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第2 教室等における衛生的な空気環境の確保 (2 [PDFファイル/131.83
第2 教室等における衛生的な空気環境の確保 教室等における衛生的な空気環境を確保するための基本は換気です。窓開放又は 換気扇による換気は日頃から励行することとし、その必要性について教職員はじめ 児童生徒の理解を深めることが必要となります。 また、学校用備品、教材、文具、床用ワックス、トイレの消臭剤は教室等の空気 を汚染する可能性があるという認識の下、日頃から適切な換気に努めてください。 さらに、衛生害虫の駆除を目的とした殺虫剤の使用も児童生徒の健康に影響を及 ぼす可能性があります。 そ れ ら の 整 備・購 入 に 当 た っ て は 、日 本 工 業 規 格( J I S )、環 境 物 品 等 の 調 達 の 推 進 等 に 関 す る 法 律 ( グ リ ー ン 購 入 法 )、 化 学 物 質 等 安 全 デ ー タ シ ー ト ( M S D S ) 等を参考にして、できるだけ有害と考えられる化学物質の含有量が少ないものを選 定してください。また、メーカーの自主的基準による環境対応型の製品を選定する ことも考えられます。 なお、必要に応じ、学校薬剤師に指導・助言を求めてください。 1 教室等における衛生的な空気環境を確保するための換気の実施 教室等における衛生的な空気環境を確保し、教室等の空気に起因する児童生徒 の健康被害の発生を防止するため、次のとおり換気を行ってください。 また、窓を開放する場合、空気の流れをスムーズにするためには、空気の出入 口ができるだけ対角線となるよう、開放する窓は 2 か所以上作ってください。 な お 、平 成 15 年 7 月 1 日 以 降 に 着 工 さ れ た 校 舎 で は 、原 則 と し て 機 械 換 気 設 備 が教室に整備されています。機械換気設備が整備されている教室では、設備の活 用により十分な換気を行ってください。 (1)実施教室等 普通教室、特別教室、体育館をはじめ、児童生徒が使用する教室等すべてを 対象とします。 なお、次の教室等については、一層換気を励行してください。 ア 換気が不適切な場合、教室等の空気に係る「学校環境衛生の基準」の基準 値を超過する可能性がある教室等 イ 暖房機器を使用する教室等 ウ 改築・改修等を実施した教室等 エ 机、いす、コンピュータ等の新たな学校用備品を整備した教室等 オ 外部から入ったとき、不快な刺激や臭気がある教室等 (2)実施期間 通年とします。 なお、次の場合は教室等の換気を一層励行してください。 ア 休業日明けの授業日 イ 教室等内の気温が上昇する夏期 ウ 暖房を実施する冬期 - 6 - (3)実施方法 「学校環境衛生の基準」に規定される換気の基準を満たすことを基本としま すが、具体的には次の方法により換気を行ってください。 なお、特別教室等、常時使用しない教室等にあっても計画的な換気に努めて ください。 ア 始業前 窓開放により教室等の空気の全量が入れ換わる程度に換気を行う。 イ 授業中 窓開放、換気扇の使用等により、できる限り換気を行う。 ウ 放課中 窓開放により換気を行う。 エ 放課後 窓開放、換気扇の使用等により、できる限り換気を行う。 <効率的な換気のための開口部の位置> 「 健 康・ 快 適 居 住 環 境 の 指 針 平 成 10 年 改 訂 版 」( 東 京 都 ) 2 教室等の空気を汚染する化学物質の発生源対策 (1)学校用備品 机、いす、コンピュータ、木製楽器等の学校用備品からは、ホルムアルデヒ ド 等 の 化 学 物 質 が 発 生 す る お そ れ が あ り ま す 。こ れ ら を 新 た に 搬 入 す る 場 合 は 、 事前に化学物質を十分放散させてから搬入・使用してください。 机 ・ い す 等 に つ い て は 、 J I S 及 び グ リ ー ン 購 入 法 ( 本 マ ニ ュ ア ル 第 8 の 3・ 5、p31・32 参 照 )で 、材 料 の 合 板 、繊 維 板 等 の ホ ル ム ア ル デ ヒ ド の 放 散 量 が 一 定 以下となるよう規定されています。また、メーカー、業界団体ではホルムアル デヒドの放散量の自主的基準を設定している場合もあります。学校用備品の選 定に当たっては、これらの規格及び自主的基準を参考に、化学物質の放散量の 少ないものを選定してください。 な お 、使 用 に 当 た っ て は 、窓 開 放 又 は 換 気 扇 に よ り 換 気 を 励 行 す る と と も に 、 必要に応じ「学校環境衛生の基準」の臨時環境衛生検査を行ってください。 - 7 - <コンピュータの事前放散例> ・設置する前に換気のよいところで開梱し、しばらく稼動させる。 ・開梱・稼動初期の段階において換気を十分行いながら使用する。 (2)教材、文具 接着剤、油性フェルトペン、ホワイトボードマーカー、化学実験用薬品等か らは、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン等 の化学物質が発生するおそれがあります。これらの使用に当たっては、窓開放 又は換気扇により換気を励行してください。 (3)床用ワックス ワックスからはトルエン、キシレン等の化学物質が発生するおそれがありま す。ワックスの選定に当たっては天然系ワックス等を考慮するとともに、塗布 は必要最小限にとどめてください。 また、ワックスの塗布は、できるだけ長期休業中の児童生徒不在時に実施す ることとし、長期休業中に実施できない場合にあっては、児童生徒への影響が ない作業時期、作業時間に配慮してください。 なお、ワックス塗布後は十分に換気を行う必要があります。 (4)便所の消臭剤 便 所 で は 、健 康 影 響 が 指 摘 さ れ て い る 化 学 物 質( パ ラ ジ ク ロ ロ ベ ン ゼ ン な ど ) を含有する消臭剤・芳香剤の使用を中止し、代替の製品を使用してください。 3 殺虫剤(衛生害虫の駆除)等 予防を目的とした殺虫剤の散布は行わないでください。 教室等に衛生害虫の発生を見た場合、できる限り発生源の除去又は防虫網・粘 着トラップ等の物理的な防除を行ってください。また、樹木に衛生害虫の発生を 見た場合、できる限り被害を受けた部分のせん定や捕殺等を行ってください。 やむを得ず殺虫剤を使用する場合は、次に留意してください。 <殺虫剤を使用する場合の留意点> ① ② 児童生徒、保護者及び周辺住民に事前に連絡又は周知する。 散 布 は 、必 要 最 小 限 の 量 、必 要 最 小 限 の 区 域 に と ど め る と と も に 、散 布 場 所 に児童生徒が立ち入らない措置を講じる。 ③ 長 期 休 業 中 の 児 童 生 徒 不 在 時 に 実 施 す る 等 、児 童 生 徒 へ の 影 響 が な い 作 業 日 時を選定する。 ④ 周辺住民及び環境にできるだけ影響がない作業日時や天候を選定する。 除草剤等の他の農薬の使用に当たっても、同様に取り扱ってください。 なお、樹木等の病害虫や雑草の防除を行う場合、農薬による人の健康や環境へ のリスクの低減を目的に策定された「樹木等の病害虫防除に関する手引き」 *3 を 参考にしてください。 * 3:「 樹 木 等 の 病 害 虫 防 除 に 関 す る 手 引 き 」 に つ い て ( 平 成 17 年 9 月 15 日 付 け 17 教 健 第 409 号 健 康 学 習 課 長 通 知 ) 社 団 法 人 緑 の 安 全 推 進 協 会 h ttp://www.midori-kyokai.com/topix/index.html - 8 -