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目に見えない世界

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目に見えない世界
目に見えない世界
研究者
指導者
矢高圭祐
北原尚
早川貴啓
弓谷好弘
中島
浩明
1、研究動機
僕達は課題研究をするにあたって、何をしようかと考えていたところ、自分達が普段から接してい
る世界をミクロ的に突きつめた世界、すなわち私たちの目には見えない世界はどうなっているのか
という疑問が浮かんできました。そこで僕達は自然界に存在する4つの力と物質を構成している一
番小さなものは何かということを調べることにしました。
2、研究の概要
僕達が研究したのは、物質を構成する最も基本的な粒子の素粒子と自然界に存在する重力、電磁気
力、強い力、弱い力の 4 つの力について研究しました。また、素粒子に関する歴史についても興味
を持ったので、それについても調べてみました。
3、研究の方法
この研究は、高校生レベルでは実験をすることができなかったので、主に図書館やインターネット
を使って資料を集める方法をとりました。
4、研究するにあたって
僕たちは、資料を集めることしか出来なかったのでその内容をしっかりと理解することに
努めました。ここに書いた文章もコピーなどをするのではなく、 なるべく自分達の言葉
でまとめる事にしました。
5、結果
・①素粒子について
・②自然界の4つの力
(1)重力
(3)強い力
(2)電磁気力
(4)弱い力
・③素粒子の歴史にそった人物
(1)アーネスト・ラザフォード
(2)ジェームズ・チャドウィック
(3)エンリコ・フェルミ
(4)湯川秀樹
・④クォークの探し方
・⑤まとめ
・⑥感想
・⑦参考文献・参考URL
素粒子
9- 1
①素粒子について
素粒子とは?
物質を構成している最小の単位である粒子。しかし、内部により小さい粒子を含む粒子(クォークか
らできている陽子など)も一応素粒子と呼ぶこともある。また、クォークや軽粒子にしても「これ
が最小の単位の粒子でもうこれ以上小さいものからできているのでは無い。」ということを証明す
ることはむずかしい。だから素粒子の明確な定義は無い。力を伝えるゲージボソンや不思議な性質
を持つと予想される数多くの未発見の粒子も通常素粒子と呼ばれる。
素粒子の分類
素粒子には多くの種類があるが、すっきりした分類が可能である。第1のグループは、基本的なフ
ェルミオンである。これは、クォークと軽粒子(レプトン)に大別される。前者は、単独では存在
せず、ハドロンとよばれる一連の粒子をかたちづくっている。第2のグループは、ゲージボソンで、
力の伝達にあずかる。既に発見されているものは以上であるが、未発見の第3のグループであるヒ
ッグズ粒子は、重要な役割を担っており、発見が待たれている。その他、いろいろな性質を持った
未発見の数多くの素粒子が、理論により予言されているが、必ず存在するという確証は無い。
素粒子
9- 2
②自然界の 4 つの力
(1)重力
私達にもっともなじみ深いのがこの力で、重力はすべての素粒子に引力(万有引力)として働いており、
重力はさえぎられることなく無限まではたらいている。例としては天体間の力がある。また、その大き
さは、質量と比例している。ここで万有引力の法則について説明しておきたいと思う。この法則は「す
べてのものは引き合っている」ということを示す法則である。これだけ言ってもわからないと思うので
「私たちが今ここにいる」ということを例に説明したいと思う。私達が今この場に立っている、そのこ
とについて万有引力の法則を使って考えると、私達はどうして立っていられるのだろうか。それは、
「私
達」と「何か」の間に力が働いているからである。その「何か」とは、皆さんもよく知っている《地球》
である。つまり、私達が立っているということは地球の万有引力に引っ張られていることからなりたっ
ているのである。それではこうした重力の仕組みはどのようになっているのだろうか?現在、重力の原
因は「エネルギー」であることが知られていて、そのことから質量とはエネルギーの一つの形態(例 E
=m c 2 アインシュタイン)といえますが、重力を及ぼしあう仕組みは、まだ、よくわかっていない。現
在、考えられているのは「重力子(グラビトン)」という考え方で、
“質量を持った物質同士は重力子と
いう質量を持たない粒子を交換しあうことによって、重力を及ぼしあう”という考え方である。また重
力子は質量を持たないので無限のかなたまで届き 4 つの力の中で最も到達距離の長い力であるが、力の
強さの面では、強い力;1に対して、重力相互作用;5.9× 10 =39 そのことから重力は遠く離れた物
質間でも働くと考えられる。しかし、この考えも研究途上にあり、重力子も仮説的な粒子とされている
ので、重力子の観測もこれからの課題となっている。
(2)電磁気力
電磁気力は、電気力と磁気力の2つの力からできている。この力は、私達の生活にもよくでてきて、日
常私達が経験する重力以外のすべての力がこの電磁気力である。例としては、原子間力がある。では、
この力はどのような力なのだろうか?それについて説明したいと思う。電磁気力は電荷をもった物質同
士が及ぼしあう相互作用で、同符号の電荷の間では反発力、引力になる。また、電磁気力は強い力;1
に対して
1
である。この仕組みは、運動している電子 e 同士が衝突する。この時に、実は電子は「仮
137
想粒子(仮想光子)」を放出している。仮想粒子とは、普通の素粒子と実質的には同じものであるが、
実験的に個別に計算されることがないもの。つまり、「存在していることはわかるが、個別に計算され
ることはない」という形で示される素粒子のことである。この仮想粒子を相手の粒子が吸収する。この
とき運動量が交換されるのである。電子は互いに仮想粒子を放出し、吸収しあう、これが電磁気力の及
ぼしあい方なのである。また、光子は質量を持たないので、遮らなければ重力と同じように無限にとど
く。
素粒子
9- 3
(3)強い力
これは、陽子や中性子を構成している、クォーク同士を結び付けている力である。別名「強い力」とも
呼ばれている。電磁力は原子核と電子を結びつけて原子をつくっているが、原子から漏れた電磁力が原
子と原子を結びつけて物質をつくっている。これと同様、「強い力」はアップクォークやダウンクォー
クを結びつけて陽子や中性子をつくっている。また、クォークどうしの距離が離れるほど力が強くなる
のである。陽子や中性子から漏れた「強い力」は陽子や中性子を結びつけて原子核をつくっている。こ
の「強い力」は陽子や中性子の中だけ、漏れても原子核の中だけに働くきわめて短距離( 10 −16 m~ 10 −15 m)
の間に働く力である。このことは、「重力」や「電磁気力」とは大きく異なっている点である。また、
この強い力は電磁気力の 137倍程の大きさを持つ最も強い力のためこの名前がつけられた。力が強い
ので、陽子や中性子が原子核という塊となっていられる。
*アップクォーク、ダウンクォーク;クォークは1対ずつ3つの階層に分類され、この2つはその中の
第一世代に属している。
(4)弱い力
弱い力とは自然界に働く基本的な四つの力の一つで、素粒子の間に働く。中性子を原子核の外に取りだ
すとすぐに陽子と電子、レプトンの一種であるニュートリノという粒子にこわれしまうが、そのような
ときに粒子を崩壊させるはたらきをする力も『弱い力』とよばれる力で、この力の働きの代表的なもの
として「ベータ崩壊」がある。
他の基本的な力と比較して力が働く範囲が非常に近い範囲にしか働かないことや、力が非常に弱いこと
からこの名前がついた。
ベータ崩壊とは、自然界の基礎的な4つの力の1つである「弱い力」の相互作用によって起きる放射性
壊変の一群を意味する。
素粒子
9- 4
③素粒子の歴史にそった人物
(1)アーネスト・ラザフォード
① ラザフォードとは?
アーネスト・ラザフォード(Ernest Rutherford, 1st Baron Ruth ford of Nelson (初代ネルソンのラ
ザフォード男爵)、1871 年 8 月 30 日 – 1937 年 10 月 19 日)はニュージーランド出身のイギリスで活
躍した物理学者。マイケル・ファラデーと並び称される実験物理学の大家である。α線とβ線の発見、
ラザフォード散乱による原子核の発見、原子核の人工変換などの業績により「原子物理学(核物理学)
の父」と呼ばれる。1908 年にノーベル化学賞を受賞した。
②
原子核とは?
原子核(げんしかく)は、単に核ともいい、原子を電子と共に構成している。原子の中心に位置し核子
の塊であり、正電荷を帯びている。原子と比べて原子核は非常に小さくその大きさはおよそ 10-15 m = 1
fmである。
③ α線とβ線とは?
α線とはα粒子(陽子 2 個と中性子 2 個から成るヘリウム(ヘリウム 4)の原子核)のα粒子の流れで
ある。元素の不安定核のアルファ崩壊にともなって放出される。
β線とはβ粒子(放射線の一種で、その実体は電子又は陽電子) の流れを、β線と呼ぶ。普通「β線」と
いう場合は、負電荷を持った電子の流れを指す
④
発見方法
ラザフォード散乱
ラザフォードはもともとα線の研究をしていた。その一環として金のうすい箔にα線を当てる実験をし
ていた。α線の大部分は、金箔を透過するが、一部が大きい角度で散乱されるということに気づいた。
素粒子
9- 5
従来の原子モデルではぼんやりと分布する正電荷の中に電子が分布していると考えられていた。しかし、
ラザフォードの実験によって正電荷をもった小さい原子核の存在をしめすこととなった。
上の図は、従来、考えられていた原子モデルである。しかし、ラザフォードの実験によって、下の図よ
うに原子内の正電荷がごく小さい領域に集中していると考えられ、つまり原子核が存在するということ
が判明した。
素粒子
9- 6
(2)ジェームズ・チャドウィック
① ジェームズ・チャドウィック
(1891年10月20日~1974年7月24日)イギリスの物理学者である。
マンチェスター大学、ケンブリッジ大学で物理を勉強した後、1914年、ベルリン
のベルリン工科大学においてハンス・ガイガーのもとで研究し、大戦後ケンブリッジに戻り、アー
ネスト・ラザーフォードと放射性物質からのガンマ線の放射、α線照射による元素の変化、原子核
の研究をするなかで中性子を発見し、物質の本質理解に多大な貢献をしました。
② 中性子とは?
中性子の質量は陽子とほとんど同じで、数値で言うと陽子は〔1.673× 10 −27 ㎏〕、中性子は〔1.675
× 10 −27 〕とほんの少し中性子のほうが、質量が大きいことがわかります。
中性子は陽子同士が反発しないように糊の役目を果たしています。陽子と中性子は中間子と呼ばれ
るものをやりとりすることにより核力をもち、お互いに引き合います。このため原子核内に正電荷
である陽子同士が多数存在できるのです。
③ どのように発見されたか!
中性子発見にいたるには、まずキュリー夫人の娘夫妻、イレーヌとジョリオによって発見
された《α線をベリリウムという金属に当てると透過力の強い新しい放射線がでる》とい
う発見が不可欠でした。それをもとに 1932 年ジェームズ・チャドウィックはその透過力
の強い放射線をいろいろな物質に衝突させると、陽子がはじきだされることを確認し、こ
の放射線が陽子とほぼ同じ質量を持ち、電荷を持たない中性の粒子「中性子」であること
を、実証しました。
素粒子
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(3)エンリコ・フェルミ
① エンリコ・フェルミ
エンリコ・フェルミ(1901 年 9 月 29 日-1954 年 11 月 28 日)は、イタリア系アメリカ人の物理学
者。実験家と理論家の2つの顔を持ち、双方において世界最高レベルの業績を残した、史上稀に見
る物理学者であった。
1938 年にノーベル物理学賞を受賞。ノーベル賞授賞式典出席のために、ムッソリーニ政権下のイ
タリアを出国しストックホルムで賞を受け取ったが、妻のローラがユダヤ人であったため、ユダヤ
迫害を避けてそのままアメリカに亡命した。アメリカでは、核分裂反応の研究に従事し、マンハッ
タン計画に携わり、原子爆弾を開発した。
エンリコ・フェルミにちなみ、原子番号 100 の元素はフェルミウムと命名されている。また、100 −15
メートルを1フェルミと呼ぶ。
② 彼の研究について
(1)「フェルミ統計」
・・・電子の振る舞いにパウリの排他的原理を導入することで「フェルミ統計」と
いう新しい統計力学を作り出した。同時期にポール・ディラックも同様の結論を導き出していたた
め「フェルミ統計」は「フェルミ=ディラック統計」とも呼ばれる。電子や陽子など、フェルミ統
計に従う粒子を総称してフェルミ粒子と呼ぶ。「フェルミ統計」は金属の熱伝導や、白色矮星の安
定性に関する理論的な基礎を与える。
(2)「ベータ崩壊の理論」
・・・ニュートリノの存在を導入したベータ崩壊の理論を完成させた。
(3)「人口放射性同位元素の生成」・・・自然に存在する元素に中性子を照射することによって 40 種類
以上の人口放射性同位元素を生成した。また、熱中性子を発見し、その性質を明らかにした。これ
らの成果によって、1938 年にノーベル物理学賞を受賞した。
素粒子
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(4)「原子炉の建設」1942 年、世界最初の天然ウラン-黒鉛型原子炉「シカゴ・パイル1号」を完成さ
せ、原子核分裂の連鎖反応の制御に史上初めて成功した。(この原子炉は原子爆弾の材料となるプル
トニウムを生産するために用いられた。)
③ 研究についての詳細
(1)「フェルミ統計」
・まず、統計力学とは、原子や分子、素粒子などのとても小さいものの立場から解析した物理法則を
もとに、それをもっと大きな立場での物理法則の性質を導き出すための学問である。エンリコ・フ
ェルミは原子を取り巻く電子の動きにパウリの排他的原理と呼ばれる仮定を導入して導き出され
たものだ。その仮定というのは「1つの原子軌道に属する 2 つの電子は電子の量子状態を決定する
4 つの量子数のすべてを共通にはもちえない」というものである。わかりにくいが噛み砕いていえ
ば、「同じ原子軌道上を動いている電子はその電子の動きあらわす数値のすべてが同一のものであ
ることはない。」ということである。つまりフェルミは、その理論を用いて電子の動きに新たな規
則付けをしたのである。
・このように、パウリの排他的原理を適用される粒子を「フェルミ粒子」と呼ぶ。しかしこの統計力
学を適用できない粒子も実際には存在していて、そのような粒子の総称を「ボース粒子」と呼ぶ。
(2)「ベータ崩壊の理論」
・ベータ崩壊とは、自然界の基礎的な4つの力の1つである「弱い力」の相互作用によって起きる放
射性壊変の一群を意味する。放射線壊変とは、不安定な原子核がさまざまな相互作用によって状態
を変化させる現象である。ほかに、放射壊変、原子核崩壊などと呼ばれる。単に崩壊と呼ばれるこ
ともある。
・ベータ崩壊には様々なタイプの崩壊があるが、弱い力によって起こる放射性壊変の一群を総称して
ベータ崩壊と呼ぶ。
(3)「人工放射性同位体の生成」
・放射性同位体とは、同位体(同じ元素番号を持つ原子でありながら、原子核の中性子の数(つまりは
質量数)が異なるもの)の中でも、時間とともに放射性壊変をしていく原子のことをいう。
(4)「原子炉の建設」
・フェルミが建設に関わった原子炉「シカゴ・パイル1号」は歴史上初めて臨界に達した原子炉である。
減速材に黒鉛を使用した黒鉛減速空気冷却炉であり、主にプルトニウムの生成用原子炉を設計する
ための実験的な炉であった。
・この原子炉の成果をもとに作られた原子炉「ハンフォード B 炉」によって生成されたプルトニウムは、
1945 年 8 月 9 日に長崎に落とされた原子爆弾 Mk.3 型(通称「ファットマン」)の製作に使用された
素粒子
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(4)湯川秀樹
①
湯川秀樹
湯川秀樹(ゆかわ ひでき、1907 年 1 月 23 日 - 1981 年 9 月 8 日)は、日本の理論物理学者。独力で研
究を進め、原子核を構成する陽子と中性子を結びつける核力を媒介する中間子の存在を予見した。その
功績により、日本人として初めてのノーベル賞を受賞した。このニュースは、敗戦・占領下の自信を失
っていた国民に大きな力を与えたとされ、フィーバーを巻き起こした。
②
中間子論とは?
原子核の研究が進み、原子核の構造と性質が次第に明らかになっていくと、一つの大きな謎が浮か
び上がってきた。それは原子核を結合している力「核力」だった。陽子と中性子を結びつけて原子核を
つくっている核力は大変強い力である。なぜなら、陽子は互いに電気反発力が働くので、その反発力よ
りも遥かに強い力で結合しないと、安定な原子核はできないからである。ところが、どのようにして強
い核力が生ずるのか、その当時は全く謎だった。その核力の謎を解きあかしたのが湯川中間子論である。
③
中間子とは?
原子の広がりにくらべて、原子核は非常に小さいことがわかっていた。もし原子の大きさが野球のグラ
ウンド程度(直径約100m)だとすると、原子核の大きさは1円玉の半分程度(約1cm)である。
原子の大きさにくらべて非常にせまいところで、陽子と中性子は引きつけあっている。その仕組みとし
て、陽子と中性子の間を力が伝わる必要があると考え、その伝えるものを探しもとめていた。そして、
「中間子」という「未知の粒子が陽子や中性子をくっつける接着剤の役割をしている」のではないかと
考えた。陽子と中性子が、目にも止まらぬスピードで粒子をキャッチボールすることによって、たがい
の間に力が伝わって引きつけあっていると考えたのだ。その粒子の質量を計算したところ、電子の27
0倍という結果が出た。陽子と電子の中間の重さだったのでこの未知の粒子を「中間子」と名づけた。
この考えは、イギリスの実験物理学者「パウエル」によって証明された。
素粒子
9-10
④クォークを探す
陽子の中にクォークが存在することは、陽子の中をのぞく実験により明らかにされたが、クォークを陽
子の中から取り出すことには成功していない。もしクォークを取り出そうとすれば、陽子を壊せばいい
のだが、陽子に陽子を激しく衝突させ、両者を壊してクォークを取り出すことは難しい。
それではどのようにして、クォークを探せばよいのだろうか。実は自然界にクォークを探す試みがされ
ている。このクォーク探しの試みはすべてクォークのもつ電荷が分数であるということを利用している。
この世の中の物質が陽子と中性子と電子からできているかぎり、物質のもつ電荷は整数でなくてはなら
ない。これに対して、クォークは分数の電荷をもつため、もし何らかの実験で分数の電荷をもつ物質を
見つけたとすればその中には少なくとも一個のクォークが含まれているということになる。それでは、
このような分数電荷をもつクォークを自然界に探すにはどうしたらいいのか。
宇宙線の中に探す
地球には、常に宇宙のどこかで作られたエネルギーの高い粒子(宇宙線)がふりそそいでいる。この宇
宙線の超高エネルギーの陽子は、大気に突入すると、大気を構成している窒素や酸素の原子核と衝突を
起こす。その結果、窒素や酸素の原子核の中の陽子や中性子は粉々に破壊される可能性がある。すると、
クォークはそこから地表へ降り注いでくるのである。それを地表に置いたシンチレーションカウンター
という検出器で捕らえようとしているのだ。
空から降ってくるクォークを捕らえる実験で重要なことは、測定器は大きいほうが、測定時間は長いほ
どいいということになる。
地表物質の中に探す
クォークは、地表物質の中に留まり自分と反対の符号をもつ反クォークに出会わない限りそのままじっ
としている。もしクォークが反クォークに出合ったとすると、両者は消滅してエネルギーとなってしま
う。クォークの数が少ないように反クォークの数も少ないからこの二つが出合うことはないと考えられ
る。すなわち、地球は45億年の間クォークを貯え続けたということができるのである。地表の砂一握
りの中に一個でもクォークが混ざっているとその一握りの砂は決して電気的に中性となることはない
はず。したがって、地表物質の中にクォークを探すには、適当に地上の物質をとりあげたとき、電子を
与えたり、電子を奪ったりすることによってそれが電気的に中性となり得るかどうか調べてやればよい
ということになるのである。もし、中性とならないなら、その中にクォークが含まれている可能性があ
るということになる。もしくは、地表物質の電荷を測定して、その値が整数かどうか調べてやればよく、
もし、整数でないとするとその中に少なくとも一個のクォークが含まれていることになるのである。
ミリカンの方法
物質が電気的に中性かどうかを調べたり、物質の電荷を測定したりするのにミリカンの方法と
いうのがある。これは上に(+)下に(-)の電極を置きその間に電気を帯びた測定物質を入
れる。その時、測定物質の質量と電極にかける電圧が分かっていると、この実験から電荷がわ
かるのである。
素粒子
9-11
⑤まとめ
素粒子や 4 つの力について研究をしてみて、色々なことがわかりましたが、これらはまだほん
の一部にすぎず、まだたくさんの法則や計算式があります。またこの分野は研究中にあり、こ
れからもこの分野が発展することが期待されます。素粒子を研究することがなんの役に立つの
かというと、実は素粒子を研究する段階において私たちの生活に大きな影響を与えています。
例を出すと、原子の研究の分野からはエックス線が生まれています。身の回りで起きているけ
れども、普段は気付くことの無いこの「目には見えない世界」が、これからも発展し、今後、
私達の生活にどのような影響を与えるのか楽しみです。
⑥感想
研究をして、身近に存在している素粒子や 4 つの力などのことが詳しくしれました。特に4つの力の重
力では、物体が接してもいないのにどうして引きつけられるのかのかと、以前から疑問に思っていたの
で、課題研究を通してそのことについて知ることが出来たのでよかったです。今後もまた素粒子に関す
る研究が発展する可能性があるので、また機会があったら研究してみたいです。
矢高
圭祐
素粒子の分野は、今でも不確定な事柄が多く、色々と大変であったが自分の目に見えない世界を調べ、
その世界を見ることができ、興味のあったことの知識を深めることができて良かった。作業中はだらだ
らしてしまったことがあり、もっとしっかりしていたら、最後の原稿へのまとめがもっと分かり易く出
来たと思った。
早川
貴啓
素粒子に関係するようなことは、普段、普通に生活していて実感することや、素粒子を身近に感じる機
会などは非常に少ないが、素粒子に関することは、興味を持ってみれば非常に面白いモノだと思うし、
まだ分かっていないことや、自分なりに理解できていないところもたくさんあるので、また機会があれ
ば今度は実験などにも取り組んで研究してみたいと思った。
北原
尚
素粒子に関してまったく知識の無いところから始めたので、語句を理解したりするのが大変だった。で
も、調べていくうちに素粒子がどういうものかがわかってきて、素粒子の世界に興味を持つようになっ
た。僕がその中で興味を持ったクォークの探し方は、いろいろな方法があったので最初は自分達でも実
験して探せるのではないかと思っていた。でも、小規模では探せないということを知って残念だった。
素粒子は奥が深い分野で、調べ出したらきりがないので機会があればもっと詳しく調べたいと思った。
弓谷
好弘
⑦参考文献・参考URL
電子・陽電子リニアコライダー計画
http://lcdev.kek.jp/GLC/overview/01.cover.html
http://www.enjoy.ne.jp/~masanori-m/minori/soryuusi.htm
素粒子の世界
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%
E3%82%B8
キッズサイエンティスト
原子の構造
http://www.kek.jp/kids/class/particle/index.html
http://cherun.dyndns.org/cherun/no01/01add.html
素粒子
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