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コンビニ エンス ストアの現状と課題

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コンビニ エンス ストアの現状と課題
コンビニエンス・ストアの現状と課題
ンビニエンスストアの現状と課題
恵
夫
② フランチャイズ・チェーン・システムの利点
︹1︺実態調査の概要
序
1 はじめに
6 独立店とチェーン店のメリット・デメリット
ω 大規模小売店舗法
2 調査目的
1 わが国のコンビニエンス・ストア
② 中小小売業の近代化
H コンビニエンス・ストアと一般小売店の実態調査分析
③ メーカー・卸売業の販売系列化
7 日米の文化的側面のちがい︵以上第五一巻第二号所収︶
㈲ 消費者の購買行動の変化
に 大型店
” コンビニエンス・ストア
㈲ 中小小売店
3 用語の定義
” チェーン・システム
4 コンビニエンス・ストアの組織化政策
5 世田谷区内の大型店とコンビニエンス・ストアの概要
4 東京都における世田谷区の性格
︹2︺コンビニエンス・ストアと鱒般小売店
@ チェーン・システムの目的
3 日本的コンピニエソス・ストアの展開
ー コンビニエンス・ストアとは
ω フランチャイズ・チェーン・システムの問題点
瀬
2 コンビニエンス・ストアの生成とその背景
目 次
百
㈲ チェーン・システムの形態
5 フランチャイズ・チェーン・システムの問題点と利点
(403)
73
コ
itンピ三’土ンス・ストアの現状’と課題
1 調査対象および調査方法
⑱資金の借入経験
@競争相手
⑳ 固定客比率、平均来客数、客層
⑳ 商 圏
四 経営土の問題点
⑳ 情報の入手先
⑳’中小小売店向融資利度 :、 ・
② 小売店
ω コンビニエンス・スト7
2 実態調査結果 と 分 析 .
ω企業形態
②資本金 ・・
⑳ 店舗の改装
⑳ 宣伝・広告
偶 自己資本と他人資本
㈲ 代表者の経歴
゜囲 発注・納品
㈲ 以前の職業
㈲ コンビニエンス・ストア開業に際しての惰報の入手
29.商品管理 ・
@売上げについて
㎝ 小売店創業とコンビニエンス・ストア開店および経
営年数
㈲ コンビニエ ン ス ・ ス ト ア の 収 入
働店舗面積
㎝ 居宅と店舗の区別
oo 年間売上高
働 定休日
面 営業時間
個 従業員構成
05 売場の最低人数
⑳゜他店との価格競争時の対策
圃 小売店のチェーン加盟・
髄 チェーン別の加盟条件
倒 チエーン加入の勧誘 ・.
圃 加盟店・非加盟店のメリット・デメリット
㈱ チェーン加盟したきっかけ
㈱ チェーン加盟したことでの不満
圃 チェーン加盟してよかったか
ω チェーン加盟の期待と実際
㈹,非加盟店がチェーン加盟しない理由
劒 加盟チェーンからの脱退
仕笥 後継者の有無
㈹ 雇用問題
鮒 計数管理状況
74
(404)
25
㊤0
コシビニ三’ソズ・ストアの現状と課題
‘
チェーン本部の.強化に必要なこと.
チェーン本部の指令に従うべきか
チェーン本 部 の 加 盟 店 に 対 す る 姿 勢
㎝ 利用したことのあるコンビニエンス・ストア
⑨ コンビニエンス・ストアでの買物経験
㈹ コンビ一一エンス・ストアの存在
@コンビニエンス・ストアの買物時間帯
㎝ コンビ=エンス・ストアの利用頻度
’
スーパーバイザー、マーチャンダイザー
同業者︵コンビニエンス・スト7︶との接触
コンビニエンス・ストアの小売店への影響,
コンビ=エンス・ストアの今後の展望
コンビニエンス・ストアと小売店の今後の方針
皿 コンビ=エ,ンス・ストアに関する消費者調査
’1 調査対象および調査方法
﹂対象消費者および調査地区
調査方法
調査期日
回収数および回収率
回収消費者の内訳
、ガ 消費者調査結果と分析
消費者がみ た 街 の 魅 力
将来の居住年数
消費者にみ る 街 へ の 愛 着 度
将来の居住意識
消費者にみ る 買 物 満 足 度
日常生活品の買物方法
消費者の買物行動
@コンビニエンス・ストアへの来店方法
㈲ コンビニエンス・ストアでの買物金額
㈲ コンビニエンス・ストアでの購入商品
@コンビニエンス・ストアでの買物理由
㎝ 商店︵一般小売店︶、スーパー、コンビニエンス・ス
⑬ 商店︵一般小売店︶、スーパi、コンビニエンス・ス
トアでの購入比率
トアについての評価
⑳ コンビニエンス・ストア出店による便利度
2① コンビニエンス・ストア商品への満足度
コンビニエンス・ストアの課題
⑳ コンビ=エンス・ストア商品の価格と利用回数
コンビニエンス・スト7進出による小売店への影響
2 消費者の評価に対する課題
1 小売形態にみる経営管理の課題
4 コンビニエンス・ストアの課題
3 一般小売店の課題
5 日米コンビニエンス・ストアの相違と日本的コンビニ
エンス・スト7の課題
(405)
75
σ助
qの
U印
(49) (48) (47) (46) (45) (441 (43) (42}
(5) 〔4)(3) (2)(1}
(7)(6)(5}(4}(3)(2)(1)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
コンビニエンス・ストアと一般小売店の実態調査
︹1︺ 実態調査の概要
1 はじめに
わが国のコンビニエンス・ストアは、近年急速な展開をみせている。コンビニエンス・ストアに関する著書や論文もみ
られるが、実態調査をふまえたものは、ほとんどみあたらない。
そこで、本稿では、コンビニエンス・ストアを実態調査によって明解しようとしたものである。
コンビニエンス.ストアは、主として住宅街に存立し、近隣型商店として立地し、長時間営業、セルフサービス販売な
どによって、消費者に利便性を提供している。
調査対象の地域選定にあたっては、コンビニエンス・ストアのもつ特性が生かされた、地域的にも適当と思われる、東
京都世田谷区にスポットをあてて、実態調査を行なった。世田谷地区は、都心︵特に渋谷、新宿︶に近接した住宅街にあ
り、交通網の整備によって、職住の行動圏が機能的であるなど、コンビニエンス・ストア展開に適している地域であり、
また、めざましい発展をとげている地域でもある。
この実態調査分析は、コソビニエンス・ストアをチェーン加盟店と非加盟店に分けて行ない、それをさらに、地域一般
76
(406)
H
コンビニエンス・スFアの現状と課題
の中小小売店との実態調査とも比較検討した。これによって、コソビニエンス・ストアのもつ特質や位置づけを明らかに
するとともに、問題点の指摘と課題の提起をしている。また私のゼミナール研究では日米のコンビニエンス・ストアの歴
史や展開の比較を行ない、わが国コンビニエンス・ストアの特質についても明らかにしたが、本稿では割愛した。
さらに、コンビニエンス.ストアをとりまく地域住民の消費者調査を行なって、コンビニエンス・ストアの利用と評価
について、地域小売店や大型スーパーと比較分析し、コソビニエソス・ストアに対する消費者ニーズを明らかにするとと
もに、コソビニエンス・ストアの現状と問題点を浮き彫りにした。
これらの実態調査の分析を基にして、 コンビニエンス・ストアは、﹁消費者のためのもの﹂であるという観点から、消
費者二;ズに対応したコンビニエンス・ストアの企業経営の課題と展望について、明らかにしようとしたのが、本稿のね
らいである。
2 調査目的
昭和五四年五月、大規模小売店舗法が改正施行され、大型店に対する規制はますます厳しくなっている。その規制の網
をぬぐう形でめざましい進展をとげているのがコンビニエンス・ストアである。コンビニエンス・ストアは、大型店が提
供できないような便利さを顧客に提供し、地域社会に密着した小売店形態として、今後の動向が注目されている。
しかし、こうしたチェーン本部機構によって組織化されたコンビニエンス・ストアは、資本力にものをいわせて、全国
各地に進出出店され、地元中小小売店に大きな打撃を与えている。地元小売店にとっては、大型店やスーパ!マ:ケット
(407)
77
コンビニエンス∋ストアの現状と課題
の進出問題とさらに新たにコンビニエンス・ストァの出店による影響がクローズアップされ、中小小売店は、.休むひまも
なく対応が迫られている。地元中小小売店は、地域に根づき、地域住民と密接な関係をもって存続し、地域の消費経済を
支える中心的な役割を担っている。一方、コソビ・ニェンス・ストァや大型スーパーマーケットも消費者に対して多大のメ
リットをもたらしていることも事実である。したがって、地元小売店とコンビニエンス・ストアとがいかに共存共栄でき
るかが、今後の大きな課題となってくるであろう。 : °
そこで、本稿では、コンビニエソス・ストアと中小小売店における経営に関する諸問題、経営者の意識、今後の展望な
どを実態調査によって明らかにするとともに、消費者サイドに立ったコンビニエンス・ストアと中小小売店の評価を消費
者の音心識調査によって明らかにしている。
本調査の対象地域が、世田谷区のみであるが、この地区は、住宅地域でありコンピニエソス・ストアの立地条件と地域
的諸要因からみて一般的かつ不偏的であること。さらに、コンビニエンス・ストヲが、第一次商圏として半径五〇〇メー
トルであるところから、立地条件において特に地域的制約を受けない。したがってこの地域が他の一般的地域にも十分適
用できるものと考えられるので、本調査は、コンビニエソス・ストァのもつ共通的命題に対する実態調査分析とみてさし
つかえないといえよう。 ’
3 用語の定義’ . 、
本調査分析で用いる用語については、つぎのように定義する。
78
(408)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
D コンビニエンス・ストア
ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ へ
コンピニエンス・ストアとは、小型、少人数管理の店舗で近隣の顧客を対象にセルフサーピス方式で食料品・日用品雑
貨を販売し、親しみのあるサービスを特色とし、店舗面積は、三〇〇平方メートル程度以下の小売店である。また、大規
模小売業が提供できないような便利さ︵コンビニエソス︶を顧客に提供する小売店で、その便利さの中には、. .
①立地は住宅地周辺で顧客の居宅から徒歩で五分から一〇分で来店できる位置にあること︵立地的便利さ︶。
・②周辺のスーパーマーケットや一般小売店よりも営業時間が長く、年中無休営業を原則とする︵時間的便利さ︶。
③品揃えは、最寄品およびそれに準ずる生活必需品を主体とし、一般食料品、パソ、乳製品、牛乳、飲料水類、菓子
類、調味料、生鮮食料品、冷凍食料品、日用雑賃、雑誌、レコード、繊維製品その他収益性のみる商品を取扱い、ま
た許可を得てタバコ、酒類、薬品、米穀などを取扱っている︵品揃え面の便利さ︶ものが含まれる。.
.② 大型店
大型店とは、五〇〇平方メートル以上の小売店をさす。主として、スーパーマーケット。
③ 中小小売店
住宅地化してきた上、等々力、野毛、深沢、 79
中小小売店とは、従業員五〇人未満または、資本金一、○○○万円未満の一般小売店
4 東京都における世田谷区の性格
世田谷区は、都心の発展につれて、次第に都市郊外としての性格をもち、
(409)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
用賀、成城、祖師谷大蔵、経堂のような高級住宅地が形成され、また歴史的発展が比較的新しいため必然的に工場の集積
はいたって小さい。それに世田谷区内には、デパートも繁華街もなく、住民の職場となる工場や商社や官庁もない。すな
わち、都市としてひとり立ちできる核をもっていない。したがって、世田谷区は、東京都心に依存する形で住宅街を形成
して存在する性格をもっている。また、区内には、国電の路線はなく、交通網はすぺて私鉄とその経営するバス路線と都
営パス路線によって維持されている。
一方、道路網をみると、主要幹線としては、環状七号・八号線、目黒通り、玉川通り、甲州街道があり、狛江市・調布
市や神奈川県川崎市と接するだけに、都心への主要幹線のパイプの一端をになう条件にあり、都心部へ求心的に通ずる放
射状の一部の路線となる。また、このほかに駒沢通り、世田谷通り、千歳通り、松葉通りなど細かく連絡するが、前述の
ように都心への求心型の道路体系の一端にあるだけに、東西の路線は強く、南北に連絡する機能は乏しい。住宅街は、こ
れらの交通路線に沿って伸びているので、住民は通勤通学するにも、ショッピソグをするのにも、東西の方向に動くこと
になる。しかし、鉄道やパス路線が発達しているので、渋谷や新宿の繁華街に簡単に行けること、自然環境に恵まれてい
ること、家屋があまり密集していないことなどの好条件を有している。
このような世田谷区の性格は、全国各地の都市にみられるもので、また、このような地域には、コソビニエンス・スト
アが立地するに好条件の地区である。
80
(410)
コンビ.ニエソス・ストアの現状と課題
5 世田谷区内の大型店とコンビニエンス・ストアの概要
世田谷区内には、地区中心商業地をはじめとして、小田急線・京王線・新玉川線沿線にそれぞれ大型店が出店している
が、このうち大規模小売店舗法の適用を受ける大型店は、二子玉川園の横浜高島屋︵二五、七六七平方メートル︶・経堂
の小田急OX︵三、五六九平方メ:トル︶・下北沢の大丸ピーコック︵三、一五七平方メートル︶などで、他は、中規模
店としての進出が目立っている。こうした中規模店の進出傾向は、当区がベッドタウンとして発展し交通運輸機関が発達
したことによって、都心部への流出を高めているとともに、商圏範囲の拡大を困難にしているためであろう。
一方、コンビニエンス・ストアは、一〇〇店以上もあり、その出店状況はほぼ区内全域に広く点在している。とくに、
三軒茶屋周辺・下北沢・小田急沿線︵梅ゲ丘−祖師谷大蔵間︶・世田谷線沿線・深沢周辺に集中的にみられる。このよう
な、コソビニエンス・ストァの進出状況をみると、二つのことがわかる。一つは、比較的人口密度の高い地域、いわゆる
潜在購買力のある地域にコンピニエソス・ストアが密集していること。もう一つは、それらの地域のほとんどは、アパー
トであり、多くの学生や会社員などが生活しているということである。
以上みたように、コンビニエンス・ストアは、みるぺき商店街や大型店がなく、夜間人口が多い地域で、しかも比較的
人口密度の高い住宅地域に進出しているのである。
︹2︺ コンビニエンス・ ストアと一般小売店
ここでは、コンビニエンス・ストアとその周辺小売店をさまざまな角度から調査した結果を分析して、その特質を明ら 81
(411)
コンビニエソス・ストアの現状と課題
かにしよう乏したものである汐
1 調査対象および調査方法
封 コンビニエンス・ストァ
①対象コンビニエンス・ストア
世田谷区のコンビニエンス・ストア ・一一九店
②調査方法
留め置き︵配票︶調査方法
③調査期日
昭和五六年四月二七日∼五月三一日
④ 回 収 数 お よ び 回 収 率
回収数 六五店
内訳 チェーン加盟店 四三店
独 立 店 一七店
直 営 店 五店
回収率 五四・六%
82
(412)
コンビニェソス・ストアの現状と課題
② 小売店
① 対象小売店
.°’. c
一三日
世田谷区のコンビニエンス ・ストア近くの小売店
゜② 調査方法
留め婁︵配票︶難方法
③ 調査期日
昭和五六年四月二七日∼五月一
④ 回 収 数 お よ び 回 収 率
回収数 三二六店
回収率 六五・二%
無効回答数 四六店
有働回答数 二八〇店−
有 効 回 答 率 五 六 ・ ○ %
.2 実態調査結果と分析
ω 企業形態
五〇〇店
(413)
83
コン’ビニエンス・ストアの現状と課題
コソビニエ゜ソス・ストアは、法人企業六六・二%、個人企業三三・八%であるのに対して、小売店は、四四・三%と五
五・七%となっていて、企業形態にかなりの差がみられる。
コンビニエンス.ストアの内訳をみると、直営店はすべて株式会社であり、独立店も個人企業の約二倍が株式会社であ
ることが特筆されよう。
小売店では、個人企業について有限会社が全体の三二・八%と多く、法人企業でも有限会社は設立が比較的容易である
ことが、商店に多くみられるものと思われる。株式会社は、 コンビニエンス・ストアの三三・八%よりはるかに少ない
一〇・四%で、中でも生鮮食料品店では、三・八%と業種で最も低い比率となっている。
従業員規模別にみると、コンビニエソス・ストア、小売店ともに、従業員数が少なくなるにつれて、個人企業の比率が
高いが、法人企業では、従業員規模の違いはとくにみられない。
② 資本金
コンビニエンス.ストアの資本金をみると、四〇〇万円未満の店が五五・八%を占め、そのほとんどが株式会社である
のに対して、四〇〇万円未満の企業のほとんどは有限会社である。
小売店の資本金は、三〇〇万円未満が六三・七%であり、コンビニエンス・ストアにくらぺて資本金が小さい企業の多
いことがわかる。また、コソピニエンス一ストアと同じように、資本金の小さい企業は有限会社で、大きい企業は株式会
社となっていゐ。業種別にみると、酒店・米穀店で、資本金五〇〇万円以上の店が五六・九%もあり、他の業種よりも資
本金の大きい店となっている。
−84
(414)
コンビニエソス,・ストアの現状と課題
C・V・S企『
a
株式会社
加盟店、9(20。9)
独’
ァ店 8(47.1)
ニ形態
人
イ,法
有藤社1合癌社睡副小計
13(30.2)
2(4.7)
1(2.3)
ロ.個人
25(5&1)18(41ρ)
13(76.5)’4(23.5)
5(29.4)
5(100. P)
直営店5(100.0)
総 計
窪3(100・0)
17(100.0)
’.5(10().0)
総計22(・3・・)・8(・Z・)1・(3・・)1・(・・)43(・6・・)1 ・・(・3・・)1・・(・…)
注:()内は%
C・V・S企業形態(従業員人数規模別)
イ.法
人
株燕社1有泌社1合巌社睡訓小計
3人以下
ロ.個人
総 計
1(20.0)
1(20。0)
4(80.0)
5(100.・0)
5(27.8)
12( 66.7)
6(33.・3)
18(100. 0)
12(66.7)
6(33.3)
18(100.0)
8(88.9)
1(11。1)
9(100.0)
10( 69.9)
4(28.6)
14(100.0)
4・−5人
7(38。9)
6A・7人
8∼10人
6(33,3)
5(27.8)
5(55,6)
2(22.2)
11人以上
4(28.6)
5(35.7)
1(5.6)
1(11.1)
1(5,6)
総計1’22(・4・・)1・8(2…)・(3・・)1・(・・)143(・7・・)1・・(・2・・)i64(・…)
注:()内は%
小売店企業形態
イ.法
人
株燕社1有藤社1・難1・難i小計
生鮮食料品店
一般食料品店
4(3.8)
6(11.1)
31(29.5)
18(33.3)
6(17.1)
13(37。1)
9(19.1)
14(29.8)
文化品店
2(8.3)
10(41.7)
そ の 他
2(13.3)
酒,米 店
家庭用品店
6(40.0)
1(1.9)
1(4.2)
1(1.9)
ロ.個人
総計
35(33.3)
70(66.7) 105(100,0)
26(48.1)
28(51.9)
54(100.0)
19(54.3)
16(45.7)
35(100.0)
23(48.9)
24(51.1)
47(100.0)
13(54.2)
11(45.8)
24(100.0)
8(53.3)
7(46.7)
15(100.0)
総計i 29(…)lg2(・2・・)1・(…)1・(・・)i・24(・4・・)1・56(・5・・)瞬・・α・)
注:()内は%
85
(415)
コンビニエンス・ス・ト・アの現状と課題
小売店企業形態(従業員人数舞模別)
9(14.8)
52(85.2)
61(100.0)
43く32・3)
54(41.5)
76(58.5)
130(100.0)
9(15,0)
24(40.0)
34(56.7)
26(43.3)
60(100.0)
1(7.1)
12(85.8)
13(92.9)
1(7.1)
14(100.0)
7(46.7)
5(33.3)
14(93.3)
1(6.7)
15(100,0)
1(6.7)
1(6.7)
8人以上
1(1.7)
総計
P.個人
株姦社1有藤社1・蜘・鰍小計
⑧ 自己資本と他人資本
自己資本とは、事業を始める時に出資した資本金に、年々の利益の一部を留保
し諸積立金を加えたもので、店自体の安定した資本のことをいい、他人資本は、
借入金・支払手形・買掛金あるいは仮受金や預り金などの負債を一時資本として
利用している資本のことをいう。したがって、自己資本比率が高いことは、経営
面において安定していて不況時にも強さを発揮でき、独自性のある経営ができる
ことになる。
自己資本と他人資本の比率をみると、自己資本比率七割以上の店は、コンピニ
エソス・ストアで六七・七%、小売店で五五・三%と共に過半数をこえている。
また、自己資本比率一〇〇%の店は、コソビニエンス・ストア︵五八・五%︶と
小売店︵四三・九%︶ともにかなり高い比率となっている。
このように、コンビ筑エンス・ストアおよび小売店は、自己資本地率が高く、借
入依存度の低い健全経営を行っていて、中小小売業のもつ生業的性格の店という
ことができる。商店の規模が小零細であることは、自己資本比率の高いことと一
致するが、これが健全経営である反面、積極的な経営姿勢に欠ける要因にもなっ
ているといえよジつ軌
86
(416)
9(14.8)
12(9.2)
0∼1人
2∼3人
4∼5人
6∼7人
人
イ。法
総計1 29(・…)1 ・・(・2・・)1・(…){・(…)}・24(・4・・)i・56(・5・・)128・(・…)
注:()内は%
コンビニエンス・ス・トアの現状と課題
叫 代表者の経歴
代表者の年令をみると、・コンビニエンス・ストアでは、四〇代以下が七一.・六%であるのに対して、六〇代以上も二
九・三%であり、年令の二極分化現象がみられる。小売店では、、四〇代・五〇代が六五・七%、六〇代以上が二〇・四
%となっていて、経営者の高令化現象がみられる。
代表者の性別では、男性の占める割合が、 コンピニエソス・ストアで九六・九%、小売店で九〇.七%と圧倒的に多
い。レかし、小売店の家庭用品店、文化用品店では、女性の代表者が二割台を占めていて注目される。
創業何代目であるかをみると、コソビニエンス・ストア、小売店どちらの代表者も初代が六割以上を占め、二代目が約
三割となっている。このことば、この地区が戦後急速に開発されたことによるものと思われるつ
なお、小売店の酒・米穀店だけが二代目以降が六割以上となっていて、歴史の古さがうかがえる。
代表者の学歴では、大卒がコンビニエンス・ストアで三二・三%、小売店で二二・一%となっている。しかし、小売店
の家庭用品店だけが四六・八%と高くなっている。これは、医薬品販売など専門的知識が必要な業種が含まれているため
と推測される。
さらに、小売店だけに、商店経営以外にサイドビジネスを持っているかを調ぺてみた。その結果、全体で=二.九%の
経営者がもっていた。とくに、家庭用品店では、その比率が二三・四%と高くなっている。
⑤ 以前の職業
コソピニエソス・ストアの経営者で、以前も小売店の経営を行なっていた人は、六四・六%である。その比率は、加盟
(417)
留
コンビニエンス。ス・トアの現状と課題
他
23.2%
d店一Nfui
異業
32.9%
無記入
家業
後継者
その
3.9%
大型店 0.7%
つぎに、小売店の経営者の以前の職業をみると、家族後継者が約三分の一を占
めている。また、経営者になる以前に、何らかの業種の従業員であった人の比率
は、四〇.三%と最も高くなっている。なかでも、同業店に勤務していた人は二
三∼九%となっていて、経営者になる前に、﹁商売ノウハウを吸収する﹂という
意図から、流通業界で働き、ある程度の知識と経験をふまえてから経営者になる
というステップを踏んだものと理解される。
⑥ コンビニェンス・ストア開業に際しての情報入手 の
41
現在のコンビニエンス・ストアの経営者が、コンビニエンス・ストアに転職し︵
88
店で六三.九%、独立店では七六・五%であり、その中で、酒店経営者が加盟店で四〇・七%、独立店では五八・八%と
最も高い数値となっている。これは、酒店が比較的広い売場面積と倉庫をもった店舗であること、登録免許制度に基づい
てアルコール類の独占販売権をもっていること、など他の小売店にない利点があることが、コンビニエンス・ストアへの
移行を有利にした要因であるといえよう。 ’
一方、新規経営者の比率も三五.四%もあり、その中にはコンビニエンス・ストアのチェーン本部やスーパーに勤務し
ていた人 約一 あり、自分で独立して経営を始めたという点で注目される。また、弱電機製造、鉱山技師、木材販売、
板など、コソビニエンス・ストアとは直接関係のない職業からの転職者が︸割以上もあり、アメリカ的な一面をのぞか
無記入3.6%
せている。
小売店経営者の以前の職業
コンビニ’エンズ・ストアの現状と課題
C・V・S開業際の情報入手先
者
9.3
業
,
18.6
e.コンサルタント
ロカ・盟店
17.6
他
の
9.そ
47.1
c.雑誌・専門誌
46.5
f.チェーン本部
た理由 と し て は、
つぎのことをあげている。
コンビニエンス・ストアの将来性を見込んで
や﹁雑誌・専門誌﹂︵三〇・八%︶﹁コソサルタ
がわかる。
経営者が、自分から積極的にアタックしていること
割以上︵加盟店八一・三%、独立店九四・一%︶の
雑誌・専門誌からの情報︶からの情報をもとに、八
い方面︵とくに、加盟店はチェーン本部、独立店は
ソトのような専門家の話﹂︵一八・五%︶など幅広
%︶、
部発行 のパンフレット、セールスマン﹂︵三六・九
これ ら の 理 由 から
、
開業にあたり、﹁チェーン本
ス:パi攻勢に対抗するため
経営の頭打ちを打開するため
販売促進をするため
経営の近代化・合理化をはかるため
⑤④③②①
このように、コンビニエンス・ストアの経営者が、
(419)
89
17.6
b.同
11.6
人
d.知
T.9
a.公的機関
50
40
30
20
10
(%)
4.7
27」9
5.9
23.5
9.3
23.5
独立店
コソビニエンス・ストアの現状と課題
小売業の時代の流れをつかみ、時代を先き取りしようとする積極的な姿勢と旺盛な経営意欲をもっていたことによって、
企業の新展開をみているものといえよう。
㎝ 小売店創業とコ・ンビニ・エンろ・ストナ開店幻よび経営年数
コンビニエ払ス・ズトアの経営者で、以前も小売店を経営していた人の開業年次をみると、昭和二〇年以前が三三・八
%と最も高くなっている。また、小売店の創業年次をみると、昭和二一年以降昭和四〇年までが五二・九%、昭和二〇年
以前が二九∴三%となっていて、昭和四〇年以前に小売店の八割以上が創業している。反面、昭和五一年以降に創業して
いるのは、わずか四・三%である。
コ ロ コ リ
つぎに、 コンビニエンス・スト7の開業年次と経営年数をみると、昭和四六年三月以前の開業で経営年数一〇年以上
は、六・二%ときわめて少ないが、.これは、コソビニエンス・ストアという店舗形態がその当時から出現してきたためで
ある。昭和五二年四月以降の開業で経営年数四年以内は八割もあり、コンビニエンス・ストアが高度経済成長期よりも低
成長︵安定成長︶期に大挙して開店していることがわかる。
小売店の経営年数をみると、一〇年未満が一二・二%と比較的少なく、コンビニエソス.ストアとは対象的である。こ
れに対して、経営年数一〇年以上は、八六・一%もあるが、四〇年以上になると七・五%と少ない。この地域の小売店
は、歴史が古いとはいえず、農村地帯から、戦中期、戦後期、高度成長期に開発された住宅街とともに、成長を遂げてき
た比較的新しい新興地域の小売店といえる。
したがって、消費者も小売店の競争関係も流動的であり、地域住民との密接な関係を大切にして親しみのあるコ、、・ユニ
90
(420)
コンビ三エンス;ストアの現状と課題
ケーションの確立が、コンビニエンス・ストアや小売店にとって、最も大切な成長への要件であるといってよい。
⑧ コンビニェンス・ストアの収入
¥ビニ土ソス・ストアの経営者になる以前の収入を一〇〇として、現在の収入の増減をみると、﹁減収﹂は一.九%
X︶であり、﹁かわらない﹂を加えても一一・三%と少ない。それに対して、﹁増収﹂は、八六・八%と非常に高い数
値を示し、そのなかでも二〇〇以上の増収になった店は、三三・九%となっている。これらの数字は、以前の職業や収入
がさまざまであるので、収入の平均伸び率を単純に算出するのは早計であるが、試算によれぽ、一八〇弱となっている。
いずれにせよ、コンビニエンス.ストアが長時間労働とはい、兄、商売的には利益をもたらす小売業形態であることは間
違いないといってよい。
㈲ 店舗面積
小売店の店舗面積をみると、八割近くが五〇平方メートル未満の小規模な店舗となっている。とくに、哺般食料品店、
生鮮食料品店は、三〇平方メートル未満の小規模店舗がほとんどであるのに対して、酒店・米穀店、家庭用品店、文化品
店などの店舗面積は多様である。
これに対して、コンビニエンス・ストアの店舗面積は、一〇〇平方メートル以上が六割強となっていて、小売店よりも
かなり大きいことがわかる。さらに、コンビニエンス・ストアの売場面積をみると、六〇∼八〇平方メートル未満の店が
四三・一%、八〇∼一〇〇平方メートル未満が二一・五%で、八〇平方メートル前後の店がほとんどであることがわか
る。
(421)
91
゜コ
(一
コソピ島エンス・ストアの現状と課題
小売店は、最寄品取扱店であり、ある程度限定された専門商品を対面販売しているために、小規模な店舗面積でも対応
できる。コソビニエンス・ストアは、商品構成も最寄品およびそれに準ずる生活必要品、日用雑貨などの多種多様な商品
を陳列していおり、 セルフ・サービ゜ス販売を行なっているので、売場面積、店舗面積も大きくなっているものといえよ
う。 “
中小企業庁などの資料によると、コンビニエンス・ストアの売場面積は、一〇〇平方メートル前後が効率が良いとされ
ているが、当地区の場合は、平均で、加盟店八二・六平方メートル、独立店八五・三平方メートル、直営店八四・三平方
メートル、全体で八四・一平方メートルとなっている。
店舗の自己所有比率は、コンビニエンスス・トア独立店が八割強、加盟店で六割強が自己所有であるのに対して、直営
店はすぺて借店舗となっている。
小売店は、七割近くが自己所有であり、借店舗は三割であった。酒・米穀店では、約九割が自己所有であるのに対し
て、生鮮・一般食料品店はかなり低く、業種によりかなりの違いをみせている。
㈹ 居宅と店舗の区別 ゜ ・
コンビニエソス・ストアの九割強が居宅と店舗を区別しているのに対して、小売店は、六割強であり、なかでも酒・米
穀店では四割強と少ない数値を示している。
小売店では、大部分が﹁店住一体﹂の形態である。そのため、一国一城の主的な感覚が強く、経営姿勢も家賃を支払う
借家経営にくらべて送びしさがなく、流通革新への対応も遅れがちである。﹁店舗﹂は、商品を販売する営業活動の場で
92
(422)
コンピニエソス・ストアの現状と課題
C・V・S 昭和55年度年間売上高
5000∼
10000
万未満
10000∼
2(4.7)
12(27.9)
15( 34.9)
3(7.0)
6(14.0)
5(11.5)
43(100.0)
2(11.8)
4(23.5)
3(17.6)
2(11,8)
2(11.8)
4(23.5)
17(100.0)
5000万
未満
加盟店
独立店
直営店
15000∼
15000
万未満
200σ0
万未満
20000
万以上
総計
無記入
5(100。0)
5(100.0)
総計1・(6・・)1・6(・4・・)1・・(・5・・)・(7・・)1・(・2・・)1・(・3・・)1 ・・(・…)
注:()内は%
155・tl・9,平均年間売上高
加盟店
独立店
直営店
12.162.7万円
12,932.7万円
13,200.0万円
総平釧
12,434.1万円
注:独立店のうち1店が39, OOO万円ときわめて高いので,これを除外して算出す
ると,10,760.4万円となる。
年間売上高の推移
C・V・S
一般小売店
53年度平均
年間売上高
54年度平均
年間売上高
55年度平均
年間売上高
10,311.8万円
11,043.2万円
(107.1)
12,032.3万円
(100.0)
3,925.7万円
(100.0)
4,034.8万円
(102.8)
(116.7)
4,106.0万円
(104。6)
93
(423)
あることを考えて、°独立した形態にするこ
とがのぞましい。
㈹ 年間売上高
昭和五五年度の年間売上高をみると、
ンゼニエンス・ストアの五五・四%が一億
円以上の売上があり、平均売上高も加盟店
一・二二億円、°独立店一・二九億円、直営
店一二二二億円、全体平均売上高一・二四
億円以上の
億円となっていて、かなり高い売上を示し
ている。一方、小売店では、
店は四・六%しかなく、平均売上高も四
○○万円でコンビニエンス・ストアにくら
ぺかなり低い数字である。しかし、その中
でも酒・米穀店では、平均売上高六唱五〇
万円とかなり高い庵のとなっている。
コンビニェンス・ストアと小売店では、
コ
コヒζ『エンス・ストアの現状と課題
C・V・S定休日
年中無休1週1回1月1回1月2回1月3回1年1回1年2回1総計
計139(…)1・6(24・6)[・(3・・)1・(・・2)1・(・・5)1・(・・5)i・(3・・)1・・(・…’・・)
総
43(100.0)
1(5.9)
17(100:0)
7(16.3)
7(・41.2)
9(52.9)
直営店
5(100.0)
店舗面積、従業員人数にかなりの差があったので、両者をくらべるため店舗面積一平方メー
トル当り分売上高と従業員一人当りの売上高で調べてみた。面積一平方メ凋トル当りでは、
コソビニエンス.・スト、アで一五五・一万円、小売店唱三二・三万円、従業員一人当りの売上
げではコンビニエンス・ストア一七五一・六万円、小売店一四三八・二万円と、共にコンビ
ニエンス・ストアの方が効率の良い売上であることがわかる。小売店の中で、酒・米穀店
は、面積一平方メートル当りで一九九・七万円、従業員一人当りで二四三五・二万円と小売
店の業種のみならず、コンビニエンス.・.ストアよりもはるかに効率の高い売上高であること
がわかる。これは、地域での販売権を有する独占的性格をもつ店舗だからであろう。
働定休日
コンビニエンス.ストアは、年中無休を原則としているが、tれを一〇〇%実施している
のは、直営店だけで、加盟店では、六六・八%、独立店にいたっては、四一・二%と予想外
に低かった。さらに、独立店では、週一回の定休日を実施しているものが五二・九%あり、,
そのうち日曜日定休の店が二割近くあった。これらの店は、コンピニエソス・ストアへの休
日来店客が増大していることを考慮して、休日の曜日を変更するのがのぞましい。
つぎに、小売店では週一回の定休日をとっている店が、七割強あヴた。なかでも、酒・米
穀店が九四・二%と業種中最も高くなっているが、これは、専売権な有し売上高も高べ、安
94
(424)
1(2.3) ’1(2.3)
1(2.3)
4(9.3)
27(62.8)
独立店
2(4.7)
加盟店
注:()内は%
下嘉Σ
H︵H°O︶㎝︵O°°。︶
H︵b。。り︶
駐韓海輩塾温ー難海輩恥瞬
薗・孫 温
H︵蔭曹bΩ︶
O︵同ρ①︶
H︵①゜刈︶
脚嗣珀即醍
郎 O 凄
=︵GnのO︶
掛へ﹃匙 蔚
酵”︵ ︶冴貫承
歯H回
0︵卜0900︶
α︵HO°①︶
H︵H°O︶H︵H°O︶
ヨ旦
只b。O°°。︶
O︵HO°H︶
H︵b。°O︶
①︵㎝゜刈︶Hb。︵b⊃卜。°b。︶
H︵①゜刈︶ ︵
i心゜ω︶
O︵α゜﹃︶
i卜o.Qo︶片H’り︶
iHω゜ω︶
ハ︵HOO°O︶
ミ︵同OO°O︶
ωq︵HOO°O︶
HOO︵HOO’O︶課︵HOO.O︶
一お理
り︵§[①︵p・二
只H°。°ω︶
只戯゜°。︶
只虹曹゜。︶
並卜。回 並ω回 醤H回∼㎝回 類留ン
ら 瓢 温 滞 弁 田
n︵①戯゜o◎︶
ω゜。︵㊤幽﹄︶
H︵αH’H︶
O︵8°O︶
Hω︵罐゜b。︶
μOo。︵刈O絹︶ 旨︵軽゜ω︶ Q。Q。︵HH°◎o︶ O︵ω品︶
Hq︵HOO°O︶
n︵HOgO︶
では、七六・五%となっていて小売店よりも高い︶と二つに分かれているのに対して、小売店では九時から一〇時までの
開店時間は、コンビニエンス・ストアで七時以前が三七・九%、さらに九時から一〇時までの間が五一・九%︵独立店
・⑬営業時間
業、・年中無休の原則をもっと強化した体制がのぞまれるところである。
祭日にも店を開けてほしい︶に対応する経営姿勢がうかがえる。さらに、コンビニエンス・ストアの特微である長時間営
コソビニエンス・ストアとは大きな差をみせている。ここに、小売店とコンビニエンス・ストアとの顧客のニーズ︵日曜
また、小売店の日曜日定休の店は、五割をこえ、とくに酒・米穀店︵七四・三%︶、文化用品店︵七九・二%︶は高く、
卜o
゜。
卜。
求B
定した経営内容であることによるものと思われる。
b。
盾盾
b。
゜。
b。
(425)
95
コンビニ土ンス・ストアの現状と課題
コンビニエンス・ストアの現状と課題
間に六七・五%が集中している。 ・ “
閉店時間では、コンビニエンス・ストアで=時以降が七七・五%と深夜まで営業している店が多いのに対して、小売
店では、九時以前に閉店している店が八〇・○%である。
営業時間の長さは、コソビニエソス・ストアの場合、一六時間以上すなわち一日の三分の二以上営業している店が五割
もあるのに対して、小売店では一二時間未満の店が五割以上あり、両者の営業時間の差が明らかである。この結果から
も、コンビニエソス・ストアが、時間的便利さを消費者に提供している新しい形態の小売店であることがわかる。
αの 従業員構成
従業員数をみると、五人以下では、コソビニエンス・ストアが三五・四%に対して、小売店が八九・六%と約九割であ
る。八人以上では、コンピニエソス・ストアが三五・四%、小売店が五・四%で両者には、従業員数の規模格差がみられ
る。
男女別の従業員構成をみると、正規家族従業員では、コンビニエンス・ストア、小売店いずれも約半数が男子である。
正規一般従業員では、男子の割合が、コンビニエソス・ストア、小売店ともに七割をこえている。パートでは、女子の割
合が、両者とも八割以上であり、アルバイトでは、コンビニエソズ・ストアでは、男子が六割弱であるのに対して、.小売
店では女子が六割以上となっている。これは、コンビニエンス・ストアと小売店との営業時間の長さの差と仕事の内容の
違いによるためであろう。
店全体に占める従業員構成では、正規家族従業員が、コソビニエンス・ストア三〇・六%に対して、小売店では二倍の
96
(426)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
六一.二%となっている。さらに、アルバイトとパートは、コンビニエソス・ストアでそれぞれ三六・九%、二二・八%
となっているが、小売店では、七・五%、一二・九%となっている。このように、小売店では、正規家族従業員を中心と
した経営であり、コンビニエソス・ストアは、正規家族従業員にアルバイト、パートを加えて十分に活用した経営といえ
る。
年代別の従業員構成をみると、正規従業員では、五〇代以上が、コンビニエンス・ストアで約三割、小売店で約四割で、
両者とも高令化が進んでいる。正規一般従業員では、コンビニエンス・ストアでは、二〇代以下が五割以上を占めるのに
対して、小売店では三〇代・四〇代が六割以上で、年令が高くなっている。パートでは、両者とも、三〇代・四〇代が六
割以上を占め、そのほとんどが女子であることから、パートは主婦を対象とした人件費節約のための雇用方法であること
がうかがえる。アルバイトは、コンビニエンス・ストア、小売店ともに、二〇代以下が九割前後と非常に高いが、雇用者
数では、’コンビニ,エンス・ストアが小売店の約三倍にもなっている。
年代別の従業員構成を全体でみると、 コンビニエンス・ストアの従業員が二〇代以下で約五割を占めているのに対し
て、小売店では、五〇代以上が約三割を占め、従業員構成での二極分化が両者の間にみられる。
個 売場の最低人数
コンビニエソス・ストアだけを対象に、早期から一〇時、一〇時∼一四時、一四時∼二〇時、二〇時∼二三時、二三時
以降深夜において、売場に最低何人の従業員が必要かを調べたところ、どの時間帯も、一人か二人が七割以上であり、一
四∼二〇時の時間帯だけが三人以上の店が三割であった。このように、セルフサービス方式の採用と売場構成との合理化
(427)
97
コンビニェンス・ストァの現状と課題
によって、コンビニエソス・ストアは、省力化を実現していることがわかる。
㈲雇用問題
雇用に関して困っていると答えた経営者は、加盟店で五一・二%、直営店で一〇〇%と多かったが、独立店では二三・
一%、小売店二五・○%と少ない。直営店・加盟店は、パートやアルバイトなどによって支えられているのに対して、独
立店や小売店は、正規家族従業員による家内・生業的な店舗であるために、雇用問題に対する認識の差がでたものと思わ
れる。
雇用問題を分析してみると、コンビニエンス・ストアは、﹁長期労働力の確保﹂︵八〇・六%︶、﹁従業員の資質﹂︵三八・
七%︶、﹁人手不足﹂︵三五・五%︶の順となっている。これは、バートやアルバイトという不安定な労働力に依存した雇
用状況からみて、定着性が無いために、長期間勤めてくれる資質の高い人材を求めているためである。小売店では、﹁人
件費の高騰﹂︵四七・一%︶、﹁人手不足﹂︵三五・七%︶、﹁長期労働力の確保﹂︵三〇・○%︶と、当面において労働力の
確保に問題のあることを示している。
また、従業員の定着にとって必要なことは何かとの質問に対して、小売店の回答にくらべて、コソビニエンス・ストア
の回答は、﹁人間関係の重視﹂︵四一・五%︶や﹁働きがいのある仕事を与える﹂︵四〇・○%︶など、ただ賃金面だけでな
く、働きがいのある職場づくりに努めていることが理解でき、経営者の従業員に対する意識が、小売店とくらぺて高いと
ころにあることがわかる。
働 後継者の有無
98
(428)
コンピニエγス・洛トアの現状と課題
雇用問題
1.
一:
一般小売店
(%)
C・V・S
25.0
47.7
ある
ある
50.8
ない
無記入5.4 無記入
1.5%
醐 ㎜
雇用問題
C・V・S
小売店
50
0
d
e
f
9
その他
長時間労働力の確保
従業員の高齢化
労働生産性の低さ
C
従業員の資質
人手不足
99
b
人件費の高騰
a
(429)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
(%)
従業員定着に必要なこと
曾
25.4
■
10.8
10
「
a 給与面の改善
人間関係の重視
労働時間・休日出動
などの明確化
働きがいのある仕事
を与える
福利厚生施設の充実
f その他
e
d
C
b
3.1
3.9
0
唱店
41.5
まだ後継者が決まっていなかったり、考えてい
怨いとするものは、コンビニエンス・ストアで四
九・三%、小売店で四七・二%と両者とも約五割
であるが、経営者にとって、後継者問題が将来の
商店経営や生活設計に大きく影響するだけに、重
要な問.題である。
後継者の見通しがついている店では、そのほと
んどが子息か身内であり、コンビニエンス・スト
アおよび小売店の家内・生業的経営の後継者選び
の一面をのぞかせている。
また、自分の代で店を閉めようと思っているも
のは、コンビニエンス・ストアで九・二%︵すぺ
てチェーン加盟店︶であり、小売店では、一五・
七%とコンビニエンス・ストアより高く、さらに
一般食料品店で二四・一%にも達している。
㎝計数管理状況
100
(430)
28.9
30
40.0
r●
40
世£’茎
50
20
21.5
16・915.714.6
コンビニエソス・ストアの現状と課題
①損益分岐点
この損益分岐点は、企業の経営を進めるうえで大切な数字であり、利益計画とか利
あ 生
ず
る
利
益
に
も
損
失 損益分岐点とは、 企業の売上高が増加
る い は 減 少 す る 過 程で
に も な ら な い 点 、 すなわち、利益と
損失の分かれめになる売上高をいう。
益管理といわれるものも、基本的には、損益分岐点を掌握し、その公式を
応用することから出発する。
S 店
V 売
コンビニエンス・ストアで、損益分岐点を﹁知っている﹂のは、直営店
②月別売上高
資金計画などに役立てる努力が必要である。
益分岐点を理解し活用して、損益の動きを早くつかみ、翌月の販売計画、
にある。したがって、中小小売業は、計数管理を的確に行なうために、損
人件費も恒常的に上昇しているので、損益分岐点は上方にシフトする傾向
けれぽ、今後の発展はのぞめない。また近年固定費比率が上昇し、さらに
あることを示している。計算にもとついた利益計画や利益管理を行なわな
損益分岐点を﹁知らない﹂とする経営者は、計数管理のできていない店で
九〇・八%である。一方、小売店では、七七・二%と少なくなっている。
一〇〇%、加盟店九三・○%、独立店八二・四%となっていて、全体では
C 小
㎜
76.9%
況経営と家計の分離
高
蜴 ㎜
損益分岐点
(431)
101
資金繰り表
客単価
状
計数経営管理
コンビニエンス・ストアの現状と課題
顧客の二ーズは、つねに変化しているから、その動向を正しくキャッチしていかなくてはならない。そのためには、商
品の品種別売上高を月別に集計することは、店の売筋商品を把握し適切な商品構成とするために重要である。また、商品
政策、商品戦略を策定する上で必要不可欠な内部資料である。
コンビニエンス・ストアでは、品種別売上高を月別に集計﹁している﹂が七六・九%となっている。しかし、独立店で
は、集計﹁していない﹂が四一・二%もある。また、﹁していない﹂では、従業員五人以下で全体の三分の二を占めてい
ることである。
小売店では、集計を﹁している﹂が四一・八%と少ないが、従業員数八人以上のところでは、七三・三%となってい
て、コンビニエンス・スドアと同じくらいになっている。しかし、﹁していない﹂店が五六・八%もあり、 コンビニエン
ス・ストアにくらぺて計画性のない経営であることがわかる。
③客単価
客単価とは、お客一人当吻の平均売上高のことであり、この資料を作成すれぽ、売上の変化が客数の変化によるもの
か、客単価の変化に基づくものかが分析でき、販売促進の効果測定が可能になる。また、自店の商圏内の客層を知ること
にも役立つ。
コンビニエンス・ストアでは、客単価の資料を作成﹁している﹂が八割となっているが、独立店では七割となってい
る。小売店では、三割でいちじるしく少なく、客単価の重要性が十分認識されていない。しかし、家庭用品店だけは、五
割強と比較的高くなっている。
102
(432)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
客単価の算出は、最近のレジスターならぽ簡単にできるので、消費者の二ーズに対処するためにも、資料の作成がのぞ
まれる。
.④ 資金ぐり表
コソビニエンス・ストアで、資金ぐり表を作成﹁している﹂が五三・八%である。﹁していない﹂は、加盟店で四四.
二%、独立店六四・七%とかなり高い。さらに、従業員数三人以下では、﹁していない﹂が八割にも達している。
小売店では、﹁している﹂は、四分の一であり、生鮮食料品店や一般食料品店ではもっと低い数字となっていて、小売
店が計画性に乏しいことがわかる。
日常の会計処理を行うことによって、販売上の入金や仕入代金、経費の支払以外の資金必要量や現在の資金残高が確実
に把握できる。それと販売計画や仕入計画を組み合わせていけば、④現在の手持資金はいくらか、@将来支払わなけれぽ
ならない金額はいつ、いくらか、◎それに対して入金額はいついくらか、ということが明らかになる。こうして、正しい
資金ぐりとは、単に資金を調達することだけでなく、将来資金が苦しくなることのないようにするという管理と計画がそ
の中心となるのである。
⑤経理と家計の分離
店の経理と家計が分離されているかについては、コンビニエンス・ストアでは独立店が一店のみ﹁していない﹂だけで
あった。
小売店では、﹁している﹂が八六・八%で、なかでも酒・米穀店では九四・三%と高くなっている。﹁していない﹂が一
(433)
103
コンビニエンス・ストアの現状と課題
二.一%であるが、従業員数三人以下では﹁していない﹂が八二・三%にも達していて、ドンブリ勘定ぶりがうかがえ
る。
以上の①∼⑤までを総合すると、現在のコンビニエンス・ストアは、小売店にくらべてかなりしっかりした計数管理を
行なっていることがわかる。とくに、直営店では、①∼⑤まですべてが一〇〇%実施されていて、経営者の計数管理に対
する認識の高さがわかる。また、加盟店と独立店とをくらべると、加盟店がすべての面が独立店より実施率が高いが、こ
れは、チェーン本部の経営指導によるものであろう。なお、独立店に関しては、店舗は近代的であるが、計数管理状況か
らすれぽ、近代化の途上ということができ、一層の努力が必要とされる。
中小小売店が、本当の意味での安定的発展を築いていくためには、営業活動や販売方法を計数的に研究し、営業成績を
向上させるための対策を講じることが必要である。そのためには、経理システムを整備して、営業活動の実績を正しく把
握し、店の現状や資金の状態を明らかにし、数字に基づいて科学的に計画をたてる﹁計数管理﹂を行なうことが必要であ
る。
,㎝ 資金の借入経験゜
資金の借入経験についてみると、コンビニエソス・ストアでは八三・○%、小売店で七二・五%が資金借入をしたこと
があるといっている。とくに、直営店では、一〇〇%となっていて、チェーソ展開するにはそれ相当の資本力を必要と
し、他人資本への依存度を高めているのであろう。また、小売店の文化用品店で八七・五%と高いのが目立つ。
資金の借入先をみると、コンビニエンス.ストアは、市中銀行︵四六・三%︶、信用金庫︵三三・三%︶、国民金融公庫
104
(434)
コンビニエソス・ストアの現状と課題
埴
h
9
f
その他
知人・縁故
商工中金
国民金融公庫
金融公庫
中小企業
信用組合
信用金庫
相互銀行
市中銀行
@40 30 20 10
2.5L9
e
d
C
b
a
S.9 4.4
1.5
@5.4
11。1
@ 7.4
7.4 9.3
売店
31.5
33.3
32.5
13.0
13.8
ャ
38.4
V・S
50.2
C・
46.3
50
︵一一二・五%︶の順になっているのに対して、小売店では、信用金
庫︵五〇・二%︶、国民金融公庫︵三八・四%︶、市中銀行︵三二・
五%︶の順になっていて、両者には、借入先の順位と比率の差がみ
られる。なかでも、市中銀行の比率の違いは、商店規模や経営力、
信用力などの差によるものである。このことは、小売店の酒・米穀
店だけが、市中銀行の借入先比率が六割という高い数字であること
によって明らかとなる。なお、中小企業専門の金融機関である信用
金庫や政府系国民金融公庫が、その役割をよく果していることも理
解できるところである。
また、国民金融公庫は、④融資対象の幅が広く、@担保・融資
条件が緩やかで、◎小口融資であること、信用金庫は、地域の中小
企業に密着した融資制度を行なっているために、コンビニエンス・
ストアと小売店のどちらに対しても、比率が高くなっていると推測
できる。
借入上の問題点をみると、④﹁特に問題なし﹂が、コソビニエン
ス・ストアで五九・三%、小売店四九・三%で両者とも第一位とな
(435)
105
資金借入先
(%)
コンビニ土ンス・ストアの現状と課題
っている。@﹁金利が高すぎる﹂としたものは、コンビニエンス・ストアで二四・一%、小売店で三三・○%とやや高く
なっている。とくに、酒・米穀店では、市中銀行からの借入れが多いためと思われるが、金利が高すぎるが四割以上にも
達している。
資金の借入経験のない店で、以前に資金の借入れをしようとしたことがあるかを調ぺたところ、コンビニエンス・スト
アと小売店で二割以下と少ない。借入上の問題点としては、 コソビニエンス・ストアでは、とくになく、小売店では、
﹁金利が高すぎる﹂、﹁担保・保証条件が厳しい﹂がそれぞれ二七・三%と借入経験者にくらべて高い数値となっている。
このように、コンビニエンス・ストア、小売店ともに、資金的には比較的楽であり、借入についても正常な資金ル⋮ト
によって調達されていて、健全な運営を行なっていることがわかる。
2① 中小小売店向融資制度
中小小売店向融資制度についての知名度についてみると、コンビニエンス・ストアでは、﹁無担保、無保証人融資制度﹂
︵四九・二%︶、﹁小企業経営改善資金融資制度﹂︵四四・六%︶、﹁生鮮食料品等小売近代化貸付﹂︵四一・五%︶、﹁中小企
業近代化促進等貨付﹂︵四一・五%︶の順となっている。小売店では、﹁無担保・無保証人融資制度﹂︵二九・三%︶、﹁中
小企業近代化促進等貸付﹂︵二八・六%︶、﹁小企業経営改善資金融資制度﹂︵二八・二%︶の順になっていて、コソピニエ
ソス・ストアより一割以上も低くなっている。また、コンビニエンス・ストアで最も知名度の低いのは、﹁大型店進出対
策融資制度﹂︵一六・九%︶であったが、小売店では一割程度の知名度しかない制度が五つもあった。さらに、直営店で
は、非常に高い知名度であり、経営者の研究熱心な経営姿勢をよみとることができる。
106
(436)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
融資制度を実際に利用したものは、コンビニエンス・ストア、小売店ともに一割以上のものは一つもなく、利用したこ
とがないとする制度が、 ヌンビ゜ニエンス・ストアで五、小売店で四もあり、制度の利用度は、きわめて低いことがわか
る。
以上のように、’コソビニエンス・ストアは、中小小売店向融資制度については、ある程度知っているが、利用度はわず
かであり、小売店では、知名度利用度ともに非常に低いことがわかる。このことは、中小小売店が融資制度に対して無関
心であることと、資金的に満されていることがその背景にあると思われるが、小売店をとりまく経営環境の変化を考える
と、無知無力さを指摘しないわけにはいかない。中小小売店の近代化・合理化のために用意された融資制度でありなが
ら、ぞれが生かされていない現状では、門制度は形骸化しているのである。とくに、﹁大型店進出対策融資制度﹂や﹁小売
’
商業店舗共厨化事業資金﹂の二つの制度についで最も低い知名度であったのには驚いてしまう。大型店進出問題では、こ
ぞって反対する中小小売店が、その対策融資制度にっいてほとんど知らないのである。これでは、﹁反対のための反対﹂
であって、無筑のかけ声だけの防衛では、消費者という強力なパワーを引きつけることはできない。
中小小売店の経営者は、融資制度をもっと研究して、経営の近代化・合理化のために、積極的に利用をはかるぺきであ
る。また、これほど知名度・利用度が低いのは、行政面での指導・PRが不足していることを指摘せざるを得ない。もっ
と地についた諸制度分実施をはがるために、行政機関は、施策普及のための講習会などを開いて、中小企業への滲透をは
へ
かるべきである。 .
⑳情報の入手先
(437)
107
コンビニエンス・ストアの現状と課題
63.1 60.7
56.9
︶0
%
6
︵
50.4
46.2
小C
売V
●
XS
18.9
25.4
皿
33.8
33.8
41.8
●
16.1
@ 4.34.65・4
34 2.5 つ
2.9 3.13.2 1。5
9.610・8
@ 1。5 1.5 0
とくになし
その他
ためには、店をとりまく環境に積極的に適応する必要があり、
向、競合店の動向など複雑多様である。小売店が存続成長する
る。経済・社会の変化から消費者の意識変化、商圏内顧客の動
今日、小売業を取りまく経営環境の変化は、激しいものがあ
大型店
経営において下す判断・決定には、より精度の高い情報は欠く
ながりや管理制度上での商売であるために、メーカーや問屋の
﹁同業者﹂、﹁仕入先﹂が七割以上もあり、同業者同志の横のつ
%︶、﹁新聞・雑誌﹂︵四一・八%︶の順であり、酒・米穀店は、
小売店では、﹁仕入先﹂︵六〇・七%︶、﹁同業者﹂︵五〇・四
入先﹂、﹁新聞・雑誌﹂などからの情報入手が多かった。
なっていることがわかる。独立店や直営店は、﹁来客老﹂、﹁仕
く、加盟団体本部の情報が加盟店にとって適切なアドバイスと
﹁加入団体﹂︵八六・○%︶、﹁新聞・雑誌﹂︵五八・一%︶が多
コンビニエンス・ストアの情報の入手先をみると、加盟店は
して入手されているかを調ぺてみた。
ことができない。そこで、経営の参考となる情報がどのように
テレビ・ラジオ
新聞・雑誌
経営コンサルタント
取引金融機関
仕入先
加入団体
商工会議所
所属商店街
同業者
来店客
@40 30 20 10
50
108
(438)
情報の入手先
コンビニエンス・ストアの現状と課題
経営上の問題点
(小売店) (C・V・S)
な%
削c.卸
・その他
チェーン本部の圧迫
立地条件の変化
同業者との競合
売り上げの低下
資金ぐりが苦しい
後継者がいない
大型店の圧迫
雇用問題
傷65如3。2。m
L8%
仕入情報が行き届いているようである。また、家庭
用品店で﹁新聞・雑誌﹂の比率が高いが、これは、
化粧品店などマスコミ・広告などが、そのまま商品
構成や売上げに大きく影響されるためであろう。
﹁来客者﹂からの情報は、全体的には少ないが、生
鮮・一般食料品店、文化品店などでは比較的に多い。
22 経営上の問題点
﹁経営上の問題点がある﹂というのは、コンビニ
エンス・ストアが五五・四%であるのに対して、小
売店は、七三・六%とかなり高くなっている。また、
直営店では一〇〇%が問題点があるとしているが、
独立店では、三五・三%となっていて、経営者の経
営に対する認識・意識の差があらわれたものといえ
よう。
経営上の問題点としては、コンビニエンス・スト
アでは、コ屈用問題L︵四七・二%︶、﹁大型店︵スー
(439)
109
無記入,
コンビニエンス・ストアの現状と課題
パーなど︶の圧迫﹂︵三八・九%︶、﹁同業者との競合﹂︵二七・八%︶の順であるが、コ雇用問題﹂が第一位となっている
のは、長時間営業のために、一般小売店よりも多くの人手を必要としたり、交替制による労働時間が不規則によるためで
あろう。また、﹁資金ぐりが苦しい﹂︵一六・七%︶というのは、加盟店のみであった。
小売店での経営上の問題点では、﹁売上げの低下﹂︵五四・九%︶、﹁大型店︵スーパーなど︶の圧迫﹂︵四八・一%︶、﹁立
地条件の変化﹂︵二九.六%︶、﹁同業者との競合﹂︵二八・六%︶の順である。小売店では、大型店スーパーの進出により、
立地条件が変化し、同業者との競合がさらに激化して、売上げの低下をまねいていることに、経営上の問題点をみいだす
ことができる。
㈱ 商 圏
.商圏とは、7小売店が顧客の来店を期待しうる地理的範囲、空間的拡がりLである。商圏を設定するには、まず来客者
調査をして、来客可能な範囲を測定し、④時間的・距離的要因、@道路・河川・地形の起状などの地理的要因、◎人口密
度、◎購買頻度、㊥競合関係、など加味することにより測定できるもので、必ずしも円形とはならず、現実には、かなり
入りくんだ形を示すはずである。
コンビニエソス・ストァのぽあいは、円形商圏二九・六%、非円形商圏三八・九%、無記入三一・四%と比較的円形商
圏の回答者ガ多く、商圏範囲も東西南北で一キロメートル以上に設定している経営者が多かった。
最寄品の商圏は、日常生活必需品購買が主体であることから、顧客も近隣の居住者が中心で、距離にして七〇〇∼一、
○○○メートルぐらいであり、徒歩でも一〇∼一五分の範囲内になっている。
110
(440)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
これらのことから、コンビニエソス・ストアは、小売店にくらぺて小売商圏を形状、距離において、正確にとらえてい
ることがわかる。
商圏は、競合店、大型店スーパーなどの進出によって変化し、競合しあうものであるから、商圏マップをつくり、商圏
を十分に把握して、顧客作りの重点地区などを設定する資料としてフルに活用することが必要である。
⑳ 固定客比率、平均来客数、客層
固定客と流動客の比率をみると、固定客が六割以上を占めるコンビニエソス・ストアは七八・四%、小売店で八一.一
となっていて、両者とも固定客、すなわち”顔なじみ客”によって支えられていることがわかる。コンビニエンス.スト
アも、小売店と何ら変らない固定客によって支えられた小売業であり、小売店と共に地域住民とのコ、ミュニケーションの
なかに存在するものであることがわかる。したがって、コソビニエソス・ストアも、住民との親しみのある密着した商店
経営でなくてはならないのである。
平均来客数をみると、小売店は、平日平均来客数が三〇〇人未満で七六・三%であるのに対して、コンビニエソス・ス
トアは一八・五%で、五二・四%は三〇〇∼七〇〇人未満の来客者数を得ていて、平均来客数も五四六.七人と多くなっ
ている。業種形態、売場面積などの違いがあるにしても、同じような立地条件のもとで、これだけの顧客吸引力に差があ
ることは注目される。
また、コンビニエソス・ストアの休日来客者は、平日来客者より一〇〇人近くも多くなっている。一方、小売店は休業
している店が多いためか多少減っている。コンビニエソス・ストアが、同じ最寄品取扱店でありながら、休日来店客が多
(441)
111
コンビニエソス・ストアの現状と課題
くなっている事実をみると、売上げが低下している小売店は、定休日の変更や見直しの必要があろう。
客層をみると、小売店では、学生や会社員の来店者は少なく、主婦層が多いのに対して、コンビニエンス・ストアは、
主婦、学生、会社員と幅広い客層であり、男女比率も小売店にくらべ男子の比率がかなり高くなっている。
固定客比率や客数・客層は、立地条件により異なるものであるが、小売店経営は、客層などにマッチした品揃え、価
格・販売方法などの店作りやサービスを充実することにより、経営を効率化し、自店の自主性・独自性を維持しつつ、消
費者のニーズに適応し、さらに消費者をリードするような経営を行なうことがのぞまれる。
㈱ 競争相手
競争相手については、﹁ある﹂とするものが、コンビニエソス・ストア、小売店ともに七割近くあるが、﹁ない﹂とする
店も前者で二九・二%、後者で二四・六%となっている。なかでも、直営店のほとんどが﹁ない﹂といっているが、これ
は、店舗の近くに商店がない住宅地のためであろう。
競争相手の内訳をみると、コソビニエンス・ストアでは同業店、すなわちコンピニエソス・ストアが競争相手とする店
が四三・五%、ついで中堅スーパー︵三九・一%︶、大型店︵=二・○%︶の順で、主な理由としては、﹁同一商圏のた
め﹂、﹁同業者なので﹂、﹁同じ営業時間のため﹂、﹁品揃えが豊富であるため﹂などがあげられている。
小売店の場合は、同業種店︵四六・六%︶、大型店︵三二・九%︶、コソビニエソス・ストア︵一二・六%︶の順で、理
由としては、﹁同一商圏のため﹂、﹁同一商品を扱う﹂、﹁低価格販売をしているので﹂、﹁品揃えが豊富であるため﹂などが
あげられている。
112
(442)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
C・V・Sの競争相手
小売店の競争相手
(%)
50
50
40
30
10
@ 1
20
生協
米店
酒店
大型店
.中小スーパー
C.V.S
その他
C.V.S
大型店
同業者
業種別にみると、同業店は文化品店に多く、大型店は生鮮・
一般食料品店、酒・米穀店の多くが競争相手としてあげている。
また、酒・米穀店の三六・○%が、コンビニエソス・ストアを
競争相手としてあげていることは注目される。
さらに、小売店について、競争相手に対しての対策を調ぺて
みた。現在行なっている対策は、販売サービス面においては、
﹁接客サービスの向上﹂︵五九・七%︶、﹁商品知識の向上﹂︵三
九・三%︶、﹁売り出しの実施・強化﹂︵二五・二%︶となって
いて、仕入れ商品構成面では、﹁商品の専門化﹂︵四一・三%︶、
﹁品揃えの豊富さ﹂︵三八・三%︶などが多くなっている。しか
し、今後行ないたい対策については、ほとんどの店が答えてい
ない。
競争相手に対する対策では、.経営者の意欲や積極的な努力が
かけていて、この程度の対策では十分とはとても思えない。コ
ンビニエンス・ストア.にくらぺて、小売店は売上げ面では低
く、経営面でも計数管理がなされていない現状からみて、まず
(443)
113
@ 40 30 20
(%)
コンビニエソス・ストアの現状と課題
67.5
70
口國
60
小 V士
一 C
般 .
50
35.6
40
19.7
20
31.1
2.2
2.6
2.6
9 その他
f POP
e 看板・はり紙
d ダイレクトメール
テレビ゜ラジオ
のCM
a 新聞折り込み
b 新聞広告
C
8.9
.5
8.9
10
28.2
30
店 S
37.6
第一に現在行なっている対策の充実、
従業員教育、宣伝・広告の充実をはかる
ことや組織化するなど、競争相手と自店
との特徴、欠点をみきわめて、自店の有
利性・特徴を発揮できるような、固有の
経営・販売方針を立てることがのぞまれ
る。
㈱ 宣伝・広告
最近の消費者ニーズは、多様化・個性
化してきている。消費者に対して、自店
の営業方針や店の特徴あるいは商品の特
色などの情報を提供して販売促進をはか
るのが、宣伝・広告の目的である。
宣伝・広告を実施している店が、コン
ビニエンス・ストアで約七割であるのに
対して、小売店では約四割と少ない。こ
114
(444)
宣伝・広告の実施内容
(%)
62.2
ワロ ・
13.3
コンビニエンス・ストアの現状と課題
のように、コンビニエンス・ストアのほうが、小売店より宣伝・広告を重視していることがわかるが、独立店では小売店
とほとんど同じ実施率である。また、酒・米穀店では約一割の店が宣伝・広告を実施しているだけで、専売制・管理制度
下にある体質がそうさせているものと思われる。
(%)
宣伝・広告を実施しない理由
28.6
30
55.0
5LO
10.08.3
10.1
d
C
b
a
口
囮
60
20
20.0
15.0
10
その他
現状に満足
効果があがらない
資金不足
ぐ44S,)
115
現在実施している宣伝・広告の方法は、コンビニエンス・ストアのぼあいは、POP︵六二・二%︶、新聞折込み︵三
40
五・六%︶、テレビ・ラジオのCM︵=二・一%︶の順である。テレビ・ラジナのCMは、チェ:ソ加盟店だけであり、
50
チェーソ本部が実施しているものであろう。
内円:小売店
店 S
売 .
外円:C・V・S
%
実施した宣伝・広告の効果
コンビニエンス・ストアの現状と課題
小売店では、新聞折込み︵六七・五%︶、POP︵三七・六%︶、看板・はり紙︵二八・二%︶の順である。第一位の新
聞折込みは、生鮮食料品店h七四.四%︶、一般食料品店︵八〇嚇・八%︶、第二位のPOPはハ酒・米穀店︵七五・○%︶、
家庭用品店︵五三・八%︶、第三位の看板・はり紙は、文化用品店︵四四・一%︶、ブイ越グ苓メLルは、家庭用偏店︵四
二・三%︶となっている。これらは、小売店全体の平均値よりも非常に高いもの姻あゲ、それぞれの業種によって、宣
伝・広告方法に大きな違いのあることが.わかる。 .・、 ・,・、 、:
コンビニエソス・・ストアだけに、宣伝・広告費の金額について﹁知っている﹂かを調ぺると、﹁知らない﹂とするもの
が、加盟店に五三・一%あっだ。これは、チェーン本部が、宣伝・広告を担当実施しているためであろう。
一ヵ月当りの宣伝・広告費をみると、コンビニエンス﹂ストアでは、二〇万円以上が、二六・九%となっていて、三万円
未満は=・五%である。一方、小売店では、二〇万円以上はほとんどなく、三万円未満が五五・四%となっていて、
宣伝・広告費がきわめて少額であることがわかる。このように、コンビニエソス・ストアと小売店との販売戦略の違いを
宣伝・広告費のなかにもみいだすことができるのである。
宣伝・広告の効果について、何らかの﹁効果がある﹂とするものは、コンビニエンス・ストアで七七・八%、小売店で
八四・六%となっている。﹁非常に効果がある﹂とするものは、 コソビニエンス・ストアで二六・七%、小売店で一三・
七%、﹁効果がない﹂では、前者で一七・八%、後者では一二・○%となっている。
また、現在、宣伝・広告を実施していない理由をみると、行なっても﹁効果が上がらない﹂が、コソピニエンス・スト
ア、小売店とも五割以上、﹁現状に満足﹂がコンビニエンス・ストアで二割、小売店で一割となっている。このように、
116
(446)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
小売店よりもコンビニエンス・ストアのほうが、現状に満足にしておらず、資金さえあれぽ宣伝・広告の実施を考えてい
ることが推測される。一方、両者とも宣伝・広告が販売促進に果す役割と効果についての認識が不足していることも事実
であろう。
伽店舗の改装
コンビニエンス・ストアのぽあいは、九割近くが店舗の改装を行なっている。これは、セルフ・サービス方式の採用に
よる店舗の近代化・合理化のためであろう。小売店では、店舗の改装を行なっていない店が七割近くもある。
店舗改装の資金については、金融機関からの借入れと自己資金で行なった店が、コンビニエンス・ストアと小売店でど
ちらも六割以上であった。また、すべて自己資金で行ったのは、コンビニエンス・ストアで八・八%、小売店二二・七%
である。チェーγ本部から資金を借入れた加盟店は、わずか三店にすぎない。このように、コンビニエンス・ストア、小
売店ともに資金力が豊かであるといえよう。
小売店だけに対して、店舗改装で重視した点を調ぺてみたが、その結果は、﹁店内の美化﹂︵六八・二%︶、﹁売場の合理
化﹂︵三八・六%︶、﹁売場面積の拡張﹂︵二六・一%︶の順である。店舗改装を行なった店では、自店の欠点を十分に認識
して、國店舗が消費者に与えるイメージと機能を重視した近代的店舗改装を心がけているものといえよう。
コソビニエンス・ストアだけに、店舗改装の決定方法を調べてみると、直営店では、﹁すぺて加盟チェーンからの指示
によつて決めた﹂が一〇〇%であるが、加盟店では五二・六%であり、﹁加盟チェーンからの意見を参考に決めた﹂が三
一・六%となっている。−独立店では、﹁すぺて自分あるいは家族で決めた﹂五七・一%、﹁店舗改装の専門家にまかせた﹂
(447)
117
コンビニ三ンス・ストアの現状と課題
二八・六%などとなっている。これらのことから、加盟店、独立店、直営店、それぞれの経営方針が、店舗改装にも反映
していることがわかる。
店舗の改装をしなかった理由としては、コンビニエンス・ストアで﹁現状のままでよい﹂、﹁近いうちに全面改装の予定﹂
となっている。一方、小売店では、﹁現状のままでよい﹂が三四・六%で最も高く、なかでも家庭用品店では五割となっ
ているが、これは、チェーソ店が多いために、すでに改装が終っているものと思われる。 ついで、﹁近いうちに全面改装
の予定﹂が二七・七%となっているが、そのうち、酒・米穀店で約四割と高いのは、コソビニエンス・ストアや大型店の
影響によって、昔ながらの店舗では経営がむずかしくなってきているからであろう。
㈱発注・納品
取扱い商品の補充が、すぐにできる店は、コソビニエンス・ストアで九五・四%、小売店で八三・六%となっていて、
発注から納品までが、スピーディーに行なわれていることがわかる。そこで、発注方法、単位、納品方法、納品時間など
がどのようになっているかをみてみよう。
① 発注方法
仕入先への発注方法は、﹁電話発注﹂がコンビニエンス・ストアで七六・九%、小売店で六八・二%と最も多い。前者
では、﹁コソピューターによる発注﹂二六・二%、﹁仕入先に直接行く﹂二四・六%であるが、後者では、﹁仕入先に直接
行く﹂三八・九%、﹁仕入先の販売員﹂二八・二%となっている。とくに、生鮮食料品店では、﹁仕入先へ直接行く﹂︵五五・
二%︶、家庭用品店では、﹁仕入先の販売員﹂︵五五・三%︶が多く、業種別にかなりの特徴がみられる。また、加盟店の四
118
(448)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
割が、早く正確な発注ができるように、本部・各ベンダー︵仕入先︶とを直結したコンピューターを導入していることが
注目される。コンピューターの導入によって、本部、問屋、メーカー、そして加盟店とを結び、発注から納品までシステ
ム化がなされていることは、流通面でかなりの革新がなされているといえよう。
② 発注単位
発注単位をみると、コンビニエソス・ストアは、当用買い単位がロット買い単位を上まわる店が五二・四%と多い。小
売店では、業種により発注単位の違いがみられるが、コンビニエンス・ストアにくらぺてロット買い単位の仕入れ割合が
高くなっている。
コンビニエンス・ストアは、小売店よりもかなり数多くの種類・品数の商品を店内に揃えなければならないために、ロ
ット買い仕入れをすると在庫量が増え、資本回転率も下がることから、合理的な仕入方法をとっているものと思われる。
しかし、当用買いの仕入れが多いことは、仕入れ価格を高くしたり、仕入回数が多くなったりするので、規模メリットを
もつ直営店や加盟店にとって影響は少ないが、独立店にとっては、仕入面において不利益な面がでてくるものと思われ
る。
③ 納品方法
納品方法については、コソビニエンス・ストアでは、七八・五%が﹁発注先からすぺて配達してくれる﹂となっている。
また、﹁発注先から配達してくれたり、発注先に取りに行く﹂が加盟店、独立店あわせて約二割である。
小売店では、業種により異なるが、﹁発注先からすぺて配達してくれる﹂︵六〇・○%︶、が最も多く、ついで﹁発注先
(449)
119
コンビニエンス・ストアの現状と課題
から配達してくれたり、発注先に取りに行く﹂︵一六・四%︶となっている。生鮮食料品店は、二五・九%が﹁発注先へ
取りに行く﹂となっていて、八百屋、鮮魚店などが市場に仕入れに行き、自分で持ち帰っている店が多いためであろう。
④納品時間
発注した品物が納品されるまでの時間は、コンビニエンス・ストアで二四時間以内が七七・○%で、ほとんどの品物が
一日で納品されている。小売店でも五六・八%の店が二四時間以内に納品されているが、酒・米穀店、家庭用品店、文化
品店などでは、納品時間のかかる店も多い。
また、コンビニエンス.ストアの八三・一%、小売店の七六・一%の経営者は、現在の納品時間に満足の意を示している。
このように、流通面においては、かなりのスピード化が実現し、流通の近代化・合理化の成果の一面を示していると評
価されよう。
⑳ 取扱い商品について
① 商品管理
小売業において商品管理は、最も大切な仕事である。早朝から店を開けていても、品質の悪い商品、売れ残り品を置い
ていたのでは売れるわけがない。そこで、商品管理面で、最も気を配っている面について調査してみた。
コンビニエンス.ストアでは、品質.鮮度の管理が八一・五%と最も高く、ついで在庫・売場の欠品補充九・二%とな
っている。
小涜店においては、生鮮食料品店で、鮮度・衛生面の管理、一般食料品店と酒・米穀店では品質・日付チェック、家庭
120
(450)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
用品店は品切れ品質、辱文化品店は品切れ・新製品の仕入れ、などが多くあげられている。
② 品 質 ・ 数 量 チ ェ ッ ク
品質チェックを行なっている店は、加盟店で九七・七%、独立店八二・四%、直営店一〇〇%となっている。検査方法
は、全数検査は、加盟店・独立店ともに五七・一%、直営店は一〇〇%が行なっていて、抜き取り検査は、加盟店四〇・
五%、独立店三五・七%である。
小売店では、品質チェックを行なっている店は、文化品店で六二・五%と最も低く、他の業種は七割以上が行なってい
る。検査方法は、全数検査をしている店は、生鮮食料品店︵六八・四%︶、家庭用品店︵五四・三%︶は高いが、酒店・
米穀店︵一五・四%︶、文化品店︵二六・七%︶は少なく、抜き取り検査の店が多い。
数量チェックを行なっている店は、コンビニエンス・ストアでは、加盟店八六・○%、独立店七六・五%、直営店一〇
〇%で、検査方法も全数検査を加盟店七五・二%、独立店と直営店では一〇〇%が行なっている。これに対して小売店
では、家庭用品店と文化品店では七割以上が数量チェックを行なっているものの、生鮮食料品店五八・一%、一般食料品
店四二・六%、酒・米穀店六八・六%しか行なっていなかった。検査方法は、どの業種とも七割近くの店が全数検査を行
なっている。
品質チェック、数量チェックの全数検査は、大変な仕事である。しかし、売場に置いてある商品の品質は自ずからの責
任において販売しているのであり、欠品補充を怠りなく行なうには、品質・数量チェックは、小売店としての商品管理の
基本である。
(451)
121
コンビニエンス・ストアの現状と課題
③ 取扱い商品
︵注︶ ③∼⑧については、コンビ’ニエンス・ストアのみに行なった調査である。
食料品と非食料品の比率は、七〇対三〇︵三六・九%︶、八〇対二〇︵二七・七%︶、九〇対一〇︵一五・四%︶の順と
なっていて、食料品の占める割合の高い店が多いことがわかる。
商品別にみると、一般食料品、お菓子、パン︵各一〇〇%︶、ドリンク類、日用雑貨︵各九六・九%︶などは、ほとん
どの店で取扱っている。生鮮食料品︵八四・六%︶や弁当類などのファースト・フード︵八九・二%︶など品質管理上、
仕入れた当日中に売らなけれぽならない商品を扱う店も多い。書籍類︵八三・一%︶、化粧品︵七二・三%︶や軽衣料
︵七〇・八%︶の商品もかなりの店に置いてある。しかし、さすがに免許、許可、認可が必要である米︵六一・五%︶、
酒︵三五・四%︶、たぽこ︵二七・七%︶、医薬品︵一〇・八%︶、などを取扱う店の数は少ない。
取扱い商品のうち約七割が食料品であり、どの店でも取扱っていて画一化されているようである。コンビニエソス・ス
トアが、それぞれの特徴をだすためには、非食料品の商品構成と認可、許可を必要とする商品の取扱いなどが重要なきめ
てになりそうである。
④売れ筋商品
コンビニエンス・ストアの売れ筋商品は、その店が商店街にあるか、住宅街にあるか、独身者層の多いところか、など
立地条件や商圏の客層によって異なるものもある。今回の対象となったコンビニエンス・ストアもそれぞれ違った環境で
あったためか、売れ筋商品もいろいろなものがあげられていた。
122
(452)
コンビニエソス・ストアの現状と課題
売れ筋商品として、一番売れる商品は、酒類︵二二店︶、一般食料品︵一〇店︶、ドリンク類︵四店︶、ファースト・フ
ード︵四店︶、生鮮食料品︵三店︶、パン︵二店︶、タバコ︵一店︶があげられてる。二・三番目に売れる商品としては、
日用雑貨や雑誌などがあげられている。
⑤ブランド商品
チェーソ本部のブランド商品を取扱っている店は、四一・五%であり、品目は牛乳︵五店︶、ドリンク︵四店︶、トイレ
ットペーパ!︵二店︶、ポテトチップ、粉類、味噌、そうめん、麦茶、ワカメ、珍味、氷、バター、ビン入りジュースな
どである。
プライベート・ブランド商品が、消費者のなかにスムーズに滲透し成功していくには、ナショナル・ブランド商品にく
らべて、品質が同一のものであるならぽ、ナショナル・ブラソド商品よりも価格が安いこと、同一価格であるならば品質
が優れているか、もしくはデザイソや便利性の面で優位性をもっていなくてはならない。また、プライベート・ブランド
商品の開発には、すぐれた企画力、資金力、強力な販売網などが必要であるから、大規模なチェーソでなけれぽ困難であ
る。
プライベート・ブランド商品は、加盟店にとって、商品構成、仕入れ面においてかなりのメリットをもたらす商品であ
るので、今後の商品開発の重点対策となるものと思われる。
⑥チ ェ ー ン 以 外 の 商 品
チェーン本部以外の商品を取扱っている店は、四一・五%、取扱っていない店は二一・五%となっている。チェーン以
(453)
123
コンビニエンス・ストアの現状と課題
外から仕入れる商品は、酒︵五店︶、牛乳︵三店︶、弁当、タバコ、サソドウィッチ、パン、青果、菓子︵各二店︶、米、
日配品、ドリンク、乳製品、生めん類︵各一店︶などがあげられている。
チェーン本部の仕入先は、かならずしも規模のメリットが生かされているとは限らない。仕入先が、ある程度自由な加
盟店は、同じ商品でも、安い仕入先を探すことも必要であろう。
⑦商品選定、商品陳列
商品選定においては、加盟店は﹁加盟チェーンの意見を参考に選定する﹂︵六二・八%︶、﹁自分で選定する﹂︵五一・二
%︶などが多く、独立店では、﹁自分で選定する﹂︵八八・二%︶、直営店では、﹁同業者の意見を参考に選定する﹂、﹁加
盟団体の指示により選定﹂︵各八〇・○%︶などが多くなっている。
商品陳列の決定は、加盟店では、﹁加盟チェ1ンの意見を参考に決定する﹂︵六二・八%︶、独立店﹁自分で決定する﹂
︵八二・四%︶、直営店﹁加盟チェーンの指示により決定する﹂︵一〇〇%︶が多い。
⑧ 販売価格
コソビニエンス・ストアでの販売価格をみると、﹁全商品定価販売﹂している店は、わずか三・一%である。二部商品
につき割引販売﹂二九・二%︵加盟店二五・六%、独立店二九・四%︶と多少の割引販売を行なっている店が多い。加盟
店のなかで、推奨価格で売っている店が三二・六%︵一四店︶あった。この推奨価格というのは、チェーン本部が独自に
ひとつひとつの商品価格を決め、チェーン加盟店に対して半強制的に指示価格とするものである。
このように、コソビニエソス・ストアでは、いずれの店も割引販売を行なっていることがわかるのである。
124
(454)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
口
一般小売店の売上げ比率
(%)
38.2
25
20
17.5
0.3
1.5 1.5
0.3
6① 売上げについて
コンビニエンス・ストアだけに、食料品と非食料品の売上
げ比率を調べたところ、食料品の売上げ比率が七〇%以上の
店が八割以上となっている。このことは、コソピニエンス・
ストアが食料品に依存した店であることを示すものであり、
さらに長時間営業とセルフサービス方式を採用した新しい総
合食料品店プラス・アルファの品揃えをした店ということが
できる。また、⑳取扱い商品について、③取扱い商品、でみ
た食料品と非食料品の商品構成においても、食料品比率七〇
%以上の店が八割以上であり、食料品の売上げ比率とほとん
ど一致していることがわかる。
時間帯別売上げ比率をみてみよう。
小売店については、午後三時を境にした売上げ比率を調ぺ
てみると、開店から三時までの売上げ比率が五〇%以上とな
る店は一割にすぎない。三時から閉店までの売上げ比率が七
〇%以上の店は、約六割となっている。小売店にとって、三
(455)
125
14.3
15
16.4
10
7.1
5
2.9
0:100 10:90 20:80 30:70 40:6050:50 60:4070:30 80:20 90:10 100:0無記入
注:〔開店から午後3時まで:午後3時から閉店まで〕の売上げと比率
コンビニエンス・ストアの現状と課題
μ∼μO
お理
O只50°O︶
Oα︵H8°O︶
O只μ090︶
O只H8°O︶
0︵刈゜﹃︶ 8︵δO°O︶
q︵メ刈︶
只¶°刈︶
0︵刈゜刈︶
α︵メ刈︶
る。さらに、小売店が店を閉めている間に、コソビニエンス・ストアは、相当の売上げ高を確保していることがよくわか
早期から一〇時と二三時以降深夜でも、ある程度の売上げがあったことは、消費者の買物時間が変化していることがわか
以上のことから、コソビニエンス・ストアでは、各時間帯ともに売上げ比率が偏ることなく分散していることがわかる。
%未満が七割、二三時以降深夜では、売上げ比率一〇%から四〇%未満が三割となっている。
二〇時では、売上げ比率三〇%以上五〇%未満が約五割となっている。二〇時∼二三時では、売上げ比率一〇%から三〇
が、三六・九%で最も高くなっている。一〇時∼一四時の間では、売上げ比率一〇%以上三〇%未満が約八割、一四時∼
二三時以降深夜の五つに分けて調べてみた。その結果、早朝から一〇時までの間では、売上げ比率一〇%以上二〇%未満
コンビニエンス・ストアについては、時間帯を早朝から一〇時、噌O時∼一四時、一四時∼二〇時、二〇時∼二三時、
H︵H°α︶ iQQ°H︶
α︵N刈︶ ω︵劇゜O︶
り︵Hoo°oo︶
H︵H°q︶H︵ド曾㎝︶
蕪融︾
HOO
n∼郎O 蔭O∼切O 8∼①O ①O∼ざ刈O∼cQn
O ∼8
りO∼HOO
暑酪 暑諦 暑蟄 涛離 滞薄 滞蔚 滞酪
O・<・ωO 器翻鵡曽細−﹃環拝風
暑 離
HO∼悼O悼O∼ωO
①︵㊤﹄︶
刈︵HgQo只
︶刈゜刈︶
只メ刈︶
HO︵卜。膳゜①︶
iお﹄︶ HO︵boO﹄︶i蔭.O︶ H︵H°α︶ ド︵H﹄︶
︶︵b⊃H°α︶
i這.Qo︶O︵Hω゜°。に
iμトっ.ω︶
oQ
b。
滞酪 光離
日︵H°㎝︶
HO︵鱒幽゜①這
︶︵H◎o。印︶
μ︵H’0︶ O︵b。膳゜O︶Hω︵め90︶
︽9b。︶
n︵ω9◎。︶HO︵H㎝゜軽︶S︵ω①゜O︶
o◎
゜。
O
零︵α①゜O︶
ドO無サ曽=器
知置サ①HO無
に器サα8甜
甯キ翠籍海
o。
卜◎
aB
°。
◎。
8烈サ①b。ω認
卜⊃
時以前の顧客の獲得が、売上げを伸ぽす上での課題といえそうである。
酵鱒︵ ︶忍㌶訳
求B
126
(456)
卜。
コンビニエンス・ストアの現状と課題
るのである。
売上高に対するあら利をみると、 コンビニエンス・ストアの場合、一五%以上二〇%未満︵二〇・○%︶、二〇%以上
二五%未満︵四一・五%︶、二五%以上三〇%未満︵二六・二%︶、これを合計すると八八・二%となり、一五%以上三〇
%未満に約九割が入っていることになる。
小売店のぽあいには、あら利三〇%以上が三四・六%あり、コンビニエンス・ストアが一・五%であるのに対して、小
売店のほうが高い利益率となっていることがわかる。しかし、コンビニエンス・ストアは、商品回転率を高め、売上高を
伸ばすことによって、十分採算がとれるような経営を行っているのである。
⑳ 他店との価格競争時の対策
この項目では、店の売上げが落ちたり、売上げが伸び悩んだり、過当競争が激しくなったときや他店との間で価格競争
が起った時にどのような対策をとるかを調ぺたものである。
他店との価格競争時における対策をみると、コンビニエンス・ストアでは、﹁接客販売の重視﹂︵五〇・八%︶、﹁一部商
品を転換し、種類を絞る﹂︵三六・九%︶、﹁新たな商品を加えて種類を増す﹂︵三〇・八%︶などの対策を講じるとする店
が多い。
小売店では、﹁接客販売を重視する﹂︵四一・一%︶、﹁配達、御用聞き等のサービスを実施・強化する﹂︵二〇・○%︶、
﹁一部商品を転換し、種類を絞る﹂︵一七・九%︶が、対策としてあげられている。
価格競争時において、接客販売を重視するという店が多いが、小売店は対面販売であるから、日頃から接客販売には最
(457)
127
コンビニエンス・ストアの現状と課題
C・V・S過当競争時の対策
10 20 30
40
50
60%
a.新たな商品を加えて種類を増やす
b.一部商品を転換し商品の種類を絞
る
c.商品の価格を下げる
d.商品の価格を上げる
e.接客販売を重視する
f.外売りなどの特殊販売の実施・強
化
g.特売日の設定・実施・強化
h.チラシ・宛名広告の実施・強化、
拡充
i.御用聞き配達等のサービスの実施
・強化
」.増改築・改装をする
k.店舗を移転する
且.多店舗化する
m.売場面積の増減を計る
n.自分の代でやめる
3.1
o.閉店する
4.6
p.身売する
4.6
q.コンビニエンス形態をやめる
4.6
r.チェーン加盟店を変更する
1.5
5.チェーンに加盟する
3.1
t.チェーンをやめる
U.休日及び開・閉店の時間を変更
13。8
する
v.店員教育・研修を実施・強化
13,8
w.商店診断・経営相談をうける
X.特に対策を講じない
y.その他
(458)
128
コソビニ子ンス・ストアの現状と課題
も気をつけることがらである。哺般的に価格競争時においては、外売りなどの外部への積極的な活動や競合店との同一商
品の価格を知ることにより、同一商品のダイナミックス・プライス・セッティングを実施するとか、品揃えを豊富にする
ことにより、競争力を強化する方法がとられる。ただ、商品にハタキをかけ、外に水をまいて客を待つような商売をして
いるような状況では、生き残ることはむずかしい。他店との価格競争時には、受け身の経営姿勢でなく、自店にあった積
極的な対策を講じるζとが必要であろう。 ・
圃、小売店のチェーン加盟 ,
現在、小売店でチェーン﹁加盟しているもの﹂は、一二・五%である。そのなかでも、家庭用品店︵四二・六%︶がと
くに高いのは、化粧品店と中小スーパーを含んでいるためであろう。.
今後、チェーンに﹁加盟したい﹂とする小売店は、わずか二・九%であり、チェーソに﹁加盟したくない﹂とするもの
は、七九・六%もあり、小売店の独立意識の高さがわかる。
チェーンに加盟したい理由としては、﹁チェ!ソ本部の指導による経営の合理化をはかるため﹂、﹁チェ:ソ本部の経営
方針が信頼できるため﹂、﹁店の販売を現在以上に促進させるため﹂となっていて、チェーン加盟によって、経営の合理化
と販売促進をしたい熱意がうかがえる。
チ等ーソ加盟で期待することは、﹁販売促進﹂︵六二・五%︶、﹁商品構成﹂︵五〇・○%︶が高くなっていて、個々の店
では実現が困難.な問題解決に対する期待が大きい。
㈱’チェガソ加入の勧誘
(459)
129
コンビニエンス・スFアの現状と課題
非加盟店と小売店に対して、過去にチェーン加入の勧誘を受けたことがあるかを調ぺてみると、非加盟店では、八八. 30
1
二%が過去に勧誘を受けている。小売店でも、全体で二五・四%もあり、とくに酒・米穀店では六八.六%がチェーソ加
入の勧誘を受けたとい゜っている。酒・米穀店は、専売制、登録制などの管理制度下にある商品構成であるだけに、チェー
ソ加入の熱い目が向けられるはずである。
岡 チェーン別の加盟条件
コソビニエソス・ストア加盟店の加入チェーソの名称、加盟料、契約期間、ロイヤリティーはつぎのようになっている。
・ブルマート ,
・ファミリーマート
・ダイヤメイト
・協同組合エムシー
・セブソ・イレブソ・ジャパン
チェーソ名
二店
三店
三店
三店
四店
九店
店舗数
・サカエチェーソ
・国分グローサルチェーン
・ローソソ。ジャパソ
・モソマートグループ
・サンチェーン
チェーソ名
一店
一店
一店
二店
二店
二店
店舗数
①加盟店の加入チェ1ンの名称
・協同組合エフマート
二店
・中村屋ホームマート
・BOX
二店
二店
・Kマート
二店
。全日食チェーン
・サンエグリr
(460)
コンビ=’エンス・ストアの現状と課題
・マイマー小’
一店
∵店
・二〇万円
・二五万円
4無記入
・七万円
・一〇万円・
・一七万円
・ラパンチェーソ
②チェーン加盟料
・五〇〇万円
嶋三〇〇万円
二、一五〇万円
③ 契約期間
・一五年、,
。.一〇年:
・七年
・五年
ニニ年
・噌年
・なし
・無記入
七一rニー一・
店店店店店店
四二ニー九三二〇
店店店店店店店店
・二〇〇万円・
・一五〇万円
・一一〇万円
・一〇〇万円
、八〇万円
㌔六〇万円,
・五〇万円,
店店店店店店店店店店店店
(461)
131
・三五万円
・三〇万円、°
ニ ー 四 一 一 四 一 一一 二 二 四 一
コンビニエンス・ストアの現状と課題
④加盟店に対するロイヤリティ
・あら利の五三%
・あら利の四五%
・あら利の四二%
・あら利の三五%
・あら利の二%
・売上げの六%
・売上げの五%
・売上げの三・五%
・売上げの三%
・売上げの二%
・売上げの一%
・売上げの○・一五%
・売上げの○・〇六%
・売上げの○・〇一%
・本部仕入の二〇%
・本部仕入の六%
・四万円+売上げの三%
・月五万円
・月五〇〇〇円
・なし
・無記入
以上みたように、チェーソ別の加盟条件は、まさに千差万別である。チェーン加盟にあたっては、
もっとも合うチェーンを選ぶことが、コンビニエソス・ストアを成功させるための大前提であり、
あるといってよい。
㈲ 加盟店・非加盟店のメリット・デメリット
自店との体質や条件の
七八一一一一一一一一一
店店店店店店店店店店店
かつ最も重要な課題で
132
(462)
一ニーニー一三二七一
店店店店店店店店店店
コンビニエソス・ストアの現状と課題
〈参考資料〉
コソピニ’
Gンス・ストア・チェーンに対するロイヤリティ
チェーン名
チェーン名
本部配達の1.7%,メー
ヵ一直送の1.3%
全日食チェーン
大分ナコムチェ
取引額のO. 6−O. 7%
ーン
セイコーマート
売上のL5%
ひまわりチェー
仕入の3.5%
ソ
毎月17,000円十商品供
給額
Kマートチェー
売上の1.5%
ン
荒利の45%
都城エス・ジー
チェーン
から1.3%
ジブラマート
な し
ス ア
。売場面積基準
。最高1ヵ月57,500円
エムシーチェー
ン
セブンイレブン
S P A R 売上の2%
商品代金の1.5%
札幌公開経営チ
エー・一ン
スターチェーン
売上の2.5%(本部配送
品は3.5%)
集金手数料1∼2%
ナ フ
売上の1,5%
フ ア ア
デリカショップ3%
デアリーストア2%
売上の2%
売上の1%
コミュニァィス
な し
CMCチェーン 仕入額の2%程度
マイショップチ
エーン
マ エ ソ
ム チ ︻
一 ド ロ
ホ ︻ ︻
屋 フ エ
村ト水ソイ
中︻清一ダン
チ
エ
[ ヤ
一 ヌ
トンキ
一ホ
出荷手数料9%,問屋
サ ソ ス ア
売上の1.5% (規模に
より固定額あり)
総売上高の2.5%
売上の6%
トア
エン
商品供給の3%,固定
会費月4万円
マミーチェーン
売上の1.5%
S
仕入原価の2%
ファミリーマー
ライセンス商品は除き
荒利の35%
ダイヤメイトチ
売上の1%
荒利の25%
売上の2%
「79年日本コンビニエンス・ストア・チェーン」(日本繊維経済研究所)
(463)
加盟店には、チェーン加盟している
ことのメリット・デメリットがあり、
非加盟店にもチェーン加盟していない
メリット・デメリットがある。
チェーソ加盟店では、﹁商品仕入面﹂
﹁情報﹂、﹁宣伝・広告﹂にメリットが
あることをあげている。反面、﹁ロイ
ヤリティが高い﹂、﹁本部に拘束され
る﹂などのデメリットをあげている。
このように、加盟店は、チェーン本部
の商品仕入れのシステム化、商品構成
面や経営面の指導がなされているもの
の、逆に本部の拘束が強いために、経
営者の自由が少ないことがわかる。
非加盟店では、経営者の独自性が発
揮でき、﹁利益はすべて自分のものと
133
…・ン.ビ三エンス.一スト・アの現状と課題
な為L、﹁誰にも拘束さ乳ないしなどがメリ甥トとして泌げち航ている一方、デメリットでは、﹁商品構成面﹂、﹁仕入先の
開発歯讐﹁知名漂誤﹂亡とがあげられている絡のように、非加盟店は、自分の独自性を亀窪営ができる反
チ薯に対する知名度が低凶商品構成曹叩仕入れ面で苦労してい・店が多いといえ・う。
岡 チェ﹄ン加盟したきっがけ ・、−− −:− −∴.
チ一エ﹂°ン加盟サるきっかけ乏なった理由としては、﹁店舗の販売を現在以上に促進させるため﹂︵四四・二%︶、﹁チェー
・本部の経営藷が信頼できみで﹂︵=一〇・二怨、ヌ真坂勢に対抗するためL︵二〇・九%︶の順とな・ている・
加盟店に乏っては暗代の流れの変化を感じとり、生ぎ残りかつ繁栄するための方策として、チ㎏!ン加盟したことがわか
り、積極的な経営姿勢をみることができる。
儲 チェ﹂ン加盟してよかったか
チェーシに加盟して﹁よかった﹂と偲っている経営者は、六九、八%と多く、﹁よくなかった﹂は一四・○%であった。
これを営業年数別にみると、﹁まくなかった﹂、は、比較的チェコン加盟して年数の浅い店に多くみられ、営業年数が増
すほど加盟店がチェーソ本部に対して信頼を深めていることがわかる。 , −
チ、−ソ加濯二・か。たL理捜、・嚢ざまであるがn仕入面で改善された・・とをあげているもの琵較的多か・
た。
﹂ ・ !
﹁よくなかった﹂理由としては、﹁指導してもらえない﹂、﹁利益の低下﹂、﹁ロイヤリティが高い﹂’がわずかながらあげら
れている。 ・. 、・
134
(464)
価、」
コンビニエンス・ストアの現状と課題
劔 チェーン加盟したことでの不満
チェーンに加盟したことで何か不満に思うことがあるかについて調べてみると、約半数の経営者が﹁ある﹂︵四八.八
%︶、といっている。その内容は、﹁ロイヤリティが高い﹂︵六一・九%︶と最も高く、ついで﹁店の個性が発揮できない﹂、
﹁チェーン本部からの制約が厳しい﹂、﹁当初予期した利益が上がらない﹂︵各二八・六%︶、﹁経営の独自性がない﹂、﹁商品
の種類に制限がある﹂︵各二三・八%︶の順となっている。
このように、加盟店は、なんらかの不満をもっていることがわかるが、基本的には、チェーン本部から加盟店に対する
人間関係︵コミュニケーショソ︶の働きかけが不足しているところからでている問題が多いように思われる。
四 加盟チェーンからの脱退
以前に加盟チェーソから脱退したいと思ったことがあるかについて調ぺてみると、三割の経営者が﹁ある﹂といってい
る。その背景には、チェーソに加盟すれぽ、すぐにでも売上げが伸びるなど、チェーンを過大評価したり、安易な考えで
加盟したことなどがあると思われる。また、チェーン加盟後に発生したさまざまな問題が、脱退への思いをつのらせたも
のと考えられ、期待と現実とのギャップが生じたためであろう。
㈹ 非加盟店がチェーン加盟しない理由
非加盟店が、チェーン加盟していない理由をみると、﹁独自性がない﹂︵七六・五%︶、﹁チェーン本部の制約がきびしい﹂
︵五二・九%︶、﹁店の個性が発揮できない﹂︵四一・二%︶となっている。これらのことは、現在のフランチャイズ・チェ
ーン・システムの欠点でもあり、特徴でもある。しかし、加盟店に対しては、十分ギブしてのちにチェーソ本部がテイク
(465)
135
コンビニエンス・ストアの現状と課題
するという基本的な考え方に立たないと、加盟店の増強は困難であろう。
ω チェーン加盟の期待と実際
チェーン非加盟店︵独立店︶がチェーンに加盟することによる期待は、﹁商品構成﹂︵五二・九%︶、﹁販売促進﹂︵四七・
一%︶が高くなっている。一方、﹁店員教育﹂︵一七・六%︶、﹁福利厚生﹂︵五・七%︶はわずかであった。これらをチェ
ーン加盟店が実際に改善されたことと比較すると、﹁商品構成﹂︵七六・七%︶、﹁販売促進﹂︵四六・五%︶、﹁店員教育﹂
︵三九.五%︶、﹁福利厚生﹂︵︵二〇・九%︶となっていて、ほとんどのものが期待以上の成果をあげている。すなわち、
個人店では実現不可能な面でも、チェーソ加盟することによって、本部からの指導︵ノウハウの獲得︶で改善された店が
多いことがわかる。
幽 チェーン本部の加盟店に対する姿勢
チェーン本部は、加盟店の意見を聞いてくれるかについてみると、﹁あまり聞かない﹂、﹁全く聞かない﹂とするものが
四分の一もあり、加盟店に対するチェーン本部の姿勢に重大な問題があると思われる。チェーン本部は、加盟店の意見を
取り上げる方法や雰囲気づくりにつとめたり、加盟店の意見を積極的に聞く姿勢が必要である。現場の意見に耳を傾けな
いような本部の姿勢であれぽ、加盟店に大きな不満がつのって、将来のチェーン展開そのものに支障をおよぼすことにな
ろう。両者の対等な立場でのコミュニケーションが、共存共栄のベースであるといってよい。
㈱ チェーン本部の指令に従うぺきか
チェーン本部の指令に対する加盟店の姿勢をみると、﹁絶対に従うべきだと思う﹂︵四・七%︶、﹁できる限り従うぺきだ
136
(466)
コンぜニエンス・ストアの現状と課題
と思うL︵四四・二%︶、﹁大筋は従うべきだと思う﹂︵二五・六%︶となっている。加盟店の本部指令に対する受け止め方
としては、良好というべきであるが、その背景には、チェーン本部が長い年月をかけてチェーン展開をし、そのノウハウ
を加盟店に提供して信頼を高めてきたことがあるからであろう。
ω チェ!ン本部の強化に必要なこと
加盟チェーンの本部の強化にとって必要なことは、﹁チェーン本部指導者の資質向上﹂︵五五・八%︶、﹁チェーン本部か
らの強力かつ有益な指導﹂︵五五・八%︶、﹁店舗数の増加﹂︵五哺・二%︶がとくに高い。
すなわち、現在のチェーン本部指導者の資質とその指導では、加盟店が十分に満足しておらず、チェーン本部自体の強
化によって、さらに高度のチェーン指導をのぞんでいることである。また、店舗数を増加させることによって、個人店で
は実現できないスケール・メリットをチェーン本部とともに追求しようと考えているからであろう。
心 ス!パーパイザー、マーチャンダイザー
チェーン本部のスーパーバイザーやマーチャンダイザーは、本部の方針、情報訟どを加盟店に伝える、いわば本部と加
盟店との掛け橋としての存在であり、加盟店の良き経営アドバイザーでなけれぽならない。
そこで、加盟店の経営者は、スーパーバイザーやマーチャソダイザーをどのようにみているかを調べてみると、加盟店
にとって﹁役に立つ﹂と思っているものは、七四・四%と多いが、反面、﹁役に立たない﹂といっているものも二五・六
もあった。また、﹁適格な人物﹂であるかについては、﹁適格﹂が五八・一%であるに対して、﹁不適格﹂が二五・六%と
きびしい評価をしていることがわかる。
(467)
137
コンビニエンス・ストアの現状と課題
﹁適格﹂の理由としては、﹁相談やアドバイスをしてくれる﹂、﹁行動力があり誠実である﹂、﹁知識・経験が豊富である﹂
などがあげられている。
このように、加盟店の約四分の一もの経営者が、スーパーパイザ!やマーチャンダイザーに対して、﹁役に立たない﹂、
﹁不適格﹂であると思っているわけであるから、チェーン本部は、加盟店に派遣する指導者に対して、加盟店の良き相談
役となれるような資質の向上のための研修や教育訓練を強化する必要がある。
㈱ 同業者︵コンビニエンス・ストア︶との接触
加盟店と独立店に、それぞれ他の同業店の責任者との接触をもっているかを調ぺてみると、加盟店では七六・七%、独
立店で七六・五%となっていて、かなり多くの業者関係がみられる。同業者が接触することによって、情報や意見の交換
を行ない、コソピニエンス・ストアの経営に役立てているのであろう。同業者同志は、喜びにつけても、悲しみにつけて
も、共通の基盤で語りあえるのが何よりのメリットなのである。
働 コンピニエソス・ストアの小売店への影響
調査対象になった小売店は、コンビニエンス・ストアを中心に半径五〇〇メートル以内の地域の小売店である。
その小売店に対して、﹁貴店の近くにコソビニエソス・ストアがありますか﹂との問に﹁ある﹂と答えた店は七七・一
%、﹁ない﹂は一二・五%であった。実際には、自分の店の近くにあり、しかも商圏で競合していると思われるのに、全
く驚いてしまう。コ.ソビニエンス・ストアポ何たるかを知らない商店主でもないと思われるが、いずれにしても自店の環
境変化に気づいていない店主が多いことは確である。
138
(468)
コンビ三エンス・ストアの現状と課題
自店の近くにコン、ビニエンス・ストアがあると回答した小売店に対して、売上げ面での影響をみると、﹁下がった﹂と
いう店が三五・六%に達している。
業種別にみると、生鮮食料品店は、三六・四%、一般食料品店四五.九%、酒.米穀店三九.三%となっていて、比較
的食料品関係の店に影響が大きいことがわかる。
⑱ コンビニエンス・ストアの今後の展望
チェーソ加盟店、非加盟店︵独立店︶のコンビニエンス・ストアの今後の展望については、さまざまな意見が出されて
いる。それをまとめると、今後は、コンビニエソス・ストア同志の競争が激化して、利益の低下などの問題が発生するこ
とを予想しており、楽観的な意見や見方は少ない。また、今後の競争に勝ち抜くためには、④接客態度を重視する、@地
域に密着した独自の経営を行なう、⑳商品開発に力を入れる、などを実行して経営を行なうことが、生き残っていくため
の方法であり条件であるといっている。
また、チェーソ加盟店では、④チェーソ本部自体の強化、@本部と店、店と店との結束などが今後のチェーソ本部と加
盟店が共に発展していくために必要不可欠のものであると考えている経営者が多い。
つぎに、コソビニエンス・ストアの今後の展望についてのべられた意見を、加盟店、独立店に分けて、ランダムに記し
ておこう。
︹チェーン加盟店︺
・競争激化のため、本部・店との協調と各店の独自性︵地域性を加味︶を生かし、商品開発や適正価格での販売を行な
(469)
139
コンビニエンス・ストアの現状と課題
うことだと思う。
・今後ますますスーパー、コンビニエンス・ストアとの競争が激化していくものと思う。
・小売業態の大きな変化にまき込まれて、自然消滅すると思う。
・コンビニエンス・ストアは、ますます増えると思う。
・競争激化で利益が低下すると思う。
・五年位は、良いと思う。
・接客態度を良くして、長時間営業を原則として頑張れば、決して売上げが低下することなくやっていけると思う。
・本部を中心として、良い商品を仕入れることや、仲間が結束していけば、十分に経営できると思う。
・今後、コンビニエンス・ストアだからといって、売上げの自然増加は望めない。したがって、各店・各チェーン本部
の経費節約のシステムなどを開発すべきだと思う。
・コンビニエンス・ストアは、現在飽和状態にあり、いずれ崩壊すると思う。
・コンビニエンス・ストアの競争により、いかに生き抜くかが問題だと思う。
・個人店では、今後むりでありチェーンに加入すべきであると思う。
・仕入ロットを少なくすることだと思う。
・哺○年後は、競争激化して経営が困難になると思う。
︹チェーン非加盟店︵独立店︶︺
140
(470)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
小売店の今後の方針
無記入3.9%
.2。5%j・2・5%
a.現状に満足しているので現状を維持したい
b.現状には不満だが、しかたがないので現状
h O.7%
を維持していく
c.現在地で経営を拡げていく
d.専門店化していきたい
e.総合店化を図りたい
f.適当な場所に移転したい
g.多店舗化を図りたい
h.チェーンに加盟したい
i.転業・廃業を考えている
1.その他
9.3,6%
f 4.3%
2.9%
無記入4.7%
C・V・Sの今後の方針
9.2.3%
a.現状に満足しているので現状を維持したい
b.現状には不満だが、しかたがないので現状
f
を維持していく
C.現在地で経営を拡げていく
d.適当な場所に移転したい
e.多店舗化を図りたい
f.チェーン加盟をやめる
g.転業・廃業を考えている
h.その他
C・V・S非加盟店の今後の方針
a.現状に満足しているので現状を維持したい
b.現状には不満だが、しかたがないので現状
を維持していく
C.現在地で経営を拡げていく
d.適当な場所に移転したい
e.多店舗化を図りたい
f.チェーンに加盟したい
g.転業・廃業を考えている
h.その他
(471)
・積極性をもって経営を行なえ
ぽ、大型スーパーよりも小回り
がきくので、まだまだ伸びると
思う。
コンビニエンス・ストア自体が
頭打ち状態であるので、経営は
困難になると思う。
・生鮮食料品の強化を図っていこ
うと思う。
・地域社会に密着した形で、発展
したいと思う。
・商品開発に力を入れていきたい
と思う。
・企業としての最小単位として、
最後まで生き残れる確信をもっ
ている。
141
コツビ弓エンス・・ストアの現状と課題
・自店のアイディアを生かして、固定客の獲得を図ろうと思う。
㈲ コソピニエンス・ストアと小売店の今後の方針
小売店の今後の方針としては、・﹁現状には不満だが、しかたがないので現状を維持していく﹂︵三〇・・四%︶、始現在地で
経営を拡げていく﹂︵二一・八%︶、﹁専門店化していきたい﹂︵一六・八%︶、﹁現状に満足しているので現状を維持したい﹂
・五%︶の順に加っていて、積極的な経営方針というよりも、防衛的な経営方針となっている。また、生鮮食料品
店では、﹁現状には不満だが、しかたがないので現状を維持していく﹂が三九・○%となっていて、防衛的経営方針が目
立って高い。しかし、・文化用品店だけは、﹁現在地で経営を拡げでいく﹂︵四五・八%︶♪﹁専門店化﹂ていきたい﹂︵二九
・二%︶が他の小売店よりも高ぐな倒ていて、自店の特徴をよく認識した上で、今後の方針を考えているといえよう。
チェーソ加盟店の今後の方針どしては、﹁現在地で経営を拡げていく]︵三七・二%︶、・﹁多店舗化を図りたい﹂︵一八・
二%︶と、今後も積極的な方針で経営を進めていくどいう経営者と、﹁現状に満足しているので現状を維持したい﹂︵一六
・三%︶、﹁現状には不満だが、しかたがな卦ので現状を維持していく﹂︵一四・○%︶など、今後は、経営の拡大よりも
安定をのぞんでいる経営者が三割もいることも注目される。∵ ,、 ・ ・
非加盟店︵独立店︸の今後の方針としては、.﹁現在地で経営を拡げていく﹂︵五三・○%︶、﹁多店舗化を図りたい﹂︵︼
七・六%︶、﹁現状に満足しているので現状を維持していく﹂︵二九航四%︶の三つをあげていて、現在のコソピニエンス・
ストアの経営に対して自信を持ってい.てふ今後も積極的な方針で経営を行なおうとしている経営者が多いことがわかる。
’
142
(472)
(一
コンビニエンス・ス’トアの現状と課題
皿 コンビニエンス・ストアに関する消費者調査 ・
1 調査対象および調査方法 ・
ω 対象消費者および調査地区
東京都世田谷区を左記の一一地区に分け、コンビニエンス・ストアを中心として、半径五〇〇メートル以内に住む消費
者11一、三一二人 . ” . °°
・下馬地区
・三軒茶屋地区
・下北沢地区
・上馬地区
地区
セブソ。イレブン ラパン
Fマート まさや
セブン・イレブソ ハシワヤ
ブルマート 三河屋
Kマート ローソン
コンビニエンス・ストア名
、
︵注︶コンビニエンス・ストアが二店舗あるばあいは、二店舗の中間店として五〇〇メートル以内に住む消費者
・梅ケ丘地区
セブン・イレブン
ローソン’ファミリー・マート
(473)
143
・松陰神社地区
・経堂地区
L .
コンビニエンス・ストアの現状と課題
・桜新町地区
ローソソ
フジ シャポ
セブソ・イレブン
・尾山台地区
・烏山地区
マルシェ
・千歳船橋地区 噸Kマート 小田急
②調査方法
・留め置き︵配票︶調査法
㈹調査期日
O一二
齊オ一
.八九・三%
一、
昭和五六年四月二〇日∼五月一六日
ω 回収数および回収率
配布総数
回収数
回収率
㈲ 回収消費者の内訳︵表参照︶
一、
回収消費者の内訳
職
業
年
(20.4)
160
(13.7)
42
(3.・6)
11
(0.9)
30
(2.6)
会 自
総
1,171 (100.0)
計
別
男女
316 (27.0)
853 (72.8)
計
総
1,171 (100.0)
(29.3)
403
(34.4)
301
(25.7)
6人以上
31年以上
111
(9.5)
13
無記入
(1.1)
(474)
123
76
23
1,171 (100.0)
16.2)
10.5)
6.5)
2.0)
11
0.9)
1,171
(100.0)
家族人数
総
計
総
(23.6)
190
計
343
3∼10年以下
11∼30年以下
無 記 入
(31.7)
276
1人
2人
3人
4人
5人
居住年数
3年未満
(8.6)
計
総
性
101
371
︵ ︵ ︵ ︵ ︵
(58.8)
239
代代代代代代肚明
689
婦
生
社 員
営
家事手伝い
そ の 他
0
03
04
05
06
07代
12
0不
主
学
代
注
1,171
(100.0)
()内は%
144
1
・・代1
・・代1
・・酬
・・代1
・・代1・・代
レ・代以上1不剃
男
46( 45.4)
172(46.4)
18(6.5)
20( 10.5)
8(幽6.5)
8(10.5)
6(26.1)
女
54( 53.5)
199( 53.6)
258( 93.5)
169( 88.9)
115(93.5)
68( 89.5)
17(73.9)
無 記 入
司萎闘QトゐK・KNH哩bN目
総 計
1(1.0)
101(100.0)
主 婦
総 計
︵嶋トマ︶
〈年代別の男女比・職業比〉
316(27.0)
11(100.0)
1(0.6)
853(72.8)
2(0.2)
371(100.0)
276(100.0)
190(100.0)
123(100.0)
76(100.0)
23(100,0)
11(100.0) 1,171(100.0)
103(27.8)
231( 83.7)
156( 82.1)
108( 87.9)
62( 81.6)
18( 78.3)
11(100.0)
689( 58.8)
学 生
99( 98.0)
138( 37.1)
2(0.7)
会 社 員
2(2.・0)
102( 27.5)
28( 10。2)
21(11.1)
2(
1.6)
5(6.・6)
自 営
6(1.6)
10(3.6)
11(5.8)
11(
8.9)
3(3. 9)
家事手伝い
8(2.2)
2(0.7)
1(
0.8)
そ の 他
14(3.8)
3(1.1)
2(1.0)
1(
0.8)
6(7.9)
4(17.4)
30(2.6)
371(100.0)
276(100.0)
190(100.0)
123(100.0)
76(100.0)
23(100.0)
11(100.0) 1,171(100.0)
239( 20,4)
160( 13.7)
1(4.3)
42(3.6)
11(0.9)
無 記 入
総 計
101(100.0)
ゆ菖
注:()内は%
コンビニエンス・ストアの現状と課題
2 消費者調査結果と分析
はじめに
消費者に対するアソケート調査を実施することによって、消費者が住む街に関する意識、地域社会での生活環境や買物
についての満足度、コソビニエンス・ストアの利用、などについて明らかにしようとした。
コンビニエンス・ストアが、住宅街に存在する特性をふまえて、当地区の住民が、生活実感のなかで、街の魅力が何で
あり、買物を通して、コソビニエンス・ストアをどのように認識し評価しているかを、小売店と比較しながら研究したの
が本調査の内容である。
したがって、本調査内容は、当地区のみならず、他の地区に関しても共通する事項がほとんどであるので普遍性を有し
ているものと思われる。
ω 消費者がみた街の魅力
世田谷区全体の街の魅力としては、つぎのような順になっている。︵重複回答︶
・交通の便がよい 八一・七%
・都 心 に 近 い 五 八 ・ 二 %
・現在の所得に見合った生活ができる 三〇・七%
・治安がよい 二七・八%
・教育・育児環境がよい 二七・八%
146
(476)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
・近所つき合いがよい
・職場に近い
・満足のいくような買物ができる
・医療施設・医療機関が完備している
・自分の個性に合った街である
・文化・福祉施設がある
・都心の盛り場に近い
・ショッピソグが楽しめる雰囲気がある
・街に活気がある
・繁華街がある
・住宅費が安い
︵以下省略︶
とくに松陰神社、桜新町はほとんど都心の魅力をもっていない。
を取扱っている店がある﹂など、都心の魅力︵都市機能︶をもっている街として、経堂、下北沢があるが、その他の地区、
これを地区別にみると、﹁満足のいくような買物ができる﹂、﹁ショッピソグを楽しめる雰囲気がある﹂、﹁流行品・高級品
. ロ の ■ . 若い年代の消費者は、ショッピソグを楽しんだり、街の雰囲気を楽しむといったレジャー化した買物行動をとる傾向が
(477)
147
八八九九〇四六〇三四五
五六二六ニー二ニー九六
%%%%%%%%%%%
コンビニエンス・ストアの現状と課題
とくに強いので地元を離れて都心に流れていく。商店街としては、若者の購買心理をつかみ、魅力ある街づくりに力を入
れなくては、地元への吸引力は低下する一方である。
﹁治安がよい﹂、﹁教育施設・育児環境がよい﹂は、尾山台の数値が非常に高く、低い地区として.は、上馬、三軒茶屋が
あるが、これは、﹁娯楽施設がある﹂、﹁繁華街がある﹂が両地区で高いことから、この内容と関連した要因であると思わ
れる。
﹁文化・福祉施設があるト﹁医療施設・医療機関が完備している﹂は、全体的に低く、福祉医療・厚生面での対応が欠
けているといえよう。
﹁交通の便がよい﹂、﹁都心に近い﹂は、当地区が住宅街として恵まれているために、全体的に数値が高い。また、﹁近
所つき合いがよい﹂、﹁町に活気がある﹂、﹁町内活動が活発である﹂などの下町的な要素を全体的にもっているのも世田谷
区の特徴でもある。
このように、世田谷区は、ダウンタウンとしての魅力︵ショッピングの楽しさ、娯楽、群象がかもし出す活気など︶が
少ないが、それは交通網の発達によって、都心に近づける便利さで補っていて、かえって住宅街としての環境を保持し生
活を営むのには、最適の都市型住宅街を形成しているといってよい。
② 消費者にみる街への愛着度
住民の街に対する愛着度をみると、﹁非常にもっている﹂︵二七・○%︶、﹁ややもっている﹂︵六一.・二%︶、﹁もってい
ない﹂︵九・八%︶となっている。
148
(478)
コゾピニiンス・ストアの現状と課題
これを居住年数別にみると、・三年未満・三∼一〇年未満でh非常にもっている﹂の割合が低く、=∼三〇年未満・三
〇年以上で高くなっているのが目立つ。居住年数が長くなるにしたがって、﹁住めぽ都﹂という意識がはたらいて、街へ
の愛着心も高まるのであろう。また、この人たちのほとんどは持ち家であり、永住の地と考えている人でもあろう。
一方、愛着を﹁もっていない﹂は、三年未満に多く、一八・七%である。これは、一〇代・二〇代の学生、会社員を中
心とした独身者または若い夫婦で構成され、これらの人たちは、街に対して愛着をもつまでの生活実績をもっていないか
らであろう。また、﹁仮住まい﹂としての意識で生活しているものにとっては、便利さを中心に考えた生活態度がみられ、
街そのものに対する反応は比較的うすいといってよい。
⑭ 将来の居住年数
こんご、この街に何年くらい居住するかを調べてみると、﹁二年未満﹂住むつもり、が一七・七%、 ﹁二年以上五年未
満﹂︵二四・六%︶、﹁五年以上一〇年未満﹂︵一〇・七%︶、二〇年以上﹂︵一〇・九%︶、﹁生涯居住﹂︵三〇・三%︶とな
り、一〇年未満を合わせると、五三%と約年数を占める。この中のほとんどの人が、居住年数の比較的短いアパート、マ
ンション族であることから、日本人特有の﹁持ち家志向﹂によって、一定期間住んでから、他地域へ流出する人たちであ
ろう。一方、一〇年以上を合わせると、約四割となるが、この人たちは、ほとんどが持ち家であると考えられる。
四 将来の居住意識
こんこも、この街に﹁住みたい﹂が七三・九%で、﹁住みたくない﹂が二〇・四%となっていて、大部分の人が住みたい
といっている。 ° 6
(479)
149
コンビニエンス・ストアの現状と課題
地区別にみると、﹁住みたい﹂では、経堂︵八八・六%︶、尾山台︵八三・四%︶が高い数値を示しているのに対して、
松陰神社では、五七・四%と最低となっていて、地区の間に大きな差がみられた。その要因について、﹁街の魅力﹂の調
査項目とくらべて検討して要約すると、街で生活する人にとって、最も大初なことは、﹁交通の便がよい﹂と関連して﹁都
心に近い﹂ということである。
㈲ 消費者にみる買物満足度
この街で十分な日常生活品の買物が﹁できる﹂が八二・四%、 ﹁できない﹂が一六・七%となっていて、日常品の買物
の不自由さは少ない。これを地区別にみると、 ﹁できる﹂で経堂が九四・九%と非常に高いのに対して、梅ケ丘では、六
〇・四%と最低を示し、地区別でかなりの差がみられる。経堂には、大変充実した近隣最寄型商店街が形成され、大型ス
ーパーがあるのに対して、梅ケ丘の商店街は業種が少なく、道路が入り組んで商店街としての機能を十分にもっていない
上に、商店街がバス路線になっているため消費者が利用しにくく、大型スーパーがないことが要因として考えられよう。
日常の生活必要品は、地元の店から購入することが便利であるが、そうでないものについては、ショッピングを楽しん
だり、十分な商品の中から自分の好みに合ったものを選びたいという購買心理から、都心・繁華街の店で求めるという傾
向がある。それは、とくに若者にみられる購買行動である。
﹁できない﹂とする主な理由は、﹁洋品店がない﹂、﹁価格が高い﹂、﹁商品の種類が少ない﹂、﹁大型スーパーがない﹂、
﹁新鮮なものがない﹂の順となっているが、これも地区によってかなりの違いがみられる。
一般的にいえることは、消費者の購買行動は単なる物的充足から、より高度な質的充足を求めている。すなわち、より
150
(480)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
品質の高い商品を求めて、比較的遠くまで買物に出かけるという行動範囲の拡大傾向に加、兄て、楽しみながら買物すると
いう傾向も高まっている。このように、消費者の商店選択理由も商品の種類に応じて、きわめて個性化、多様化してきて
おり、小売店および商店街では、柔軟かつ適切な対応をはかっていかなけれぽならない。
⑥ 日常生活品の買物方法
日常の生活品を、 ﹁必要の都度買う﹂が七五・六%で、当用買が中心となっていることがわかる。とくに一〇代が多く、
八八・一%となっているが、この年代は学生中心の独身者であるため、食料品などをまとめ買いして腐らしたり、無駄に
したりしないために当用買いの経済性に重きを置いているのであろう。また、六〇代が八一.六%と高いのは、家族人数
との関係と昔ながらの買物慣習︵方法︶によるものと思われる。
一方、﹁まとめ買いをする﹂︵二三・三%︶では、四〇代の三一・○%が最も高い。これは、家族人数とも関係している
が、すべての物をまとめ買いしているわけではなく、必要な物を安い時に限りまとめ買いしているものも含まれていよう。
このように、買物の方法は、年代と関連した家族構成︵人数︶が大きな要素となっているが、日本人特有の当用買いとい
う習慣は、いまだに根強く残っているといえよう。
㎝ 消費者の買物行動
買物をするときに、品目ごとに小売店、スーパー、コソビニエソス・ストアの使いわけを﹁している﹂人は、六二.七
%となっている。これを年代別にみると、三〇代以上で比率が高く、とくに、五〇代の七五・六%が目立っている。これ
らの年代の主婦は、日常生活品の買物に費やす時間が割合に多く、さまざまな店を回り、その中から﹁安くて良い品﹂を
(481)
151
コンビiエンス・ストアの現状と諜題
選ぶためであろう。
使いわけを﹁していない﹂︵三五・四%︶の中で、一〇代、二〇代が四割以上となっているが、これらの年代の独身の
男性は、日常生活品の買物に費す時間的余裕が少なく、使い分けすることを面倒がっている。このように、年代、性別に
よって買物行動にかなりの違いがみられる。
㈹ コンビニエンス・ストアの存在
本調査は一コンビニエンス・ストアを中心として、半径五〇〇メートル以内と比較的狭い範囲を対象として行なってい
るので、コンビニエンス・ストアが﹁ある﹂とする人が、九一・○%、﹁ない﹂八・一%となっている。
これを年代別にみると、年代が高くなるにしたがって、 ﹁ある﹂の比率が下ってきている。年代が高くなると、コンビ
ニエンス.ストアと既存の、、、二・スーパーとの区別がつかず、コンビニエンス・ストアとしての機能を十分に理解してい
ないことが理由としてあげられ、今後コンビニエンス・ストアは、高年令者に対してもっと積極的な店舗のPRなどのア
プローチが必要と思われる。
⑨ コンビニエンス・ストアでの買物経験
コンビニエンス.ストアで買物をした経験が﹁ある﹂人は、九一・九%となっている。
年代別では、一〇代︵九八%︶、二〇代︵九七%︶が非常に高い比率を示している。一方、﹁ない﹂では、四〇代︵一
四・二%︶、六〇代︵一五・八%︶に多くみられる。
職業別では、﹁ある﹂では学生︵九七%︶と会社員︵九五%︶に多く、﹁ない﹂では主婦︵一哺%︶があげられる。
152
(482)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
こ切ように、一〇代、二〇代、学生、会社員のほとんどの人が、コンビニエソス・ストアで買物をしたことが﹁ある﹂
といっていることから、一般の小売店とは客層が違っていて、この年代、職業の人たちがコンビニエンス・ストアのメイ
ン・ターゲットになっていることがわかる。
一方、 ﹁ない﹂とする四〇代、六〇代の主婦は、コンビニエンス・ストアがスーパーマーケットにくらぺて価格面で多
少高く、品数も劣り、生鮮食料品に関しては、一般小売店の方が品数その他の面ですぐれているために、このような結果
になったのであろう。
⑳ 利用したことのあるコンビニエンス・ストア
利用したことのあるコンビニエンス・ストアは、﹁家の近くの店﹂︵六三・二%︶が最も多い。ついで、﹁家の近くの店・
仕事︵用事︶などの途中通りがかりにある店﹂︵一七・二%︶となっている。年代別にみると、﹁家の近くの店﹂を五〇代
以上の人が平均八割も利用していることがわかる。反面、﹁家の近くの店・仕事︵用事︶などの途中通りがかりにある店﹂
では、若い三〇代以前で平均一九・七%も利用していることがわかる。 ﹁家の近くの店・職場︵学校︶などの近くの店・
仕事︵用事︶などの途中通りがかりにある店﹂は、一〇代、二〇代で平均一二・一%となっている。
職業別でみると、 ﹁家の近くの店﹂を利用する主婦は、七四・九%であり、主に五〇代以上の主婦が買い忘れ物などの
補助的に利用するためと思われる。 ﹁家の近くの店・仕事︵用事︶などの途中通りがかりにある店﹂は、学生が二三・六
%と多く利用しており、 ﹁家の近くの店・職場︵学校︶などの近くの店・仕事︵用事︶などの途中通りがかりにある店﹂
では、学生コニ・三%、会社員一五・二%となっている。
(483)
153
代代代代代代
70代以上
不 明
b
C
ab
a c
bc
abc 無記入
総
計
99(100.0)
13(13.1)
42(42。6)
1(1,0)
10(10.0)
14(14,1)
19(19,2)
192(53,3)
1(0.3)
21(5.8)
31(8。6)
74(20.6)
1(0.3)
40(11.1)
168(67.2)
2(0.8)
24(9.6)
3(1.2)
48(19.2)
1(O.4)
3(1,2)
1(0.4)
250(100.0)
113(69.8)
1(0.6)
12(7.4)
3(1.9)
24(14.8)
8(4.9)
1(0,6)
162(100.0)
5(4.5)
1(0.9)
13(11.8)
2(1.8)
3(4.8)
1(1。6)
3(4。8)
1(L6)
1(1.6)
64(100,0)
15(75.0)
2(10.0)
1(5.0)
2(10,0)
6(60.0)
2(20.0)
90(81.0)
54(84.0)
総計680(63.2)
1(1.6)
360(100.0)
111(100,0)
20(100.0)
10(100.0)
2(20,0)
・(・.・)79(・.・)54(…)・85(・7・・)・(・・2)167(…)1
・(…)1・,・76(・・…)
職業別の利用したことのあるC・V・S
a
婦生員営い他
伝
社 手の
事
主学会自家そ
幻萎囲QトみK・KN“旺勾N目
0
0一0
ーウ
340
PO0
6 0
a
寸めH
年代別の利用したことのあるC・V・S
458(74.9)
100(43,0)
b
2(0.3)
1(0,4)
C
5(O.8)
95(15.5)
16(6.8)
28(12.0)
55(23.6)
16(10.5)
22(14.4)
2(4,8)
9(22,0)
2(1.3)
12(7.9)
18(43.1)
1(2.・4)
5(12.2)
8(73.0)
1(3.7)
bc
abc 無記入
5(0.8)
1(0.4)
2(0.3)
4(9.7)
計
612(100.0)
233(100,0)
32(13.3)
152(100.0)
23(15.2)
1(2.4)
総
1(2.4)
41(100.0)
1(9.・0)
1(9.0)
1(9.0)
11(100.0)
2(7.4)
3(10.1)
2(7.4)
27(100.0)
・(・.・)79(・.・)154(・.・)巨85(・7・・)・(…)167(…)1
・(…)i・,・76(・・…)
注:()内は%
a.家の近くの店 b,職場(学校)などの近くの店 c.仕事(用事)などの途中,通りがかりにある店
︵博o◎寸︶
総計680(63.2)
a c
45(7.4)
77(50.7)
19(70.4)
ab
コンビニエンス・ストアの現状と課題
以上のことから、利用したことのあるコンビニエンス・ストアは、年代・職業によってさまざまであるが、要約すると、
年代・職業に関係なく、﹁家の近くの店﹂と他の組み合わせが主であり、﹁家から近い﹂ということが、コンビニエソス.
ストアの成立条件であり、商圏内でしか販売力をもっていないことがわかる。このような意味からも、コンビニエンス.
ストアは、名実ともに中小小売店の一形態であるということができる。
ω コソビニエンス・ストアの利用頻度
コソビニエンス・ストア利用頻度をみると、﹁たまに利用する﹂︵四七・八%︶、﹁週に二・三回﹂︵二八.八%︶、﹁ほと
んど毎日﹂︵一五・一%︶、﹁ほとんど利用しない﹂︵八・一%︶の順になっている。
年代別にみると、﹁ほとんど毎日﹂、﹁週に二・三回﹂を合わせると、一〇代で四五・五%、二〇代で五〇.八%、七〇
代以上で六五%となっていて、七〇代以上の利用頻度が非常に高いのがわかる。また、﹁たまに利用する﹂では、三〇代
︵五四・四%︶と四〇代︵五五・六%︶に多く、﹁ほとんど利用しない﹂では、五〇代︵一一.八%︶と六〇代︵一〇.九
%︶が多くなっている。
職業別では、﹁ほとんど毎日﹂、﹁週に二・三回﹂を合わせると、学生、会社員ともに約五割となり、 一〇代、二〇代の
学生、会社員の利用頻度はきわめて高くなっている。
このように、コンビニェンス・ストアを利用する消費者にとっては、主婦がスーパーマーケットを利用するのと同じよ
うに身近かであり、日常生活の中でなくてはならない存在の店になりつつあるといえよう。
﹁たまに利用する﹂では、三〇代、四〇年代を中心とした主婦が五一・二%、家事手伝いが五四.五%となっている。
(485)
155
コソビニエンス・ストアの現状と課題
ほとんど
毎日
憩2・3・如5・6・賦不
代代代代代代上明
以
週に2・
たまに利
3回
用する
どな
んし
と用
ほ利い
年代別の利用頻度
無記入
計
20(20,2)
25(25.3)
46(46.5)
8(8,0)
53(14.7)
130(36,1)
155(43.1)
22(6,1)
25(10.0)
64(25.6)
136(54.4)
24(9,6)
26(16.0)
35(21.6)
90(55.6)
11(6.8)
20(18,0)
27(24.8)
51(45.9)
13(11.8)
111(100.0)
11(17.2)
18(28.1)
28(43,8)
7(10.9)
64(100.0)
6(30. 0)
7(35.0)
7(35.0)
1(10.0)
4(40.0)
2(20,0)
99(100.0)
360(100.0)
1(0.4)
250(100.0)
162(100.0)
20(100.0)
2(20,0)
2(20.・0)
計1・62(・5・・)i…(28・・)1・・5(47・・)i87(…)}・(・・)1
総
総
10(100.0)
1,076(100.0)
注:()内は%
無記入
87(14.2)
150(24.5)
313(51,2)
60(9,8)
2(0.3)
45(19.3)
78(33.5)
98(42.1)
12(5.1)
19(12.6)
56(36.8)
68(44.7)
9(5.9)
152(100.0)
3(7.8)
16(39.0)
18(43.9)
4(9,8)
41(100.0)
1(9.1)
4(36.4)
6(54.5)
7(25.9)
6(22.・2)
12(44.4)
2(7.5)
27(100.0)
週に2・
ほとんど
毎日
婦生員営い他
伝
社 手の
事
主学会自家そ
たまに利
用する
3回
計
どな
んし
と用
ほ利い
職業別の利用頻度
612(100。0)
233(100.0)
11(100.0)
計i・62(・5・・)i…(28・・)i・・5(47・・)187(・・)1・(…)1
総
総
1,076(100。0)
注:()内は%
156
﹁たまに利用する﹂消費者は、便利
性を売りものにしているコソビニェ
ンス.ストアの成立要因である長時
間営業、店舗が近いことによって、
買い忘れ品、緊急用品などの補助的
用途で利用しているが、今後、コン
ビニエソス・ストアは、 ﹁たまに利
用する﹂消費者、とくに主婦を対象
に品揃・商品構成などの改善を行な
い、利用度を高めて、固定客化する
ことが課題となろう。
働 コンビニエンス・ストアの四貝
物時間帯
コンビニエンス・ストアでの買物
時間帯をみると、 コ四時から二〇
時﹂︵四六・三%︶、﹁二〇時から二
(486)
20
30
40
50
代代代代代代
10
7(7.1)
58 (58.7)
35 (35,4)
9(9.1)
1(1.0)
117
99
29(8.1)
27(7.5)
131 (36.4)
173 (48.2)
47 (13.1)
8(2.0)
415
360
50 (20.0)
42 (16.8)
105 (42.0)
71 (28.4)
8(3.2)
9(3.6)
285
250
21(13. 0)
23 (14.2)
88 (54.3)
41 (25.3)
9(5。6)
1(0.6)
183
162
9(8.1)
24 (21.6)
62 (55。9)
15 (13.5)
4(3.6)
5(4.5)
119
111
5.(7・8)
14 (21.9)
41 (64.0)
4(6.3)
6(9.4)
70
64
8(40。0)
8(40.0)
1(5.0)
20
20
7(7.1)
3(15.0)
70代以上
10
1(10.・0)
12
5(50.0)
5(50.0)
1(10.0)
不 明
総計1・25(…)1・5・(・3・・)i498(・6・・)34・(・…)177(7・・)1・・(2・・)1…22・1…76
注:()内は%・重複回答
職業別の買物時間帯
「早朝か…時1・・時か・・4時}・4時か…時・・時から23時23時以降深夜1無記入1総計1対
婦生員営い他
伝
社 手の
事
主学会自家そ
司萎疇QトムK・Kλ蝿“bNロ
60.
象
︵卜oo可︶
﹁
年代別の買物時間帯
脚か…時1・・時か・・4時1・4時から・・時1・・時から23時23時以降深夜1無記入1総計1対
121 (19.8)
307 (50.1)
127(20.8)
16(2.6)
21(3.4)
682
612
12(5.2)
104 (44.6)
106 (45.5)
40 (17.2)
1(0.4)
276
233
14(9.2)
10(6.6)
56 (36.8)
84(55.2)
13(8.6)
1(0.7)
178
152
1(2.4)
2(4.9)
16 (39.0)
15 (36.6)
5(12.2)
3(7。3)
42
41
2(18.2)
2(18.2)
6(54.5)
3(27,3)
3(11.1)
9(33.4)
6(22.2)
90 (14。7)
13(5.6)
5(18.5)
3(11.1)
4(14。8)
13
11
30
27
総計1・25(…)1・5・(・3・・)1498(・6・・)34・(…)177(7・・)i・・(2・・)1…22・[…76$
注:()内は%・重複回答
囲
コンビニエンス・ストアの現状と課題
19
∼
12 13 14 15 16 17 18 19
20
∼ (時)
∼ ∼ ∼ 1 ∼ ∼ ∼ ∼
資料:百瀬中小企業論ゼミナール実態調査
「大型店進出にみる中小小売店」(54年9月)
三時﹂︵=二・七%︶となっていて、一四時から二三時ま
58
1
でとかなり広い時間帯になっていることがわかる。これに
対して、大型スーパーのピーク時間は、私のゼミナール調
査︵﹃大型店進出にみる中小小売店﹄︶結果によると一五時
三〇分∼一六時三〇分頃であり、一般小売店︵商店街︶の
=ハ時∼一七時三〇分頃と約一時間の差があるが、コンビ
ニエンス・ストアのピーク時間とは約二時間の差があり、
とくに小売店の閉店間際もしくは、閉店後もピーク時間内
に入っていることが注目される。
これを年代別、職業別にみると、一〇代、二〇代の学生、
会社員、夫婦共働きと思われる主婦などが、午後から深夜ま
で幅広く利用しているのに対して、主婦は、一四時から二
のように、比較的利用頻度の高い一〇代、二〇代の学生や会社員 が 、 コンビニエンス・ストアの営業時間を十分に活用し
○時の利用がほとんどである。これは、学生、会社員などとは、 職業上あるいは買物目的などが異なるためであろう。こ
珈㎜塒蜘㎜10806040200
11
11 12 13 14 15 16 17 18
10
ているところから、この店舗のもつ便利性の一つである長時間営業のメリットが浮き彫りにされるのである。
㈲ コソビニエンス・ストアでの買物金額
(488)
大型スーパーと商店街での買物時間帯
警
二
42 (42.5)
14 (14.1)
3(3.0)
1(1.0)
5(5.1)
99 (100.0)
158 (44.0)
95 (26.4)
12(3.3)
3(0。8)
8(2.2)
360 (100.0)
54 (21.6)
86 (34.4)
58 (23,2)
22(8.8)
13(5.2)
17(6.8)
250 (100,0)
31 (19.1)
49 (30.3)
41 (25,3)
25 (15.4)
10(6.2)
6(3.7)
162 (100。0)
16 (14,4)
30 (27.1)
21 (18.9)
23 (20.7)
5(4.5)
16 (14.4)
111(100.0)
16 (25。0)
7(10,9)
15 (23,5)
7(10.9)
3(4.7)
16 (25.0)
64 (100.0)
70代以上
3(15.0)
2(10.・0)
4(20.0)
4(2α0)
2(10。0)
5(25.0)
20(100.0)
不
2(20.0)
1(10,0)
3(30.0)
2(20.0)
1(10.0)
1(10.0)
10(100.0)
総
明
34 (34.3)
84 (23.3)
計124・(・2・・)1
375 (34。9)
125・(・3・・)
198⑲・)138(3・・)
}74(6・・)1
︵①ooマ︶
,
昌訟”
代代代代代代
ーウ臼qり4FOρ0
司萎闘Q卜4K.KNH“b溶B
000000
無記入 }総
﹃﹁
年代別の買物金額
1…円以下151}伽以下11を181繭以下12き181鈎以下1 ・・…円以上1
1,076 (100.0)
注:()内は%
利用頻度別の買物金額
12きlll徳以下1 ・・…円以上[
501∼
L1,001N
1 500円以下 1
無記入 1総 計
1,000円以下 2,000円以下
ほとんど毎日
27 (16.7)
52 (32.0)
52 (32.1)
18(11.1)
週に 2・ 3回
たまに利用する
44 (14.2)
107 (34.5)
93 (30.0)
38(12.3)
136 (26.4)
200 (38.9)
95 (18.4)
37(7.2)
15(17.2)
10 (11.5)
5(5.・7)
ほとんど利用しない
33 (37.9)
無 記 入
総
計124・(・2・・)1
注:()内は%
1(50.0)
375 (34.9)
10(6.2)
162 (100.0)
17(5.5)
11(3.5)
310(100.0)
16(3.1)
31(6.0)
515 (100.0)
2(2.3)
22 (25.4)
・3(1.9)
1(50.0)
25・(・3・・)198⑲・)138(3・・) i74(6・・)1
87 (100.0)
2(100.0)
1,076 (100.0)
$
囲
コンビニエンス・ストアの現状と課題
コンビニエソス・ストアでの買物金額についてみると、﹁五〇〇円以下﹂が二二・三%、﹁五〇一∼一、○○○円﹂が三
四.九%、二、○〇一円∼二、○○○円﹂で二三・三%となっていて、二、○○○円以下で約八割を占める。これを、
私のゼ、・・ナール調査による大型スーパーの買物金額と比較してみると、ワンストップ・ショッピングができるために、三、
OOO円∼四、○○○円が中心で非常に高額となっていて、.コソビニエンス・ストアでの買物は小額買いであることがわ
かる。 9
コソビニエンス・ストアでの買物金額を、年代.利用頻度別でみると、﹁ほとんど毎日﹂、﹁週二・三回﹂では、五〇一∼
二、○○○円で約六五%、﹁ほとんど利用しない﹂は、五〇〇円以下で三七・九%となっているが、三〇代以上の主婦が
主であり、補助的役割でしか利用していないことがうかがえる。
このように、利用頻度が下がるにしたがって、買物金額が低いことが注目される。今後、コンビニエソス・ストアが、
販売の展開をダイナ、ミックに行ない、販売促進を行なうためには、客単価の増加対策がどうしても欠かせないことになる。
αの コンビニエンス・ストアへの来店方法
コンビニエソス・ストアへは、﹁徒歩﹂による来店が圧倒的に多く、八四・五%となっている。つぎが、﹁自転車﹂で一
五・八%である。これは、コンビニエンス・ストアの商圏の狭さと、立地要因である近隣性と関連して、﹁徒歩﹂が多く
なっているのは当然のことである。﹁自転車﹂は、買物品の運搬用具としての役割も果しているのであろう。これが、大
型スーパーへの買物となると、﹁自転車﹂の割合がずっと増えていることからも納得できることである。
α田 コンビニエンス・ストアでの購入商品
160
(490)
塔r.;エンスitストアの現状と課題
コ1
C・V・Sでの購入商品
30
0
20 10
13.5
よく買う商品
10 20 30
0
︶
%40
︵
たまに買う商品
(%)
宵 果
鮮魚
8.7
塩干物
9.8
12.4
2.8
1.7
精肉 ,
22.3
ハム・ソーセージ
19.9
鶏 卵
24.0
調味料
24.5
ピン詰・カン詰
菓子
.0
3.6
農 干物
酒・飲料水
19.3
バン・めん類
34.9
弁 当 類
10.1
惣 菜
7.1
34.2
2.4
1.9
インスタント食晶
冷凍食品
26.0
冷菓(アイスクリ
29.2
ームなど)
乳製 品
27.9
20.0
15.1
2.9
台所用品
2.8
衛生用品
2.8
インテリア小物
0,2
家庭製品
7.5
(電池・蛍光灯)
L9
ρ
8.3
玩具
医薬品・化粧品
7.0
軽衣料(くつ下・
はだ着など)
書籍・雑註
14.5
文 房 具
11.6
2.1
8.4
1.0
0.2
0.5
0.6
3.6
1.2
はきもの類
0.1
タ バ コ
2.8
米
5.1
161
1.4
(491)
コンビニエソス・ストアの現状と課題
コンビニエソス・ストアで、﹁よく買う商品﹂としては、﹁パン・めん類﹂︵二三%︶、﹁菓子﹂︵二〇・一%︶、﹁乳製品﹂
縺E一%︶、﹁酒・飲料水﹂︵一五・一%︶、.﹁インスタント食品﹂︵一二・五%︶、﹁鶏卵﹂︵一一・五%︶、﹁冷菓︵アイス
クリーム︶﹂︵一一.四%︶なゼである。
これらの商品は、一〇代、二〇代が主に購入しているが、その他の商品については、年代に関係なくほとんど購入され
ていない。
利用頻度別では、﹁ほとんど毎日﹂、﹁週に二・三回﹂が、前掲の商品を主に購入しているが、その他の商品についても、
まんぺんなく購入していることがわかる。また、﹁たまに利用する﹂では、買い忘れ、緊急買いなどの要素が強いために、
購入する商品に大きな違いがみられ、﹁菓子﹂、﹁パン・めん類﹂、﹁冷菓﹂、﹁乳製品﹂以外は、ほとんど購入されていない。
﹁たまに買う商品﹂では、﹁菓子﹂︵三七%︶、﹁パソ・めん類﹂︵三四・九%︶、﹁インスタソト食品﹂︵三四・二%︶、﹁冷
菓﹂︵二九・二%︶、﹁乳製品﹂︵二七・九%︶、﹁冷凍食品﹂︵二六%︶などが多いが、その他の商品も全般的に購入されて
いる。
年代別では、ほとんど差がみられず、利用頻度別では、﹁ほとんど毎日﹂、﹁週二・三回﹂ほどではないにしても、たま
に利用する消費者もよく購入している。
以上のことから、消費者の購入商品が、一般小売店とはいちじるしく異っていることがわかる。また、とくに利用頻度
の多い消費者にとって、主婦がスーパーマーケットや小売店を利用するのと同じように、生鮮食料品、一般食料品を中心
に幅広く購入していることから、日常生活の中で、コンビニエソス・ストアは、なくてはならない店︵必需品店︶となっ
162
(492)
(一
ゴンビ爵エンス:ストアの現状と課題
てきていることがわかる。そして、コンビニエンス・ストアの成立条件である近い・長時間営業などを考慮した上での品
数、品揃えのメリットが反映されつつあるといえよう。
個 コンビニエンス・ストアでの買物理由
コンビニエンス・ストアでの買物理由の主なものを上げると、﹁長時間営業﹂︵七五%︶、﹁自宅から近い﹂︵七一・六%︶、
﹁商品を気やすくみられる﹂︵三八・七%︶、﹁店舗に入りやすい﹂︵三六・一%︶、ニヵ所でまとめ買いができる﹂︵三四・
七%︶などとなっている。
、これを年代別にみると、﹁長時間営業﹂で一〇代が八三・八%、二〇代八八・一%と高くなっていて、この年代によっ
て長時間営業が支持されていることがわかる。また、﹁自宅から近い﹂では、七〇代以上の八五%がとくに高い。つぎに、
利用頻度別にみると、利用頻度が高くなるにしたがって、上記の買物理由の割合が高くなっている。
コンビニエンス・ストアは、﹁自宅から近い﹂、﹁長時間営業﹂が店舗存立の絶対条件となっていることが、本調査結果
からもはっきりということができる。また、﹁店舗に入りやすい﹂、﹁商品を気やすくみられる﹂などから、 セルフサーピ
ス方式の採用も消費者に受けられているが、﹁商品が豊富﹂︵一九・一%︶という点については、大型スーパーにくらぺる
ときわめて低くなっている。この点では、種類をはじめ、とくに商品構成の面での研究がより重視されよう。
大型のスーパーマーケットでの買物理由について、私のゼミナールの調査結果では、﹁商品が豊富である﹂、ニヵ所で
まとめ買いができる﹂、﹁ショッピソグを楽しめる雰囲気がある﹂などがあげられているが、反面、﹁自宅から多少遠い﹂、
﹁営業時間が短い﹂などの不満がみられる。
(493)
163
コンビニエソス・ストアの現状と課題
由
買
;
20、
甑・をの他 , 、 、
n・商品を気やすく見られる
m・店舗に入りやすい
ー・店舗が清潔である
k.価格表示が明確である
﹂・店の信用がある
﹂・シヨッゼングを楽しめる
雰囲気がある
h・接客態度・サービスが良い
9・一ケ所でまとめ買いができる
f・目玉商品が多い
e・商品の品質・鮮度が良い
d・価格が安い
c・商品が豊富
b・長時間営業
a・自宅から近い
0 、
164
(494)
理
物
70
60
50
40
30
10
「
ゴンビニエンス・ストアの現状と課題
以上のような、コソビニエンス・ストアと大型スーパーマーケットの買物理由から、大型スーパーは、それなりの合理
的なサービスを顧客に提供し、それが受け入れられて今肝の発展を実現し距のであるが、消費者は一面において、﹁近ぐ
で買いたい﹂、﹁いつも気楽に買いたい﹂という欲求をもっている軌しかし、これは、立地条件、労働問題などから、大型
スーパーが応じることが困難であり、住宅地に近く、少ない従業員で経営できる小規模小売店があって、はじめて消費者
ニーズに対応できることになるのである。このような多様化するニーズに対して、近代的かつ合理的な方法で対応してい
こうとするのが、 コンビニエンス・ストアであるといってよい。したがって、﹁長時間営業﹂、﹁自宅から近い﹂という二
つの便利性は、コンビ.ニエンス・ストア存立に不可欠の条件であるといってよい。
’㎝ 商店︵一般小売店︶、スーパi、コンビニエンス・ストアでの購入比率
①青果、鮮魚、塩干物、精肉、ハム・ソーセージなど
商店、スーズドでの購入比率が五割台が最も多ぐ、それぞれ=一・四%、。一二転六%を示し、五割未満を合せると、商
店五一・七%、スーパー四八・一%となる。 一方、 コンビニエンス・ストアは、﹁購入しない﹂が三四・七%と高い数値
を示し、三割未満を合せると、六二・五覧となり、半数以上の人がコンビニエンス・ストアでは、ほとんど購入していな
いことがわかるq﹁その他︵デパートなど︶﹂では.﹁購入しない﹂が五四・四%と高くなっている。
この結果から、生鮮食料品を中心としたものについては、消費者のほとんどが、価格、品質、鮮度などを判断した上で、
商店、スーパーをうまく使い分けていることがわかか、コソビニエンス・ストアでは、品数が少ないためか購入比率がき
わめて低ぐなっでいる。
(495)
165
コンビニ』=シス・ストアの現状と課題
商店,スーパ・一,C・V・Sでの購入比率
。青果・鮮魚・塩干物・精肉・ハム・ソーセージ・鶏卵など
隔
店
1スー・・一・・v・sl(その他デパートなど)
購入しない
103( 8。8)
92(7.9)
408( 34.7)
638( 54’4)
1 ∼ 9%
73(6.2)
30(2.6)
130(11.1)
119( 10L 2)
10 ∼ 19%
126( 10.8)
104( 8.9)
196( 16.7)
164( 14.0)
20 ∼ 29%
125( 10.7)
123( 10.5)
98(8.4)
58(5.・0)
30 ∼ 39%
85(7.3)
114( 9.7)
53(4.5)
24(2.0)
40 ∼ 49%
93(7.9)
99(8.5)
28(2.4)
10(0.9)
50 ∼ 59%
145( 12;4)
148(.12.6)
58(5.0)
6(O.・5)
60 ∼ 69%
72(6.1)
80(6.8)
13(1.1)
4(0.3)
70 ∼ 79%
56(4,8)
61(5.2)
17(1.5)
1(0.1)
80 ∼ 89%
80(6。8)
93(Z9)
9(0.8)
1(0,1)
90 − 99%
35(3.0)
46(3.9)
8(0.7)
1(0.1)
100%
33(2,8)
36(3。1)
8(0.7)
145( 12.4)
145( 12.4)
無 記 入
総
145( 12.4)
計1・,・7・(・…)
145( 12.4)
1・,・7・(・…)}・,・7・(・・…)1
1,171(10α0)
注:()内は%
1商
店
B一パ・−1・・V・・
︻
。調味料・ビン詰・カン詰・菓子・米・農干物・酒・飲料水など
そ の 他
(デパートなど)
購入しない
132( 11.3)
93(7.9)
234(20,0)
1 ∼ 9%
59(5,0)
22(1,9)
103( 8.8)
90(7.7)
69(5.9)
173( 14.8)
172( 14.7)
・641( 54.6)
10 ∼ 19%
171( 14.6)
20 ∼ 29%
193( 16.5)
105( 9.0)
169( 14.4)
68(5,8)
30 ∼ 39%
128( 10.9)
122( 10.4)
106( 9.1)
28(2。4)
40 ∼ 49%
77(6。6)
106( 9。1)
77(6.6)
12(1.0)
50 ∼ 59%
128( 10,9)
179( 15,3)
76(6,5)
10(0.9)
60 ∼ 69%
42(3.6)
104( 8,9)
27(2.3)
3(0.3)
70 ∼ 79%
36(3.1)
79(6.7)
18(1.5)
2(0.2)
80 ∼ 89%
32(2.7)
95(8.1)
22(1,9)
1(0。1)
90 ∼ 99%
15(1,3)
39(3.3)
11(O.・9)
1(0.1)
100%
15(1.3)
15(1.3)
12(1.0)
143( 12.2)
143( 12.2)
143( 12.2)
計
無 記 入
総
1…7・(・…)1・,・・7・(・・…)1・,・7・(・・…)1
(496)
1,171(100.0)
’
注:()内は% 143( 12。2)
166
コンビニエンス・ストアの現状と課題
② 調味料、ビン詰、カン詰、菓子、農干物、酒・飲料水など
商店のぼあい、五割未満が六四・九%とスーパ:の四四・二%にくらべてかなり高くなている。コンビニエソス・スト
アでは、生鮮食料品にくらべて購入比率が高まっている。購入商品としての頻度の高い商品があるためであろう。
このように、商店、スーパーが中心であるが、コンビニエンス・ストアも補助的︵補完的︶な店として利用されている
ことがわかる。
③ パン、めん類、惣菜、弁当類、冷凍食品、冷菓など
商店では﹁購入しない﹂が一四・四%と高く、コンビニエンス・ストアの一九・八%に近くなっている。このことは、
購入比率五割未満で、商店六五・四%、コンビニエンス・ストア六九・七%にも表われている。一方、スーパi、その他、
ではあまり変化がみられない。
これらの商品は、消費者の客層、目的、時間などによってさまざまに購入されているが、コンビニエンス.ストアが補
助的役割から脱皮して、商店と同等の位置になったとみられる。しかし、依然としてスーパーが、買物の中心となってい
ることは間違いないところである。
④台所用品、衛生用品、医薬品、化粧品、家電製品など
商店での購入比率が、二∼六割未満四四・二%、スーパーで四一・三%となっているが、スーパーで﹁購入しない﹂が
一六・五%となっている。 コンビニエンス・ストアでは、﹁購入しない﹂が四三.三%と非常に高く、二割未満で六七.
八%と集中していることから、コンビニエンス・ストアで購入する人はきわみて少ないことがわかる。
(497)
167
コンビニ’エンス・ストアの現状と課題
。パン・めん類・惣菜・弁当類・冷凍食品・冷菓など
1商
店1
1 C・V。S
ス ー パ ー
購入しない
168( 14.4)
95(8.2)
1 ∼ 9%
50(4.3)
21(1.8)
10 ∼ 19%
174( 14.9)
20 ∼ 29%
30 ∼ 39%
1(その他デパートなど)
230( 19.8)
93(
637(54。5)
7.9)
73(6.2)
79(6.7)
168( 14.3)
168( 14.3)
192( 16.4)
115( 9.8)
153( 13.1)
79(
6.5)
120( 10.2)
131( 11.2)
104(
8.9)
29(
2.5)
40 ∼ 49%
61(5.2)
121( 10.3)
67(
5,7)
12(
1.0)
50 ∼ 59%
116( 9.9)
173( 14.8)
94(
8.0)
14(
1.2)
60 ∼ 69%
39(3.3)
63(5.4)
30(
2,6)
5(
0.4)
70 − 79%
37(3.2)
72(6,1)
31(
2,6)
3(
0.3)
80 ∼ 89%
38(3.2)
91(7.8)
22(
1.9)
3(
0.3)
90 ∼ 99%
12(1.0)
36(3.1)
19(
1.6)
2(
0.2)
100%
23(2。0)
33(2.8)
19(
1.6)
5(
0.4)
無 記 入
141( 12.0)
計1
総
141( 12.0)
…7・(・・…)1…7・(・・…)「
141(
12.’
O)
141( 12.0)
1・・7・(・・…)「
1,171(100,0)
注:()内は%
。台所用品・衛生用品・医薬品・化粧品・家電製品など
無
総
い%%%%%%%%%%
な9192939495969798999
100%
記 入
計1
商
1
店}
87(
7;4)
21(
1.8)
92(
ス ー パ ー
193( 16.5)
35(
1 C。V・S
507(43.3)
1(その他一デパートなど)
455( 38.7)
3.0)
95(8.1)
7.9)
131( 11.2)
192( 16.4)
127( 10.8)
151( 12.9)
106(
9.1)
99(
138( 11.8)
125( 10。7)
46(
3.9)
90(
7.7)
22(
1.9)
44(
3.8)
82(
7.0)
171( 14.6)
74(
6。3)
133( 11二4)
50(
4.「
R)
154( 13.2)
8.5)
25(
2.1)
69(
5,9)
58(
5,0)
45(
3,8)
9(
0.8)
15(
1.3)
67(
5,7)
54(
4.6)
9(
O.・8)
21(
1.8)
80(
6.8)
46(
3.9)
7(
0.6)
16(
1,4)
43(
3.7)
21(
1.8)
4(
0.3)
5(
0.4)
63(
5.4)
21(
1.・8)
7(
0.6)
11(
0.9)
142( 12.1)
142( 12.1)
142( 12.1)
…7・(・・…)1…7・(・・…)1…7・(・・…)1
142( 12。1)
1,171(100.0)
注:()内は%
(498)
168
コンビごエンス・ストアの現状と課題
これらの商品は、全体的にみると、ばらぼらで購入場所も定まらず、買回り品としての特微があらわれている。したが
って、地元への依存度をとくに高めてはいないといってよい。
レ . ﹃. ’
⑤はだ着、くつした、軽衣料など
﹁購入しない﹂をみると、商店二九・八%、スーパー三四・八%となっていて、三割未満を合わせると、商店五五・五
%、スーパー五七・六%と非常に高い割合になっている。また、 コンビニエンス・ストアでは、﹁購入しない﹂が六六%
と高く、大半の消費者が購入していないことがわかる。一方、その他、については、﹁購入しない﹂が一五・五%と低く、
一〇割が一.一・五%と五割以上に数値が集っている。したがって、商店、スーパー、コンビニエンス・ストアで満足ので
きない消費者の大半が、都心に流出しているものと考えられる。
この結果から、商店、ス:パi、コンビニエンス・ストアは、消費者の好みに合った商品を提供していないことがわか
る。また、他の地域で非常に多く購入されているのは、消費者の購買心理をよぐつかんだ商品構成とショッピングを楽し
める雰囲気によって、顧客を確保しているものといえよう。
⑥書籍、雑誌、文房具、玩具など
商店では、一〇割が一九%と多く、五割以上で七一・四%と大部分の人が商店で購入している。スーパー、.コンビニエ
ソス・ストアでは、三割未満が約八割となり、ほとんど購入されていない。その他、では六割未満で約八割となっている。
このように、これらの商品購入は、商店依存度が非常に高いが、一方で都心の店も多少利用されている。
⑬ 商店︵,一般小売店﹀、スLパ,i、コンビ一一エソス・ストアについてσ評価
(499)
169
コンビニエンス・ストアの現状と課題
。はだ着・くつした・軽衣料など
商
1
店
い%%%%%%%%%%
な9192939495969798999
無
100%
記 入
総
計
ス ー パ ー
1 C・V・S
1(その他デパートなど)
773( 66.0)
181( 15.5)
67(
5.7)
20(1.7)
113( 9,6)
83(
7.0)
58(5.0)
122( 10.4)
108( 9.2)
38(
3.2)
66(5.6)
61(5.2)
70(6,0)
16(
1.4)
66(5.6)
54(4.6)
46(3.・9)
7(
0.6)
59(5.0)
102( 8,7)
88(7.5)
16(
1.4)
157( 13.4)
24(2.0)
37(3.2)
3(
0.3)
50(4.3)
19(1.6)
26(2.2)
3(
0.3)
55(4.7)
37(3.2)
30(2.6)
4(
0.3)
109( 9.3)
17(1.5)
12(1.0)
3(
O.・3)
62(5.3)
54(4.6)
34(2.・9)
5(
0,4)
135( 11。5)
153( 13.1)
153( 13。1)
349(29.8)
407( 34.8)
51(4,4)
47(4.0)
128( 10.9)
153( 13.1)
1
1
・,・7・(・・…)i
153( 13.1)
・,・7・(・・…)1
1
1,171(100.0)
1,171(100.0)
注:()内は%
。書籍・雑誌・文房具・玩具など
1商
店
t ス ーパー 1 C・V・S
1(その他デパートなど)
%%%%%%%%%%
9
9
94
95
96
97
989
19
23
99
1
05
06
07
080
0
10
20
34
90
421( 36.0)
35(
3.0)
565( 48.3)
615( 52.4)
Al
9(
0.8)
120( 10.2)
106(
N
N
N
N
N
N
N
N
N
20(
1.7)
39(
3.3)
93(
7.9)
82(
7,0)
43(
3.7)
43(
3.7)
36(
3,1)
77(
6.6)
37(
3.2)
18(
1.5)
14(
1,2)
48(
4,1)
160( 13.7)
14(
1.2)
21(
1.8)
92(
7.9)
6.7)
4(
0,3)
5(
0.4)
17(
1.5)
8.2)
1(
0.1)
2(
0.2)
14(
1.2)
155( 13.2)
3(
0.3)
4(
0.3)
18(
1.5)
1(
0.1)
8(
0,7)
100%
223( 19.0)
3(
0,3)
11(
0.9)
購入しない
無
記 入
計
総
1
79(
96(
157( 13。4)
124( 10.6)
151( 12.9)
1
1,171(100.0)
2(0,2)
151( 12.9)
E
1,171(100.0)
9.1)
131( 11.2)
151( 12.9)
・,・7・(・・…)1
48(
4.1)
141( 11.9)
125( 10.7)
151( 12.9)
1,171(100.0)
注:()内は%
(500)
170
コンビ三エンス・ストアの現状と課題
この調査方法は、①商品の豊富さ、②商品に対する適正価格、③商品の品質・鮮度の良さ、④接客態度・サービスの良
さ、⑤営業時間、⑥ショッピングが楽しめる雰囲気、⑦店舗への入りやすさ、⑧価格表示の明確さ、⑨店舗の清潔さ、に
ついて、それぞれの項目ごとに、
(商店)良い・満足 悪い・不満足 普通・どちらでもない
’
0.9
(スーパー)
,’
’
店
5.5
商
、
店
、
商
30.2
25.4
44.4
100%
50
0
47.4
20.7
31.9
消費者「
13.6
80.9
4.8
16.2
79.0
C・V・S
14.5
67.3
C・V・S 18.2
13.5
85.6
消 費 者
52.0
消 費 者 23.8 24.2
、
(C・V・S)
、
良い︵満足︶、悪い︵不満足︶、普通︵どちらでも
ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ ヘ へ
ない︶に分けて回答を得た。
﹁コンビニエソス・ストア﹂に対しては、自店
を基準にして、近くの﹁商店︵小売店︶﹂と﹁スー
パー﹂を項目別に比較して、どのように評価する
かについて、優れている、劣っている、同じ、に
ヘ へ
分けて回答を求めた。
﹁商店︵小売店︶﹂に対しては、自店を基準にし
て、近くの﹁コソピニエンス・ストア﹂と﹁スー
パー﹂を項目別に比較して、どのように評価する
かについて、優れている、劣っている、同じ、に
分けて回答を求めた。
(501)
171
ヘ ヘ へ
① 商品の豊富さ
﹁消費者﹂に対しては、﹁商店︵小売店︶﹂と﹁スーパー﹂と﹁コンビニエンス・ストア﹂について、どう評価するかを、
商店,スーパー,C・V・Sに対する評価
コンビニエンス・ストアの現状と課題
(商店)良い・満足 悪い・不満足 普通・どちらでもない
商
店
、
商
100%
50
0
、
、
30.6
44.4
25.0
、
、
,/
\
45.5
消費者1
25.4
11.9
62.7
C・V・S
\、
1.6
(スーパー)
29.1
32.8
38.1
店
27.5
70.9
消 費 者
41.1
32.1
26.8
C・V。S
、
、
、
、
(C・V・S)
以上の﹁消費者﹂、﹁コンビニェソス・ストァ﹂、
﹁商店﹂の三者が、それぞれの角度から、﹁スーパ
ヘ ヘ のが注目される。反面、商店に対しては、消費者︵二三・八%︶よりもコンビニエンス・ストア︵一八・二%︶の方が、
ンス・ストア、商店の順となっている。大型店のもつ魅力が、品揃えの豊富さにあることがはっきりとしてくる。
このように、商品の豊富さについては、三者ともスーパーに最も高い評価を与え、大きく差をつけられて、コンビニエ
品揃えにきびしい評価をしていることがわかる。
へ
i﹂とも比較したものを、各項目ごとに図にまと
大体同じ評価である。
については、商店やコンビニエンス・ストア側も
ー︵八五・六%︶を圧倒的に支持している。これ
﹁消費者﹂は、商品の豊富さについて、スーパ
ことの一つに﹁商品の豊富さ﹂がある沿
門消費者が、小売店を選らぶ上で、最も重視する
①商品の豊富さ
めて、以下分析を行うことによる。
へ
﹁コンビニエソス・ストア﹂については、消費者︵一一二・九%︶よりも,商店︵四四・四%︶の方が高い評価をしている
1
55.9
21.6
22.5
消 費 者
172
(502)
② 商品に対する適正価格
コンビ三エンス・ストアの現状と課題
」L+,
(スーノ)e−)
1
(t−・
(C・V・S)
100%
50
しいものと受け取るべきであろう。このことは、商
品価格に対する消費者の不信感とみるぺきであり、
コンビニエンスストアと商店は適正価格を消費者に
理解させるための販売戦略の展開が必要である。そ
のことが、スーパー志向の消費者を呼び戻すための
対策にもつながるのである。 一
③商品の品質・鮮度の良さ
﹁消費者﹂は、商品の品質・鮮度の良さについて、
商店︵六二・五%︶に対して最も高い評価を与えて
いる。これは、主として生鮮食料品が中心になるが、
商店の専門的な商品の対応と小回り性が高い評価を
73
得ているのであろう。この項目では、スーパー︵四 1
(503)
②商 品 に 対 す る 適 正 価 格
﹁消費者﹂は商品に対する適正価格をスーパー︵七〇・九%︶に高く評価していることがわかる。コンビニエンス・ス
トア側の評価︵六二・七%︶も大体同様であるが、商店側の評価︵三八・一%︶はきわめて低くなっている。ついで、消
③商品の品質・鮮度の良ざ’
費者は、コンビニエンス・ストア三六・一%、商店二二・五%と評価しているが、この両者に対する評価はかなり手きび
.1
・L−一」一」一]_」L』一一一.L_一」
0
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商
’
、°
、
’ ,
’ t
37.0
1 47♂5
店臨
26.0
消費者「痂
44.3
44.3 ’ 11.4
C・V・S
、を
、〃
店
’御
商
i 、
..33.9
, 41.4
24.7
、
’
,46.9
8.8
44.3
消 費 者
Q」7・8
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35.1 1“ 「t :
31.6’.
33.3e
C・V㌔S
29.7
62.5
消喪者
普通・Pどちちでもない:
(商店)八良びt一満足 悪い∴,不満足:
コンビニエンス・ストアの現状と課題
@6●7 、、
(スーパー)
・
\、
、「レ、
(C・V・S)
52.6
消費者「
,
、
、
、
販売高を伸ぽすことはできない。
④接客態度・サービスの良さ ・ ,
﹁消費者﹂は、接客態度・サービスの良さで、商店︵五一
四・三%︶やコンビニエンス・ストア︵一二・七
嘱 %︶よりもはるかに高いことがわかる。
いずれにしても、商品の品質・鮮度の良さは、
商店の売り物であり勝負どころであることがはっ
きりしたわけであるが、反面、コンビニエンス・
一・四%︶を約半数が上げているが、普通とする者も四割を占
ストアは、評価が最も低いところから、消費者に対する商品の品質・鮮度の良さの信頼を回復しなけれぽ、生鮮食料品の
’
、、 ・
商
44。8
店115.9
37。7
44.6
店117.7
商
、
,”
36.8
40.4
C・V・Sl22.8
、、
t
’
59.1
13.1
.27.8
消 費 者
174
(504)
’ り
,’
28.1
31.6
40.4
C・V・S
40。9
52.4
消 費 者
普通・どちらでもない
店)良い。満是 悪い・.不満足
(商
接客態度・サービスの良さ
④
コンビニエンス・ストアの現状と課題
めている。商店は、対面販売が特微であってみれぽ、このことに、消費者から高い評価が得られなくては、商店の生きる
道がなくなってしまう。それにしては、消費者の商店に対する評価は低いものといわざるを得ないし、商店はこの評価を
きびしく受け止めて接客態度やサービスの向上に積極的な対応が急がれる。
も竃
店
商
、
、
37.4
、
、
’
13.4 13,4
73.2
、
、
、
店
”
商
100%
50
0
、
、
、
、
31.3
31.3
、
、
18.3
43.4
38.3
C・V・S
、
、
、、
、
、
53.5
17.4
29.1
消費者
38.4
’i肖 費 者114.9
14.3
(スーパー)
1.65.8
(C・V・S)
消費者
を与えているのは、近隣型店舗としての親しみの
ある店としてのコンピエニソス・ストアの努力も
多少認められているものと思われる。
⑤営業時間
﹁消費者﹂は、営業時間について、コンビニエ
ソス・ストアに対して九二・六%と最も高い評価
を与えて明確にしている。この点については、商
店側の評価︵七三・二%︶も高い。しかし、商店
に対して消費者は一四・九%と最も低い評価を下
し、スーパーの二九・一%よりもいちじるしく低
くなっているのは、きわめて重視しなくてはなら
(505)
175
スーパーに対しては、セルフサービス方式の販売であるため低くなるのはむしろ当然のことである。一方、コンビニエ
(商 店)良い・満足
51.8
33.9
C・V・S
悪い・不満足 普通・どちらでもなV
ンス・ストアに対しては、消費者がやや高い評価
Σ
⑤ 営業時間
コンビニエンス・ストアの現状と課題
(商 店)良い.・満足 悪い・不満足 普遣・,ごち5でも客い
覧も
・\\
C 。V・Si13.0
(スーパー)
、 、
、 「●
店
、
商
18.6 15.4
66.0
”
G
(C・V・S)
54.2
、
店
、
商
37,7
〇 50 ・ 100%
ない問題である。スーパーは、いうまでもなく大
型店規制によって営業時間が制約されているにも
かかわらず、そのスLがーよりもはるかに営業時
間の面で消費者から不満をもたれている商店であ
っては、利用客が減少するのは無理もないことで
ある。商店に対する営業時間の見方は、消費者の
みならず、コンビニエソス・ストア側の評価も、.
悪いが五一・八%と最も高く、スーパーの四三・
四%よりも悪い数字になっている。
コンビニエンス・ストアについては、長時間営
業︵二四時間原則︶が売り物であるからこの評価
は当然であるが、商店が大型スーパーマーケット
る。消費者が、商店で買物をしようと思っても、満足のいく買物ができないような営業時間である、という消費者の評価
てもそうであったが、商店および商店街の営業時間の対応は、消費者二ーズを無視しているとしかいいようがないのであ
ストアからも手きびしい評価を受けているようでは、まことに困ったもの であ
る
。
すでにみてきたように、定休日につい
に対抗するには、営業時間が重要な対策である。にもかかわらず、消費老の
評
価
が
き
わ
め
て
低
い
上
に
、
コンピニエンス・
、
117 35.0
53.3
C・V・・S
JI!zu2:L
55.9
消費者
16.4
29.4
消費者「
12,9.‘−L.19;t
消 費 者肛1.0
176
(506)
⑥ショッピングを楽しめる雰囲気
コンビニエンス・ストアの現状と課題
(商 店)良い・満足 悪い・不満足
、、、
0.8
(スーパー)
店
”
3.7
(C・V・S)
商
100%
50
0
20.3
19.3
60.4
ノ ’
’ ,’
29.8
二・九%と非常に高くなっているし、商店がコン
ビニエンス・ストアに対しても悪いが三七・二%
となっていて、両者の間には消費者以上にきびし
い見方がなされていることがわかる。
⑦店舗への入りやすさ
﹁消費者﹂は、店舗への入りやすさについて、
スーパー︵八四%︶とコンピニエソス・ストア
︵七四・二%︶に対して高い評価を与えている。
スーパーについては、商店側も六割と高いのに対
して、コンビニエンス・ストア側は四五・六%と
かなり低い数値となっている。これはセルフサー −
η
(507)
は、現状の商店および商店街のあり方をそのままいい表わしているように思える。
⑥ショッピングを楽しめる雰囲気
ショッピングを楽しめる店の雰囲気については、消費者もコンビニエソス・ストアも商店も大体同じような評価をして
いる。スーパーに対して最も高く、ついで、コンビニエンス・ストア、そして商店となっている。しかし、コンビニエン
、
も、
,”
商
,’『’
,”
,”
28.7
41.5
店
”
C・V・S
22.1
74.2
消費者
8.8 45.6
45.6
15.2
84.0
消費者
34.5
46.5
C・V・Sl19.0
52.4
31.7
7肖 費 者115.9
普通・どちらでもな
ス・ストアは、商店に対して悪いとするものが六
い
⑦店舗への入りやすい
コンビニエソス;ストアの現状と課題
、
、
覧亀
店
/’ P
商
4‘2
(C・V・S)
’
正:巫コr
ノ 16.4
24.3
59.3
!
商
陳
30.1
47.0
店
19.41、
76。4
清費者「
”
51.7
C・V・S
’ ,’
噂
14.8
84.1
消費者
37.7
,46.2
C・V・’S’ P16.1
46.5
39.6.
消費者i13.9
、
Ll
(スーパー)
’ ,’
3.3
・一一」_一_二L⊥_一」
50
0
100%
ピズ方式をとる同業者としてのきびしい専門家と
しての評価ともいえるのかも知れない。
78
﹁−
ここでも問題になるのは、商店に対する評価が
非常に低いということである。営業時間や定休日
についても不満足であり、店舗へも入りにくいと
いうことになると、商店は一体なにを魅力として
消費者を引きつけるのであろうか。消費者二ーズ
を根本的につかみ直すことから商店経営を再出発
させる以外に道はないといえよう。それは、個々
の商店の努力もさることながら商店街ぐるみの組
織としての対応も不可欠となるのである。
⑧ 価格表示の明確さ
価格表示をはっきりとするということは、その店の信用のバロメーターでもあるわけであるから、商店もこの点での顧客
この点については、消費者も認めているところである。しかし、商店に対しては、消費者の四割もが悪いと指摘している。
価格表示については、セルフサービス方式をとるスーパーやコシビニエンス・ストアが明確であることは当然である。
(商’店〉良い.瀧悪い.不齪普通・’どちら%もない
の信頼を得るよう努力すぺきであろう。
(508)
⑧ 価格表示の明確さ t− ” :
コンビ写エン’7 ’・ストアの現状と課題
:・、ー .° . ° ’
、
65.1
消費者「
30.1 享9.1
50.8
r 辱 ’
、
、
店
商
100%
50
0
20.6
33.7
45.7
’
’
’
、
’
ここでも、商店に対して店舗の清潔さがあまり
感じられていないわけであるから、店舗改装に資
金をかけなくても、日常の努力によって、消費者
に対して清潔感を与えることは十分可能である。
これは、顧客に対する精神的なサービスともいう
ぺきものであるから、商店の経営者や従業員の接
客態度や商品管理の向上によって、店舗の清潔な
イメージづくりができ上るのである。
以上みてきた商店︵一般小売店︶、スーパー、コ
ソビニエソス・ストアについての評価を要約する
と、つぎのようになる。
商店に対して、消費者から﹁良い・満足﹂と評 −
79
(509)
⑨店舗の清潔さ 店舗の清潔さについて消費者は、コツビニエソス・ストアの方にスーパーよりもわずかながら高い点数を与えている。
2.3
(スーパー)
40.3
9.7
50.0
C・V・S
25。0
51.8
C。V・Sl23,2
35。5
62.2
消 費 者
61.2
116。1
消費者122,7
悪い・不満足普通・どちらでもない
(商 店) 良い・満足
30.2
反面、商店側のコンビニエンス・ストアに対する評価はきびしくなっているし、コンビニエンス・ストア側も商店に対し
店
、
商
4.7
(C・V・S)
てはいたってきびしい見方をしている。 ’
⑨ 店舗の清潔さ
コンビニエンス・ストアの現状と課題
価されたものは、﹁商品の品質・鮮度の良さ﹂︵六二・五%︶、﹁接客態度、サービスの良さし︵五二・四%︶の二つだけで
あり、あとの評価は非常に低くかつきびしい。 一方、 コソビニソソス・ストア側から商店を評価したもので、﹁良い・満
足﹂となっているものは、﹁接客態度・サービスの良さ﹂だけであり、大変きびしい目で商店を評価している。
スーパーマーケットに対する消費者の評価で、﹁良い・満足﹂としたものは、﹁商品の豊富さ﹂︵八五・六%︶、﹁適正価
格﹂︵七〇.九%︶、﹁ショッピングを楽しめる雰囲気﹂︵五五・九%︶、﹁店舗への入りやすさ﹂︵八四%︶、﹁価格表示の明
確さ﹂︵七六.四%︶、﹁店舗の清潔さ﹂︵六五・一%︶となっていて、スーパーマーケットとしての特徴がはっきりと表わ
れている。これに対し、商店側とコンビニエエス・ストア側は、全体的に消費者とほぼ一致しているが、とくに商店側で
の評価にはいくつかの項目でくい違いがみられる。
コソビニエンス・ストアに対する消費者の評価では、﹁営業時間﹂︵九二・六%︶、﹁店舗への入りやすさ﹂︵七四・二%︶、
﹁価格表示の明確さ﹂︵七六.四%︶、﹁店舗の情潔さ﹂︵六五・唱%︶を良いとして認めている。この点についても、商店
側の評価は、いくつかの項目で消費者の評価とのくい違がみられる。
これまでの結果をまとめると、商店については、全体的に評価が非常に低いということである。商店としては、商品に
対する適正価格、商品の品質.鮮度の良さ、接客態度・サービスの良さ、価格表示の明確さでは、もっと﹁良い・満足﹂
の比率が高くなくてはならないはずである。ただ物を置いて商品を売る時代は遠くに消えてしまった。いかにして消費者
にサービスを提供するかであり、自からの手で消費者を引き込む積極的な対応策をとらないと、商店の生きる道がないの
である。一方、商店側からのスーパーやコンビニエンス・ストアに対する評価については、きびしさが目につくが、逆な
180
(510)
コンピニェンス・ストアの現状と課題
見方をすれば、商店側の認識に甘さがあるといえよう。消費者不在の商店経営を根本的に改めて、消費者のための商店を
目ざした対応が強くのぞまれる。
ス!パーに関しては、商品の品質・鮮度の良さ、接客態度・サービスの良さについて力を入れるべきであろう。品質に
ついては、﹁安かろう悪かろう﹂といった考え方を消費者がいまなお比較的多くもっていることから、徹底的な管理対策
がのぞまれる。
コンビニエンス・ストアについては、商品の品質・鮮度の良さに特に力を入れる必要がある。また、商品に対する適正
価格、接客態度・サービスの良さにも力を入れる必要がある。コソビニエンス・ストア側のスーパーや商店に対する評価
は、きびしいものがあるが、これは、以前に小売店を経験した人が多いだけに、きびしい目でみているものと思われる。
しか七、商店側の評価にもみられたような甘さもないとはいえない一面もある。
㎝ コソビニエンス・ストア出店による便利度... 一
コンビニエンス.・ストアの出店によって、﹁生活が便利になった﹂︵六八・九%︶は約七割と高くなっている。コソビニ
エンス・ストアは、便利性を消費者にサービスとして提供していることが支持された結果とみてよいであろう。
年代別にみると、やはり一〇代、二〇代の若者が最む多く、約八割にも達していて、長時間営業その他で圧倒的な支持
を受げているからである。いいかえれば、コソビニエソス・スドア自体、一〇代、二〇代の若者をメイソ・ターゲットに
しているということができる。,
゜ ’
﹁いいえ﹂︵一九・六%︶では、三〇代︵二七・九%︶、四〇代︵二五・三%︶に多くなっている。この年代の人は、コ
(511)
181
’コンビi三ンス:・ス・ト・アの現状と課題
N 、
Ss 、
12.816.0
81。2
’
17・4 17.4
65.2
、、、
ぎ
16.3 19。5
64.2
19.4
25.3
65.3
100%
50
/’
、
、
4。5
14。6
80.9
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,o
’
’
” ,’
,” ,”
\ぐ\
へゐへの もらり
ソビニエンス・ストァを買い忘れ品などの
補助的用途で利用しているためであり、主
たゐ買物は、小売店やスーパーを利用して
いることを示している。
20 コソビニェンス・ストア商品への満
足度
コンビニエンス・ストアに置いてほしい
−商品が﹁ある﹂︵二一・二%︶、﹁ない﹂︵六
・一・六%︶となっていて、約二割の人が現
在の商品構成に不満をもρていることがわ
かる。
が多く、とくに二〇代が中心である亡とが注目される。 ’ ° ° 、
具体的に商品をあげると、﹁鮮度のよい生鮮食料品﹂、﹁青果﹂、﹁酒﹂、﹁種類を全般的に増やしてほしい﹂、﹁鮮魚﹂など
決して低くなく、消費者の二重構造がみられる。
に、これまでの品揃えに飽きがきている層がある反面、同じ一〇代、二〇代で置いてほしい商品が︹ない﹂という比率も
これを年代別にみると、利用頻度の高い一〇代︵二六・七%︶、三〇代︵三〇・
五
%
︶
に高いことがわかる。このよう
総n2・3・°如5・6・職不
0
はい いいえ 無記入
計代代代代代・代肚明
、
、
27・9 113.4
58.7
38.1
15.8
46.1
19。6 監11.5
68.9
182
(512)
年代別のC・V・S出店による便利度
コンビニまンス・ストアの現状と課題
、
、、
,’
、、
’
’
’
伽レ
88
’
’
,
’
’
’
ρσ
覧、
’43。5
56.5
.上
以
吠
,’
7
代1箪
’
,
’
,ノ
’
格は㌔.﹁高い﹂ ︵七三・.六%︶どいう意識をもっている。
いと憾じている。 ,,
とくに、
また、﹁高くない﹂︵=ハ・九%︶とする人の中で四〇代では二一
(513)
二〇代の若い主婦が、できあい物、イン
スタント食品の多い商品構成から、もっと
生鮮食料品を多く置いてほしいとのぞんで
いることか眠︾もっど商ロ賦構成を研究して、
地域住民と密着した品揃えを行なう必要が
コ あり、また消費者の欲求は、絶えず変化す
るものであるから、それに対して積極的に
対応していく努力が必要である。
⑳ コソピニェγス・ストア商品の価格
と利用回数
消費者は、コソビニエンス・ストアの価
二〇代の約八割が、価格が高
利用頻度の高
い 一 〇 代、
一%となっているが、この層は、コソピニエソス.
﹁利用したことがない﹂で﹁安い﹂といっている人が、二八%とほぼ同数であることから、
鵬
ストアから離れているといえよう。
これを利用頻度別にみると、
81’:8
、
馬、
不明「蕊
’
’
100%
50
0
46.0
47.4
60
31.7
57.7
代110.6
’50
20.0
65.3・・
代1研
40
18.5
59.8
代LeEL
30
4.0
69.3
、。喪「薦一
翼
62.8
代L』亜
20
6i.6
言十 1 21;2L
総
無記入
tある ない
ほ ロ ヘ コ
年代別の商品への満足度
コンビニエンス・ストアの現状と課題
年代別の価格に対する意識
高い 安い 無記入
総 計
73.6
16。99.5
\ \
81.2
14。9 3。9
20 代
80。9
14.2
30 代
72.8
40 代
70.0
21.1
@代
69.1
18.7
4.9
﹂
’
10 代
’
9。8
,88
50’
17.4
8.9
12.2
”
”
’ ,’
”
60 代
51.3 15.8 32.9
、 、
、 、
、 、
、
70代以上
60.9
21.7
17。4
、
、覧
、
、
、
不 明
72.7
0
18.2 9.1
50
100%
利用頻度別の価格に対する意識
高い 安い 無記入
たまに利用する
75.7
17.9 6.4
’
ほとんど利用しない
58.6
’
25.3
’
’
’
16.1
,’
利用したことがない
34.4
・0
(514)
28.0
50
37.6
100%
184
コンビiエンス・ストアの現状と課題
四〇代にコンビニエンス・ストア離れの傾向がはっきりとよみとれるのである。一方、﹁たまに利用する﹂人は﹁高い﹂
︵七五.七%︶という人が非常に多くみられる。しかし、 コンビニエンス・ストアの今後の経営方針としては、従来の価
格で、この人たちをどう固定客化し、利用頻度を高めるかが重要課題となろう。
⑳ コンビニエンス・ストア進出による小売店への影響
コンビニエンス・ストアの進出によって、一般小売店に影響がでていると﹁思う﹂が四八・七%、﹁思わない﹂が四〇・
三%となっている。
その理由については、つぎのことをあげている。
小売店に影響がでると﹁思う﹂理由
.長時間営業している 一八二人
.一カ所でまとめ買いができる 七〇
.商品の種類が豊富である 六八
.店に入りやすい 五六
.価格が安い 四七
.商品を気軽にみれる 四四
.便利である 四一
.買物がしやすい 四一
(515)
185
コ.ゾピ三土ン入・スド7・の現状と課題
小売店に影響がでると﹁思わない﹂理由
・価格が高い
・小売店の営業時間外に利用する
・客層がちがう
・商品の種類が少ない
・小売店のほうが品物の種類が豊富である
コンビニエソス・ストアと小売店とのちがいをはっきりと上げている一方、
﹂小売店のほうが品質、鮮度にすぐれている
このように、影響がでると﹁思う﹂人は、
コンビニエンス・ストアに魅力︵必要性︶を感じていない人たちであるとい
非常に多くの問題点を指摘している。小売店もコンビニエンス・ストアも消費者二iズ
﹁思わない﹂とする人は、利用頻度も低く、
えよう。
こ二にあげられている理由は、
の
で
あ
る
が
、個性化・多様化に対応するための努力を怠らないことが重要である。と
を満足させることは容易ならざるも
くに、小売店は、上記の理由を十分 理 解 し て 、 顧客二iズや地域二ーズに合わせた商品の絞り込みと商品構成の見直しが
必要であろう。
,
186
(516)
一一一
四四
四八八五二四
コンビ=1エソ入・ストアの現状と課題
W コンビニエンス・ストアの課題
1 小売形態にみる経営管理の課題
実態調査によって、コンビニエンス・ストアと一般小売店との間には、経営管理面や経営者の意識において、大きな違
いがあることが明らかにされた。
経営管理状況をみると、コンビニエンス・ストアの加盟店・直営店は、本部からの各店への指導が行なわれているため
に、損溢分岐点の把握、資金ぐり表の作成、経理と家計の区別、品種別売上高、客単価資料の作成などがよくなされてい
る。
それに対して、・コンビニエ﹁ンス・ストアの非加盟店︵独立店︶・一般小売店は、経営管理のすべての面に関して、前者
より劣り、とくに品種別売上高、客単価などの販売管理面での資料作成がなされていないことが目立っている。また、商
品管理面での品質・数量チェックの実施率も、加盟店・直営店にくらべて、独立店・小売店は低くなっている。
商店をとりまく経営環境が一段ときびしくなっている今日においては、経営面を計数的に把握して、消費者の二iズに
即応した商品仕入、商品構成、商品管理を行うことがとくに要求されるところである。経営管理面の格差が商店格差とな
ってあらわれているのである。
﹁そのほかでコンビニエンス・ストアと一般小売店と比較してみゐと、宣伝・広告を実施している店は、フンピニエソス・
(517)
187
コンビニエンス・ストアの現状と課題
ストアが七割であるのに対して、小売店は四割であり、しかも金額的にもきわめて低い。小売店の経営者は、販売促進面
での宣伝・広告についての認識が不足しているのである。同じことが、商圏設定、客層把握についてもいえる。
今後の経営方針については、コンビニエンス・ストアは販売面での拡大・発展をのぞんでいるのに対して、小売店では
売上げが伸び悩んでいるにもかかわらず、現状を維持したいとするものが多い。
このように、コンビニエンス・ストアの経営者は、積極的な経営意識をもっているのにくらべて、小売店の経営者は消
極的な経営姿勢であることがわかる。
経営管理面や経営者の意識が低い小売店が今後生き残る条件をどこに見い出すことができるのだろうか。そこには、す
でに消費者二ーズに対応していない小売店をよみとることができるが、これからでも決しておそくはないから、小売店経
営者は、自らの経営基盤を充実させ、小売業の役割を十分に認識して、積極的な経営姿勢をとることが急務といえよう。
コンビニエンス・ストアにおいては、現在のところ、加盟店・非加盟店ともに店舗改装をして、近代的・合理的な店舗
構成にしている。商品点数も三、○○○前後で年間一・二億円前後の売上高を上げているが、どのコンビニエンス・スト
アも店舗・商品構成面で画一化された展開がみられ、長時間営業という利便性以外に、消費者の欲求に応える面が少ない
といってよい。今後この点を十分考慮して特徴ある店舗づくりが課題であろう。
また、加盟店は、チェーン本部からのノウハウや情報を十分に受け入れて、非加盟店にないメリットを有効に活用すべ
きである。そして、地域住民にあった品揃えや価格維持をして、独自のチェーン・ブラソド商品を多数取り入れるなどの
対策が必要である。
188
(518)
コンビニエンス・ストアの現状と課題
非加盟店では、他のチェーン加盟店などをまね︵模倣︶した経営がみられ、独立店としてのメリットを十分生かした独
自性が発揮されていない。また、現在チェーン加盟店と同じくらいの高い売上をしている独立店であっても、経営基盤が
充実していない面がみられ、ノウハウや情報面でもチェーソ加盟店にくらぺてはるかに劣っているのが現状である。非加
盟店は、まず自店の経営基盤の充実をはかり、独立店のデメリットである情報収集、仕入面での弱点を解消するために独
自性が生かされる組織化を行なって、多方面からの情報収集、スケール・メリットを生かした商品仕入れを行なうことで
ある。
2 消費者の評価に対する課題
消費者の小売店利用の理由について、一般小売店、大型スーパー、コンビニエンス・ストアとを比較分析すると、一般
小売店を支持するものとして、﹁商品の品質・鮮度の良さ﹂、対面販売による﹁接客態度・サービスの良さ﹂、店が﹁近い﹂
などである。
大型ス:パーでは第一に﹁店舗への入りやすさ﹂、﹁店舗の清潔さ﹂による店舗の魅力、﹁ショッピソグを楽しめる雰囲
気﹂のような魅力ある店舗と商品陳列によって、消費者に買物の楽しさをサービスしていることである。
第二は、﹁商品が豊富である﹂、﹁一ヵ所でまとめ買いができる﹂のように、取扱い商品の豊さと幅広さである。第三は、
﹁目玉商品が多い﹂、﹁値段が安い﹂など、消費者に安価な商品を提供していることである。
その他には、﹁商品に対する適正価格﹂やセルフサービス方式の採用によって、消費者が自由な買物ができることへの
(519)
189
コン.ビニエソス・ストアの現状と課題
支持があげられる。その反面、﹁接客態度・サービス﹂ふ﹁商品の品質・鮮度﹂や’店が﹁遠い﹂ことに対する不満がみられ
る。これは、一般小売店での満足度が高い項目であり、大型スーパーにとっての弱点となっている。セルフサービス方式
といえども、店員の接客態度やサービスは良くなくてはならない。その面での教育訓練がスーパーマーケットの課題とい
える。 ‘ ・
一方、コンビニエソス・洛トァを支持し高い評価を得られているものは、第一に﹁営業時間﹂である。コソピニエゾ
ス・ストアの長時間営業は、一般の小売店やスーパーにはみられない最大の魅力であり、ライフスタイルの変化などによ
って、いゲでも買物ができる乏いう便利さが消費者にうけているのである。 、 °
第二は、店が﹁近い﹂ことである。これは一般の小売店とも同じであり、消費老にとって、コンビニエンス.ストアの
近隣性は魅力の大きな要素である。第三は、﹁店舗への入りやすさ﹂、﹁店舗の清潔さ﹂でスーパーと同じような店舗の魅
力である。その他に、セルフサーピス方式の採用も支持されている。評価が低い︵不満︶ものとしては、﹁商品の豊富さ﹂、
﹁商品に対する適正価格﹂、﹁ショッピングを楽しめる雰囲気﹂﹁目玉商品が少ない﹂、﹁価格が高い﹂があげられ、一般小売
店と同じ内容のものである。一方、スーパーと同じものでは、﹁商品の品質.鮮度﹂、﹁接客態度.サービス﹂が悪いこと
があげられている。
以上のことから、コンビニエソス・ストアは、一般小売店と大型スーパーの長所と短所をうまく取り入れ、一方では長
時間営業という、これまでの小売店にみられなかった魅力を加味していることが大きな特色である。
コソビニエンス・ストアは、全く新しい形態の小売店であり、一般の小売店と大型スーパーとの中間的な存在としての
190
(520)
コンビとエンス‘ストアの現状と課題
位置づけがある。めまぐるしく変化する消費者二ーズや購買行動の個性化、多様化にいかに対応したらよいかを課題とし
てとり組あぽ、コンビニエンス・ストアは、地域住民に支持される小売形態として伸びることが可能である。
消費者が、コンピニエツス・ストアに対して求めている便利さをいかにして実現するかが、.コンビニエンス・ストアの
発展の条件である。このことは、コンビニエンス・ストアが﹁消費者のためにある﹂という基本テーマを実践することに
つながるのである。
しかし、現状のコンビニエンス・ストアをみると、﹁近い﹂、﹁長時間営業﹂の二つの面が満されているだけである。ま
た、’主たる利用者が若年層であることにも問題がある。広く主婦やサラリーマンの各層から顧客を吸収できるだけの商品
構成や価格維持の体制を整えることが必要である。現在のコンビニエソス・ストア経営と消費者二ーズのギャップをどの
ように克服したり、補完的用途で利用する消費者の利用頻度を高めて固定客化をはかるなど、今後に残された課題は多い。
3 一般小売店の課題
わが国の小売店数は、約一六〇万店である。そのうち従業者五〇人未満の中小小売店の割合は九九・七%、販売高は約
八割、売場面積も約九割を占めている。このような全体的な構造面からみると、中小規模小売店が小売業の主体であり、
大規模小売店はその補完的役割を果しているということになる。
しかし、中小小売店のほとんどは零細・生業的経営であり、共同化・協業化によって規模の利益をさめざす姿勢もみら
れないのが現状である。また、計数管理をしていない店が多く、将来の展望に立った経営計画もない。競争力の増強に対
(521)
191
しても消極的であり、経営改善にとりくむ姿勢も気構えもいたって低い。このような状況で、中小小売店の発展がのぞめ
るのであろうか。大型店進出問題以前に、小売店がとり組まなければならないことがあまりにも多いのである。経営者自
身の意識改革は、他人が関知するところではない。政策以前の問題解決は、個人の責任である。政策の中には、意識改革
の問題を盛り込むことはできないのである。そして、最後の判断は、消費者がくだすことになる。いいかえれば、消費者
題 のための小売店経営である。
麻 一般の小売店が・大規模小売店と比較して低くかつ劣るものは・経営資源の籍である・経営技須販売管理技術の向
咽上を実現するための人的・物的経営資源は、資金力や賃金水準の差などから、大規模小売店の方がきわめて優位である。.・
のことが、規模による生産性格差を生む要因となっている。しかし、このことが、一般の小売店の経営効率化、経営の近
代化・合理化を不可能にするものではない。
一般小売店の今後の課題について、産業構造審議会流通部会は、小売業は住民の日常生活に必要な商品を供給するとい
う生活に不可欠な機能を果すものであるが、一般小売店は地域住民にとって最も身近な存在であり、十分な存立基盤を有
しているとして、つぎのような方向にその特色を活かしていくべきことを提言している。
①商 店 街 の 連 携 の 強 化
大規模小売店は、ワソストップショッピソグを一つの魅力としているが、中小小売店においてもその地域的な横の連携
によって、機能的にもこれと同様の魅力をもたせることが可能となる。
② 専門店化
192
(522)
状
コンビニエンス・ストア
コンビニエソス・ストアの現状と課題
中小小売店は、大規模小売店にくらべて品揃えは当然少なくなちざるを得ないがn限られた範囲に商品を絞るヒとによ
って、その中では大規模小売店に劣らない品揃えが可能となる。また、規模の利益の少ない知的な対面サービス等におい
ては、大規模小売店と十分に対抗することが可能であろう。
③ボランタリーチェーン化、フランチャイズチェーン化
中小小売店が規模の利益を志向する手段としては、ボランタリーチェーソ、フランチャイズチェーγ等に加盟すること
が、最も容易かつ有効であちう。これによって、単に店舗の効率化というだけでなく、経営の効率化も可能となるのであ
る。
また、最近目立ちはじめた動きとしては、一般小売店が集まってデベロッパーとなり、スーパーなどの大規模小売業を
キーテナントに誘致して行なうショッピングセンターの開発があり、その積極的な対応姿勢は評価されよう。
以上のような提言を具体化するためには、本稿でこれまでに実態調査をもとに解明してきた事項が十分生きるはずであ
る。小売店調査と消費者調査との両面からの分析によって、具体的な解決策が明示されているので、現実に向けて活用し
てほしいものである。
4 コンビニエンス・ストアの課題
わが国のコンビニエンス・ストアは、基本的には、大規模小売店︵主に大型スーパーマーケット︶が提供できない便利
93
さを消費者に提供することによって存在するものである。 −
(523)
コγビニエンス1ストアの現状と課題
・大規模小売店は、広い店舗規模、計画的、合理的なシステムの導入により、大量仕入れの実現とセルフサービス方式の
導入により、①経済面︵低価格×②心理面︵店内で気楽に自由な買物ができる︶、③品揃え面︵ワソストップショッピン
グ︶などの便利さを提供しているが、消費者は、一方において、近くで、いつでも買いたいという、④距離面︵近隣性︶、
⑤時間面︵長時間営業︶の欲求を同時にもっている。しかし、これは立地条件、労働事情、法的規制などから、大規模小
売店では応じるこ,とが困難であり、住宅に近く、少ない従業員で経営する小規模小売店でなけれぽ提供できない便利さで
ある。
このような消費者の二iズに対応して展開しているのが、.コンビニエンス・ストアである。したがって、コンビニエン
ス・ストアは、単なる小規模小売店ではなく、大規模小売店が導入して成功している近代的、合理的な経営管理や経営シ
ステムを積極的に導入し、規模の利益や省力化を実現して、近くて気楽に買える便利さに加えて、商品を安価に買えると
いうサービスを提供するものでなくてはならない。このような近代的・合理的な新しい小売形態として定着したときに、
コンピニエソス・ストアは、大型スーパーと一般小売店との中間的な存在としての価値を発揮できるのである。店舗のも
つ意義と特色をしっかりと把握した、小売店経営をしなければ、存在価値を失ってしまうことになる。
コソビニエンス・ストアの現状をみると、幅広い客層︵主婦層︶の獲得をめざして、生鮮食料品を比較的多く取り扱っ
ているものと、.客層を若者層に絞り、ファースト・フードと一般食料品に重点をおいたものとの二極分化傾向がみられる。
コソピニエソス・ストアが、消費者のためのものであり、消費者二ーズに応ずる店舗であるためには、スーパー的な商
品構成、とくに生鮮食料品の取り扱い量をふやすことが必要となってくる。しかし、生鮮食料品は、ロスが多く、コン.ピ
194
(524)
コンビ.ニエンス・ストアの現状と課題
ニエンス・ストアが追求している経営の効率化・合理化と一致七ない面もでるので、今後このギャップをどのように埋め
ていくかが、大きな課題である。
コンビニエンス・ストアそのものは、単一の店舗であるが、経営の効率化と規模の利益を追求するためには、チェー
ン・システムをとることが必要である。現状のチェーソ・システムとして、コソピニエンス・ストアに特に関連のあるも
のは、フランチャイズ・チェーンとボランダリー・チェーンの二つの形態がある。
①フラソチャイズ・システム
フ一17ンチャイズ・システムには、水平的関連の組織化がほとんど認められず、垂直的関連の組織化である之いえる。
フラソチャイズ・システムにおいては、本部︵フランチャイザー︶は、商品、ノウハウなどの開発とその円滑な流通と
チェーソ全体の運営に努力を集中し、加盟店︵フランチャイジー︶は、それに基づいて販売に全力を傾注する。そして、
すぺての加盟店は、原則とし同じ品揃え、同じ販売方法、同じサービスの提供を行うわけである。
.このような関係は、レギュラー・チェーソ本部と支店との関係に類似していて、本部と加盟店は異なる事業者でありな
がら、契約によって、あたかも一つの資本で結ぼれて経営しているというイメージを消費者に与えている。と同時に、経
営効率についても一つの資本の企業体と同じレベルのものが期待できるのである。
本部側にとっては、限られた人材や資本で急速に販路の整備や事業の拡大ができ、勤労意欲の高い独立経営者をフルに
活用することができる。また、自社の所有するノウハウに対しては、加盟店から、加盟料やロイヤリティを受けとること
ができるという利点がある。
(525)
195
コンビニエンス・ストアの現状と課題
゜加盟店にとっては、.すでに開発され、研究された本部のノウハウを利用したり、本部の融資、リース、商品供給によっ
て、不十分な資金や経営者能力︵素人が多い︶であつても創業ができ、独立の経営者と七ての地位が得ちれることにメリ
ットがある。 ° . ° ﹁ ﹁ .. ’.9 . ’
.また、コγピニエンス・ストアに陳列する商品は、具体的に形のあるハーードウレェア商品である。しかし、これをどのよ
ヶに陳列すればよく売れるか、毎日の売上げをどのように把握したらよいか、それをどう記帳するか、いかにして経営管
理のための諸比率を算出するか、・などの知識は、具体的に形になっていない。しかし、これらは、コンビニエンス・スト
アの経営にとって欠くことのできない重要な役割を果たすソフドウェア︵ノウハウ︶であって、本部が加盟店に供給する
重要な商品である。すなわち、ハードウェア商品とソフトウェア商品が有機的に組み合わされて、はじめてコンビニエソ
ス・ストアが機能的かつ効率的に経営されるのである。
しかし、実態調査結果によれば、加盟店側には、店の個性が発揮できない、ロイヤリティが高いなどのデメリットや不
満が多くみられる。これらのことを解決していくことが、コンビニエンス・ストアのフラソチャイズ・システム化をさら
に推進するための課題である。
②ボランタリー3チェーン
ボランタリー・チェーンは、多数の小売業が企業としての独自性を保ちながらも、その経営のいくつかの部分について
は﹂一つの組織体として共同活動を行なうという、分業と協業の原理によって構成される組織である。
ボランタリー・チェーンは、つぎのような性格をもっている。
ユ96
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コンビニエンス・,ストアの現状と課題
第一に、ボランタリi㎏チェーンに参加するコンビニエンス・ストアは一それぞれ経営の独自性を有しながら、一つの
組織を構成しているものである。
第二に、ボランタリー.チェーンは、卸売商が取引先小売業︵コンビニエンス・ストアを含心︶に参加をよびかけて組
織するもの︵卸売商主宰のボランタリー・チェ:ン︶と、小売店︵コンビニエンス・ストア含む︶同志が集まって、自分
達の利益を守るために組織するもの︵コペラティブ・チェーン︶である。
第三に、共同活動についての意思決定は、本部で行なわれ、加盟店は、それに従う義務があり、また、本部はそれが計
画的に行なわれて、所期の目的や効果が実現できるように、加盟店をコントロールする。
第四に、仕入れや一般的な管理など本部で集中して行なえる業務については、本部がこれを代行し、加盟店は販売に専
念することによって、仕入れおよび管理業務の集中、販売活動の分散というチェーン方式のメリットを実現する。
第五に、加盟店は、独立した小規模小売店でありながら、大規模なチェーン店と同じような規模の利益を受けることが
できる。
また、ボラソタリー・チェーンは、水平的関連を中心とする組織化である。
.わが国の民衆は、多頻度小量購買の習慣をもっているので、個々の店舗の大型化よりも小規模な店舗を分散させたまま
チェーソ化するという方式が風土に適している。このような、日本的特性をふまえたボランタリー・チェーンの普及と発
展に対して、政府は積極的なバックアップをしている。
・その施策としては、,チェーγ本部に対する助成として、中小企業事業団による融資と日本開発銀行による融資とがあり、
(527)
197
コンビニ三ンス・スドアの現状.と課題
加盟店に対しては、中小企業金融公庫および国民金融公庫の融資と設備リース制度がある。
また、協業化による規模メリットの実現は、その組織のリーダーシップと深い関係をもっている。協業化は企業の組織
化というよりも”人間の組織化”であるから、リーダーの果たす役割が企業集団化のカギをもっている。そのリーダーは、
形式的なリーダーでなく、実質的リ!ダーであって、強力なリーダ⋮シップを持っていなけれぽならない。.
実態調査に基づいていえることは、ヨコ型組織化の中小小売店のボランタリー・チェーン化としては、①立地産業とし
てのコソビニエンスストアの特質を生かした組織化、②専売権を有する業種、たとえぽ酒類・米穀販売店が販売権を生か
して、地域ごとに独占的に存立する有利性を基に組織化する、といった二つの方法が考えられる。フラγチャイズ・チェ
ーソ本部が加盟店を増強しようとするぽあいには、とくに専売権をもつ小売店に対して勧誘している事実をみても理解で
きる。
中小小売店の独自性をもちながら、中小企業者同志が、有機的結合によってシステム化をはかり、活路を見い出すため
には、上記の二つの方法は成功の可能性がきわあて高いものと思われる。
大資本を中心とするフランチャイズ・チェーン方式と、中小企業者のみによるボランタリー・チェーソ方式の二つが、
小売店の組織化の道であろう。
現在のコンビニエソス・ストアのチェーン加盟店は、フランチャイズ・チェーソに加盟しているものがほとんどである。
しかし、ボラソタリー・チェーソにおいても、本部の強力なリーダーシップさえあれば、フランチャイズ・チェーソ本部と
同質のノウハウを加盟店に対して提供することが可能である。したがって、今後、ボランタリー・チェーンによるコソビ
198
(528)
ニエンス・ストアのチェーン展開も増加することが期待される。
5 日米コンビ一一エンス・ストアの相違と日本的コンビニエンス・ストアの課題
日本とアメリカでは、コンビニエンス・ストアの生成過程が異っている。①買物に対する考え方の相違、②人間関係に
対する考え方の相違、③サービスに代表される無形のものに対する価値観の相違、④車社会の確立、などといった文化的
側面と他の要因がからみあって、日米の販売風土の相違を生んでいる。
アメリカでは、車社会の発達や買物時間の節約により、ワンストップショッピングのできるスーパーマーケットが生成
し、そのために小売商店数を少なくするなど、スーパーマーケットがアメリカ小売業の中心的存在となった。しかし、巨
大な吸引力のあるアメリカのスーパーマーケットは、郊外地にあり、居宅から遠距離にあったり、商品が豊富で種類が多
すぎるくらいあるために、自分のほしい商品を探すのに時間がかかるという不便さと不満が消費者からでてきた。これら
の不満は、本来一般小売店が補完すぺきであるが、商店数が少ない上に品揃えが不備であり、とても消費者の要求を満た
すものではなかった。そこで、これらの要求を満たすために新しいタイプのコンビニエソス・ストアが登場し、アメリカ
の風土にマッチした小売形態として脚光をあびている。
このように、アメリカのコンビニエンス・ストアは、スーパーマーケットに対する消費者の不満から生れたもので、ス
ーパーマーケットの補完的役割を果たして発達をみている。
これに対して、わが国では、アメリカの小売業界とは異質であり、小売商店が多く、しかも一般小売店が小売業の中心
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199
コンビニエンス・ストアの現状と課題
となって展開されていて、大型スーパーがそれに付髄して存在している状況である。
そのために、わが国では、コンビニエンス・ストアが果たすべき役割ともいえる消費者に対する便利さの提供は、一般
小売店がその役目を果たしていて、コンビニエソス・.ストアの進出する余地がほとんどないように思われた。にもかかわ
らず、なぜコンビニエンス・ストアが進出したのであろうか。
題 それは、昭和四〇年代の大型スーパ﹂マーケットの目ざましい発展、進出にょり、一般小売店がかなりの打撃を受けた
慌ために、大型店舗規制法が改正された。そのために、出店が困難とな。突型店が、地元小売店との連携をもたなけれぽ
嘱ならなか・たために、・ンビ・エンス三タのチ、←本部という型で小売店を救済する意味をも含めて、連携をもつ
ト 一つの手段として、また大型店規制法の隠れみのとして、アメリカで成功しているコンビニエンス・ストアを誕生させた
距 といってよい。すなわち、わが国のコンビニエンス.ストアは、大型スーパーマーケットの一種の隠れみのとして登場し
翻たとい・てもよいであろう。
だ .﹂のように、わが国においては、ア・リカのような消費者の強い要求から.ンピ・エンス三トアが生まれたものでは
コ なく、大型スーパーマーケットの意図が強く働き、企業側の都合でつくり出されたものである。すなわち、小売業の原点
に立って、消費者のことを第一義的に考えて商売をするという観点からは、離れたスタートであったわけである。そのた
めに、多くのコンピニエソス・ストアの独立店が生まれ、内容がともなわない自称コソビニエンス・ストアが目立ってい
る。売れそうなものなら、なんでも取り扱うために、結果的には品揃えと営業時間の延長によりコンビニエンス・ストア
.一乏なった店が多い。また、・チェーソ加盟店にしても、自らの売上げ増進だけを考えて、チェ!ン加盟した店舗が多いのが
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課
ア
ス
二
コンビニエンス・ストアの現状と課題
現状である。
このように、わが国のコンビニエンス・ストアは、チェーン加盟店、独立店をとわず、いずれもが、コンビニエンス・
ストアとは何か、コンビニエンス・ストアは消費者に何をもたらすのか、コンビニエンス・ストアをなぜ経営するのか、
といった基本的なテ:マについてしっかりと把握していないところに問題がある。要するに、コンビニエンス・ストアの
経営理念や経営哲学に欠けているのである。ただ何となく時代の流れに従ってコンビニエンス・ストアの経営にとりくん
でいるというだけでは、生き残ることはできない。
そして、何よりも大事なことは、コンビニエンス・ストアは、経営者のご都合主義で存在しているのではなく、消費者
のためのものとして存在価値をもつものであるということである。消費者の支持によって、店の繁栄があるという商店経
営の基本原理を、コソビニエソス・ストアの経営者は、もう一度原点に立って考え直してほしいものである。コンビニエ
ソス.ストアを通じて、地域社会や住民︵消費者︶に貢献することができてこそ、その社会的使命が達成されるのである。
主なる参考文献
田内幸一・高丘季昭著﹃コンビニエンス・ストア﹄
中小企業庁編﹃コンビ醒ニェンス・ストアマニアル﹄
緒方知行著﹃セブンイレブンの奇跡﹄
阿部幸男著﹃コンビニエンス戦略﹄ 、
日本繊維経済研究所﹃一九七九年日本コンビニエ/ス・ストアチヱーン﹄
池本正蔵著﹃ア〆リルカの消費と流通革新﹄
(531)
201
コンビニエンス・ストアの現状と課題
中小企業庁編﹃フランチャイズ・チェーンへの手引﹄
日本商工会議所編﹃新版・これからの商店経営﹄
阿部幸男著﹃消費者二iズをどうとらえるか﹄
世田谷区役所編﹃世田谷区の概要﹄﹁
世田谷区役所編﹃世田谷区史﹄
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202
(532)
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