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白線情報を用いた自己位置同定法の検証

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白線情報を用いた自己位置同定法の検証
平成 22 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会
講演番号: 200
白線情報を用いた自己位置同定法の検証
Verification of Self-Localization Method Using White Line Information
渡邊 香 1
Kaori Watanabe
1
村田 真大 2
Masahiro Murata
東京工芸大学 工学部 Faculty of Engineering, Tokyo Polytechnic University
1
2
東京工芸大学大学院 工学研究科
Graduate School of Engineering, Tokyo Polytechnic University
緒言
本研究ではサッカーロボットの大会である RoboCup
に出場するマシンのための自己位置同定法の構築を目的
としている.サッカーフィールドの環境では全方位画像
を用いることで,自己位置同定に必要ないくつかの指標
を得ることが出来る.その一つにフィールドの白線があ
る.フィールドの白線の形状とゴールラインやサイドラ
インなどの各線の位置を認識することにより,自己位置
が定まると考えられる.本報告では基礎実験として壁な
どのノイズを省いた理想状態の画像から検出した白線情
報を検証し,自己位置同定法の検証を行う.
2
図 1 理想画像
図 2 白線抽出
図 3 距離校正結果
図 4 ハフ変換結果画像
表色系変換
今回使用した画像を図 1 に示す.指標として使用する
白線は表色系変換で画像中から白色を抽出することで得
る.しかし,実際には画像全体に対して白色抽出を行う
と壁などの同色ノイズも同様に抽出してしまうため,白
線が必ずフィールドの内側にあることを利用して,フィー
ルド内に限定した白色抽出を行う.そこで,フィールド
の色である緑を抽出する.一般的に広く知られている表
色系は RGB 表色系であるが,RGB 表色系では色の濃
淡のみで表されるため,明るさや鮮やかさは判別できな
い.そこで,明るさや鮮やかさも評価できる HSV 表色
系を用いて緑抽出を行う.双曲面ミラーの中心を画像の
中心とし,双曲面ミラーの端に一番近い緑から中心まで
をフィールドとする.こうして得られた範囲から白色抽
出を行う.
白色抽出においても同様に HSV 表色系で白色抽出を
行ったが,白は無彩色なので色相 (H) は用いずに彩度
(S) と明度 (V) を用いる.しかし,ノイズなどの問題が
あり,フィールド内の白線が綺麗に抽出できなかった.
そこで YUV 表色系の輝度信号 (Y) を用いての白色抽出
を行う.YUV 表色系とは輝度信号 (Y) と輝度信号と青
色成分の差 (U),輝度信号と赤色信号の差 (V) の 3 つの
情報で色を表す形式である.結果を図 2 に示す.ゴール
ポストは緑抽出などの関係で途切れてしまっているが白
線は綺麗に抽出することが出来た.
3
鈴木 秀和 1
Hidekazu Suzuki
距離校正
全方位画像の特徴として,視野が広く取れるが,画像
中では直線が歪んでしまう欠点がある.歪んだ状態では
抽出した白線の追跡は難しい.そこで,実距離と全方位
画像中の距離とを対応させる変換式を導出した.この変
換式を用いて全方位画像中の白線を実距離に直し,別
画像に描画した.歪んでいた白線が直線になったが,隣
り合っていた抽出点が変換後には離れたので,膨張収縮
や細線化などの画像処理を行った.画像処理を施した距
離校正画像を図 3 に示す.若干のノイズがあるが,ゴー
ルポスト以外の白線はサッカーフィールドの形状で現れ
ている.
4
ハフ変換
図 3 の結果からある程度の直進性のある白線がいくつ
かあるのが分かる.これらの直線はフィールドの代表的
な辺を表しているため,これらを認識することでロボッ
トからみたフィールドの状態把握ができる.各直線を正
確に把握するためにハフ変換を用いた.ハフ変換により
得られた直線の結果画像を図 4 に示す.フィールドを構
成している代表直線群が得られていることがわかる.
5
結言 · 今後の課題
全方位画像からフィールド内の白線のみを抽出し,距
離校正の変換式から実距離に変換することが出来た.こ
の結果からハフ変換を行い,代表的な直線群を得た.こ
のデータを用いれば自己位置を決定できる可能性がある.
今後の課題として,今回得られた直線群データを用い,
事前の登録データベースとの照合を行うことで自己位置
同定法の構築を目指す.さらにノイズへの対策,処理時
間の効率化が挙げられる.
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