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婚外子国籍確認訴訟:国籍法違憲判決(その2止) 家族の結びつき、重い

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婚外子国籍確認訴訟:国籍法違憲判決(その2止) 家族の結びつき、重い
婚外子国籍確認訴訟:国籍法違憲判決(その2止) ...
http://mainichi.jp/select/jiken/archive/news/2008/06/05...
事件・事故・裁判
婚外子国籍確認訴訟:国籍法違憲判決(その2止) 家族の結びつき、重い
◇「婚姻要件」主要国では異例
国籍制度には、親と同じ国籍を得る「血統主義」と、生まれた国の国籍を得る「生地主義」がある。日本は血統主義を採用し、
単純な「血のつながり」だけでなく家族の結びつきを重視してきた。
1950年施行の国籍法は父系優先主義で、出生時に日本人父と法律上の親子関係がある子は国籍を得るが、日本人母と外国人
父の子には「帰化」しか認めていなかった。84年に法改正され、現行の父母両系主義が採用された。外国人定住者や国際結婚の
増加も背景にあり、日本人母と外国人父の子に常に国籍が認められるようになった。
この際に設けられたのが3条1項で、両親の婚姻が出生の前か後かで日本人父の子の国籍に差が生じないようにするためだっ
た。しかし、生後認知の子を婚姻の有無で区別することには、国会審議でも疑問が示され、国連子どもの権利委員会が懸念を表明
した。
国は「父母が婚姻している子の方が父とのつながりが強く、法律婚尊重主義が国民感情に沿う」と説明。(1)父の認知があれ
ば「帰化」の許可条件が緩和される(2)婚姻要件を外すと、不法滞在の外国人母が偽装認知で子の日本国籍を得て、違法に在留
特別許可を受けるケースが増える−−とも主張した。
主要国のうち、日本と同様に血統主義を採用しているのはフランス、ドイツ、イタリア、ベルギーなどだが、婚姻要件は必要と
していない。米国やオーストラリアなどは生地主義を採用している。
◇「多様化」を考慮
国籍法3条1項の規定を巡っては、最高裁第2小法廷が02年に出した判決でも、合憲性に強い疑問が示されていた。今回と同
様に、婚姻関係のない日本人父とフィリピン人母の子が日本国籍を求めた訴訟で、小法廷は請求を退けたものの、5人中3人の裁
判官が補足意見で3条の規定を疑問視した。
うち2人は「国際化と価値観の多様化で家族の在り方は一様でなく、婚姻で親子関係の緊密さを判断するのは現実に合わない」
と、違憲の疑いが極めて濃いと指摘した。別の1人も「合理性に疑問がある」と述べた。
今回の大法廷判決はこの判断に沿ったものとも言え、「家族生活や親子関係に関する意識の変化やその実態の多様化を考慮すれ
ば、日本人父と外国人母の子が、両親の婚姻で日本との密接な結びつきを認められるというのは、現在の実態に合わない」と指摘
している。
さらに(1)諸外国は婚外子への差別を解消したり、認知による父子関係成立で国籍を認めている(2)同じ婚外子でも、出生
前に認知されていれば国籍が認められる−−ことも違憲判断の理由とした。
判決は裁判官15人中9人の多数意見だが、国籍法がもたらす婚外子差別の憲法判断では、「違憲」が12人で「合憲」の3人
を大きく上回った。婚外子差別が問題視される中、司法も社会情勢や国際的な潮流を意識したとみられる。
毎日新聞 2008年6月5日 東京朝刊
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08.6.5 0:29 PM
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