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LTM8020 Data Sheet

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LTM8020 Data Sheet
LTM8020
200mA、36V DC/DC
µModule
特長
■
■
■
■
■
■
■
概要
完全な降圧スイッチ・モード電源
広い入力電圧範囲:4V∼36V
出力電圧:1.25V∼5V
出力電流:200mA
電流モード制御
金仕上げパッド付き鉛フリー (e4) RoHS準拠パッケージ
高さの低い小型(6.25mm 6.25mm 2.32mm)表面実装
LGAパッケージ
アプリケーション
■
■
■
■
■
車載バッテリの安定化
携帯製品の電源
分配電源の安定化
産業用電源
ACアダプタ・トランスの安定化
LTM®8020は完全な200mA降圧DC/DC電源で、スイッチ
ング・コントローラ、パワー・スイッチ、インダクタを含む
全てのサポート部品をパッケージに搭載しています。4V
∼36Vの入力電圧範囲で動作し、1本の抵抗で設定される
1.25V∼5Vの出力電圧範囲が可能です。バルク・コンデン
サを使用するだけで設計を完成させることができます。
高さの低い(2.32mm)小型パッケージはPCボード底面の
未使用スペースに搭載できるので、部品密度の高いポイ
ントオブロード・レギュレーションが可能です。
LTM8020は標準の表面実装装置による自動アセンブリに
適した、熱特性が改善された小型(6.25mm 6.25mm)で高
さの低い(2.32mm)表面実装LGAパッケージで供給され
ます。LTM8020は鉛(Pb)フリーで、RoHSに準拠していま
す。
、LT、LTCおよびLTMはリニアテクノロジー社の登録商標です。
他の全ての商標はそれぞれの所有者に所有権があります。
標準的応用例
効率および電力損失と負荷電流
6.5VIN∼36VIN、
5V/200mA DC/DC µModuleレギュレータ
VIN
2.2µF
VOUT
LTM8020
SHDN
80
BIAS
70
10µF
ADJ
165k
1%
8020 TA01
1000
100
60
50
10
40
30
POWER LOSS (mW)
GND
90
VOUT
5V
200mA
EFFICIENCY (%)
VIN
6.5V TO 36V
1
20
10
0.1
1
10
LOAD CURRENT (mA)
100
0.1
3470 TA01b
8020f
1
LTM8020
絶対最大定格
ピン配置
(Note 1)
VIN、SHDNの電圧 ................................................................ 40V
ADJ電圧 ................................................................................ 5V
BIAS電圧 ............................................................................. 25V
VIN + BIASの電圧 .............................................................. 47V
VOUT電圧 ............................................................................. 10V
最大内部温度..................................................................125℃
保存温度範囲.................................................. ­40℃∼125℃
リード温度 (半田付け、
10秒) ........................................240℃
TOP VIEW
5
VOUT
4
GND
3
BIAS
2
VIN
1
ADJ
SHDN
A
B
C
D
E
LGA PACKAGE
21-LEAD (6.25mm × 6.25mm × 2.32mm)
TJMAX = 125°C, θJA = 23.1°C/W
θJA DERIVED FROM 5cm × 5cm PCB WITH 4 LAYERS
WEIGHT = 0.25g
発注情報
鉛フリー仕上げ
デバイス・マーキング
パッケージ寸法
温度範囲
LTM8020EV#PBF
LTM8020V
21-Lead (6.25mm × 6.25mm)
–40°C to 85°C
より広い動作温度範囲で規定されるデバイスについては、弊社へお問い合わせください。
鉛フリー製品のマーキングの詳細については、
http://www.linear-tech.co.jp/leadfree/ をご覧ください。
この製品はトレイでのみ供給されます。詳細については、
http://www.linear-tech.co.jp/packaging/ をご覧下さい。
電気的特性
●は全動作温度範囲の規格値を意味する。
それ以外はTA=25℃での値。VIN = 10V、VSHDN = 10V、VBIAS = 3V、外部CIN = 2.2µF、COUT = 4.7µF。
(Note 2)
SYMBOL
PARAMETER
VIN
Input DC Voltage
VOUT
Output DC Voltage
RADJ(MIN)
CONDITIONS
MIN
TYP
MAX
UNITS
4
36
V
0 < IOUT ≤ 200mA; 167kΩ < RADJ < ∞
1.2
5
V
Minimum Allowable RADJ
(Note 3)
163
ILK
Leakage from IN to OUT
VSHDN = 0V, BIAS = 0V
IOUT
Continuous Output DC Current
5.5V ≤ VIN ≤ 36V, RADJ = 301k, VO = 3.3V
IQVIN
Quiescent Current into IN
●
ΔVOUT/VOUT
Line Regulation
SHDN = 0.2V, BIAS OPEN
BIAS = 3V, Not Switching
BIAS = 0V, Not Switching
SHDN = 0.2V, BIAS = 0V
BIAS = 3V, Not Switching
BIAS = 0V, Not Switching
5V ≤ VIN ≤ 36V, IOUT = 200mA, RADJ Open
ΔVOUT/VOUT
Load Regulation
VIN = 24V, 0 ≤ IOUT ≤ 200mA, VOUT = 3.3V
IQBIAS
Quiescent Current into BIAS
kΩ
1.2
6
µA
200
mA
1
18
50
0.5
60
1.5
1
µA
µA
µA
µA
µA
µA
%
2
%
0
●
10
35
●
25
8020f
2
LTM8020
電気的特性
●は全動作温度範囲の規格値を意味する。
それ以外はTA=25℃での値。VIN = 10V、VSHDN = 10V、VBIAS = 3V、外部CIN = 2.2µF、COUT = 4.7µF。
(Note 2)
SYMBOL
PARAMETER
CONDITIONS
MIN
TYP
MAX
UNITS
VOUT(AC_RMS)
Output Ripple (RMS)
IOUT = 100mA, VOUT = 3.3V, VIN = 24V
7.5
mV
fSW
Switching Frequency
IOUT = 200mA
450
kHz
ISC
Output Short Circuit Current
VIN = 36V, VOUT = 0V
350
mA
VADJ
VBIAS(MIN)
Voltage at ADJ Pin
Minimum BIAS Voltage for Proper
Operation
IADJ
Current Out of ADJ Pin
ADJ = 0V, VOUT = 5V, VSHDN = 0V
ISHDN
SHDN Pin Current
VSHDN = 2.5V
VIH(SHDN)
SHDN Input High Voltage
VIL(SHDN)
SHDN Input Low Voltage
1.228
3
1.265
●
V
V
●
9.65
10.35
µA
5
µA
●
1
2.5
V
0.2
Note 1:絶対最大定格に記載された値を超えるストレスはデバイスに永続的損傷を与え
る可能性がある。長期にわたって絶対最大定格条件に曝すと、デバイスの信頼性と寿命
に悪影響を与える可能性がある。
V
Note 2:LTM8020Eは最大内部温度を超えない限り0℃∼85℃で性能仕様に適合すること
が保証されている。­ 40℃∼85℃の動作温度範囲での仕様は設計、特性評価および統計
学的なプロセス・コントロールとの相関で確認されている。
Note 3:設計により保証。
標準的性能特性 注記がない限り、TA = 25℃。
3.3VOUT の効率
3.3VOUT の電力損失
90
5VOUT の効率
1000
90
80
80
50
40
30
5VIN
12VIN
24VIN
36VIN
20
10
1
10
ILOAD (mA)
100
1000
8020 G01
EFFICIENCY (%)
60
0
0.1
70
100
POWER LOSS (mW)
EFFICIENCY (%)
70
10
1
0.1
0.1
5VIN
12VIN
24VIN
36VIN
1
10
IOUT (mA)
100
1000
8020 G02
60
50
40
30
20
12VIN
24VIN
36VIN
10
0
0.1
1
10
ILOAD (mA)
100
1000
8020 G03
8020f
3
LTM8020
標準的性能特性 注記がない限り、TA = 25℃。
入力電流と出力電流(5VIN)
5VOUT の電力損失
0.18
1000
1.8VOUT
2.5VOUT
3.3VOUT
0.16
INPUT CURRENT (A)
1
10
IOUT (mA)
100
0.08
0.06
0.04
12VIN
24VIN
36VIN
1
0.10
0
INPUT CURRENT (A)
INPUT CURRENT (A)
0.035
0.030
0.020
0
4356 G05
0.05
0.10
0.15
OUTPUT CURRENT (A)
0.20
4356 G06
入力消費電流と入力電圧
5
0.030
0.025
0.020
0.015
4
3
2
1
0.005
0
0.05
0.10
0.15
OUTPUT CURRENT (A)
0
0.20
0
0.05
0.10
0.15
OUTPUT CURRENT (A)
4356 G07
入力電流と入力電圧
(出力を短絡)
0
0.20
6.0
INPUT VOLTAGE (V)
60
40
20
TO START
10
20
30
INPUT VOLTAGE (V)
40
SHDN CONTROL
5.0
4.5
4.0
4356 G10
3.0
20
30
INPUT VOLTAGE (V)
40
4356 G09
IOUT = 200mA
TO START
7
TO RUN
3.5
0
10
必要な最小入力電圧と出力電圧
8
5.5
80
0
4356 G08
必要な最小入力電圧と負荷
(VOUT = 3.3V)
100
INPUT CURRENT (mA)
0
0.20
0.010
0.010
0
0.05
0.10
0.15
OUTPUT CURRENT (A)
1.8VOUT
2.5VOUT
3.3VOUT
5VOUT
0.040
0.040
0
0.040
入力電流と出力電流(36VIN)
0.045
1.8VOUT
2.5VOUT
3.3VOUT
5VOUT
0.050
0
8020 G04
入力電流と出力電流(24VIN)
0.060
0.060
0.020
0.02
1000
0.080
QUIESCENT CURRENT (µA)
0.1
0.1
0.12
INPUT VOLTAGE (V)
POWER LOSS (mW)
10
1.8VOUT
2.5VOUT
3.3VOUT
5VOUT
0.100
INPUT CURRENT (A)
0.14
100
入力電流と出力電流(12VIN)
0.120
6
TO RUN
5
4
3
0
50
100
150
LOAD CURRENT (mA)
200
4356 G11
2
1
2
3
4
OUTPUT VOLTAGE (V)
5
4356 G12
8020f
4
LTM8020
標準的性能特性 注記がない限り、TA = 25℃。
温度上昇と入力電圧
(最大負荷、
TA = 25℃)
ターンオン時の振舞い
(6VIN、3.3VOUT、無負荷)
TEMPERATURE RISE (°C)
25
INPUT CURRENT
100mA/DIV
5VOUT
20
VOUT
2V/DIV
15
SHDN
5V/DIV
3.3VOUT
50µs/DIV
10
8020 G14
5
0
0
10
20
30
INPUT VOLTAGE (V)
40
50
8020 G13
ピン機能
VIN
(ピンA1、A2)
:VINピンはLTM8020の内部レギュレータ
および内部パワー・スイッチに電流を供給します。これら
のピンは少なくとも1µFの外部低ESRコンデンサを使っ
てローカルにバイパスする必要があります。
VOUT
(ピンA4、A5、B4、B5、C4、C5)
:電源出力ピン。ほとんど
のアプリケーションでは、外部コンデンサをV OUT から
GNDに接続します。これらのピンとGNDピンの間に出力
負荷を接続します。
BIAS
(ピンC3)
:BIASピンは内部ショットキー・ダイオード
と内部レギュレータに接続されています。VOUT > 3Vのと
きはVOUTに接続します。そうでなければ、3Vを超える別
のDC電圧に接続します。BIAS > 3Vのとき、内部回路はこ
のピンから給電され、効率が改善されます。主レギュレー
タの電力は依然としてVINから供給されます。
SHDN(ピン C1 )
:このSHDNピンを使ってLTM8020を
シャットダウン・モードにします。グランドに接続すると
シャットダウンします。通常動作時は2V以上の電圧を加
えます。シャットダウン機能を使用しない場合はこのピ
ンをVINに接続します。
GND
(ピンC2、D1、D2、D3、D4、D5、E2、E3、E4、E5)
:GND接続は
主信号リターンおよびLTM8020の主ヒートシンクとして
機能します。GNDピンはLTM8020と回路部品の下のロー
カル・グランド・プレーンに接続します。帰還分割器から
のリターンはこの信号に接続します。
ADJ(ピンE1)
:LTM8020はそのADJピンを1.25Vに安定化
します。このピンからGNDに調整抵抗を接続します。こ
の調整抵抗の値は式RADJ = 623.75/(VOUT ­ 1.25)によって
決まります。ここで、RADJの単位はkΩです。VOUT = 1.25V
ならば、ADJピンは開放回路になることに注意してくだ
さい。
8020f
5
LTM8020
ブロック図
22µH
VIN
0.1µF
VOUT
15pF
499k
10µF
BIAS
SHDN
CURRENT
MODE
CONTROLLER
GND
ADJ
80220 BD
8020f
6
LTM8020
動作
LTM8020はスタンドアローン非絶縁型降圧スイッチン
グDC/DC電源です。入力と出力に外付けのバルク・コン
デンサを使うだけで、最大200mAのDC出力電流を供給す
ることができます。このモジュールは、1個の外付け抵抗
によってプログラム可能な1.25VDC∼5VDCの精密に安
定化された出力電圧を供給します。入力電圧範囲は4V∼
36Vです。LTM8020は降圧コンバータなので、必ず入力電
圧を望みの出力電圧と負荷電流をサポートするのに十分
な高さにします。ブロック図を参照してください。
LTM8020には、電流モード・コントローラ、パワー・スイッ
チング素子、パワー・インダクタ、パワー・ショットキー・
ダイオードおよびいくらかの入力容量と出力容量が備
わっています。表1に示されているように、アプリケー
ションによっては、出力コンデンサが不要です。
高性能電流モード・コントローラと内部の帰還ループ補
償により、広い範囲の出力コンデンサを使った(それら
が全てセラミックコンデンサ(X5RまたはX7R)であって
も)、広い範囲の動作条件で、LTM8020モジュールは十分
な安定性のマージンと十分な過渡性能を備えています。
電流モード制御によってサイクル毎に高速電流制限がお
こなわれ、自動電流制限によって短絡や過負荷フォール
トが生じたときモジュールが保護されます。
LTM8020は可変周波数コントローラを備えています。オ
ン時間、オフ時間およびスイッチング周波数は、入力電
圧、出力電圧および負荷電流に依存します。
内部パワー・スイッチング素子のドライブ回路はBIASピ
ンを通して電力を供給されます。このピンには少なくと
も3Vで電力を供給します。
LTM8020は負荷電流に依存する2種類の動作モードを備
えています。負荷電流が十分高いとき、LTM8020は連続的
にスイッチングします(図1aを参照)。負荷が非常に軽い
と、または入力電圧が出力電圧に比べて高いと、デバイス
はBurst Mode®で動作し、マイクロパワー状態とスイッチ
ング状態の間を交互に切り替わり、出力を安定化状態に
保ち、消費電力を最小に抑えます(図1bを参照)。
SHDNピンを接地すると全ての内部回路がオフし、VIN電
流はデバイスのリーク電流(標準で数ナノアンペア)まで
減少します。
NO LOAD
200mA LOAD
VOUT
20mV/DIV
VOUT
20mV/DIV
IL
100mA/DIV
IL
100mA/DIV
1ms/DIV
1µs/DIV
10mA LOAD
150mA LOAD
VOUT
20mV/DIV
VOUT
20mV/DIV
IL
100mA/DIV
IL
100mA/DIV
1µs/DIV
8020 F1a
5µs/DIV
8020 F01b
���������������動作
�����連続動作
図1.
出力電圧と内部インダクタ電流
8020f
7
LTM8020
アプリケーション情報
ほとんどのアプリケーションでは、設計手順は単純明快
で、以下のようにまとめられます。
1. 表1を参照し、望みの入力範囲と出力電圧に該当する行
を見つけます。
2. その行に示されているCIN、COUT、RADJおよびBIAS接
続を適用します。
これらの部品の組合せは正しく動作するかテストされて
いますが、目的のシステムの電源ライン、負荷および環境
条件で正しく動作することをユーザーの責任で検証して
ください。
表1に示されている出力電圧以外の出力電圧を望む場合、
式RADJ = 623.75/(VOUT ­ 1.25)を使います。ここで、RADJ
の単位はkΩです。出発点として、目的のアプリケーショ
ンに最も近い入力電圧と出力電圧に対応するCINとCOUT
の値を使い、システムのライン、負荷および環境条件で正
しく動作することを検証します
コンデンサの選択に関する検討事項
表1のCINコンデンサとCOUTコンデンサの値は、関連した
動作条件に対する最小推奨値です。表1に示されているコ
ンデンサ値より小さな値を適用することは推奨されてお
らず、望ましくない動作を引き起こす可能性があります。
入力システムには当然バルク・コンデンサがあるものと
します。大きな値を使うことは一般に問題なく、もし必要
ならば、ダイナミック応答を改善することができます。こ
の場合も、目的のシステムの電源ライン、負荷および環境
条件で正しく動作することをユーザーの責任で検証して
ください。
セラミック・コンデンサは小さく堅牢で、非常に小さな
ESRをもっています。ただし、全てのセラミック・コンデ
ンサが適しているわけではありません。X5RとX7Rのタ
イプは全温度範囲と印加電圧で安定しており、安心して
使えます。Y5VやZ5Uなど他のタイプは容量の温度係数
と電圧係数が非常に大きくなります。実際の回路ではそ
れらの容量が公称値の数分の一にも低下することがある
ため、電圧リップルが予期したよりもはるかに大きくな
ることがあります。
また、セラミック・コンデンサは圧電現象の影響を受けま
す。LTM8020のスイッチング周波数は負荷電流に依存し、
8
軽負荷ではセラミック・コンデンサを可聴周波数で励起
し、可聴ノイズを発生することがあります。LTM8020は
Burst Mode動作では低い電流リミットで動作するので、
普通に聴くとノイズは一般に非常に静かです。
この可聴ノイズを許容できない場合、高性能電解コンデ
ンサを出力に使用します。入力コンデンサには2.2µFのセ
ラミック・コンデンサと低コストの電解コンデンサを並
列に組み合わせることができます。
セラミック・コンデンサに関する最後の注意点はLTM8020
の最大入力電圧定格に関係します。入力のセラミック・コ
ンデンサはトレースやケーブルのインダクタンスと結合
してQの高い(減衰の小さな)共振タンク回路を形成しま
す。LTM8020の回路を給電中の電源に差し込むと、入力電
圧に公称値の2倍のリンギングが生じて、デバイスの定格
を超えるおそれがあります。
この状況は容易に避けられま
す。
「安全な活線挿入」
のセクションを参照してください。
短絡入力保護
LTM8020に入力が加わっていないときに出力が高く保持
されるシステムでは、注意が必要です。それはバッテリや
他の電源がLTM8020の出力とダイオードOR結合されて
いるバッテリ充電アプリケーションやバッテリ・バック
アップ・システムで生じることがあります。VINピンがフ
ロート状態で、SHDNピンが(ロジック信号によって、あ
るいはV INに接続されていて) H に保持されていると、
SWピンを通してLTM8020の内部回路に静止電流が流れ
ます。この状態で数ミリアンペアの電流を許容できるシ
ステムであればこれは問題ありません。SHDNピンを接
地すればSWピンの電流は実質的にゼロに低下します。た
だし、出力を高く保持した状態でVINを接地すると、出力
からSWピンおよびVINピンを通ってLTM8020内部の寄生
ダイオードに大きな電流が流れる可能性があります。入
力電圧が与えられているときだけ動作し、短絡入力や逆
入力に対して保護する回路を図2に示します。
D1
VIN
VIN
100k
1M
LTM8020
SHDN
GND
8020 F02
図2.
ダイオードD1は逆入力に対してデバイスを保護するとと
ともに、出力に接続されたバックアップ用バッテリが短絡され
た入力によって放電するのを防ぐ
8020f
LTM8020
アプリケーション情報
PCBのレイアウト
PCBのレイアウトに関連した頭痛の種のほとんどは
LTM8020による高度の集積化によって緩和ないし除去さ
れました。とはいえ、LTM8020がスイッチング電源である
ことに変りはありませんので、EMIを最小に抑えて正し
い動作を保証するには注意を払う必要があります。高レ
ベルに集積化されていても、いいかげんなまずいレイア
ウトでは規定動作を実現できないことがあります。推奨
レイアウトについては図3を参照してください。
接地とヒートシンクに問題がないことを確認します。注
意すべきいくつかのルールがあります。
1. CINコンデンサをLTM8020のVINおよびGND接続ので
きるだけ近くに配置します。
2. COUTコンデンサをLTM8020のVOUTおよびGND接続の
できるだけ近くに配置します。
3. C IN コンデンサとC OUT コンデンサのグランド電流が
LTM8020の近くまたは下を流れるようにCINコンデンサ
とCOUTコンデンサを配置します。
4. 全てのGND接続をトップ層のできるだけ大きな銅領域
またはプレーン領域に接続します。外部部品とLTM8020
の間でグランド接続を切断しないようにします。
5. 銅領域はLTM8020のヒートシンクとしても機能しま
す。プリント回路基板の他の層へのヒートパイプとして
機能する複数のビアをGNDプレーンに配置します。
VIN
SHDN
VOUT
CIN
BIAS
COUT
ADJ
GND
COPPER
RADJ
VIAs TO GND PLANE
8020 F03
図3.
推奨外部部品、GNDプレーンおよび
サーマル・ビアを示すレイアウト
正電圧から負電圧へのレギュレーション
LTM8020は、V OUT パッドをシステムのグランドに接続
し、
「標準的応用例」のセクションに示されているように
GNDを接続することにより、負出力を発生することがで
きます。この構成設定では、SHDNをレベルシフトする
か、またはGNDを基準にする必要があり、利用可能な出
力電流が減少することがあります。
安全な活線挿入
セラミック・コンデンサはサイズが小さく、堅牢でイン
ピーダンスが低いので、LTM8020の回路の入力バイパス・
コンデンサに最適です。ただし、LTM8020が給電中の電
源に挿入されると、これらのコンデンサは問題を生じる
ことがあります(詳細についてはリニアテクノロジー社
の「アプリケーションノート88」を参照)。低損失のセラ
ミック・コンデンサは電源に直列の浮遊インダクタンス
と結合して減衰の小さなタンク回路を形成し、LTM8020
のVINピンの電圧に公称入力電圧の2倍に達するリンギン
グを生じる可能性があり、LTM8020の定格を超えてデバ
イスを傷めるおそれがあります。入力電源の制御が十分
でなかったり、ユーザーがLTM8020を給電中の電源に差
し込んだりする場合、このようなオーバーシュートを防
ぐように入力ネットワークを設計する必要があります。
LTM8020の回路が24Vの電源に4フィートの24番ゲージ
のより対線で接続される場合に生じる波形を図4に示し
ます。最初のプロットは入力に2.2µFのセラミック・コン
デンサを使った場合の応答です。入力電圧は35Vに達す
るリンギングを生じ、入力電流のピークは20Aに達しま
す。タンク回路を減衰させる1つの方法として、直列抵抗
とともにコンデンサをもう1個回路に追加します。図4b
ではアルミ電解コンデンサが追加されています。このコ
ンデンサは等価直列抵抗が大きいので回路の過渡応答が
減衰し、電圧オーバーシュートが抑えられます。追加コン
デンサにより低周波リップルのフィルタ機能が改善さ
れ、回路の効率がわずかに改善されますが、このコンデン
サはおそらく回路内で最大の部品となるでしょう。代替
ソリューションを図4cに示します。電圧オーバーシュー
トを抑えるため1Ω抵抗が入力に直列に追加されていま
す(ピーク入力電流も下がります)。0.1µFのコンデンサ
により高周波フィルタ機能が改善されています。このソ
リューションは電解コンデンサの場合よりもサイズが小
さく安価です。高い入力電圧の場合、効率に与える影響は
小さく、24V電源で動作しているとき最大負荷の5V出力
の効率低下は0.5%以下です。
8020f
9
LTM8020
アプリケーション情報
高温に関する検討事項
LTM8020のダイ温度は125℃の最大定格より低くなけれ
ばならないので、回路のレイアウトに注意してLTM8020
に十分なヒートシンクを与えます。接合部温度を推定す
るには、このデータシートに示されている標準的効率を
望みの出力電力に適用することにより、または、実際の
モジュールが用意されていれば電力を測定することに
より、LTM8020内の電力消費を推定します。次いで、モ
ジュールの消費電力に熱抵抗を乗算して、プリント回路
基板の表面を超えるLTM8020の内部温度上昇を計算しま
す。LTM8020からプリント回路基板への実際の熱抵抗は
回路基板のレイアウトに依存しますが、ページ2に与えら
れている熱抵抗(これは25cm2の4層FR4 PCボードをベー
スにしています)と「標準的性能特性」を目安として使う
ことができます。
最後に、高い周囲温度では、内部ショットキー・ダイオー
ドのリーク電流がかなり大きくなり、LTM8020の消費電
流が増加することに注意してください。
BIASピンに関する検討事項
BIASピンは、内部パワー・スイッチング段にドライブ電
力を供給し、内部回路を動作させるのに使われます。正し
く動作させるには、少なくとも3Vでこのピンに電力を供
給する必要があります。出力電圧が3V以上にプログラム
されている場合、単にBIASをVOUTに接続します。VOUTが
3Vより低い場合、BIASをVINまたは他の電圧源に接続す
ることができます。全ての場合に、BIASピンの最大電圧
が25Vより低く、VINとBIASの和が47Vより小さくなるよ
うにします。BIAS電力が遠く離れた電圧源またはノイズ
の大きな電圧源から供給される場合、LTM8020の近くに
デカップリング・コンデンサを置く必要があるかもしれ
ません。
スイッチを閉じて
活線挿入をシミュレートする
���
�
��
�
給電中の
低インピーダンスの
���電源
�������
���
�������
�����
���
�������
�フィート
(約��)
の
より対線による
浮遊インダクタンス
��������
����
����
���
������
�������
�
�����
���
�������
���
�������
����
��
�����
�������
�����
��������
���
�������
���
�������
����
��������
��������
図4.
入力ネットワークを正しく選択すると、給電中の電源にLTM8020を接続したとき
入力電圧のオーバーシュートを防ぎ、信頼性の高い動作を保証する
8020f
10
LTM8020
アプリケーション情報
表1.
推奨外部部品の値と構成
VIN Range
VOUT
CIN
COUT
RADJ
BIAS Connection
4.5V - 36V
1.25V
2.2µF 50V 1206 X7R
47µF 6.3V 1206 X5R
Open
>2V, < 25V
4.5V - 36V
1.5V
2.2µF 50V 1206 X7R
47µF 6.3V 1206 X5R
2.43M
>2V, < 25V
4.5V - 36V
1.8V
2.2µF 50V 1206 X7R
47µF 6.3V 1206 X5R
1.1M
>2V, < 25V
4.5V - 36V
2.5V
2.2µF 50V 1206 X7R
22µF 6.3V 1206 X7R
499k
VOUT
4.5V - 36V
3.3V
2.2µF 50V 1206 X7R
10µF 6.3V 1206 X7R
301k
VOUT
6.5V - 36V
5V
2.2µF 50V 1206 X7R
10µF 6.3V 1206 X7R
165k
VOUT
4.5V - 15V
1.25V
2.2µF 16V 0805 X7R
22µF 6.3V 1206 X7R
Open
VIN
4.5V - 15V
1.5V
2.2µF 16V 0805 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
2.43M
VIN
4.5V - 15V
1.8V
2.2µF 16V 0805 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
1.1M
VIN
4.5V - 15V
2.5V
2.2µF 16V 0805 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
499k
VIN
4.5V - 15V
3.3V
2.2µF 16V 0805 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
301k
VOUT
6.5V - 15V
5V
2.2µF 16V 0805 X7R
None
165k
VOUT
9V - 24V
1.25V
1µF 25V 0805 X7R
47µF 6.3V 0805 X5R
Open
VIN
9V - 24V
1.5V
1µF 25V 0805 X7R
47µF 6.3V 0805 X7R
2.43M
VIN
9V - 24V
1.8V
1µF 25V 0805 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
1.1M
VIN
9V - 24V
2.5V
1µF 25V 0805 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
499k
VIN
9V - 24V
3.3V
1µF 25V 0805 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
301k
VOUT
9V - 24V
5V
4.7µF 25V 0805 X7R
10µF 6.3V 0805 X5R
165k
VOUT
18V - 36V
1.25V
2.2µF 50V 1206 X7R
47µF 6.3V 1206 X5R
Open
>2V, <25V
18V - 36V
1.5V
2.2µF 50V 1206 X7R
47µF 6.3V 1206 X5R
2.43M
>2V, <25V
18V - 36V
1.8V
2.2µF 50V 1206 X7R
22µF 6.3V 1206 X7R
1.1M
>2V, <25V
18V - 36V
2.5V
2.2µF 50V 1206 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
499k
VOUT
18V - 36V
3.3V
2.2µF 50V 1206 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
301k
VOUT
18V - 36V
5V
2.2µF 50V 1206 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
165k
VOUT
3.3V - 30V
–3.3V
2.2µF 50V 1206 X7R
22µF 6.3V 0805 X7R
301k
VOUT
5V - 30V
–5V
2.2µF 50V 1206 X7R
10µF 6.3V 0805 X7R
165k
VOUT
8020f
11
LTM8020
標準的応用例
1.25V降圧コンバータ
VIN
4.5V TO 24V
VIN
1µF
VOUT
LTM8020
SHDN
BIAS
GND
VOUT
1.25V
200mA
47µF
X5R
ADJ
8020 TA02
3.3V降圧コンバータ
VIN
4.5V TO 36V
VIN
1µF
VOUT
LTM8020
SHDN
GND
VOUT
3.3V
200mA
BIAS
10µF
X5R
ADJ
301k
1%
8020 TA04
1.8V降圧コンバータ
VIN
4.5V TO 15V
VIN
2.2µF
VOUT
LTM8020
SHDN
BIAS
GND
VOUT
1.8V
200mA
22µF
X7R
ADJ
1.1M
1%
8020 TA03
8020f
12
LTM8020
標準的応用例
5V降圧コンバータ
(出力コンデンサ不要)
VIN
6.5V TO 15V
VIN
VOUT
5V
200mA
VOUT
LTM8020
2.2µF
SHDN
BIAS
GND
ADJ
165k
1%
8020 TA05
­5V正­負コンバータ
VIN
5V TO 30V
VIN
VOUT
LTM8020
SHDN
BIAS
ADJ
GND
2.2µF
–5V
85mA
–5V
10µF
X5R
165k
1%
8020 TA06
­5V正­負コンバータの
出力と入力電圧
250
ILOAD (mA)
200
150
100
50
0
0
5
10
15
VIN (V)
20
25
30
8020 TA08
8020f
13
������
������
������
������
������
������
������
�
パッド�の
コーナー
パッケージの上面図
�����
���
推奨���レイアウト
上面図
�
�����
���
�
パッケージ側から
見た細部�
�����������
モールド
キャップ
��������
�����������
パッド��の識別マークの詳細はオプションだが、
示された領域内になければならない。
パッド��の識別マークはモールドまたは
マーキングにすることができる
������ ���������
���
����
���
����
���パッドの総数:���
���主データム�����はシーティングプレーン�
�
トレイのピン�
斜角
部品の
ピン�����
�
パッド
����を参照
�����
���
�������������
�����
サブストレート ���
ランドの指定は��������������������および�������による
�
���すべての寸法はミリメートル
���寸法と許容誤差は����������������による
�����:�
������
�����������
(Reference LTC DWG # 05-08-1803 Rev A)
������
������
������
�
14
������
������
������
LGA
パッケージ
LGA
Package
21ピン
(
6.25mm �6.25mm
)
6.25mm 2.32mm
� 2.32mm)
21-Lead
(6.25mm
�
�
底面図
�
�
�����������������
トレイ内のパッケージの収納方向
���������
�������
�
�����
�������������
�
�
�
�
�
�������
�����
LTM8020
パッケージ寸法
8020f
�������
������
������
�������
LTM8020
パッケージ寸法
LTM8020のピン配置
(ピン番号順)
ピン
信号の説明
A1
VIN
A2
VIN
A4
VOUT
A5
VOUT
B4
VOUT
B5
VOUT
C1
SHDN
C2
GND
C3
BIAS
C4
VOUT
C5
VOUT
D1
GND
D2
GND
D3
GND
D4
GND
D5
GND
E1
ADJ
E2
GND
E3
GND
E4
GND
E5
GND
8020f
リニアテクノロジー・コーポレーションがここで提供する情報は正確かつ信頼できるものと考えておりますが、その使用に関する責務は一切負い
ません。また、ここに記載された回路結線と既存特許とのいかなる関連についても一切関知いたしません。なお、日本語の資料はあくまでも参考資
料です。訂正、変更、改版に追従していない場合があります。最終的な確認は必ず最新の英語版データシートでお願いいたします。
15
LTM8020
標準的応用例
3.3V降圧コンバータ
VIN
5V TO 36V
VIN
1µF
VOUT
LTM8020
SHDN
GND
VOUT
3.3V
200mA
BIAS
10µF
X5R
ADJ
301k
1%
8020 TA07
関連製品
製品番号
説明
LTM4600
10A、
DC/DC µModule
注釈
ベーシックな10A DC/DC µModule、
15mm 15mm 2.8mm LGA
パッケージ
LTM4600HVMPV ミリタリ・プラスチック10A DC/DC µModule
­55℃∼125℃動作、
15mm 15mm 2.8mm LGAパッケージ
LTM4601/
12A DC/DC µModule、
PLL、
出力トラッキング/
同期可能、
PolyPhase動作、
LTM4601-1バージョンにはリモート
LTM4601A
マージニングおよびリモート検出付き
検出なし
LTM4602
6A DC/DC µModule
LTM4600とピン・コンパチブル
LTM4603
6A DC/DC µModule、
PLL、
出力トラッキング/
同期可能、PolyPhase動作、
LTM4603-1バージョンにはリモート
マージニングおよびリモート検出付き
検出なし、LTM4601とピン・コンパチブル
LTM4604
4A低VIN DC/DC µModule
2.375V ≤ VIN ≤ 5V、
0.8V ≤ VOUT ≤ 5V、
9mm 15mm 2.3mm LGA
LTM4608
8A低VIN DC/DC µModule
2.375V ≤ VIN ≤ 5V、
0.8V ≤ VOUT ≤ 5V、
9mm 15mm 2.8mm LGA
LTM8022
1A、
36V DC/DC µModule
調節可能な周波数、0.8V ≤ VOUT ≤ 5V、
11.25mm 9mm 2.82mm、
LTM8023
2A、
36V DC/DC µModule
調節可能な周波数、0.8V ≤ VOUT ≤ 5V、
11.25mm 9mm 2.82mm、
パッケージ
パッケージ
LTM8023とピン・コンパチブル
LTM8022とピン・コンパチブル
8020f
16
リニアテクノロジー株式会社
〒102-0094 東京都千代田区紀尾井町3-6 紀尾井町パークビル8F
TEL 03-5226-7291 FAX 03-5226-0268 www.linear-tech.co.jp
●
●
1207 • PRINTED IN JAPAN
 LINEAR TECHNOLOGY CORPORATION 2007
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