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日豪交流プロジェクト 2008 報告書 - 認定NPO法人 難民支援協会
日豪交流プロジェクト 2008 報告書 特定非営利活動法人 難民支援協会 助成:国際交流基金日米センター、オーストラリア大使館、トヨタ財団、 愛知県国際交流協会 目次 第1章 主催団体・講演者紹介 . .. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . . 2 第2章 名古屋シンポジウム「地域社会の難民の受け入れ~日豪の経験から~」 ... . 5 プログラム .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. ... 6 基調講演資料 ... .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. 7 1 .『 地 域 社 会 で の イ ン ド シ ナ 難 民 の 受 入 れ と 地 域 市 民 社 会 の 役 割』 ... .. .. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. 7 2.報告者パワーポイント 『Asylum Seekers and Refugees in Australia』 . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. 8 活動報告 . . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. 15 1. 『愛知県での難民の状況の報告』 .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. 15 2. 『平成21(2009)年度定住支援プログラム説明』 .. .. .. .. .. .. . .. .. 16 第3章 東京ワークショップ「オーストラリアの難民政策から学ぶ~日豪難民状況比較~」 プログラム .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ... 19 基調講演資料 ... .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. ... 20 第4章 東京シンポジウム「オーストラリアの難民政策」 .. .. .. .. .. .. .. .. .. .. . .. ... 26 プログラム .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. 27 基調講演資料 ... .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. ... 28 1.『日本における難民申請者の収容の現状と課題―難民認定手続上の重大な問題 としての難民申請者の処遇』 .. .. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ... 28 2.『Asylum Seekers and Refugees in Australia』 .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. ..29 3.『日本における庇護希望者の処遇』 第5章 .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. ...32 関連資料 .. .. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . ..34 オーストラリアの難民制度 .. .. .. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. ...34 日本の難民制度 .. .. .. .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. .. . .. .. .. .. ..38 第1章 主催団体・講演者紹介 1.主催団体紹介 特定非営利活動法人難民支援協会 難民支援協会は 1999 年に設立され、日本にやって来る難民の法的・生活支援事業を開始し た。母国での迫害から日本に逃れてきた人々に法的・社会的支援を行うと同時に、日本の 難民問題に対する認知と理解を深めるために、難民アシスタント養成講座など様々な講演 やイベントも実施している。2008 年 6 月時点で、会員 346 名。 ■目的と活動内容 難民支援協会のミッションは、難民が、日本で、自立した生活を安心して送れるよう支援 することである。これを実現するために難民支援協会の活動は 3 つの柱に基づいて行われ る。 1. 難民への法的・生活支援活動: 難民認定手続き支援などの法的支援と生活支援の 2 つの活動により、難民一人ひとり に対して、包括的・専門的に支援を行う。国連難民高等弁務官事務所の業務実施パー トナー団体として実施。 2. 政策提言、調査・研究活動: 法的・生活支援活動の中で知る難民の声や現場のニーズを、制度づくりの場に生かし、 難民にとってよりよい保護制度の確立を目指す。 3. 広報活動: 難民支援の理解促進や担い手の育成のため、日本における難民の状況や難民の声を市 民に届け、よりよい制度や難民を支える輪の広がりを目指す。 2.講演者プロフィール Grant Mitchell (Director, International Detention Coalition) 国際移住関連社会文化人類学者(social anthropologist in international migration)。現在、難民, 庇護希望者,移民の収容問題について協議する約 50 ヶ国 150 の NGO の集まり、International Detention Coalition の代表。 15 年間、オーストラリアやスウェーデンにおいて難民の支援のために活動。 特に, 庇護希望者の収容に対する代替装置の開発に尽力。その他、スリランカ, インド,マレーシアなどで人権モニタリング活動にも従事した。 2005 年から 2008 年にかけて,オーストラリア難民評議会(refugee council) の理事歴任。 2002 年オーストラリア人権賞受賞。2004 年フランス人権賞ノミ ネート 2 本間 浩 (法政大学名誉教授) 難民支援協会上級顧問。法政大学名誉教授、駿河台大学名誉教授。法学博士。 東京外国語大学で「世界の難民問題を考える」の講義を、駿河台大学法科大学 院で「国際難民法と国際人権法」を担当。 国立国会図書館に勤務、政治行政課長、外国防衛課長を歴任。その間、法政大 学講師、明治大学講師を兼務。その後、駿河台大学教授を経て、2008 年 3 月ま で法政大学教授。 国会図書館調査員以来、難民および政治亡命者の保護の法的研究に取り組み、 1976~77 年外務省の依頼により「欧米諸国における難民条約適用とその問題 点」についての分析・考察のため欧米諸国で調査・研究、難民条約加入のため の基礎的研究として資する。日本の難民受入れについても研究、インドシナ難 民連絡調整会議などでの講演、研究会参加により、難民受入れに関する社会の 理解を広めることに貢献。 3.講演者所属団体/収容に関する国際ネットワーク(IDC)ついて 収容に関する国際ネットワーク(The International Detention Coalition-IDC)は庇護希 望者、難民、もしくは移民のために医療・法律・生活面での支援や、移住に関する研究・ アドボカシー活動に取り込む50カ国の150以上の NGO や個人の国際ネットワークであ る。IDC は収容が自由な人の移動を規制する手段としてより頻繁に利用されている実態につ いての問題意識の共有から始まった。特に、グローバル化された今の世界では各国の移住 や収容政策が互いに影響を与えるため、各国の政策・情報を共有していく必要がある。そ の目的のために IDC は設立された。 IDC は収容政策と実務について国際社会の認識を高めることや、難民と移住者の収容が国 際・地域人権基準に基づいて行われるように奨励することを目指している。IDC はネットワ ーキングやアドボカーシを通じて、上の目的を成し遂げるように努力している。 IDC は以下の四つの目的を掲げている; z 難民・庇護希望者・移住者の収容を防止する; z 収容の最小化・収容の代案モデル開発 z 被収容者の人権尊重を図る; z 収容政策の Best Practice の研究および適用を奨励 IDC の運営委員会はアムネスティインターナショナル、ヒューマンライツウオッチ、ヒュー マンライツファースト、Women's Commission for Refugee Women and Children, the Canadian Council for Refugees, Jesuit Refugees Jesuit Refugee Service, Lutheran Immigration 3 and Refugee Services, the World Council of Churches、そして、以下の地域における NGO の代表を含めている。 z オセアニア z 東、南アフリカ z 北アフリカ及び中東諸国 z 東ヨーロッパ z 西ヨーロッパ z 南アジア z 東南アジア z アメリカ合衆国 z カナダ z メキシコ及び中央アメリカ z 南アメリカ 4 第2章 名古屋シンポジウム 「地域社会の難民の受け入れ ~日豪の経験から~」 主催:全国難民支援者ネットワーク、特定非営利活動法人 難民支援協会 助成:オーストラリア大使館、国際交流基金日米センター、トヨタ財団地域 社会プログラム、愛知県国際交流協会 5 プログラム ■日時:2008 年 12 月 6 日(土) 14:00~17:00 ■場所:名古屋大学内施設「野依学術記念交流館カンファレンスホール」 14:00-14:05 開会の挨拶 全国難民支援者ネットワーク代表 14:05-14:50 狩浦神父 基調講演 1:「地域社会でのインドシナ難民の受入れと地域市民社会の役 割-国際法の観点から見たその課題について」 本間浩(法政大学名誉教授) 14:50-15:50 基調講演 2: 「オーストラリアにおける難民受け入れ制度および市民社会 の役割について」 ミッシェル・グラント(International Detention Coalition 代表) 15:50-16:00 愛知県での難民の状況の報告 小谷将之 (全国難民支援者ネットワーク名古屋事務局) 16:00-16:15 難民事業本部 (RHQ) 関西支部 事業報告 中尾秀一 16:15-17:00 (難民事業本部関西支部 質疑応答 6 支部長代行) 基調講演資料 1. 『地域社会でのインドシナ難民の受入れと地域市民社会の役割』 -本間 浩 (法政大学名誉教授) 1 はじめに―――インドシナ難民受入れの経験が、今、なぜ、関心を高めるのか。 ・世界各地に滞留している難民を日本へ受入れる、という構想の高まり ・構想をめぐる UNHCR 東京事務所と政界・財界の間の同床異夢 ・あらためて必要となっている諸課題の洗い出しとそれらへの検討 2 受入れ経験の歴史的回顧―――地域社会での受入れの可能性と問題点を探るために 「第 2 の黒船事件」騒ぎとそれにより露呈された日本社会の問題点 インドシナ難民受入れに当初消極的であった政府の理由 流入してきたヴィエトナム難民による stepping stone としての日本領域滞在と、その ことに発する国際社会に対する法的問題点 その後の進展 一時的滞在者の定住受入れ希望への転換と、ブレーキ付の受入れ 東南アジア諸国に滞留するインドシナ難民の定住についての、ブレーキ付受 入れ 出入国管理および難民認定法上の難民とインドシナ難民 インドシナ難民を区別するスクリーニング制度の導入とインドシナ難民としての新た な受入れの停止 3 インドシナ難民の滞在と地域社会の対応 いち早く救援活動に動き出したカリタス・ジャパンの可能性と限界 政府の委託をうけた日本赤十字の救援活動とその限界 その他の民間団体の救援活動 救援活動の内容と問題点 ―――私の見たドイツの場合との比較 日本語研修 ¾ 職業訓練・紹介 ¾ 医療保護など 例えば、瀬戸市の場合 4 インドシナ難民受入れへの地域社会の対応の経験から見る今後の課題 難民認定申請への影響 難民の孤立を防ぐための難民間の連携と、いわゆる難民コロニーの問題点 職業選択の可能性の拡大 地方自治体の役割 7 2.報告者パワーポイント 『Asylum Seekers and Refugees in Australia』 - Grant Mitchell (International Detention Coalition) ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Australia has two refugee processes: • 1. On-shore- People who come directly and seek asylum and are under the Refugee Status Determination Process • 2. Off-shore- Refugees and humanitarian entrants who are chosen to be resettled in Australia 8 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Off-shore- Resettlement Number of refugees and humanitarian entrants accepted: Category 2006 – 2007 Refugee (a) 6,003 Special Humanitarian Program (SHP) (b) 5,275 Special Assistance Category (SAC) (c) 0 Onshore Humanitarian (d) 38 Onshore Refugees 1,701 Total 13,017 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA International Resettlement Number of refugee resettlement places in 2007 United States 60,000 – 70,000 Netherlands 500 Australia 11,500 – 13,000 United Kingdom 500 Canada 10,300 – 11,500 Brazil 280 Sweden 1900 Chile 200 Norway 1200 Ireland 200 Finland 750 Argentina 50 New Zealand 750 Iceland 50 Denmark 500 Paraguay 30 Global resettlement places – 88,710 to 101,410 9 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA International Resettlement Refugees and People of Concern (POC) Worldwide in 2006 Year Number of POC (million) Number of Refugees (million) 2000 21.9 13.0 2001 19.9 13.1 2002 20.7 11.5 2003 17.0 9.7 2004 19.2 9.2 2005 21.0 8.7 2006 32.9 9.9 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA On-shore applications in Australia by country of origin in 2007 Citizenship No. Application China, People’s Republic of 1034 Sri Lanka 458 India 383 Iraq 207 Indonesia 182 Malaysia 102 Pakistan 91 Lebanon 87 Rep of Korea 82 Fiji 77 Other 1040 Total 3743 10 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Asylum applications in industrialised countries Region 2000 2001 2002 2003 2004 Europe 475,400 492,390 481,720 396,780 314,260 Canada/US A 115,160 148,380 139,770 105,720 77,860 Australia/Ne 14,620 w Zealand 13,970 6,860 5,140 3,680 Republic of Korea/Japa n 260 390 290 430 580 Total 605,440 655,130 628,640 508,070 396,380 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA On-shore asylum process in Australia 11 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA On-shore asylum process in Australia Authorized arrival In the community with work rights and healthcare if asylum sought within 45 days Right to work and healthcare removed if rejected at RRT ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA On-shore asylum process in Australia Authorized arrival Unauthorized arrival In the community with work rights and healthcare if asylum sought within 45 days Detained for duration of the asylum process, unless ministerial intervention Right to work and healthcare removed if rejected at RRT 12 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Policy developments since 2005 • Work rights and complimentary protection being reviewed • Temporary Protection Visas abolished • Detention changes – Pacific Solution abolished, children detained as a last resort and improved conditions and monitoring and use of Case Managers • Alternatives to detention developed – Bridging Visas, Community Detention and Community Care Pilot Lessons learned 13 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Working with asylum seekers and refugees • Integration support of refugees • Reception support of asylum seekers ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Working with asylum seekers and refugees Community Group Examples: • Support Groups • Individual Social Support 14 活動報告 1. 『愛知県での難民の状況の報告』 全国難民支援者ネットワーク・小谷 1.全難ネ名古屋事務局立ち上げの背景 z 地域ネットワークづくり z 愛知県を含む東海地方の難民支援ニーズの把握(インタビュー、アンケート) (地域支援者を集めた勉強会、シンポジウム等) 2.ニーズ調査の報告 z インタビューのケース(ビルマ、ブルンジ、エチオピア、イラン、バングラ デシュ)を短めに。 z 何をどこに相談してよいのか、これから自分はどうなるのか、という不安が 常にある。難民間のコミュニティの不在。 z 支援者もいるが、横のつながりが希薄。誰(どの団体)がどんな支援にコミ ット出来るかを明確化する必要。 z 難民を活かすという発想も重要。 (国の情報を一番知っている)世界のリテラ シーである。 3.今後の全難ネの展開 z 3 月までのプロジェクト。 z 3 月までにもう 1 回くらいの勉強会を実施。 z 2 月か 3 月に、難民の方々と地域の人々、特に若い人たちがコミュニケーショ ンをとれるイベントのようなものを実施出来たらと検討している。 z その後はまだ現状では未定だが、長く継続し、徐々に支援ネットワークを根 付かせる必要があるのではないかと考えている。 15 2. 『平成21(2009)年度定住支援プログラム説明』 中尾秀一 (難民事業本部 関西支部 支部長代行) ぷ ろ ぐ ら む さ ん か ひ と プログラムに参加できる人 へい せ い ね ん ほう む だ い じ ん ど 平成21(2009)年度 てい じゅ う し え ん ぷ ろ ぐ ら む 定住支援プログラム説明会 ひと • 難民の家族 か ぞ く なん みん か ぞく お っと つま お や け っ こん ※ 難民の家族: 夫や妻、親、結婚していない こ に ほん ご に ほん ざ い りゅ う しか く ひと 子どもで、日本での在留資格がある人。 ■日本語 こ く さ い き ゅ う えん せ んたー せ いか つ が い だ ん す しえんせん た ー ※ これまでに国際救援センターやRHQ支援センターでの て い じゅ う し え ん う ひと さん か ■生活ガイダンス し ごと にん てい 法務大臣から難民として認定された人 なん み ん せ つ め い か い なん みん • 定住支援を受けた人は参加できません。 しょ う か い け んこう じょう たい ■仕事の紹介 に ほん ご れ べ る さんか じ き ※ 健康状態、日本語のレベルなどによって、参加する時期を ま さん か 待ってもらったり、参加できないことがあります。 1 2 こ そ う ご う きょ う い く ぷ ろ ぐ ら 総合教育プログラム に ほんご じ げん ー す しゅ はん せ い かつが い だ ん す じ げん とし く あ か り きゅ ら ご ぜん ご じ げ ん がつ む がつ ●10月コース (2009.10~2010.3) れい え ご ● 4月コース (2009.4~2009.9) ねん おもな例: り ひ る ま 午前と午後 6時限 ● 日本語と生活ガイダンスを組み合せたカリキュラム お す ふん (1時限=45分) せいかつ が い だ ん す こ - A. 半年コース(昼間) じ げ ん ●日本語(572時限)+ 生活ガイダンス(120時限) にほんご る い コースの種類 む こ ー す や か ん B. 1年コース(夜間) ん て ー しょ ん うぃ ー よ る く じ げん 夜の3時限 ① オリエンテーション・ウィーク がつ け ん こ う うぃ ー く ● 4月 (2009.4~2010.3) し ょ く ぎ ょ う うぃ ー く ② 健康ウィーク ③職業ウィーク 4 3 じ かん に ほん ご コースの時間 は ん とし A. 半年コース きょ う い く じ 日本語教育 げん じ げん ふん 572時限 (1時限=45分) 9:30~ 15:40 ひる やす (昼休み11:55~13:15) ねん B.1年コース 18:30~20:55 へい じつ げつ きん しゅ う い つ か かん ※ A. B.ともに、平日の月~金、週5日間。 ど にち しゅ く じ つ やす 土日祝日は休み。 はい に ほ んご き そ よ か き はな み ● 日本語の基礎(読む、書く、聞く、話す)を身につけます。 へん こ う に ほん ※ 入ってからのコース変更はできません。 し ごと ひ つよ う に ほん ご まな ● 日本でのくらしや仕事に必要な日本語を学びます。 く ら す 5 に ほ ん ご りょ く ひと い っ しょ まな ● ひとつのクラスで、いろいろな日本語力の人が一緒に学びます。 16 6 しゅ く せ い か つ が い だ ん す じ げん 生活ガイダンス じ げん は く し せつ 宿泊施設 ふん し ごと 120時限(1時限=45分) やち ん はら ひ と じぶん いえ とお ひ と 仕事をやめて家賃が払えなくなる人、自分の家が遠い人のために、 む りょ う と へ や 無料で泊まれる部屋があります。 はんとし さん かしゃ たいしょう か ぞく と ひっ こ ひ よう じこ ふ たん に ゅうき ょき かん にちか んいない ●半年コース参加者が対象 ●家族も泊まれます ●引越し費用は自己負担 ●入居期間は180日間以内 にほ ん やく た じょうほう しゅう かん まな ● 日本のくらしに役に立つ情報 や習 慣 について 学びます。 にほ ん しょう かい せい じ い りょう ほ けん り く ねん きん ぜい きん せい ど こ う つう ぱ そ こ ん ● 日本の紹介、政治、医療、保険、年金、税金の制度、交通、パソコン、 し ごと ぼう さい さ い る えい よう せ ら ぴー 仕事、防災、ごみのリサイクル、栄養、セラピーなど。 て つ づ せ たい よう 7 れい 9 世帯用 の例 もう しこ な が し め き り び 申込み締切日 手続きの流れ は ん とし ひ る ● 半年コース(昼) も う し こ ひつ よう しょ るい てい しゅつ がつ め んせ つ 申込み → 必要書類の提出 → 面接 ねん 1年に2回開講 きょ けん こ う し んだん せい ふ け っ てい けっ か → 健康診断 → 政府決定 → 結果 かい か い こ う ねん きょ む いか き ん がつ しめ きり がつ にち き ん よる ● 1年コース(夜) か 不許可 ねん かい かいこう 1年に1回開講 け っ か がつ 10月コース 【締切 7月31日(金)】 か 許 可 ふ しめき り 4月コース 【締切 2月 6日(金)】 がつ しめ きり がつ む いか き ん 4月コース 【締切 2月 6日(金)】 が つ じょ う じゅ ん れ ん ら く ※結果は3月上旬に連絡します。 10 11 17 第3章 東京ワークショップ 「オーストラリアの難民政策から学ぶ ~日豪難民状況比較~」 主催:特定非営利活動法人 難民支援協会 協力:オーストラリア大使館、国際交流基金日米センター、トヨタ財団地域社 会プログラム 18 プログラム ■日時:2008 年 12 月 8 日(月) 10:00~12:30 ■場所:ニコラ・バレ 10:00-10:10 開会のご挨拶 Jennifer Fielden, Visa Office Manager, オーストラリア大使館 10:00-10:20 参加者による自己紹介 10:20-10:55 基調講演:「オーストラリア庇護手続きの変遷と最近の政策変化,そして NGO の役割について」 ミッシェル・グラント(International Detention Coalition 代表) 10:55-12:15 Discussion Session I-日豪の庇護手続きや庇護申請者収容状況の変遷 12:15-12:30 Discussion Session II-難民申請者、認定を受けた人への支援(第三国 定住含む) 19 基調講演資料 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Australia has two refugee processes: • 1. On-shore- People who come directly and seek asylum and are under the Refugee Status Determination Process • 2. Off-shore- Refugees and humanitarian entrants who are chosen to be resettled in Australia ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Off-shore- Resettlement Number of refugees and humanitarian entrants accepted: Category 2006 – 2007 Refugee (a) 6,003 Special Humanitarian Program (SHP) (b) 5,275 Special Assistance Category (SAC) (c) 0 Onshore Humanitarian (d) 38 Onshore Refugees 1,701 Total 13,017 20 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA International Resettlement Number of refugee resettlement places in 2007 United States 60,000 – 70,000 Netherlands 500 Australia 11,500 – 13,000 United Kingdom 500 Canada 10,300 – 11,500 Brazil 280 Sweden 1900 Chile 200 Norway 1200 Ireland 200 Finland 750 Argentina 50 New Zealand 750 Iceland 50 Denmark 500 Paraguay 30 Global resettlement places – 88,710 to 101,410 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA International Resettlement Refugees and People of Concern (POC) Worldwide in 2006 Year Number of POC (million) Number of Refugees (million) 2000 21.9 13.0 2001 19.9 13.1 2002 20.7 11.5 2003 17.0 9.7 2004 19.2 9.2 2005 21.0 8.7 2006 32.9 9.9 21 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA On-shore applications in Australia by country of origin in 2007 Citizenship No. Application China, People’s Republic of 1034 Sri Lanka 458 India 383 Iraq 207 Indonesia 182 Malaysia 102 Pakistan 91 Lebanon 87 Rep of Korea 82 Fiji 77 Other 1040 Total 3743 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Asylum applications in industrialised countries Region 2000 2001 2002 2003 2004 Europe 475,400 492,390 481,720 396,780 314,260 Canada/US A 115,160 148,380 139,770 105,720 77,860 Australia/Ne 14,620 w Zealand 13,970 6,860 5,140 3,680 Republic of Korea/Japa n 260 390 290 430 580 Total 605,440 655,130 628,640 508,070 396,380 22 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA On-shore asylum process in Australia ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA On-shore asylum process in Australia Authorized arrival In the community with work rights and healthcare if asylum sought within 45 days Right to work and healthcare removed if rejected at RRT 23 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA On-shore asylum process in Australia Authorized arrival Unauthorized arrival In the community with work rights and healthcare if asylum sought within 45 days Detained for duration of the asylum process, unless ministerial intervention Right to work and healthcare removed if rejected at RRT ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Policy developments since 2005 • Work rights and complimentary protection being reviewed • Temporary Protection Visas abolished • Detention changes – Pacific Solution abolished, children detained as a last resort and improved conditions and monitoring and use of Case Managers • Alternatives to detention developed – Bridging Visas, Community Detention and Community Care Pilot 24 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Alternatives to Detention in Australia Community Care Pilot - An early intervention model of community-based welfare support, legal advice and counseling for asylum seekers • Aim- Assist asylum seekers through their immigration pathway to be better prepared and supported if they receive a visa or are required to depart the country • Outcomes– 800 people in 18 months. Of those with finalised cases around 50% being given visas, more than 45% have voluntarily departed, and less than 3% absconded. - Improved welfare of asylum seekers and positive collaboration between the Government and community sector ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA People in Immigration Detention by Arrival Type as at 7 November 2008 Visa Overstayer 24 34 100 46 74 25 Visa Cancellation Unauthorised air arrival Unauthorised boat arrival Other 第4章 東京シンポジウム 「オーストラリアの難民政策」 主催:特定非営利活動法人 難民支援協会 助成:オーストラリア大使館、国際交流基金日米センター、トヨタ財団地域社 会プログラム 26 プログラム ■日時:2008 年 12 月 8 日(月) 17:45 ~ 20:00 ■場所:名古屋大学内施設「野依学術記念交流館カンファレンスホール」 17:45-17:55 開会の挨拶 ナンシー 17:55-18:20 ゴルドン(オーストラリア大使館) 基調講演 1:「日本における難民申請者の収容の現状と課題」 本間浩(法政大学名誉教授) 18:20-19:20 基調講演 2: 「オーストラリアにおける新しい難民受け入れ制度の概要と 改善点」 ミッシェル・グラント(International Detention Coalition 代表) 19:20-19:30 日本における庇護希望者の処遇 石川えり(難民支援協会) 19:30-19:55 質疑応答 19:55-20:00 閉会のご挨拶 中村義幸(明治大学 理事) 27 基調講演資料 1. 『日本における難民申請者の収容の現状と課題―難民認定手続上の重大な問 題としての難民申請者の処遇』 -本間 浩 (法政大学名誉教授) 1 日本における難民申請者の処遇がなぜ問題なのか? ◊ 難民認定手続全体の中での難民申請者の処遇問題の位置 ◊ 無視または軽視される申請者の「生きる」権利 2 2004 年改定前の入管・難民認定法(改定前法)では申請者の処遇について規定なし ◊ 不法入国せざるを得なかった申請者をもっぱら不法入国者扱い 不法入国の申請者は身柄を拘束され、退去を強制されるのは、当然なのか? ↓ その扱いの背後にある考え方の重大な欠陥 憲法上の疑義 国際人権法上の疑義 ◊ 強制収容か仮放免か? 仮放免されても、申請者はどのように生き延びることができるのか? 3 2004 年改定法(現行法)における申請者の処遇に関する規定 ◊ 申請者に与え得るようになった仮滞在許可 その意義 その制約条件の問題点 ・本邦上陸後 6 箇月以内に申請 ・迫害のおそれのある領域から直接来たこと ◊ 依然として続く申請者の処遇に関する制度上の不備 28 2. 『Asylum Seekers and Refugees in Australia』 - Grant Mitchell (International Detention Coalition) ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Policy developments since 2005 • Work rights and complimentary protection being reviewed • Temporary Protection Visas abolished • Detention changes – Pacific Solution abolished, children detained as a last resort and improved conditions and monitoring and use of Case Managers • Alternatives to detention developed – Bridging Visas, Community Detention and Community Care Pilot ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Alternatives to Detention in Australia Community Care Pilot – An early intervention model of community-based welfare support, legal advice and counseling for asylum seekers • Aim – Assist asylum seekers through their immigration pathway to be better prepared and supported if they receive a visa or are required to depart the country • Outcomes – 800 people in 18 months. Of those with finalised cases around 50% being given visas, more than 45% have voluntarily departed, and less than 3% absconded. - Improved welfare of asylum seekers and positive collaboration between the Government and community sector 29 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA Lessons learned 30 ASYLUM SEEKERS AND REFUGEES IN AUSTRALIA The role of civil society 31 3. 『日本における庇護希望者の処遇』 -石川えり (難民支援協会) 難民支援協会についてー1 オーストラリアの難民政策 私たちは、日本の 難民が、食べたり、 寝たり、働いたりす る、そんな当たり 前の生活を支援 する団体です。 2008年12月8日 特定非営利活動法人 難民支援協会 事務局長 石川 えり 難民支援協会についてー2 難民受入の推移 • 難民一人ひとりへの支援 難民申請および認定数の推移 人 -法律支援:手続きへのアドバイス、資料作成、弁護士との連携 など -生活支援:住居探し、病院への同行、一時的な生活支援金の 支給など 9 54 申請者数 認定数 600 4 26 -相談者数285名(男性203名、 女性82名)/29カ国(他、無国籍)) 400 35 3 200 14 7 32 42 68 50 3 1 2 73 6 1 52 2 38 4 33 6 2 50 2 16 13 3 1 1 16 16 22 26 14 10 15 46 34 41 ) 07 在 08 (現 05 06 03 04 01 02 99 20 00 97 98 95 96 93 94 91 19 90 行政手続 異議申立 92 0 日本の難民認定手続の概要 難民認定手続と在留資格 司法手続 行政手続 司法審査 法務省・入国管理局 認定 認定 認定 難民認定 申請 難民認定 申請 260 2 42 • 国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR)との事業実施契約に 基づく活動。 一次審査 81 6 800 • 年間相談・支援件数(2006年度) 行政手続 1400 1000 異議 申立 審査 審査 不認定 審査 異議 申立 審査 裁判 裁判 不認定 不認定 仮滞在許可 仮滞在許可 (収容) 参与員の意見 仮放免許可 32 年 申請・認定を受ける人の出身国の内訳 今後の政策展望-1 • 審査期間の長期化 (イ ラク、エチオピア、 パキスタン、ブルンジ、 中国、無国籍者など) その他197人 2007年 ミャンマー 全816人 (ビルマ) 500人 スリランカ 43人 間平均 2000-07年 アフガニスタン 9人 545日間(最終的に認 定を受けた者の平均 期間は714日間) 全208人 ミャンマー (ビルマ)133人 トルコ76人 ※「参議院議員福島みずほ君提出難民認定制 イラン15人 日本での難民認定申請者の 国籍別内訳* 申請 ↓ インタビュー・審査 ↓ 一次結果 ↓ 異議申立 ↓ 口頭意見陳述 ↓ 異議結果 例)2006年に異議申立に関する 決定を受けた者の申請から 最終決定までの平均所要期 その他51人 度に関する質問に関する答弁書」 より 認定された難民の国籍別内訳* *2005年より国籍別認定者数の発表が上位国しかされていない 法務省入国管理局発表資料より 緊急の課題 今後の政策展望-2 <07年10月1日時点の未処理 件数の内訳> <07年10月1日時点の異 議未処理件数の内訳> 申請年 度 未処理件 数(人) 申請年 度 未処理件 数(人) 2004年 2005年 7 83 1998年 2 1999年 2 2006年 507 2004年 15 2007年 461 2005年 64 2006年 264 2007年 68 (合計) 1, 058 難民申請 を決断 申請前 一次審査 数日~数週間 原則3~4ヶ月 異議申立 約2年 裁判 1年~数年 住居 公的支援なし 公的 支援 公的支援なし 医療 公的支援なし 公的 支援 公的支援なし 支援金 公的支援なし 公的 支援 公的支援なし 就労 不許可 在留資格なし (合計) 415 在留資格あり 33 不許可 許可 不許可 第5章 関連資料 オーストラリアの難 民 制 度 1958 年連邦移民法(Federal Migration Act)と 1994 年移民規定(Migration Regulations) は、オーストラリアに入国する、もしくは滞在する外国人のビザの取得について詳細に定 めている。連邦移民法は永住プロテクションビザ(permanent protection visas,PPV)と 呼ばれる種類のビザと、難民条約の定義に則って難民を認定する手続き上の基準について 定めている。オーストラリア政府はこの基準により難民の地位申請者および庇護希望者に 永住プロテクション ビザ(permanent protection visas, PPV)を付与する。2008-2009 年 度には約 13,500 件の永住プロテクション ビザが割り当てられている。 難民は、以下の2つの手続きによって永住プロテクションビザを得ることができる。 1.【国外申請】オーストラリアに到着する前に国外にて‘難民と人道特別プログラ ム’(Refugee and Special Humanitarian Programs)を通じて,申請する。 2.【国内申請】オーストラリアに到着した後に庇護申請を行う。 【国外申請】難民プログラムと人道特別プログラム オーストラリア国外で難民の申請をする場合には Off-shore Humanitarian Visa (Class XB) を申請する。 このビザは申請後決定にかかる期間が決まっていない。 ■ 難民プログラム(Refugee Program) 難民プログラム(Refugee Program)は出身国で迫害をうけるおそれがある者の中で、第三国 定住が必要とされる人を対象にする。 たいていの申請者は国連難民高等弁務官事務所 UNHCR(The United Nations High Commissioner for Refugees)から照会される。 難民プログラム(Refugee Program)によって取得可能なビザは4種類に分かれる。 ① 難民(ビザ分類 200):申請者は UNHCR から照会される。健康診断、人物審査も課される。 ビザを許可された難民は医療費用と旅行費用の支援を得、また、政府の定着プログラ ムの利用が可能となる。 ② 国内特別人道主義ビザ(ビザ分類 201):このビザは出身国を出国できない申請者に適用 されるが、ほぼ使われていない。このビザを許可された難民は人道特別プログラムの 参加者と同じ権利を与えられる。 (下記参照) ③ 緊急救助(ビザ分類 203):このビザは差し迫った危機に直面した難民のためのもので、 ほぼ利用されない。 UNHCR から要請があった際、48 時間内に決定が下されることにな る。健康診断、人物審査を経て、ビザを付与された者は上記の難民ビザを受けた者と 同じ権利を与えられる。 34 ④ 危険に直面した女性(ビザ分類 204):このビザはシングルマザー,女性が家長である場 合など弱い立場にある女性と子どもに与えられる。UNHCR 等の団体から照会を受けて進 行される。たいていの申請者は深刻な暴力に処された女性。 ビザを得た人は難民と同 等の権利を持つ。 ■ 人道特別プログラム(The Special Humanitarian Program (SHP)) 人道特別プログラムは出身国の外にいる者で、相当な迫害、或いは出身国で深刻な人権侵 害あるいは差別を受けている者を対象にする。SHP ビザの申請者はオーストラリア市民,永 住民,あるいはオーストラリアに基盤を置いた地域団体の保障が必要になる。SHP ビザ対象 者は健康、人物審査を受け,ビザが与えられたら難民ビザ取得者に比べると限定的な支援を 受ける。 たとえば、オーストラリアへの航空運賃は自己負担となる。 【国内申請】 ■ 限定プロテクションビザ(Temporary Protection Visa (TPV)) 2001 年から 2008 年の間、「オーストラリア国外とみなされた場所」(“excised offshore place” (Christmas Island, Ashmore or Cartier Islands, Cocos islands, 海、資源 施設))と呼ばれる区間に到達した庇護希望者のための限定プロテクションビザ制度が存在 した。 この制度により、庇護希望者は審査を経て 3 年間有効な限定プロテクション ビザ を得ることができた。3年後を越えてオーストラリアに留まることを希望する場合には 3 年ごとに更新をしなければならなかった。 TPV 所持者は政府の定着支援を受けることがで きず、家族再統合も許可されていない。さらに、TPV 保有者は国外に出て再度入国すること が認められていなかった。 さらに、TPV 所有者は法的に認められた難民にもかかわらず、 移民長官の許可なくして,永住プロテクション ビザ(PPV)を得ることができなかった。 こ の制度は 2008 年 8 月 9 日廃止された。 ■ 難民地位認定手続き 一次申請手続き(Primary Stage) 庇護希望者は入国時、移民市民権省(Department of Immigration and Citizenship ―DIAC) の職員にインタビューを受ける。 その後、申請書を作成し、DIAC 職員は申請書とインタビ ューに基づいて審査する。 すべてのプロテクション ビザの可否決定は申請後 3 ヶ月以内 になされなければならない。 申請は個人、あるいは家族単位で行う。家族が申請する場合、家族一人一人のケースが審 査され、家族中 1 人でも難民認定されれば、家族全員が難民としての地位を得る。 在留資格がない庇護希望者は手続きが継続している間、パース, メルボルン, などにある収容施設に収容される。 その結果、以下のどちらかの結果となる: z 申請が受け入れられて,庇護希望者に永住プロテクション ビザ(PPV)が付与 35 シドニー z 不認定 再審査(Review Stage) 一次申請手続きで申請が却下された場合、申請者は再審査を要請することができる。不認 定者のうち約75%がこの手続きを利用する。 再審査は難民再審査審判所(Refugee Review Tribunal-RRT)で行う。 RRT は英連邦法上独 立した機関で、構成員は総督に任命される。 RRT は DIAC の決定を再審査する。 RRT はヒ アリングを実施し、難民条約の定義に従い審査を行う。 その結果、以下のどちらかの結果となる: z RRT が DIAC の決定を覆し、難民として認定する。再審査申請者の約 10%程度が、この 手続きを通じて難民認定を受ける。 z RRT が DIAC の決定を支持し、不認定。 RRT でも難民認定が却下された場合、基本的に申請者の退去が決定される。ただし、以下の ような救済措置を求めることができる。 z 司法審査 z 人道的地位 司法審査 RRT で不認定とされた申請者は、RRT による手続きの瑕疵が認められた場合のみ、連邦裁判 所に訴訟を提起することができる。裁判所は難民認定の可否を決めるのではなく、以前の 難民認定手続きが法に則って適正に行われたかどうかを審査する。裁判所が申請者の主張 を受け入れた場合、もう一度再審査をやり直すため RRT に差し戻される。 ただし、自動的 に難民の地位が付与されることはない。 人道的地位(Humanitarian Status) RRT で拒否されたケースは DIAC に差し戻され、最初審査した DIAC 職員が再度検討すること になる。 申請者が出身国に帰れない人道上の理由があると判断される場合、移民大臣が人 道的配慮による在留許可を与えることができる。また、申請者は直接、移民大臣に再検討 を要請することもできる。 オーストラリア受け入れ政策の変化 ■ 一時プロテクションビザ(TPV)の撤廃 TPV は 2008 年 8 月 9 日に廃止された。すなわち、正当な法的手続きにより、難民であるこ とが認められたすべての庇護希望者には永住プロテクションビザ(PPV)か与えられる。 2008 年 8 月 9 日現在、オーストラリアに滞在している TPV 所持者は、PPV と同等の地位 36 (Resolution of Status visa)を与えられることになった。TPV 所持者は国内手続きを繰 り返す必要はなく、健康診断、人物審査、セキュリティ・チェックを経て PPV を得ること ができる。 ■ Pacific Solution の撤廃 Pacific solution はオーストラリアへの庇護希望者の入国を防ぐための三つの方策を言う。 第一の方策は、国境保安法による進撃阻止(interdiction)によって、入国を阻止すること。 進撃阻止(interdiction)というのは、認証されていない船舶や航空機がオーストラリア領 土に接近するのを防いで、他の国家に引き渡すことを言う。 第二の方策は、オーストラリア領土の一部を移民地域(immigration zone)から分離する方 法。移民地域(immigration zone)というのは、オーストラリア国民ではない人がビザを所 持しなければならないオーストラリア領土と定義されている。2001 年の改正移民法により、 移民地域(immigration zone)の外のオーストラリア領土への「入国」は、正式な入国と認 められないようになった。この法の結果、船や飛行機でオーストラリアに入国する庇護希 望者に永住プロテクション ビザ(PPV)を与えず、一時プロテクション ビザ(TPV)だけ を申請することができるようになった。さらに、彼らはオーストラリア本土の難民認定手 続きへのアクセスが拒否された。その代わり、彼らは他の太平洋島嶼国(ナウル、パプアニ ューギニア等)に移動させられ、難民認定手続きの間、その国の収容施設に収容されること になった。 Pacific solution の最後の方策は、2001 年改正移民法により、オーストラリア政府の職員 は移民地域の外のオーストラリア領土(excised offshore places)に到着した庇護希望者を 収容したり、彼らをナウルやパプアニューギニアに移すことができるようになった。 しかし、2008 年 2 月 8 日、ナウルにおける最後の庇護希望者がオーストラリア本土に移さ れたことをもって、Pacific Solution は事実上廃棄された。オーストラリア政府はさらに、 2008 年 5 月パプアニューギニア、ナウル、マヌス島の収容施設を閉鎖した。ただし、クリ スマス島の収容施設はいまだに維持していて、移民地域の外に到着した庇護希望者は、難 民認定手続きが継続している間、クリスマス島に移されている。 ■ 全件収容政策(mandatory detention policy)の変化 2008 年 5 月 29 日、オーストラリア政府は、最後の手段として、またできる限り短期間に限 って、庇護希望者を収容することを発表した。 この政策が具体的にどのように適用される のかについては、いまだ議論が続いている。新しい政策に関する法律はまだ決められてい ない。 37 日 本 の難 民 制 度 日本における難民に関する法制度が整備されるきっかけとなったのが、インドシナ難民の受入 れであった。1975 年ベトナム、その後ラオス、カンボジアのインドシナ 3 国が次々と政治的に 不安定となったことで、インドシナ難民の本格的な流出が始まった。最初に「ボートピープル(正 規の出国手続をとらずに他国へと避難した人々)」が来日したのは 1975 年でベトナム難民 9 人が アメリカの船舶に救助されて千葉港に上陸した。以来、多くのボート・ピープルが日本に来るよ うになった。当時難民条約未加入であった日本は、アメリカ等第三国への再定住先が確定してい ることを条件として一時滞在を認めていたが、1978 年 4 月、日本政府は閣議了解によりベトナ ム難民の定住受入れを決定し、1979 年 7 月に受入れ対象をインドシナ難民一般に拡大した。 インドシナ難民の受入れ等が契機となり、1981 年、難民条約への加入が実現した。1982 年に は「出入国管理および難民認定法」が施行され、難民認定制度が導入された。法務省出入国理局 が難民申請の審査を行い、不認定に対する異議申立も法務大臣に対して行われる。法務大臣によ る決定を不服とする場合は、司法機関にて難民性を争うことも可能である。(図1参照) ■図1)難民認定申請の概要(行政手続き) 申請 インタビュー(難民調査官による事情聴取) 難民認定もしくは人道 結果 配慮による在留許可 異議の申出(結果を受けた日から 7 日以内) 難民審査参与員による口頭意見陳述・審尋 難民認定もしくは人道 結果 配慮による在留許可 不認定の場合 行政手続きの終了 司法審査(裁判) *『日本で暮らす外国人のための生活マニュアル』より 移住労働者と連帯する全国ネットワーク編 38 法務省入国管理局ウェブサイトより 39