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復旧業者が解説する Terastation・Linkstation の データ復旧料金の計算

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復旧業者が解説する Terastation・Linkstation の データ復旧料金の計算
復旧業者が解説する Terastation・Linkstation のデータ復旧料金の計算方法
料金適正化への一提案
復旧業者が解説する
Terastation・Linkstation の
データ復旧料金の計算方法
料金適正化への一提案
1
インターフェース工学株式会社
復旧業者が解説する Terastation・Linkstation のデータ復旧料金の計算方法
料金適正化への一提案
■著作権について
本冊子と表記は、著作権法で保護されている著作物です。
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第5条 責任の範囲:
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切の責任を負いません。
■注意事項
本冊子に掲載されている内容は、原則として本冊子作成時の製品のものを掲載しています。したがって掲載されている内
容とお持ちの製品の仕様が、その後のマイナーチェンジなどにより異なる場合があります。
内容に改訂が必要な場合、当社の選択により予告なく、改訂内容を本冊子に掲載する場合があります。ただし、改訂の度
に修正・更新をするものではございません。
本冊子は予告なく中止または内容を変更される場合があります。
本冊子は、Tearstation と LinkStation を対象として掲載しておりますが、一部の製品については掲載対象外とする場合
があります。
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インターフェース工学株式会社
復旧業者が解説する Terastation・Linkstation のデータ復旧料金の計算方法
料金適正化への一提案
目次
1. はじめに..........................................................................................................................................................................................1
2. NAS の故障の仕方..................................................................................................................................................................3
2.1 NAS の構成...........................................................................................................................................................................3
2.2 NAS のハードディスクのパーティション ..................................................................................................4
2.3 ハードディスクの故障の程度................................................................................................................................5
2.4 ハードディスクの故障台数と復旧の難易度...............................................................................................6
2.5 NAS の故障の傾向..........................................................................................................................................................7
3. ハードディスクの故障の判定方法 ............................................................................................................................8
3.1 ハードディスクの故障の判定に必要な物....................................................................................................8
3.2 ハードディスクの故障の判定方法の概略....................................................................................................8
3.3 ハードディスクの故障の判定方法.....................................................................................................................9
4. 弊社の見積金額の体系 .....................................................................................................................................................15
4.1 基本料金...............................................................................................................................................................................15
4.2 HDD 破損状態加算料金...........................................................................................................................................15
4.3 RAID 構成情報破損加算料金 ..............................................................................................................................15
4.4 データ取出加算料金 ...................................................................................................................................................15
4.5 復旧料金の早見表 2 台構成の RAID0.....................................................................................................16
4.6 復旧料金の早見表 2 台構成の RAID1.....................................................................................................16
4.7 復旧料金の早見表 総量 2TB までの RAID5 構成 .........................................................................17
4.8 復旧料金の早見表 総量 2TB 超の RAID5 構成...............................................................................17
4.9 復旧料金の早見表 総量 2TB までの RAID6 構成 .........................................................................18
4.10 復旧料金の早見表 総量 2TB 超の RAID6 構成............................................................................18
4.11 復旧料金の早見表 総量 2TB までの RAID10、RAID11 構成........................................19
4.12 復旧料金の早見表 総量 2TB 超の RAID10、RAID11 構成..............................................19
5. 弊社の NAS 復旧の作業手順 ......................................................................................................................................20
6. NAS 復旧の難易度別の弊社の見積金額の例 .................................................................................................21
6.1 ×の台数が0の場合 ...................................................................................................................................................21
6.2 ×の台数が1の場合 ...................................................................................................................................................21
6.3 ×の台数が2の場合 ...................................................................................................................................................21
6.4 ×の台数が3の場合 ...................................................................................................................................................22
6.5 ×の台数が 4 の場合...................................................................................................................................................22
6.6 物理障害が発生しているハードディスクが2台以上の場合.....................................................23
7. NAS のデータ復旧業者選択の基準........................................................................................................................24
8. 復旧業者への依頼手順 弊社からの提案.........................................................................................................25
9. 最後に ............................................................................................................................................................................................26
3
インターフェース工学株式会社
1. はじめに
ある日突然、Terastation や Linkstation(以後、NAS と記述)が見えなくなります。
RAID 構成で、データはこれで大丈夫。と、社内の重要なデータをすべて NAS に保存し、
バックアップは完全と思っていたはずなのに。
慌てて、バッファローのサポートに電話したが繋がらず、やっと繋がったら、「故障は
直すことができるが、中のデータは補償できません。」という対応。
すぐにバッファロー推薦の復旧業者に電話すると、法外と思われる復旧価格と納期。
どうすればいいのだと、ネット検索して、本冊子にたどり着いた事と思います。
最初にお断り致しますが、弊社は復旧専門の業者ではありません。宮城県仙台市で、地
場企業の基幹システムの開発と保守を主業務としたソフトハウスです。
弊社が NAS と関わり合いを持ったのは、約 6 年前。宮城県内で 10 店舗程を開設してい
る住宅販売会社にシステム導入を提案した時からになります。
納入して 1 年後、突如ある店舗から電話が有り、
「昨日、ブレーカがダウンした。その後、電源を投入したが、NAS が赤ランプを点灯す
るようになり、パソコンから接続できなくなった。事務所内のデータは、すべて NAS に
入れておいたので、作業ができない。すぐに何とかしてくれ。」
早速、お客様の所へ行き、Terastation を確認すると、「SYSTEM Error E04 Can't Load
Krnl!」と液晶に表示されていました。
バッファローのサポートセンターに電話すると、
「ファームウェアのバージョンアップを行うと修復する場合が有ります。出来なければ、
修理するしか有りません。修理の場合、中のデータは消去されます。」
サポートの指示に従ってファームウェアのバージョンアップを行ってみましたが、バージ
ョンアップが完了できず、電源再投入で同じ現象になりました。再度、サポートに電話す
ると、復旧業者を紹介され、価格を聞くと、なんと、「50 万円です。」と言われてしまい
ました。
(この後の展開については、弊社ページ
http://nas-rescue.com/index.php?%E5%BE%A9%E6%97%A7%E4%BA%8B%E4%BE
%8B#me37afbf
の「ケース1 ブレーカーダウン後、接続できなくなった」を参照願います。)
何とかせねば、という思いから、Terastation を解析し、Terastaion を復旧させて、お客
様にデータを戻すことに成功しました。
この経験から、弊社では、「同じように苦しんでいる方が全国にいるに違いない。弊社
の技術で、格安に復旧できるサービスを提供しよう。」と思った次第です。
-1-
インターフェース工学株式会社
そもそも、RAID 構成された NAS のデータ取り出しは、ハードディスクが1台故障し
た程度では、簡単だと思って、購入したと思います。(少なくとも弊社はそう思っていま
した。)しかし、いざ NAS が故障してみると、手の施し様が有りません。ヘタに触って、
中のデータを消してしまったら、と思うと尚更です。
そこで復旧業者に問い合わせをするのですが、提示された料金が妥当かどうかの判断が
できず、業者の言い値にならざるをえない状況と推測されます。
3年前弊社は、「Terastation データ復旧、48 時間お預かりで 9.45 万円」というキャッ
チフレーズで、(弊社におけるネット上の検索の上で)日本一安い定額の復旧料金で、ネ
ット界にデビューしました。
以来、全国から多数のお客様より復旧依頼を頂いております。
「他の業者で、○○○万円と言われたが、御社は、本当にこの値段なの?」
「何故、こんなに安いの?」
「そんなに安いの?信じられない。」
等々、励ましのお言葉を頂きました。
昨年、弊社では、Terastation の故障の程度が異なるのに、同じ料金は如何なものか?
と考え、台数、容量、データ量、故障の程度の観点から、料金の見直しを行いました。
本冊子では、料金計算の基となる、Terastation や Linkstation の故障の程度を判別する
方法を説明し、弊社が考案したデータ復旧料金の計算方法を解説致します。
もちろん、弊社の計算方法が正しいという主張ではありません。
復旧業者選択の参考になればと思い、本冊子を作成させて頂きました。
-2-
インターフェース工学株式会社
2. NAS の故障の仕方
2.1 NAS の構成
NAS は、組み込みの LINUX サーバーになっています。
NAS を分解してみると、
ケース
電源
基盤(CPU、メモリ等)
ハードディスク 1~12 台(本冊子では、一般的な2台、4 台構成を扱います)
の構成になっています。
弊社で取り扱った案件では、ハードディスクの故障がほとんどでした。というのも、中
のハードディスクに注目して、調査を行い、復旧作業を行うからですが。
しかし、1件だけ、電源部を交換したら、NAS が正常に動作したということが有りました。
また、NAS 修理をご希望のお客様で、データ取り出し後、NAS の初期化を試みたところ、
初期化できず、基盤の故障が判明した場合も有りました。
いずれにしても、NAS の故障原因が何であろうと、中のハードディスクの状態がどうか、
ということを知ることが NAS からデータを取り出すのに必要な事になります。
Terastation Pro を分解した写真
「日々の出来事」http://b.eax.jp/blog.cgi/212
-3-
より転載
インターフェース工学株式会社
2.2 NAS のハードディスクのパーティション
NAS のハードディスクの構造を簡単に説明します。
個々のハードディスクは、3~4 個パーティションの構成になっています。
1 番目のパーティションは、OS 部
2 番目のパーティションは、OS 等の保存領域
3 番目のパーティションは、SWAP 領域(LINUX の作業領域)
4 番目のパーティションは、データ部
1 番目と2番目のパーティションは、ハードディスクの台数に関わらず、RAID1 の構成に
なっています。
4 番目のパーティションは、ユーザが自由に RAID 構成を設定して、この中にデータを保
存します。データ取り出しは、この 4 番目のパーティションにのみ注目して、この中から
データを取り出します。
データ部
-4-
インターフェース工学株式会社
2.3 ハードディスクの故障の程度
次に、ハードディスクの故障の程度について説明します。
ハードディスクの故障には、以下の論理障害と物理障害の二つが有ると、弊社では定義し
ています。

論理障害は、パソコンに接続すると、ハードディスクを正しく認識する状態

物理障害は、パソコンに接続すると、ハードディスクを正しく認識しない状態
この二つの障害には、軽度・中度・重度の障害の度合いが有ると弊社では感じています。
障害
度合い
軽度
論理
障害
中度
重度
物理
障害
軽度
中度
重度
復旧の難易度
技術力の
素人 業者
有る業者
事象
一般のコピーツールで、新品のハードディスク
にコピーすると、復帰するケースが多い
一般のコピーツールで、新品のハードディスク
にコピーしても復帰出来ない(一部のデータ取
り出し可能)
一般のコピーツールで、新品のハードディスク
にコピーしても復帰出来ない(データ取り出し
不可)
基盤やファームウェアの障害(開封作業無し)
ヘッドの障害(開封作業を伴う場合有り)
モータの障害や、ディスク表面の損傷が有る場
合(開封作業有り)、また水没等
○
○
○
×
○
○
×
△
○
×
×
×
×
○
○
×
×
△
弊社だけでなく、復旧業者は、定義の差異はあれども、上表のように感じていると思い
ます。そして、上表の論理障害中度以上の障害からデータを取り出すために、専用ツール
を導入していると思います。(弊社では、PC-3000 を採用しています。)
PC-3000 Data Extractor UDMA
http://data-recovery.unitcom.co.jp/pc3000/index.html からの転載
-5-
インターフェース工学株式会社
2.4 ハードディスクの故障台数と復旧の難易度
ハードディスクの故障の程度を理解した上で、RAID 構成毎の故障ハードディスク台数
による、復旧作業の難易度を見ることにします。
この場合の、ハードディスクの故障の程度は、論理障害重度を想定しています。
2.4.1 2台構成の場合
RAID
1
0
故障台数
1台
2台
1台
2台
復旧の難易度
◎
難
難
難難
2.4.2 4 台構成の場合
RAID
故障台数
復旧の難易度
1台
◎
2台
◎
6
3台
難
4台
難難
1台
◎
2台
難
5
3台
難難
4台
難難難
1台
◎
2台
◎もしくは難(*3)
11
(*1)
3台
◎と難
4台
難難
1台
◎
2台
◎もしくは難(*3)
10
(*2)
3台
難
4台
難難
◎・・・・・簡単に復旧
難・・・・・ハードディスク1台のリカバリが必要
難難・・・・ハードディスク 2 台のリカバリが必要
難難難・・・ハードディスク 3 台のリカバリが必要
*1
RAID11 とは、1 番と 2 番のハードディスクで、RAID1 の構成と、
3 番と 4 番のハードディスクで、RAID1 の構成を言います。
*2 RAID10 とは、RAID1 の二つの構成を更に、RAID0 で構成したものを言います。
*3 1 番と 2 番のハードディスクが同時に故障した場合、もしくは、3 番 4 番のハードデ
ィスクが同時に故障した場合、復旧の難易度は、「難」になります。
-6-
インターフェース工学株式会社
2.5 NAS の故障の傾向
弊社で取り扱った案件における、NAS の故障の状態と復旧の結果を以下に示します。
(弊社の復旧マニュアルのページhttp://nas-rescue.com/lsts-manual/ からの転載)
4 台構成の NAS の故障の程度(100 台中)
No 故障内容
台数
復旧の結果
マニュル
1 電源装置や基盤の故障
4 台 全台弊社で復旧
×
2 ハードディスク 1 台の故障
80 台 全台弊社で復旧
○
3 ハードディスク 2 台の故障
10 台 8 台弊社で復旧、2 台復旧できず
△
4 ハードディスク 3 台の故障
2 台 全台弊社で復旧
×
5 ハードディスク 4 台の故障
1 台 全台復旧できず
×
6 RAID 構成の再配置による故障
3 台 1台弊社で復旧、2 台復旧できず
×
この実績は、弊社がサービス開始から1年間行った復旧作業の内、100 台の結果です。
復旧出来なかった言い訳をさせて頂くと、
No.3 の 2 台復旧出来なかったのを契機に、復旧ツール PC-3000 を導入しました。
No.5 の場合ですが、火災に遭った Terastation で、お客様からの了解を得て、ハードディ
スクを分解した所、中のプラスチック部分が溶けた状態でした。
No.6 の場合は、Terastation のファームウェアにバグが有り、ファームウェアのバージョ
ンアップを行うと、RAID 構成が消失して、RAID0 で再構成されるという現象でした。当
初、この現象の回避策が分からず、時間切れで返却致しました。現在は、RAID 構成情報
を再作成して、RAID を再構成してデータを取り出します。しかし、ファイルのインデッ
クス情報が失われている場合が多く、フォルダ構成が崩壊した状態でのお渡しになります。
さて、言い訳はこれまでにして、上記の表から注目すべき事は、Terastation の故障の多
くは、ハードディスク1~2 台の故障であることです。
RAID5 構成の場合、ハードディスク 1 台までの故障、
RAID6、RAID10、RAID11 構成の場合、ハードディスク 2 台までの故障、
が有っても、データは保証されています。
すなわち、ハードディスクを復旧させる特別な技術が無くとも、データを取り出せると
言うことになります。
この事から弊社では、「Terastation 復旧マニュアル」を作成し、LINUX の知識が無く
とも、数クリックでデータ復旧が可能になるようにしました。
表の中の右側に、このマニュアルを使用しての復旧の可能性を○、△、×で示していま
す。これらの意味は、
○は、復旧出来た。
△は、全台のハードディスクのコピーを取り、Terastation 復旧マニュアル添付の DVD で
LINUX を起動後、2個のコマンドを打つと復旧できる場合がある。
×は、Terastation 復旧マニュアルでは、復旧できない。
-7-
インターフェース工学株式会社
3. ハードディスクの故障の判定方法
前節の説明で明らかなように、NAS 復旧の難易度=ハードディスクの故障の程度、とい
うことになります。
当節では、ハードディスクの故障の程度を判定する方法を説明します。
①
3.1 ハードディスクの故障の判定に必要な物
Windows7 パソコン
1台
最近の NAS で使用されるハードディスクの形式が GPT 形式になっております。
WindowsXP(32BIT)は、GPT に対応していません。また、WindowsVISTA はサービ
スパック 1 から、GPT に対応となったので、Windows7 がお勧めです。
USB←→SATA 変換ケーブル
1本
「USB SATA」で検索すれば、色々出てきます。1,500~4,000 円程度
Windows7 パソコンの USB が 3.0 対応の場合、USB3.0 対応の変換ケーブルがお勧め。
附箋紙(ポストイットなど)
CrystalDiskInfo(窓の杜等からダウンロード)
プラス・ドライバー(いわゆるネジ回し)
②
③
④
⑤
①
②
③
3.2 ハードディスクの故障の判定方法の概略
ハードディスクの状態確認のチェック表を印刷。
NAS からハードディスクを取り出し、付箋紙を貼り付け、番号を記入。
Windows7 パソコンを起動して、②で取り出したハードディスクを USB←→SATA
変換ケーブルに接続させて、パソコンに接続してみる。
「コンピュータの管理」で、ハードディスクのパーティションの様子を見る。
CrystalDiskInfo を起動して、ハードディスクをチェック
④
⑤
次ページ以降に、それぞれの作業の詳細を記述します。
作業上の注意
ハードディスクの取り扱いは、ていねいに行って下さい。
ハードディスクは衝撃に弱いので、落下や机等へ置く場合には気を付けて下さい。
ハードディスクには、電子部品が装着されているので、静電気等には細心の注意を払っ
て下さい。
以後の作業は、自己責任でお願いします。
-8-
インターフェース工学株式会社
3.3 ハードディスクの故障の判定方法
3.3.1 ハードディスクの状態確認のチェック表を印刷
2台構成用の場合
ディスクの番号
電源投入
コンピュータの管理
CrystalDiskInfo
判定
CrystalDiskInfo
判定
1
2
凡例
×:物理障害
△:論理障害
○:正常
4 台構成用の場合
ディスクの番号
電源投入
コンピュータの管理
1
2
3
4
凡例
×:物理障害
△:論理障害
○:正常
-9-
インターフェース工学株式会社
3.3.2 NAS からハードディスクを取り出し、付箋紙を貼り付け、番号を記入
Terastation や、ハードディスク 2 台以上の Linkstation の、ハードディスクは簡単に取
り外しが出来ます。付属のマニュアルにハードディスクの交換方法が掲載されているので、
参考にして、ハードディスクを取り出して下さい。
USB←→SATA 変換ケーブルに接続する場合、ハードディスクのケースが邪魔になる場
合が有ります。この場合は、プラス・ドライバーを使って、ケースを取り外します。この
場合、ハードディスクに付箋紙を貼って、ハードディスクの番号(1~4 等の数字)を記入
します。業者によっては、この番号を間違えると、復旧できない場合が有るみたいです。
1 台構成の Linkstation の場合、その構成上、ケースを壊して取り出すことになるので、
保証期間が残っている場合、保証を受けられなくなる場合が有ります。
また、1 台構成の Linkstation の場合、ハードディスクの取り出し方法が難しいので、
Linkstation の型番と「分解」で検索して、そちらを参照しながらの分解をお勧め致します。
3.3.3 Windows7 パソコンを起動して、前節で取り出したハードディスクを USB←→SATA
変換ケーブルに接続させて、パソコンに接続してみる
①
②
③
④
Windows パソコンを起動します。
ハードディスクを USB←→SATA 変換ケーブルに接続します。
USB←→SATA 変換ケーブルを Windows7 パソコンに接続します。
USB←→SATA 変換ケーブルの電源コネクタをコンセントもしくはパソコンに接続し
ます。
⑤ ハードディスクの音を聞きます。
「カタン、カタン」とか「ジー、ジー」とか聞こえた場合、すぐに電源コネクタを外し
て下さい。「物理障害」と判定。このハードディスクの作業は終了。チェック表に「×」
を記入します。
それ以外の場合、OK と判定して、チェック表には、「○」を記入します。
- 10 -
インターフェース工学株式会社
3.3.4 「コンピュータの管理」で、ハードディスクのパーティションの様子を見る
① Windows の「スタート」→「コントロールパネル」とポイントして、コントロールパ
ネルを開きます。
② 表示方法が「カテゴリ」になっている場合、「小さいアイコン」を選択します。
③ 「管理ツール」をダブルクリックします。
④ 「コンピュータの管理」をダブルクリックします。
⑤ デバイスの管理をクリックします。
データ部
上図では、
ハードディスクが3台接続されています。
ディスク2が、NAS のハードディスク(250G)の例です。
右から2番目の 231.91GB のパーティションがデータ部です。
データ部のパーティションが、ハードディスクの容量に近い状態で表示されれば、OK。チ
ェック表には、「○」を記入します。
例えば、500G のハードディスクなら、約 460G
1000G のハードディスクなら、約 920G
それ以外は、「論理障害」と判定。チェック表に「△」を記入します。
もし、追加したハードディスクが、コンピュータの管理に表示されない場合
接続等を確認して、前節の USB←→SATA 変換ケーブルの接続等の操作を行い、再度「コ
ンピュータの管理」の画面を開きます。
それでも表示されない場合、「物理障害」と判定。このハードディスクの作業は終了。
チェック表に「×」を記入します。
- 11 -
インターフェース工学株式会社
3.3.5 CrystalDiskInfo を起動して、ハードディスクをチェック
前節で、OK、もしくは「論理障害」と判定された場合、CrystalDiskInfo を起動して、
ハードディスクの状態を確認します。
ウィンドウ内上部に接続されているハードディスクのドライブ名が表示されるので、その
ハードディスクをクリックし、健康状態を確認します。
健康状態には、「正常」「注意」「異常」の3種類が有ります。
健康状態が、「正常」「注意」の場合、OK。チェック表には、「○」を記入します。
健康状態が、「異常」の場合、「論理障害」と判定。チェック表に「△」を記入します。
※CrystalDiskInfo のダウンロード、インストール、操作方法等については、ネットで検索
すれば、詳しく解説したページが見つかります。
- 12 -
インターフェース工学株式会社
3.3.6 ハードディスクの故障の判定のまとめ
以上で、3.3.1 節「ハードディスクの状態確認のチェック表を印刷」で示した表の「判定」
部分のみ残っている状態です。
後は、各ハードディスクの判定欄、そのハードディスクの中で最も悪い判定を記入すれ
ば、チェック表は、完成します。
このチェック表と、
2.4 節 「ハードディスクの故障台数と復旧の難易度」とを比較すると、
NAS 復旧の難易度が分かると思います。
NAS 復旧の難易度別の見積金額の具体的な例を、6章で解説します。
実際には、CrystalDiskInfo で「良好」と表示されているハードディスクのコピーを行う
と読み込みが出来ないセクター(※1)が出現したりします。これらも正しく判定したいと
なれば、NAS のハードディスクと同容量以上のハードディスクを同じ台数分用意して、ハ
ードディスクのコピーを行うのがベターですが、簡単に判定するという本冊子の趣旨に合
わないので割愛します。(ハードディスクのコピーをしたい方は、「EASEUS DISC
COPY」で検索すると、詳しい使い方を説明したページが見つかります。)
全てのハードディスクが CrystalDiskInfo で「良好」と表示されていても、
RAID 構成情報が破壊されて、RAID 構成ができず、データがすべて読めない。
ファイルインデックス部が破壊されて、ファイルは読めるけれども、フォルダ構成が読
めないということもあります。(2.5 節「NAS の故障の傾向」参照)
ここで、弊社の製品(Terastation 復旧マニュアル)を簡単に紹介させて頂きます。
4 台構成の RAID5 構成の場合、3 台のハードディスクを接続するための USB←→SATA
変換ケーブルを用意(2 台用の USB←→SATA 変換ケーブルを 2 台等)
操作① NAS のハードディスク最低 3 台を、USB←→SATA 変換ケーブルに接続して、
パソコンにセットします。
操作② Terastation 復旧マニュアル付属の DVD で、パソコンを起動します。
操作③ 2 クリックするだけで、ハードディスクの状態を判定して、OK であれば、デー
タが見える状態になります。
1 クリック目は、LINUX 起動の選択。
2 クリック目は、NAS の RAID 構成と一致するアイコンをクリック。
これだけの操作で、これまで説明してきたハードディスクの故障の程度を判別し、ハード
ディスクの状態が良ければ、RAID を構成して、データの取り出しが可能になります。
以上の操作を映像にしてユーチューブにアップしています。
http://www.youtube.com/watch?v=sERHPKIBZ8Y
※1 セクター
ハードディスクにデータを書き込む最少ブロックを言います。一般的なハードディスクの
場合、1 セクター=512 バイト。
- 13 -
インターフェース工学株式会社
3.3.7 ハードディスクの故障と NAS の故障との関係
本節で記述することは、弊社が取り扱った NAS 復旧の経験からの推測です。
NAS の起動時の判定は、厳格に行っているように見えます。当然、貴重なデータを保存
する装置なので、判定は厳格でなければなりません。もう少し、表示されるメッセージに、
段階を付けて頂ければ、無用な作業や費用が減るはずです。
例えば、「SYSTEM Error E04 Can't Load Krnl!」と表示される場合
「OS 部」、「OS 部の保存領域」、「SWAP 部」のいずれかが RAID 構成ができなかっ
た場合に表示されるようです。しかし、LINUX で RAID の状態を確認すると、通常のコ
マンドでは RAID の構成はできないが、強制コマンドを操作すると RAID の構成が成功す
る場合が多々有ります。このような場合、
「SYSTEM Error E04 Can't Load Krnl!」という表示ではなく、
「注意!正常に RAID 構成ができなかったので、強制構築しました。直ちにハードディス
ク N 番を交換して下さい。」という表示で良いのでは?と思います。
もしくは、このような場合(強制構築が可能な場合)、何らかの回避機能を設けて欲しい
ところです。
(言い換えれば、このような状態でも、NAS の復旧費用は変わらないようです。)
確かに、Terastation のエラーメッセージには、
「E15 HDx Error Many Bad Sectors」
「E22 HDx Error HD Can’t Mount」
「E23 HDx Error HDx Is Faulty」
「I11 HDx Worning Bad Sectors」
というメッセージが表示される場合が有ります。
このメッセージの発生源は、ハードディスクの S.M.A.R.T 情報(※1)を読んで表示され
ているようです。
S.M.A.R.T 情報からの判定では、OK だったけれども、OS 部の RAID 構築に失敗した場
合は、E04 のメッセージが表示されるようです。
弊社が取り扱った NAS 故障の仕方を観察してみると、S.M.A.R.T 情報からの故障判定は
正しく表示されるようだが、S.M.A.R.T 情報から OK 判定でも、実際のハードディスクか
らの読み出しでエラーが発生した場合、「SYSTEM Error E04 Can't Load Krnl!」などと
表示されるみたいです。
※1 S.M.A.R.T 情報
ハードディスクに内蔵された自己診断機能。読み取りエラーの発生率や読み書き速度、モ
ータの起動・停止の通算回数、出荷以来の通算の通電時間、ディスクが固定位置からずれ
た距離などを測定し、接続されたパソコンなどに知らせてくれる。
http://e-words.jp/w/S2EM2EA2ER2ET2E.html からの転載
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インターフェース工学株式会社
4. 弊社の見積金額の体系
弊社の見積金額の体系を本章で示します。
基本料金と、加算料金に分かれます。
これは、NAS の故障の程度が異なるのに、同じ料金は如何なものか?
と考え、台数、容量、データ量、故障の程度の観点から、料金体系を設定しました。
尚、基本料金には、
NAS 内のハードディスク全台を、
新品のハードディスクをコピーすること、
このコピーを2週間保管すること、
1TB までのデータ量を取り出す作業
まで含まれます。軽度な故障の場合、この基本料金で終了します。
但し、取出したデータの保存メディア(USB 外付けハードディスク等)の料金は含まれま
せん。
4.1 基本料金
区分
金額
1 台構成
31,500 円
2 台構成
52,500 円
4 台構成 2TB まで
63,000 円
4 台構成 4TB まで
73,500 円
4 台構成 4TB 超
84,000 円
4.2 HDD 破損状態加算料金
破損台数
金額(RAID5) 金額(RAID6,RAID11,RAID10)
1台
0円
0円
2台
10,500 円
0円
3台
21,000 円
10,500 円
4台
31,500 円
21,000 円
RAID 構成情報破損加算料金
破損台数
金額(RAID5) 金額(RAID6,RAID11,RAID10)
1台
0円
0円
2台
10,500 円
0円
3台
21,000 円
10,500 円
4台
31,500 円
21,000 円
4.3
4.4 データ取出加算料金
区分
金額
~1TB まで
0円
~2TB まで
10,500 円
~4TB まで
21,000 円
4TB 超
31,500 円
※ 取り出すデータ量によって、加算される料金です。
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4.5 復旧料金の早見表
2 台構成の RAID0
ハードディ
スクの
故障台数
RAID 構成
データ量
データ量
データ量
データ量
情報破損台数 1TB までの 2TB までの 4TB までの
4TB 超の
(*1)
料金
料金
料金
料金
0 台,
52,500
63,000
73,500
-----0台
1台
63,000
73,500
84,000
-----2台
73,500
84,000
94,500
-----0 台,
63,000
73,500
84,000
-----1台
1台
73,500
84,000
94,500
-----2台
84,000
94,500
105,000
-----0 台,
73,500
84,000
94,500
-----2台
1台
84,000
94,500
105,000
-----2台
94,500
105,000
115,500
-----*1 復旧に使用するハードディスク内で、RAID 構成情報は破壊されている台数を指します。
図中、黄色の背景のところが、弊社で最も多い、実際の復旧程度になります。
4.6 復旧料金の早見表
2 台構成の RAID1
ハードディ
スクの
故障台数
0台
1台
RAID 構成
データ量
データ量
データ量
データ量
情報破損台数 1TB までの 2TB までの 4TB までの
4TB 超の
(*1)
料金
料金
料金
料金
0 台,
52,500
63,000
73,500
-----1台
63,000
73,500
84,000
-----0 台,
63,000
73,500
84,000
-----2台
1台
73,500
84,000
94,500
-----*1 復旧に使用するハードディスク内で、RAID 構成情報は破壊されている台数を指します。
図中、黄色の背景のところが、弊社で最も多い、実際の復旧程度になります。
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4.7 復旧料金の早見表 総量 2TB までの RAID5 構成
ハードディ
RAID 構成
データ量
データ量
データ量
データ量
スクの
情報破損台数 1TB までの 2TB までの 4TB までの
4TB 超の
故障台数
(*1)
料金
料金
料金
料金
0 台,
63,000
73,500
----------1台
73,500
84,000
----------0台
1台
2台
84,000
94,500
----------3台
94,500
105,000
----------0 台,
73,500
84,000
----------1台
84,000
94,500
----------2台
2台
94,500
105,000
----------3台
105,000
115,500
----------0 台,
84,000
94,500
----------1台
94,500
105,000
----------3台
2台
105,000
115,500
----------3台
115,500
126,000
----------0 台,
94,500
105,000
----------1台
105,000
115,500
----------4台
2台
115,500
126,000
----------3台
126,000
136,500
----------*1 復旧に使用するハードディスク内で、RAID 構成情報は破壊されている台数を指します。
図中、黄色の背景のところが、弊社で最も多い、実際の復旧程度になります。
4.8 復旧料金の早見表 総量 2TB 超の RAID5 構成
ハードディ
RAID 構成
データ量
データ量
データ量
データ量
スクの
情報破損台数 1TB までの 2TB までの 4TB までの
4TB 超の
故障台数
(*1)
料金
料金
料金
料金
0 台,
73,500
84,000
94,500
105,000
1台
84,000
94,500
105,000
115,500
0台
1台
2台
94,500
105,000
115,500
126,000
3台
105,000
115,500
126,000
136,500
0 台,
84,000
94,500
105,000
115,500
1台
94,500
105,000
115,500
126,000
2台
2台
105,000
115,500
126,000
136,500
3台
115,500
126,000
136,500
147,000
0 台,
94,500
105,000
115,500
126,000
1台
105,000
115,500
126,000
136,500
3台
2台
115,500
126,000
136,500
147,000
3台
126,000
136,500
147,000
157,500
0 台,
105,000
115,500
126,000
136,500
1台
115,500
126,000
136,500
147,000
4台
2台
126,000
136,500
147,000
157,500
3台
136,500
147,000
157,500
168,000
*1 復旧に使用するハードディスク内で、RAID 構成情報は破壊されている台数を指します。
図中、黄色の背景のところが、弊社で最も多い、実際の復旧程度になります。
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4.9 復旧料金の早見表 総量 2TB までの RAID6 構成
ハードディ
RAID 構成
データ量
データ量
データ量
データ量
スクの
情報破損台数 1TB までの 2TB までの 4TB までの
4TB 超の
故障台数
(*1)
料金
料金
料金
料金
0台
63,000
73,500
----------0台
1台
1台
73,500
84,000
----------2台
2台
84,000
94,500
----------0台
73,500
84,000
----------3台
1台
84,000
94,500
----------2台
94,500
105,000
----------0台
84,000
94,500
----------4台
1台
94,500
105,000
----------2台
105,000
115,500
----------*1 復旧に使用するハードディスク内で、RAID 構成情報は破壊されている台数を指します。
図中、黄色の背景のところが、弊社で最も多い、実際の復旧程度になります。
4.10 復旧料金の早見表 総量 2TB 超の RAID6 構成
ハードディ
RAID 構成
データ量
データ量
データ量
データ量
スクの
情報破損台数 1TB までの 2TB までの 4TB までの
4TB 超の
故障台数
(*1)
料金
料金
料金
料金
0台
73,500
84,000
94,500
105,000
0台
1台
84,000
94,500
105,000
115,500
1台
2台
94,500
105,000
115,500
126,000
0台
84,000
94,500
105,000
115,500
2台
1台
94,500
105,000
115,500
126,000
2台
105,000
115,500
126,000
136,500
0台
94,500
105,000
115,500
126,000
3台
1台
105,000
115,500
126,000
136,500
2台
115,500
126,000
136,500
147,000
*1 復旧に使用するハードディスク内で、RAID 構成情報は破壊されている台数を指します。
図中、黄色の背景のところが、弊社で最も多い、実際の復旧程度になります。
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4.11 復旧料金の早見表 総量 2TB までの RAID10、RAID11 構成
ハードディ
RAID 構成
データ量
データ量
データ量
データ量
スクの
情報破損台数 1TB までの 2TB までの 4TB までの
4TB 超の
故障台数
(*1)
料金
料金
料金
料金
0台
63,000
73,500
----------0台
1台
1台
73,500
84,000
----------2 台(*2)
2台
84,000
94,500
----------0台
73,500
84,000
----------2 台(*3)
1台
84,000
94,500
----------3台
2台
94,500
105,000
----------0台
84,000
94,500
----------4台
1台
94,500
105,000
----------2台
105,000
115,500
----------*1 復旧に使用するハードディスク内で、RAID 構成情報は破壊されている台数を指します。
*2 故障したハードディスクが、1 番と 2 番から 1 台、3 番と 4 番から 1 台の場合。
*3 故障したハードディスクが、1 番と 2 番の 2 台、もしくは 3 番と 4 番の 2 台の場合。
図中、黄色の背景のところが、弊社で最も多い、実際の復旧程度になります。
4.12 復旧料金の早見表 総量 2TB 超の RAID10、RAID11 構成
ハードディ
RAID 構成
データ量
データ量
データ量
データ量
スクの
情報破損台数 1TB までの 2TB までの 4TB までの
4TB 超の
故障台数
(*1)
料金
料金
料金
料金
0台
73,500
84,000
94,500
105,000
0台
1台
1台
84,000
94,500
105,000
115,500
2 台(*2)
2台
94,500
105,000
115,500
126,000
0台
84,000
94,500
105,000
115,500
2 台(*3)
1台
94,500
105,000
115,500
126,000
3台
2台
105,000
115,500
126,000
136,500
0台
94,500
105,000
115,500
126,000
4台
1台
105,000
115,500
126,000
136,500
2台
115,500
126,000
136,500
147,000
*1 復旧に使用するハードディスク内で、RAID 構成情報は破壊されている台数を指します。
*2 故障したハードディスクが、1 番と 2 番から 1 台、3 番と 4 番から 1 台の場合。
*3 故障したハードディスクが、1 番と 2 番の 2 台、もしくは 3 番と 4 番の 2 台の場合。
図中、黄色の背景のところが、弊社で最も多い、実際の復旧程度になります。
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5. 弊社の NAS 復旧の作業手順
弊社は、ソフトハウス会社の観点から、NAS 復旧を行っています。
2.1 節「NAS の構成」で記述した通り、NAS は、LINUX サーバーなので、復旧作業にお
いては、NAS と同じ環境にして、データを取り出す方法をとります。
特に、NAS で多く表示される「SYSTEM Error E04 Can't Load Krnl!」のエラーメッ
セージは、「NAS の OS 部等に不具合が発生していて、起動できません」ということなの
で、データ部は大丈夫である可能性がかなり大です。
そこで弊社は、NAS 専用復旧マシーンを開発して、NAS の OS 部を復旧マシーンに置
き換え、擬似的に NAS を構築してデータを取り出す方法を考案しました。
しかしこの復旧マシーンには、2点の弱点が有りました。
まず、一点目の弱点は、正常に読み込み可能なハードディスクでないと、RAID 構成がで
きないことでした。
RAID5 の場合、ハードディスクの故障が 1 台までは OK ですが、2 台以上になると手を
つけられない状態でした。これを解消する為に、ハードディスク復旧ツール PC-3000 を
導入し、この弱点を克服しました。
2点目の弱点は、RAID 構成情報が破壊されている場合でした。
これは、RAID 情報を再現して、故障したハードディスクのコピーへ適用して克服しま
した。RAID 情報の再現には二通り有ります。
故障していないハードディスクから RAID 情報を抜き取る方法。
ハードディスク全台の RAID 情報が破壊されている場合は、元の NAS に新品のハード
ディスクをセットして、同じ RAID 構成で初期化し、これから RAID 情報を抜き取る方法。
この現象が発生している場合は、取り出したデータの整合性を確保するために、LINUX
の再構成で得られたデータと、ローリカバリして得られたデータとの2種類をお客様に提
示しております。
弊社の NAS 復旧の作業手順をまとめると、
① NAS のハードディスク全台を新品のハードディスクにコピーします。
もし、単純なディスクコピーが出来なかった場合、ハードディスク復旧ツール PC-3000
を使用して、コピーを行います。(HDD 破損状態加算料金)
② NAS 専用復旧マシーンで、RAID 構成を構築
RAID が構築できた場合
USB 外付けハードディスク等へ、データ取り出しを行います。
データ量によって、データ取出加算料金が発生します。
RAID が構築出来なかった場合
RAID 構成情報破損加算料金が発生します。
RAID を構築後、USB 外付けハードディスク等へ、データ取り出しを行います。
データ量によって、データ取出加算料金が発生します。
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インターフェース工学株式会社
6. NAS 復旧の難易度別の弊社の見積金額の例
本章では、
3.3.1 節「ハードディスクの状態確認のチェック表を印刷」と、
2.4 節 「ハードディスクの故障台数と復旧の難易度」を利用して、NAS 復旧の難易度の
判定行い、弊社の見積金額を提示します。
すべて 4 台構成(想定は、TS-XE2.0TGL/R5)でRAID5 構成を例とします。各ハー
ドディスクの容量は、500G バイトとします。取り出すデータ量は、1.2TB とします。
以下、「×の台数」の記述は、3.3.1 節「ハードディスクの状態確認のチェック表を印刷」
に、ハードディスクの故障判定を行い記述した中で、×と判定された台数を言います。
すなわち、ハードディスクの故障台数を指します。
6.1 ×の台数が0の場合
ディスクの番号
1
2
3
4
電源投入
○
○
○
○
この場合の料金は、
基本料金
HDD 破損状態加算料金
RAID 構成情報破損加算料金
データ取出加算料
合計
コンピュータの管理
○
△
△
○
CrystalDiskInfo
○
○
○
○
判定
○
△
△
○
CrystalDiskInfo
○
○
○
判定
○
○
○
×
63,000 円
0 円~ 31,500 円
0 円~ 31,500 円
10,500 円
73,500 円~136,500 円
6.2 ×の台数が1の場合
ディスクの番号
1
2
3
4
電源投入
○
○
○
×
基本料金
HDD 破損状態加算料金
RAID 構成情報破損加算料金
データ取出加算料
合計
コンピュータの管理
○
○
○
63,000 円
0 円~ 31,500 円
0 円~ 31,500 円
10,500 円
73,500 円~136,500 円
6.3 ×の台数が2の場合
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インターフェース工学株式会社
ディスクの番号
1
2
3
4
電源投入
○
○
○
×
基本料金
HDD 破損状態加算料金
RAID 構成情報破損加算料金
データ取出加算料
合計
コンピュータの管理
○
○
×
CrystalDiskInfo
○
○
判定
○
○
×
×
CrystalDiskInfo
○
判定
○
×
×
×
CrystalDiskInfo
判定
×
×
×
×
63,000 円
10,500 円~ 31,500 円
0 円~ 31,500 円
10,500 円
84,000 円~136,500 円
6.4 ×の台数が3の場合
ディスクの番号
1
2
3
4
電源投入
○
○
○
×
基本料金
HDD 破損状態加算料金
RAID 構成情報破損加算料金
データ取出加算料
合計
コンピュータの管理
○
×
×
63,000 円
21,000 円~ 31,500 円
0 円~ 31,500 円
10,500 円
94,500 円~136,500 円
6.5 ×の台数が 4 の場合
ディスクの番号
1
2
3
4
電源投入
○
○
○
×
基本料金
HDD 破損状態加算料金
RAID 構成情報破損加算料金
データ取出加算料
合計
コンピュータの管理
×
×
×
63,000 円
31,500 円円
0 円~ 31,500 円
10,500 円
105,000 円~136,500 円
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インターフェース工学株式会社
6.6 物理障害が発生しているハードディスクが2台以上の場合
6.1~6.5 節をご覧になって、物理障害(電源投入で×)が発生しているのが、最大1台
でした。おそらく、物理障害が2台以上の場合はどうなの?という疑問が出てくると思い
ます。
2 台以上のハードディスクが物理障害を引き起こす可能性は、NAS の構成上極めて低い
です。というのは、NAS を落下させたとか、強い衝撃を与えたとか、水没したとか、火災
に遭ったとかの場合以外に考えられません。
NAS は、1台のハードディスクに物理障害が発生すると、その時点で動作を停止します。
なので、全く同時に2台の物理障害が発生することはあり得ません。
1台の物理障害が発生している状態(デグレードモード)を知りながら、NAS を使い続
けた場合に、更に1台の物理障害が発生したということは想定できます。しかし、ハード
ディスクは、突然に物理障害で故障するのではなく、セクターのリードエラーや書き込み
エラーが発生し、その後に物理障害が引き起こされます。NAS は、デグレードモードで動
作中に、何らかのエラー(セクターのリードエラーや書き込みエラー)が発生すると、そ
こで止まってしまいます。
弊社で取り扱ったのは、火災で焼け残った NAS の一件だけです。
この場合、弊社でデータ取り出しができた場合、6.5 節「×の台数が 4 の場合」と同じ
料金になります。
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インターフェース工学株式会社
7. NAS のデータ復旧業者選択の基準
最後に、NASのデータ復旧をする際の業者選択の基準を弊社なりに、まとめさせて頂き
ます。
① データ復旧は、その社内で行うのか?
インターネットにあるページの多くは、取次店のページです。ご注意下さい。
取次店の存在を否定しませんが、その分、紹介料等の名目で取次店に支払われている金
額が、復旧料金に含まれているはずです。
② 見積体系は確率されているのか?
定額制を取っている業者もおられますが、その明細をお聞き下さい。
感覚的に、決めている場合が有ります。高いと言うと、後で「お客さんだけ、この金額
に値引きします。」などと電話してくる業者も有るようです。
③ クリーンルーム等の設置を売りにしていないか?
NASのデータ復旧のほとんどの場合、クリーンルームは必要有りません。
クリーンルーム等の設置には費用が掛かります。その分、復旧料金に反映されるはずで
す。
④ データ復旧速度を売りにしている業者?
数時間で復旧したという表記は、危険です。数時間で復旧したということは、ハードデ
ィスクのコピーを取らず、お客様のハードディスクに操作を加えて、データを取り出し
たと言う事になります。お客様のデータを扱う場合、最初にバックアップを取るのがソ
フトウェア開発業界での常識です。バックアップも取らずにお客様のディスクに直接、
手を加えると言う事は、弊社では考えられません。どうしても手を加えないといけない
場合は、お客様に了解を得るようにしています。(RAID 構成に必要な台数が物理障害
等で確保できない場合等)
⑤ RAID復旧が如何に困難な事とページに書いていないか?
かつてのRAID構成からの復旧には、職人的な技術が必要だった?かもしれません。
しかし、NASに関して言えば、職人的な技術は必要有りません。所詮、ハードウェア
とプログラムによって構築されたRAIDなので、そのハードウェアとプログラムを再
現できれば、RAIDの再構成ができるのです。RAID の再構成ができるようにソフト
ウェアに組み込まれています。(但し、削除したデータを復元して欲しいという事であ
れば、職人技が必要な場合も有り得ます。)但し、RAID 構成に必要なハードディスク
に重度の物理損傷が有った場合、ハードディスクを分解し、ヘッド、モータ等を交換す
る場合に、職人技が必要になる場合が有ります。
⑥ 情報セキュリティマエンジメントISMS27001 を取得しているかどうか?
要は、お客様のデータを取り扱うのに、その会社がどのような考え方をしているかどう
かを問われているという事です。プライバシーマークの適用範囲では、お客様からお預
かりしたNAS内のデータは含まれません。
⑦ データ復旧後のアフターケアの期間を設けているかどうか?
データ復旧作業にも、ヒューマンエラーは付き物です。データを受け取ったが、この部
分が見えないとかが有った場合に対応するかどうかは重要な点です。
⑧ Google のアドワーズ,Yahoo のリスティング広告を出しているか?
広告を出すことを否定するつもりは有りませんが、広告料が非常に高額になります。
弊社でもサービスの開始時に広告を出しましたが、1 カ月弱で、30 万円程掛かりまし
た。これでは、復旧料金に上乗せしなければならず、中止しました。その代り、自前の
SEO 対策を強化した次第です。
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8. 復旧業者への依頼手順 弊社からの提案
では、復旧業者へ依頼するのに、どのような手順を踏んだら良いのでしょうか?
弊社なりに、提案させて頂きます。
① 本冊子に記述されている通りにハードディスクの故障の程度を判別します。
② 2.4 節「ハードディスクの故障台数と復旧の難易度」と比較する。
「◎」の場合、弊社発行の「Terastation 復旧マニュアル」を購入して、データの取り
出しを行う。
「難」「難難」「難難難」の場合、復旧業者への復旧依頼となります。
③ 全台のハードディスクのコピーを行う。
可能であれば、NAS のハードディスクの同容量以上のハードディスク(新品)を用意
して、コピーすることをお勧めします。
理由は、第三者によるハードディスクの損傷の危険性があるからです。
まず、第一は、宅配業者です。
弊社のこれまでの経験で、
送られた NAS の外側が大きくゆがんでいた事。
送付した NAS の外側が大きくゆがんでいたと、お客様から連絡が有った事
送付した USB 外付けハードディスクのケースが破壊されていた。
次に、復旧業者です。前章で記述したバックアップを取らない業者では、要注意です。
④ 機密保持契約を交わす。
⑤ NAS を厳重に梱包し送付する。
③に記述した通り、宅配業者による取扱いの不備により、データが取り出せないのは最
悪です。例えば、クロネコヤマトの「パソコン宅急便」という箱などがお勧めです。
⑥ 業者からの見積書と復旧可能なファイル一覧を確認する。
⑦ 料金をお支払して、復旧を依頼する。
⑧ 復旧データを確認する。不備が有った場合、すぐに連絡する。
⑨ 復旧データを確認後、業者へバックアップデータの削除を依頼する。
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9. 最後に
最後まで、お読み下さり、ありがとうございます。
弊社では、物理障害が発生しているハードディスクからデータを取り出すために、100
万円もするハードディスク復旧ツール PC-3000 を購入しました。購入する時は、本当に
悩みました。しかし、NAS復旧サービスを開始して 3 年半、既に 300 台以上のNASの
データ復旧をさせて頂き、完全に原資を取りました。
というより、如何にNASの故障でお困りの方がいらっしゃるのかという事実に心が痛
みます。
このような現実に対して、NAS復旧料金が不明瞭なことにも心が痛みます。
NASのデータ復旧という観点からすれば、高度な技術は必要ありません。また、クリ
ーンルーム等の設置も必要ありません。
必要なのは、
LINUXの知識(特に RAID 用コマンドである mdadm の知識)と、
ハードディスクの構造の知識、
ハードディスク復旧ツール、
そして機密情報保護の徹底した社内の取り組みだと弊社は考えています。
弊社では、2012 年に、情報セキュリティマネジメントISMS27001 という、情報セ
キュリティの国際標準規格を取得し、お客様の情報を漏えいさせないように、社内体制を
強化し、並びに社員教育を実施しております。
この規格は、毎年、規格通りに、お客様の情報等を取り扱っているかどうかを第三者機
関により判定頂く仕組みになっており、もし、規格通りに運営していない場合は、取得を
取り消されます。
本当に最後になりましたが、NAS のデータ復旧料金について、適正価格というか、依頼
する方にも、復旧業者にも、双方に適切な価格で、これから推移することを願ってやみま
せん。
インターフェース工学 株式会社
http://nas-rescue.com
宮城県仙台市宮城野区榴岡 4 丁目 7 番 16 号
ひらのビル 102 号
TEL 022-295-6411
FAX 022-797-6881
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