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閲覧/開く - 日本大学リポジトリ
学童におけるHDLサブクラス構成と
内臓脂肪蓄積に関する研究
日本大学大学院医学研究科博士課程
内科系小児科学専攻
大熊
洋美
2014 年
指導教員
岡田
知雄
学童におけるHDLサブクラス構成と
内臓脂肪蓄積に関する研究
日本大学大学院医学研究科博士課程
内科系小児科学専攻
大熊
洋美
2014 年
指導教員
岡田
知雄
目次
ア)
概要 ...................................................................................................... 1
イ)
緒言 ...................................................................................................... 3
第1節
研究の背景
第1項
日本人における心血管疾患 ................................................. 3
第2項
脂質代謝のメカニズム ........................................................ 4
第3項
インスリン抵抗性と脂質代謝 .............................................. 5
第4項
内臓肥満と脂質代謝 ........................................................... 5
4-1
内臓肥満と高 TG 血症 ........................................................ 6
4-2
内臓肥満と低 HDLC 血症 ................................................... 7
第5項
メタボリックシンドローム(MetS)と脂質代謝................. 8
第6項
研究の意義 ......................................................................... 9
第2節
脂質測定 ............................................................................ 10
2-1
脂質測定法 ....................................................................... 10
2-1-1
HPLC 法 .................................................................... 11
2-1-2
直接法(酵素法) ....................................................... 12
2-2
Non-high-density lipoprotein cholesterol
(non-HDLC) .................................................................. 13
ウ)
第3節
腹囲、腹囲身長比 ............................................................... 13
第4節
研究の目的
..................................................................... 15
対象と方法 ......................................................................................... 16
第1節
対象 ................................................................................... 16
第2節
測定項目と方法 .................................................................. 17
2-1
身長と体重 ....................................................................... 17
2-2
腹囲、腹囲身長比 ............................................................. 17
2-3
脂質測定 ........................................................................... 17
2-4
インスリン抵抗性 ............................................................. 18
2-5
MetS ................................................................................ 18
第3節
インフォームドコンセント ................................................. 19
第4節
統計処理 ............................................................................ 19
エ)
結果 .................................................................................................... 20
第1節
対象の特徴 ......................................................................... 20
第2節
HPLC 法による HDL サブクラス特性................................ 20
第3節
各 HDL サブクラスにおけるコレステロール濃度と
各測定値との関係 ............................................................... 21
第4節
HDL サブクラスと MetS の診断項目との関係 .................... 23
オ)
考察 .................................................................................................... 23
カ)
まとめ ................................................................................................ 28
謝辞 .............................................................................................................. 29
表 ................................................................................................................. 30
図 ................................................................................................................. 34
図説 .............................................................................................................. 42
文献 .............................................................................................................. 44
ア) 概要
【背景】心血管疾患は動脈硬化を基盤とする疾患であり、我が国では死亡原因
の高い割合を占める。この動脈硬化を急速に進展させる原因の1つがメタボリ
ックシンドローム(MetS)である。そして、MetS に認められる内臓脂肪蓄積、
脂質異常症、耐糖能異常、高血圧はすでに学童期から始まっている。動脈硬化
性疾患の危険因子を学童期から是正することで、動脈硬化の進展を予防し、さ
らには将来の心血管疾患の発症を予防できる可能性がある。
過剰な内臓脂肪蓄積においては、血中トリグリセリド(TG)値は上昇し、HDL
コレステロール(HDLC)値は低下する。また、近年、LDL サブクラス中の粒
子サイズが小さく比重の大きい small dense LDL がさらに強い動脈硬化の危険
因子であり、内臓脂肪蓄積と関連することが指摘されている。一方成人では、
大粒子 HDL サブクラスは心血管病の防御因子であることが認識されている。従
って、血中の TG 値とコレステロール値だけでなく、LDL や HDL サブクラス
特性は MetS や動脈硬化の潜在的リスクの早期判定としての評価指標となりう
ると考えられる。
【目的】学童においてリポ蛋白サブクラスでは、small dense LDL が強い動脈
硬化の危険因子であるという報告は散見されているが、HDL サブクラスについ
ての報告は少なく、どのレベルで障害され低下しているのか、また内臓脂肪蓄
積により増加した VLDL-TG などの TG-rich リポ蛋白との関係について、未だ
明確に解明されていない。そこで、学童における HDL サブクラスへの内臓脂肪
蓄積やインスリン抵抗性の影響について検討した。
1
【方法】対象は平成 21 年 9 月に小児生活習慣病健診に参加した学童 164 名(男
児:女児=79 名:85 名、10.9±1.6(平均±標準偏差)歳)である。腹囲身長比、
血清脂質、HOMA-IR を測定した。男女とも腹囲身長比≧0.5 を内臓脂肪蓄積(内
臓肥満)と定義した。HDL サブクラス分画像は、HPLC 法を用いて解析し、5
つのサブクラス(very large、large、medium、small、very small)中のコレ
ステロール濃度を測定した。
【結果】男女とも内臓肥満群において、very large、large、medium HDLC の
各値は低下し、TG と HOMA-IR は高値を示した。腹囲身長比は very large(男
児: r=-0.5306, p<0.0001; 女児: r=-0.3483, p=0.0011)、large(男児: r=-0.6168,
p<0.0001; 女児: r=-0.4387, p<0.0001)、medium HDLC (男児: r=-0.4170,
p=0.0001; 女児: r=-0.4116, p<0.0001)と逆相関した。重回帰分析にて腹囲身長
比は男児では very large、large、small、
very small HDLC 値の、女児では large、
medium HDLC 値の独立した説明因子であった。MetS の診断項目数が増加す
ると very large HDLC、large HDLC、medium HDLC の各値は減少した。
【考察】学童において、内臓肥満は動脈硬化促進性の HDL サブクラス特性に関
与することが示唆された。インスリン抵抗性や高 TG 血症の直接作用ばかりで
なく、内臓肥満それ自体でも HDL サブクラス特性に変化をおよぼす可能性があ
り、小児期から心血管病の予防と管理の重要な標的となると考えられた。
2
イ) 緒言
第1節 研究の背景
第1項
日本人における心血管疾患
心血管疾患は動脈硬化を基盤とする疾患であり、平成 24 年の厚生労働省調査
による人口動態調査では、日本人の心疾患 27.9%と脳血管疾患 9.7%を合わせた
心血管病による死亡割合は悪性新生物による死亡割合 28.7%を上回っている。
メタボリックシンドローム(MetS)に代表される、内臓脂肪蓄積、脂質異常症、
耐糖能異常、高血圧などの動脈硬化性疾患の危険因子を是正することで、動脈
硬化性疾患の発症や進展を予防し、粥状動脈硬化病変を退縮させることが多く
報告されている【1, 2】。小児の肥満は、成人の肥満のもととなり、特に年長児
の肥満は、成人の肥満に移行しやすい。幼児期で 25%, 学童期で 40%, 思春期
肥満で 70-80%が成人肥満に移行する【3】。思春期以降になると、成長が止まり、
生活習慣が定着することから、進行した肥満をもとに戻すことは大変難しくな
る。逆に、成長期には身長が伸びるため肥満が解消されやすい。つまり、学童
から徹底した肥満予防を開始することで、動脈硬化性疾患の危険因子を是正し、
さらには将来の心血管疾患を予防することになる。
3
第2項
脂質代謝のメカニズム
リポ蛋白とは、血中で水に不溶な脂質(トリグリセライドやコレステロール)
を吸収部位(小腸)と合成部位(肝臓)から末梢組織へ運搬するための複合体
粒子である。その構造は、コレステロールエステル(CE)とトリグリセライド
(TG)からなる中心部(コア)とアポリポ蛋白とリン脂質、遊離コレステロー
ルからなる表層部をもったミセル様粒子である【4】。
コレステロールはリポ蛋白と呼ばれる粒子に含まれており、リポ蛋白には由
来や機能の異なるいくつかのクラスが存在する。現在リポ蛋白分類の基本とさ
れている、比重による超低比重リポ蛋白(VLDL), 低比重リポ蛋白(LDL), 高
比重リポ蛋白(HDL)はおおまかに電気泳動の pre β, β, α-リポ蛋白に対応
している【5】。リポ蛋白の主な機能は、脂質の運搬である。小腸から分泌され
たカイロミクロン(CM)はリポ蛋白リパーゼ(LPL)の作用で TG が分解され
CM レムナントとなり、速やかに肝臓に取り込まれる。肝臓から分泌された
VLDL は、LPL の作用で TG が分解されサイズが徐々に小型化し、VLDL から
中間比重リポ蛋白(IDL)から LDL に変換され、最終的に LDL レセプターに
より肝臓や全身の組織に取り込まれる(図 1)【6】。HDL は、肝臓や小腸から
分泌される原始 HDL や TG rich リポ蛋白(CM や VLDL)に LPL が作用して
生じる分解産物を材料として血中で生成する。末梢組織から、肝臓へコレステ
ロールの逆転送に機能し、抗動脈効果作用があるとされている(図 2)【7】。
4
第3項
インスリン抵抗性と脂質代謝
インスリン抵抗性を生じると、本来インスリン作用の少ない空腹時などに作
用するホルモン感受性リパーゼ(HSL)の活性が常に亢進する【8】。インスリ
ン依存性の酵素である LPL 活性の低下を生じ、TG rich リポ蛋白の異化が停滞
し高 TG 血症を呈するだけでなく、脂肪組織から遊離脂肪酸(FFA)の血中へ
の放出を促進する【9】。そして、門脈中の高インスリン血症により脂肪組織か
ら放出された FFA と高血糖による高濃度のブドウ糖が肝臓での TG の合成を促
進する。FFA は、肝臓に取り込まれると acyl- CoA synthetase(ACS)の作用
により acyl-CoA に代謝され、glycerol-3-phosphate と結合し TG となる【10】。
肝臓内の TG は microsomal triglyceride transfer protein (MTP)により粗面
小胞体に輸送され、アポ B と会合し VLDL として肝臓から放出される【10,11】。
インスリン抵抗性があると、高インスリン血症による門脈中の FFA の増加に加
え、
ACS 活性の増加および MTP の増加により TG および VLDL 合成が亢進し、
TG rich VLDL が増加する。
第4項
内臓肥満と脂質代謝
小児の場合、中等度以下の肥満では、脂質代謝異常は必ずしも明らかではな
い。しかし、近年の高脂肪食の摂取などの生活習慣の変化に伴い、小児肥満は
増加し、特に高度肥満において、成人の MetS と同様に脂質代謝異常が顕著に
認められるようになった。
5
過去の検討で、静岡県伊東市における 9-16 歳の肥満児と非肥満児の年代別で
の脂質異常の検討結果から、小学校低学年から肥満と高 TG 血症ならびに低
HDL コレステロール血症との関係を認め、肥満と高 LDL 血症は高学年になっ
て明らかになるという傾向を示した【12】。肥満になると、リポ蛋白代謝が活
性化され脂質合成がさかんになり、肥満の程度が進むと内臓脂肪の蓄積がおこ
る。また、インスリン抵抗性を基盤とした脂質代謝異常が引き起こされる。
4-1 内臓肥満と高 TG 血症
肥満で出現する血清脂質異常はコレステロールに富むリポ蛋白である LDL
の増加よりも、むしろ TG に富むリポ蛋白であるレムナントリポ蛋白の増加が
主体となるため血清 TG 値は増加する。
高 TG 血症は、肝臓における TG-rich リポ蛋白の過剰産生、あるいはそれに
伴う TG rich リポ蛋白の血中からのクリアランス障害(血中におけるデグラデ
ーション、異化の傷害)によっておこる【9】。インスリン抵抗性存在下の脂質
代謝と同様、肥満による内臓脂肪蓄積により、内臓脂肪から多量の FFA が門脈
中に放出される。FFA が肝臓内に取り込まれると acyl- CoA を触媒する ACS の
活性が亢進し、TG の合成も促進され、肝臓から TG-rich リポ蛋白の VLDL 合
成分泌が亢進する【10】。また、肥満の場合摂取する糖質や炭水化物も多くな
り、それらが小腸で吸収され、FFA と同様に門脈を介して肝臓に作用し、脂質
合成の転写因子で、栄養過多で活性化する sterol regulatory element-binding
protein 1c(SREBP-1c)を誘導し、脂肪酸や TG の合成が促進される【13】。
6
また、肝臓での stearoyl-CoA desaturase(SCD)活性も亢進している【14】。
これにより 1 価の不飽和脂肪酸のパルミトレイン酸やオレイン酸の産生が増加
し、VLDL 産生促進に貢献していると考えられる。
4-2 内臓肥満と低 HDLC 血症
HDL 値に影響を与えているのは TG であり、HDLC 値は TG 値に逆相関する。
TG 代謝に大きな影響を与える成因の一つとして、コレステロールエステル転送
蛋白(CETP)がある。CETP により VLDL 中の TG と HDL 中のコレステロー
ルエステル(CE)の脂質交換が行われ、この結果 HDL が TG rich となる【7】。
HDL に取り込まれた TG の一部は、さらに LDL に移されるが、多くの TG rich
HDL が直接肝臓に取り込まれるため HDLC が減少する【15】。また、VLDL
が増加するとその分解産物である HDL は減少し、血管壁に蓄積したコレステロ
ールが血管外へ搬送されにくくなる。インスリン抵抗性によって増加した FFA
の中で不飽和脂肪酸が ATP binding cassette transporter A1(ABCA1)の分解
を促進することで、HDLC が低下する可能性が報告されている【16】。 また、
高 TG 血症の存在下では hepatic triglyceride lipase(HTGL)活性が HDL 低下
に重要である【17】。過去の研究結果からも、肥満小児の体重と HTGL は有意
な正相関を示している【12】。
7
第5項
MetS と脂質代謝
MetS は、インスリン抵抗性を背景とし、内臓脂肪蓄積、脂質異常症、耐糖能
異常、高血圧の危険因子が特定の個人に三つ以上集積した病態である。これま
でに報告されている種々の地域のデータから、我が国の小児(6-15 歳)の MetS
の頻度は小児全体の 0.5-3%、肥満児の中の 5-20%程度と推定される【18】。MetS
の基本病態は過剰な内臓脂肪蓄積であり、過剰に蓄積された内臓脂肪からは、
FFA やインスリン抵抗性を惹起させる Tumor Necrosis Factor-α( TNF-α)、
慢性炎症の原因となる Interleukin-6(IL-6)、高血圧を引き起こすアンジオテン
シノーゲン、血栓傾向をきたす Plasminogen activator inhibitor-1(PAI-1)な
どの動脈硬化促進性のアディポサイトカインが大量に分泌される。一方、抗動
脈硬化作用やインスリン増強作用を有するアディポネクチンの分泌量は低下す
る。
前述のように、内臓肥満によりインスリン抵抗性を基盤とした脂質代謝異常
が出現し、高 TG 血症、低 HDLC 血症が出現する。また、VLDL にも変化が生
じる。VLDL には大型で TG 含有量が多い VLDL1と小型で TG 含有量が少な
い VLDL2 があり、肝臓から別々に分泌されている。通常 VLDL1 は LPL によ
って VLDL2 に変換され正常サイズの LDL が生成される。しかし、MetS では
インスリン抵抗性によって LPL 活性が低下しているため、VLDL1 から VLDL2
への変換が阻害され、血中 VLDL1 が増加する【19】。また、VLDL1 のような
TG を大量に含むリポ蛋白の増加によって、HDLC 産生が障害される。
Spalding らは、ヒトの脂肪細胞数は小児期に増加し、20 歳以降は肥満者も非
8
肥満者も細胞数は変化しないと報告している【20】。心筋梗塞や脳梗塞は成人期
に発症するが、思春期の過体重と相関し、血管の初期病変が確認されている。
つまり、内臓脂肪蓄積は小児期より進行し、成人までに肥満の基礎が形成され
る。MetS の危険因子を減らすために、学童期からの予防と管理が必要である。
第6項
研究の意義
現在までに多くの疫学的な研究で、HDLC 値はアテローム動脈硬化促進性心
血管疾患と強く逆相関するということが立証されてきた【21】。5,371 人の日本
の成人男性を対象に 12 年間追跡したコホート研究で、低 HDLC 値は、冠動脈
疾患を発症する重要な独立した危険因子であった【22】。さらに、思春期にお
いても、低 HDLC 値は、若年成人における総頸動脈内中膜肥厚の危険性を高め
た【23】。つまり、HDLC 値は将来おこり得る心血管疾患の予測因子である。
肥満、特に内臓肥満では低 HDLC 値となる【24】。小児においても、内臓
肥満は HDLC 値と強く関連している【25, 26】。長期縦断研究から、内臓脂肪
蓄積が認められると TG 値と HDLC 値が有意に変化する【27】。さらに、閉経
後の肥満女性の体重を減量し、内臓肥満の減少と長期管理を図ると HDLC 値と
TG 値が改善する【28】。従って、HDLC 値は肥満と関係があるアテローム動
脈硬化促進性心血管疾患の一次予防の標的となる可能性がある。
HDL 粒子は、大きさ、密度、組成が均一ではなく、それぞれ異なった機能が
ある。HDL はコレステロール逆転送の役割を果たし、末梢組織のコレステロー
ルを引き抜く過程で産生され、肝臓へ余剰のコレステロールを逆転送する。さ
9
らに、抗酸化作用、抗炎症作用、抗血小板作用(血栓予防)、アポトーシスや
感染を防ぐなどアテローム形成抑制の特徴を持つ【21, 29】。
HDL 粒子は、超遠心分離法、電気泳動法や核磁気共鳴分光法(NMR)などによ
る研究技術で分離することができる。電気泳動法では HDL 粒子を pre-beta と
alpha の 2 つの主なサブクラスに分けることができる。末梢細胞からのコレス
テロールの引き抜きには、HDL の中でも小粒子 HDL、すなわち pre-beta HDL
が関わっている。alpha HDL は、大粒子で、コレステロールエステルを豊富に
含む粒子で、コレステロールエステルを肝臓に運搬する。過去の研究で、大粒
子 HDL サブクラスは心血管保護に関連すると報告されている【30】。従って、
HDL サブクラス解析は、アテローム動脈硬化促進性心血管疾患の危険性をさら
に正確に評価することにつながると考えられる。
第2節 脂質測定
2-1 脂質測定法
脂質測定法については超遠心法、電気泳動法、直接法(酵素法)、結合沈殿法、
ホモジニアス法、リポ蛋白プロファイル法として、核磁気共鳴分光法(NMR)、
HPLC 法などがある。
10
2-1-1 HPLC 法
HPLC 法(high-performance liquid chromatography)は、1980 年に岡崎ら
が開発した、血清リポ蛋白の分析法の一つである【31】。さらに、1993 年にリ
ポ蛋白専用のカラムと溶解液が開発され、少量の血清から短時間でリポ蛋白中
のコレステロールをサイズに基づいて定性的、定量的に測定することが可能と
なった【32, 33, 34】。この方法はリポ蛋白主要 4 分画(カイロミクロン、VLDL、
LDL、HDL)それぞれに含まれるコレステロールと TG の量を同時に定量し分
析する。迅速かつ正確な測定が可能であり、装置間変動が少なく、1 時間あたり
50 検体以上の分析が可能で、45μl と少量の血漿で測定可能である。サンプル
中のリポ蛋白を HPLC ゲル濾過 HPLC 法で大きいサイズのリポ蛋白から順番に
分離し、分離されたリポ蛋白中の TG、TC をそれぞれの試薬反応により測定す
る。装置はゲル濾過 HPLC カラム(aTSK gel Lipopropak XL/ 東ソー, 内径
7.8mm, 長さ 30cm)2 本を接続し、血清 5μl を注入し、流速 0.7ml/min で分
離後、コレステロールおよび TG をオンライン酵素反応で検出する。さらに、
HPLC パターンをサイズで定義した 20 個の分画ピークにガウス近似法を用い、
主要 4 分画(カイロミクロン、VLDL、LDL、HDL)および 3 つの VLDL サブ
クラス(large、medium、small)、4 つの LDL サブクラス(large、medium、
small、very small)、5 つの HDL サブクラス(very large, large、medium、small、
very small)のコレステロールおよび中性脂肪量を求めることができる。同一装
置でのリポ蛋白クラスの粒子径の測定精度による再現性は HDLC について
0.29-0.70%、LDLC について 0.20-0.61%、VLDLC について 0.71-1.19%、CMC
11
について 3.70-27.60%、HDL サブクラスについて 0.10-0.26%であったと報告が
ある。
【33】リポ蛋白の各主要クラス内にはサブクラスが存在するため、全体を
網羅的に把握できるクロマトグラフィー法が適していると考えられる(図 3)。
2-1-2 直接法(酵素法)
1. トリグリセライド(TG)測定
酵素法による血清 TG の測定は、1962 年に Kreutz らが報告し、今日 TG 定
量法の主流を占める【35】。血清にアルカリを加えて脂質を加水分解した後、
MgSO4 を加えて蛋白と脂肪酸の除去と中和を行い、TG より生成したグリセロ
ールを glycerokinase(GK)-pyruvate kinase(PK)-LD 系の 3 段階の酵素反
応によりニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)の変化として測定
する方法が考案された【36】。その後、血清にリポ蛋白リパーゼまたはリパーゼ
とキモトリプシンを添加して TG を水解し、生成するグリセロールを各種の酵
素法と組み合わせて、反応過程での NADH の変化を測定する紫外部法や GK-PK
による生成ピルビン酸を発色する方法、比色法が用いられている【37】。
2. コレステロール測定
酵素法による血清コレステロールの測定は、1973 年に Richmond らが報告し、
今日コレステロール定量法の主流を占める【38】。測定原理は、コレステロール
エステル(CE)をコレステロール加水分解酵素でコレステロールに変え、さら
に界面活性剤の存在下で 3β位の水酸基を脱水素しコレステノンと H2O2 を生成
12
し、何らかの方法でとらえ、コレステロール値を求める。CE をコレステロール
に変える方法の違いにより、コレステロールエステル加水分解酵素とリポ蛋白
リパーゼを用いる方法に大別される【39】。Allain らは生成した H2O2 をペルオ
キシダーゼ触媒で 4-アミノアンチピリンとフェノールを酸化的に縮合させる比
較定量法を完成させ、CE に対する加水分解酵素を用いた総コレステロールの比
色定量として現在実用されている【40】。その後、使用する酵素類や色素体など
の改良によって、血清成分の干渉の少ない精度の高い測定キットが開発されて
いる。
2-2 Non-high-density lipoprotein cholesterol(non-HDLC)
Non-HDLC は 2001 年に National Cholesterol Education Program- Adult
Treatment Panel Ⅲ guidelines で提唱された脂質異常の治療の標的として明
確にされた指標である【41】。動脈硬化促進性のあるアポ B に結合しているリ
ポ蛋白 VLDL、IDL、LDL、lipoprotein(a)やカイロミクロン、カイロミクロ
ンレムナントから構成されているリポ蛋白の総和である。総コレステロールか
ら HDLC を引いた値であり、LDLC 単独よりも心血管危険因子を反映する【42】。
第3節 腹囲、腹囲身長比
内臓脂肪蓄積評価のゴールデンスタンダードは腹部 CT で得られた内臓脂肪
面積であるが、簡易評価法として腹囲や腹囲身長比が有用である。
13
腹囲は、BMI や肥満度などの過体重の指標よりも、肥満に伴う健康障害が良
好に反映され、内臓脂肪蓄積の簡易評価法の中で、最も汎用されている。肥満
に伴う健康障害の早期診断や医学的管理を目的として体格評価を行う際には、
腹囲を測定すべきとされている。
我が国では、小児肥満症診断基準では、小児における腹囲を用いた内臓脂肪
型肥満診断の基準値は 80cm 以上とされている。この基準はその後、小児の MetS
の診断基準に反映され、小学生の場合は 75cm 以上にて内臓脂肪型肥満の基準
が加えられた【43】。
10 歳から 21 歳の肥満児の内臓脂肪量と腹部 CT の検討では、脂肪肝のない場
合平均 60cm2 と報告がある【44】。現在一般的に用いられている、日本人小児に
おける内臓脂肪量と腹囲の基準値は、まず 6 歳から 14 歳の肥満外来に通院した
75 例の男児に腹部 CT を行い、肝機能、血清 TG 値、インスリン値のいずれか
が高値であるものと、いずれも正常であるものを ROC 解析し、境界値が内臓脂
肪量で約 60cm2、腹囲が 80cm であることから決定された【45】。次に国内の多
施設で内臓脂肪量と腹囲の妥当性を示している【46】。
腹囲測定法は、我が国では、立位で両足をそろえて、呼気時に臍高レベルの
測定が勧められている。
腹囲身長比は、立位で、臍高で測定した腹囲(cm)を身長(cm)で除した指標で
ある。成人における心血管病や 2 型糖尿病リスクの簡易評価法としての腹囲身
長比の有用性はすでに証明されている【47】。腹囲身長比は、内臓肥満を決定す
る指標であり、非肥満児でも、肥満児でも、心血管代謝の危険因子に関係する
【48】。小児における腹囲身長比の有用性は、Browning らによるメタアナリシ
14
スの報告があり、腹囲身長比は腹囲よりも肥満に伴う健康障害のスクリーニン
グ指標として有用で、腹囲身長比のカットオフ値として 0.5 が提案されている
【49】。我が国では MetS 診断基準における診断法に腹囲以外に腹囲身長比が併
用されている。小学 1 年生から中学 3 年生 20931 人を対象とし腹囲測定を行い、
腹囲や腹囲身長比の性差、年齢差を示した報告がある【50】。この結果をもとに
スプライン関数を用いて平滑化すると腹囲身長比 0.5 は、男女とも多くの年齢群
においておおむね+1.5SD 以上に相当している【51】。また、我が国で幼児から
学童の肥満判定に用いられている肥満度との相関について、腹囲身長比と肥満
度は強い正相関が認められ、腹囲身長比 0.5 は肥満度+30%(中等度肥満のカッ
トオフ値)に相当している【51】。肥満外来を受診した学童で腹囲が 80cm 未満
であるが、他の MetS の危険因子の集積を認める症例について検討した報告で
は 122 名中 16 名(13.1%)の頻度で存在し、腹囲身長比 0.5 以上を腹部肥満の
診断基準に導入することで、これらの症例の見落としを回避できることを証明
している【52】。このように、小児では腹囲身長比 0.5 以上は肥満に伴う健康障
害や MetS の病態である内臓脂肪蓄積との関連性が強いと考えられる。以上よ
り本研究では、内臓脂肪蓄積の指標として、男女ともに腹囲身長比のカットオ
フ値を 0.5 以上で内臓肥満と定義した。
第4節
研究の目的
HPLC 法を用いた日本の成人の研究で、内臓脂肪は body mass index(BMI)
と同様に large、medium HDLC に逆相関し、very large、small、very small
15
HDLC とは相関しないという報告がある【53】。しかしながら、この方法を用い
て小児の HDL サブクラスを検討した報告はほとんどない【54】。さらに、日本
の小児における肥満と HDL サブクラス像の関係に関する研究はわずかしかな
い【55, 56】。本研究では、HPLC 法を用いて、学童における HDL サブクラス
特性を解析し、内臓脂肪蓄積、インスリン抵抗性と各 HDL サブクラス中コレス
テロール濃度との関係について検討した。
ウ)対象と方法
第1節 対象
平成 21 年9月に静岡県伊東市で実施された小児生活習慣病健診において、無
作為に選出した 2 校に通っている学童 164 名(79 名の男児と 85 名の女児)、平
均年齢は 10.9±1.6 歳(mean± SD; 9 歳から 13 歳)を対象とした。小児生活習
慣病健診は、各自治体が実施している健診で、血液検査や生活習慣調査の結果
をもとに、生活習慣病の実態を把握し、今後の改善策や予防策を検討すること
を目的としている。対象は無作為に選出しており日本の学童を反映していると
考えられた。肥満、脂質異常以外の基礎疾患を有する学童は除外した。
16
第2節
測定項目と方法
2-1 身長と体重
立位で身長と体重を測定した。BMI は体重(kg)/身長(cm)2 で計算した。
2-2 腹囲、腹囲身長比
本研究では、腹囲は臍の高さで測定し、腹囲身長比を計算した。内臓脂肪蓄
積の指標として腹囲身長比(WHtR)≧0.5 を内臓肥満と定義した。
2-3 脂質測定
本研究では、検査前日の夕食後から禁食として、肘正中皮静脈から空腹時に
血液を採取した。総コレステロール(TC)と TG 値は酵素法を用いた。血清リ
ポ蛋白分析は、ゲル濾過電気泳動法を用いた HPLC 法によって、LDL コレステ
ロール(LDLC)値、HDLC 値、5 つの HDL サブクラス値(very large、large、
medium、small、very small)を測定した。
【32】
(Lipo SEARCH; Skylight-Biotec,
INC., Akita, JAPAN)
17
2-4 インスリン抵抗性
インスリン抵抗性の測定として、1 回採血での代替指標となる空腹時インスリ
ン濃度の測定がある。しかし、個人差が大きく、測定値自体が標準化されてい
ないため、インスリン抵抗性の代用指標としては不十分である。そこで、同時
に測定した空腹時血糖値とインスリン濃度を数学的に指数化した homeostasis
model of assessment ratio(HOMA-IR)がしばしば使用されている。これは血
糖値が 140mg/dl 以下のとき、インスリン抵抗性と相関し、1.6 以下で正常、2.5
以上のときはインスリン抵抗性の存在が示唆される。
本研究では空腹時血糖 140mg/dl 以下の集団であり、血清インスリン値と血糖
値を測定し、Matthew's formula をもとに HOMA-IR を算出し、インスリン抵
抗性の指標とした【57】。
2-5 MetS
MetS は小児においても、厚生労働省の班研究による基準が設けられている。
我が国のメタボリックシンドロームの診断基準は以下の通りである。①男女と
もに腹囲≧80cm(小学生≧75cm)または腹囲身長比 0.5 以上、②TG≧120mg/dL
または HDL-C≦40mg/dL、③収縮期血圧≧125mmHg かつまたは拡張期血圧
≧70mmHg、④空腹時血糖≧100mg/dL。
本研究においても上記の診断基準を用いて検討した。
18
第3節
インフォームドコンセント
対象児とその両親に記述によるインフォームドコンセントを実施し了承と署
名を得た。学校健康教育委員で構成されている地域の倫理委員会による承認を
受け、認可された研究手順を用いた。倫理委員会は地域の教育委員と日本大学
板橋病院の代表者によって構成されている。
第4節
統計処理
全てのデータは、平均±標準偏差で表記した。グループ間の違いは ANOVA
with Scheffe’s post hoc tests で評価した。サンプルサイズは power analysis で
評価し、ANOVA による 4 subgroup analysis により妥当性を示した。表 1 では
ANOVA with Scheffe’s post hoc tests を用いて多群間および、各群間における
相関関係を検討した。表 2 では総 HDLC 値と主な説明変数との単相関を示した。
表 3 では HDL サブクラスと腹囲身長比、TG 値、HOMA-IR を説明変数とした
単相関解析を行った。表 4 で、単相関分析と複数説明変数が関与すると考えら
れた場合に重回帰分析を用いた。p 値は 0.05 未満を統計学的有意差があるとし
た。全ての統計解析は JMP statictical package(v9.0; SAS Institute Inc., Cary,
NC, USA)を用いて行った。
19
エ)結果
第1節 対象の特徴
対象の臨床的特徴と各測定結果を示す(表 1)。男児 13 人 (16.5%)と女児
9 人 (10.6%)に内臓肥満を認めた。内臓肥満がない児と比較すると、内臓肥
満児は男女に関係なく有意に TG 値(p<0.05)、インスリン値(p<0.05)、
HOMA-IR(p<0.05)が高値であると同時に HDLC 値(p<0.05)が低値で
あった。男児では、内臓肥満児は内臓肥満がない児と比較して LDLC、
non-HDLC 値は有意に(p<0.05)高値であった。しかし、女児では、内臓
肥満の有無で LDLC と non-HDLC 値に有意な変化は認められなかった。
内臓肥満のない児において、女児は男児に比較し non-HDLC 値とインス
リン濃度が有意に(p<0.05)高値であった。内臓肥満児では、女児が男児に
比較しインスリン濃度と HOMA-IR が有意に(p<0.05)高値であった。
第2節 HPLC 法による HDL サブクラス特性
男女ともに内臓肥満児では、内臓肥満でない児に比較し very large、large、
medium HDLC 値は有意に(p<0.05)低値であった(表 1)。 また、内臓肥満
の男児は、内臓肥満の女児に比べて、small、very small HDLC 値は有意に
(p<0.05)高値であった。
20
第3節 各 HDL サブクラスにおけるコレステロール濃度と
各測定値との関係
総 HDLC 値(HPLC による HDL サブクラス分画からの総和)は、BMI (男
児: r=-0.5612, p<0.0001; 女児: r=-0.5682, p<0.0001)、腹囲身長比 (男児:
r=-0.5138, p<0.0001; 女 児 : r=-0.4468, p<0.0001) 、 HOMA-IR ( 男 児 :
r=-0.5128, p<0.0001; 女児: r=-0.4512, p<0.0001)、TG 値 (男児: r=-0.5446,
p<0.0001; 女児: r=-0.4654, p<0.0001)と有意に逆相関を示した(表 2)。
各 HDL サブクラスにおけるコレステロール値と主な説明変数との単相関
解析を示す(表 3、図 4)。
腹囲身長比は very large(男児: r=-0.5306, p<0.0001; 女児: r=-0.3483,
p=0.0011)、large(男児: r=-0.6168, p<0.0001; 女児: r=-0.4387, p<0.0001)、
medium HDLC (男児: r=-0.4170, p=0.0001; 女児: r=-0.4116, p<0.0001)と
有意に逆相関を示したが、small と very small HDLC は男女ともに有意な相
関は認められなかった。
TG 値 は very large( 男 児 : r=-0.5095, p<0.0001; 女 児 : r=-0.4054,
p=0.0001)、large(男児: r=-0.5914, p<0.0001; 女児: r=-0.4650, p<0.0001)、
medium HDLC (男児: r=-0.4598, p<0.0001; 女児: r=-0.4254, p<0.0001)と
有意に逆相関を示したが、small HDLC は男女ともに有意な相関は認められ
なかった。TG 値は女児で very small HDLC (r=-0.2418, p=0.0258)と有意に
逆相関を示したが、男児では有意な相関は認めなかった。
HOMA-IR は very large(男児: r=-0.4562, p<0.0001; 女児: r=-0.3997,
21
p=0.0002)、large(男児: r=-0.5073, p<0.0001; 女児: r=-0.4475, p<0.0001)、
medium HDLC (男児: r=-0.4565, p<0.0001; 女児: r=-0.4125, p<0.0001)と
有意に逆相関を示したが、small と very small HDLC は男女ともに有意な相
関は認められなかった。
重回帰分析で (表 4)、腹囲身長比は、男児では very large(r2=0.3576, β
=-9.2373, s.e.=3.7216, p=0.0153 )、 large ( r2=0.4753, β =-42.2251,
s.e.=12.7911, p=0.0014 )、 small ( r2=0.0961, β =10.2461, s.e.=4.2891,
p=0.0194)、very small HDLC 値(r2=0.1192, β=5.9803, s.e.=2.2052,
p=0.0083) の 、女児で は large (r2=0.3011, β=-38.0897, s.e.=16.1819,
p=0.0210 )、 medium HDLC 値 ( r2=0.2577, β =-19.6736, s.e.=8.9472,
p=0.0307)の独立した説明因子であった。TG 値は、男児では very large
( r2=0.3576, β =-0.0216, s.e.=0.0103, p=0.0396 )、 large HDLC 値
(r2=0.4753, β=-0.0989, s.e.=0.0354, p=0.0066)の、女児では very large
(r2=0.2163, β=-0.0165, s.e.=0.0082, p=0.0462)、large(r2=0.3011, β
=-0.0756, s.e.=0.0292, p=0.0114 )、 medium HDLC 値 ( r2=0.2577, β
=-0.0367, s.e.=0.0161, p=0.0254)の独立した説明因子であった。
また、HOMA-IR は男女ともに very large、large、medium HDLC の有
意な説明因子ではなかった。しかしながら、男児では HOMA-IR は small
(r2=0.0961, β=-0.5223, s.e.=0.2583, p=0.0467)と very small HDLC 値
(r2=0.1192, β=-0.3263, s.e.=0.1328, p=0.0163)の有意な独立した説明因
子であった。
22
第4節 HDL サブクラスと MetS の診断項目との関係
MetS の診断項目数が増加すると very large(r=-0.335, p<0.0001)、large
(r=-0.424, p<0.0001)
、medium HDLC 値(r=-0.329, p=0.0034)は有意に
低下することが明らかとなった。small HDLC 値と very small HDLC 値と
は有意な相関は認めなかった。(図 5)
オ)考察
日本の学童を対象とした本研究では、内臓肥満で、very large、large、medium
HDLC 値が減少した。内臓肥満は HDL サブクラス特性を決定する有意な独立
した因子であった。また、インスリン抵抗性は HDL サブクラス特性の独立した
説明因子ではなく、MetS コンポーネントの集積と HDL サブクラスが関与する
と考えられた。従って、小児の HDL サブクラス特性は、内臓肥満、MetS、動
脈硬化の潜在的リスクの早期判定として有用であることが示唆された。
内臓肥満があると粥状動脈硬化をきたし、心血管病の危険性が増加する。成
人では、内臓脂肪を減らすことで、心血管病の危険因子を減少させる【58】。つ
まり、内臓肥満を診断し内臓脂肪を減らすことが心血管病の予防につながる。
さらに、体重が増加すると血清 HDLC 値は低下し HDL 粒子サイズもまた減少
することが知られている【59】。しかしながら、日本の肥満児において、内臓肥
満が HDL 粒子サイズへ与える影響について検討された研究は少ない【54, 55】。
一方で、他の人種における小児の HDL サブクラス特性についての報告はある
23
【60-62】。正常体重、もしくは過体重の黒人と白人の小児における検討では内
臓脂肪量とインスリン感受性は、HDL 粒子サイズを決定する重要な説明因子で
あった【60】。2 型糖尿病、あるいはインスリン抵抗性を有するメキシコ人の過
体重小児では、HDL サイズは小さくなる傾向があり、粒子サイズの大きい HDL
2b と HDL 2a の割合は減少し、粒子サイズの小さい HDL3b の割合は増加した。
また、BMI は HDL サイズを決定する独立した説明因子ではなかった【61】。さ
らに、正常耐糖能で肥満を認める白人、アフリカ系アメリカ人、ラテンアメリ
カ人の青年における検討では、全ての人種において内臓脂肪量は large HDL 値
を決定する有意な因子であった。
【62】日本の小児における本研究では、内臓肥
満が増えると、very large、large、medium HDLC 値が減少することが証明さ
れた。従って、小児の内臓肥満と HDL サブクラス特性の関係は、人種特異性は
みられず一律である可能性が示唆された。
TG 値とインスリン抵抗性もまた HDL サブクラス特性と関連している。TG
値が上昇すると HDLC 値が低下するという関係について、TG-rich リポ蛋白は
コレステロールエステル転送蛋白 (CETP)によって TG と HDL 中のコレステロ
ールエステル(CE)の脂質を交換し、TG-rich HDL が上昇する。TG-rich HDL
は hepatic triglyceride lipase(HTGL)、脂質分解性の酵素によって急速に異
化され、HDL サイズが低下する【63】。
内臓肥満の児の検討では、CETP が上昇し、HTGL 活性が増加することが
HDLC 低下と関連することが報告されている。【64, 65】さらに、MetS の成人
では、抗動脈硬化作用があるとされる HDL2(very large、large HDL に相当)
と HDL3(medium、small HDL に相当)の TG 含有が増加し、TG-rich でコレ
24
ステロールに乏しい HDL となる。また、CETP 活性が増加する。【66】MetS
の小児でも、粒子の大きい HDL2b、2a、3a、3b サブクラスのコレステロール
濃度は低下し、粒子の小さい HDL3b、3c サブクラスでの TG 濃度が上昇する。
【67】本研究結果も、これらの報告に矛盾しないものであった。重回帰分析で
は、男児で TG 値は very large、large HDLC 値の有意な独立した説明因子とな
り、女児では very large, large, medium HDLC 値の有意な独立した説明因子で
あることが示された。
本研究では、インスリン抵抗性が増加すると very large HDLC、large HDLC、
medium HDLC の各値は低下した。重回帰分析では、インスリン抵抗性は、男
児で small、very small HDLC の独立した説明因子であったが、very large、
large、
medium HDLC は独立した説明因子ではなく、女児はどの HDL サブクラスも
独立した説明因子ではなかった。これは、インスリン抵抗性は内臓肥満と TG
値に従属した説明因子であることが考えられた。過去の報告によると、黒人と
白人の 8-17 歳の小児では、インスリン感受性が活性化すると HDL サイズは大
きくなり、インスリン抵抗性の増加は男女ともに small HDL 値に影響し、男児
では small HDL 値が増加し、large HDL 値が減少したが、女児では small HDL
値が増加し、large HDL 値には有意差を認めなかった【60】。思春期では、生理
的に一過性のインスリン抵抗性が出現する。この生理的インスリン抵抗性は、
思春期前から始まり思春期が終了するとともに正常化する【68】。思春期には、
男女で内臓脂肪蓄積分布が変化する。内臓脂肪蓄積が増加すると末梢のインス
リン感受性が減少し、代償的にインスリン分泌が増加する。思春期に内臓脂肪
蓄積が増加する女児が男児よりインスリン抵抗性が高くなる。
【69】従って、思
25
春期の小児におけるインスリン抵抗性の影響の評価は、性別によって異なった
解釈が必要となる。
HDL サブクラス特性は、体脂肪の割合だけでなく、性別や年齢の影響を受け
る。女児では HDLC 値は思春期を迎えると高値となり、粒子サイズの大きい
HDL2b は年齢とともに増加し思春期以降も高値を示す。男児では HDL2b は年
齢とともに増加するが、思春期以降低下する【70】。日本における過去の報告
では、HDL2-C は女児が男児に比較し高値を示し、この違いは 11-15 歳で始ま
る。女児では年齢とともに HDL2-C 値は高値となったが、男児では 6-10 歳で増
加を示した後に減少した。また、HDL3-C 値は男女間の差はないことが示され
た。【71】Bogalusa Heart Study でもまた、HDL3-C 値は男女間に差は認めら
れていないが、HDL2-C は女児が男児に比較し高値を示した。また、女児では、
HDL2-C 値は 7-10 歳の女児より 11-17 歳が高値であった。【72】本研究では、
9-13 歳の内臓肥満のない日本の学童については、HDLC 分画を HPLC 法によっ
て測定し検討した結果、各サブクラスに性差は認めなかった。しかし、内臓肥
満のある小児では small、very small HDLC 値に有意な性差を認め、その値は
女児より男児が高値であった。重回帰分析では、腹囲身長比と HOMA-IR は、
男児の small、very small HDLC 値の重要な説明因子であることが示された、
一方女児では有意差を認めなかった。これらの結果から、内臓肥満のある女児
にみられた small と very small HDLC 値の減少には、腹囲身長比と HOMA-IR
以外の他の修飾因子(例えば、体脂肪蓄積に関する性差など)が寄与している可
能性も考えておかねばならない事を意味している。今後さらに、内臓肥満のあ
る小児における HDLC サブクラス特性を検討し、今回の研究から得られた
26
HDLC サブクラスの男女差に関して根底にあるメカニズムを明白にすること必
要がある。
本研究における限界として、対象症例数が十分大きいとは云えず、年齢、性
成熟度によって解析を層別化することができなかったことがある。年齢と性別
による検討では小学生の男女間で各脂質値、内臓脂肪(腹囲、腹囲身長比)、皮
下脂肪、HOMA-IR に有意差を認めなかった。中学生の男女間では、内臓脂肪
に有意差は認めなかったが、皮下脂肪と TG 値、HOMA-IR に有意差は認め、
その値は女児が高値であった。本研究において、小学生の女児で内臓肥満が 2
名と少なく、小学生と中学生による年齢の層別化を行うことができなかった。
本研究においては無作為に抽出した学童を対象としている。さらに本研究は、
過去の報告で示されている日本の小児における血清脂質値の基準値と分布が近
似しており【73】、肥満頻度においても日本の小児期、思春期の肥満頻度【74】
と近似しているため日本の学童を反映すると考えられた。本研究において食事
の影響のデータを含めることができなかった。Siri と Krauss は食事中の炭水化
物が増加すると small HDL 濃度が上昇することを示し、食事による脂肪酸組成
の変更が HDL 粒子分布を変化させると報告している【74】。今後、小児期に内
臓肥満と HDL サブクラス特性の根底にあるメカニズムを明白にするために性
成熟や食事による影響評価を組み合わせた研究を必要とする。さらに、長期的
なフォローアップ研究により、小児期の HDL サブクラスの縦断的変化に及ぼす
影響を総合的に調査し、HDL サブクラス測定が一般的な検査として認識される
ことで HDL サブクラスの管理が可能となり、成人期の心血管病の一次予防に重
要な役割を演じることが証明されると考えられた。
27
本研究において、内臓肥満がある学童では、very large、large、medium HDLC
値が低下し、さらに、腹囲身長比、HOMA-IR、TG 値との関連性の検討より、
内臓脂肪蓄積とインスリン抵抗性、TG 値が、very large、large、medium HDLC
値と有意に相関した。さらに、重回帰分析から、HDL サブクラスの独立した説
明因子は内臓肥満と TG 濃度であることが示唆された。したがって、MetS に認
められるインスリン抵抗性や高 TG 血症のない小児においても、内臓肥満それ
自体が、HDL サブクラス特性を変化させている可能性が示唆された。
カ)まとめ
内臓肥満がある学童では、very large、large、medium HDLC 値が低下する
ことを明らかにした。さらに、腹囲身長比、HOMA-IR、TG 値との関連性の検
討より、内臓肥満とインスリン抵抗性、TG 値が、very large、large、medium
HDLC 値と有意に相関した。さらに、重回帰分析から、HDL サブクラスの独立
した説明因子は内臓肥満と TG 濃度であることが示唆された。したがって、MetS
に認められるインスリン抵抗性や高 TG 血症のない小児においても、内臓肥満
それ自体が、HDL サブクラス特性を変化させている可能性がある。日本の学童
では、内臓脂肪蓄積から MetS、動脈硬化進展へのリスク早期判定として、HDL
サブクラス解析が有用であることが示唆された。
28
謝辞
本研究にあたり、研究全般において終始ご指導頂きました日本大学医学部小
児科学系小児科学分野、岡田知雄教授に心から深謝致します。そして、研究全
般を支えていただきました日本大学医学部小児科学系分野小児科学、麦島秀雄
前主任教授、高橋昌里主任教授に心から感謝致します。
29
30
31
32
33
図 1 リポ蛋白代謝
引用:島野仁. 脂質代謝のメカニズム, 臨床栄養, 2008; vol. 113. no. 4: 395
34
図2
HDL 代謝とコレステロール逆転送
引用:中島英人. HDL結合蛋白とその作用, 医学のあゆみ, 2013; vol. 245. no.6: 497
35
図 3 HPLC 法
引用:Lipo SEARCH; Skylight-Biotec, INC., Akita, JAPAN
36
図 4 各 HDL サブクラスにおけるコレステロール濃度と各測定値との関係
37
38
39
図 5 HDL サブクラスと MetS 診断項目数との関係
40
41
図説
図 1 リポ蛋白代謝
小腸から分泌されたカイロミクロン(CM)はリポ蛋白リパーゼ(LPL)の作用
で TG が分解され CM レムナントとなり、速やかに肝臓に取り込まれる。肝臓
から分泌された VLDL は、LPL の作用で TG が分解され粒子サイズが徐々に小
型化し、VLDL から中間比重リポ蛋白(IDL)から LDL に変換され、最終的に
LDL レセプターにより肝臓や全身の組織に取り込まれる。
図 2 HDL 代謝とコレステロール逆転送
HDL は、肝臓や小腸から分泌される原始 HDL や TG rich リポ蛋白(CM や
VLDL)に LPL が作用して生じる分解産物を材料として血中で生成する。コレ
ステロールエステル転送蛋白(CETP)により VLDL 中の TG と HDL 中のコレ
ステロールエステル(CE)の脂質交換が行われ、この結果 HDL が TG rich と
なる。HDL に取り込まれた TG の一部は、さらに LDL に移されるが、多くの
TG rich HDL が直接肝臓に取り込まれ、末梢組織から、肝臓へコレステロール
の逆転送している。
42
図 3 HPLC 法
ゲル濾過 HPLC 法で検出された値は、HPLC パターンをサイズで定義した 20
個の分画ピークにガウス近似法を用いて、主要 4 分画(カイロミクロン、VLDL、
LDL、HDL)および 3 つの VLDL サブクラス(large、medium、small)、4 つ
の LDL サブクラス(large、medium、small、very small)、5 つの HDL サブ
クラス(very large, large、medium、small、very small)のコレステロールお
よび中性脂肪量を求める。
図 4 各 HDL サブクラスにおけるコレステロール濃度と各測定値との関係
腹囲身長比、TG 値、HOMA-IR が増加すると very large、large、medium HDLC
は有意に低下した。
図 5 HDL サブクラスと MetS 診断項目数との関係
MetS の診断項目数が増加すると very large HDLC(r=-0.335, p<0.0001)large
HDLC(r=-0.424, p<0.0001)、medium HDLC(r=-0.329, p=0.0034)は有意
に低下した。
43
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57
研
究 業 績
大熊
Ⅰ.発表
Ⅱ.論文
①一般発表
②特別発表
①原著論文
②症例報告
③総説
Ⅲ.著書
洋美
28
なし
2(単
1(共
なし
2
1/共 1)
1)
以上
Ⅰ. 発表
①一般発表
1. 小森暁子, 谷口和夫, 井口洋美, 京極朋子, 岩田真喜子, 村林督夫, 福原淳示,
住友直方: 難治性心房頻拍の 1 例, 第 113 回日本小児科学会, 岩手, 2010 年 4
月
2. 吉野弥生, 斎藤恵美子, 井口洋美, 黒森由紀, 岩田富士彦, 原光彦, 岡田知雄,
麦島秀雄, 北村洋平, 清水隆司: 肥満小児への鱈肝油投与による
Stearoyl-CoA desaturase 活性の抑制効果について, 第 113 回日本小児科学
会, 岩手, 2010 年 4 月
3. 村林督夫, 井口洋美, 小森暁子, 下澤克宜, 京極朋子, 岩田真喜子, 石切山
敏: Beals 症候群の 1 例, 第 113 回日本小児科学会, 岩手, 2010 年 4 月
4. 風間美奈子, 岡田知雄, 吉野弥生, 阿部百合子, 井口洋美, 米澤龍太, 麦島秀
58
雄, 中埜拓, 福留博文: 思春期肥満に対するカロリー調整食品ファインスリ
ム(FS)摂取効果の検討, 第 28 回日本肥満症治療学会, 東京, 2010 年 9 月
5. 阿部百合子, 岡田知雄, 井口洋美, 斎藤恵美子, 黒森由紀, 宮下理夫, 岩田富
士彦, 原光彦, 岡田知雄, 麦島秀雄, 北村洋平, 清水隆司: 思春期早期の血中
脂肪酸縦断的変化の意義の検討, 第 24 回日本小児脂質研究会, 東京, 2010 年
11 月
6. 玉木久光, 井口洋美, 岡田麻理, 福原淳示, 西口康介, 大森多恵, 伊藤昌弘,
三沢正弘, 大塚正弘: 菌血症を呈した小児入院患者の臨床的、細菌学的検討,
第 114 回日本小児科学会, 東京, 2011 年 4 月
7. 阿部百合子, 岡田知雄, 井口洋美, 斎藤恵美子, 黒森由紀, 宮下理夫, 岩田富
士彦, 原光彦, 岡田知雄, 麦島秀雄, 北村洋平: 血漿リン脂質中脂肪酸の思春
期早期における縦断的変化について, 第 114 回日本小児科学会, 東京, 2011
年4月
8. 鈴木智香子, 岡本圭祐, 前澤身江子,吉橋知邦, 大熊洋美, 重光幸栄, 平井聖
子, 羽生政子, 岡田麻理, 小宮圭, 下澤克宜, 西口康介, 福原淳示, 玉木久光,
大森多恵, 伊藤昌弘, 三澤正弘, 大塚正弘: 当院で経験した心筋炎 9 例の検
討, 第 25 回日本小児救急医学会, 東京, 2011 年 6 月
9. 岡田麻理, 岡本圭祐, 前澤身江子, 鈴木智香子, 吉橋知邦, 大熊洋美, 重光幸
栄, 平井聖子, 羽生政子, 小宮圭, 下澤克宜, 西口康介, 福原淳示, 玉木久光,
大森多恵, 伊藤昌弘, 三澤正弘, 大塚正弘: 当院の救急外来にて過去 5 年間
に経験した婦人科系急性腹症の 6 症例, 第 25 回日本小児救急医学会, 東京,
2011 年 6 月
59
10. 吉橋知邦, 岡本圭祐, 前澤身江子,鈴木智香子, 大熊洋美, 岡田麻理, 小宮圭,
下澤克宜, 西口康介, 福原淳示, 玉木久光, 大森多恵, 伊藤昌弘, 三澤正弘,
大塚正弘, 濱辺祐一, 岡田昌彦: 小児の熱中症, 第 25 回日本小児救急医学会,
東京, 2011 年 6 月
11. 福原淳示, 大熊洋美, 平井聖子, 西口康介, 三澤正弘, 大塚正弘, 住友直方:
当院における小児頻脈性不整脈患者の臨床的特徴と管理の検討: 第 47 回日
本小児循環器学会, 福岡, 2011 年 7 月
12. 風間美奈子, 岡田知雄, 吉野弥生, 阿部百合子, 井口洋美, 米澤龍太, 麦島秀
雄, 中埜拓, 福留博文: 思春期肥満に対するカロリー調整食品ファインスリ
ム(FS)摂取効果の検討, 第 25 回日本小児脂質研究会, 京都, 2011 年 11 月
13. 原朋子, 勝美麻理子, 杉原麻理恵, 中川竜一, 鈴木智香子, 吉橋知邦, 加藤雅
崇, 石渡久子, 大熊洋美, 岡田麻理, 下澤克宜, 西口康介, 福原淳示, 玉木久
光, 大森多恵, 伊藤昌弘, 三澤正弘, 大塚正弘: 新生児皮下脂肪壊死症の 1
例, 第 115 回日本小児科学会, 福岡, 2012 年 4 月
14. 風間美奈子, 岡田知雄, 吉野弥生, 阿部百合子, 井口洋美, 米澤龍太, 麦島秀
雄, 中埜拓, 福留博文: 思春期肥満に対するカロリー調整食品ファインスリ
ム(FS)摂取効果の検討, 第 30 回日本肥満症治療学会, 東京, 2012 年 6 月
15. 阿部百合子, 井口洋美, 宮下理夫, 吉野弥生, 斎藤恵美子, 黒森由紀, 岩田富
士彦, 原光彦, 岡田知雄, 麦島秀雄, 泉裕之, 北村洋平, 清水隆司: 肥満小児
に対するタラ肝油投与の効果とその機序について Stearoyl-CoA desaturase
活性の抑制について, 第 29 回日本肥満症治療学会, 京都, 2012 年 6 月
16. 斉藤恵美子, 岡田知雄, 宮下理夫, 阿部百合子, 井口洋美, 小高美奈子, 米澤
60
龍太, 黒森由紀, 岩田富士彦, 原光彦, 麦島秀雄, 北村洋平: 小児における脂
肪酸不飽和酵素活性指標に対するメタボリックシンドローム構成因子やイ
ンスリン抵抗性との相関について, 第 21 回脂質栄養学会, 神奈川, 2012 年
9月
17. 阿部百合子, 岡田知雄, 吉野弥生, 大熊洋美, 斎藤恵美子, 黒森由紀, 岩田富
士彦, 風間美奈子, 米澤龍太, 原光彦, 麦島秀雄: 肥満小児における血液中
CSK9 濃度と体格代謝指標との関連性, 第 33 回日本肥満学会, 京都, 2012 年
10 月
18. 風間美奈子, 岡田知雄, 吉野弥生, 阿部百合子, 井口洋美, 米澤龍太, 麦島秀
雄, 中埜拓, 福留博文: 思春期肥満に対するカロリー調整食品ファインスリ
ム(FS)摂取効果の検討, 第 33 回日本肥満学会, 京都, 2012 年 10 月
19. 大熊洋美, 住友直方, 川口忠恭, 西村佑美, 野村亜希子, 阿部百合子, 中村隆
広, 市川理恵, 福原淳示, 松村昌治, 宮下理夫, 神山浩, 鮎沢衛, 岡田知雄,
麦島秀雄: 学校心臓検診で発見された拘束型心筋症の 1 例, 第 21 回日本小児
心筋学会, 東京, 2012 年 10 月
20. 大熊洋美, 岡田知雄, 阿部百合子, 風間美奈子, 米沢龍太, 斉藤恵美子, 黒森
由紀, 岩田富士彦, 原光彦, 鮎沢衛, 麦島秀雄: 内臓脂肪が与える HDL-C 代
謝の意義, 第 26 回日本小児脂質研究会, 埼玉, 2012 年 11 月
21. 大熊洋美, 住友直方, 渡辺拓史, 阿部百合子, 中村隆広, 市川理恵, 福原淳示,
松村昌治, 宮下理夫, 神山浩, 鮎沢衛, 岡田知雄, 麦島秀雄: 心房心筋炎を期
に偽性心室頻拍, 房室回帰性頻拍を発症したと考えられる WPW 症候群の幼
児例, 第 25 回臨床不整脈研究会, 東京, 2013 年 1 月
61
22. 大熊洋美, 住友直方, 野村亜希子, 渡辺拓史, 阿部百合子, 中村隆広, 市川理
恵, 福原淳示, 松村昌治, 神山浩, 鮎沢衛, 岡田知雄: 小児拘束型心筋症の 2
例-心臓移植へ向けて-, 第 15 回東京循環器小児科治療 Agora, 2013 年 3 月
23. 大熊洋美, 岡田知雄, 阿部百合子, 風間美奈子, 米澤龍太, 斎藤恵美子, 黒森
由紀, 岩田富士彦, 原光彦, 麦島秀雄: 内臓脂肪蓄積が与える HDL-C 代謝,
VLDL-TG 代謝の意義, 第 116 回日本小児科学会, 東京, 2013 年 4 月
24. 大熊洋美, 住友直方, 野村亜希子, 渡邉拓史, 阿部百合子, 中村隆広, 市川理
恵, 福原淳示, 松村昌治, 神山浩, 鮎沢衛, 岡田知雄, 高橋昌里: 小児の心室
期外収縮に対するカテーテルアブレーションの検討, 第 49 回日本小児循環
器学会, 東京, 2013 年 7 月
25. 阿部百合子, 住友直方, 大熊洋美, 中村隆広, 市川理恵, 福原淳示, 松村昌治,
神山浩, 鮎沢衛: 電気生理学的検査および高周波カテーテルアブレーション
を施行した小児および若年成人心房粗動の検討, 第 49 回日本小児循環器学
会, 東京, 2013 年 7 月
26. 神山浩, 住友直方, 鮎沢衛, 渡邉拓史, 大熊洋美, 阿部百合子, 中村隆広, 市
川理恵, 福原淳示, 松村昌治, 藤田之彦: 小児科専門医研修期間中の循環器
領域指導法についての考察-小児科専門医模擬試験後のアンケートから-, 第
49 回日本小児循環器学会, 東京, 2013 年 7 月
27. 渡邉拓史, 住友直方, 神山浩, 大熊洋美, 阿部百合子, 中村隆広, 市川理恵,
福原淳示, 松村昌治, 唐澤賢祐, 鮎沢衛: 遠隔期川崎病冠動脈障害例の小児
科と循環器科連携について-川崎病長期フォローアップセンターの管理経験
から-:第 49 回日本小児循環器学会, 東京, 2013 年 7 月
62
28. 大熊洋美, 岡田知雄, 阿部百合子, 風間美奈子, 米沢龍太, 斉藤恵美子, 黒
森由紀, 岩田富士彦, 原光彦, 鮎沢衛, 麦島秀雄, 高橋昌里: 学童における
内臓脂肪蓄積はHDLサブクラス構成を変更する独立した因子である, 第
34 回日本肥満学会, 東京,
2013 年 10 月
Ⅱ. 論文
①原著論文
1. Yuriko Abe, Tomoo Okada, Hiromi Iguchi, Emiko Saito, Yuki Kuromori,
Fujihiko Iwata, Mitsuhiko Hara, Hideo Mugisima and Yohei Kitamura:
Association of Changes in Body Fatness and Fatty Acid Composition of
Plasma Phospholipids During Early Puberty in Japanese Children:
Journal of Atherosclerosis and Thrombosis, 19: 12: 1102-1109, 2012.
2. Hiromi Okuma, Tomoo Okada, Yuriko Abe, Emiko Saito, Fujihiko Iwata,
Mitsuhiko Hara, Ayusawa Mamoru, Takahashi Shouri: Abdominal
adiposity is associated with high-density lipoprotein subclasses in
Japanese schoolchildren, Clinica Chimica Acta, 425: 21: 80-84, 2013.
63
②症例報告
1. 阿部百合子, 住友直方, 大熊洋美, 福原淳示, 市川理恵, 平井麻衣子, 中村隆
弘, 松村昌治, 金丸浩, 七野浩之, 鮎沢衛, 陳基明, 麦島秀雄: 抗真菌薬によ
る torsade de pointes、無脈性心室頻拍に対し静注用アミオダロンが有効で
あった急性リンパ性白血病の1例, 心臓, 44(2):64-68, 2012.
Ⅲ. 著書
1. 岡田知雄, 宮下理夫, 大熊洋美, 阿部修: 脂質代謝異常低 LDL コレステロー
ル血症 アンダーソン病(Anderson 病/ カイロミクロン停滞(蓄積)症), 日
本臨床, pp116-120, 日本臨床社, 東京, 2012.
2. 岡田知雄, 阿部百合子, 大熊洋美: 生活習慣の危険因子を知らせる運動とヘ
ルスプロモーション, 小児内科, pp1345-1349, 東京医学社, 東京, 2012.
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