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インパクタ震源とミニバイブレータ震源の対比 A comparison between

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インパクタ震源とミニバイブレータ震源の対比 A comparison between
インパクタ震源とミニバイブレータ震源の対比
伊東俊一郎*,相澤隆生,木村俊則(サンコーコンサルタント)
山口和雄, 加野直巳 (産総研)
A comparison between Impactor and Minivib Seismic source
Shunichiro Ito*, Takao Aizawa, Toshinori Kimura (Suncoh Consultants Co., Ltd.)
Kazuo Yamaguchi, Naomi Kano (AIST)
Abstract: A Surface seismic source is one of the most important factors for a seismic
reflection survey. We compared surface seismic sources for selecting suitable one for a
survey area condition. Impactor and Vibrator are typical non-explosive seismic source.
For the comparison, P-wave seismic reflection survey was conducted in Kushimoto town,
Wakay ama. We used JMI-200 oil pressure impactor and IVI Minivib in the survey. The
survey line length was 2000m. In the survey line, we acquired two data set using two
kind of seismic sources. We compared each shot gather and migrated section. In the shot
gathers and migrated sections, we recognize some differences depending on the seismic
sources.
1. はじめに
反射法地震探査に用いる非爆薬型人工震源に
は、大別するとインパクタ型とバイブレータ型の
2 種類が存在する。このうち、インパクタ型震源
の機構は車両にマウントした重錘を油圧で持ち
上げ、自由落下もしくはゴム・ガス圧などで加速
させた上で地面に打ち付ける方式が一般的であ
る。インパクタ震源では比較的高い周波数を含む
パルス波を発生させることが可能であり、短いイ
ンターバルでの発振作業が可能であるなどの利
点があるが、舗装の薄い道路などで使用するとひ
び割れなどの損傷を引き起こす恐れがある。また、
起振の際の騒音が大きく、住宅街に近い場所では
使用できない場合もある。さらに、交通量の多い
道路沿いなどではノイズの影響を受けやすいな
どの問題もある。
一方、バイブレータ震源は、周波数を連続的に
変化させたスイープ波を発生させ、得られた波形
記録とスイープ波形の相互相関を計算すること
でパルス波を入力したものと同等の波形記録を
得るものである。バイブレータ震源はインパクタ
震源に比べて起振音が小さく、道路舗装を傷つけ
ることは少ない。また、相互相関を計算すること
でノイズの軽減も図れるなどの理由から都市部
での運用にも適しており、探査深度も一般的には
インパクタ震源よりも深いものが多い。しかしな
がら、高周波数のデータを取ることが困難である
ことや、インパクタ震源と比べて測定作業時間が
長くなりがちであるなどの問題もある。
本研究では、現場条件に応じた最適な震源を選
択する際の判断材料とするために、同一測線上に
おいて、インパクタ型とバイブレータ型の震源に
よる波形記録、重合断面の比較を行った。
2. 現場データ測定
東南海・南海地震予測のための地下水等総合観
測施設整備地区周辺の地下構造を把握することを
目的として、和歌山県串本町において測線長
2000m の P 波反射法地震探査を実施した。図 1 に
測線位置図を示す。
図1
測線位置図
本測線においてインパクタ震源とバイブレータ
震源の比較のために、両種の震源による波形記録
をそれぞれ取得した。測定に用いた震源はインパ
クタ震源が(株)地球科学総合研究所製の油圧イン
パクター(JMI-200)、バイブレータ震源として IVI
社製の Minivib を使用した。表 1 に震源と測定の
仕様を示し、図 2 に震源の外観を示す。
表 1 震源及び測定仕様
図 4 平均スペクトル(左)インパクタ(右)Minivib
全トレースの平均スペクトルを比較すると、インパ
クタ震源によるショット記録の方が高周波成分を多く
含むことが確認できる。図 5 にマイグレーション後時
間断面の比較を示す。重合断面においても、浅部では
インパクタ震源の方により明瞭な反射面が確認できる
が、0.5s 付近より深部では Minivib による記録の方が明
瞭な反射面を確認できる。
図2
震源外観(左)インパクタ(右)Minivib
3. 結果と考察
測定されたショット記録を図 3 に示す。また、ショ
ット記録ごとの全トレースの平均スペクトルを図 4 に
示す。2 つのショット記録は測定時間の違いによるノ
イズ状況の違いがあるものの、いずれも明瞭な初動波
形が確認できる。
図 5
マイグレーション後時間断面(左)インパクタ
(右)Minivib
謝辞
本研究は産業技術総合研究所の「東南海・南海地震予
測のための地下水等総合観測施設整備地区における構
造調査(和歌山県串本町)」の一部として実施した。
参考文献
黒田徹・高橋明久・井川猛・内田真人・中込理(1987): 反
射法地震探査における地表震源の比較— 油圧インパク
ターとバイブレータについて-,物理探査学会第 76 回
学術講演会講演論文集,105-109.
図 3 取得波形(左)インパクタ(右)Minivib
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