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炭窯の修理を行いました
炭 窯 修 理 の 報告 (2013 年 9 月 22 日受付) 特定非営利活動法人 いせはら森の会* 1.はじめに いせはら森の会では三浦標準黒炭窯とよばれる窯を用いて製炭をおこなっている。窯の寸法は窯内部 の最大長さ 2.4m、最大幅 1.9m、最大高さ 1.2m で 1 回の製炭量は 120~160kg である。 今年 6 月 23 日に窯(平成 12 年 4 月から使用)の天井の一部が崩落したため、 全面修理に取り掛かった。 修理が完全に終了したとは言えないが、窯の天井のコンクリート打ちが終え一段落したのでこれまでの 経緯を簡単にまとめることにした。 2.修理作業日誌 天井崩落直後から炭窯修理のための調査・研究・ミーティングを開始し、以下に示すような作業を経 て窯の一応の修理を終えた。なお、ここでは資材の調達、道具の搬入などの会員の活動については割愛 し、また作業内容を記述した行末には作業に参加した人数を示した。 8 月 19 日(月) 炭窯の天井の全面除去 2人 8 月 21 日(水) 暗渠埋設 3人 8 月 22 日(木) 炭窯外縁部の整地 4人 8 月 24 日(土) 炭窯外縁部の突き固め 3人 9 月 06 日(金) 炭材詰め 11 人 9 月 12 日(木) 炭窯外縁部にコンクリート,鉄筋止め用フック埋め込み 11 人 9 月 19 日(木) 窯の天井と外縁部にコンクリート打ち 4人 9 月 22 日(木) 窯の天井と外縁部にモルタル塗り 9人 3.購入資材とその費用 窯の修理に用いた資材と費用を下に示す。ただし会員が調達したコンクリートの流れ止めに必要な外 枠用合板や大石、コンクリートの天井を支える畳表などは記入していない。 大谷石(0.3m×0.15m×1.00m) 砂(1.25 立米) 砂利(0.5 立米) 1本 5,000 円 22,195 円 セメント(300kg) 鉄筋(5m 7 本) 格子状網(1m×2m 2 枚) スペーサー(32 個) 3,581 円 結束線(100 本) 束子(2 個) カスガイ(2 本) 1,476 円 1,590 円 ガソリン(10L) コンクリートミキサー用 総計 33,842 円 ―――――――――――――――――――――――――――――― * 平成 15 年発足、23 年 1 月、特定非営利活動法人の認証を受ける(代表者:仲野三男).里山の再生・ 保存事業を行い環境保全に寄与することを主目的としている。 URL: http://www.isehara-midori.net/pages/satoyama.htm 事務局 〒259-1131 伊勢原市伊勢原 4-632-1 石坂昭夫 E- Mail: [email protected] 4.修理の様子を示す写真 天井を全撤去した窯と暗渠の埋設 金網と鉄筋の組立 木材が詰められた窯と枠で囲まれた窯の外縁部 コンクリートで蔽われた窯の天井と外縁部 5.あとがき 会員の協力のもと、修理作業開始から約 1 月延べ人数 47 人、費用総額約 3.5 万円をかけ窯の成形作 業を終えることができました。しかしながら、窯の形成に耐火セメントではなく普通セメントを使用し たため窯の耐用年数が懸念されます。 コンクリートが十分乾くと思われる 2 か月後に、窯の天井成形のために入れた材木(炭材)を炭化ある いは燃焼させその結果がよければ窯の修理が完了したといえます。 なお、修理の際「湘南二宮・ふるさと炭焼き会」から頂いた資料 1) を大いに参考させていただきまし た。紙面を借りて謝意を表します。 また、快くコンクリートミキサーなどを搬入・貸与していただいた南雲会員にお礼を申しあげます。 参考文献 1) 神奈川県林業試験場:製炭のしおり―古くて新しい炭焼き―(1992 年 3 月) 2) 立木英機:おもしろい炭のはなし 日刊工業(2000 年), pp.156