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大津町バイオマスボイラ導入検討報告
2016/1/25 2016/1/27 大津町 第4回環境審議会 モデル施設における簡易シミュレーション による最適導入規模の検討 結果報告 目次 1. 調査の概要 2. シミュレーション手順 3. シミュレーション結果(2施設) 3-1. A社 3-2. B施設 4. シミュレーション留意事項 2 1 2016/1/25 1.調査の概要 【背景】 地域資源である「木質バイオマス」の町内利用を促進 ・民間・公共施設による木質バイオマス利用の推進を検討 【目的】 町内民間・公共施設への導入可能性を検討する 【内容】 熱需要のある施設にヒアリングを行い、化石燃料ボイラを木 質バイオマスボイラに転換するシミュレーションを実施。経済 性等の評価を行う。 3 木質ボイラーへの転換シュミレーション 対象施設の熱の利用状況調査をもとに実施 導入の方向性を示す基礎材料 2. シミュレーション手順 <調査項目> (1)施設運営状況 ①営業日 ②営業時間 ③ボイラー運転時間 (2)既存ボイラー仕様 ①能力、効率 ②燃料種類、価格 (3)化石燃料消費量 (4)源泉、上水温度 暖房温度 (5)入湯者数 (6)湯交換の方法 (1)熱需要把握 調査票配布回収 現地見学とヒアリング シュミレーション 現地報告会 修正点反映 時間当たりの熱需要把握 ①総熱需要=化石燃料熱量 ②ピーク需要のチェック 4 2 2016/1/25 2.シミュレーション手順 (2)導入規模検討 ①燃料を決める(複数選定) :チップ、ペレット、薪(丸太)など ②事業費算出 :森エネDB近似式による概算値 ③ランニングコスト算出 :燃料価格、発熱量の設定、維持管理費 <前提>燃料価格は施設ごとの値を使用 発熱量は一般的な値を援用 ボイラ効率:チップ、ペレット82% 薪:80%(低効率)、85%(高効率)、 維持管理費(電気代含み):事業費の2% ばい煙測定費:10万円/年 ④代替率決定(ボイラ能力) :代替率を変動、経済性で判定 ⑤燃料単価の変動による :④の条件で化石、バイオマス燃料 経済性評価 価格を変動採算分岐点を検証 ⑥総合的な評価 5 参考.木質バイオマスの燃料とボイラーの種類 出典:福岡県、木質ボイラー導入の手引き: http://www.pref.fukuoka.lg.jp/d06/mokushitubaio.html 6 3 2016/1/25 3.シミュレーション結果 3-1.A社 (1)施設概要 項目 内容 事業概要 車両部品等の生産 敷地面積 55,867㎡ 建屋面積 7,618㎡ 使用用途 鋳造工場の勤務者が利用する 浴槽 加温・給湯 稼働時間 0:00-24:00 休業日 日曜日・連休 7 3-1.A社 (2)既存機器仕様 既存ボイラー仕様 項目 内容 型式 UX-10 設置年 平成3年 メーカー ボイラー効率※ 三浦工業株式会社 116kW×1基 (100,000kcal/h) 80% 方式 温水 出力 使用用途 加温・給湯 使用燃料※※ 灯油 6,000L/年 ※ボイラーの導入年から20年以上経過しているため、 ボイラー効率は80%と想定した ※※年間を通じて浴槽の利用状況は変わらないとのことだが 夏と冬の気温差より、夏:冬の灯油使用量は4:6と想定 8 4 2016/1/25 3-1.A社 (3)熱需要把握 毎日のお湯交換時に熱負荷が最大に。 ボイラーは基本的に24時間オンのため、他の時間帯は熱 負荷一定。(お湯が熱い状態で常に準備されている) 熱需要 (MJ) 熱需要 500 450 400 350 300 250 200 150 100 50 0 夏季平日 夏季日曜 夏季土曜 夏季連休 冬季平日 冬季日曜 冬季土曜 冬季連休 バイオマスボイラー導入規模 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 時刻 9 3-1.A社 (4)ボイラー規模の検討 薪ボイラー(低効率)の試算例 設備費補助100%でも 現在の熱需要では年間収支がプラスにならない ペレット、チップに関し ても同様に計算 10 5 2016/1/25 3-1.A社 (5)最適規模と事業効果 ★採算分岐価格(円/㎏)が最も高い場合とした 項目 規模 出力 既存設備比 事業費* 燃料 事業効果 kW チップ ペレット 薪 (高効率) 薪 (低効率) 116 116 116 116 % 100 100 100 100 千円 48,639 21,292 28.143 12,895 採算分岐 円/kg - - - 1.9 消費量 t/年 20 11 15 23 -307 収支 千円/年 -1,138 -645 -603 CO2削減 t-CO2 14 14 14 14 原木換算 ㎥ 31.7 26.2 23.8 36.5 森林整備 ha 0.9 0.8 0.7 1.1 kgあたりCO2削減コストが最も低いの は低効率薪ボイラ時921円/kg-CO2 ※1 事業費は弊社近似式による概算値 ※2 償却費は未算入(100%補助)、収支はチップ10円/㎏、ペレット40円/㎏、 薪15円/㎏、灯油80円/Lのケース ※3 原木換算:バイオマス消費量÷利用率(チップ90%、ペレット60%、薪90%)÷0.7t/㎥ ※4 森林整備面積:原木換算材積÷CD材発生率40%÷間伐率25%÷350㎥/ha 11 3.シミュレーション結果 3-2.B施設 (1)施設概要 項目 内容 事業概要 総合病院、通所リハビリ施設 使用用途 患者が利用する浴槽 加温・給湯 (4フロアにある4つの浴槽が対象) 稼働時間 0:00-24:00 休業日 原則なし ※外来は日曜日・祝日休み 12 6 2016/1/25 3-2.B施設 (2)既存機器仕様 既存ボイラー仕様 項目 内容 型式 BH-180A 設置年 昭和63年 メーカー ボイラー効率※ 巴商会 933kW×1基 (800,000kcal/h) 80% 方式 温水 出力 使用用途 加温・給湯 使用燃料 A重油 45,000L/年 ※ボイラーの導入年から20年以上経過しているため、 ボイラー効率は80%と想定した 13 3-1.B施設 (3)熱需要把握 入浴者数が多い時間帯に、湯張りやかけ流し(かけ湯用) などに伴う熱負荷が発生 ボイラーは基本的に24時間オンのため、利用のない時間 帯も一定の熱負荷あり 熱需要 450 夏季平日(月金) 夏季平日(火水木) 夏季土曜 夏季日曜連休 冬季平日(月金) 冬季平日(火水木) 冬季土曜 冬季日曜連休 バイオマスボイラー導入規模 400 熱需要 (MJ) 350 300 250 200 150 100 50 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 時刻 14 7 2016/1/25 3-1.B施設 (4)ボイラー規模の検討 薪ボイラー(高効率)の試算例 設備費補助100%の 場合、70kWの規模、薪の調達価格17.0円/㎏で収支 が最も良い 3-1. B施設 ペレット、チップに関し ても同様に計算 15 (5)最適規模と事業効果 ★採算分岐価格(円/㎏)が最も高い場合とした 項目 規模 出力 既存設備比 事業費* 燃料 事業効果 チップ ペレット 薪 (高効率) 薪 (低効率) kW 70 93 70 70 % 30 40 30 30 千円 46,552 21,760 28,850 12,682 採算分岐 円/kg 9.9 - 17.0 13.3 消費量 t/年 158 95 121 187 -310 収支 千円/年 -13 -1,438 236 CO2削減 t-CO2 118 122 118 118 原木換算 ㎥ 250.8 226.1 192 296.8 森林整備 ha 7.2 6.4 5.5 8.5 kgあたりCO2削減コストが最も低いの は低効率薪ボイラ時107円/kg-CO2 ※1 事業費は弊社近似式による概算値 ※2 償却費未算入(100%補助)、収支はチップ10円/㎏、ペレット40円/㎏、 薪15円/㎏、A重油67円/Lのケース ※3 原木換算:バイオマス消費量÷利用率(チップ90%、ペレット60%、薪90%)÷0.7t/㎥ ※4 森林整備面積:原木換算材積÷CD材発生率40%÷間伐率25%÷350㎥/ha 16 8 2016/1/25 4. シュミレーション留意事項 ●本報告はあくまでも方向性を示すもので、実際導入時に はプラスやマイナスに変動する部分が出てくるので 留意が必要です ●実際の導入にあたっては燃料調達の諸条件 価格、安定供給、ボイラとの適合 の確認(燃焼試験の実施など)、詰めが重要になります ●基本設計において施設の運用・実態にあった機種選定、 システム選定をすることが、導入後のトラブル防止、経済性 を確保するうえで重要になります 17 9