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欧州における化学政策の現状(その3)
調査報告 ウィーン ●欧州における化学政策の現状(その3) 先月に引き続いて、2010 年 9 月 8~9 日にフランス・リヨン市内で開催された European Chemicals Policy の講演について報告するが、今回を最終回とする。内容としては、REACH を中心とした化学政策の現状を報告するもので、主催は Informa Life Sciences 社である。 5.REACH 規則附属書 4 および 5 における除外事項の改正 Mercedes Viñas 氏、Cefic(欧州化学工業連盟) 5.1 改正の背景 REACH 規則とは、2006 年 12 月 18 日に成立した欧州における化学物質に関する法律であ るが、REACH 登録から除外される項目が附属書Ⅳおよび附属書Ⅴに記載されている。その見 直しが、2008 年 10 月 8 日に附属書Ⅳおよび附属書Ⅴの改正が実施された。以下に関連する REACH 規則の条文を記載する。 ・第 138 条 4 項 欧州委員会は必要に応じて、改正を提案する意図から、第 131 条に記す手続に従って、 2008 年 6 月 1 日までに、附属書Ⅰ、附属書Ⅳ、附属書Ⅴの見直しを実施しなければな らない。 ・第 2 条 7 項(a)(b) 第Ⅱ篇(物質の登録)、第Ⅴ篇(川下ユーザー)、第Ⅳ篇(供給連鎖における情報)か ら除外されるもの (a)その固有の特性のために、最小限のリスクしか生じないとみなされる十分な情報が 知られている物質として、附属書 IV に含まれるもの。 (b)登録が不適当または不必要とみなされ、これらの篇からの免除が、本規則の目的を 侵害しない物質として、附属書 V に含まれるもの。 5.2 附属書Ⅳに記載される物質の条件 附属書Ⅳには、第 2 条 7 項(a)による登録義務から除外される物質が記載されている。 「そ の固有の特性のために、最小限のリスクしか生じないとみなされる十分な情報が知られて いる物質として、附属書Ⅳに含まれるもの」と条文にあるが、附属書Ⅳに含まれる物質に 対する基準文書として、指令 67/548/EEC が挙げられる。すなわち、物質の固有の特性が、 指令 67/548/EEC によって危険物として分類される基準を大きく下回るものが、附属書Ⅳに 記載されている。 したがって、附属書Ⅳに示される物質は、「著しく有毒で環境汚染する影響を持たない」 ことを示すものである。 5.3 附属書Ⅳの改正内容(2008 年 10 月 8 日) (1)不活性ガス 附属書Ⅴからヘリウム、ネオン、キセノンを追加し、またクリプトンを新たに追加した。 欧州委員会の担当者は、不活性ガスが附属書Ⅳに含まれるための基準を満たすという判断 ― 1 ― 調査報告 ウィーン を行った。さらに既存の附属書Ⅳのオリジナル版では、すでに 1 つの不活性ガス(アルゴン) を含んでおり、附属書Ⅴのオリジナル版では 3 つの他の不活性ガス(ヘリウム、ネオン、キ セノン)を含んでいた。 一貫した理由のために、すべての不活性ガスを附属書Ⅳに再編し、附属書Ⅴの相当する 部分の記載を削除することが望ましいと判断した。 (2)糖分 欧州委員会が最小限のリスクしか生じないと判断した、フルクトース(果糖)、ガラクト ース、ラクトース(乳糖)の糖分 3 種類を追加した。 欧州委員会担当者は、この 3 つの物質は、附属書Ⅳに含まれる基準を満たしていると判 断した。 (3)炭素、グラファイト 炭素、グラファイトは、附属書Ⅳから削除する。 EINECS(欧州既存商業化学物質リスト:the European Inventory of Existing Commercial Chemical Substances)では、炭素またはグラファイトのナノ形状物質を特定するものが、 別途登録されている。具体的にはチャコールや活性炭であり、炭素やグラファイトとは別 の EINECS 番号を有している。 (炭素:EINECS 231-153-3、グラファイト:EINECS 231-955-3、 チャコールおよび活性炭:EINECS 264-846-4) こうしたナノ形状物質に対して、 「その固有の特性のために最小限のリスクしか存在しな い」と結論付けるのに、不十分な情報が利用されてきた背景があった。附属書Ⅳでは 1 つ の物質で異なる形状を区別していないために、炭素やグラファイトを削除し、登録をこう した物質に対しても必要とすべきと判断した。 (4)ビタミン A ビタミン A は、附属書Ⅳから削除する。 ビタミン A はその固有の特性に基づいて、生殖に関する毒性等の著しいリスクを見せる 恐れがあるため、削除が提案された。 (5)油、脂肪、ワックス、脂肪酸、その塩類 欧州委員会はすべての植物油を適用するために、附属書Ⅴへの一般名登録を提案してお り、現在登録されている植物油すべてを削除した。 また欧州委員会はこうした数多くの脂肪酸類を適用するために、附属書Ⅴへの一般名登 録を提案しており、現在登録されている脂肪酸すべてを削除した。 (6)石灰石 石灰石は、附属書Ⅴ(7)項に統合するため、附属書Ⅳから削除する。 表 5-1~5-3 に REACH 規則附属書Ⅳの登録物質の変更について示す。 ― 2 ― 調査報告 表 5-1 REACH 規則附属書Ⅳの変更内容(その1) EINECS 番号 名称/グループ CAS 番号 200-061-5 D-グルシトール C6H14O6 50-70-4 200-066-2 アスコルビン酸 C6H8O6 50-81-7 200-075-1 グルコース C6H12O6 50-99-7 200-233-3 フラクトース C6H12O6 57-48-7 200-294-2 L-リジン C6H14N2O2 56-87-1 200-312-9 パルミチン酸、純粋な C16H32O2 57-10-3 200-313-4 ステアリン酸、純粋な C18H36O2 57-11-4 200-334-9 蔗糖、純粋な C12H22O11 57-50-1 200-405-4 酢酸α-トコフェロール C31H52O3 58-95-7 200-416-4 ガラクトース C6H12O6 59-23-4 200-432-1 DL-メチオニン C5H11NO2S 59-51-8 200-559-2 ラクトース C12H22O11 63-42-3 200-711-8 D-マンニトール C6H14O6 69-65-8 201-771-8 1-ソルボース C6H12O6 87-79-6 204-007-1 オレイン酸、純粋な C18H34O2 112-80-1 204-664-4 ステアリン酸グリセリン、純粋な C21H42O4 123-94-4 204-696-9 二酸化炭素 CO2 124-38-9 205-278-9 パントテン酸カルシウム, D-体 C9H17NO5.1/2Ca 137-08-6 205-582-1 ラウリン酸、純粋な C12H24O2 143-07-7 205-590-5 オレイン酸カリウム C18H34O2K 143-18-0 205-756-7 DL-フェニルアラニン C9H11NO2 150-30-1 208-407-7 グルコン酸ナトリウム C6H12O7.Na 527-07-1 212-490-5 ステアリン酸ナトリウム、純粋な C18H36O2.Na 822-16-2 石灰石 215-279-6 堆積物の岩石である不燃性の硬い性質を持つ。 1317-65-3 主に、炭酸カルシウムからなる。 215-665-4 オレイン酸ソルビトール C24H44O6 1338-43-8 216-472-8 二ステアリン酸カルシウム、不純物なし C18H36O2.1/2Ca 1592-23-0 231-098-5 クリプトン Kr 7439-90-9 231-110-9 ネオン Ne 7440-01-9 231-147-0 アルゴン Ar 7440-37-1 231-153-3 カーボン C 7440-44-0 231-168-5 ヘリウム He 7440-59-7 231-172-7 キセノン Xe 7440-63-3 231-783-9 窒素 N2 7727-37-9 231-791-2 水、蒸留、伝導度又は同様な純度を持つ。 7732-18-5 231-955-3 グラファイト C 7782-42-5 サンフラワー油 抽出物及びその物理的に修飾した誘導体 232-273-9 主に、脂肪酸(リノール酸やオレイン酸)のグリセリド 8001-21-6 からなる。 (Helianthus annuus, Compositae). 注)太字:2008 年 10 月の改正での追加物質、二重線:2008 年 10 月の改正で削除 EINECS 番号:欧州既存商業化学物質リスト番号 (the European Inventory of Existing Commercial Chemical Substances) CAS 番号:Chemical Abstracts Service Registry Number 出典:REACH 規則附属書Ⅳ(2006 年 12 月発行分+2008 年 10 月改正分) ― 3 ― ウィーン 調査報告 ウィーン 表 5-2 REACH 規則附属書Ⅳの変更内容(その2) EINECS 番号 名称/グループ CAS 番号 大豆油 抽出物及びその物理的に修飾した誘導体 232-274-4 主に、脂肪酸(リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、 8001-22-7 ステアリン酸)のグリセライドからなる。 (Soja hispida, Leguminosae). サフラワー油 232-276-5 抽出物及びその物理的に修飾した誘導体 主に、脂肪酸(リノレン酸)のグリセリドからなる。 8001-23-8 (Carthamus tinctorius, Compositae). アマニ油 抽出物及びその物理的に修飾した誘導体 232-278-6 主に、脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、オレイン酸)の 8001-26-1 グリセリドからなる。 (Linum usitatissimum, Linaceae). コーン油 抽出物及びその物理的に修飾した誘導体 232-281-2 主に、脂肪酸(リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、 8001-30-7 ステアリン酸)のグリセリドからなる。 (Zea mays, Gramineae). ヒマシ油 232-293-8 抽出物及びその物理的に修飾した誘導体 主に、脂肪酸(リシノール酸)のグリセリドからなる。 8001-79-4 (Ricinum communis, Euphorbiaceae). セイヨウアブラナ油 抽出物及びその物理的に修飾した誘導体 232-299-0 主に、脂肪酸(エルカ酸、リノール酸、オレイン酸)の 8002-13-9 グリセラリドからなる。 (Brassica napus, Cruciferae). 232-307-2 レシチン リン酸のコリンエステルと結合した脂肪酸のジグリセリドの混合物 8002-43-5 シロップ、水素添加でんぷん 酸又は酵素の働きによりコーンスターチの水素化により 232-436-4 得られる混合物 8029-43-4 主に、d-グルコース、マルトース及びマルトデキストリン からなる。 232-442-7 獣脂、水素添加 8030-12-4 232-675-4 デキストリン 9004-53-9 スターチ コーン、小麦、モロコシのようなシリアル穀物から、 232-679-6 また、ジャガイモ、タピオカのような根や塊茎から 由来する高分子の炭化水素物質。 9005-25-8 水の存在下で、加熱することによりアルファ化した でんぷんを含む 232-940-4 マルトデキストリン 9050-36-6 234-328-2 ビタミン A 11103-57-4 238-976-7 D-グルクロン酸ナトリウム C6H12O7.XNa 14906-97-9 出典:REACH 規則附属書Ⅳ(2006 年 10 月発行分+2008 年 10 月改正分) ― 4 ― 調査報告 表 5-3 REACH 規則附属書Ⅳの変更内容(その3) EINECS 番号 名称/グループ CAS 番号 248-027-9 D-モノステアリン酸グルシトールC24H48O7 262-988-1 脂肪酸、ヤシ、メチルエステル 26836-47-5 61788-59-8 262-989-7 脂肪酸、獣脂、メチルエステル 61788-61-2 263-060-9 脂肪酸、ヒマシ油 61789-44-4 263-129-3 脂肪酸、獣脂 61790-37-2 265-995-8 セルロースパルプ 65996-61-4 脂肪酸、C12-18 266-925-9 本物質は、SDA 物質名:C12-C18 アルキルカルボキシル酸として認定。 67701-01-3 SDA Reporting Number: 16-005-00. 脂肪酸、C16-18 266-928-5 本物質は、SDA 物質名:C16-C18 アルキルカルボキシル酸として認定。 67701-03-5 SDA Reporting Number: 19-005-00. 脂肪酸、C8-18 and C18-不飽和 266-929-0 本物質は、SDA 物質名:C8-C18 and C18 不飽和アルキル カルボキシル酸として認定。 67701-05-7 SDA Reporting Number: 01-005-00. 脂肪酸、C14-18 and C16-18-不飽和 266-930-6 本物質は、SDA 物質名:C14-C18 and C16-18 不飽和アルキルカルボキシ ル酸として認定。 67701-06-8 SDA Reporting Number: 04-005-00. 脂肪酸、C16-18 and C18-不飽和 266-932-7 本物質は、SDA 物質名:C16-C18 and C18 不飽和アルキルカルボキシル酸 として認定。 67701-08-0 SDA Reporting Number: 11-005-00. グリセリド、C16-18 and C18-不飽和 266-948-4 本物質は、SDA 物質名:C16-C18 and C18 不飽和 トリアルキルグリセリドとして認定。 67701-30-8 SDA Reporting Number: 11-001-00. 脂肪酸、C14-18 and C16-18-不飽和、メチルエステル 267-007-0 本物質は、SDA 物質名:C14-C18 and C16-18 不飽和アルキルカルボキシ ル酸メチルエステルとして認定。 67762-26-9 SDA Reporting Number: 04-010-00. 脂肪酸、C6-12 267-013-3 本物質は、SDA 物質名:C6-C12 アルキルカルボキシル酸として認定。 67762-36-1 SDA Reporting Number: 13-005-00. 脂肪酸、C14-22 and C16-22 不飽和 268-099-5 本物質は、SDA 物質名:C14-C22 and C16-C22 不飽和アルキルカルボキシ ル酸として認定。 268-616-4 シロップ、コーン、脱水素 68131-37-3 269-657-0 脂肪酸、大豆 68308-53-2 269-658-6 グリセリド、モノ-、ジ-及びトリ-、水素添加獣脂 68308-54-3 270-298-7 脂肪酸、C14-22 68424-37-3 68002-85-7 SDA Reporting Number: 07-005-00. 出典:REACH 規則附属書Ⅳ(2006 年 10 月発行分+2008 年 10 月改正分) ― 5 ― ウィーン 調査報告 ウィーン 表 5-4 REACH 規則附属書Ⅳの変更内容(その4) EINECS 番号 270-304-8 名称/グループ 脂肪酸、アマニ油 CAS 番号 68424-45-3 グリセリド、C16-18 and C18-不飽和、モノ-及びジ- 270-312-1 本物質は、SDA 物質名:C16-C18 and C18 不飽和アルキル及びC16-C18 and C18 不飽和二アルキルグリセリド 68424-61-3 として認定。 SDA Reporting Number: 11-002-00. 288-123-8 グリセリド、Cl0-18 85665-33-4 292-771-7 脂肪酸、C12-14 90990-10-6 292-776-4 脂肪酸、C12-18 and C18-unsatd. 90990-15-1 296-916-5 脂肪酸、セイヨウアブラナ油、エルカ酸-低 93165-31-2 出典:REACH 規則附属書Ⅳ(2006 年 10 月発行分+2008 年 10 月改正分) 5.4 附属書Ⅴの改正内容(2008 年 10 月 8 日) REACH 規則附属書Ⅴも同じく 2008 年 10 月 8 日に改正されたが、(1)~(7)項まではオリジ ナル版のまま改正はなく、(8)項は条件が追加された。(9)項はオリジナル版では基本的元 素物質に対する記載であったが、附属書Ⅳや(13)項に移行されたため、完全に新たな条文 となっている。(10)~(13)項については、新規に追加された条文である。 以下に、附属書Ⅴ(第 2 条 7 項(b)による登録義務の免除)の 2008 年 10 月 8 日発効内容 について示す。 (1)空気、湿気、微生物または日光のような環境的要因に対する他の物質、または成形品 の曝露に付随して生じる化学反応に起因する物質 (2)他の物質、調剤または成形品の貯蔵に付随して生じる化学反応に起因する物質 (3)他の物質、調剤または成形品の最終使用に際して生じる化学反応に起因する物質であ って、それ自体は製造、輸入または上市されないもの 例として、洗浄プロセスで過酸化水素と炭酸ナトリウムに分解される過炭酸ナトリ ウムがある。過炭酸ナトリウムの登録のみが必要となる。しかし中間体としての登 録は不可で、これについては CA/04/2001 rev.1:REACH における中間体の概念の明 確化の項目を参照願う。 (4)それ自体は製造、輸入または上市されない物質であって、以下の時に生じる化学反応 に起因するもの (a)安定剤、着色剤、香料、酸化防止剤、充填剤、溶剤、担体、界面活性剤、可塑剤、防 腐剤、発泡防止剤または消泡剤、分散剤、沈殿防止剤、乾燥剤、結合剤、乳化剤、乳 化防止剤、脱水剤、凝集剤、結合促進剤、流動調整剤、pH 中和剤、金属イオン封鎖剤、 凝固剤、凝集剤、難燃剤、滑沢剤、キレート剤、または品質管理用試薬が、意図した ように機能する時、または (b)特定の物理化学的特性を示すことのみを目的とする物質が、意図したように機能 する時 これらについても、CA/04/2001 rev.1 にあるように、中間体としての登録は不可で ある。 (5)副産物(ただし、それ自体は輸入または上市されないもの) (6)物質と水との結合によって形成される物質の水和物または水和イオン(ただし、本免 除を利用する製造者または輸入者が、既にその物質を登録していること。) ― 6 ― 調査報告 ウィーン (7)化学的に変化されない場合、自然に存在する以下の物質 →鉱物、鉱石、精鉱、セメントクリンカー、天然ガス、液化石油ガス、凝縮天然ガス、 プロセスガスとその成分、原油、石炭、コークス (8)化学的に変化されない場合には、第 7 項に記載した物質以外の自然に存在する物質。 ただし以下の条件が発生する。 →指令 67/548/EEC に基づく危険性の分類基準に適合する場合を除く →附属書ⅩⅢで設定される基準による PBT(ポリブチレンテレフタレート)や vPvB (very persistent and very bioaccumulative:極めて難分解性及び高い生体毒性を有する 物質)が存在する場合を除く →第 57 条(f)項に設定されるような懸念レベルが上がる物質として、少なくとも 2 年 前に第 59 条 1 項によって特定されていた物質を除く したがって酵母は、REACH の下では物質、調剤、成形品としてはみなされない微生物で ある。酵母濃縮物は、もし第 3 条 39 項で示される技術によって分離可能であれば、自 然に発生する物質としてみなされる。 (9)化学的に変化されない場合、天然資源から抽出される以下の物質 →指令 67/548/EEC に基づく危険性の分類基準に適合する場合を除く。同指令は可燃物、 皮膚への刺激物、眼への刺激物として分類されるものに関してのみ除外されている。 →附属書ⅩⅢで設定される基準による PBT(ポリブチレンテレフタレート)や vPvB(very persistent and very bioaccumulative:極めて難分解性及び高い生体毒性を有する 物質)が存在する場合を除く →第 57 条(f)項に設定されるような懸念レベルが上がる物質として、少なくとも 2 年 前に第 59 条 1 項によって特定されていた物質を除く 植物性脂肪、植物油、植物性ワックス、動物性脂肪、動物油、動物性ワックス、脂肪酸 (炭素数 6~24)、そのカリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、グリ セロールが該当する。 最終段階としての水素化物は除外されないが、2010 年 12 月 1 日以降に更新されて含ま れる可能性がある。また植物油は遺伝子学上は変化した植物から得られるものであり、 ガイダンスは現在改訂作業中である。発効は 2010 年 12 月 1 日以降となる予定である。 (10)化学的に変化されない場合、以下に示す物質 液化石油ガス、液化天然ガス、プロセスガスとその成分、コークス、セメント、マグ ネシア (11)もし指令 1999/45/EC または指令 67/548/EEC 附属書Ⅰで設定されている限界以上の濃 度を持つ、指令 67/548/EEC に基づく危険性の分類基準に適合する物質を含まない場合 には、指令 67/548/EEC に基づく危険性の分類基準に適合しない以下の物質 →確実な科学的実証データが、これらの構成要素が物質のライフサイクルを通じて生 物学的に利用できないことを示し、こうしたデータが適切で信用できると確証され ない場合を除く。 適用物質はガラス、セラミックフリット(釉薬に使う溶解した原料) 2010 年 12 月 1 日以降に更新されるが、厳密に管理された状況(Strictly controlled condition)に関する議論とも関連するものである。 (12)コンポスト、バイオガス (13)水素、酸素(オリジナル版の(9)項から移行) ― 7 ― 調査報告 ウィーン 5.5 イオン混合物の取扱 固有の物理化学的性質を提供するために、イオン化物質の混合物(塩、酸、基質)に水 が添加されることになるが、水溶液中で平衡状態を保つイオン結合は、意図的に水として の役割を果たし、必然的にイオン結合自体を製造、輸入、あるいは上市されたりするもの とは見なされない限りは、イオン化物質は以下に示す条件で、附属書Ⅴの 3 項、4 項(a)(b) による免除を受けることになる。その満たすべき条件 3 項目を以下に示す。 ①水溶液のすべての原料物質(塩、酸、基質)が登録されていること ②水溶液中のいかなる塩も、溶液から分離されないこと ③塩は溶液中にイオン形状で存在すること (参考資料) ・European Chemicals Policy 講演資料、Mercedes Viñas 氏、Cefic(欧州化学工業連盟) ・http://www.chemical-net.info/regulation.html ・http://inforeach.gencat.cat/pdf/ECHA_Clarification_concept_intermediates.pdf ・http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:268:0014:0019:EN :PDF ・http://ecb.jrc.ec.europa.eu/esis/ ・http://j-net21.smrj.go.jp/well/reach/column/080801.html ・http://j-net21.smrj.go.jp/well/reach/qa/234.html 6.ドイツにおける REACH の国家的履行とヘルプデスクの行動 Suzanne Wiandt 氏、BAUA(Bundesanstalt für Arbeitsschutz und Arbeitsmedizin:連 邦労働保護・労働医学研究所)(ドイツ) 6.1 BAUA の紹介 BAUA(Bundesanstalt für Arbeitsschutz und Arbeitsmedizin:連邦労働保護・労働医 学研究所)とは、有害物質から人と環境を保護するために、法規制の履行に対して責任を 持つ、化学物質に対するドイツ連邦が管轄する事務所である。また BAUA は、異なる評価管 理団体(環境、消費者、労働保護)の協力によって試験される様々な化学データを受け取 り、取りまとめる業務を担当する。 また化学産業にとっては、BAUA を通じて接触を図ることも可能である。 6.2 REACH の履行 (1)欧州化学物質庁(ECHA) 産業界と ECHA の間の関係において、予備登録、登録、届出、認証のやり取りが発生する。 当然ながら REACH とは、加盟国なしには機能しないものである。 REACH の主要プレーヤーとして、ECHA(欧州化学物質庁)、欧州委員会、各 EU 加盟国が挙 げられる。また ECHA は REACH の認証団体としての役割と業務を持つことになる。 REACH 履行における加盟国の役割として、ECHA と同じレベルでの REACH プロセスへの参 ― 8 ― 調査報告 ウィーン 加、Comitology Committee(欧州委員会が加盟国の代表等からなる専門家会合で議論を行 い、内容を決定して、欧州委員会指令として採択するプロセス)による意志決定への参加、 法令遵守の管理および実施が挙げられる。 (2)加盟国の業務 REACH 加盟国の業務として、以下 11 項目が挙げられる。 ①国家ヘルプデスクの設立 REACH および CLP(分類・表示・包装規則)の下で責任や義務を負う企業へのアドバイ スを提供するものである。 ②REACH/CLP ヘルプネット 企業に対する継続的に調整されたアドバイスを促進する ECHA と加盟国のヘルプデスク のネットワークである。 ③ECHA への参加 -幹部委員会、加盟国会議、公開討論会に参加する 1 名を任命しなければならない。 -リスクアセスメント会議、社会経済分析会議には、1~2 名を推薦することが望ま しい。 -委員会参加者に対して、適切な科学的かつ技術的支援を提供することになる。 ④評価 -行動計画を実行しようとする共同体から、使用物質の調査することが業務となる。 したがって、その行動計画に対する評価の実施と、計画の最終案を準備しなければ ならない。 -登録文書や物質評価に関する計画決定に対して、コメントを行う。 ⑤認証 -附属書ⅩⅣに含まれるべき物質を、ECHA に提案することも業務である。 -Comitology Committee への参加は、認証授与の委員会決定よりも優先させるべき業 務となる。 ⑥制限 -物質の使用制限に関して、ECHA へ提案を行うことがすることになる。 -Comitology Committee への参加は、委員会決定よりも優先させるべき業務となる。 (附属書ⅩⅦの改正) ⑦分類および表示(ラベリング) -分類および表示の調整結果を、ECHA に提案することも業務である。 -Comitology Committee への参加は、委員会決定よりも優先させるべき業務となる。 (附属書Ⅵと CLP 規則の改正) ⑧有資格認証団体の任命 ⑨物質から生じるリスクについての、一般市民への情報普及 ⑩公的管理システムの維持 ⑪REACH 違反に対して提供される罰則規定の設定 (3)ドイツのヘルプデスクの行動 REACH 加盟国の業務および義務として、国家ヘルプデスクの設立がある。これは REACH 規 則ⅩⅢ篇の「権限のある当局」に関する第 124 条、および CLP 規則Ⅵ篇の「権限のある当 局と施行」に関する第 44 条に、それぞれ記載されている。 ― 9 ― 調査報告 ウィーン ヘルプデスクの目的は、特に登録に関して、REACH の下での責任と義務を負う企業へのア ドバイスを行うことである。 ドイツのヘルプデスクとの協力関係を持つ団体として、職業上の安全および健康に関す る研究所(それが BAUA) 、リスク評価に関する連邦研究所(BfR)、連邦環境協会(UBA)、物 質調査試験に関する連邦研究所(BAM)が挙げられる。 (4)認証団体とヘルプデスクの違い ドイツにおける「古い」化学規制の下では、製造者/輸入者への支援は、常に認証団体 の主要な行動であり、分かりやすいものであった。また回答には、法的な拘束力や権威が あった。 これに対してヘルプデスクの活動を考えると、強化された SME(中小企業)支援が、「商 工会議所や州」とのネットワーク化のようなものと考えることができる。しかし、ヘルプ デスクの回答は法的拘束力を持たない。にもかかわらず、非常に有用なものである。 では何がヘルプデスクの活動となるか?具体的には、商工会議所や国立協会等との対話 促進、REACH-CLP の情報イベントの組織化、情報冊子やチラシの配布、インターネットサイ トの設立、質問への直接回答、専門家会議や協議会の開催などが挙げられる。 ドイツのヘルプデスクのホームページは www.reach-clp-helpdesk.de で、言語は英語と ドイツ語の両方を使用している。 (5)EU におけるヘルプデスクのネットワーク化 REACH-CLP のヘルプネットとは何か?参加者は 27 加盟国のヘルプデスクであり、REACH-CLP ヘルプデスクチームは ECHA にも所属している。また REACH-CLP で利用可能な「ツール」とし て、ヘルプネット(ヘルプデスクの通信者ネットワーク)や、HELPEX(IT 交換プラットホー ム)が挙げられる。 これを監視する立場の団体として、CEFIC(欧州化学工業協会) 、CONCAWE(Conservation of Clean Air and Water in Europe:欧州石油環境保全連盟)などがあり、また関連メンバーと して EU の Comitology Committee が存在している。 では REACH-CLP ヘルプネットが、どうやって企業に貢献できるか?大きく分けると、調整と 知識の蓄積となるが、具体的には、すべてのヘルプデスクだけでなく ECHA や Comitology Committee などとの協力関係の構築、共通の IT ツールだけでなく、困難な問題を解決するワ ーキンググループの存在、 EU 全体で同様の質問に対する回答の調整を可能とすることなどが、 調整項目として必要とされる。また知識の蓄積についても ECHA と同様に、共通の知識蓄積へ アクセス可能なように、いかなる国のヘルプデスクからの同じ質を持つ回答を提示することが 合わせて必要とされる。 (6)ECHA による支援 ECHA は REACH や CLP に関する情報のインターネットサイトを提供している。URL は http://echa.europa.eu/help/nationalhelp_contact_en.asp であるが、その内容を以下に 示す。 -ナビゲーションツールを用いた包括的ガイダンスのパッケージ -特殊なガイダンス文書 -FAQs(よくある質問) -すべての国のヘルプデスクへのリンク -ECHA ヘルプデスクチームへの質問送付の Web フォーム ― 10 ― 調査報告 ウィーン 6.3 ホットな問題 (1)高懸念物質(SVHCs) 高懸念物質候補リストは、認証手続の第一歩となるものである。また主に成形品中の SVHCs に関する情報を、早急に法的拘束力を持たせるように努力しなくてはならない。 現状では 39 の SVHCs が存在している。第 1 期リストは 2008 年 10 月 28 日、第 2 期リストは 2010 年 1 月 13 日(アクリルアミドが 2010 年 3 月 30 日に追加された。 ) 、第 3 期リストは 2010 年 6 月 18 日にそれぞれ発行されている。 さらに、ECHA が Comitology Committee に対して REACH 規則附属書ⅩⅣへの追加記載を提案 している物質が、7 つ存在している。 (2)ドイツ製の SVHCs 「ドイツ製」の SVHCs として、以下の 11 の物質が候補リストに挙げられている。 ①MDA(4-4‘-ジアミノジフェニルメタン) ②アントラセン ③~⑦5 種類のアントラセンオイル ⑧⑨2 種類の RCF(耐火性セラミック繊維) ⑩DIBP(ジイソブチルフタレート) ⑪ホウ酸 さらに 4 種類の「ドイツ製」SVHCs が、将来の候補リストに追加として届け出られている。 ①三酸化クロム ②~④3 種類の TCB(トリクロロベンゼン) またドイツは EU の Comitology Committee に対して、PAH(多環芳香族炭化水素)の濃度 制限(0.2mg/kg)に関する提案を提出している。 (根拠として、REACH 規則第 68 条 2 項を基 準としている。) (3)SVHCs に対する戦略 SVHCs に対する戦略として、他の加盟国との行動や協議会の必要性に基づいて、候補リス トへの追加を優先させることが挙げられる。 その際の基準となる項目を以下に示す。 ①CMR(発がん性、変異原性、生殖毒性) ②PBT(難分解性、生体蓄積性、有毒性) ③vPvB(高難分解性、高生体蓄積性)内分泌撹乱物質 ④同等の懸念レベル ⑤多い重量 ⑥分散的な利用 ⑦高い曝露 ⑧職業上の安全対策が明確でない ⑨消費者による利用や環境を通じて消費者への曝露 ⑩生物学的モニタリングの必要性 SVHCs 候補物質でも、いったん REACH 規則附属書ⅩⅣに追加されてしまえば、その制限プ ロセスは困難となってしまう。もし成形品における SVHCs からのリスクが存在する場合は、 その制限は、認証に対するものよりも、リスク軽減対策の方がよいと考えられる。 ― 11 ― 調査報告 ウィーン (4)認証と候補リストに関する疑問 Q1:SVHCs 候補リストに載った物質は、利用禁止か? Q2:SVHCs 候補リスト更新頻度は? Q3:SVHCs 候補リストに含まれる物質の数はどの程度になると予測しているか? Q4:REACH 規則附属書ⅩⅣに含まれる物質の数はどの程度になると予測しているか? Q5:REACH 規則附属書ⅩⅣに物質が追加されるのはいつか? A1:禁止ではない。 A2:2 年に 1 回 A3:分からないので、ECHA のサイトを定期的に訪問してほしい。 (Comitology Committee の情報では、2012 年までに 106 の SVHCs がリストアップされると述べている。 ) A4:不明であるが、ECHA は 7 物質を Comitology Committee に申請している。 A5:不明であるが、恐らく 2011 年初めに、最初の物質が登録されると思われる。 (5)中間体 中間体とは、REACH 規則第 17 条 3 項の現場に関する規定で、その全体のライフサイクル を通じて技術的手段によって厳密に封じ込まれる物質(厳しく管理される条件下)を指す。 もしそうでなければ、REACH 規則第 10 条に基づく完全な情報が要求されることになる。REACH 規則第 18 条 4 項の輸送に関する規定も、基本的には同じ条件である。 CEFIC、CONCAWE、EFCG(European Fine Chemicals Group:欧州精製化学協会)の各団体 では、SCC(厳しく管理される条件)の定義は、受容可能なリスクにまで解放すべきとの見 解である。例えば、クローズドシステムでない場合、RMM(リスク管理措置)によって情報 要求が軽減されることを意味するなどである。 これに対してドイツとフランスは、REACH 規則第 17 条 3 項と第 18 条 4 項は、封じ込めが 確実な場合にのみ適用されるべきとの見解であり、これは上項の CEFIC のガイダンスは受 け入れられないとの考えである。 中間体は認証の対象からは除外されているが、その取扱については「ECHA の中間体に関 するガイダンス」の 2008 年 2 月ヴァージョンが、物質登録の際に利用されている。そのヴ ァージョンの改正については、PEG(Partner Expert Group)と CARACAL(REACH および CLP 規則の所管官庁会議による欧州委員会と加盟国所管官庁の最終協議)による協議が行われ ている最中である。 REACH 規則第 17 条では、現場で単離する中間体の登録は、一般登録文書提出や物質評価 の対象とはならないものの、国家としては管理し評価していく必要がある。 (6)中間体に関する質問 Q1:単離した中間体が非 EU 企業に輸送される場合、REACH 規則第 18 条 4 項の SCC(厳し く管理される条件)の確定の受入をどうやって遵守するのか? Q2:もし中間体が SCC にない場合、例えば第 10 条に基づく完全登録が、認証から除外さ れるのか? Q3:もしユーザーが中間体利用を確認しない場合は? Q4:現場で単離する中間体を年間 250 トン生産し、さらに年間 750 トンの輸送される単 離中間体を輸入する場合、締切はいつ? ― 12 ― 調査報告 ウィーン A1:この場合に対する REACH の条項は存在しない。強制力もない。 A2:その通り。 A3:a)登録者は完全登録を行う。あるいは、b)供給停止-ユーザーは他の EU 供給者もし くは輸入者を探す必要がある。 A4:年間 1,000 トン以上の取扱となるため、締切は 2010 年 12 月 1 日である。 (7)成形品 成形品の定義とは、化学的構成よりもその機能を決定する固有の形状により重点が置か れる物体を指す。成形品中の SVHCs に対する取扱を以下に示す。 ・候補リストに含まれる SVHCs に関する情報提供が必要である。 (REACH 規則第 33 条) ・もし SVHCs 放出される場合は、成形品中の物質に関する登録が必要である。 (REACH 規則第 7 条 1 項) ・もし成形品中に含まれる SVHCs が年間 1 トン以上生産される場合、または成形品中 に含まれる SVHCs の割合が 0.1%以上の場合は、届出が必要である。 (8)成形品に関する質問 Q1:潤滑油を含むエンジンブロックは、どう取り扱うべきか? Q2:REACH 施行以前に輸入した「古い」成形品の在庫品について、情報提供の要求は適用 されるのか? Q3:REACH 規則第 7 条 1 項の定義に、濡れティッシュペーパーは当てはまるのか? A1:エンジンブロックは、成形品ではあるが、潤滑油は成形品の一部で放出されなけれ ば、登録の必要はない。 A2:適用されることになる。 A3:当てはまらない。濡れティッシュペーパーの機能は、化学構成による定義の方が形 状による定義よりも大きいためである。 (9)REACH と CLP(分類・表示・包装規則)の関係 CLP 規則では、分類と表示の一覧を届出することとなるが、REACH と関連する部分を以下 に示す。 ①CLP 規則第 39 条 a 項では、REACH の登録対象物質、同じく 39 条 b 項では、危険とみな される基準を満たす物質が、CLP 規制による届出対象となる。 ②CLP 規則第 40 条では、同規則第 39 条の対象となる物質を「上市」しようとする製造者 や輸入者(またはそれらのグループ)は、届出を行う必要がある。 ③届出は、上市時点からまたは 2010 年 12 月 1 日時点から 1 ヶ月以内に行う必要がある。 ― 13 ― 調査報告 ウィーン (10)REACH と CLP に関する疑問 Q1:製造者や輸入者のグループとは、SIEF(物質情報交換フォーラム)と同じになるの か? Q2:もし物質が危険ではないが、REACH に登録すべき物質である場合、CLP 規則に基づい て届出する必要があるか? Q3:ポリマーについて、REACH に登録する必要がなくても、CLP 規則に基づいて届出する 必要があるか? Q4:輸入されるポリマー中のモノマーについて、REACH に登録すべき物質である場合、モ ノマーを CLP 規則に基づいて届出する必要があるか? Q5:リサイクル品も、CLP 規則の届出する必要があるか? A1:同じではない。 A2:届出の必要あり。 A3:もし危険である基準を満たし、かつ上市される場合は、届出の必要あり。 A4:モノマーとして上市されなければ、届出の必要なし。 A5:もし危険である基準を満たすのであれば、たとえ REACH 規則第 2 条 7 項(d)の除外、 すなわち REACH 規則第 39 条(b)が適用されることになるが、届出は必要である。 (参考資料) ・European Chemicals Policy 講演資料、Suzanne Wiandt 氏、BAUA ・http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=OJ:L:2008:353:0001:1355:en :PDF ・http://echa.europa.eu/chem_data/authorisation_process/candidate_list_table_en.asp ― 14 ―