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大統領の国民との直接対話の結果

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大統領の国民との直接対話の結果
大統領の国民との直接対話の結果
2015 年 4 月 17 日 エカテリーナ・シネリシチコワ
ウラジーミル・プーチン大統領は、13 回目となる毎年恒例の国民との直接対話
を行い、4 時間以上にわたって国民の質問に答えた。専門家らは、「集団セラ
ピー」は円滑に行われ、大統領は自分の有権者を安心させた、と見ている。
プーチン大統領:日本自身がロシアとの対話を停止した
 「国民との直接対話 2016」
 ロシア国家警備隊は海外任務も

タグ
プーチン, 国内, ウクライナ危機
4 月 16 日、木曜日、ウラジーミル・プーチン大統領は、13 回目となる毎年恒
例の国民との直接対話を行った。事前の予想どおり、多くの質問は、経済に関
するもので、ウクライナとの関係は、二の次だった。ロシア NOW の取材に応
じた専門家らによれば、ウクライナ疲れといったものがあり、今は国内の危機
のほうがはるかに重要であり、大統領は、ルーブル高と石油の値上がりを背景
に「集団セラピー」を上首尾に行うことができた。
紛争は二義的
しかし、ウクライナのテーマを完全に避けることはおそらくできなかったで
あろう。国民は、依然として、隣国との紛争の影響ばかりでなく、紛争の激化
の可能性にも懸念を抱いている。プーチン氏は、戦争の可能性に関する質問に
答えて、「それはありえないものと考えている」と語った。プーチン氏は、ま
た、「失敗した」のはロシアのウクライナ政策ではなく、民族主義的な勢力が
その問題を利用したウクライナ自体であるが、ウクライナ人とロシア人は依然
として「一つの民族」である、もっとも、今ロシアは、ウクライナからせめて
敬意を示してもらうことのほかは何も期待していないが、と述べた。
もっと読む:
ロシア政府寄りの政治研究所のセルゲイ・マルコフ所長は、「ロシア人とウ
クライナ人は単一の民族であるという立場は、戦略的な影響をもたらす」と考
えているが、同氏によれば、ウクライナ方面における失敗を否定することは、
「ウクライナをアメリカに事実上占領された国とみなしている」人たちを満足
させず、それが、不満の感じられた唯一のテーマだったという。独立専門家グ
ループの代表であるコンスタンチン・カラチョーフ氏も、「アメリカのテーマ
は、今回はかなり穏やかに好意的にさえ扱われた。ロシアにはテロリズム以外
に敵はない、といったふうに」と述べる。
一方、独立系の政治学者であるドミトリー・オレーシキン氏は、大統領は、
それは「ウクライナの内政問題」であるとして、ウクライナ紛争に対する責任
を自ら負うまいとしている、と考えている。すなわち、プーチン氏は、ドンバ
ス(ウクライナ南東部)への配慮が足りないとしてポロシェンコ大統領への失
望を表わす一方、人道支援は行われると指摘した。このことは事実上、プーチ
ン氏が「投資は一切しませんから自分たちでなんとかやってください」と宣言
した形であり、これは、ドンバスにとっては非常に好ましくないシグナルであ
る――。こうオレーシキン氏は述べている。
経済危機に関心が集中
もっと読む:
政治情報センターのアレクセイ・ムーヒン所長の考えでは、大統領が自身を
より自由にそして事情通と感じていた外交に関する質問とは異なり、経済に関
する質問に対しては、やや返答に窮した感があった。同氏は、「プーチン氏は、
事実上、多くの人が不十分で精彩を欠き時宜に適わないと考えている政府の行
動について弁明するという苦しい立場に立たされた。たとえば、外貨建ての住
宅ローンに関する質問は、大統領を窮地に追い込んだ」と述べる。
しかし、プーチン氏の返答は、社会を満足させるものでなくてはならなかっ
た。マルコフ氏はこう語る。「プーチン氏は、制裁にもかかわらずロシアが僅
かながらも経済成長を遂げている点を指摘し、生活水準の低下は見られるもの
の私たちはそれを深刻化させず、私たちは自分たちのために制裁を利用してお
り成長を促しており、これがもっとも大事なことだ、と述べた」
「万事予定通り」
カラチョーフ氏は、全体として、社会の気運は高揚し、国民の嫌悪感は一時
的に払拭された、と見ている。同氏によれば、その日、国民は、おそらく、万
事予定通り進んでおり国内は安定しており大統領はすべてを掌握していること
を知るために、テレビをつけたであろうから、緊迫する場面のないことは、予
想されたという。
同氏は、こう述べる。「直接対話の主な課題は、集団セラピーを行って、解
決されない問題のないことをみんなに確信させることである。プーチン氏のイ
メージにとっては、今のところ、すべて理想的に事が運んでおり、大統領は、
事情通で優しく決然としているという自分の美点をすべて見せた」
ロシア NOW の取材に応じたほかの専門家らも、同様の見方をしており、彼
らの考えでは、直接対話は、十分想定の範囲内であり、退屈な場面もあったが、
全体として万事上首尾に行われた。オレーシキン氏は、「国のトップは、コン
ディションが優れており情報を掌握しているところを見せている。すべて演出
されたものであることは確かだが、それもしかたあるまい。そうでなければ、
おかしかったろう」と語り、ムーヒン氏は、「ウラジーミル・プーチン氏は、
自分がかつて提示した命題をかなり明確に述べたのであり、原則的に新しいこ
とは、何一つ語られなかった」と述べている。
ウクライナ危機はロシア内政にどう影響
するか
2015 年 4 月 2 日 エカテリーナ・シネリシチコワ
報告「クリミアと危機」のライターたちは、ロシアの将来について二通りのシ
ナリオを予想しており、いずれも深刻な内政の危機を予想している。すべては
ウクライナ危機次第と彼らは考えているが、ロシア NOW が話を聞いた専門家
らは必ずしも、報告のすべてに賛成しているわけではない。
ロシア国家警備隊は海外任務も
14 日にプーチン大統領との TV 対話
 「パナマ文書」へのロシアの反応


タグ
ウクライナ危機, クリミア, 国内
アンドレイ・ステニン撮影/ロシア通信
ロシアでは抗議行動の機運が高まっていく。その時期は、ウクライナ南東部
の情勢に直接左右される――。報告「クリミアと危機」の作者たちはこういう
結論だ。この報告は、 アレクセイ・クドリン元財務相の市民イニシアチブ委員
会のために作成されたもので、3 月 31 日に委員会のホームページで発表された。
それによると、ロシア内政の状況の推移は、二通りのシナリオが考えられると
いう。
シナリオ 1
ウクライナの武力紛争が終結し、ロシアへの圧力が弱まった場合、“外的脅
威”がなくなるために、ロシア国民にとって第一に重要なのは経済問題になる。
つまり、外的な脅威が内的なそれ――役人と外国人居住者――に切り替わり、
政権の支持率は急速に低下する。これは、経済政策に対する深刻な抗議行動に
発展する可能性があるという。その規模は、2011~2012 年の政治的な抗議行動
に匹敵し得る。
シナリオ 2
ウクライナの武力紛争が長引いた場合は、「一般大衆の意識は、ロシアの自
発的な孤立を支持するだろう」。“外敵”に対する攻撃的な気分は残るが、やが
て、長引く紛争と危機に疲れてしまい、結局のところ、抗議行動および「政権
の支持率のジリ貧」をもたらすだろう。
深刻な政治的影響は、2016 年の下院選挙の頃には出てくると、この報告の作
者は予想している。
この報告の主なライターは、ミハイル・ドミトリエフ元経済発展貿易次官。
ちなみに同氏は、2008 年におけるロシア国内の危機、および 2011 年の抗議行
動を予見していた。
シナリオの信憑性は
だが、この報告の結論に対する信用度は、他の専門家たちの間ではそれほど
高くないようだ。
「ウクライナ紛争の緩和がロシアの政権にとって問題になる、それも 2016
年の選挙の頃からそうなる、などと報告には書かれているが、実際には正反対
だろう。紛争の緩和は政権を安定させるが、長引く紛争と孤立は、今のような
高支持率を遠からず下げることになる」。こうロシア NOW に語るのは、独立
系の「政治専門家グループ」のコンスタンティン・カラチョフ所長。
同氏は次の点を想起させる。ブッシュ大統領の支持率は、イラクに進攻した
当初は伸びたが、「イラクでドロ沼にはまった後は下がりだした」。もしロシ
アがウクライナにはまり込むなら、必然的に同じことが起ると、この政治評論
家はみる。
国立経済高等学院・政治学部のレオニード・ポリャコフ教授も、ウクライナ
紛争の正常化がロシアに好影響を与えるという点には賛成する。同氏の意見で
は、今後の制裁合戦は孤立に導くが、政権と外国人居住者に対する反感にはな
らない。「外国人嫌いと西側諸国の圧力とは、関係ないだろう。ロシアに移住
する外国人は、西側からやって来るわけではないし」。こうポリャコフ氏は付
け加えた。
「冷蔵庫とテレビの大戦争」
とはいえ、大統領と政権党への高支持率が不安定さを秘めているという点に
ついては、ロシア NOW が話を聞いた専門家が一様に語るところだ。その理由
は様々だが。
カラチョフ氏の確信するところでは、高支持率は二つのグループのおかげだ。
つまり、政権に国内安定を期待する人たちと、新たな“動員”と“偉業”を待望す
る人たち。「だが、一方のグループの利害は他方のそれと矛盾する」と同氏は
指摘する。「両者がぶつかって相殺し合えば、支持率は消滅し得る」
たしかに支持率は異常なほどに高い。これはクリミア編入の直接の結果だ。
このことはポリャコフ氏も認めている。ということは、支持率は“普通の”高支
持率、つまり 60~65%まで下がる可能性があるということだ。「選挙でプーチ
ン氏にいつも投票するのはそのくらいの割合だ」とポリャコフ氏。
独立社会政策研究所・地域プログラム所長のナタリア・ズバレヴィチ氏は、
「支持率低下は必至」と言う。同氏は、グルジア紛争の後、当時の経済危機の
あおりで、2013 年 12 月には支持率が最低レベルに下がったことを想起させる。
「たぶん支持率は、あの時と同じくらいの速さで今回も下がるだろう」
ズバレヴィチ氏によると、なるほど、当時は今のような「大々的なプロパガ
ンダはなかったが、「冷蔵庫とテレビの大戦争」がどっちの勝利に終わるかは
自明の理だと指摘する。
ルーブル安でもおとなしい国民
2014 年 12 月 22 日 ゲオルギー・ボヴト
2014 年初めからルーブル通貨が半落し、その分貧しくなってしまったロシア社
会。大きな社会不安や革命ムードが起こってもおかしくはない。だが落ち着い
ている。なぜなのか。
不況でも政府系ファンド増やす
 「痛みを経て新モデルへ」
 来年のロシア経済を展望

為替戦場の最前線から「速報」ニュースが到着すると、あたかもロシア国民の
誰もがルーブル騰落劇を注視しているように思えてしまう。1 日で 10%、20%
の変動があるというのは、世界の多くの国にとって異常危機であろう。それに
続くのは政府の退陣や社会不安だ。
海外からは、ロシアでもそろそろこれが起こるように見えるかもしれない。
貧しくなったロシア人(対ドルで半減)はデモを始め、政府の求心力は急落し、
人事が変わると。だがロシアでは、「異常危機」が起こり、ニュースで実際に
そのような言葉が使われたとしても、現実に応じて話半分ないしは 1 割程度に
聞く必要がある。国は大きく、すべてのプロセスの惰性はもっと大きくなる。
もっと読む:
ソ連崩壊後の困難な経験を思い出すとよくわかる。1998 年のルーブル急落は
より規模の大きいものだった(現状は 1998 年よりもはるかに良好)。最近で
は 6 年前に起きた(リーマンショック)。だがいずれも、これといった社会的
反乱、政治的反乱には発展しなかった。もっとも反政府派が今ほど強くなく、
また組織だっていなかった時で、反対デモも実施しにくかったが。
がまん強い理由は
さて、国民の忍耐力には複数の理由がある。
何よりも国民の大部分がルーブル領域で暮らしていて、外貨預金とさえ無関
係であること。国民の国内銀行における預金総額は、現時点で 16 兆 8000 億ル
ーブル(現在の為替レートで約 33 兆 6000 億円)ほど。劇的な 2014 年、預金額
は減少したが、総減少率は今年前半を上回るものではない。夏には資金が戻り、
第 1 次ショックはほぼ補われている。2014 年を通じて外貨両替への殺到も見ら
れなかった。
大きな預金額を握っているのが比較的少数の国民であることを勘案するのも
大切である。ロシア人の大部分、すなわち 71%には、預金がない(「全ロシア
世論研究センター」の今年初めの調査だが、景気後退の現状からこの割合は増
えていないだろう)。銀行預金(給与振り込み口座は除く)は国民の 10%が握
っているものだ。平均的なロシア人にとって「貯蓄」の定義は、25 万ルーブル
(約 50 万円)という少額から始まる。その多くがタンス預金である。外貨預
金を行っているのは、さまざまな調査から、国民の 4~7%ほど。
国民はルーブルの対ドル・レートには関心を持っている(国民の半数以上が
レートを見ている)。だが誰よりも影響を受けるのは「贅沢に慣れたモスクワ
っ子」か、あまり国内では好かれていないお金持ちである。海外旅行の観点か
らしても、直接的な影響は限定的である。パスポートを持っているのは国民の
15%で、そのほとんどは年に 1 回トルコまたはエジプトに行く程度の人。欧米
にひんぱんに旅行している国民は 3~5%で、そのような人は大概、外貨リスク
を最小限に抑えることができ、大騒ぎしない。
レートの急激な変動は物価に影響をおよぼすし、今後数ヶ月はそれが顕著に
なるであろう。だが対ドルのルーブル 10%安はインフレの 1%増であり、それ
以上のインフレは、多様化不十分で独占化が著しくまた競争力の低いロシア経
済そのものに依存する。20~30%の物価上昇が起こっても、ロシア人はやはり
表で騒がない。危機に慣れっこなのだ。
プーチン人気
ルーブル安に対する国民の反応
今回のもうひとつの特徴と言えば、欧米との対立を背景とした、大統領と政
府に対する国民の厚い信頼である。多くの国民はロシアが最初から正しいと考
え、ロシアに対する非難は不公正だと信じている。あくまでも「クリミアは
我々のもの」なのだ。ロシアの世論調査機関「レバダ・センター」が 11 月末
に行った調査によると、ロシア人の 80%強が大統領を信頼している。この 1 年
で 1.5 倍も増えている。信頼できないと答えた人は、1 年で 12%から 4%に減
った。以前とは異なり、大統領に対する信頼の高まりに、政府機関に対する信
頼の高まりもともなっている。ウクライナ情勢という条件の下、ルーブルの劇
的
ルーブル安に対する国民の反応
2014 年 12 月 4 日 アレクセイ・ロッサン
ロシア連邦経済発展省の予測では、ルーブル安によってロシア人の購買力が低
下し、貧困者数がここ 4 年で最大となる見込み。世論調査によると、ロシア人
は食べ物により多くの資金を費やし、国内旅行を選んでいる。
「国民との直接対話 2016」
 不況でも政府系ファンド増やす
 「痛みを経て新モデルへ」

ルーブルはここ 2 ヶ月で、対ドル、対ユーロで 50%ほど下落した。その結果、
ロシア人の購買力が低下し、また貧困者(最低限の生活費よりも収入が低い人)
の数が、ここ 4 年で最大の 11.7%に達すると、経済発展省は予測している。
ロシアの投資会社「UFS」の主任アナリスト、アレクセイ・コズロフ氏はこ
う話す。「ルーブル安で多くの人が、貨幣価値下落の予防策をとろうとしてい
る。長期使用可能な高額な商品、特にロシア製の代替品がないような高級品を
買っている。これを背景として、消費活動が活発になっている」。これは一時
的な現象で、インフレ圧の強まり、消費市場の収縮、借り入れコストの高まり
などを含む、一連のルーブル安の影響、それによる経済成長の鈍化が予期され
るという。
最初の影響
OPEC の決定がロシア経済に影響
ロシアの投資会社「フィナム・マネジメント」のアナリストであるマクシ
ム・クリャギン氏はこう話す。「消費部門への圧力は依然として強く、生活水
準が低下している。消費者はマンションや自動車などの大物商品、また不要な
商品やサービスへの支出を減らしている」。実質賃金は今年 9 月、2008~2009
年の金融危機以来となる、前年比マイナス 1%をマークしたという。ロシア連
邦国家統計局のデータによると、今年上半期の小売成長率は可比価格で前年の
3.9%から 2.7%までさがった。2014 年の実績は、2009 年以来最低の伸びになる
と、クリャギン氏。
これを背景に、延滞債務が増えている。中央銀行の 3 日の発表によると、11
月 1 日の時点で延滞 90 日以上の市民および非居住法人への貸付の割合は 7.9%
に達した。同様の指標が示されたのは 2011 年 2 月 1 日。延滞債務の増加は、給
与の支払い遅れ、収入減、失業など、国民の経済状態の悪化に関連している。
債務の大部分はルーブル建て。ヨーロッパの格付け会社「フィッチ」によると、
9 月末の時点でロシア国内の銀行融資の 17%が外貨建てで、そのほとんどが法
人の債務である。
世論調査の結果
ロシア中銀がルーブルを変動相場制に移行
ルーブル安、不満の高まりにもかかわらず、国民はルーブル預金をそのまま
にしている。「全ロシア世論研究センター」の調査によると、ロシアで為替レ
ートを確認している人は全体の 65%、ルーブルの価値下落に対する懸念を表明
した人は 53%。ここ 2 ヶ月でルーブルを外貨に交換した人はわずか 7%だった。
ロシアの世論調査機関「レバダ・センター」のデータによると、回答者の
80%が物価上昇と生活水準の低下を感じている。経済悪化の主な原因として、
原油安をあげた人は 45%、西側による対ロシア経済制裁をあげた人は 33%、ロ
シアへのクリミア編入をあげた人は 30%。
ロシアの調査会社「ロミル」の調査では、節約をして、一部食品を我慢して
いる回答者が 8%から 20%に増えた。主婦の 3 人に 1 人は、家庭の予算を食品
と必要なものにあてている。
ルーブル 25%以上下落の要因
ロシアの投資会社「VTB キャピタル」の予測では、予算に占める食費の割合
が 31%から 40%に増えるという。
ロシアの投資会社「ルス・インヴェスト」分析部のドミトリー・ベデンコフ
部長はこう話す。「通貨の信用は投資プロセスの重要な部分。経済を安定化し、
再生産の正常なサイクルと市場メカニズムの活動を確保する」
ロシア連邦観光局によると、ドル高と対ロシア制裁によって、国内旅行をす
る人の数は、すでに 30%増えている。
な急落さえ社会不安を引き起こさないほど、政府への信頼は強いのである。
ルーブル 25%以上下落の要因
2014 年 10 月 23 日 アレクセイ・ロッサン
2014 年初めから、ルーブルの対ドルおよび対ユーロ相場は 25%以上下落した。
専門家は主な要因として、最近まで続いた原油価格の下落をあげる。ルーブル
安は赤字予算を減らすため、政府にとっては有利でもある。
不況でも政府系ファンド増やす
 「痛みを経て新モデルへ」
 来年のロシア経済を展望

タグ
経済
ロイター通信
ロシアの大手証券会社「フィナム」のアナリスト、アントン・ソロコ氏は、
ルーブル安についてこう話す。「現時点でルーブル安の主な要因となっている
のは、原油や他の原料の価格の下落」。ブレント原油は今夏、1 バレルあたり
115 ドル(約 1 万 1500 円)前後であったが、現在は 87 ドル(約 8700 円)を割
り込んでいる。
ルーブル安
ソロコ氏によると、ルーブル安は急速な米ドル高によるもので、日本円、ス
イス・フラン、ユーロなども対ドルで安くなっている。
「商業関係断裂させることない」
「ドルの上昇は何よりも、需要増に関連する市場の通貨不足を反映している。
原油価格の下落は主な指標ではあるものの、投資家はロシアの輸出収益の減少
を警戒しているため、今のところは予期レベルでの機能となっている」と、ロ
シア経済・国家行政アカデミー応用経済研究所構造研究センターの研究員、ミ
ハイル・フロモフ氏は考える。2 番目のルーブル安の要因として、対ロシア経
済制裁と地政学的な不安定さによって外国資金が流入しないことをあげる。
ロシアの投資会社「UFS」の主任アナリスト、アレクセイ・コズロフ氏によ
ると、10 月に発表されたヨーロッパ中央銀行の月次報告は、欧州経済通貨同盟
を不況の危機にさらすような、ヨーロッパの経済成長の鈍り、インフレの危機
的レベルまでの低減を指摘しているという。「リスクの著しい上昇を背景に、
ドル高、原油価格の下落という条件があり、ルーブルとロシアの株式市場は強
い圧力を受けている」
ルーブル安を受けて、ロシア連邦中央銀行は今月初め、通貨介入を行った。
その規模は 50 億ドル(約 5000 億円)超。ルーブルのレートを維持するために、
ドル売りを実施した。ソロコ氏によると、今月の介入額は昨年 12 月の 1 ヶ月分
に相当するものの、クリミアのロシアへの編入を背景に下落した 3 月の 3 分の
1 だという。中央銀行は今月 17 日だけでも 17 億 6800 万ドル(約 1768 億円)
を売っている。「中央銀行はこのようにして、市場の変動を抑えているが、現
在のルーブル安の傾向を止めようとはしていない」
国家予算への影響
ルーブルは当初、変動相場制に移行すると考えられていた。だが圧力が増す
中、中央銀行は市場に戻り、介入せざるをえなくなった。
ルーブル安は赤字予算を減らすため、政府にとっては有利でもある。ソロコ
氏によると、石油およびガスの販売収益の低減を補填できるため、予算にはプ
ラスになる。石油およびガスの主な取り引きはドルおよびユーロで行われてい
るが、予算はルーブル。
商業関係断裂させることない」
2014 年 10 月 15 日 ヴィクトル・クジミン
ロシア連邦経済発展省のアレクセイ・ウリュカエフ大臣に、ロシア経済の変化、
対ロシア制裁の影響、発展優先地域、ロシアに進出する企業への提案などにつ
「国民との直接対話 2016」
不況でも政府系ファンド増やす
 「痛みを経て新モデルへ」

タグ
経済, 制裁
アレクセイ・ウリュカエフ氏 // オレーシャ・クルピャエワ/ロシア新聞
-ロシアに対する欧米などの経済制裁の影響を含め、ロシア経済では最近、ど
のような変化があったのでしょうか。
ロシア経済には制裁の悪い影響とそうではない影響が見られます。経済成長
の速度が低下することは避けられませんし、インフレが強まり、ルーブルが乱
高下し、流動性が低くなっています。ですが、長年ロシア経済の特徴となって
きた構造的な不均衡が、是正可能となっています。不均衡とは何よりも、燃
料・原料資源輸出への極端な偏りと、生産者需要および消費者需要の幅広い製
品の輸入依存です。
ロシア経済の確固たる支えとなる備蓄は十分にあり、今後の成長を可能とし
ています。世界経済フォーラムの「世界競争力報告 2014-2015」のランキング
で、ロシアは 144 ヶ国中 53 位と、昨年の 64 位に比べて 11 ポイント上昇してい
ます。競争優位性にはロシア人の教育水準の高さ、革新的な潜在性の高さなど
があります。
-ロシア経済はこのような状況で、どれだけの速さで危機的な時期を乗り越え
ることができるのでしょうか。
我々の経済成長予測は、今後の深刻な制裁のない、相対的な安定化を前提条
件としたものです。資本流出は 2017 年までに著しく低減する可能性がありま
す。2015 年の GDP は、2014 年の 0.5%に対し、1.2%に急伸することが予期され
ています。GDP の急伸はまず投資と関係しており、投資は 2014 年の 2.4%減に
対し、2015 年に 2%増となります。
事業があらゆる面で快適かつ安全であるように、投資環境改善への取り組み
を続けます。ロシアが外界との壁を築き、取り引き関係を断裂させるというこ
とはありません。
-前述の構造的な経済問題は、どのように解決可能なのでしょうか。
ロシアは新たな経済条件の時代に突入したので、国は本腰を入れなければな
りません。長期的な見通しでは国の歳入が以前と比べて減少を続け、予算の状
況が厳しくなりますから、国の大胆な経済・予算政策なくして負のトレンドの
変化を期待するのは困難です。
国の発展に効果的な投資をするという点で、今はかつてないほどの好機です。
ロシアは自国への制裁の対抗措置として、アメリカ、カナダ、ノルウェー、EU
諸国からの輸入を制限しましたが、これによって農業や食品加工などの重要な
分野の発展可能性を手に入れました。国産化のための農業者助成プログラムお
よび工場建設の保険と民間・国家融資プログラムには、たくさんの資源が必要
です。
-ロシアのどの地方が、外国人投資家にとって魅力的だと思いますか。
ウラジオに自動車関連の経済特区
シベリアと極東の大きな発展は国家の最優先事項であるため、この地域の新
たな投資家向けに、法人税特恵制度を導入することが決定しました。次にこの
制度が導入されるのは、クラスノヤルスク地方およびハカス共和国を含む、東
シベリア全域です。
これ以外に、輸出向けなどを含む非原材料生産開始のための特別条件が付い
た「率先発展領域(TOR)」を、極東と東シベリアに創設する案が現在検討中
です。TOR に進出する新たな企業には、法人税、有用鉱物採掘税(石油とガス
を除く)、土地・資産税の 5 年間免除、保険料の特恵が定められます。建設許
可手続き、送電網への接続、通関を含む、アジア太平洋諸国の主要な経済セン
ターに匹敵するような条件を、この領域で整えることを計画しています。
-外国人投資家にとってのロシアの現在の魅力とは何でしょうか。
国連貿易開発会議(UNCTAD)の「世界投資報告書 2014」で、ロシアは外国
人投資家にとって魅力的な移行経済国の一つと記されています。エネルギーや
天然資源関連のプロジェクトの高収益性がロシアの強みであり、石油とガスだ
けでなく、金属や木材も魅力になっています。付加価値の高い製品を生産する
工場が限られているのは残念です。この分野には大きな潜在性があると思いま
す。投資だけではなく、新しい技術、ノウハウ、事業活動の効率を高めるよう
な先進経営実績にも関心を抱いています。ロシアの資源輸出とハイテク製品輸
入への依存を抑え、付加価値の高い製品の生産比率を高めるには、産業の刷新、
サービス、農業への投資の呼び込みが必要なのです。
-世界的な大手企業がすでにロシアに進出しています。その現地生産化は高ま
りそうですか。
現地生産化を高めるための効果的な手段には、分野別の産業集積や工業団地
があります。ロシアの多くの地域にはすでに、このような生産拠点が創設され
ているか、または創設されようとしています。中心的な分野は自動車産業です。
カルーガ州、カリーニングラード州、レニングラード州では、世界の大手企業
の自動車組み立て工場の集積がほぼ完全に機能しています。今後は部品生産工
場の展開になります。
ルーブル安はまた、ロシアの製造会社にとって有利な条件となる。輸入品が
高くなるため、国内市場で競争しやすくなる。「8 月の原油価格が 1 バレルあ
たり 106 ドル(約 1 万 600 円)だったため、年末までに 85 ドル(約 8500 円)
になっても、年間平均原油価格は 96 ドル(約 9600 円)超になる(この価格を
もとにロシアの予算が決まる)。100 ドル(約 1 万円)付近は予算のリスクに
ならない」とフロモフ氏。
コズロフ氏は、ロシア経済への投資を魅力的にし、資本流出を止めれば、ル
ーブルの維持が可能になると話す。「ロシア経済は現在、原油価格、経済成長、
インフレに大きく依存している。この構成を標準的にすれば、ルーブルの安定
化も可能」
ただ、原油価格が戻りつつあるため、ルーブルのレートは上昇する可能性が
ある。アメリカ系金融情報サービス大手ブルームバーグは 20 日、イランが原
油価格下落防止対策を講じようとしているという情報に反応して、原油価格が
上がりはじめたと伝えた。サウジアラビアとクウェートも、両国の中立地帯で
あるカフジ油田での採掘を減らすことを決定している。その結果、ブレント原
油先物は 1 バレルあたり 90.21 ドル(約 9021 円)まで上昇した。
スヴェルドロフスク州知事にインタビュ
ー
2014 年 9 月 23 日 アンナ・クチマ
米国とドイツの大企業は、制裁にもかかわらず、スヴェルドロフスク州との協
力を続けている。同州のエヴゲニー・クイヴァシェフ知事は、ソチでの投資フ
ォーラムの際、同州がさらにどのような外国の投資家とどのような分野で活動
しているかを語った。
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ソチ, 投資, 露日ビジネス新潮流
スヴェルドロフスク州知事エヴゲニー・クイヴァシェフ氏=ロシア NOW 撮影
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三菱重とロステフが共同エコ事業
今日、外国企業との合弁企業は、一社も活動を停止しておらず、しかも、プ
ロジェクトの外国人参加者は、一人も活動の停止を表明していません。7 月の
エカテリンブルグ国際工業博覧会「インノプロム」の際には、多くのパートナ
ーが、今後も活動する用意を確認しました。たとえば、ロシアにおけるシーメ
ンス社の責任者ディートリッヒ・ミョーラー氏は、域内における機械製作やエ
ネルギーや医療といった分野の新たな投資プロジェクトを実現する同社の意向
を表明し、ロシアにおけるアメリカ商工会議所の責任者アレクス・ロジャンコ
氏も、その際、同州におけるプロジェクトに対するアメリカ企業の関心を確認
しました。
インフォグラフィック提供:ナタリア・ミハイレンコ
画像をクリックすると拡大します。
相互貿易の結果も、注目に値します。たとえば、スヴェルドロフスク州と米
国の貿易高は、2014 年上半期、昨年同時期の二倍にあたる 18 億ドルでしたが、
私たちがそうした数字に達するのは、ふつうは年末ごろです。EU 諸国との貿
易総額も、25%増加し、25 億ドルでした。また、私たちは、中国、トルコ、韓
国、アルジェリアとさかんに貿易をしており、これらの国は、私たちの貿易パ
ートナーのトップ 10 に入っています。
ロシア経済発展の新たな指針
2014 年 9 月 19 日 アレクセイ・ロッサン ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相は、
ソチでの投資フォーラムでロシア経済発展の主な目標を掲げた。
露首相「原油安は激しいショック」
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エカテリナ・シュツキナ / ロシア通信
そのフォーラムで、同首相は、当面ロシアは主にアジアのパートナーとの接
近を図る、と語り、ロシアに対する制裁は経済的指標の低下にもかかわらず歴
史的観点から非生産的である、と述べた。
メドベージェフ首相は、ソチ投資フォーラムの開会式でこう述べた。「今年
は、転換の年として、とくに、ウクライナで戦争が始まりクリミアがロシアへ
返還されて我が国に対する制裁が導入された新時代の起点として、歴史の教科
書に記されよう。西側のパートナーとの関係の冷却は、私たちがこれまで暮ら
してきた座標軸の見直しを迫るものである。私たちは、多くの西側のパートナ
ーはロシアに自国の国益があることを認めなくなり、その結果、第二次世界大
戦後に形成された世界発展の哲学全体が疑問に付された、との感覚を抱いてい
る」
制裁の波紋
メドベージェフ首相「欧州の安全保障体制は危機的」
メドベージェフ首相は、ロシアは前世紀にいくども制裁に晒されたとし、こ
う述べた。「ソヴィエトの政治体制はさまざまに捉えることができるが、私た
ちは制裁を克服してきた。1981 年に米国はウレンゴーイ・ウジゴーロド間のガ
スパイプライン用の材料の供給を停止したが、それは完成し、1998 年に米国は
イランとの協力が疑われる研究機関に対する制裁を導入したが、歴史は、ロシ
アへの圧力が空しく終わったことを示している」。さらに、同首相は、比較的
小さな国に対する制裁も成果なく終わっているのに、ロシア経済は世界第六位
である点を指摘し、こう付言した。「制裁に基づく対立は私たちにとっても西
側にとっても悪しきものであり余計なものである、という真実を直視する必要
がある。私たちは損失を被っているが、世界経済における制裁の行方を予想す
ることは誰にもできない」
メドベージェフ首相は、現在の状況が 2008 年の経済危機と異なる点として、
当時は世界の主要な経済がみんな一緒に活動しており、まさにその頃にさまざ
まな国を一つに束ねる「G20」が創設されたことを挙げ、こう述べた。「そこ
に成功の保証があった。私たちには、今なお、私たちのパートナーがふたたび
ロシアの国益を考慮するという条件で彼らの言い分を聞く用意がある。欧州の
企業は、今も主たるロシア経済への投資家であり、その投資額は、約 3000 億
ドルにのぼる」
アジアへのシフト
アジア市場へ向かうロシア国債
メドベージェフ首相は、当面ロシア経済がアジアへのシフトを続ける点を指
摘し、こう述べた。「ロシアとアジアの接近は、客観的なプロセスであり、私
たちは、10 年ほど前にこの政策を開始した。主眼は、中国、印度、日本、およ
び、より小さな経済を具えた国家という、すべての国との協力である。早くも
今秋、主にアジアの投資家を対象としたシベリアおよび極東における税の優遇
を具えた 14 の急速発展地域の創設に関する法案が議会下院へ提出される」
アジア諸国との別の活動分野となるのは、シベリア横断鉄道幹線とバイカ
ル・アムール鉄道幹線というユーラシア横断鉄道回廊の拡張をはじめとしたイ
ンフラ・プロジェクトの推進であり、プロジェクトへの投資の総額は、5000 億
ルーブル(130 億ドル)を上回る。メドベージェフ首相は、こう述べた。「ア
ジアにおける私たちの新たな戦略は、地域における我が国の強化が欧州を含む
他の地域における我が国の権威の増大を促すという事実を考慮しないわけには
いかないものの、欧州への無意味な報復ではなく事態の推移の自然な流れであ
る」
国内の問題
メドベージェフ首相によれば、アジアのパートナーとの協力は、ロシアの経
済的指標の深刻な悪化を背景に進められる。この 8 ヶ月間でロシアの GDP は
0,7%増加し、2014 年の GDP の増加率は約 0,5%になる見通しだが、ここ五年間
は GDP の増加率は年 1%前後を維持してきた。2014 年の 1 月から 8 月にかけて、
固定資本への投資は 2,5%減少したものの、工業生産は 1,3%増加した。同首相
は、こう述べた。「農業は、他の経済部門より急速な発展を遂げており、その
生産は、この8ヶ月間で 5%増加した。失業率は、昨年が 5,7%であったのに対
し、現在は 5%の水準を保っている。私たちは、かなり大きな金外貨準備高を
維持することができ、より本格的な経済復興を当てにしていたが、対外経済の
状況の変化により予想の見直しを余儀なくされた」
金保有量で中国を追い抜く
ちなみに、インフレ率は年 7,8%だが、一部の専門家によれば、それは、構造
的、循環的、対外経済的な要因によるものである。
メドベージェフ首相は、さらにこう述べた。「どんな政府も、困難を対外経
済のせいにしたがる。私たちは、一連の構造的問題を抱えているが、今後もそ
れらすべてのパラメータを対象に活動していき、私たちの優先事項のあり方も、
変わらない。経済的指標の悪化にもかかわらず、ロシア経済が閉鎖されること
はない。私たちは、自分たちの路線を変えずに独自性を保っていき、自国通貨
の相場形成の柔軟性やインフレターゲットは、すべてそのままとなる」
同州が協力を拡大する分野
スヴェルドロフスク州は、外国のパートナーとの協力を今後も拡大するつも
りです。もちろん、私たちは、地元における生産の組織、生産過程への新技術
の導入、生産性の向上に、とくに力を入れています。
アフリカ、ラテンアメリカ、中央アジアの国々も、私たちにとって魅力的で、
これらの方面では、工業インフラの利用、企業の現代化への参加、産地の開発、
エネルギー資源や有用鉱物の採取のための設備の供給などが考えられます。
アジア方面
もちろん、同地域の対外経済活動において、中国や韓国や日本といったアジ
アの国々は、戦略的な方面であり、2013 年には、ロシア国内にあるルノーと日
産の自動車組立工場のための自動車用ワイヤーハーネスを生産する露日合弁企
業「ウラル・ワイヤリング・システムズ」の設立に関する協定が調印され、現
在、製品がすでに出荷されています。
来年、スヴェルドロフスク州は、韓国でもっともハイテクな地域の一つであ
る京畿道との協力に関する協定に調印する予定で、二年前、私たちは、趣意書
に調印しています。
もちろん、急速な発展を遂げているインドやブラジルといった世界の他の地
域の経済との交流も、たいへん興味深く、これは、まず第一に、スヴェルドロ
フスク州における有望なインフラおよびエネルギー分野のプロジェクトへの外
国人投資家の誘致という観点から重要です。ヴェトナムもひじょうに魅力的で、
この国とはすでにすばらしいコンタクトがあります。(談)
住友電工・電装の露合弁工場開所
2014 年 7 月 22 日 ダリヤ・ケジナ
ウラル地方の工業都市エカテリンブルク(モスクワの東 1600 キロメートル)
にある、通信機器・電線メーカー「ザヴォド・ラジオアパラトゥルィ」の敷地
内で 21 日、日露合弁企業「ウラル・ワイヤリング・システムズ(UWS)」の
開業式が行われた。改築された工場では、「アフトヴァス」の新型車(6 月に
生産が開始されたダットサンのモデルを含む)向けのワイヤーハーネスが生産
される。
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露日ビジネス新潮流, エカテリンブルク
スヴェルドロフスク州政府議長(首相)のデニス・パスレルと住友電気工業の
西田光男副社長=ダリア・ケジナ撮影
日露合弁企業「ウラル・ワイヤリング・システムズ(UWS)」
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アフトヴァスはロシアおよび東欧最大の乗用車メーカーで、ルノー・日産連
合が経営権を握っている。UWS は、「住友電気工業」と「住友電装」が昨年、
エカテリンブルグ市の通信機器・電線メーカー「ザヴォド・ラジオアパラトゥ
ルィ」とオランダに設立した、合弁会社「ウラル・ワイヤリング・システムズ
B.V.」の完全子会社。
UWS の新工場があるザヴォド・ラジオアパラトゥルィは、ソ連時代から続く
会社で、現在はロシアの国営加工・生産・輸出企業「ロステフ」の傘下にある。
ウラル・ワイヤリング・システムズ B.V.の株式のうち、49%をロシア側が保有、
51%を日本側が保有している。
住友電気工業の西田光男副社長はこう話す。「UWS は当社にとってロシアで
の初めての生産拠点。成長を続けるロシアの自動車市場を重視している。ロシ
アで提携先を探し、ワイヤーハーネスの小規模生産を行っているザヴォド・ラ
ジオアパラトゥルィが、最適な候補の一社であるとの結論に達した。したがっ
て、この工場を拠点とした、今後の業務拡大も計画している。生産の特徴は、
完全にオートメーション化されておらず、手作業もあること。当社の課題は高
品質製品をつくる人材の育成。今のところ、具体的な数字についてお話しする
のは時期尚早ではあるものの、自動車産業は欧米だけでなく、新興国でも成長
しているため、生産量を見込める。ワイヤーハーネスは自動車の重要な部品」
地元経済活性化に期待大
ロステフのアレクサンドル・コチネフ代表によると、具体的な生産量を決め
るのはアフトヴァスで、UWS は契約にもとづいて、新型車 2 種のワイヤーハー
ネスの需要を完全にまかなうという。アフトヴァスは市場の需要に応じて、5
~10 万台を生産する予定。新工場には 10 万セット以上の生産能力がある。
合弁企業では、ザヴォド・ラジオアパラトゥルィの専門家 250 人以上が働い
ているが、今年末までに 650 人ほどに増える見込み。工場の設立には 1000 万ド
ル(約 10 億円)強投じられている。これは施設の改築と新しい設備の導入の
費用。スイス製の最新式生産ラインとなっている。UWS は現在、住友の保証の
もと、今後の刷新費用 3 億ルーブル(約 9 億円)の融資について、三菱東京
UFJ 銀行ロシア支店と協議を行っている。
この世界的な企業との合弁工場は、追加的かつ現代的な雇用の場、地元予算
への税収拡大、投資環境の良さの証明といった効果をウラル地方にもたらす。
スヴェルドロフスク州政府のデニス・パスレル議長はこう話した。「住友、
そのパートナーの日産、トヨタ、ルノー、またロシアで 2015 年以降のモデル
を組み立てる他の企業すべてが、ここで生産された製品を得られるように、工
場発展のための条件を整備することが当州の課題」
住友が石英プロジェクトに出資参画
2013 年 10 月 9 日 イーゴリ・ベリャエフ, タス通信
「住友商事株式会社」は、ロシアの有限責任会社「ルースキー・クヴァルツ
(ロシア石英)」の株式を取得した。これにより、ルースキー・クヴァルツは
石英 分野において、世界有数の企業となる。京都市で行われた「科学技術と人
類の未来に関する国際フォーラム(STS フォーラム)」に出席した、ロシアの
国営ナノテクノロジー・投資会社「ロスナノ(ROSNANO)」のアナトリー・
チュバイス CEO 兼取締役会長が、これをタス通信に伝えた。
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ビジネス, 露日ビジネス新潮流
「ルースキー・クヴァルツは今後、この隙間市場で世界有数の企業になり、
片手で競合企業を数えられるようになる。住友とはこの問題について、1 年半
ほど時間をかけてじっくりと協議を行った。その結果、住友が株主として参加
することが決まった」。こうチュバイス氏は強調する。
これにより、ルースキー・クヴァルツの主な競合は、アメリカの 「ユニミン」
とノルウェーの「クオーツ」の 2 社になるという。
他の日本企業との提携も
チュバイス氏によると、ロスナノは日本との今後の提携に大いに期待してい
るという。「日本企業との提携にもとづいた、他の計画もある。だがこれにつ
いては今のところ、話すことはできない」。
チュバイス氏は住友との提携の重要性を特に強調。「何よりも住友には、微
細レベルやナノ粉末レベルなどの、我々にとってとても重要な石英精製技術が
ある。そして世界市場を理解している」。
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京都 STS フォーラムに露副首相が出席
チュバイス氏はさらに、「日本の専門家がルースキー・クヴァルツの事業に
参加する」ことに注目。「我々には単なる資金ではなく、”賢い”資金が必要だ
が、この場合、単なる”賢い”資金ではなく、戦略的な投資家の話に発展してい
る」。
「日本は最も興味深いパートナーの一つ」
チュバイス氏が毎年恒例の STS フォーラムに参加するのは 2 回目。10 回目と
なる今回は、「STS フォーラムの過去 10 年のプリズムを通した次の 10 年の展
望」をテーマとした総会で、議長役を務めた。「日本はパートナーとして、
我々にとってもっとも興味深い国の一つであり、もっとも有望な国の一つだる。
我々のこの立場は変わることがなく、ともに前進を続けている」。
チュバイス氏によれば、「日本のハイテク企業の潜在性はユニークであり、
ロシアへのその技術の移転の可能性はさらにユニークである」という。
京都 STS フォーラムに露副首相が出席
2013 年 10 月 8 日 タス通信
安倍晋三首相とロシアのアルカジー・ドヴォルコヴィッチ副首相は 10 月 6 日、
京都市で行われた第 10 回「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム
(STS フォーラム)」の開会式に出席した。両氏は NPO 法人「STS フォーラム」
の尾身幸次理事長に招かれた。
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露日関係, 安倍首相, 科学
「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム」
「科学技術の進歩は、私たちの日常生活の向上および経済成長に大きく寄与
した。一方で、技術の発展は多くの問題ももたらした」と尾身理事長。「これ
は現代 科学技術の光と影」だという。STS フォーラムは 10 年で、「小さな会
議から世界的な運動へと変わり、世界の幸福のために努力している著名な研究
者や成功 を遂げた財界人が参加している」。
安倍首相は「苦い教訓を得た」
安倍首相は開会式でこう述べた。「歴史的な行事に参加していることを嬉し
く思う」。日本は、「学ばざるを得ない苦い教訓を得た」。
「我々の社会において科学技術が果たす役割の重要性について、苦い教訓を
得た。その教訓とは福島第一原発だ」。安倍首相 はこう述べた後で、日本の技
術が最大限に安全であるように、また日本の経済が繁栄するように、すべての
ことを実行すると約束した。
安倍首相はこの挨拶の後すぐに、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議
に出席するため、インドネシアに出発した。
露副首相:「世界的な研究プロジェクトに積極的に参加する用意」
ドヴォルコヴィッチ副首相はこう述べた。「このフォーラムの開会式で、安
倍首相の次にご挨拶をさせていただくことは、とても光栄。ロシアには、世界
的な研 究プロジェクトやプログラムに、積極的に参加する用意がある」。
ドヴォルコヴィッチ副首相によると、ロシアは現在、「世界全体の発展に寄
与するようなプロ ジェクトを推進するため、学術レベルおよび産業レベルで、
他の国と最大限に協力している」。
今年で 10 回目となる STS フォーラムは、現代の偉大な識者とビジネスのエ
リートが対話する、特別なプラットフォーム。開催期間は 10 月 6 日~8 日
「日露は科学技術分野で協力関係築ける」
2012 年 10 月 11 日 タス通信
「科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STS フォーラム)」の創設
者で、理事長を務める尾身幸次氏(79)は、タス通信のインタビューに応じ、
日露間には、科学技術分野で協力関係を発展できる、大変大きな可能性がある
と述べた。尾身理事長は、両国が協力関係を深めることができると、自信をの
ぞかせ、「ロシアと協力する準備があり、またそれを望んでいる」と語った。
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プーチン大統領:日本自身がロシアとの対話を停止した
 「国民との直接対話 2016」
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2004 年に創設された STS フォーラムは、社会に寄与する科学技術の発展につい
て国際レベルで公開討論を行う貴重なプラットフォームで、毎年 10 月の第一
日曜日に開催されている。
今回のロシアの代表団には、公開株式会社「ロスナノ」のアナトーリ・チュバ
イス社長、ロシア科学アカデミー・原子力エネルギー安全発展問題研究所のレ
オニード・ボリショフ所長、国営原子力企業「ロスアトム」のヴャチェスラ
フ・ペルシュコフ副社長らが加わっている。
尾身理事長によると、このフォーラムは「一般市民の生活水準の向上、および
経済の発展への貢献に対する必要性に応じて、大きく発展した」という。同時
に、地球の温暖化などの問題の解決にも、大きな関心を寄せている。この問題
や、その他の焦眉の問題は、「諸外国の研究者や小さなグループだけでは解決
できない」とも考えている。「この問題に、各国やあらゆる分野の代表者らを
呼び込む必要がある」と述べた。
核の平和利用について
このフォーラムへの参加者が増加しているのは、不思議なことではない。今年
は、世界の約 100 カ国から、1000 人以上の代表者が参加した。
尾身理事長は、日本にとって極めて重要なテーマである、原子力エネルギーの
発展について触れながら、「日本では昨年 3 月の福島第一原発事故以来、原子
力エネルギーの使用停止の可能性について、議論が非常に高まった。この問題
についての意見は大きくわかれているため、ち密な精査と決定が必要になる」
と語った。
また、尾身理事長は、ロシア代表を含めた STS フォーラムの参加者の多くが
「原子力エネルギーの使用は、客観的な理由から不可避であるとの意見を支持
している」ことを伝えた。
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