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世界初 - メタボリックシンドローム・ネット
CONTENTS 6 2 アディポネクチン国際シンポジウム 開催概要 3 インタビュー 住友病院 院長 おいしく健康クッキング ヘルシーとんかつ と減塩みそ汁 松澤佑次氏 4・5 7 産経新聞が メタボ特集記事を定期掲載 学会活動リポート 学会&募集 METABOLIC SYNDROME NEWS LETTER VOL.4 Special Interview 世界初 アディポネクチンの 国際シンポジウム 8月開催 メタボ撲滅委委員 東京大学医学部附属病院病院長 東京大学大学院教授 門脇 孝 アディポネクチンに関する世界初の国際シンポジウムが第64回藤原セミナー として8月に北海道・苫小牧で行われることになり、 大阪大学名誉教授で住友病 院長の松澤佑次氏 (メタボリックシンドローム撲滅委員会委員長) 、 東京大学大 学院教授で東大附属病院長の門脇孝氏 (同委員) らが開催代表を務めることが 明らかになった。 メタボ、 糖尿病の研究からアディポネクチンに絞ったシンポジウム が開かれることは画期的で、 新薬研究に向けて議論が盛り上がることが期待され る。門脇教授にインタビューした。 (山本雅人) シンポの詳細は2面参照 シンポのオーガナイザーの1人とし て準備に奔走する門脇教授は「現在、 門脇孝教授 (古賀恒雄カメラマン撮影) 会シンポが多かったが、今回は共通の 療を確実に向上させたが、それでも としての役割を果たすことが 門脇教授のグループは2001年、 『横串』 血糖コントロールが不十分な患者は どが相次いで発見。 年間の発表論文数が1700本を超え シェラー教授のグループなどととも るなど、生活習慣病の領域では最も に、 アディポネクチンが糖尿病を直接 できれば」 と話す。 今なお多い」 と分析し、 「そういった点 研究の成果は、食事制限の負担が でも新たな創薬の後押しとなる今回 研究が盛ん」 とアディポネクチン研究 抑える作用を持つことを突き止めた。 少なくても血糖値や合併症をコント の現状を解説する。 さらに03年には門脇教授グループが ロールできるという夢のような糖尿 アディポネクチンは脂肪細胞から分 世界で初めてアディポネクチンの受 病治療薬に結び付く可能性を持って 泌されるホルモンで、 1995〜96年に 容体を発見、門脇グループの関係論 いる。現在の薬について「インスリン かけ、 当時、 大阪大学医学部第二内科 文の引用回数は1万を超えるなど研 抵抗性の改善薬としてピオグリタゾン 学科卒業。2003年、東京大学 の松澤教授のグループとマサチュー 究をリードしている。 が知られているが、心不全の人には 大学院医学系研究科代謝・栄 セッツ工科大学(MIT)のハーベイ・ そんな中でのシンポの船出に「今 投与できないといった弱点がある。約 ロディシュ教授、 フィリップ・シェラー氏 までは、糖尿病学会や循環器学会、 200万人が使う、インクレチン作用を (現テキサス大学教授) のグループな 動脈硬化学会…といった病気別の学 強めるDPP―4阻害薬は糖尿病の治 糖尿病学会「臨床現場との橋渡しに」 へモグロビンA1c( HbA1c)につ のシンポの意義は大きい」 という。 かどわき・たかし 1978年、東京大学医学部医 養病態学(糖尿病・代謝内科) 教授。11年、東京大学医学部 附属病院病院長。日本糖尿病学会理事長。 メタボ リックシンドローム撲滅委員会委員。 基準(NGSP値)に合わせた」 という。 いて「持続性高血糖の指標として取 今回の学術集会会長を務める東京 門脇教授は今年の日本糖尿病学 文字に沿う6項目のアクションプラ り入れることで、それまで、血糖値を 都済生会中央病院の渥美義仁糖尿病 会学術集会(5月17〜19日、パシフィ ンを発表。 「『DREAMS』のDは、早期 2回検査する必要があり、糖尿病は 臨床研究センター長に言及し、門脇教 コ横浜)で理事長としての活躍にも 診断(Diagnosis and Care)の頭文 無症状のために2度目の検査を受 授は「臨床の立場で糖尿病に携わって 注目が集まる。 字を取ったものだ。アクションプラ けず、そのうちに合併症が出てしま こられた方。研究の成果と臨床の現場 ン3年目の達成状況と今後の課題 うということを解消したいと考えた。 との橋渡し役になってくれる」と期待 について語りたい」 と話す。 この4月からHbA1cの測定値も国際 感を表明した。 2010年の学会では5年間のアク ションプランとして『DREAMS』の頭 3 2 アディポネクチン研究進化の弾みに アディポネクチン発見者 松澤佑次・住友病院長インタビュー アディポネクチンは万能防御因子 8月4〜7日に苫 小 牧で開 催 メタボリックシンドロームや糖尿病などの研究で現在、最も アディポネクチンに関する研究論文数 注目されるアディポネクチン。国際的、学際的にその研究者が 初めて一堂に集い、成果を持ち寄ってさらなる研究の進化に 1800 つなげる 「アディポネクチン国際シンポジウム」が8月4日〜7 1600 日、北海道苫小牧市のグランドホテルニュー王子で開かれる。 1400 アディポネクチン 受容体同定 1200 藤原科学財団 (東京都中央区) が主催する 「藤原セミナー」 と 800 脇孝・東京大学大学院教授、松澤佑次・住友病院長、テキサ 600 ス大のフィリップ・シェラー教授 (兼サウスウェスタンメディカル 400 センター長) の日米3人の研究者がオーガナイザーを務めるほ 200 1226 アディポネクチンに関する研究論文数 1722 1800 1600 1388 1200 709 アディポネクチンの 発見(4グループ) 800 600 236 400 28 10 9 1 3 0 0 0 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 か、内外の招待講演者ら多数が参加する。 0 2012年8月4日 (土) ~7日 (日) 会場 グランドホテルニュー王子 (北海道苫小牧市表町4-3-1) 遺伝因子 門脇 孝 Philipp Scherer Professor and DirectorTouchstone 東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 事務局長 日本人の約40%が アディポネクチン低値の素因を保持 アディポネクチンの欠乏 東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 (J. Biol. Chem. 277:25863,2002) 肝臓 東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 日程表 8月5日 朝食 学術セッション 昼食 フリータイム 学術セッション (日) コーヒーブレイク ● ● ● ● ● ● 8月6日 朝食 学術セッション 昼食 フリータイム 学術セッション (月) コーヒーブレイク ● ● ● ● ● ● ● ウェルカムレセプション ● ポスターセッション ● アディポネクチン・受容体を標的とした糖尿病・メタボリックシンドロームの 新規診断法・治療法開発のトランスレーショナルリサーチとEBM 夕食 ポスターセッション 夕食 フェアウェルレセプション ● ● ● 臨床情報 朝食 学術セッション 閉会 ● 臨床現場への 応用 電子カルテ プログラム 主な招待講演者 住友病院 東京大学 University of Texas Southwestern Medical Center University of Texas Health Science Center 昭和大学 東京大学 The University of Hong Kong Sanford-Burnham Medical Research Institute Imperial College Tufts University Indiana University University of Gothenburg Boston University School of Medicine Boston University School of Medicine Boston University School of Medicine York University 大阪大学 University of Pennsylvania 大阪大学 名古屋大学 UNC Gillings School of Global Public Health UT Southwestern Medical Center 学術誌Nature Medicineのシニア編集者 問い合わせ・申し込み EBM テーラーメイド 治療・予防 Japan USA USA 生活習慣病 遺伝子座 50 特異度偽陽性 強化治療 USA Japan 野生型マウス (インスリン抵抗性) アディポネクチン 発現レベル (Nature Medicine :2001Nature Medicine :2002) オスモチン ドメインⅡ オスモチン ドメインⅢ 0.50 合併症非発症率 Japan PPARγ ヘテロ欠損マウス (インスリン感受性) アディポネクチン 発現レベル 根本的治療法・画期的診断法開発 1.00 0 DNAチップ(発現プロファイル) 生活習慣病鍵分子 アディポネクチンの同定 USA USA 糖尿病 (Diabetes 2002) USA USA アディポネクチン 臨床的有用性・ 妥当性の確立 China Sweden 遺伝素因DB 高脂肪食 低分子化合物 構造最適化 Japan UK UK USA + 野菜・果物 からの抽出 Japan USA 環境因子DB ゲノム解析 真陽性感度 松澤 佑次 門脇 孝 Philipp Scherer Feng Liu 中野 泰子 山内 敏正 Aimin Xu Barbara Ranscht Philippe Froguel Ernst J. Schaefer Kieren J. Mather Ulf Smith Paul Pilch Kenneth Walsh Stephen R. Farmer Gary Sweeney 下村 伊一郎 Rexford S. Ahima 船橋 徹 大内 乗有 Terry P Combs William Holland Randy Levinson (J. Biol. Chem. 278:24618,2003) ● ● 100 従来治療 5年 立体 構造解析 受容体 アゴニストの同定 (オスモチン・ARA) オスモチン ドメインⅠ (Mol Cell 21;17:171-80,2005;未発表) 高活性型アディポネクチン特異的 測定法の開発 (Diabetes Care 2006) アディポネクチン作用低下を 是正する糖尿病治療戦略(J-DOIT3) Japan USA 受容体のクローニング アディポネクチン受容体の 単離・同定・機能解明 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ (Nature2003;Nature Medicine 2007,Call Metabolism 2007,Nature2010) 高活性型(高分子量多量体型) アディポネクチンの同定 (JBC 2003) s-s アディポネクチン・受容体増加薬の 同定(PPARγアゴニスト・ARB) (Nature Medicine 2001,Diabetes 2005,JBC 2006) (図はいずれも門脇孝氏提供) USA USA シンポジウム事務局 東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科 事務局長:山内 敏正 事務局長補佐:脇 裕典 〒113-8655東京都文京区本郷7-3-1 TEL:03-5800-8818 FAX:03-5800-8823 E-mail:[email protected] 日本がリードするアディポネクチン研究。 その発見者である ならない人は、アディポネクチンの ディポネクチン国際シンポジウムが 松澤佑次・住友病院長 (大阪大学名誉教授) に研究の歴史 分泌量が高いことを示して話題にな 開かれます とこれからの発展について聞いた。 (坂口至徳) りました。また、門脇教授がアディポ 松澤氏 アディポネクチンをテーマ ネクチンの受容体を世界で初めて発 に、日本で国際的なシンポジウムが 見してからアディポネクチンの機能 できることはありがたい。発見してか の研究が発展しました。 ら10数年経って、改めて研究の歴史 シンポ、予防医学の観点から期待 動脈硬化 (Nature Medicine 7:941,2001) (Nature Medicine 8:1288,2002) オープニングセッション 松澤 佑次 インタビューに応じる住友病院の松澤佑次院長 (大塚聡彦撮影) 血管 照らし合わせ 8月7日 (火) ● 骨格筋 インスリン抵抗型・2型糖尿病 メタボリックシンドローム (招待者含む) 参加者 約100人 受付開始 28 戦後の急速な生活環境の欧米化 大阪大学大学院医学系研究科 ● 10 メタボ撲滅委員会 委員長 住友病院 院長 (Nature Medicine 7:941,2001) (Nature Genetics 30:221,2002) (Diabetes 51:536,2002) 下村 伊一郎 山内 敏正 8月4日 (土) 9 肥満を来たす環境因子 Diabetes Center University of Texas Southwestern Medical Center 事務局長補佐 脇 裕典 0 (高脂肪食、運動不足など) 0 環境因子 アディポネクチン遺伝子多型 住友病院院長 3 (アディポネクチン仮説:Kadowaki T.et al. J.Clin.invest. 116:1784-1792,2006) 役員 オーガナイザー 松澤 佑次 1 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 アディポネクチンの遺伝因子・環境因子相互作用による欠乏は 2型糖尿病・メタボリックシンドローム・心血管病の主要な原因である International Symposium on Adiponectin Biology and Medicine 会期 アディポネクチンの 発見(4グループ) 200 (年) 第64回藤原セミナー アディポネクチン国際シンポジウム 肥満でアディポネクチン 低下・生活習慣病増加 1000 447 104 アディポネクチンの 抗糖尿作用発見 1400 1011 肥満でアディポネクチン 低下・生活習慣病増加 1000 して行われる。アディポネクチン研究で世界的に知られる門 1575 アディポネクチンの 抗糖尿作用発見 1638 主催 藤原科学財団 TEL:03-3561-7736 ――世界で初めて大阪大グループが 10マイクログラムと一般のホルモンや 最近では、米ボストンで行われて をスタート時点から確認することに ヒトのアディポネクチンを発見されま サイトカイン (生理活性物質) の1000 いる疫学調査「フラミンガム研究」の なり、 これからの研究を進めていくう したが、 どのようないきさつがありま 倍から1万倍のレベルなので、 他の学 データから、タフツ大のアーンスト・ えで重要な意味があります。脂肪細 したか 者から 「このような大量の物質が機能 シェイファー博士は、アディポネクチ 胞からの防御の因子の分泌が過栄 松澤氏 脂肪細胞がどのようなもの しているはずはない。 ゴミのようなも ンが動脈硬化の予測因子になること 養になれば異常になり、制御できな かわからなかった1990年代に、 まず のだろう」 とさえいわれました。われわ を明らかにしています。 こうした研究 くなる。このようなことにフォーカス 脂肪細胞の生物学的な性質を調べ れは、 「大量にあることに意味がある」 の成果もあって、われわれのグループ されたシンポジウムは予防医学の観 ることにして、ヒトゲノムの解析をさ と病気との関係を調べていったら、実 の研究論文の引用数が10年間で1万 点からの研究のスタートにも結びつ れていた松原謙一・大阪大学名誉教 に、分泌量が低下している人に糖尿 9000回と相乗的に高まっています。 くでしょう。 授(当時同細胞工学センター長)のも 病、 動脈硬化などの症状があるケース ―― 今後、臨床研究はどのような方 とを訪れ、脂肪細胞がどのような遺 が多いことがわかってきた。 各国の研 向に進むのでしょうか 伝子を発現しているかチェックしま 究者も興味を持って、 知名度が一気に 松澤氏 予防医学として健康管理 した。当時、脂肪細胞は倉庫のように 上がりました。 大量に存在していて低 のマーカーにすることが重要です。 脂をため、食料が欠乏したときに引 下したら病気につながるということは、 内臓脂肪の増減と関連し変動する き出し、エネルギーとして燃やすこと 特定の病気ではなく、 普遍的に必要な 因子だから、それをチェックし、分泌 はわかっていました。 また、内臓脂肪 ものであるということでした。 量を増やすことで、薬とは無関係に と皮下脂肪の蓄積や燃え方の違い ―― いまやアディポネクチンの名前 改善できる。腎不全では、アディポネ をみるという目的もありました。そこ は広く知られていますね クチンが見掛け上増えるなど例外も で、一番多く発現している遺伝子は、 松澤氏 われわれの研究グループ わかってきたので、より確実なマー 脂肪細胞から外部に分泌されるタン が、世界で初めて遺伝子として登録し カーになるでしょう。アディポネクチ パク質(アディポネクチン) で、驚いた たのは1995(平成7)年です。99年に ンの分泌量を増やすような薬の開発 ことには血中に非常な高濃度で存在 アディポネクチンと命名しました。国 もきわめて重要でしょう。 していたことでした。同じ頃、米国で 内外で別の名前をつけている研究者 また、心筋梗塞の手術のあとで、ア フィリップ・シェラー博士ら2つのグ もいましたが、結局、 この名前が定着 ディポネクチンを直接投与すると、心 ループがマウスから同様のタンパク しました。 日本人の命名が海外でも採 筋の保護効果が効率よくできるなど 質を見つけました。 用されるのは珍しいことです。 新たな機能もわかってきています。 こ ――ヒトのアディポネクチンからどの 日本では、門 脇 孝 東 大 大 学 院 教 のようにアディポネクチンは、糖尿病 ようなことがわかりましたか 授が、海外ではシェラー博士がマウ をはじめ高血圧、炎症、がんなどの予 松澤氏 性質としては、 脂肪細胞から スで糖 尿 病との関 係を調 べていま 防に対応するメジャーな因子「万能防 学部でメタボの原因が内臓の周囲に蓄積する脂肪 しか分泌されず、 それなのに脂肪、 とく した。われわれと米国立衛生研究所 御因子」であることが明らかになりつ (内臓脂肪)であることを突き止め、これがメタボ に内臓脂肪が蓄積したヒトで分泌量 (NIH)との共同研究では、糖尿病患 つあり、その視点から研究に取り組ん が低下するという不思議な現象があ 者が多い米国の部族、ピマインディ でいくことになるでしょう。 りました。 その量は1ミリリットル当たり アンの中で、太っていても糖尿病に ―― 世 界 的な評 価 が 高まる中でア まつざわ・ゆうじ 大阪大学医学部卒。米カリフォルニア大学サンディ エゴ校留学。大阪大学医学部付属病院病院長な どを経て2003年から住友病院院長。大阪大学医 診断基準の策定(05年発表)につながった。06年 に国際肥満学会ウィレンドルフ賞を日本人で初受 賞。日本肥満学会前理事長。 メタボリックシンドロー ム撲滅委員会委員長。 4 5 産経新聞、 メタボ特集記事を定期掲載 過去の記事はメタボリックシンドローム・ネット (http://metabolic-syndrome.net/) に掲載 最新の研究成果、 政府の施策…読者目線で迫る 大型特集でさらに深く… 第一線の研究者、 専門分野をわかりやすく解説 メタボリックシンドローム撲滅委 興会理事長)が提唱する「テーラー の身体活動を推奨する子供の運動 面では、食事や運動のカードを組み 産経新聞の1ページを使った大型 となるメカニズムについて、佐田政 昨年3月1日紙面では、夜の酒席 性平均寿命が急降下した「沖縄クラ 員会(松澤佑次委員長)の活動は今 メイド・ヌトリション」 ( 個別設計によ ガイドラインを策定したことについ 合 わせて使うことで、1日約 3 0 0 ㌔ 特集では、2012年3月15日付の紙 隆・徳島大学大学院教授が解説。3 の増加→夜食が多くなる→朝食摂 イシス」の背景について、戦後の米 年で7年目に入り、産経新聞ではメ る栄養)を取り上げ、簡単な計算式 て中村和彦・山梨大学教授が解説。 ㌍、50㌘の減量を行い、3カ月で計 面で、ふだんは〝善玉〟のアディポネ 月27日紙面では赤柴恒人・日本大 取回数の減少→肥満・メタボという 軍統治により脂肪分の多い米国型 タボ対策に関する特集記事を定期 で自分の1日の必要量が把握でき 1月10日生活面では活動量計を子 4.5㌔やせる「はらすまダイエット」 クチンを分泌する脂肪細胞が、過大 学教授が、満腹感をもたらすホルモ 悪循環から、 「メタボは夜つくられる」 の食生活となり、内臓脂肪型の肥満 的に掲載し、各方面から大きな反響 ることやその算出法を紹介した。 供に付 けさせることにより、強 弱を について考案者の中川徹・メタボ撲 な内臓脂肪の蓄積により 〝悪玉〟の ンであるレプチンが睡眠不足によっ という傾 向を示した経 済 産 業 省 の から動脈硬化などに至ることを益崎 が寄せられている。2012年4月10 それに先立ち、2月7日生活面で 含めた運 動 量を把 握、肥 満 対 策 に 滅 委 実 行 委 員(日立 製 作 所日立 健 アディポサイトカインを出すものに て分泌不足となるという米国の研究 調査結果を詳しく説明。昨年6月26 裕章・琉球大学大学院教授が分かり 日の全国版生活面ではメタボ撲滅 は肥 満 や 体 力 低 下の防 止のため、 役立てている全国各地の小学校の 康管理センタ副センタ長)に聞いて 変わり、心筋梗塞を引き起こす要因 成果を紹介した。 日紙面では、長寿県だった沖縄の男 やすく語っている。 委員会の渡邊昌委員(生命科学振 文部科学省が今春、1日1時間以上 取り組みを掲載。昨年12月6日生活 いる。 6 7 メタボ・糖尿病の人も大丈夫なメニューを紹介します 小山浩子 学会活動 こやま・ひろこ (料理家/管理栄養士) 「生活習慣病改善指導士」制度スタート、10月に認定試験 大手食品メーカーを経て2003年フリーに。出張スタイルの料理教室を 立ち上げ、 コーディネーター兼講師として活躍。大手電機メーカー主催 のメタボ教室も好評。 ブログはhttp://koyama165.exblog.jp/ 日本肥満学会では今年4月から、 ヘルシーとんかつと 減塩みそ汁 「生活習慣病改善指導士」の制度を ことを目指すと 生活習慣病改善指導士が活躍する舞台 いう。 肥満症専門病院 + 肥満症専門医 創設し、5月中旬から応募を受け付 こうした新た け、第33回の学術大会(京都)最終 な 役 割 を 担う 日の10月12日に第1回の認定試験 のは生活習慣 をメルパルク京都(京都市下京区) 病の改善・予防 で行う。 で適切な指導 病院として認定する。病院以外の健 が引き金になるので、そういった状 生活習慣病改善指導士は、 「 肥満 を行うことができるという条件で、職 診機関や保健指導施設でも生活指 態の手前の人を含めターゲットにし に関連する生活習慣病改善でよりよ 種として保健師、看護師、管理栄養 導の専門職として認定される。 て適切な指導をしていってくれるこ い指導を行うため、有能な専門的知 士、臨床検査技師、理学療法士、健康 認定制度委員会委員長を務める とを期待している」 と話す。 識と技術を有する職種の資質向上 運動指導士、臨床心理士などが該当 結核予防会新山手病院(東京都東 受 験には学 会のスキルアップ 講 診療所 健康機関・保健指導施設 を図り、国民の健康増進に貢献する する。生活習慣病改善指導士は、同 村山市)の宮崎滋・生活習慣病セン 座や肥満症サマーセミナーの受講 ことを目的とする」 ( 学会)もので、 メ じく新設される肥満症専門医ととも ター長は「受験者は50~100人を が必要で、申請手続きや試験の詳細 タボにとどまらず、それに陥る前の に患者を指導、専門医と改善指導士 想定している」 としたうえで、資格取 は学会ホームページ(http://www. 段階で予防し、指導の裾野を広げる をそろえた医療機関を肥満症専門 得者は「生活習慣病は肥満やメタボ jasso.or.jp/)に掲載される。 学会 5 17 木 〜 19 土 &募集 6 第55回 日本糖尿病学会年次学術集会 「夢の実現に向けて」 ■5月17日 (木) 小山浩子さん ヘルシーとんかつ、たっぷりキャベツ添え 生活習慣病の原因をつくるそれぞれの生活習慣はその人 材料2人分 ● 豚肩ロース ● 塩・こしょう ● 2枚 (300g) レモン 適宜 ミニトマト 適宜 ブロッコリー・スーパースプラウト 適宜 ● 少量 ● 薄力粉 大さじ3 ● ● 牛乳 大さじ3 ● ● パン粉 適量※細かいもの ● 白菜のゆず漬け ( 同上 ) ● サラダ油 少量 ● 胚芽米 ( 同上 ) ● キャベツ 適量 ノンオイルドレッシング 市販品を使用 ❷ ①の豚肉の表面の水分をふきとり、牛乳を混ぜた薄力粉をまぶして、 まわりにパン 粉をしっかりつける ❸ フライパンに薄くサラダ油を熱し、両面こんがり焼く。豚肉に穴をあけておくことで 少ない油でも火通りが良くなり短時間でカリッと揚がる。牛乳で溶いた薄力粉の ころもを使用することで作業工程がシンプルに。卵を使用した時よりも油の吸収 率を抑えられる 熱湯 かつを料理研究家で管理栄養士の小山浩子氏にメタボレ ターのために考案してもらった。 そこには裏技や工夫が随所にみられる。揚げる前にとん かつの脂身をなるべく切り落と 油もぎりぎりの量とし、揚げた 後もキッチンペーパーで油を吸 ロールゼロのサラダ油。 ドレッ シングもカロリーが10分の1程 度とされるノンオイルを使う。 で、減塩に。 ヨーグルトの味がこ 1袋 (5g) 300cc サツマイモ 〔1cm厚さの半月切り〕 1/4本 ● ● 白ねぎ 1/4本 ● みそ 大さじ1 ● プレーンヨーグルト 大さじ1 ❶ 茶こしにかつお節を入れて熱湯をゆっくり注ぐ ❷ 鍋にだし汁を入れてサツマイモがやわらかくな るまで煮る。ネギを加えひと煮したら、合わせて おいたみそとヨーグルトを加える くをひきたてる効果がある。 ワークショップ 「高度肥満症の治療法―内科療法or外科療法」 今回使った食材。 「ブロッコリー・スー パースプラウト」 ( 右下) はビタミンB 群が豊富 座長 横手 幸太郎(千葉大学) 兒玉 多曜(下都賀総合病院) 特別講演2: 「回復する力、新しい力」大江 健三郎 (ノーベル文学賞作家) ■5月19日 (土) 齋藤氏 「小児肥満症の問題点とその対策」 CONTENTS 座長 大関 武彦(共立女子大学) シンポジウム: 「糖尿病と動脈硬化・高血圧:研究と臨床」 座長 片山 茂裕(埼玉医科大学) 、石橋 俊 (自治医科大学) 1 第34回日本高血圧学会総会 杉原 茂孝(東京女子大学) 5 おいしく健康クッキング パネルディスカッション レンコンの梅おろしあん& 会場:学術総合センター[一橋記念講堂] 上島弘嗣氏 サンマごはん 大関氏 (東京都千代田区一ツ橋2-1-2) 研究リポート 基調講演 島本 和明氏 ンパス 03・5840・6 お問い合わせ/株式会社コ 6131 県立広島大学 加藤秀夫教授 座長 会 場:パシフィコ横浜 パンパシフィック横浜ベイホテル東急 (横浜市西区みなとみらい1-1-1) 2 お問い合わせ/日本コンベンションサービス株式会社 03・3508・1214 津下 一代氏 中川 徹氏 菅野隆のエクササイズ 論文募集 第49回(2012年度)ベルツ賞 宮崎 滋のメタボ教室 7 委員の活躍 門脇孝氏受賞 19 木 〜20 金 「動脈硬化性疾患の包括医療 −ガイドライン20124− 」 7 3 第44回 日本動脈硬化学会総会・学術集会 講演 野口 緑の保健師の現場から イベントカレンダー 募集テーマ:「自己免疫疾患-最近の進歩- 」 4 1等賞=賞金 800万円 2等賞=同 400万円 応募資格:日本の医学部を卒業し、 日本国内において研究を行った者 (医薬品産業の所属者は除く) 応募方法:A4判用紙またはA4判横書き用原稿用紙で1ページ当た 北氏 パネルディスカッション 「メタボリックシンドローム最前線~腸管免疫と慢性炎症~」 座長 横手 幸太郎(千葉大学大学院医学研究院細胞治療内科学) 平田 健一(神戸大学医学研究科内科学講座循環器内科学分野) り400字、図表等を含め50ページ以内 応募期限:7月30日 (月)必着 設立:1964年、 ドイツのベーリンガーインゲルハイム社による 横手氏 送 付 先・お問い合わせ/日本ベーリンガーインゲルハイム株 式 会 社ベルツ賞事 務 局 (〒141-6017 東京都品川区大崎21 -1 - ThinkPark Tower 03・6417・2015) 会場:ヒルトン福岡シーホーク (福岡市中央区地行浜2-2-3) お問い合わせ/株式会社コングレ九州支社内 092・716・7116 メタボリックシンドローム撲滅委員会 ヘルシーとんかつの栄養価(1人分) 脂質 エネルギー たんぱく質 (g) (kcal) (g) 546 29.5 38.0 炭水化物 ナトリウム 塩分相当量 カルシウム (g) (g) (g) (mg) 16.1 127 0.32 37 脂質 エネルギー たんぱく質 (g) (kcal) (g) 2.6 0.9 炭水化物 ナトリウム 塩分相当量 カルシウム (g) (g) (g) (mg) 16.4 委員長 松澤 佑次 (財)住友病院院長(日本肥満学会前理事長) 委員 門脇 孝 東京大学大学院教授 (日本糖尿病学会理事長) 島本 和明 札幌医科大学学長・理事長(日本高血圧学会前理事長) サツマイモとネギの減塩みそ汁(1人分) 83 みそ汁はヨーグルトをまぜ、減塩効果 演者 齋藤 康(千葉大学学長) 特別企画ガイドライン2012 「改訂『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012』 」 座長 寺本 民生(帝京大学医学部内科) 佐々木 淳(国際医療福祉大学) わせる。使用する油もコレステ 「肥満症の積極的治療の方法と意義」 「肥満症治療の将来」 ■5月18日 (金) Featured Session (会長特別企画) 「時代を変えた科学者たち」 座長 北 徹(神戸市立医療センター中央市民病院長) 佐々木 淳(国際医療福祉大学) りやすくする。 フライパンにひく 使用するみその量を減らすこと 材料2人分 ● リーを気にしないで食べられる魔法のようなヘルシーとん みそ汁にはヨーグルトをまぜ、 サツマイモとネギの減塩みそ汁 かつおパック い。そこでメタボリックシンドロームや糖尿病の人でもカロ し、肉にも包丁を入れて熱が通 ❶豚 肉は、 先のとがったフォークで全体に穴をあけておき、 塩、 こしょうで下味をつける ● の生き方そのもの。 とくに好きな食事はなかなかやめられな 29 金 〜 30 土 第30回 日本肥満治療学会学術集会 理事長提言 理 事 長 声 明:門脇 孝 (日本糖尿病学会理事長) シンポジウム1: 「2型糖尿病インスリン分泌」 シンポジウム2: 「再生医療による糖尿病治療の可能性」 シンポジウム3: 「慢性炎症とインスリン抵抗性」 シンポジウム4: 「災害時の糖尿病診療」 ころもが薄く脂身も少ない とんかつは、奇跡の500kcal台を実現 (写真はいずれも横幕雅大カメラマン撮影) リポート 268 0.68 41 北 徹 神戸市立医療センター中央市民病院院長(日本動脈硬化学会理事長) 齋藤 康 千葉大学学長 渡邊 昌 生命科学振興会理事長 中尾 一和 京都大学大学院医学研究科内科学講座内分泌代謝内科教授 (日本肥満学会理事長) 4 メタボリックシンドローム撲滅委員会 企画・編集:坂口 至徳、大家 俊夫、山本 雅人、勝田 剛平 発行:メタボリックシンドローム撲滅委員会 発行日:平成24年5月17日 産経新聞社 東京本社 事務局 〒100-8077 東京都千代田区大手町1-7-2 03 - 3275- 8944(産経新聞社) E-Mail. [email protected] 毎日不安に思いながらも、メタボを放置していないでしょうか。 メタボは動脈硬化をすすめ、脳卒中や心筋梗塞を引き起こします。 正しい知識を学んで、末永い健康づくりに役立てたいですね。 メタボ対 策は、知ることから。 メタボの総合情報サイト www.metabolic-syndrome.net 【 主 催 】 メタボリックシンドローム撲滅委員会、 産経新聞社、 フジテレビジョン、 ニッポン放送、 フジサンケイ ビジネスアイ 【 後 援 】 厚生労働省/日本肥満学会、 日本血栓止血学会、 日本動脈硬化学会、 日本歯科医学会、 日本高血圧学会、 日本歯周病学会、 日本糖尿病学会、 日本抗加齢医学会、 日本循環器学会、 日本CT検診学会、 日本腎臓学会、 日本人間ドック学会、 日本心臓病学会、 日本総合健診医学会、 日本食物繊維学会、 日本プライマリ・ケア連合学会、 日本内分泌学会、 日本小児科学会/日本医師会、 日本臨床内科医会、 日本歯科医師会、 日本栄養士会、 日本薬剤師会、健康・体力づくり事業財団、 日本健康運動指導士会、 日本フィットネス産業協会、 日本糖尿病財団、 日本心臓財団、 日本看護協会、 日本製薬工業協会、 日本OTC医薬品協会、日本生活習慣病予防協会、全国保健師長会、日本ウオーキング協会、日本健康スポーツ連盟、健康保険組合連合会、健康日本 21推進全国連絡協議会、日本学校保健会、 全国学校栄養士協議会、日本食生活協会/サンケイリビング新聞社、扶桑社 【協力団体】 高尿酸血症・メタボリックシンドロームリサーチフォーラム 【特別協賛】 第一生命保険株式会社 【 協 賛 】 アステラス製薬株式会社、 第一三共株式会社、 株式会社タニタ、 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社、 (社) 日本酪農乳業協会 【 賛 助 】 株式会社カーブスジャパン