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GPS波浪計の増設による津波観測体制の強化
国土交通省−17 GPS波浪計の増設による津波観測体制の強化 【国土交通省 港湾局 技術企画課】 【提案事項】 日本海側へのGPS波浪計の増設による津波観測体制の強化 【現状・背景】 ○地震発生時には、地震の位置や規模などを基に津波を予測す るとともに、沖合に設置されたGPS波浪計による観測結果 を反映して津波警報等の発表が行われている。 ○GPS波浪計は 15 箇所設置されているが、太平洋側 12 箇所 に比べ、日本海側は青森深浦沖、秋田男鹿沖、山形酒田沖の 3箇所のみである。 GPS波浪計 GPS波浪計設置状況 (山形酒田沖には H22 年7月設置済み) 地震空白域 【本県の取組み】 ○本県では、津波浸水域予測図を作成し(平成 24 年3月公表)、迅速な避難など津波災害 に関する啓発に努めている。 【課題】 ○現在、山形酒田沖にGPS波浪計が設置されているが、国の長期評価における「佐渡島北 方沖」を領域とする地震による津波に対し、沿岸住民が的確な避難行動をとれるよう、本 県南部の沖合へのGPS波浪計設置が必要である。 ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 危機管理・くらし安心局 ※ 山形県担当部署: 危機管理課 TEL:023-630-2231 ○ -100- 文部科学省−6 学校施設の耐震化の促進(私立学校部分) 【文部科学省 高等教育局 私学部私学助成課/初等中等教育局 幼児教育課】 【提案事項】 (1)私立高等学校における改築に対する国庫補助制度の創設 (2)私立学校における耐震補強及び改築に対する補助率の引上げ 学校施設の耐震化率(平成 24 年 4 月 1 日現在) 山形県 全国平均 私立高等学校 46.8% 73.3% 私立中学校 100.0% 88.2% 私立幼稚園 67.5% 75.2% 55.6% 75.4% (公立高等学校) 87.7% 82.4% (公立小中学校) 79.8% 84.8% (公立幼稚園) 71.4% 75.1% (公立特別支援学校) 98.6% 92.9% 82.0% 84.8% 私立学校計 公立学校計 私立学校施設の耐震化等に係る補助制度(補助率) 負担割合 区分 通 高等学校 県 学校 0.3 未満 1/2 1/6 1/3 0.7 未満 1/3 1/3 1/3 1/3 1/3 1/3 防災機能強化 1/3 1/3 1/3 危険改築 − 1/5 4/5 − 1/10 9/10 1/3 1/10 17/30 1/3 − 2/3 1/3 1/10 17/30 耐震補強 非構造部材の 耐震対策 新築・改築 (改修) 危険改築 幼稚園 【本県の取組み】 ○高等学校の改築工事については、補助対象経費の 1/10 を県単補助。 ○平成 24 年度より、耐震補強工事については県単補 助の補助率を大幅に引上げ、学校負担を概ね 1/3 とした。 ○平成 25 年度より、国における補助制度の改善を踏 まえ県単補助制度を拡充。 Is 値 国 共 【現状・背景】 ○私立学校については、公立学校と同じ学びの場として 同様な安全・安心の確保が求められている。 ○平成 24 年4月1日現在、本県の私立学校施設の耐震化 率は 55.6%(全国平均 75.4%)。 ○特に、私立高等学校の耐震化率は 46.8%(全国平均 73.3%)にとどまっているが、その背景は次のとおり である。 ①本県の高等学校の生徒数は昭和 41 年がピーク、その 後減少の一途。他県からの越境入学が少ない、全日 制 15 校中 14 校までが地元法人であるなどの事情も あり、厳しい経営を強いられている。 ②全日制 15 校の半数(7 校)が昭和 30 年代に設立、 一斉に建替え期を迎えている。設立後間もなく 高度経済成長期の終焉とともに想定以上に県外 流出が増加し、生徒数減少期に入ったため、改 築資金が留保されていない。 ○私立高等学校では、建物の耐用年数等を勘案して 改築したいとしているが、資金計画が立たず、国 庫補助制度もないため耐震化が進んでいない。 ○国においては、平成 24 年度補正予算より、補助対 象経費の拡大や耐震補強工事に係る上限の撤廃等、 補助制度を改善しているが、補助率の引上げや改 築の補助対象化(高等学校)は実現しなかった。 新築・改築 (改修) 耐震性のない 0.7 未満 園舎の改築 【課題】 ○県単補助嵩上げにより、耐震補強工事に係る学校の自己負担を 1/3 にした効果は平成 24∼ 26 年度に現れてきており、さらに耐震化を促進するには、改築に係る支援が必要。 ○私立学校施設の耐震化を早期に完了させるためには、一層の促進措置が必要。 ※ 山形県担当部署:総務部 学事文書課 -101- TEL:023-630-2191 文部科学省−1 公立学校施設の耐震化支援措置の拡充 【文部科学省 大臣官房 文教施設企画部 施設助成課】 【提案事項】 公立学校(幼・小・中)における耐震補強及び改築補助の嵩上げ特例措置の対象範 囲の拡充(Is 値 0.3 以上 0.7 未満の学校施設を対象とすること) 【現状・背景】 公立小中学校の耐震化率(H24.4.1 現在) ○公立学校施設は、児童生徒等が一日の大半を過 ごす活動の場であり、災害時には地域住民の緊 急避難場所としての役割も果たすことから、学 小中学校 校施設の耐震化の推進は喫緊の課題である。 79.8% ○本県の小中学校の耐震化率は着実に向上してい 山形県 (全国29位) るものの、全国平均を下回っている状況にある。 全 国 84.8% ○地震防災対策特別措置法に基づく特例措置(平 成 23∼27 年度まで5年間延長)により、特に 危険性の高い学校施設の耐震化が加速するよう 公立小中学校の耐震化率の推移 補助率嵩上げ措置がなされている。 ・補助率嵩上げ % 100 山形県 耐震改修(補強)事業 … 1/2 → 2/3 90 全 国 80 改築事業 … 1/3 → 1/2 70 ・対象施設 60 50 地震防災緊急事業五箇年計画に基づいて実施 40 される事業のうち、大規模地震で倒壊等の危 30 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 険性が高い Is 値(構造耐震指標)0.3 未満の 小中学校施設が対象 ※Is 値 0.3 以上 0.7 未満の小中学校施設は対象外 【本県の取組み】 ○市町村の小中学校等の耐震改修及び改築について、国庫支出金及び地方債の充当残の部分 に対し長期貸付を行う「市町村振興資金貸付事業」(平成 20 年度∼)を実施。 ○市町村を対象とした耐震化推進に関する研修会等による情報提供や助言、耐震化が遅れて いる市町村への個別訪問による耐震化推進の要請を行っている。 【課題】 ○各市町村にとって、国が目標としている平成 27 年度までに耐震化を完了させるためには 多額の経費が必要であり、市町村の財政事情が厳しい状況下において、国からの財政支援 は不可欠である。Is 値 0.3 以上 0.7 未満の建物も地震による倒壊の危険性があることから、 補助率嵩上げ措置の対象範囲を拡充するなど、国から一層の財政支援を受けて耐震化を促 進することが課題となっている。 ※ 山形県担当部署:教育庁 総務課 -102- TEL:023-630-2915 厚生労働省−20 社会福祉施設の耐震化の促進 【厚生労働省 社会・援護局 福祉基盤課】 【提案事項】 自力避難が困難な障がい者等の利用している社会福祉施設が計画的に耐震化整備事 業を実施できるよう、「社会福祉施設等耐震化等臨時特例交付金」等について小規模 入所施設や耐震診断費用まで対象を拡大するとともに、恒久的な予算化を行うこと 【現状・背景】 ○平成 23 年3月の東日本大震災により、大規模災害発生に備えた防災対策の強化が求めら れており、とりわけ、自力での避難が困難な障がい者等の利用している社会福祉施設にお いては、施設の耐震化の推進が従来にも増して大きな課題となっている。 ○障害者支援施設等の大規模入所施設においては相当程度耐震化が進んでいるが、障がい者 のグループホーム等の小規模入所施設においては耐震化が遅れている現状にある。 【本県の取組み】 グループホーム・ケアホームの耐震改修状況(平成24年4月現在) ○国庫補助事業等を活用して耐震化に 棟数 うち耐震診断未実施 うち 耐震改修 うち診断・改 努めた結果、平成 25 年3月現在の県 (総数) 不要 修予定なし 内の障害者支援施設 29 施設のうち 27 グループホーム・ケアホーム 22 20 2 1 (自己所有物件) 施設が耐震改修不要若しくは改修済 グループホーム・ケアホーム 130 72 58 54 (賃貸物件) みとなっている。 計 152 92 60 55 ○しかし、厚生労働省が実施した社会 福祉施設耐震改修状況調査によると、 障がい者のグループホーム・ケアホーム 152 棟のうち 92 棟(60.5%)については耐震改 修が不要である一方、55 棟(36.2%)については耐震診断や耐震改修の予定がない状況で あった。 【課題】 ○障がい者のグループホーム等の小規模入所施設に係る耐震化工事は「社会福祉施設等耐震 化等臨時特例交付金」の補助対象とされていない。また、耐震診断費用についても補助対 象とされていない。 ○上記交付金については、24 年度着工事業までが補助対象とされており、25 年度以降の耐 震化補助については未定である。 ※ 山形県担当部署:健康福祉部 障がい福祉課 -103- TEL:023-630-2679 厚生労働省−4 医療施設の耐震化の促進 【厚生労働省 医政局 指導課】 【提案事項】 医療機関が計画的に耐震化整備事業を実施できるよう「医療施設耐震化交付金」の 二次救急医療機関までの対象拡大と恒久的な予算化を行うこと 【現状・背景】 ○平成 20 年5月の中国四川大地震において、建物の倒壊に よる犠牲者が多数報告されたことから、厚生労働省にお いて、病院の耐震化調査を実施するとともに、平成 21 年 度以降、「医療施設耐震化臨時特例交付金」が毎年度補 正予算として予算措置されている。 ○加えて、建物の耐震化については、「建築物の耐震改修 の促進に関する法律」第6条に「所有者は、当該特定建 築物について耐震診断を行い、必要に応じ、当該特定建 築物について耐震改修を行うよう努めなければならな い」と規定しており、さらに、現在、国土交通省におい て、平成 27 年まで一定規模以上の建築物について耐震診 断を義務付ける方針を示し、法律の改正が検討されてい る。 【本県の取組み】 ○平成 22 年 10 月の厚生労働省耐震化調査によると、県内 68 病院のうち、全ての建物に耐震性のある病院は 48 病院 (70.6%)であり、全国平均 56.7%を大きく上回ってい る(全国4位)。更に、災害拠点病院及び救命救急セン ターの耐震化率が 100%となっているのも本県のみとなっ ている等、県内の取組みは進んでいる状況。 ○しかしながら、二次救急医療機関(=救急告示病院)36 病院の中で、一部の建物に耐震性 がない病院は9病院ある。 【課題】 ○「医療施設耐震化臨時特例交付金」は、毎年度補正予算でのみ措置されるとともに、年度 により二次救急医療機関が対象にならないなど、医療機関が計画的に耐震化事業を行い難 い状況にある。 ※ 山形県担当部署:健康福祉部 地域医療対策課 -104- TEL:023-630-2256 国土交通省−11 民間住宅の耐震化の促進 【国土交通省 住宅局 建築指導課 建築物防災対策室、市街地建築課 市街地住宅整備室】 【提案事項】 民間住宅の耐震化を促進する改修工事への財政支援措置の拡充 【現状・背景】 ○平成 19 年に山形県建築物耐震改修促進計画を策定し、住 宅の耐震化率を平成 27 年度まで 90%とする目標を定めた。 ○平成 20 年の住宅・土地統計調査によると、本県の住宅の 耐震化率は 74.0%と全国平均の 79.0%を下回っており、 このままの推移では平成 27 年度には 81%程度にとどまる 見込み。 ○現在の国の住宅支援は県や市町村が補助を行う事業を対象 としており、平成 25 年度は耐震診断を 31 市町村、耐震改 修を県と 23 市町で実施している。 【本県の取組み】 ○住宅の耐震診断 市町村補助事業として平成 17 年度から実施し、平成 24 年 度は 22 市町村で 217 戸の実績。 ○耐震改修工事 市町村と連携して改修工事への補助制度を実施し、平成 24 年度は 17 市町村で 48 戸の実績。 ・県補助 工事費の 1/4、上限 60 万円 ・市町村補助 工事費の 1/4∼1/3、上限 60∼75 万円 ○高齢者減災アドバイス 市町村(福祉部局含む)と共同で、高齢者住宅への訪問や 集会等への参加、出前相談会等により地震防災に関するア ドバイスを行い、高齢者世帯の減災対策及び耐震化の普及 を図っている。 ○地震対策推進協議会の活動 県、市町村及び建築関係団体で構成し、県民に対して地震 に関する意識の啓発と住宅の耐震化等を推進している。 耐震改修工事 (筋交いの増設) 【課題】 ○耐震改修が必要となる住宅の所有者は、高齢者や低所得者 が多い。 ○本県では住宅規模が大きく、また冬期の積雪荷重も考慮し 高齢者減災アドバイス た耐震改修工事が必要となるため、平均工事費が約 229 万 円と全国平均 179 万円(木耐協調査)よりも大幅に割増し となる。 ○アンケート調査によると 60%の人が自己負担額は 150 万円までが限度と回答しており、実 際の工事費との乖離があるため耐震化をあきらめる傾向にある。 ○積雪地の小規模市町村では、財政の逼迫から耐震改修工事への補助制度を持てない。 ※ 山形県担当部署:県土整備部 建築住宅課 -105- TEL:023-630-2640 厚生労働省−7 水道施設の耐震化を促進するための支援の充実 【厚生労働省 健康局 水道課】 【提案事項】 以上)の緩和 (1)国庫補助採択要件(資本単価90円/ (2)国庫補助率の見直し (3)国庫補助事業としての石綿セメント管更新事業の採択 【現状・背景】 ○国庫補助の採択基準のひとつである「資本単価」要件が平成 22 年度から 90 円/ 以上に 引き上げられた(従前は 70 円/ 以上)ため、経営改善を進めてきた市町村等にとっては 財政的支援を受けにくくなっている。 ○災害復旧と併せ行なう基幹管路等の耐震化を除き、国庫補助率は3分の1から4分の1と なっている。 ○脆弱な石綿セメント管について、国は基幹管路として布設されているものを中心にできる だけ早期に適切な耐震性能を有する管種、継手への転換を進めるよう市町村等に要請して いるが、国庫補助については平成 23 年度で廃止されている。 【本県の取組み】 ○県内市町村等は、これまでも国庫補助事業及び単独事業で耐震化を進めてきているが、水 道事業の着手が早い市町村ほど更新すべき延長が長く、また、厳しい財政状況から事業が 進めにくい実態にある。 ○県内の水道施設の耐震化率(平成 23 年度末現在) (1)浄水施設 15.5%(全国 19.7%)25 位 (2)配水池 36.1%(全国 41.3%) 26 位 (3)基幹管路(導水管・送水管など)39.0%(全国 32.6%)10 位 (4)石綿セメント管残存延長(平成 22 年度)−(公財)水道技術研究センターの試算− 約 130km (全国で 16 番目に多い) 浄水施設耐震化率 配水池耐震化率 % 基幹管路耐震化率 % % 25.0 40.0 45.0 山形県 全国 山形県 全国 20.0 40.0 35.0 15.0 35.0 30.0 10.0 30.0 25.0 5.0 20.0 25.0 平成21年度 平成22年度 平成23年度 山形県 全国 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 【課題】 ○近年の地震では、全国的に管路施設を中心に被害を受け、被災地では長期間にわたり断水 が発生するなど県民生活や社会活動に大きな影響が及んでいる。水道施設の耐震化率が高 くない本県にとって、早急にこれらの耐震化を進め、県民の安全・安心を確保する必要が ある。 ※ ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 危機管理・くらし安心局 山形県担当部署:食品安全衛生課 TEL:023-630-2160 ○ -106- 総務省−1 過疎対策事業債の対象事業の拡大 【総務省 自治行政局 過疎対策室】 【提案事項】 道路・公共施設の維持補修に係る経費や廃校舎等の公共施設の解体撤去に要する経 費など、過疎対策事業債の対象事業の拡大 【現状・背景】 ○本県では 20 市町村が過疎地域に指定されており、 人口は県全体の 31.5%を占め、面積では 68.6%を 占めている。 ○住民の生活基盤である市町村道・橋りょうや公民 館等の施設については、整備から長期間が経過し、 老朽化が著しいものが増加している。 ○少子高齢化、人口減少を背景に小・中学校の統廃 合等が進行し、空き施設が増加している。 ○国では、平成 22 年に過疎法を改正し、過疎対策事 業債のソフト事業など新たな支援策を盛り込んで いる。 山形県過疎地域 【本県の取組み】 ○本県では、山形県過疎地域自立促進計画において、 グラフ等 県が過疎地域の市町村に協力して講じようとする 措置の内容を定め、過疎市町村の自立促進を図っている。 ○利活用可能な空き施設については、以下の取り組みなどを通し有効活用を図っている。 ・農業体験や自然体験など、都市部との交流を拡大する交流施設としての活用 ・地元産農産物を使用した郷土料理の提供や直売所としての活用 ・放課後児童クラブなど、地域福祉拠点としての活用 ・芸術活動を行うアトリエ等としての活用 【課題】 ○老朽化した市町村道・橋りょうや公民館等の施設については、住民生活の安全確保が担保 されないおそれがあり、改修の必要性が高まっている。 ○空き施設については、規模・形状から継続しての利用が難しいあるいは危険なものがあり、 防犯・防災などの観点から解体せざるを得ない場合が多くなっている。 ○施設の改修・解体いずれの場合においても、過疎市町村の限られた自主財源の範囲内では 適切な対応が困難になっている。 ○過疎対策事業債の活用についても、ソフト事業の発行限度額等を勘案しても、更なる拡充 が必要である。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 市町村課 -107- TEL:023-630-2234 文部科学省−2 廃校校舎等の解体経費に対する支援の拡充 【文部科学省 大臣官房 文教施設企画部 施設助成課】 【提案事項】 災害等により倒壊の恐れのある廃校校舎等の解体経費に対する財政支援措置 【現状・背景】 ○近年、過疎化・少子化に伴う児童生徒数の減少等に よる学校の統廃合により、やむを得ず廃校となる学 校施設が増加している。 ○学校施設は、地域住民にとって最も身近な公共施設 であり、かつ地域のシンボル的な存在であることか ら、廃校になった後も、地域の実情に応じて有効活 用されることが望まれる。 ○国においては、廃校となった施設の有効活用促進に 向けた取組みとして、廃校施設等の情報と活用ニー ズのマッチングを図るほか、財産処分手続きの弾力 化・簡素化を実施しているが、未利用となっている 施設も多く、老朽化し耐震性がない施設を放置して おくことは、地震等の災害対策及び事故対策上問題 がある。 ○改築事業の実施に伴い撤去する建物の解体経費につ いては 国庫補助対象となるが、既に廃校となって いる施設の解体経費に係る財政支援は過疎対策事業 債(ソフト事業)の活用のみである。 本県公立小中学校の累計廃校数(H14 以降) 校 120 中学校 小学校 100 29 80 25 60 20 10 40 8 72 8 56 8 20 38 6 0 0 3 3 4 20 27 43 29 9 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 出典:文部科学省「廃校施設等活用状況実態調査」 【本県の取組み】 ○簡素化及び運用の弾力化が図られた財産処分の手続きについて、市町村に対して周知し、 廃校施設の有効活用を促進している。 ○市町村からの財政支援の要望が多いことから、全国公立学校施設整備期成会や全国施設主 管課長協議会などを通じて国に財政支援の拡充を働きかけている。 【課題】 ○廃校施設については、地域の実情に応じて有効活用を図るとともに、老朽化し耐震性がな い校舎を放置しておくことは、地震等の災害対策及び事故対策上問題があることから、す みやかに解体して跡地の有効利用を図る必要がある。 ○廃校施設の解体経費には多額の経費を要し、市町村にとって負担となっていることから、 解体経費への補助制度の創設や特別交付税算定に加える等の財政支援措置など、市町村の 負担軽減が求められる。 ※ 山形県担当部署:教育庁 総務課 -108- TEL:023-630-2915 総務省−7 廃校校舎等の解体経費に対する支援の拡充 【総務省 自治財政局 交付税課】 【提案事項】 災害等により倒壊の恐れのある廃校校舎等の解体経費に対する財政支援措置 【現状・背景】 ○近年、過疎化・少子化に伴う児童生徒数の減少等に よる学校の統廃合により、やむを得ず廃校となる学 校施設が増加している。 ○学校施設は、地域住民にとって最も身近な公共施設 であり、かつ地域のシンボル的な存在であることか ら、廃校になった後も、地域の実情に応じて有効活 用されることが望まれる。 ○国においては、廃校となった施設の有効活用促進に 向けた取組みとして、廃校施設等の情報と活用ニー ズのマッチングを図るほか、財産処分手続きの弾力 化・簡素化を実施しているが、未利用となっている 施設も多く、老朽化し耐震性がない施設を放置して おくことは、地震等の災害対策及び事故対策上問題 がある。 ○改築事業の実施に伴い撤去する建物の解体経費につ いては 国庫補助対象となるが、既に廃校となって いる施設の解体経費に係る財政支援は過疎対策事業 債(ソフト事業)の活用のみである。 本県公立小中学校の累計廃校数(H14 以降) 校 120 中学校 小学校 100 29 80 25 60 20 10 40 8 72 8 56 8 20 38 6 0 0 3 3 4 20 27 43 29 9 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 出典:文部科学省「廃校施設等活用状況実態調査」 【本県の取組み】 ○簡素化及び運用の弾力化が図られた財産処分の手続きについて、市町村に対して周知し、 廃校施設の有効活用を促進している。 ○市町村からの財政支援の要望が多いことから、全国公立学校施設整備期成会や全国施設主 管課長協議会などを通じて国に財政支援の拡充を働きかけている。 【課題】 ○廃校施設については、地域の実情に応じて有効活用を図るとともに、老朽化し耐震性がな い校舎を放置しておくことは、地震等の災害対策及び事故対策上問題があることから、す みやかに解体して跡地の有効利用を図る必要がある。 ○廃校施設の解体経費には多額の経費を要し、市町村にとって負担となっていることから、 解体経費への補助制度の創設や特別交付税算定に加える等の財政支援措置など、市町村の 負担軽減が求められる。 ※ 山形県担当部署:教育庁 総務課 -109- TEL:023-630-2915 警察庁−3 公共インフラの整備に伴う県民の安全・安心を守る機能の強化 【警察庁 刑事局 刑事企画課】 【提案事項】 交通インフラ整備等による広域的な人の移動や物流の活性化に伴い、広域的な犯 罪の増加に備えた自動車ナンバー自動読取システムの整備拡充 【現状・背景】 ○本県については、太平洋側と日本海側の相互補完のための格子状骨格道路ネットワークの 形成(東北中央自動車道、日本海沿岸東北自動車道等)や山形、庄内の2空港の機能強化 といった交通インフラの整備が着実に推進されており、広域的な人の移動や物流の活性化 に伴い、広域的な犯罪の増加が懸念される。 ○平成 24 年中、全国では約2万件、山形県内では 37 件の自動車盗難事件が発生しているが、 自動車盗難事件は、盗んだ車両を利用して、更なる凶悪犯罪が敢行されたり、盗難車両の 売買が暴力団の資金源となったりしていることから、これらを未然に防止するためにも盗 難自動車を早期発見・検挙する必要がある。 ○自動車盗や自動車を利用した犯罪を検挙するためには、自動車の検問をすることが有効で あるが、事件を認知してから検問を開始するまでに時間を要するほか、徹底した検問を行 えば、交通渋滞を引き起こすなどの問題があるため、自動車ナンバー自動読取システムの 整備が進められている。 【本県の取組み】 ○山形県の面積は、全国9位となる広大なものであり、これまで、自動車ナンバー自動読取 システムの整備を推進しているが、広大な県内を全てカバーするには、十分とは言いがた い状況である。 【課題】 ○現状の自動車ナンバー自動読取システムの整備状況は、 交通インフラの整備に追いついておらず、盗難車両等 を捕捉しきれていない可能性が高い。 緊急自動車運転訓練の状況 ※ 山形県担当部署:警察本部 刑事企画課 -110- TEL:023-626-0110(内線 4011) 警察庁−5 大規模災害に備えた小型重機・警備艇の配備 【警察庁 警備局 警備課】 【提案事項】 大規模災害に備え、災害現場における通行路の確保、迅速な救出・救援活動を行う ための小型重機、大型警備艇の配備 【現状・背景】 ○大規模災害発生時には、緊急通行路の確保もままならない 状況となることから、迅速かつ効果的な救出救助活動を実 施するためには、早期に重機等を投入する必要があるが、 本県には重機が配備されていないことから、東日本大震災 に伴い派遣した広域緊急援助隊も手作業でがれきの撤去作 業を行わざるを得なかった。 ○見直された津波浸水域によると、飛島では、津波発生時に は住民が孤立化する可能性が極めて高いが、現在配備され ている警備艇が小型(17 トン、定員 13 名)なものである ため、荒天時にはヘリコプター共々運用できず、救助に向 かえない事態が想定される。 行方不明者の捜索の状況 【本県の取組み】 ○県内における救出救助活動に重機が必要となった場合に備えて山形県解体工事業協会、山 形県建設業協会などの関係団体と連絡窓口を設置するなど、関係構築に努めている。また、 機動隊員には、小型特殊車両を操作するための資格を取得させている。 ○平成 24 年4月、津波対策として日本海沿岸の庄内地方に機動隊庄内分駐隊を新設(分駐 隊長以下 18 人が常駐)している。 【課題】 ○広域緊急援助隊用に資機材搬送車に搭載可能な小型重機を 整備する必要がある。また、併せて操作する技能を維持す るための研修実施予算を継続的に確保する必要もある。 ○荒天時にも外洋航行が可能であり、かつ機動隊庄内分駐隊 員と必要な資機材の搬送可能な警備艇の配備が必要である。 山形県警察警備艇「はぐろ」 ※ 山形県担当部署:警察本部 警備部 警備第二課 -111- TEL:023-626-0110(内線 5761) 消費者庁−2 悪質商法対策の充実・強化 【消費者庁 地方協力課】 【提案事項】 利殖勧誘事犯や悪質商法の対策に有用なPIO−NETデータについて、都道府県 警察がアクセスできるよう拡充 【現状・背景】 ○本県警察で受理している悪質商法に係る警察安全相談 300 は、平成 24 年 174 件であり、過去5年間を見ると増 悪質商法相談 利殖勧誘事犯 減はあるものの概ね 200 件前後で推移しているが、こ 250 のうち、利殖勧誘事犯に限ってみると、平成 24 年に 200 70 件認知し、被害総額は約1億 5,386 万円に上って 150 おり、前年比 23 件、約 3,067 万円の増加となってい る。また、本年に入り健康食品の送り付け等、特定商 100 取引法事犯が多発している状況にある。 50 ○警察では、県や市町村の消費生活センター等と連携を 図っているが、消費者からの相談の中には全国的に被 0 H20 H21 H22 H23 H24 害の拡大が懸念されるものもあることから、先制的な 悪質商法相談件数 広報啓発活動をタイムリーに実施するためには、消費 生活に係る被害状況等を早く把握する必要がある。 ○独立行政法人国民生活センターと消費者庁が連携して運用しているPIO−NET(全国 消費生活情報ネットワーク・システム)には、全国の利殖勧誘事犯や特定商取引法違反事 犯の悪質商法等に関する消費生活相談情報が蓄積されているが、アクセスは中央省庁等の みに限定されている現状にある。 【本県の取組み】 ○平成 23 年9月から、県及び市町村の消費生活センター等から「消費生活侵害事犯情報提 供カード」により、県警に情報提供がなされる枠組みを構築した。 ○警察安全相談等で認知した悪質商法事犯については、犯罪利用口座の凍結の求め、業者に 対する電話警告の実施、NTTハローページに掲載している相談者に掲載継続の適切な判 断を促すなど、犯罪の未然防止や被害の拡大防止、被害回復に向けた効果的な対策を講じ ているほか、悪質な事犯については積極的に事件化を図っている。 【課題】 ○全国的傾向を踏まえた先制的な広報啓発活動や個別の相談事案への適切な対応を実現する ためには、PIO−NETに蓄積された情報をリアルタイムで参照することが、非常に有 用であるが、当該情報については、都道府県警察ではアクセスできない現状にあることか ら、アクセスできるよう整備を行う必要がある。 ※ 山形県担当部署:警察本部 生活環境課 -112- TEL:023-626-0110(内線 3161) 警察庁−2 警察ヘリ長期点検期間中における補完措置の拡充 【警察庁 生活安全局 地域課】 【提案事項】 警察ヘリが法定点検等で、稼動をできない期間において、民間機リースによる対応 を実現するための補助対象事業の拡充 【現状・背景】 ○県警ヘリは、災害や遭難事案発生時の救助活動、事件事故への対応に不可欠な存在である が、定期的に2∼3ヶ月間にわたる法定点検を受ける必要があり、さらに、経年劣化に伴 う故障の際に、部品調達に長期間を要することから、非稼動期間が長期化している現状に ある。 ○全国の警察ヘリの配備状況は、単機配備県が 28 県、2機配備県が9府県、3機以上の配 備県は 10 都道府県という状況にあり、全国の半数以上が単機配備となっている。 ○山形県における山岳遭難の発生件数は、平成 24 年中は 96 件で、このうちヘリの出動は 72 回となっている。 ○本年度中の県警ヘリ長期点検期間中等における他県警ヘリへの受援要請数は平成 25 年2 月末現在7回で救難救助関係だけでも4回となっているが、このうち1回は県境山岳地帯 が悪天候であったため、受援ヘリが対応できなかった。 【本県の取組み】 ○点検は飛行時間(100 時間)を基準に行うものと、1年 に1回定期的に行うものがあるが、1年間に1回の点検 と累積 400 時間点検を同時に行っている。 ○管区内及び隣接県等からの受援体制を確保しているが、 特に冬季間、山岳地を越えての飛行に困難が伴っている。 ○県防災ヘリと整備調整を図っているが、予期せぬ故障等 で、非運航期間の重複が避けられない現状にある。 山形県警察ヘリ「がっさん」 【課題】 ○複数配備の場合、航空従事者の増員、格納庫の増築、整備維持費等の増額が必要となるこ とから、民間リースによる対応が現実的である。 ※ 山形県担当部署:警察本部 生活安全部 地域課 -113- TEL:0237-48-2615 警察庁−4 犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の充実 【警察庁 刑事局 捜査第一課】 【提案事項】 (1)死因究明推進計画等に下記事項の盛り込み ○解剖医不足への対応策、全国的な検案医制度の創設に向けた方策 ○警察搬送に係る死後画像診断の受入医療機関拡充のための制度の整備 ○警察が医療機関から既往症等の情報を迅速に得るための制度の整備 (2)薬物検査キット・死後画像診断に要する費用の確保 (3)行方不明者情報へのDNA型、歯科所見情報の付加及び生前歯科所見情報のデ ータベース化 【現状・背景】 ○全国的な国民の関心の高まりを背景に、死因究明関連二 法が公布、施行されるとともに、内閣府に設置した死因 究明等推進会議で死因究明等推進計画を策定し、本年 12 月に閣議決定する予定である。 ○本県の死体取扱数、解剖数は増加傾向にあり、平成 24 年中の数値も過去最高を記録しているが、広大な県域の 全体が豪雪地帯である地域的要因から、検視官の現場臨 場率は全国平均を下回っており、また、解剖医の不足か ら解剖率も同様に全国平均を下回っている現状であり、 犯罪死の見逃し防止のためには体制、制度、予算等の一 層の整備が必要である。 ※H24 全国平均 臨場率 49.7% 解剖率 11.1% 【本県の取組み】 ○山形大学法医学講座における解剖医の育成活動と連携を図るとともに、内陸部における検 視官の 24 時間臨場体制(三交替制)を構築した(平成 25 年度から)。 ○警察搬送に係る死後画像診断の受入を働き掛け、受入医療機関の拡充を図っている。 ○平成 25 年度当初予算で薬物検査キット、死後画像診断に要する費用を措置している。 ○既往症等の情報が迅速に得られるよう、死者の通院先医療機関に対し迅速な回答の必要性 を個別に説明の上照会している。 【課題】 ○本県の解剖医は1名であり、解剖数は頭打ちとなっている。また、嘱託検案医も高齢化が 進み後継者の確保も困難な状況である。 ○法に規定されている警察署長の権限による死後画像診断を実施する場合、専用施設未整備 の現状から、警察搬送に係る死後画像診断の受入医療機関の拡充が課題である。 ○法に規定されている警察署長が死因究明に必須の既往症等の調査を実施する場合、医療機 関の回答対応に格差があることから、医療機関で保有する死者の既往症等の情報を迅速に 調査するための制度、システムの整備が課題である。 ○国庫補助との関係から薬物検査キット、画像診断に係る予算は、実施見込み数に見合う予 算が確保されていない。 ○身元不明遺体の迅速・的確な身元確認に必要な行方不明者情報に、DNA型、歯科所見情 報のデータが付加されていない。また、大規模災害発生時に対処するための生前歯科所見 情報のデータベース化も課題である。 ※ 山形県担当部署:警察本部 捜査第一課 -114- TEL:023-626-0110(内線 4132) 警察庁−1 警察安全相談データベースのネットワーク等強化 【警察庁 生活安全局 生活安全企画課】 【提案事項】 ストーカー事案等に迅速かつ適切に対応するため、他都道府県警察が取り扱った警 察安全相談の詳細事項をリアルタイムで把握可能とする、警察安全相談データベース の全国的なネットワークの拡充と検索機能等の強化 【現状・背景】 ○本県で取り扱った警察安全相談の中にも、他県に居住していた被害者が本県に避難してき たものや、他県における被害者保護と併せて、本県に居住する被害者家族の身辺の安全確 保が必要とされたものが散見されるところであり、被害者やその関係者の安全を確保する ためには、目前の相談者からの聴取だけでは足りず、他都道府県警察が取り扱った関連相 談も踏まえた危険性の判断が不可欠である。 ○また、警察安全相談は、死体取扱時や悪質商法に係る 相談受理時の事件性判断にも有用な情報となる。 ○警察庁が管理する警察安全相談のデータベースは端末 が警察本部に置かれ、また、検索項目が限定されてい ることから、他都道府県で取り扱った相談を把握する には、当該警察本部に照会を行い、内容の教示を受け なければならず、特に夜間の運用において迅速さを欠 いている状況にある。 ○さらに、警察署から相談内容の報告を受け、警察本部 で入力する必要があり、リアルタイム性に欠ける状況 にある。 【本県の取組み】 ○県内で取り扱った相談に限定されるが、従前紙ベースで管理していた相談をデータベース 化し、警察署において検索、確認できるシステムの構築を実現した。 【課題】 ○相談の背後に隠れた、生命・身体に危害が及ぶおそれあるいは絶えず新たな手口が登場し ている経済事犯を察知し的確に被害拡大防止を図るためには、関連情報の把握が不可欠で あることから、警察署レベルで相談を受理した時点において、他都道府県警察が取り扱っ た警察安全相談の詳細をリアルタイムで把握できるシステムの構築が必要である。 ※ 山形県担当部署:警察本部 警務部 広報相談課 -115- TEL:023-626-0110(内線 2162) 厚生労働省−5 入浴事故防止対策の推進 【厚生労働省 健康局 がん対策・健康増進課】 【提案事項】 (1)入浴事故実態調査を踏まえた入浴事故の危険性の啓発 (2)入浴事故を予防するための安全な入浴法及び事故が発生した場合の有効な救命 法の周知 (3)入浴事故防止のために有効な住宅リフォームなどの住環境改善の普及啓発 【現状・背景】 ○入浴事故防止に先駆的に取り組んでいる庄内保 健所の実態調査の結果によると、平成 21 年 11 月∼24 年 10 月の3カ年の庄内地区の入浴事故 発生件数は 700 件で、うち4人に1人に当たる 174 人が死亡している。 ○このうち、高齢者は入浴事故発生件数の約8割、 死亡者数の約9割を占めている。主な事故原因 としては、冬の寒い日に暖房の効いた暖かい部 屋から寒い脱衣所に行くと血圧が急激に上昇し、 浴槽に入って体が温まると今度は逆に血圧が下 がってしまうことより、心筋梗塞や脳梗塞等を 発症することが上げられている。 ○厚生労働省では、平成 24 年 10 月∼平成 25 年 3月の6ヶ月間、人口構成及び気候の異なる地 域3ヶ所「山形県、東京都、佐賀県」の消防署 及び医療機関に協力を依頼し、実態調査を行っ ている。 その調査結果を踏まえ、平成 25 年度には、入 浴中急死の病態解明を目指し、予防対策並びに 有効な救命法を提案することとしている。 庄内地区入浴事故実態調査 平成 21 年 11 月∼24 年 10 月の 3 カ年 庄内保健所作成パンフレット 【本県の取組み】 ○庄内保健所の実態調査の結果を踏まえ、庄内地区において入浴事故防止キャラバン、通称 「41℃(よい)ふろキャラバン」を実施するとともに、安全な入浴法に関するDVD、ポ スター、パンフレット、機関紙を配布・提供し、普及啓発に努めている。 ○庄内地区における取り組みを全県的に展開するため、全保健所を交えた入浴事故防止に係 る会議を開催し、ポスター、リーフレット等の配布、各種イベントでの啓発など、広く県 民の皆様に情報提供を行い、入浴事故防止の取り組みを行っている。 【課題】 ○入浴事故防止に係る危険性並びに安全な入浴法及び有効な救命法の啓発が不十分であり、 マスメディアを活用した全国的なキャンペーン活動が必要である。 ○入浴事故の原因として住宅における浴室と脱衣所、廊下の温度差などが考えられているが、 それを解消するための住宅リフォーム等の対策に係る情報が十分ではない。 ※ 山形県担当部署:健康福祉部 健康長寿推進課 -116- TEL:023-630-3035 総務省−10 地域活性化事業債経過措置の創設 【総務省 自治財政局 地方債課】 【提案事項】 現行制度上、平成27年度までの事業に限定されている地域活性化事業債の経過措 置の創設 【現状・背景】 ○地域活性化事業については、「地域の自給力と創富力を高める地域主権型社会」の構築を 図る「緑の分権改革」に資する事業及びこれまで住民生活にとって大事な分野でありなが ら、光が十分に当てられてこなかった分野に係る事業(平成 27 年度までの間に限る。) 等地域の活性化のための基盤整備事業が対象とされている。 ○平成 27 年度までに提出した地域活性化事業計画に位置づけられている事業であって、平 成 28 年度以降に引き続き実施することが必要なものについて、地域活性化事業債が活用 できるかどうかは未定。 ○地域活性化事業債は、充当率 90%、交付税措置は元利償還金の 30%である。 ○図書館等は地域活性化事業債を活用できない場合、地域活性化事業債と比べ不利な起債で ある一般単独事業債(充当率 75%、交付税措置無し)しか使えず、事業実施に伴う財政負 担が厳しくなる。 【本県の取組み】 ○本県では、地域活性化のための基盤整備事業に対し、下記のとおり地域活性化事業債を活 用してきている。 (単位:百万円) 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 同意等額 458.5 82.0 15.9 25.3 22.0 【課題】 ○平成 27 年度以前に事業着手する市町村において、本格的工事が平成 28 年度以降に予定さ れている場合、地域活性化事業債の経過措置が創設されないと、円滑な事業執行に支障を きたす恐れがある。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 市町村課 -117- TEL:023-630-2078 国土交通省−14 地方の実態に配慮した地域公共交通支援制度の改善について 【国土交通省 自動車局 旅客課/鉄道局 総務課 企画室】 【提案事項】 地域公共交通確保維持改善事業における、地域の実態に即した地方バスの乗車密度 要件及び新規性要件の緩和並びに地方鉄道への財政支援の拡充 【現状・背景】 ○自家用車の普及等に伴い、本県の路線バス利用者数は、昭和 40 年代以降、一貫して減少 傾向にあり、これに伴い、運行欠損が拡大している。また、地方鉄道においても、少子 化・人口減や自家用車の普及等により、利用者の減少傾向に歯止めがかからず、非常に厳 しい経営状況が続いている。 ○路線バスの運行欠損については、国、県及び市町村の役割分担により負担しており、国に おいては地域公共交通確保維持事業により補助を行っている。 ○同事業のうち、地域間幹線系統確保維持費国庫補助金の制度設計は、一定の乗車人数が確 保されている路線であることが一つの要件となっており、本県のように人口減少が進む地 方にとって、不利なものとなっている(本県で事業者が運行する一般路線バス約 130 路線 中、補助対象路線は 22 路線)。 ○同事業のうち、平成 23 年度創設された地域内フィーダー系統確保維持費国庫補助金は、 既に地方自治体からの財政支援が行われている路線バスやデマンド型交通を対象外とした ため、本県のように過疎化が進行し、以前から対策に取り組んできた地方が、十分に支援 されない状況にある(本県では、平成 22 年度、県内の全生活交通路線約 300 路線のうち、 約 260 路線で、県又は市町村の財政支援を受けている)。 【本県の取組み】 ○本県では、以前より、国庫補助制度に協調し、地域間幹線に対して国と同額の欠損補助を 行っており、平成 24 年度は 72,482 千円を交付している。 ○本県では、地域間幹線系統以外の路線バスやデマンド型交通の運行維持を図るため、以前 から助成を行っており、平成 24 年度は 88,829 千円を交付している。 ○地方鉄道の運営に対し、県並びに沿線市町村が協調して財政支援等を実施している。 【課題】 ○路線バスや地方鉄道は、利用者数の減少に歯止めが掛からず、採算性が悪化する中、県や 市町村の厳しい財政事情から、運行維持に必要な財源が十分に確保されているとは言えず、 運行規模の縮小や、それに伴う利便性の低下による一層の利用者離れを招いている。 ○本県のように過疎化の進む地方では、国庫補助に係る要件が緩和され、財政支援が拡大さ れなければ、地域住民の日常の移動手段を確保することが困難である。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 交通政策課 -118- TEL:023-630-2161 経済産業省−6 中心市街地活性化に向けた支援の充実・強化 【経済産業省 商務流通保安グループ 中心市街地活性化室 /中小企業庁 経営支援部 商業課】 【提案事項】 (1)中心市街地活性化に取組む市町村に対する、基本計画策定やまちづくり会社設 立のための診断や助言などの支援制度の充実 (2)「まちづくり会社」だけでなく、その他の民間事業者による施設整備に対する 財政支援制度の充実 【現状・背景】 ○中心市街地活性化法に基づく基本計画の策定は、比較的小規 模な都市が多い本県においては取り組む市町村が限られてお り、基本計画策定の動きを促進していくためには、策定に必 要な専門的ノウハウの提供や、まちづくり会社の設立に対す る支援等、初動期の支援が必要である。 ○中心市街地活性化を図るためには、公共事業の実施だけでな く民間事業者による魅力的な集客施設の整備等が必要である が、国の財政支援制度の廃止により、基本計画に掲載した民 間の事業の遂行が困難となっているほか、計画策定に取り組 んでいる市町村においても、民間活力を想定した事業の構築 に苦慮している状況である。 戦略補助金を活用して整備された「水 の町屋 七日町御殿堰」(山形市) 【本県の取組み】 ○本県では、国の支援制度の有効活用を促進するとともに、下 記取組みにより、市町村や地域住民が主体となるまちづくり 活動を積極的に支援していくこととしている。 ①市町村や商工団体、商店街組織、市民団体等による、まち づくりの取組みを進める土台となる連携組織の形成を促し、 新たな事業や事業主体を生み出す仕組みづくりを支援する。 ②県内の大学等の知見やコーディネート機能を活用し、まち づくりの担い手となる人材の掘り起こし・育成と組織形成 山形県発祥のイベント「100 を支援する。 街」の賑わい(新庄市) 円商店 【課題】 ○中心市街地活性化に取り組む市町村に対して診断・助言等を行う事業や、まちづくり会社 設立に対する支援メニューが、現時点で国の平成 25 年度予算に計上されておらず、基本 計画策定初動期の市町村に対する支援制度の不足が課題となっている。 ○「戦略的中心市街地商業等活性化支援事業費補助金」の廃止により、まちづくり会社以外 の民間事業者に対する財政支援制度がなくなったことから、民間事業者による施設整備が 困難となっており、民間活力を取り込んだ中心市街地活性化の実効性確保が課題となって いる。 ※ 山形県担当部署:商工労働観光部 商業・まちづくり振興課 -119- TEL:023-630-3370 国土交通省−1 地域の実情に応じた除排雪体制に向けた支援の拡充 【国土交通省 国土政策局 地方振興課】 【提案事項】 高齢者世帯の除排雪など地域コミュニティやNPOが地域の実情に応じて実施する 除排雪体制整備に対する財政支援制度の創設 【現状・背景】 ○本県は全区域(35 市町村)が豪雪地帯に指定され、 うち 26 市町村が特別豪雪地帯に指定されている、 全国有数の豪雪県である。 ○少子高齢化に伴い、地域コミュニティ機能や防災 力の低下の進行、地域活動の担い手減少に加え、 都市部の中心市街地では、住民相互のつながりが 弱体化している。 ○ 近 年の 豪雪 によ り、 雪 害に よる 人的 被害 は 毎年 毎年 100 名を超える状況が続き、なかでも 65 歳以 上の高齢者による被害が全体の約半数を占めてい る。 山形県における雪害による死傷者数の推移(過去5ヶ年) 死傷者 うち65歳以上の死傷者 高齢者が占める割率 350 70.0% 311 61.1% 300 60.0% 55.9% 232 250 51.9%50.0% 51.1% 46.1% 200 40.0% 159 (人) 162 150 30.0% 107 84 100 20.0% 59 50 36 22 33 10.0% 0 0.0% H20 H21 H22 H23 H24 年度 【本県の取組み】 ○本県では、平成 23 年、24 年の2年連続の豪雪を踏 まえ、「豪雪は災害である」との認識のもとに、安 全で快適な生活環境が確保されるよう、「山形県雪 対策基本計画」について必要な見直しを行うととも に、「基本計画」に基づく「行動計画」を平成 24 年 10 月に策定した。 ○県民の意識向上を図るため、「雪害事故防止週間」 を設定し、集中的な広報活動や雪下ろし講習会を開 催するなど、雪害事故防止に向けた取組みを実施し ている。 ○高齢者世帯等の要援護者への支援を含めた、地域の実情や社会情勢等に的確に対応したき め細かな雪対策を推進するため、市町村に対する支援策として、平成 24 年度に「雪対策 総合交付金」を創設している。 【課題】 ○中山間地域では著しい人口減少や高い高齢化率、都市部では地域への帰属意識の希薄化な どが要因となり、除排雪の支援を要する世帯の把握や、コミュニティ組織等による支援が 困難な状況にある。 ○これらの問題に対しては、コミュニティ機能の再生と相まって、全地域的な検討が必要で あり、降・積雪量への対応としての道路等ハードの除雪に加え、ソフト的な手法による支 援が求められる。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 市町村課 -120- TEL:023-630-2680 文部科学省−12 雪氷防災に関する調査研究の充実 【文部科学省 研究開発局 地震・防災研究課】 【提案事項】 積雪寒冷地帯の雪害軽減を図るため、(独)防災科学技術研究所雪氷防災研究セン ターにおける雪氷防災に関する調査研究の充実 山形県における雪害による人的被害・建物被害の推移(過去5ヶ年) 【現状・背景】 350 ○本県は全区域(35 市町村)が豪雪地帯に指定され、 311 300 そのうち 26 市町村が特別豪雪地帯に指定されてい 232 250 る全国有数の豪雪県である。 180 200 162 146 ○近年の豪雪により、雪害による人的被害は毎年 100 150 100 名を超える状況が続き、雪害事故を未然に防止する 58 53 36 50 16 2 ための調査研究・普及啓発の重要性が高まっている。 0 H20 H21 H22 H23 H24 ○平成 24 年 12 月に閣議決定された「豪雪地帯対策基 本計画」では、雪下ろし等の除排雪に伴う事故への 対策等、災害防除に向けた調査研究内容の充実を掲げている。 ○豪雪による建物被害が増加するなか、(独)防災科学研究所雪氷防災研究センター新庄雪 氷環境実験所の研究プロジェクトである積雪観測データを基にした「積雪変質の予測に関 する研究」は建物への積雪荷重を予測するためにも重要な役割を果たしている。同実験所 は天然に近い結晶型の雪を降らせる装置を備えたものとしては世界唯一で、雪氷圏の現象 を再現実験できる施設としては最大規模となる雪氷防災実験棟を有し、「高度降積雪情報 に基づく雪氷災害軽減研究」など雪氷災害等に関する研究を年間 30 テーマ以上実施して いる。 建物被害 人的被害 (人・棟) (年度) 【本県の取組み】 ○本県では、平成 23 年、24 年の2年連続の豪雪を 踏まえ、「豪雪は災害である」との認識のもとに、 「山形県雪対策基本計画」について必要な見直し を行い、安全で快適な生活環境を確保するため、 雪に関する調査研究の推進を図っている。 ○雪下ろし中の転落や落雪事故を未然に防止するた め、同センター新庄雪氷環境実験所の「山形県内 の積雪分布」に関する調査研究成果をもとに情報 発信基準を定めた、山形県独自の「雪下ろし・落 雪事故防止注意喚起情報」を平成 19 年度より発 信している。 (独)防災科学研究所雪氷防災研究センター 新庄雪氷環境実験所 【課題】 ○近年の豪雪災害からの被害状況から見ても明らかなように、地吹雪、雪崩災害、屋根雪事 故の防止など、地域に密着した諸課題の解決が望まれ、そのためには雪氷防災に関する調 査研究の持続的かつ集中的な支援が必要となっている。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 市町村課 -121- TEL:023-630-2680 国土交通省−6 総合的な雪対策の強化 【国土交通省 水管理・国土保全局/道路局/航空局】 【提案事項】 (1)最上川等における河川関連雪対策事業の推進のための消流雪用水導入事業の採 択要件の緩和等 (2)冬期間の安全な道路交通を確保する除雪や雪崩、地吹雪等の雪対策の強化 (3)冬期間の安全な空港運営のための除雪経費に対する支援 【現状・背景】 ○山形県は全区域が豪雪地帯であり、また、26 市町村が冬期に 極めて厳しい生活を強いられる特別豪雪地帯に指定されてい る有数の豪雪県である。平成 23、24 年の豪雪災害では、高齢 者を中心とした多数の死傷者が発生するなど、過疎化、高齢 化等の進行により地域の克雪力等の低下が顕著となっている。 集落等では、住民が雪の塊を流雪溝に流す除排雪作業が効率 的である。しかし、水量が少ないため雪が流下せず高齢者世 帯等の除排雪が困難になるなど、地域の安全・安心な暮らしが 確立できない状況となっている。 ○冬期は自動車への依存が高く、安全で円滑な道路交通を確保 する効率的で効果的な除排雪と適切な路面管理等が必要とな っている。 ○空港は、地域の発展や広域的な交流・連携に欠かせないため、 特に冬期における安全性、定時性を確保する除雪が必要であ る。 【本県の取組み】 ○県では、消流雪用水導入事業により米沢市をはじめ県内 5 地 区で、国も長井市をはじめ県内6地区で導水路等を整備して おり、現在も国が大石田町岩ヶ袋地区で整備を進めている。 ○現在、111 箇所(延長 100km)で流雪溝を整備し、道路の管 理延長の 88%にあたる約 2,730kmについて車道除雪を実施 している。 ○空港の滑走路、誘導路等の除雪や凍結防止剤の散布を実施し ている。 歩道の排雪が困難な状況 (住民との協働による歩道除雪) 積雪による交通障害発生状況 隊列を組んで滑走路の除雪を行う車両 【課題】 ○克雪力の低い集落等は、消流雪用水導入事業の採択基準である「人口密度 40 人/ha 以上」 未満となっており、基準の撤廃が必要である。また、冬期間は流量が少なく消流雪用水の 確保が難しい県管理河川が多いことから、引き続き冬期間でも水量が豊富な国管理河川か ら導水する取組みも必要である。 ○平年を上回る降雪量の場合、除雪経費が予算額を超過する前に速やかに予算措置を行う必 要があることや、公共除雪費の必要額に対しての国費が十分に充当されていないため、県 負担額が多大となっている。 ○冬期における航空機の安全な運航には、確実な除雪作業の実施や定期的な除雪車両の更新 等が必要であることから、除雪関連経費の確保が課題となっている。 ※ ※ ※ 山形県担当部署:県土整備部 道路保全課 山形県担当部署:県土整備部 河川課 山形県担当部署:県土整備部 空港港湾課 -122- TEL:023-630-2610 TEL:023-630-2615 TEL:023-630-2447 国土交通省−10 空き家対策の推進 【国土交通省 住宅局 建築指導課、住宅総合整備課】 【提案事項】 (1)保安上危険であるなど周辺地域に大きく影響を及ぼす空き家に係る固定資産税 の住宅用地特例の対象の除外及び除外される空き家の基準の設定 (2)建築基準法の改正による建築物の維持・保全の義務化及び関係する規制の制定 (3)空き家再生等推進事業(活用事業タイプ)の対象地域の時限措置の撤廃 【現状・背景】 ○地方税法に規定する住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例(課税標準額が小規模 住宅用地の場合は 1/6、一般住宅用地の場合は 1/3。以下「住宅用地特例」という。)が、 保安上危険、衛生上有害であるなど周囲へ及ぼす影響のある空き家の敷地に対しても適用 されており、所有者等がこうした周囲へ影響を及ぼす家屋を解体せずに放置する要因とな っている。 ○建築基準法では、建築物の所有者等に対し「その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時 適法な状態に維持するよう努めなければならない。」と規定されており、建築物の維持保 全を義務付けるものとなっていない。 ○国土交通省は、空き家再生等推進事業(活用事業タイプ)により、空き家住宅及び空き建 築物を宿泊施設等に改築して居住環境の整備改善及び地域の活性化を行う市町村等に支援 を行っており、県内では、上山市、南陽市及び庄内町の2市1町で事業が活用されている。 【本県の取組み】 ○県は、空き家の発生抑制、適正管理及び利活用並びに老朽危険空き家の対策について、市 町村が地域の実情に応じた実効性のある取組みを行えるよう、市町村と連携して、空き家 対策に係る対応指針を取りまとめた。 <提案事項に関係する内容のうち、空き家対策に係る対応指針に盛り込んだ内容> ・住宅用地特例、建築基準法及び空き家再生等推進事業について、国への実施を働きかけ る項目として整理 ・空き家等の適正管理に関するモデル条例の作成(空き家対策の実効性を確保するために、 市町村が独自条例を制定する際の参考とするもの) ・空き家の利活用に係る主な支援制度として当該事業を掲げ、市町村に事業の活用を周知 【課題】 ○保安上危険、衛生上有害であるなど周囲へ及ぼす影響のある家屋も住宅として認定され、 市町村において住宅用地特例が当該家屋の敷地にも適用されているため、対象から除外し、 その除外に係る全国的な基準を設定する必要がある。 ○建築基準法は、所有者等の建築物の維持・保全等を努力義務規定としており、勧告・命 令・代執行など不作為に対する処分等が行えず、老朽危険空き家の発生を助長しているこ とから、義務化することが必要である。 ○空き家問題は、都市・地方を問わず全国的な問題となっているにもかかわらず、平成 26 年度より、当該事業(活用事業タイプ)の対象地域が、「全国の地域」から「産炭等地域 及び過疎地域」に限定されるため、市町村による空き家対策の停滞が懸念される。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 市町村課 県土整備部 建築住宅課 -123- TEL:023-630-2079 TEL:023-630-2645 総務省−13 空き家対策の推進 【総務省 自治税務局 固定資産税課】 【提案事項】 (1)保安上危険であるなど周辺地域に大きく影響を及ぼす空き家に係る固定資産税 の住宅用地特例の対象の除外及び除外される空き家の基準の設定 (2)建築基準法の改正による建築物の維持・保全の義務化及び関係する規制の制定 (3)空き家再生等推進事業(活用事業タイプ)の対象地域の時限措置の撤廃 【現状・背景】 ○地方税法に規定する住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例(課税標準額が小規模 住宅用地の場合は 1/6、一般住宅用地の場合は 1/3。以下「住宅用地特例」という。)が、 保安上危険、衛生上有害であるなど周囲へ及ぼす影響のある空き家の敷地に対しても適用 されており、所有者等がこうした周囲へ影響を及ぼす家屋を解体せずに放置する要因とな っている。 ○建築基準法では、建築物の所有者等に対し「その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時 適法な状態に維持するよう努めなければならない。」と規定されており、建築物の維持保 全を義務付けるものとなっていない。 ○国土交通省は、空き家再生等推進事業(活用事業タイプ)により、空き家住宅及び空き建 築物を宿泊施設等に改築して居住環境の整備改善及び地域の活性化を行う市町村等に支援 を行っており、県内では、上山市、南陽市及び庄内町の2市1町で事業が活用されている。 【本県の取組み】 ○県は、空き家の発生抑制、適正管理及び利活用並びに老朽危険空き家の対策について、市 町村が地域の実情に応じた実効性のある取組みを行えるよう、市町村と連携して、空き家 対策に係る対応指針を取りまとめた。 <提案事項に関係する内容のうち、空き家対策に係る対応指針に盛り込んだ内容> ・住宅用地特例、建築基準法及び空き家再生等推進事業について、国への実施を働きかけ る項目として整理 ・空き家等の適正管理に関するモデル条例の作成(空き家対策の実効性を確保するために、 市町村が独自条例を制定する際の参考とするもの) ・空き家の利活用に係る主な支援制度として当該事業を掲げ、市町村に事業の活用を周知 【課題】 ○保安上危険、衛生上有害であるなど周囲へ及ぼす影響のある家屋も住宅として認定され、 市町村において住宅用地特例が当該家屋の敷地にも適用されているため、対象から除外し、 その除外に係る全国的な基準を設定する必要がある。 ○建築基準法は、所有者等の建築物の維持・保全等を努力義務規定としており、勧告・命 令・代執行など不作為に対する処分等が行えず、老朽危険空き家の発生を助長しているこ とから、義務化することが必要である。 ○空き家問題は、都市・地方を問わず全国的な問題となっているにもかかわらず、平成 26 年度より、当該事業(活用事業タイプ)の対象地域が、「全国の地域」から「産炭等地域 及び過疎地域」に限定されるため、市町村による空き家対策の停滞が懸念される。 ※ 山形県担当部署:企画振興部 市町村課 県土整備部 建築住宅課 -124- TEL:023-630-2079 TEL:023-630-2645 総務省−15 ICT(情報通信技術)の利活用の促進 【総務省 情報流通行政局 地域通信振興課】 【提案事項】 超高速ブロードバンド等を活用した、高齢者の安否確認や緊急情報の確実な伝達な どの、住民向けの情報システムを整備するための新たな制度の創設 【現状・背景】 ○本県の情報通信基盤は、平成 23 年度末でブロードバンド世帯カバー率が 100%に達し、超 高速ブロードバンド世帯カバー率については、平成 24 年度末で 97.8%に達しており、今 後はそれら基盤の利活用をさらに推進していく必要がある。 ○県内では高齢化及び過疎化が進行している地域も多く、市町村においては、住民と双方向 でやりとりができる情報システムの整備が検討されている。 【本県の取組み】 ○市町村職員を対象にした ICT 利活用に関する研修会などを毎年開催し、周知・啓発に努め ている。 ○平成 24 年度においては、全市町村の情報施策担当職員から ICT 関連事項について聞き取 りを実施し、市長村の取組みや考え方の把握を行った。 【課題】 ○市町村との度重なる意見交換によると、市町村においては、増加する独居高齢者の安否確 認や、地域づくりとしての住民への情報提供・情報共有、又は緊急時の情報伝達と確認な ど双方向の情報システムが必要と認識しているが整備は進んでいない。 ○市町村の規模や抱える課題等により、情報システムの方式や内容も違うので、それぞれの 市町村の目的に合った多様なシステムの構築を可能とする必要がある。 【ブロードバンド世帯カバー率の推移】 区分 H18.3 H19.3 H20.3 H21.3 H22.3 H23.3 H24.3 H25.3 ブロードバンド 世帯カバー率 97.2% 97.5% 98.6% 99.4% 99.7% 100% 100% 100% うち超高速 ブロードバンド 世帯カバー率 53.5% 74.0% 82.6% 83.7% 86.9% 96.9% 97.7% 97.8 ※ 山形県担当部署:企画振興部 情報企画課 -125- TEL:023-630-3197 総務省−2 自治体クラウドの促進 【総務省 自治行政局 地域政策課】 【提案事項】 市町村が自治体クラウドに移行する場合の財政支援の拡充 ・現在の複数市町村で取り組む場合に対象となる特別交付税を単独市町村がクラウ ド利用に移行する際にも対象となるようにすること。 【現状・背景】 ○クラウドサービスの活用は、コストの削減やセキュリティの向上のみならず、東日本大震 災でのデータ消失等を教訓に、電源の確保された堅牢なデータセンターを利用することに よるデータの保全性等が確保されることから、市町村の取組が加速している。 【本県の取組み】 ○県内の自治体クラウドの取組としては、県も支援し実現した全国的にも先進事例である7 市町による置賜共同アウトソーシングの取組があるほか、各市町村の情報システムの更新 時には選択肢の一つとしてクラウドサービスが必ず検討される状況となっている。 ○平成 24 年度には、ICT関連事項について全市町村と情報交換・意見交換を行い、自治 体クラウドへの取組段階等の状況を把握し、同様の課題を持つグループ毎に勉強会を開催 した。 【課題】 ○中小規模の自治体では、職員数の削減等により情報担当職員は専任ではなく他業務も兼務 しており、従来の自庁舎設置型の情報システムの管理運用は難しくなっている。 ○クラウドサービスは、コスト削減やデータ保全性の確保のほか、担当職員の業務軽減にも メリットがあるため、コスト削減等の効果は大きいものの業務の統一化等に多大な労力と 時間を要する共同利用に限らず、単独市町村でのクラウドサービス導入も促進していくべ きと考えている。 【県内市町村のクラウドサービス活用状況】(平成 25 年 3 月) 取組状況 市町村数(全 35 市町村) クラウドサービス(ASP/SaaS)を利用している 24 市町村 (単独利用や小規模システムも含む) ・複数市町村で共同利用 7 市町村 今後(2年間程度)クラウド導入を検討している 7 市町村 ※ 山形県担当部署:企画振興部 情報企画課 -126- TEL:023-630-3197 総務省−16 地上デジタルテレビ放送移行に係る「新たな難視」の解消等の促進 【総務省 情報流通行政局 地上放送課】 【提案事項】 「新たな難視」については、平成26年度末で衛星放送による暫定措置が終了する ことから、辺地共聴施設の設置等の支援策を拡充すること。 【現状・背景】 ○アナログテレビ放送から地上デジタルテレビ放送への移行に伴い、テレビ放送が受信でき なくなる「新たな難視」が全国で発生しており、地デジが見られない世帯については、衛 星放送で東京キー局を放送する暫定措置がとられている。 ○山形県内では、平成 25 年3月現在 59 地区 201 世帯が「新たな難視」の状況である。 ○国は各地に「デジサポ」を設置し(東北地区は仙台市)、高性能アンテナ対策・ケーブル テレビ移行対策・共聴施設新設対策の3対策を中心に解消に努めている。 【本県の取組み】 ○「新たな難視」については、国と放送事業者が支援制度を設けて、住民との話し合いを行 い、実情に即した対策方法を検討・実施しているが、県としても「山形県地上デジタル放 送推進協議会」に参加、協力している。 【課題】 ○本県の「新たな難視」の解消に向けては、「デジサポ東北」が中心となって推進されてい るが、現在の未解消地区には、支援制度を活用しても各世帯の負担が高額になる場合があ り、解消が進まない一因となっている。 ○アナログ放送受信のために、市町村が国庫補助事業を活用して設置した鉄塔のうち、地上 デジタル放送への移行に伴い不用となったものがあるが、自治体による撤去が困難な状態 である。また、高額な撤去費がかかるものもある。 【共聴施設新設対応予定の新たな難視地区数(世帯数別)】(平成 25 年3月) 10 世帯 世帯数 1世帯 2世帯 3世帯 4世帯 5世帯 7世帯 以上 地区数 2 ※ 3 2 2 3 山形県担当部署:企画振興部 情報企画課 -127- 4 4 TEL:023-630-3197 ○計○ 20 文部科学省−13 地域のスポーツ施設整備に係る支援の拡充 【文部科学省 スポーツ・青少年局 スポーツ・青少年企画課】 【提案事項】 老朽化が進むスポーツ施設の更新・長寿命化の対応等により、地域スポーツの一層 の推進を図るため、スポーツ振興くじ助成金等スポーツ施設整備に係る助成制度の拡 充 【現状・背景】 ○本県では、平成4年に開催された「べにばな 国体」等を契機に多くのスポーツ施設が整備 されたが、設置後 20 年を経過した施設が 70%を超えており、維持修繕等の問題が生じ てきている。 ○総合型地域スポーツクラブの活動拠点施設の 約 60%が公共施設となっており、地域スポー ツの普及、推進において、公共施設は重要な 役割を担っている。県、市町村は、その施設 の整備について、各種制度の活用を図るなど、 工夫しながら整備に取り組んでいるが、老朽 化した施設が多く、整備が追いつかない状況 である。 ○平成 23 年 6 月にスポーツ基本法が制定され、 全ての人々に対するスポーツをする権利とと もに、国及び地方公共団体におけるスポーツ 施設整備に係る努力義務が規定されている。 山形県の公共スポーツ施設の建設経過年数 41年以上 12% 1∼5年 2% 6∼10年 11∼15年 2% 6% 16∼20年 16% 36∼40年 7% 調査施設数 570 施設 31∼35年 19% 26∼30年 14% 21∼25年 22% 【 H23.2 山形県調査 】 【本県の取組み】 ○これまで、市町村のスポーツ施設については、基本的に施設の設置者が整備するものとし、 県としては、各種助成制度の情報提供やアドバイスなど、制度の利活用について支援して きた。 ○スポーツ施設の老朽化が進行する中、その施設の整備に対する市町村からの支援要望が増 えてきていることなどを踏まえ、県では、スポーツ施設整備に対する助成制度を創設し、 市町村等が所有する競技スポーツ施設のうち、一定の要件を満たす施設の整備については、 平成 25 年度から支援している。 【課題】 ○本県のような積雪寒冷地では、冬季間における運動場所の確保のために、屋内運動施設等 の整備が必要不可欠である。 ○県営施設に限らず、市町村営を含め全県的にスポーツ施設の老朽化が進んでいる。 ○現在の国等の助成制度においては、助成額に上限が設けられていたり、助成の対象が限定 されていることなどから、その整備には多額の費用が必要となり、体育館等の施設整備を 促進するための財源確保が課題となっている。 ※ 山形県担当部署:教育庁 スポーツ保健課 -128- TEL:023-630-2561 経済産業省−8 安全で持続可能なエネルギー供給体制の構築【再掲】 【経済産業省 資源エネルギー庁 総合政策課/資源・燃料部 政策課】 【提案事項】 (1)安全で持続可能なエネルギー供給体制の構築は、国民生活や産業活動の根幹に 関わる政策であり、その前提となるエネルギーのベストミックスを早期に策定 すること (2)国が新たに策定する「エネルギー基本計画」において、安全で持続可能なエネ ルギー源である再生可能エネルギーの導入拡大に向けた意欲的な導入目標とそ の工程を明確に設定すること (3)コスト低減のための技術の開発を加速化するなど、電気料金の値上がりにつな がらないよう配慮しつつ、実効性の高いエネルギー政策を実施すること (4)これらの取組みを進め、より安心して暮らせる持続可能な社会を将来の世代に つないでいくため、原子力発電への依存度合いを徐々に少なくしながら、ゆく ゆくは原子力には頼らない「卒原発社会」の実現を目指すこと 【現状・背景】 ○東日本大震災の発災に伴い、山形県内においてはほぼ全域にわたり、余震時を含めて二度 に及ぶ大規模停電に見舞われ、集中拠点方式による既存電力システムの脆弱性等が浮き彫 りになった。 ○東京電力福島第一原子力発電所の事故では、国民生活の様々な分野で想像を超える広い範 囲に、更には将来の世代まで長い期間にわたり深刻な影響が及び、ひとたび事故が起これ ば甚大な被害をもたらす非常に大きなリスクを内包していることがあらためて認識された。 ○被災地の福島県からは、全国各地に依然として約 15 万人もの方々が避難され、本県には ピーク時で約1万3千名、現在でも約9千名の方々が避難を余儀なくされている。さらに、 放射性物質に汚染された土壌、食品の問題など、未だ解決できない課題が山積しており、 原子力発電所の事故による影響は今なお続いている。 ○東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故を契機としたエネルギーを巡る大 きな情勢の変化を踏まえ、国においては、新たなエネルギー基本計画の策定に向けた検討 が進められている。 【本県の取組み】 ○再生可能エネルギーの導入拡大、代替エネルギーへの転換、省エネの推進を図りながら、 県民生活や産業活動に必要なエネルギー供給基盤を確保するという視点に立ち、「山形県 エネルギー戦略」を国に先駆け、平成 24 年3月に策定した。 ○より安心して暮らせる持続可能な社会を将来の世代につなげていくため、原子力発電への 依存度合いを徐々に少なくしながら、ゆくゆくは原子力に頼らない「卒原発社会」の実現 に向けて、本戦略に沿った施策、取組みを、中長期的な視点に立ってひとつひとつ着実に 推進していくこととしている。 ○山形県の将来ビジョンの実現に向けた成長戦略の1つとして、「エネルギーで地域経済活 性化・産業振興」を位置づけ、再生可能エネルギー導入の取組みを産業振興や地域活性化 につなげていくこととしている。 -129- 【課題】 ○より安心して暮らせる持続可能な社会の構築に向けて、地方自治体がより積極的な施策展 開を図っていくうえでは、安全で持続可能なエネルギー源である再生可能エネルギーの導 入拡大という国の明確な指針が必要である。 ○再生可能エネルギーの導入拡大に際しては、国の施策として地域の活性化や産業振興の視 点を入れていくことが必要である。 ※ 山形県担当部署:環境エネルギー部 エネルギー政策推進課 -130- TEL:023-630-3279