、全 5 回の
シリーズで開催し、延べ 363 名の参加が
ありました。
震災復興の活動報告イベントを開催
2013 年 8 月、
「震災復興を支える人たちを結
ぶ−スマトラ沖地震と東日本大震災−」
と題し、
当社グループで支援しているスマトラ沖地震と
東日本 大 震 災 の、2 つの 震 災 被 災 地を結 ぶ
フォーラムを開催しました。
「津波復興基金」
と
「フェニックスジャパン・プログラム」
の運営担当者による活動報告と、復興
庁や助成先団体のリーダーが集まり、パネルディスカッションを行いました。
当日は、企業の災害支援や国際協力などに関心を持つ104 名が来場し、ノウ
ハウの共有とこれからの支援のあり方について話し合いました。
大和証券グループ 年次報告書 2014
ディスクロー ジャー
初心者のための金融教室
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