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トップエスイー修了制作 超上流要求工学の要求分析手法に基づく 要件定義書のレビュー手法の提案 メルコ・パワー・システムズ株式会社 眞鍋 慎一 [email protected] 開発における問題点 手法・ツールの適用による解決 「①要件抽出の漏れを減らす」ために,RODAN の役割依存モデルとCATWOE分析を適用するこ とで見えてくる「違和感」から,抽出の漏れを見 つける. 「②要件の優先順位を把握する」ために, RODANの役割依存モデルで要件に対する役割 を定義し,論理的に優先順位を定義する. ユーザにとって真に必要なシステムを開発する ためには要件定義プロセスは欠かせないが, 要求の追加・変更が後々から発生することは珍 しくない.限られたコストと工程で,①要件抽出 の漏れを減らし,②要件の優先順位を把握する ためにはどのような手法を適用するのが良いか, 検証し実現方法を纏めたいと考えた. 要件定義書のレビューにおけるアプローチ ワークフロー 手順1.関係者の役割を定義 手順3.関係者一覧の作成 Customer Aセンター Actor B企業 Owner C団体 関係者 意見・主張 Aセンター ・・・ D団体 ・・・ 手順4.ワークフローと要件の見直し ・見落としていた関係者の要求はないか? 要件一覧 手順2.フローと要件の役割比較 □ 要求 JDG03 理由 要求 要求 判定の事前条件と事後条件の結びつきをXML形式で保存するため JDG03-01 理由 判定の事前条件として,アプリケーションの起動を表す内容をXML形式で 定義可能とする 判定の事前条件として,シナリオの適用を表す内容をXML形式で定義可能 とする 装置に対するユーザからの操作(要求)における単体の動作を模擬するた め □ JDG03-04 理由 □ 要チェック! ・ワークフローに漏れ? ・優先順位は低い? 判定の事前条件として,特定の信号の受信を表す内容をXML形式で定義 可能とする 要求 JDG03-05 判定の事前条件として,特定の信号の送信を表す内容をXML形式で定義 可能とする フロー JDG03-01 JDG03-02 理由 □ 要求 装置の信号送信に続く特定の動作を模擬するため 理由 B A 判定の事前条件として,アプリケーションに対する特定の操作(要求)を表 す内容をXML形式で定義可能とする 装置に対するユーザからの操作(要求)における単体の動作を模擬するた め A C 判定の事前条件として,特定の信号の受信を表す内容をXML形式で定義 可能とする 装置の信号受信に対する応答信号の送信の動作を模擬するため No.2 JDG03-05 同じ 装置に対するユーザからの操作(要求)における一連の動作を模擬するた め 該当なし JDG03-04 同じ 判定の事前条件として,シナリオの適用を表す内容をXML形式で定義可能 とする □ 要求 Owner 装置のイニシャライズ処理や,起動直後からの動作を模擬するため No.1 JDG03-03 Customer Actor 判定の事前条件として,アプリケーションの起動を表す内容をXML形式で 定義可能とする No.1 理由 装置の信号受信に対する応答信号の送信の動作を模擬するため □ 理由 判定の事前条件として,アプリケーションに対する特定の操作(要求)を表 す内容をXML形式で定義可能とする 判定の事前条件と事後条件の結びつきをXML形式で保存するため 理由 □ 理由 要求 要求 装置に対するユーザからの操作(要求)における一連の動作を模擬するた め JDG03-03 判定の事前条件で使用する条件は全て,XML構造で定義可能とする 理由 □ JDG03-02 □ 要求 要求 装置のイニシャライズ処理や,起動直後からの動作を模擬するため 理由 要求 JDG03 理由 □ 要求 ・新たなワークフローが見つからないか? □ 判定の事前条件で使用する条件は全て,XML構造で定義可能とする 同じ 同じ 判定の事前条件として,特定の信号の送信を表す内容をXML形式で定義 可能とする 同じ ・注意すべきワークフローの要件は適切? □ 要求 JDG03 理由 要求 C 判定の事前条件で使用する条件は全て,XML構造で定義可能とする 判定の事前条件と事後条件の結びつきをXML形式で保存するため JDG03-01 理由 判定の事前条件として,アプリケーションの起動を表す内容をXML形式で 定義可能とする 装置のイニシャライズ処理や,起動直後からの動作を模擬するため □ 要求 JDG03-02 判定の事前条件として,シナリオの適用を表す内容をXML形式で定義可能 とする 理由 装置に対するユーザからの操作(要求)における一連の動作を模擬するた め JDG03-03 判定の事前条件として,アプリケーションに対する特定の操作(要求)を表 す内容をXML形式で定義可能とする 理由 装置に対するユーザからの操作(要求)における単体の動作を模擬するた め JDG03-04 判定の事前条件として,特定の信号の受信を表す内容をXML形式で定義 可能とする □ D 要求 □ 要求 同じ 理由 装置の信号受信に対する応答信号の送信の動作を模擬するため □ 要求 JDG03-05 理由 装置の信号送信に続く特定の動作を模擬するため 判定の事前条件として,特定の信号の送信を表す内容をXML形式で定義 可能とする 装置の信号送信に続く特定の動作を模擬するため □ □ 評価 ・ワークフローと要件にRODANの役割依存モデルを 適用することで,要件抽出が足りない関係者が存在す ることが判明.その関係者をCustomerとする要件の 妥当性を確認し,必要な要件の漏れを抽出できた. ・関係者からの要件は,Owner>Customer>Actor の順で優先順位を定義することができた. ・RODANの役割依存モデルと併せてCATWOE分析 を実施したが,"T", "W", "E"の抽出は必要最小限 に抑えても影響は小さい.⇒時間の短縮につながる. 今後の展望 ・複数の開発案件に対して試行を行い,データの収集 と分析に基づいて,より効率が良く,対応範囲の広い レビュー手法の提案を進める. ・実践しやすいマニュアルを作成する. ・より確かな優先順位の定義を行うためにはKAOSの ゴールモデル分析を適用することが望ましいため, KAOSのゴールモデル分析に対して効率の良い運用 方法を検討する. 国立情報学研究所 トップエスイー トップエスイー: サイエンスによる知的ものづくり教育プログラム National Institute of Informatics ~サイエンスによる知的のものづくり教育プログラム~ 文部科学省科学技術振興調整費 産学融合先端ソフトウェア技術者養成拠点の形成