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タイ,ベトナムの低炭素政策と 企業調査結果

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タイ,ベトナムの低炭素政策と 企業調査結果
国際ワークショップ
ー アジアの低炭素化に向けた都市の取組み ー
日本の低炭素化に向けた政策
GHG排出量を2020年までに1990年レベルよりも25%削減
というかなり野心的な目標が設定されている
導入発表
タイ,ベトナムの低炭素政策と
企業調査結果
1 地球温暖化対策推進法(温対法)
1.地球温暖化対策推進法(温対法)
1998年に制定,以後数回にわたり改定される
京都議定書目標達成に向けた枠組み,情報提供
2011年3月14日
国と地方公共団体 事業者の責務を明記
国と地方公共団体,事業者の責務を明記
九州大学大学院 経済学研究院
藤田敏之
特定の事業者に対しGHG排出量報告を義務付ける(2002年)
京都メカニズム(JI,CDM,IET)促進 (2006年)
地球温暖化防止活動推進センターの拡充(2008年)
暖 防
動
充
1
Kyushu University UI project Kyudai Taro,2007
2
日本の低炭素化に向けた政策(続き)
タイの低炭素化に向けた政策
2 エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)
2.エネルギ
の使用の合理化に関する法律(省エネ法)
 タイのエネルギ
タイのエネルギー消費の部門別内訳(2009年):工業36%
消費の部門別内訳(2009年):工業36%,運輸
運輸
36%,民生23%,農業5%
1979年に制定,2005年,2008年に大幅な改定
一定規模以上の事業所,建造物建築主体にエネルギー使用状
況・計画を提出させる
近年の改正は温室効果ガス削減を意図している
 第10次国家経済社会開発計画では,1人当たりGHG排出量を
第10次国家経済社会開発計画では 1人当たりGHG排出量を
3.5CO2換算トン以下にするという目標を掲げている(エネルギー省
は2020年まで15%の削減目標)
政策対象が産業部門から運輸部門,家庭・業務部門にシフト
 エネルギー省による再生可能エネルギー開発15年計画では,
再生可能 ネルギ のシェアを2008年の6%から2022年には20%
再生可能エネルギーのシェアを2008年の6%から2022年には20%
に上げることを目標としている(そのための方策・・・ESCO事業,
CDMなど)
エコポイント,新エネルギー補助金などで消費者の省エネ製品購
買を促進.地球温暖化対策税の導入が決定された.排出量取引
暖
排
は試験的導入にとどまっている(地球温暖化対策基本法は廃案)
バンコクでも温暖化緩和のためのアクションプランが輸送,再生
可能エネルギー,省エネ住宅,廃棄物,緑化の各分野で策定され
ている
3 経済的政策手段の利用
3.
Kyushu University UI project Kyudai Taro,2007
3
Kyushu University UI project Kyudai Taro,2007
4
中小企業調査(タイ ベトナム)
中小企業調査(タイ,ベトナム)
ベトナムの低炭素化(省エネルギー)に向けた政策
 ベトナムのエネルギー消費の部門別内訳(2010年):工業47%
トナムのエネルギ 消費の部門別内訳(2010年):工業47%,
運輸29%,民生22%,農業2%
 商工省が中心となり省エネルギ
商工省が中心となり省エネルギーに関する法体系を整備してい
に関する法体系を整備してい
る.2006年に施行された国家省エネ計画(VNEEP)では2006~10年
の期間にエネルギー消費をBAUの3~5%,2011~16年にBAUの5
~8%削減する目標をおいている
2007,08年に合計660億ドンの国家予算がこの計画に割り当てら
れた.技術面だけでなく,教育,マネジメントも強調されている
 国連,世界銀行,JICAなどの協力も受けている.国連開発計画
国連 世界銀行 JICAなどの協力も受けている 国連開発計画
(UNDP)は中小企業の省エネ促進事業に資金を投入している
アンケート概要
•対象:バンコクの企業(主に中小企業)111社(タマサート大学の協力),
ホーチミンの企業(主に中小企業)88社(ホーチミン工科大学の協力)
•項目:100近くにおよぶ.エネルギー利用状況 (Part 1),省エネルギーに
対する意識 (Part 2),環境・CSRに対する意識 (Part 3)
•目的:省エネルギー機器に対するニーズの把握,省エネルギーや環境
保全活動に影響を与える要因の把握
ホーチミンの38社についてはPart 1の回答しか得られていないため,
分析対象からは除外
その他いくつかの企業を直接訪問し,ヒアリングを行った
 電源構成に占める水力,ガスの割合が高く,炭素排出は少ない
電源構成に占める水力 ガスの割合が高く 炭素排出は少ない
Kyushu University UI project Kyudai Taro,2007
5
Kyushu University UI project Kyudai Taro,2007
アンケート結果(バンコク)
アンケート結果(バンコク)続き
 主要エネルギー源
電力 98,ディーゼル油 23,バイオマス 20
 省エネルギー機器を使ったことがあるか
はい 49,いいえ 44(大きな企業:はい 31,いいえ 21)
 最も電力を消費する機器
照明 98,エアコン 74,ポンプ類 53,送風機 33
 企業は環境対策をすべきか
はい 74,いいえ 21
 省エネルギー器具へのニーズ
コンプレッサー 32,照明器具 25,回転数制御 22,ボイラー 13
送風機 13,
13,エアコン
ア ン 12,ポンプ類 12,廃熱回収利用 11
 環境保全活動をしているか
積極的にしている 52,している 11,まだしていない 15
 どのような環境保全活動をしているか
省エネルギー 62,汚染削減 28,節水 20,リサイクル 19
 投資回収年数が何年以内ならば省エネ機器を導入するか
3年以内 46,5年以内 44
 CSR活動をしているか
している 36,していない 8
 環境に関連した対策を行う計画
ある 71(そのうち33社は1年以内に開始予定),ない 27
(資本金が2000万THB = 約5500万円以上の企業:ある 43,ない11)
43 ない11)
 CSR活動促進策としてふさわしいもの
情報提供 41,資金援助 22,政府の指導 16
 どのような環境対策をする予定か
電力消費削減 53,製造
53,製造コスト削減
ト削減 32,省
32,省エネ機器購入
ネ機器購入 23
Kyushu University UI project Kyudai Taro,2007
6
 環境保全活動を行うときに誰との協力が必要か
地域社会コミュニティ 66,企業 18,行政機関 14
7
Kyushu University UI project Kyudai Taro,2007
8
アンケ ト結果(ホ チミン)
アンケート結果(ホーチミン)
アンケ ト結果(ホ チミン)続き
アンケート結果(ホーチミン)続き
 主要エネルギー源
電力 45,ディ
45 ディーゼル油
ゼル油 16,石炭
16 石炭 16
 省エネルギー機器を使ったことがあるか
はい 4,いいえ
4 いいえ 36(大きな企業:はい 4,いいえ
4 いいえ 27)
 最も電力を消費する機器
エアコン 13,ボイラー 12,加熱炉 10
 企業は環境対策をすべきか
はい 40,いいえ 2
 省エネルギー器具へのニーズ
照明器具 18,エアコン 18,ボイラー 15,ポンプ類 10,乾燥炉 8
廃熱回収利用 8,コンプレッサー
8 コンプレ サ 8
 環境保全活動をしているか
積極的にしている 25,している 16,まだしていない 1
 どのような環境保全活動をしているか
省エネルギー 28,汚染削減 27,リサイクル 26,節水 26
 投資回収年数が何年以内ならば省エネ機器を導入するか
3年以内 25,5年以内
25 5年以内 12
 CSR活動をしているか
している 5,していない 35
 環境対策を行う計画
ある 29(そのうち7社は2年以内に開始予定),ない 11
(資本金が200億VND = 約8000万円以上の企業:ある 23,ない 8)
 CS
CSR活動促進政策としてふさわしいもの
活動促進政策としてふさわしいもの
情報提供 35,政府の指導 25,資金援助 24
 何をする予定か
製造コスト削減 26,電力消費削減
26 電力消費削減 23,汚染物質削減
23 汚染物質削減 21
Kyushu University UI project Kyudai Taro,2007
 環境保全活動を行うときに誰との協力が必要か
行政機関 24, 企業 14,NPO 13
9
アンケ ト結果(ヒアリング調査結果)のまとめ
アンケート結果(ヒアリング調査結果)のまとめ
 エネルギー源として電力の消費が圧倒的に多く,電力を最も多
く消費している機器は照明 エアコンなど
く消費している機器は照明,エアコンなど
 省エネルギー機器に対するニーズとしては照明機器が多く,さ
らにバンコクではコンプレッサー,回転数制御,ホ
らにバンコクではコンプレッサ
回転数制御 ホーチミンで
チミンで
はエアコンが多いのが特徴的
節電がコスト削減に結びつくことが省エネに対するインセンテ
ネに対するインセンテ
 節電がコスト削減に結びつくことが省
ィブとなっている
環境対策をすべきと考える企業は非常に多いが,実際の行動に
き 考える企業は非常 多
,実際 行動
 環境対策をす
は必ずしも結びついていない.バンコクではCSR活動をしてい
る企業が多い.規模が大きい企業が省エネ・環境に積極的
 バンコクの企業は地域コミュニティ,ホーチミンの企業は行政
機関との連携を重視している
 低炭素社会への企業の関心はまだあまり高くない
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