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2015年08月22日

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2015年08月22日
週間マーケット展望( 8月 24日 ~ 8月 28日)
展望
先週は、中国株の下落を背景に、世界的な株価下落に発展し、投資家のリスク回避の動きが強まる動きとなった。ま
た、中国の経済指標が悪化したことから、中国経済や資源需要の減速懸念から資源国・新興国通貨の下落となった。そ
のため、比較的安全な資産とされる円を買う動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、ユー
ロは、低金利を背景にキャリートレードで資源国通貨などに対して売られてきたが、資源国・新興国通貨売りとなった
ことで、ユーロを買い戻す動きが強まり、主要国通貨に対して堅調な動きとなった。
今週は、週明けから世界的な株価下落が一服するのか注目したい。下げすぎに対する警戒感があるものの、世界景気
が後退するとの見方も出始めている。そのため、週明けの中国株の動向がポイントとなる。また、米国の早期利上げ期
待が後退したものの、今週は主要な経済指標の発表が予定されており、ここで堅調な結果が続く場合には、再び 9月利
上げへの期待感も出てくるだろう。そして、27-29日に米ワイオミング州ジャクソン・ホールで年次シンポジウムが開
かれるが、イエレン FRB議長は 9月の FOMCを意識して参加を辞退したが、フィッシャーFRB副議長が出席する。マー
ケットでも毎年注目されるシンポジウムであることから、ここでの発言には注目したい。
ドル/円
先週は、序盤に発表された主要な米経済指標がまちまちの結果となったことや、FOMCの議事録公開を控えて様子見
ムードが強まっていたことから、週前半は小動きの展開が続いた。FOMC議事録は、大半の参加者が利上げが近づいて
いるとしたものの、条件は満たされておらず、より改善が必要であるとの見方が示されたことで、早期の利上げ期待が
後退し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。また、中国の株価下落を背景に、世界的な株価下落となったこ
とや、世界景気の減速懸念を受けて、米国の利上げ時期も遅れるとの見方が広がり、ドルは一段の下落となった。ドル
/円は、週末に 121.82まで下落し、7月 10日以来の 121円台まで下げる動きとなった。
今週は、やや上値の重い
動きが予想される。米国の早期利上げ期待の後退観測が引き続き材料視される可能性があり、株価下落が一服して値を
戻す動きとなった場合でも、上値の重い展開が続く可能性が考えられる。今週は、序盤から米国の主要な経済指標の発
表が予定されており、特に、26日の耐久財受注、27日の GDPの結果には注目したい。今週の指標結果が良好となる場
合には、再び期待感も高まる可能性もあることから、注目したい。
121.29 ~
123.02
ユーロ/円
先週は、第 3次ギリシャ支援に IMFが加わるとの見方を背景に、ユーロ圏諸国の国債が買われ、利回りが低下したこ
とから、前半のユーロはやや軟調な動きとなった。しかし、その後は、中国株の下落や中国経済に対する懸念を背景に、
世界的に株価や資源価格が下落する動きとなり、投資家のリスク回避の動きが強まった。ユーロは、低金利であること
から、ユーロ売り・新興国通貨買いとして売りが優勢となっていたが、株価下落が顕著に表れ始めたことから買い戻し
(ユーロ買い・新興国通貨売り)の動きが優勢となった。リスク回避の動きで円も買われる動きとなったことから、ユ
ーロ/円の上昇はやや限定された。
今週は、やや上値の重い動きが予想される。引き続き、先週の流れが続くよう
なら、一段の上昇も考えられるが、積極的にユーロを買う動きではないことから、やや上値は限定的だろう。そして、
株価下落が一服する場合には、低金利ゆえに再びユーロ売り・新興国通貨買いとなる可能性もあるだろう。ただ、中国
経済の減速懸念を背景に、資源需要の低下観測も出ていることから、資源国通貨も積極的には買い難いことから、下落
局面では下げ幅が拡大する可能性も想定しておきたい。
136.17 ~
140.03
1
ポンド/円
先週は、週明けからやや軟調な動きとなったものの、7月の英国の消費者物価のコア指数が 5ヵ月ぶりの高い伸びと
なったことを受けて、英中銀が今後数ヵ月内に利上げに踏み切るとの見方が強まったことから、ポンド買いが優勢とな
り、ポンド/円は 195.29まで上昇し、6月 24日以来の高値を付ける動きとなった。しかし、中国株の急落を背景に、
世界的な株価下落となったことで、リスク回避の動きが強まり、ポンド/円は週末に 191.35まで下落し、7月 27日以
来の安値を付ける動きとなった。
今週は、底固い動きが予想される。世界的な株価下落を背景としたリスク回避の
動きが一服すれば、ポンド/円は値を戻す動きも考えられる。米国の早期利上げ期待がやや後退したこともあり、対米
ドルで 7月 1日以来高値を付ける動きとなっていることから、値を戻す動きも速いだろう。ただ、先週の流れが続くよ
うなら、一段の下げとなる可能性もあるだろう。英経済指標では、28日に英 GDPが予定されており結果には注目した
い。
189.96 ~
194.55
豪ドル/円
先週は、中国経済の減速が世界経済に影響を与えるとの懸念を背景に、世界的に株価が下落となり、また資源需要の減
速懸念から資源国通貨も売られる動きとなった。このことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、安全資産とされ
る円を買う動きが優勢となり、豪ドル/円は週前半の91.90から89.52まで下落し、7月28日以来の安値を付ける動きとな
った。
今週も、やや上値の重い動きが予想される。中国をはじめ、世界的な株価下落の流れが止まれば、豪ドル/
円の下げも一服するだろう。また週替わりとなることから、その可能性も考えられる。ただ、先週末の中国の経済指標
の結果(悪化)を見ても、景気後退局面からの脱却はそう簡単ではない。ましてや、新興国全体の景気悪化懸念に波及
していることから、オセアニア通貨や新興国通貨は当面上値の重い動きとなる可能性も想定しておきたい。
86.41 ~
92.69
南アフリカ・ランド/円
先週は、中国の株価下落をきっかけに、世界的に株価が下落する動きとなった。また、中国経済の失速懸念から、資
源価格や資源国通貨の下落にもつながり、南ア・ランドも軟調な動きとなった。また、投資家のリスク回避の動きから
円が買われる動きとなり、ランド/円は、週明けの 9.72から 9.40まで下落し、2014年 8月以来の安値を付ける動きと
なった。
今週は、軟調な展開が続く可能性が考えられる。世界的な株価下落、資源価格の下落が続くようだと、さ
らに一段の下落も考えられる。ただ、株価下落などが一服する場合には、値を戻す動きも考えられるが、中国経済の不
透明感や、それに伴う資源需要の減速懸念が残るうちは、本格的な戻りも鈍いだろう。また、南ア国内では、労使交渉
の難航に加え、ストライキ突入の可能性や資源関連企業の業績悪化が伝えられており、上値の重い展開が続くだろう。
また、南アの経済指標発表では、25日に鉱物生産量、GDPなどが予定されており、2Q GDPは前期から低下が予想され
ていることから、結果には注目したい。
9.14 ~
9.57
提供:SBIリクイディティ・マーケット株式会社
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