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Agilent 81150A/81160A

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Agilent 81150A/81160A
Agilent 81150A/81160A
任意ビット形状
パターン・ジェネレータ
Application Note
• 理想パターンと歪みパターン
• 最大231のPRBSでのストレス・テスト
• 2/3/4レベル信号により、電気的なアイドル信号が必要なシリアル・
プロトコルに対応可能
• カスタム・ビット形状の定義
• 最大16 Mビットの複雑なパターンに対応
• 任意波形ビット・パターン機能による実環境信号のエミュレート(オ
ーバシュート、アンダーシュート、リンギング、遷移歪みなど)
新たな問題にも対応可能
電子機器市場の分野に関係なく、高速/広帯域データ伝送に対する需要は継続
しています。高速/広帯域データ伝送を低コストで実現することが不可欠であ
る上に、小型化が続いていることから、デバイスのデザインは限界まで追い込
まれています。プリント基板上でギガビット速度のチャネルが増加し、シグナ
ル・インテグリティを脅かす厄介な副作用の影響も大きくなっています。ジッ
タ、ノイズ、反射、クロストークは、高速信号を歪ませ、スパイクがクロック
信号と誤って解釈され、真のクロックが隠されてしまう可能性があります。
このため、システムの信頼性を確保するには、ストレス状態にあるデバイスの
動作を確認しておくことが重要になります。デザイナは、明確に定義されて再
現性のある実環境信号を用いてコンポーネントにストレスをかけて、コンポー
ネントの信頼性をテストし、最適化する必要があります。
このような歪み信号は、通常、2チャネル・パルス・ジェネレータを使って作
成されます。第1チャネルでは、パルス幅、遅延、立ち上がり/立ち下がりエ
ッジ、振幅を定義して、理想的な信号が設定されます。第2チャネルは、オー
バシュートやアンダーシュートなどの歪み(図1の正のスパイクや負のスパイ
ク)をクリーンな信号に付加するのに使用されます。
完全な信号
(チャネル1)
パターン1
正のスパイク
(チャネル2)
遅延
(ns)
パターン2
OR
負のスパイク
(チャネル2)
パターン2
歪み信号
チャネル2のスパイ
クによる
図1. 2チャネル・パルス・ジェネレータを使って作成された歪み信号
コモン・モード・ノイズが乗った信号の場合は、データ・シーケンスにAM(振
幅変調)を付加するファンクション・ジェネレータを追加する必要があります。
変調信号を加算するために、両方の信号ラインにパワー・ディバイダが組み込
まれています。図2のようにセットアップは複雑になってきていますが、ジェ
ネレータの出力とレシーバの出力の両方の電気長が同じになるように注意する
必要があるため、さらに複雑になります。
2
データ
81110A
ZI=50 Ω
N_データ
パワー・ディバイダ
11636B
正弦波/ノイズ
*コモン・モード・
ノイズ
ZI=50 Ω
33250A
*Xトークの場合、
ここで切断し、両端
を終端します
図2. 実環境信号テスト用の従来のセットアップ
任意波形発生器を使用すれば、より簡単に歪み信号を作成できますが、コスト
の問題を考えると、代わりの方法として用いることができない場合があります。
81150A/81160Aパルス/ファンクション/任意波形/ノイズ発生器は、こう
した問題を解消するための1つの解決策です。手頃な価格帯の81150A/81160A
は、最長8 kビット(81150A)/最長4 kビット(81160A)の任意の信号を作成で
きます。
オプションの任意ビット形状パターン・ジェネレータを使用すれば、さらに長
い(1000倍の)デジタル・データ・ストリームに歪みを発生させることができる
ようになります。このため、81150A/81160Aパターン・ジェネレータは、複
雑なストレス・テストのセットアップやコストのかかる高性能の任意波形発生
器の代わりに用いるのに最適です。
独自の任意ビット形状
パターン・ジェネレータに
よる波形長の最大化
まったく異なる波形作成概念を採用したオプションの任意ビット形状パター
ン・ジェネレータは、最大16 Mビット長の歪み信号を作成できます。
81150A/81160Aで任意の信号を作成するには、信号のポイントを1つ1つ指定
する必要があります。これに対して、パターン・ジェネレータでは、すべての
ビットの遷移の定義をビット・シーケンスとして定義します。このようにして
作成された信号はメモリをあまり占有しないので、81150Aの場合で16 Mビッ
ト、1チャネル81160Aの場合で4 Mビット、2チャネル81160Aの場合で1チャ
ネルあたり2 Mビットの長い任意波形を作成できます。
ビット波形の
定義
結果の任意信号
ビット・パターンの
定義
...
0-0
0-1
1-0
1-1
考えられるすべてのビット遷移の
定義。ここでは、
オーバシュートと
アンダーシュートが存在する2レベ
ル・ビット波形の定義
0
1
0
0
1
1
0
1
例:内蔵パターン'PRBS_31'
図3. 81150A/81160Aパターン・ジェネレータの波形作成概念
3
...
0
1
0
0
1
1
0
1
パターン・ソース
ビット・パターンは、アルゴリズムまたはメモリを使用して内部で生成します。
別の方法として、MOD-IN入力に外部で作成したデータ・ストリームを入力し
て、81150A/81160Aで整形し直すこともできます。
外部パターン・ソース
図4. 外部パターン・ソース
外部ビット・パターンは、リア・パネルにあるMOD-INコネクタに入力します。
外部または「パススルー」パターン・モードでは、81150A/81160Aを使って、
内部で生成されたパターンと同じように、データ・ストリームをデータ・レー
ト/出力レベル/レベル数/フォーマットの設定に従って、タイミング、形状
を変更して出力することができます。
図5. 外部入力設定
4
Input Voltage Range(入力電圧レンジ)は、パターン信号のフルスケールを定義
します。81150Aの場合、±2.5 V ∼±5 Vの範囲で選択できます。81160Aの
場合は、±2.5 Vで固定です。
変調入力(MOD-IN)コネクタのImpedance(インピーダンス)は、50 Ω ∼ 10 kΩ
の範囲で選択できます。
Sample Mode(サンプリング・モード)は、81150A/81160Aの外部入力された
データ・ストリームのサンプリング方法を定義します。Fixed Sampling Mode
(固定サンプリング・モード)では、サンプリング時間とTRIGGER-OUT信号の
立ち上がりエッジの間に一定の関係があります。Automatic Sampling Mode(自
動サンプリング・モード)では、測定器は初期遷移を探索し、設定されたデー
タ・レートでサンプリングを行います。入力が非アクティブになって一定時間
が経過すると、遷移探索がリスタートします。
Number of Levels(レベル数)は、入力された外部パターン信号で検出されるレ
ベル数で、2または3に設定できます。
Lower Threshold Voltage(下側しきい値電圧)は、そのレベル以下では、サンプ
ルがロジック'0'と見なされる電圧レベルを定義します。MOD-INの電圧が下側
しきい値電圧以下の場合は、外部入力されたビットは'0'と見なされます。2レ
ベル信号の場合、下側しきい値電圧より上の電圧レベルはロジック'1'であると
見なされます。
サンプリング・ポイント
1/周波数
入力信号
下側しきい値電圧
導出されたロジック・レベル
立ち上がり(パルス画面上)
NRZ
ハイ・レベル
出力
信号
ロー・レベル
ユーザ定義のビット
形状出力信号(例)
図6. 下側しきい値電圧
5
Upper Threshold Voltage(上側しきい値電圧)は、3レベル信号に対してだけ定義
できます。サンプルがロジック'1'であると見なされる電圧レベルを指定します。
MOD-INの電圧が上側しきい値電圧を超えている場合は、外部入力されたビッ
トは'1'と見なされます。MOD-INの電圧が下側しきい値電圧より上、上側しき
い値電圧以下の場合は、外部入力されたビットはアイドル・シンボルであると
見なされます(このため、設定したオフセット電圧が出力されます)。
サンプリング・ポイント
1/周波数
入力信号
上側しきい値電圧
下側しきい値電圧
導出されたロジック・レベル
立ち上がり(パルス画面上)
NRZ
ハイ・レベル
出力
信号
ロー・レベル
ユーザ定義のビット
形状出力信号(例)
図7. 上側しきい値電圧
内部パターン・ソース
81150A/81160Aパターン・ジェネレータは、6種類のビット・パターンを内蔵
しています。また、最大4個のユーザ定義のパターンを保存できます。揮発性
メモリを使用して、ユーザ定義のパターンをさらにもう1つ保存することも可
能です。
6
内蔵パターン
内蔵のパターンは、変更不可能な2レベル疑似ランダム・バイナリ・シーケン
スです。
内蔵パターン
PRBS-7
PRBS-9
PRBS-11
PRBS-15
PRBS-23
PRBS-31
ユーザ定義のパターン
図8. 新しいパターンの作成画面
ユーザ定義のパターンは、以下のパラメータ設定を使って作成します。
Number of Bits(ビット数)は、初期ビット数を指定します。後で変更可能です。
Number of Levels(レベル数)は、2、3、4に設定できます。
Default Value(デフォルト値)は、作成中にパターンを埋めるのに使用されるデ
フォルトのビット値を定義します。デフォルト値は、レベル数に応じて、2レ
ベル・パターン場合は0と1、3レベル・パターンの場合は0、1、アイドル、4レ
ベル・パターンの場合は0、1、2、3です。
Auto Update(自動更新)をオンにすれば、パターンの変更がすぐに出力に適用さ
れます。エディタは低速になります。オフにした場合は、編集完了後に、パタ
ーンの変更が出力だけに適用されるため、エディタは高速になります。
7
パターン・エディタ
このようにして定義されたパターンも、他の保存されているパターンも、パタ
ーン・エディタで表示できます。
図9. パターン・エディタ
パターン・エディタでは、ビットを挿入/削除し、パターンを編集して、パタ
ーン用の4つの不揮発性メモリのうちの1つまたは外部USBメモリ・デバイスに
記録することができます。
ループ・オフセットのビット位置も指定できます。これにより、パターンの作
成中にループされるテスト・パターンの前に、初期化またはプリアンブル・パ
ターンを定義できます。
Hw Upd On/Off(ハードウェア・アップデートのオン/オフ)は、パターンの変
更をすぐにハードウェアに設定すべきかどうか、またはパターンの編集が完了
するまでハードウェア・アップデートを抑制すべきかどうかを決定します。ハ
ードウェア・アップデートをオフにすれば、編集速度が速くなります。
ビット形状パラメータ
パターン・セットアップ画面のビット形状パラメータが'Arbitrary'に設定され
ている場合、ビットの形状を指定する定義済みまたはユーザ定義の波形を選択
できます。ビット形状パラメータが'NRZ'に設定されている場合、パターン・ジ
ェネレータによって長方形のビットが作成されます。
8
図10. ビット形状Arbitrary
任意ビット波形
4つのユーザ定義可能な形状と6つの内蔵形状(変更不可)の中から選択できま
す。揮発性メモリには、1ビット波形を記録できます。
図11. ビット形状Memory
内蔵ビット波形
レベル数
CAP_2
2
CAP_3
3
CAP_4
4
RINGING_2
2
RZ_2
2
RZ_3
3
9
新しい任意ビット波形の
作成
1ビット当たり最大64ポイントの任意波形を作成することができます。使用す
るパターンのレベル数に応じて、4種類、9種類、16種類のビット形状が1ビッ
ト形状波形に定義されます。
Initial # of Points(初期ポイント数)は、初期波形ポイント数を定義します。後
で変更可能です。デフォルトでは、Interpolation
(補間)がオンになっています。
2つのポイント間が直線で接続されます。オフにした場合は、ポイント間の電
圧レベルが一定に保たれ、「階段状」の波形が作成されます。Auto Update
(自
動更新)をオンにすれば、波形の変更がすぐに出力に適用されます。この場合、
エディタは遅くなります。オフにした場合、編集完了後に、変更が出力に適用
されます。
波形エディタ
波形エディタでは、上記のパラメータによって定義された任意波形や保存され
ているすべてのユーザ定義の波形をポイントごとに編集できます。
波形エディタは、波形を縦の破線で複数のセクションに分割します。各セクシ
ョンは、定義されるビット値の遷移の1つに対応します。左上には、現在編集
中のビット値の遷移が表示されています。2レベル、3レベル、4レベルのいず
れの信号を定義しているかによって、4個、9個、16個のビット値の遷移を定義
できます。
図12. 波形エディタ
10
最初は、新しい波形のポイントをすべて0に設定しますが、エディタを使って
調整できます。ポイントは挿入/削除可能です。波形は、波形用の4つの不揮
発性メモリのうちの1つまたは外部USBメモリ・デバイスに記録することがで
きます。
Hw Upd On/Off(ハードウェア・アップデートのオン/オフ)は、波形の変更を
すぐにハードウェアに設定すべきかどうか、または波形の編集が完了するまで
ハードウェア・アップデートを抑制すべきかどうかを決定します。
トリガ・モードでは、トリガ・イベントによって完全なパターンを作成するか、
1ビットだけを作成するかを選択できます。ゲーティッド・モードでは、ゲー
ト信号がアクティブである間は、完全なパターン・サイクルか「ブロック」の
いずれかを作成できるので、似たような動作になります。ゲート信号が非アク
ティブになると、開始ブロックは完了します。ビットごとにゲートを設定する
こともできます。ゲート信号が非アクティブになるとビットは完了します。
図13. パターン・ゲート入力ブロック
11
81150A
81160A
オプションPAT
データ・レート
パターン・メモリ
パターン・メモリ分解能
レベル数
1 μビット/s ∼ 120 Mビット/s
(内蔵パターン・ソースで)
81160A
オプション330
オプション660
1 μビット/s ∼ 330 Mビット/s
1 μビット/s ∼ 660 Mビット/s
16 Mビット、1ビット分解能
4 Mビット(1チャネル測定器)
2 Mビット/チャネル(2チャネル測定器)
1ビット
1 μビット/s ∼ 330 Mビット/sのデータ・
レート:1ビット
330 Mビット/s ∼ 660 Mビット/sのデータ・
レート:2ビット
2、3、4(ユーザ選択可能)
シーケンス設定
プリアンブルの後にループ・データ・ブロックが1個続く。
ループ・カウント:1 ∼ 10,000,000。
シーケンス全体を無限にループまたはトリガ可能
トリガ・モード
連続、ゲーティッド、トリガ・イベントごとに1ビット、トリガ・イベントごとに1シーケンス
パターン・ソース
内部:PRBS -7、9、11、15、23、31
ユーザ定義
外部:パススルー・パターン・モード。パターンは変調入力に印加され、サンプリングされます。
パターン長無限。最大10 Mビット/s。非同期動作に対して自動サンプリング、または同期動作に対して
固定サンプリングを選択可能
自動/固定
外部サンプリング
AM、FM、φM
パターン変調
任意ビット形状
ユーザ定義および既定義のビット遷移(ビット遷移当たり最大64個の任意波形ポイント)
12
Agilent 81150Aのオーダ情報
81150Aと一緒にオーダ
81150A-PAT
81150Aのパターン・ジェネレータのライセンス
既存の81150Aへの追加オーダ
81150AU-PAT 81150Aアップグレードのパターン・ジェネレータの
ライセンス
Agilent 81160Aのオーダ情報
81160Aと一緒にオーダ
81160A-330
330 Mビット/sパターン・ジェネレータのライセンス
81160A-660
660 Mビット/sパターン・ジェネレータのライセンス
既存の81160Aへの追加オーダ
81160AU-326 330 Mビット/sから660 Mビット/sへのパターン・ジェネレー
タのアップグレード・ライセンス
81160AU-330 330 Mビット/sパターン・ジェネレータのライセンス
81160AU-660 660 Mビット/sパターン・ジェネレータのライセンス
13
www.agilent.co.jp
www.agilent.co.jp/find/81150
www.agilent.co.jp/find/81160
カタログ・タイトル
カタログ番号
Agilent 81150A/81160A
5989-6433JAJP
パルス・ファンクション
任意ノイズ発生器、
Data Sheet
パルス・パターン/
ファンクション/任意波形
発生器、Brochure
5980-0489J
81150A パルス/
ファンクション/任意
波形/ノイズ発生器、
5989-7718JAJP
Demo Guide
81150A Pulse Function
Arbitrary Noise Generator
Flyer
5989-7720EN
Agilent 81150A パルス・
5989-7860JAJP
パターン/ファンクション/
任意波形/ノイズ発生器の
アプリケーション、Booklet
81150A Quick Fact Sheet
5990-4565EN
81160A Quick Fact Sheet
5990-6984EN
アジレント・アドバンテージ・サービスは、
お客様の機器のライフタイム全体にわたって、
お客様の成功を支援します。また、サービス
の品質向上、サービス内容の充実、納期の短
縮に継続的に取り組みます。こうした取り組
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(042-656-7832)
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Published in Japan, October 28, 2011
5990-8822JAJP
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