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情報家電ネットワークの普及促進に 向けた課題と取組案
資料5 情報家電ネットワークの普及促進に 向けた課題と取組案 2005年6月2日 第1回検討会での意見 第1回検討会では、標準化や技術的な課題はあるものの、ユーザに受け入れられるサービスや企業として のビジネスモデルが見えないと、こうした検討になかなか着手できない、という意見が多かった。 【【情報家電の産業構造が課題】 情報家電の産業構造が課題】 情報家電の産業構造が課題】 産業構造に着目して議論を進めることが重要。なぜ韓国の家電産業、日本の自動車産業は成長できているのか? 産業構造に着目して議論を進めることが重要。なぜ韓国の家電産業、日本の自動車産業は成長できているのか? 産業構造の問題を議論することが必要。ソフトウェアの分野では、前工程を重視した産業構造を作る必要がある。 産業構造の問題を議論することが必要。ソフトウェアの分野では、前工程を重視した産業構造を作る必要がある。 【【ユーザに受け入れられるサービスが見えない】 ユーザに受け入れられるサービスが見えない】 ユーザに受け入れられるサービスが見えない】 家庭、コミュニティ等、新たな切り口での検討が必要。 家庭、コミュニティ等、新たな切り口での検討が必要。 モノではなくコトにハイライトしたコンセプトの詰めが必要。こういうユーザニーズ、利用シーンがあるので、こういう標準化、機器 モノではなくコトにハイライトしたコンセプトの詰めが必要。こういうユーザニーズ、利用シーンがあるので、こういう標準化、機器 が必要になる、という発想。 が必要になる、という発想。 サービスが重要であり、PCではなくテレビが中心。成熟した今の市場の突破口となる答えを導き出すことが必要。 サービスが重要であり、PCではなくテレビが中心。成熟した今の市場の突破口となる答えを導き出すことが必要。 キーワードはコミュニケーション、コミュニティ、個々のソリューションが融合する「フュージョン」。ソリューションの融合が新たな キーワードはコミュニケーション、コミュニティ、個々のソリューションが融合する「フュージョン」。ソリューションの融合が新たな サービス展開のキーワード。 サービス展開のキーワード。 【【ビジネスモデルが見えない】 ビジネスモデルが見えない】 ビジネスモデルが見えない】 家電とブロードバンドや携帯電話との連携に期待。但し、キラーアプリが不明でプラットフォームも不在。ビジネスモデルが見え 家電とブロードバンドや携帯電話との連携に期待。但し、キラーアプリが不明でプラットフォームも不在。ビジネスモデルが見え ることで、各々の役割分担が明確になる。 ることで、各々の役割分担が明確になる。 放送の中で何が出来るかが課題で、家庭での情報流通に統合されていく。どうすればハイビジョンワールド、ホームネットワーク 放送の中で何が出来るかが課題で、家庭での情報流通に統合されていく。どうすればハイビジョンワールド、ホームネットワーク を形成できるかが重要。地上波デジタル放送の開始で、地域の情報や医療等を扱いやすくなった。 を形成できるかが重要。地上波デジタル放送の開始で、地域の情報や医療等を扱いやすくなった。 【【標準化、インターオペラビリティの確保が課題】 標準化、インターオペラビリティの確保が課題】 標準化、インターオペラビリティの確保が課題】 コネクティビリティ確保のため、どれだけユーザインターフェースの標準化が進むかが重要。家電メーカと通信事業者が擦り合 コネクティビリティ確保のため、どれだけユーザインターフェースの標準化が進むかが重要。家電メーカと通信事業者が擦り合 わせを行うことが必要。 わせを行うことが必要。 インターフェースの標準化、通信と通信の制御が重要。これらは、どのようなサービスコンテンツを入れるかによって変わってく インターフェースの標準化、通信と通信の制御が重要。これらは、どのようなサービスコンテンツを入れるかによって変わってく る。 る。 家という物理的な制約にとらわれるのではなく、開発されたサービスを横断的に繋げることが大切で、インターオペラビリティの 家という物理的な制約にとらわれるのではなく、開発されたサービスを横断的に繋げることが大切で、インターオペラビリティの 追求が重要。家電には消費者という意味を込めて欲しい。 追求が重要。家電には消費者という意味を込めて欲しい。 Copyright©2005 Nomura Research Institute,Ltd. All rights reserved. 1 第1回検討会の結果を踏まえた 情報家電ネットワーク化に向けての課題 情報家電という製品分野は、個々の製品販売ではなく、それらがネットワーク化された一体のソリューション、 サービスとして提供されることによって初めて強みを発揮するという性格のもの。 現段階では、こうした一体のソリューション・サービス、主導企業等が見えていないのが基本的な課題。 個々の製品が独立 パソコン BBモデム ルーター プリンタ 一体のソリューションとして提供 エアコン デジタルテレビ デジタルSTB 給湯器 オーディオ DVD/HDDレコーダー 情報家電とし 情報家電とし て高機能を て高機能を 実装する必 実装する必 要性が薄い 要性が薄い 冷蔵庫 照明 電話&FAX ドアホン パソコン BBモデム ルーター プリンタ エアコン ソリューション デジタルテレビ デジタルSTB サービス 冷蔵庫 オーディオ DVD/HDDレコーダー 新しい技術を 新しい技術を 盛り込んだ情 盛り込んだ情 報家電市場 報家電市場 が出現 が出現 給湯器 電話&FAX ドアホン セキュリティ機器 照明 ソリューション、 サービスが不明 イニシアティブを 取る企業が不在 セキュリティ機器 Copyright©2005 Nomura Research Institute,Ltd. All rights reserved. 2 既に始まっている情報家電ネットワーク化の動き① いくつかの動きは始まっているが、一体的なソリューションを提供するまでには至っていない。 特定の企業やサービスに限定されたソリューションに留まり、1つの産業として立ち上がるまでには至っていない。 このため、他サービスとの互換性、ビジネスモデル構築の困難性、他企業、異業種間の協調性等といった課題が出て いる。 サービス分野 サービス例(概要) サービス開始にあたってのボトルネック セキュリティ 「子供」や「老人」、「自動車」「二輪車」「ペット」「荷物・貨物」など の物に小型携帯端末を装。GPSと携帯電話の電波を利用して 位置情報を通報し、防犯・安全などに役立てる。 最適な位置情報技術の選択が課題。 本サービスでは、結局、端末・技術をこのサービス業者が自 ら開発。他のサービスとの互換性はない。 地域・自治体 デジタルカメラ付き携帯電話を利用して、住民から道路や標識 の破損などについて通報を受けるシステムを稼動。下見に行く 手間を省き、住民の声を迅速に行政に反映。 携帯電話キャリアとの交渉:技術的な情報公開が遅く、キャリ アへの開発申請手続きも煩雑で審査内容が厳しい 医療・介護 毎日使う電気ポットの使用状況を記録することによって、高齢者 の安否や生活のリズムを、離れて住む家族に知らせるサービ ス。ただし、特定ポット・メーカ以外には拡がらず サービス内容に適した通信技術がサービス側では選択でき ず、その選定・採択に膨大なコストがかかった。 コストを抑えるビジネススキームの構築 教育・学習 小学生の中学受験向けのeラーニング。ヘッドセットマイクとウェ ブカメラ、ペンタブレットを購入してパソコンにつなぎ、テレビ会議 システムを使った1対1の対面学習指導やカウンセリング、オン デマンドでの講義のストリーム配信など、双方向できめ細かい指 導を実現。 サービスに活用するPCメーカ:不良品率が高いこと、メーカ のサポートから協力を得られないこと。 ターゲットユーザー(母親)のITリテラシーの低さに加え、e ラーニング独自のマナーがあり、その開発・普及に試行錯誤 が必要。 エンタテイン メント 携帯電話向けテレビ連動リモコンの開発・提供・運用を行い、携 帯電話でリアルタイムで番組情報を見られるサービスを提供。 OPEN・GLOBAL・SPEEDYな携帯電話サービスのベン チャー企業と、放送業界の文化の違いからコミュニケーション に苦労。 レジャー・ホ ビー パソコンや携帯電話からインターネット経由でペットの姿を確認 しながらエサをやることができるペット用自動えさやり機サービ ス。 自社では販売チャネルを持たないので、効果的な機器販売 ルート開拓に苦労 ターゲットユーザーの情報リテラシー不足 情報プラット フォーム 利用者が自動改札機を通過した直後に、趣味やグルメ、沿線の 店舗やイベント等の沿線情報等をメール配信するサービス。関 西地区でも累次サービスが2004年夏よりスタート。 メーカとして情報コンテンツや広告事業のノウハウや領域へ の進出は、異文化、異業種企業との連携が必須であり、企業 間の文化の差異の吸収が大きな課題であった。 Copyright©2005 Nomura Research Institute,Ltd. All rights reserved. 3 既に始まっている情報家電ネットワーク化の動き② こうした中で、ユーザニーズを踏まえ、企業のビジネスモデルとして成り立つような動きが出て きている。しかし、こうした動きも、特定企業に留まっており、市場全体としての動きに結びつい ているとは言い難い。 音楽コンテンツの携帯端末への配信(i-Pod、i-Tunes Music Store) 9 Apple社が行う、ハードディスク内蔵携帯MP3プレイヤーであるi−Podの販売及び、1万曲を超えるi−Pod への音楽ダウンロードサービスの提供サービス 9 ネット上の音楽配信における円滑な権利処理はApple社自身が担った(会費無料・1曲99セントでダウン ロード可能・ダウンロードしたデータのCDへの私的複製可能・無限台のi−Podと3台までのパソコンに私的 複製可能)。 9 コンテンツとデバイスがApple社一社の手により一気通貫で「つながれた」ため、ハードの後ろに控える音楽 文化を軸としたデジタル・ライフスタイルを訴追することができ、既存のMP3プレイヤー市場に革新をもたら すことに成功した。 映像コンテンツの地上波とインターネットへの同時期配信(エウレカセブン) 9 2005年4月にTBS系列で放送が始まったアニメーション番組「交響詩篇エウレカセブン」を、毎週日曜日午前 7時の放送後に、翌日午前0時からパソコン向けに1週間限定で無料配信するもの。 9 エウレカの著作権を持つ製作委員会(バンダイグループ中心)とUSEN、TBSが協力。 Copyright©2005 Nomura Research Institute,Ltd. All rights reserved. 4 (例)エウレカセブンのビジネスモデル エウレカセブンの著作権を持つ製作委員会が、TBSとUSEN双方に映像コンテンツを提供 製作委員会は知名度向上に伴うキャラクターグッズや着メロ等の二次市場での売上増が期待でき、USEN は自社商品への加入者増が期待できる。TBSも、製作委員会とUSENという安定スポンサーを獲得。 スポンサー企業 USEN、製作委員会 もスポンサーに参加 広告料 地上波放送 インターネット放送 TBS USEN コンテンツ 提供 パッケージ商品 への加入 ユーザ コンテンツ 提供 製作委員会 (バンダイG) 【USENのエウレカセブンのトップページ】 関連商品購入(ライセンス料) 一般消費者 Copyright©2005 Nomura Research Institute,Ltd. All rights reserved. 5 情報家電ネットワーク市場成立に求められること 他サービスとの互換性、ビジネスモデル構築の困難性、他企業、異業種間の協調性等の問題 が発生しており、企業や業界を超えて、協力して一体的なソリューションサービスを提供するよ うな「場」が必要。 また、特定企業がイニシアティブを取るのは難しいため、各社がコンソーシアムを組んで、ス ムーズに、こうしたサービスを提供していくような仕組みを作る必要がある。 こうした実証実験の場等で、何を提供し、何を検証するのかを検討することが 必要であり、それらが可能な場の設定も併せて行う必要がある。 Copyright©2005 Nomura Research Institute,Ltd. All rights reserved. 6 今後の検討案 ① 家庭の中におけるユビキタスネットワーク環境を実現し、情報家電をネットワークに接続して各 種サービスを提供できる共通基盤(課金、認証、権利処理等)を実現する。 家庭内で、コンテンツ配信や防犯・セキュリティ、e-ラーニング、健康管理等、様々なサービスを、ホー ム・サーバ等を介して、デジタルテレビやPC、冷蔵庫、電話等、様々な端末で受けることができるよう な、広がりを持ったシステムを構築する。 ② 家庭の外も含めた地域の中で、電子マネーやポイントシステム等、地域経済に密接な関係の あるビジネスインフラや、防犯・防災等、安全安心な生活を営むための生活インフラを、ユビキ タスネットワーク環境にて実現する。 家庭内、地域の商店街、駅等において、地域情報、広告、防犯・防災等の情報サービスを受けること が出来ると共に、電子マネーやポイントシステム等を組み合わせたサービス購入、商品購入等を行え るようなシステムを構築する。 各々部分的には、既に実現されているサービスもあるため、これらのサービスの活用も考慮しつつ、 トータルシステムとして地域住民に提供できるような実験とするのが、望ましいと考えられる。 Copyright©2005 Nomura Research Institute,Ltd. All rights reserved. 7