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電子書籍市場の現在と電子書籍がもたらすビジネスチャンス

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電子書籍市場の現在と電子書籍がもたらすビジネスチャンス
第161回NRIメディアフォーラム
電子書籍市場の現在と電子書籍がもたらすビジネスチャンス
(雑誌/教育ビジネス)
2011年10月5日
株式会社野村総合研究所
コンサルティング事業本部
ICT・メディア産業コンサルティング部
主任コンサルタント 前原孝章
副主任コンサルタント 川元麻衣子
〒100-0005
東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビル
本日の内容
1.拡大が続く電子書籍市場
拡大が続く電子書籍市場
2.電子化により可能性が広がる雑誌ビジネス
3.電子化によって生まれる教育ビジネスのチャンス
Copyright © 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
1
1 拡大が続く電子書籍市場
1.拡大が続く電子書籍市場
2.電子化により可能性が広がる雑誌ビジネス
3.電子化によって生まれる教育ビジネスのチャンス
Copyright © 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
2
米国では2007年のKindleの発売以降、急速に市場が拡大している。
国内の電子書籍市場も、米国ほどの成長率ではないものの、高いスピードで成長してきた。
国内の電子書籍市場規模推移
電 書籍市場規模推移
70000
700
60000
600
50000
億円)
市場規模(億
市
市場
場規模(万ドル
ル)
米国の電子書籍市場規模推移
40000
30000
500
400
300
20000
200
10000
100
0
2009
2010
0
(年)
出所)Association of American Publishingより推計
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2009
2010
(年)
米国には及ばないものの、日本でも電子コンテンツの充実が進んでいる。
„ 2010年の国内の代表的な電子書籍配信サイトにおいてタイトル数は、前年対比50%増程度のペ
2010年の国内の代表的な電子書籍配信サイトにおいてタイトル数は 前年対比50%増程度のペースで伸
スで伸
びている。これに対し、米国では3年半で10倍以上の規模になっている。
国内ケータイ向け電子書籍配信サイトにおけるタイトル数推移
Amazon Kindleのコンテンツ数推移
(万タイトル)
3.5
950,000
2.9
3
2.5
2
1.5
2.2
3年半で
10倍以上
2.1
1.8
1.5
14
1.4
1
88,000
,
0.5
0
コミックシーモア
ケータイ★まんが
A社
B社
王国
2009 年
Handyコミック
C社
2010 年
出所)各社サイト
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2007年11月
2011年6月
出所)Amazon
国内における出版点数に対する電子化コンテンツ「数」は、
AmazonがKindle事業を開始した段階に相当する水準を越えている。
総出版点数の
46%の水準
国名
米国
日本
総出版点数
190000
75000
2007年時点
88000
10000
現在
950000
48000
総出版点数の
64%の水準
出所)Amazon、各社サイト、出版指標年報など
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Amazonは初期からベストセラーを揃えている。
New York Timesで挙げられているBest SellerリストのうちKindleで買える物と買えない物
作作品数
出所) Amazon
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日本では、人気トップ10の作品のうち
7種類以上を購入できるサイトは存在しない。
2010年年間人気ランキングTop10作品の電子化状況(コミック 書籍)
2010年年間人気ランキングTop10作品の電子化状況(コミック・書籍)
7
6
作品数
5
4
3
2
コミック
書籍
1
0
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他社
社サイト
(タブレット・スマートフ
フォ
ン向け)
ン
他社
社サイト
(フィーチャ
ャーフォン向
向
け)
け
他社サイト
ト
(PC向け)
)
自社
社サイト
(タブレット
ト・スマートフ
フォ
ン向け)
ン
社サイト
自社
(フィーチャ
ャーフォン向
向
け)
け
自社サイト
ト
(PC向け)
注:フィーチャーフォンは、「巻」とは異なる(「ファイル」)単位で販売されている
出所)各社公開情報を元に作成
IDを獲得するために重要な人気コンテンツの確保が、日本の電子書籍市場の
さらなる拡大に向けたもっとも重要な課題となっている。
1コンテンツあたり
の売上高
人気コンテンツ
=ID収集に重要
ロングテールコンテンツ
=収益確保に重要
コンテンツ数
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Kindleの立ち上げ時
レベルには
出揃いつつある
今後は、国内でも一般的な携帯電話(フィーチャーフォン)ではなく、
スマートフォンやタブレット端末が普及していく。
スマートフォン端末の販売予測
(万台)
(年)
出所)NRI、「これから情報・通信市場で何が起こるのか―IT市場ナビゲーター2011年版」
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9
スマートフォン・タブレット端末の普及が進むことにより、
消費者の電子書籍コンテンツの購入が進む。
過去一ヶ月の電子書籍・コミック
の購入額(円 )
フィーチャーフォンユーザーとスマートフォ
ン・タブレットユーザーの過去1ヶ月の書籍・
コミックコンテンツ購入額比較(2011年8月)
スマートフォンユーザーの過去1ヶ月の電子
スマ
トフォンユ ザ の過去1ヶ月の電子
書籍購入経験率(2010年8月, 2011年8月)
600
3.5%
500
3.0%
400
2 5%
2.5%
300
2.0%
200
100
0
1.5%
1.0%
0.5%
0.0%
2010
2011
(年)
出所)NRI、「情報通信に関するアンケート」
(2011年8月(n=2069) 、2010年8月(n=2069)実施)
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電子書籍配信の端末・配信コンテンツが充実し、ユーザーの裾野は拡大していく。
これまで
端末
の変化
コンテンツ
の変化
今後(左記に加え)
フィーチャーフォン
(2-3インチ))
(
コミック
(月刊誌
(月刊誌・
過去作品)
BL小説
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スマートフォン
(3-4インチ))
(
コミック
(週刊誌・
現連載作品)
タブレット端末
((7-9インチ))
一般小説・
ライトノベル
新聞・雑誌
11
電子出版により雑誌事業のビジネスモデルの多様化が可能。
紙の雑誌・新聞
電子版(左記に加え)
Product
(製品)
„雑誌全体(週刊/月刊など)
„新聞全体(朝刊/夕刊)
„記事単位のバラ売り
記事単位 バ 売り
„動画や音楽との連動
„紙+電子版という形での提供など
Price
(価格)
„数百円~千数百円
„100-130円
„ほぼ無限大の幅を持てる
(特に下方硬直性が解消される)
Place
(流通)
„販売店
„駅の売店
„コンビニエンスストア
„EC
„EC(ダウンロード販売)
„特定エリア向け配信
„特定端末向け配信
Promotion
(販売促進)
„訪問販売
„本屋の店頭での販売促進
本屋の店頭での販売促進
„Webサイトでの販売促進
„ソーシャルメディアとの連携など
ソ シャルメディアとの連携など
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価格設定の自由度が増すことにより、雑誌ビジネスのビジネスモデルの自由度が増す。
売上が販売部数に比例する収入
売上高
売上高
販売部数がクリティカル・マスを
超えると大きく立ち上がる収入
+
• 販売収入
• 通信販売収入 など
販売部数
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= 総収入
販売部数
• 広告収入
• メディア・ミックスによる収入 など
(映像化、グッズ販売など)
13
バリューチェーンの拡大が見込める教育分野は電子書籍化のメリットが大きい。
参考書
制作
販売
指導できる
教師の紹介
授業
学習履歴に
応じた指導
特特定エリア
塾・予備校の事業領域
全全国
出版社の事業領域
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電子書籍化によって
実現できる事業領域
14
1.拡大が続く電子書籍市場
拡大が続く電子書籍市場
2.電子化により可能性が広がる雑誌ビジネス
3.電子化によって生まれる教育ビジネスのチャンス
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コミック雑誌ビジネスを考える上で、新刊単行本販売は欠かせない。
雑誌で購読している作品の単行本購入率
出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」 (2011年9月実施)
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電子版を契機にしたコミック誌の安価な提供により、
単行本購入が増加する可能性がある。
安価な
電子版コミック誌
の提供
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雑誌読者数/
購読作品数の増加
単行本購入の増加
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雑誌を無料で提供することで、最大で4倍という読者増効果が期待できる。
電子化による読者増加効果
(無料電子版読者÷各雑誌購読者:立ち読みなど非購入者含む)
出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」 (2011年9月実施)
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無料の電子版を提供した場合でも既存購入者の半数以上は紙版を購入する。
電子版提供時における既存の紙版購入者の維持率
出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」 (2011年9月実施)
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電子化によって、読者は20~30%程度購読作品数を増加させる可能性がある。
(=1、2冊程度しか読んでいない立ち読み読者が購読作品数を増加させる可能性がある)
(冊)
雑誌購読者の平均購読作品数
出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」 (2011年9月実施)
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しかし、単なる雑誌の無料提供では、雑誌の販売収入低下の影響を抑えきれない。
コミック雑誌の電子化の無料提供に伴うコミック販売市場規模の変化
(既刊:1年以上前に発売された単行本を除く)
(億円)
出所)「出版指標年報」などからNRI推計
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雑誌の「読者数」「購読作品数」を増加させることで、
メディアミックス作品が増加し、既刊単行本の購入も増加する可能性がある。
„ アニメ化やドラマ化は雑誌非読者層まで作品の認知を拡大させる効果があり、単行本ユ
アニメ化やドラマ化は雑誌非読者層まで作品の認知を拡大させる効果があり 単行本ユーザーの増加効果
ザ の増加効果
につながる
安価な
電子版コミック誌
の提供
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雑誌読者数/
購読作品数の増加
単行本購入の増加
メディアミックス
タイトルの増加
コミック非購読者
での認知拡大
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メディアミックスを契機に既刊単行本を購入したことがある読者は
2~4割程度存在する。
単行本を購入する契機(n=6,144、MA)
出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」 (2011年9月実施)
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「ドラマ」「映画」におけるマンガ原作率は15%程度に過ぎず、
メディアミックスを拡大する余地がある。
年間放映数に占めるコミック原作比率
出所)公開データより作成
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メディアミックス効果を含めると、特に女性誌では、単行本売上が50%以上増加し、
事業全体でも単行本の売上増分だけで10%以上の売上拡大効果が期待できる。
„ さらに、関連ビジネスの収入なども期待できる。
さらに 関連ビジネスの収入なども期待できる
(億円)
コミック雑誌の電子化による売上の変化
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出所)「出版指標年報」などからNRI推計
25
「単行本収入への依存度」「メディアミックス作品増加の可能性」「ネットユーザーとの親和性
」の3点から、「月刊コミック誌」と「女性コミック誌」は電子化の効果が高いと考えられる。
中心となる収入源
雑誌収入
非ネッ
ットユーザ
読者
者層
ネットユーザ
ネ
②最適化への挑戦
週刊少年コミック誌
(週刊少年ジャンプなど)
単行本収入
①積極的電子化
月刊コミック誌
電子化
ニーズ
ニ
ズ
高
(アフタヌーンなど)
青年コミック誌
女性コミック誌
(モーニングなど)
(花とゆめなど)
④電子化に適さない
③電子化検討
低学年向けコミック誌
(コロコロコミックなど)
少女コミック誌
(なかよしなど)
電子化
ニーズ
低
電子化のリスク 高
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電子化のリスク 低
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まとめ(雑誌)
„電子書籍では、紙や印刷の費用がかからないため、価格設定の自由度が増す(特に下
„電子書籍では
紙や印刷の費用がかからないため 価格設定の自由度が増す(特に下
方硬直性が解消される)。
„その結果、ビジネスモデルの自由度が増し、新たなビジネスチャンスが生まれる。
„たとえば、コミック誌の販売において、電子版を契機にしたコミック誌の安価な提供によ
り、単行本購入が増加する可能性がある。
„さらに、メディアミックスを誘発することができれば、雑誌ビジネスと単行本ビジネスの収
さ に デ
誘発す
とが き ば 雑誌ビジネ と単行本ビジネ
収
入の最大化(最適化)が可能。
z本プレゼンでは、一例として無料にした場合の収入シミュレーション結果を紹介したが、収入
本プレゼンでは、 例として無料にした場合の収入シミ レ ション結果を紹介したが、収入
の最大化をもたらすような価格設定の検討が必要。
zコミック誌の場合、女性誌で最も高い効果が出た。読者層やビジネスの状況(雑誌販売収入
への依存度)によっては 収入源の最適化は高い効果を出しうる
への依存度)によっては、収入源の最適化は高い効果を出しうる。
„同様の取組は、広告収入と販売収入の最適化などの形で、他の雑誌ビジネスにおいて
も行うことが可能である。
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27
1.拡大が続く電子書籍市場
拡大が続く電子書籍市場
2.電子化により可能性が広がる雑誌ビジネス
3.電子化によって生まれる教育ビジネスのチャンス
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タブレット端末の登場により、これまで独立して提供されていた、教材コンテンツ、
指導、学習管理サービスを一つの端末上でシームレスに提供することが可能となった。
教材コンテンツ
電子化以前
デジタル化
指導サ ビス
指導サービス
学習管理サ ビス
学習管理サービス
紙の教材を利用
対面による指導(集団また
は
はマンツーマン)や通信教
)や通信教
育
履修状況は、生徒による
自己管理や教師によるヒ
アリングなどに委ねられて
いた
PCなどで閲覧できるデジ
タル教材(動画・音声)
タ
教材(動画 音声)
インターネットを介した音
声・映像による指導サービ
ス
Webでの履修状況の管理
や教師によるアセスメント
や教師
るア
タブレット
端末活用
一つの端末上に学習に関する情報が集約し、各機能がシームレスに提供される
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29
近年、日本の学校法人、私教育事業者などによって
教育現場でタブレット端末やスマートフォンを活用する取組が増加している。
タブレット
端末
小学校~高校
大学
私教育
•総務省フューチャースクール
事業にて 全国10校でトライ
事業にて、全国10校でトライ
アル実施
•地域雇用創造ICT絆プロジェ
クトにて 24地区でトライアル
クトにて、24地区でトライアル
実施
•八雲学園 英語の授業で
iPadを導入
•名古屋文理大学 情報メ
デ ア学科の新入生約100
ディア学科の新入生約100
人にiPad2を配布
•名古屋商科大学 学内に多
数のiPadを配置し 学生には
数のiPadを配置し、学生には
iPad2を安く購入できるよう斡
旋
•俊英館Flex iPadを使った新
コ スを設置
コースを設置
•ルネサンス高校 クアルコム
ジャパンの支援によりスマート
フォン500台を導入
•青山学院大学 社会情報学
部にて550台のiPhoneを導
入
•横浜商科大学 iPhoneを全
教職員・学生に無償貸与
•青山学院大学 インターネッ
ト経由で学習するeラーニング
の仕組みをiPhoneで提供
•進研ゼミ高校講座 iPod
touch /iPhoneを活用する講
座を開始
スマートフォン
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•ベリタス・アカデミー iPhone
でのeラーニングシステム導入
30
ICTを活用した学習の拡大に伴い、学習関連市場は拡大する可能性が考えられる。
2011年度に2兆円規模の市場は、約2.2兆円に拡大するポテンシャルを有している。
„ 学習関連市場として、自学習、集合学習、個別指導、通信教育、ICTを活用した学習を含む。
学習関連市場として 自学習 集合学習 個別指導 通信教育 ICTを活用した学習を含む
z ここでは、「ICTを活用した学習」として、デジタル教材、リアルタイムでの指導サービス、添削サービスの市場を指す。
„ ICTを活用した学習に関連する市場規模は約3800億円に拡大するポテンシャルを有している。
学習関連市場の変化
(億円)
25000
ICT活用学習
20000
※ICT活用学習も含む
3820
1 000
15000
10000
19600
17920
5000
0
2011年度
Copyright © 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
ポテンシャル 出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」
(2011年9月実施,n=1107)を元に推計
31
年齢セグメント別に見ると、
特に社会人・乳幼児を対象とする学習関連市場が拡大する。
学習関連市場の変化
25000
20000
市場規模(
億円)
5640
4030
高校生 高卒生を含む
高校生(高卒生を含む)
15000
6530
6460
3580
0
1820
1440
3050
小学校低学年(1~3年生)
乳幼児
2340
1350
2100
2910
2011年度
ポテンシャル
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中学生
小学校高学年(4~6年生)
10000
5000
社会人
出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」
(2011年9月実施,n=1107)を元に推計
32
ICTを活用した学習の拡大により
社会人・乳幼児ともに学習サービス利用者の数が増加する。
社会人における学習サービス利用者
乳幼児における学習サービス利用者
(社会人本人 n=920)
(社会人本人、n
920)
(乳幼児の保護者 n
n=261)
261)
25%
25%
20%
20%
20%
15%
15%
24%
15%
12%
10%
10%
5%
5%
0%
0%
2011年度
ポテンシャル
Copyright © 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
2011年度
ポテンシャル
出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」
(2011年9月実施,n=1107)を元に推計
33
デジタル教科書の利用意向を見ると、肯定派は約2割程度に止まる。
デジタル教科書の利用意向(n=1107)
22%
デジタル教科書を利用したい・させたい
デジタル教科書を利用したくない・させたくない
78%
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出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」
(2011年9月実施,n=1107)を元に推計
34
ICT活用学習の拡大に向けては、モチベーション維持の仕組み作りや
ICTならではの学習履歴管理などが求められている。
ICTを活用した学習を拡大する契機となるもの
0%
10%
20%
様々な学習履歴が収集され、それらを踏まえて、弱点や入学試験、資格試験、
TOEICなど各種試験への合格可能性などが分析されること
15.6%
教材(問題集や講師の講義動画など)の表示・起動に時間が掛からず、
スムーズに表示されること
14.4%
13.0%
学校の教材、複数の塾やスクール等、あらゆる教育機関の教材が一元化されること
パソコンやタブレット端末、スマートフォンを用いて、他の場所にいる
生徒や講師とリアルタイムでコミュニケーションをとる講座・教材が充実していること
12.1%
動画の表示や、講師とコミュニケーションをとる際に、
通信が途切れたり遅延したりせず 安定していること
通信が途切れたり遅延したりせず、安定していること
11.6%
音声や動画が使われている教材が充実していること
11.5%
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50%
19.0%
学習に適した軽量・安価・丈夫なタブレット端末が発売されること
学習とは無関係のWebページへのアクセスを制限する仕組みが整備されること
40%
24.9%
学習するモチベーションを維持するような仕組み・サービスが提供されること
成績をはじめとする各種個人情報が漏れるのを防ぐ仕組みが整備されること
30%
9.3%
7.4%
出所)NRI、「電子書籍に関するWEBアンケート」
(2011年9月実施,n=1107)を元に推計
35
今後、 ICTによって学習のパーソナライズド化が高度化し、
学習者に合った学習環境の提供がさらに進むと考えられる。
教材コンテンツ
電子化以前
デジタル化
タブブレット端末活用
指導サ ビス
指導サービス
学習管理サ ビス
学習管理サービス
紙の教材を利用
対面による指導(集団また
は
はマンツーマン)や通信教
)や通信教
育
履修状況は、生徒による
自己管理や教師によるヒ
アリングなどに委ねられて
いた
PCなどで閲覧できるデジ
タル教材(動画・音声)
タ
教材(動画 音声)
インターネットを介した音
声・映像による指導サービ
ス
Webでの履修状況の管理
や教師によるアセスメント
や教師
るア
問題集などで、苦手分野
を重点的に学習可能
(履歴に応じたソート)
適性を分析した上での講
師やカリキュラムのマッチ
ング
教材やサービスでの履修
状況を横断的に収集
一つの端末上に学習に関する情報が集約し、学習のパーソナライズド化が高度化
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36
まとめ(教育)
„米国では、タブレット端末によって、これまで独立して提供されていた教材コンテンツ・指導サービ
„米国では
タブレット端末によって これまで独立して提供されていた教材コンテンツ・指導サービ
ス・学習管理サービスが一括して提供される動きが起きている。
„電子書籍市場の拡大や、官公庁による教育の情報化の議論の高まりを機に、教育におけるICT
利活用が進んでいる。
利活用が進んでいる
„今後、日本国内において、教育におけるICT利活用の動きは進むと見られ、コンテンツ・各種サー
ビス(指導・添削)の市場は3800億円規模にまで成長するポテンシャルを有している
„年齢別に見ると、特に社会人や乳幼児においてICTを活用した学習は大きく拡大すると見られる。
„しかしながら、デジタル教科書については、利用したい・利用させたいと回答した回答者は全体の
22%に留まった。
„今後、ICT活用学習を普及させるには、従来の人を介した学習における人と人とのつながりに替
わる、モチベーション維持の仕組み作りや、ICTならではの学習履歴管理・分析の実現などがキー
となると考えられる。
となると考えられる
Copyright © 2011 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved.
37
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