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豊かな人生を作る一言集 豊かな人生を作る一言集
人生の羅針盤 2010 年 5 月 豊かな人生を作る一言集 豊かな人生を作る一言集 [時間における主役と脇役] 今月、JR 東日本は、東北新幹線の東京-新青森間において運転予定の新型高速新幹線車両 (E5 系:愛称「はやぶさ」)は最高時速 300km で営業運転すると発表しました。これは、営 業運転している車両速度としては日本最高速度です。これにより、東京―新青森間の移動時間 は約 3 時間 10 分とのことで、時間的距離は大きく短縮される見込みです。 技術の進歩、社会インフラの充実は、人々の生活を便利、快適にします。その代表的な尺度 となるものは時間の効率化です。上記の高速新幹線による移動時間の短縮もそうですが、他に も高速道路による移動時間の短縮、IT システム、家電機器、産業ロボットなどによる作業時間 の短縮などがあります。 人が活動するための最も基本的な資産は時間です。誰でも平等に与えられているものですが、 その活用次第で大きな開きがでます。しかも、年代が進むと時間の相対的な進行速度が速まり ます。そして、残された時間も刻々と少なくなっていきます。いやでも時間の貴重さを実感す るようになります。 筆者も、30 代以降になって、遅ればせながらこのことに気付きました。何とかしなければと 思い、いくつかを試みました。 最初に試みたのは睡眠時間を短縮することです。睡眠中は、無意識の中に時計の針だけが進 みます。もし、1 日の睡眠時間を 1 時間短縮することができたら、活用できる時間そのものを 増加できるという単純な考えです。この試みを始めてまもなく、体調に変化が現れました。毎 日がボーとした状態となり、 物事に集中できなくなったのです。そして 3 週間ほど経過したら、 風邪をひき寝込むことになりました。全体でみれば、むしろ非効率そのものです。浅はかな挑 戦でした。何と言っても健康が最優先です。 次に試みたのは、時間の効率化です。無駄な時間を排除、空き時間を活用するという考えで す。生産的ではないと考えた遊びの時間は、元々、財政上(お小遣い)から制限されていたの で、実行したのは、主に空き時間、移動時間の徹底的な活用です。昼休みの空き時間、電車で の待ち時間、移動時間は、常にノート、本を読む。あるいは、カセットレコーダ(今となれば 古い?)を聞くなどを心がけました。 これは、それなりに効果がありました。 自己啓発などに多くの時間を投入できるようになり、 自分でもこの試みの効果を実感することができました。 ただ、この試みが原因かどうかはわかりませんが、体調を崩したことが何回かありました。 ストレスは感じていませんでしたが、身体的には余裕のない生活になってしまったようです。 最後の試みとして、最近、心がけているのは、楽しく時間を過ごすことです。時間の効率化 は基本ですが、無理をしないこと、気分が乗らない時はやらないこと、そして、適度に気分転 換をすることです。音楽を聞く、歴史に触れるなどの時間を積極的に作るようにしています。 基本的な考え方は、時間に追いかけられるのではなく、時間の進行に速度と波長を合わせて行 動することです。 不思議なことに、仕事などにかける時間は減ってはいるのですが、結果はほとんど変わりま せん。それどころか、体調を崩すことは少なくなりました。ここ数年、ほとんど風邪をひいた こともありません。 どんなことにも主役と脇役が必要です。時間においても、活動そのものをする時間だけでは なく、休止、遊び、余裕などの時間が必要です。表面的には不要に思えても、その休止、遊び、 余裕などの時間があるからこそ、活動そのものの時間が効率的、効果的になるのです。それに は、休息・睡眠時間、気分転換、空想する時間などがあります。ひたすら効率化だけを目指し、 学習・訓練・仕事をする時間だけに集中、増加させても、それだけでは歪が出ます。 先日、見かけた詩です。 『あなたを待つ時間の長いこと あな たといる時間の短いこと 計れば同じ時間なのに』 (あいだみつ お) 。恋愛の絶頂期にある人の心理です。 「あなたといる時間」 が何と幸せな時間なのかが伝わってきます。ただ、これは(長 いと感じる)「あなたを待つ時間」があるからこそ、 「あなたと いる時間」の幸せが増幅されるのでしょう。もし、 「あなたとい る時間」だけであれば・・・。 ところで、こんな心がときめくような楽しい思い。筆者には、 遠い昔にあったような、なかったような・・・。 Copyright(C) Satoru Haga, 2010, All rights reserved. 技術・経営の戦略研究・トータルサポータ ティー・エム研究所 E-Mail:[email protected] 工学博士 中小企業診断士 社会保険労務士(登録予定) 代表 芳賀 知 URL:http://homepage3.nifty.com/s-haga