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追加資料 - 東京工業大学産学連携推進本部

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追加資料 - 東京工業大学産学連携推進本部
欧米における産学連携活動の調査結果概要
東京工業大学
調査対象国
調査対象大学
産学連携部門
オランダ
ライデン大学
研究イノベーションサービス
(LURIS:Leiden University
Research & Innovation
Service)
デルフト工科大学
知識活用センター(Delft
University of Technology,
Valorisation Centre)
○大学等研究機関の知識の民間企業での利用の促進を目的として、
2008年12月に大学等研究機関、企業、公的機関の間で「Valorization
Agenda」が署名された。この行動計画において大学は以下の事柄を実
施することとしている。
・大学は大学全体の計画において実施を予定しているvalorisation(知
当該国(州)における産学官連 識・技術の移転)活動について記載し、その結果について年次報告に掲
携の状況
載すること
・2010年以降、大学はその質の保証の活動においてvalorisationを含め
ること
・大学は専門的なvalorisation活動への投資を継続させること。これには
職員のvalorisation活動に対して報酬を与えることを含む
背景
○ 技術基金(Technologiestichting STW)
2008年度予算額は81億円
主なプログラム
・Perspectiveプログラム
産学連携マッチングファンド
・Valorisation Grant
当該国(州)政府の産学官連携 大学の研究成果に基づくスタートアップ企業支援プログラム
政策の概要
ファクト
データ
産学官連
産学官連携ポリシーの内容
携ポリシー
○ NL Innovation(旧SenterNovem)
2008年度予算額は175億円
主なプログラム
・イノベーション主導型研究プログラム
・国際共同プロジェクトイノベーション補助金プログラム
・SBIRプログラム
・考古学部、人文科学部、法学部、
理学部、社会行動科学部、ライデン
大学医療センター(以下、「LUMC」
という。)、教育スクール、ハーグ・
キャンパスから構成。
・教職員約3,900名(博士課程学生
を含む。)、学生約17,000(学士・修
士課程学生)名。
・ただし、LUMCはライデン大学とは
別法人として運営。
・Times Higher Education誌による
世界の大学ランキング2009 60位
・大学の主要ミッションは、教育、研
究、治療であり、産学連携及び技
術移転活動は、これら主要ミッショ
ンを達成するための手段であり目
的ではない。
・研究の大半は公的資金によるも
のであるが、基礎研究から応用研
究、そして、臨床研究において企業
との連携が増加しつつあり、そのよ
うな産学連携・技術移転活動を適
切に行うことが必要。
・大学・LUMCの優位性のあるバイ
オテクノロジー、ライフサイエンスと
いう研究領域に着目し、これらの領
域における知的財産ライセンシン
グ、大学発ベンチャー企業の創出
支援を積極的に実施。
スイス
スイス連邦工科大学チューリッ
チューリッヒ大学・ベルン大学
ヒ校技術移転部門(ETH Zurich,
学外技術移転機関(Unitectra)
ETHTransfer)
ドイツ
バーゼル大学(University of
Basel)
学外技術移転機関Business
Development Company(BDC)
・スイスの産業において大学との連携の歴史は長く、スイスの多くの大学等や他の高等機関、特に応用科学
大学の前身の機関は地方・地域の企業により設立されている。例えばETHチューリヒはスイスの産業強化を
目的に産業の中心地であるチューリヒに1855年に連邦政府により設置された。
・1990年代初期からほぼ全ての大学レベルの機関は産学連携を直接支援するポリシーや戦略を設けた。
・現在、各大学及び応用科学大学は組織化された知識技術移転部門(KTT)を何らかの形で保有している。
中央集中的のもの(ETH Transferなど)、分散的なもの(多くの応用科学大学のもの)、複数の大学のKTT機
関及びTTオフィス(例えばベルン大学・チューリヒ大学のUnitectra、スイス西部全大学を対象としたKTT連合
組織)というさまざまな形態がある。
○ CTI (Innovation Promotion Agency)
2008年度予算額は110億円
主なプログラム
・大学と企業とのマッチングファンド(年間総額 CTI負担75億円、企業負担102億円)
・大学技術移転部門への支援(年間 4.3億円)
・スタートアップ支援(年間 16億円)
・ともに州立大学(スイスに10校)。
・チューリッヒ大学は、人文科学・社
・スイス国内に2校あるスイス連邦
会学、法学、経済学、医学、数学・
・航空宇宙工学部 応用科学部、建 立の大学のひとつであり、世界有
自然科学、獣医学、神学の7つの研
築学部・、土木工学・地学部、電子 数の理工系研究大学である。
究科。
工学・数理・情報学部、機械・海洋・ ・2007年度において、年間総予算
・ベルン大学は、神学、法学、経済
物質工学部、工業デザイン工学
1,217百万スイスフランCHF(約
学・社会学、人文科学、人間科学、
部、技術・政策・マネジメント学部か 1,034億円)、学生総数13,999名(留
自然科学、医学、獣医学の8つの研
ら構成
学生割合28%)、アカデミックスタッフ
究科。
・学術スタッフ約2,800名(教授214 6,408名(フルタイム換算、内、教授
・チューリッヒ大学/ベルン大学
名を含む。)、学生約15,200名(学 職368名)を擁する。
学生数 25,800名/13,700名
士課程学生10,000名・修士課程学 ・5部門に16の研究科により構成。
職員数(FTE) 5,100名(教授職479
生5,200名、うち留学生が2,100名。) ・Times Higher Education誌による
名)/5,550名(教授職351名)
・Times Higher Education誌による 世界の大学ランキング2009 20位
・Times Higher Education誌による
世界の大学ランキング2009 83位 (スイスの大学の中で1位)
世界の大学ランキング2009
92位(スイスの大学の中で4位)
/193位(スイスの大学の中で7位)
○チューリッヒ大学とベルン大学は
共同にて1999年にNPO Unitectra
社を設立し、学外組織としての位置
・技術移転部門であるETH Transfer
・大学の2010年までの短期目標の
付けにて、チューリッヒ大学、ベル
は、Vice President (Research &
3つのうちのひとつとして、以下のよ
ン大学、チューリッヒ大学病院、ベ
Corporate Relations)のもとの組織
うに産学連携を位置付けている。
ルン大学病院の技術移転活動を委
として、Knowledge & Technology
「多国籍企業、政府機関、中小企
託。
Transferのための学内組織という位
業、ベンチャー企業にとって望まし
○ミッション
置付け(学外組織にはアウトソーシ
い知識供給者になること」
・企業との共同作業により経済的に
ングせず)。
・この目標のもと、大学がエネル
社会に貢献すること
・1991年に3~4名のメンバーにて発
ギー、水・天然資源、建設、生産等
・公共の利益のために研究成果の
足し、1997年からはスタートアップ
の問題解決に重要な役割を果たす
実用化を図ること
企業の支援活動を、2004年からは
ことができ、また、その科学的知識
・双方にとっての利益となる産業界
外部資金担当の機能を加え、メン
の活用によりオランダ及び欧州の
との緊密な関係の構築
バーも増員。
持続的な経済成長に貢献できると
・教員や学生にとって大学がより魅
・特許ライセンスを大学にとっての
考えており、自らを社会のための知
力あるものにすること
収入というようには考えず、大学は
識源と位置づけて積極的に知識活
・研究資金や特許実施料などの外
利益を追い求める組織ではなく、研
用(Knowledge Valorisation)を推進
部収入を得ること
究成果を社会へ還元するという観
している。
○技術移転の方法として、スタート
点にてとらえている。
アップ企業を起業してライセンスを
行う方法よりも、既存企業へのライ
センスを重視。
1
・バーゼルシュタット州ならびに
バーゼルラント州立の大学。
・人文科学・社会学、医学、自然科
学、法学、経済学、心理学、神学の
7つの研究科
・学生数 11,000名
・職員数(FTE) 3,500名(教授職320
名)
・Times Higher Education誌による
世界の大学ランキング2009 108位
(スイスの大学の中で5位)
○技術移転業務を外部委託:大学
や企業に対して技術移転(知財戦
略、知財マネージメントを含む)に
関する受託事業を実施している
BDC社
・技術移転をValue Chainとしてとら
えて、モジュールごとに実行が可能
としている。ただし、技術分野として
は、ライフサイエンス分野に限定し
ている。
・バーゼル大学(バーゼル大学病
院を含む)とは契約にもとづき大学
のTechnology Transfer部門として
大学内にオフィスを持って活動して
いる。学外機関への委託という形
態ではあるが、副学長の直轄部門
との位置づけにある。
・BDC社では既存企業へのライセン
スの方を重視しており、スタートアッ
プ企業の起業支援はほとんど行っ
ていない
ボン大学(ライン・フリードリヒ・
ヴィルヘルム大学ボン)
研究支援部(Department for
Research Affairs)
アーヘン工科大学
技術移転/研究資金部門
(Technical University of
Aachen, Department of
Technology Transfer and
Research Funding)
○ ハイテクストラテジー
ドイツ連邦政府横断的な国家戦略であり、優れた発想(科学研究の成
果)を産業化、商業化に結びつけることを大きな目標として2006年に策
定。連邦政府は2010年までに150億ユーロの予算を措置することとし、
また、同年までに国家の研究開発投資を国内総生産比3パーセントとす
ることも目標とされている。
対象となる分野はナノテクノロジー、バイオテクノロジー、マイクロシステ
ム技術などの17分野。
特に重点が置かれる施策は大学を中心とした科学研究の成果を産業
化に結びつけることを目的としたもので、産学間の共同プログラムへの
支援を強化するとしている。
○ 連邦政府プログラム
・SIGNO
大学に対する支援は、1)大学、応用科学大学、研究機関における技術
移転機関(PROvendisなどの技術移転機関)設置支援、2)大学における
技術移転戦略形成のための支援。
・EXIST(Existenzgründ-ungen aus der Wissenschaft)
連邦教育研究省が行うスタートアップ支援プログラム。
○ノルトライン・ヴェストファーレン州の産学連携プログラム
・「特許スカウト」プログラム
大学や研究機関における特許化に関する制度整備や研究評価のため
の支援で、2010年予算は150万ユーロ。
・「Science-to-Business PreSeed」プログラム
大学の研究グループを対象として研究開発支援、発明評価、実用化可
能性検証、特許申請補助、大学発スタートアップ支援などを2年の期間
を設け行う。支援の上限は30万ユーロ。
・ノルトライン・ヴェストファーレン州
立の大学
・ノルトライン・ヴェストファーレン州
・9つの研究科
立の大学
・年間総予算6111百万ユーロ、学
・プロテスタント神学部、カトリック神
生総数31,500名(内、留学生5,600
学部、法学・経済学部、医学部、人
名)、アカデミックスタッフ2,444名
文科学部、数学・自然科学部、農学
(内、教授職420名:比較的少ない
部の7学部から構成
のはアカデミックスタッフも授業を担
・学生数 28,000名
当するため)
・教授 525名、学術スタッフ 1,633
・Times Higher Education誌による
名、非学術スタッフ(大学病院職員
世界の大学ランキング2009 182位
を含む。) 4,343名
(ドイツの大学の中では8位)
・産学官連携の窓口である技術移
・ボン大学には工学部がなく、農学
転/研究資金部門は全体で12ある
部を除き応用研究が活発ではな
Administrationの部署の一つとの位
かったため、近年まで産業界との
置づけにて、大学全体のサービス
連携に関しては必ずしも積極的で
部門。
はなかった。
・学内外に対して情報の提供やさま
・しかし、産業界からの協力要請や
ざまな相談に応じ、研究者と産業界
連邦及び州政府の産学連携関連
とのインターフェースとしての役割
研究費が増加傾向にあり、大学とし
を果たすことをミッションとしている。
て特化している研究領域の薬学、
・知的財産権確保の目的は、戦略
生化学・神経科学の推進にために
的研究分野の技術の保護、外部資
は、知的財産の活用や産業界との
金の獲得、ライセンシングないし有
連携が必須であることから、それに
償譲渡、スタートアップ企業の支援
対応すべく体制の強化を図りたいと
と位置付けている。
考えている。
・ライセンシングや有償譲渡による
収入そのものを目標とはしていない
ライデン大学
デルフト工科大学
○以下の4部門により構成
○LURISは以下の2チームにより構
・外部資金・契約部門(Funding &
成
Contracts)
・ライセンス・IPチーム
・産学連携部門(Cooperation with
当該大学の産学官連携の組織 ・研究支援チーム
Companies)
・知的財産管理部門(Protecting
体制
○別途、医療センターのための
Intellectual Property)
LUMC Technology Transfer Office
・ビジネス創出部門(Business
(TTO)がある
Development)
(学外)
・TLO外部連携型
ベンチャー企業の株式を保有する
ための持ち株会社2社(Libertatis
Ergo Holding B.V.(LEH)、LUMC
Participaties B.V.)を設立し、関連
ベンチャー企業の支援を行ってい
る。LURISとLUMCTTOの職員の一
学内:各部局等との役割分担
部は、これら持ち株会社の経営に
学外:TLO等の学外組織との関 も参画。
大学の産 係(アウトソーシングの状況)
・2007年からLEHに特許ファンドを
学連携体
設け、ライデン大学、LUMCが申請
制
者となる発明の評価を行い、特許
出願している。特許出願後は、
LURIS、LUMCTTOが、当該出願特
許を積極的にマーケティングし、ラ
イセンス先を探し、出願後1年で当
該特許を維持するか否かを判断
・LURIS 20名(非常勤12名を含
む。)
・LUMCTTO 5名
・非常勤職員がその多くを占めてお
全学的組織における人員体制 り、案件及びプロジェクトベースで
業務に従事している
(職種、人数、任期、権限等)
・運営責任者を含むマネージャーク
ラスには、過去に産学連携支援や
技術移転活動に従事したことのあ
る経験者をヘッドハンティングして
登用している
○以下の5部門により構成
・Third Party Funding
・Patents & Licenses
・Spin-off Support
・Legal Support
・Industrial Relations
チューリッヒ大学・ベルン大学
○以下の2部門により構成
・共同研究の推進
・研究成果の実用化推進
バーゼル大学
ボン大学
○以下の業務を実施(グループ構
成は不明)
○1部門にて構成
・共同研究の推進
(他部門と連携)
・発明・知的財産権の管理と活用
・大学発ベンチャーの起業支援
(学内)
・契約面など財務部門ならびに人
事部門と連携
(学内)
(学外)
・学外組織からの要望が多様であ
・TLO外部連携型
ること、学内の研究内容を一元的
大学で創出された発明・特許の管
に把握しきれないことから、各学部
(学外)
理・活用はPROvendis社
に最低1名の技術移転支援者が雇
・TLO一体型
(学外)
(学外)
・PROvendis社には、ノルトライン・
用されて、当該学部における知識
・学外組織にはアウトソーシングせ ・外部独立型
・外部独立型
ヴェストファーレン州の23大学が所
活用の窓口として活動。
ず、知財権の管理・活用も含めてい 産学連携活動を独立した外部機関 産学連携活動を独立した外部機関 属教員数等に基づいた比率で共同
(学外)
わゆる産学連携活動はこの部門が にて実施
として受託
出資。ボン大学はアーヘン工科大
・TLO一体型
担当している。
学に次ぐ株式保有者。
・学外組織にはアウトソーシングせ
・PROvendis社のPatent Scout(技
ず、知財権の管理・活用も含めてい
術移転実務者)のうちライフサイエ
わゆる産学連携活動はこの部門が
ンス分野担当8名(全分野では20
担当している。
名)のうち2名がボン大学専属
Patent Scout、ボン大学で創出され
た知的財産の管理・活用に従事
・総員は14名。10名がPhD(博士
号)を保有し、4名がMBAないし
MAS(修士号)を保有。
・総員 21名
・メンバー全員の経験年数を足し合
・外部資金・契約部門13名
わせると、産業界における経験、研
・産学連携部門 企業等との交渉
究開発の経験、技術移転の経験は
等を行うコーディネーター6名
・総員(FTE) 10名
すべて40年以上となり、起業経験、
・知的財産管理部門 3名の知財管
法務経験のあるメンバーも揃えて
理者
いる。
・ビジネス創出部門1名のビジネス
・国籍は5カ国に渡り、8ヶ国語をカ
アドバイザー
バー(ドイツ語、英語、フランス語、
イタリア語、オランダ語、アラビア
語、ハンガリー語)。
・個別の共同研究の支援は、各学
部単位で行われ、各学部の技術移
転支援者、契約担当者が中心。
・ただし、大学が組織として長期的
かつ戦略的な連携を行っている大
・学外機関との共同研究契約・学外 企業、また、知識活用センターが主
機関からの受託研究契約、マテリ 導している中小企業ネットワーク
アルトランスファーアグリーメント、 (医療技術、環境技術分野)との連
共同・受託研究等の民間企業か 秘密保持契約、研究コンソーシア 携等を、学内研究者が希望する場
ム契約に係る交渉、精査、締結
合は、知識活用センターが関連企
らの資金獲得戦略
・公的資金・民間資金を活用した共 業等を紹介。
共同研究
同研究・研究コンソーシアムの創出 ・産学連携のマッチングファンドや
等に関す
の支援
産学官連携によるコンソーシアム
る支援
の公募に関しては、知識活用セン
ターが関連情報を収集し、広く学内
の研究者に通知。
・外部資金実績
125億円(政府系を含む)
アーヘン工科大学
○以下の4部門により構成
・Technology and Innovation
Transfer Division
・Research Funding and Research
Marketing Division
・Collaborative Research Centers
Division
・Interdiciplinary Forums Division
(学外)
・TLO外部連携型
大学で創出された発明・特許の管
理・活用はPROvendis社
・PROvendis社には、ノルトライン・
ヴェストファーレン州の23大学が所
属教員数等に基づいた比率で共同
出資。アーヘン工科大学は一番多
くの株式を保有。
・総員(FTE) 3.5名
・他に、学生アルバイトを企業との
・総員 23名
・総員(FTE) 3名
やりとりの進捗管理(主にメールの
法務担当者以外は、理工学系の
・別途、PROvendis社パテントスカウ
やりとりの状況のモニターリング)に
バックグラウンドをもつ人たちにより
ト(技術移転実務者)2名
活用することにより企業との業務の
構成されている
効率化を図っている
・政府の支援として、Whoch6
Consortium(W6)というものがある。
これは連邦政府が産業界の専門家
を雇用して、産業界とのcontact
・企業との共同研究の実績(チュー
windowとしてマッチングの場を提供
リッヒ大学とベルン大学の合計)
するという仕組み。
・契約実績 380件
898件
70億円
・外部資金実績
541件
54億円
・学外機関からの研究費獲得のた
めのインセンティブスキームを大学
として設けており、各教員に対して
前年度に獲得した外部資金の額に
応じて、次年度、大学から一定の研
究費を支給している
・特徴的な取り組みとして、フラウン
ホーファー協会FhGを大学の一部と
みなし、緊密な協力関係のもと技術
移転活動を実施している点が挙げ
られる。具体的には、以下の3研究
所である。
Fraunhofer-Institute for Laser
Technology (ILT)
Fraunhofer-Institute for Production
Technology (IPT)
Fraunhofer-Institute for Molecular
Biology and Applied Ecology (IME)
・外部資金実績
243億円
(政府系を含む)
・共同研究における間接経費10%に
ついて、さらに35%の間接経費を上
乗せすると共同研究によるIPを先
方企業に譲渡する。
共同研究等から生じる知的財産
マネジメント
技術マーケティング方法、体制
スイス連邦工科大学チューリッヒ校
・組織内にて実施(ライセンス・IP
チーム)
・組織内にて実施(産学連携部門
(Cooperation with Companies))
・組織内にて実施(Patents &
Licenses部門)
・組織内にて実施(研究成果の実用
・BDC内にて実施
化推進グループ)
2
・PROvendis社のパテントスカウト
(技術移転実務者)ライフサイエン
ス分野担当8名のうち2名が担当
・PROvendis社のパテントスカウト
(技術移転実務者)に加え、最近、
大学独自のパテントスカウトを配置
ライデン大学
デルフト工科大学
スイス連邦工科大学チューリッヒ校
バーゼル大学
ボン大学
アーヘン工科大学
○Unitectraシードファンド:
スタートアップ企業を起業するため
には、研究成果が得られた段階か
ら商品化する段階までには大きな
ギャップがある。このギャップを埋
めるために、シードファンドプログラ
ムの導入を検討している。これは、
選定した研究テーマに対して、シー
ドファンド(シードキャピタル)を1プ
ロジェクトにつき最大100,000スイス
フラン(約850万円)を提供する。
技術移転
に関わる
研究成果実用化のためのイン
支援
キュベーション(目利き人材、ファ
ンド等)
特許等のライセンス戦略
チューリッヒ大学・ベルン大学
・PROvendis社のパテントスカウトな
・技術分野としては、ライフサイエン ・PROvendis社のパテントスカウトに
らびに大学独自のパテントスカウト
ス分野に特化
依存
を併用
・バイオテクノロジー、ライフサイエ
ンス分野に特化に
○政府関係の起業支援策
1) Science-to-Business PreSeed
2) Exist-Research Transfer
○スピンオフ企業への支援
○大学の起業支援策
・起業の判断の支援(ビジネスプラ
1)当該部門
ンのレビュー)
○スタートアップ企業の支援の活動
初期段階におけるコンサルティング
・インキュベーション施設の提供
・コーチング(ビジネスアイデア、ビ
2) Aachen Entrepreneurship
一定の条件のもと、原則、2年間(1 ジネスプラン)
Centrer (AEC)
年の延長可能)
・Unitectraシードファンド
アントレプレナーの支援、コーチン
・コンサルティング、コーチング
・投資家との契約の支援
グ(9名の経験豊富なスタッフ)
・LURIS、LUMCTTOは、大学発ベン
ビジネスプランの作成、ビジネス ・インキュベーション施設の提供(2
3) Gründer Start Initiatives (GSI チャー企業の設立前に、設立希望
マネジメント、売上げ、交渉など(一 ~3年間)
・大学発ベンチャーの支援に関して
entrepreneurship foundation):財団
者から、設立理由書とビジネスプラ
定の範囲内)
・Life Science Incubator ’BioTop’ ・1997年から2008年までの間に
は、オランダ経済省の主導でデル
アーヘン地域のアーリーステージに
ンを受領し、その内容を精査し、理
・シードマネーやVC(Venture
を共同運営
バーゼル大学(バーゼル大学病院
フト工科大学及びデルフト市が共同
あるスタートアップ企業を支援。
事会が設けるベンチャー企業設立
Captalist)へのリンク
・大学発の知的財産の保護
を含む)から生まれたスタートアップ
大学発ベ 大学発ベンチャーに対する支援 審査委員会に対してアドバイスを行 出資し、デルフト工科大学のキャン ・IP、ソフトウェア、ノウハウのライセ ・エクイティの取得を含めた柔軟な 企業は27社である。このうち、6社 ・ベンチャー企業の創出支援に関し 2004年にアーヘン工科大学とIHK
パス内に設置したインキュベーショ
(Industrie-und Handelskammer)に
ライセンス
が倒産などの理由にて現在はなく て、大学としては特段の活動を行っ
ンチャー支 策(インキュベーション施設、資 い、当該ベンチャー企業設立の承 ンセンターであるYes!Delftが主体的 ンス
よって設立。スタートアップ企業は、
認可否を決定する。
・メディア、PRの支援
・技術移転プロジェクトへの教員の なっている。
ていない
援
金等)
に実施しており、頻繁に知識活用セ
約375~625万円の支援を受けると
・承認された場合は、大学と当該ベ
・ETH発のスピンオフ企業(大学発 サバティカル
・平均して、年間2社程度のスタート
ンターと情報交換等を行いながら、
ともに、ビジネスプランや特許出
ンチャー企業間で、LEHを介した株
ベンチャー)との称号を付与
・アントレプレナー教育への経済的 アップ企業を起業している
大学発ベンチャーの経営支援を
願、契約関連などについて専門家
式保有、大学職員等の関与、大学
○実績
援助
行っている
のアドバイスを受けることができる。
設備等の利用等に関する契約書を
・最近は年間20社以上のスタート ○実績
現在、6社がGSIにより支援を受け
締結する
アップ企業を起業しており、2008年 ・チューリッヒ大学とベルン大学との
ている(3社がアーヘン工科大学
のスタートアップ企業の実績は23 合計数にて、2008年は11社の大学
発)。
社。分野としては、IT、バイオ、医療 発ベンチャーの起業を行った。
4) AGIT (Aachen Society for
分野における起業がおよそ半分程 ・1999年から2009年までの間に累
Innovation and Technology
度を占める。
計にて78社の起業を行っており、そ
Transfer) :アーヘン市内に2つのセ
・累計では、153社になり、多くのス のうち72社は現在も活動中。
ンター。現在、309社のスタートアッ
タートアップ企業の創出に成功。
プ企業が入居(182社がアーヘン工
科大学発のベンチャー)。
○アーヘン工科大学では年間15~
20社のスタートアップ企業を創出。
・LURIS及びLUMCTTOの職員は、
非常勤職員がその多くを占めてい
る
人材育成・ 産学官連携人材の確保・育成策 ・運営責任者を含むマネージャーク
ラスには、過去に産学連携支援や
確保
(キャリアプラン、評価)
技術移転活動に従事したことのあ
る経験者をヘッドハンティングして
登用
・2007年から関連持ち株会社であ
るLEHに特許ファンドを設け、ライデ
ン大学、LUMCが申請者となる発明
特許取得・管理の体制(学内外 の評価を行い、特許出願している。
・特許出願後は、LURIS、
の役割分担)
LUMCTTOが、当該出願特許を積
極的にマーケティングし、ライセンス
先を探し、出願後1年で当該特許を
維持するか否かを判断
ライデン大学
・知識活用センターの職員の多くが
・人材の募集は、公募ならびに人脈
非常勤であり、ポスドクやファンデイ
の利用の両方にて行っている。
ング・エージェンシーのプロジェクト
・人材の育成は、OJT (On the Job
マネージャーからの転職者により占
Training)であり、当部門にて技術移
められている。
転の業務を担当することにより別の
・オランダにおいても知識活用・技
大学の技術部門への異動も可能と
術移転が職業として確立していると
なるだけの技術移転スキルが身に
は言えず、職員のリクルートは困難
つくもの。
である。
・産学官連携支援、技術移転従事
者の採用・育成は非常に難しい。大
学は財政的なゆとりがなく、
PROvendis社は運営を州政府から
の助成に依存していることから、人
材に対して長期的な雇用条件を提
供することが難しく、優秀な人材を
確保できない。
・PROvendis社では、設立当初にい
た優秀なパテントスカウトの多くが、
既に産業界に転出している。
・学内発明者は発明を行った場合、
その発明届を大学図書館に提出。
・図書館に所属する研究情報専門
家が、提出された発明届けに関す
る先行特許・論文調査と発明者へ
のヒアリングを行い、出願申請書を ・組織内にて実施
作成。
(Patents & Licenses部門)
・作成された出願申請書は知識活
用センターに提出され、知識活用セ
ンター担当者と発明者間で特に市
場性に関する協議が行われた後、
特許出願の妥当性を判断
・発明の評価、特許化などの知的財産権に関する業務は、PROvendis
社が担当
・PROvendis社はアーヘン工科大学のみでなく、ノルトライン・ヴェスト
ファーレン州の他の大学の発明の評価、特許化などの知的財産権に関
する業務を担当しており、その運営費用は、州政府が負担している
デルフト工科大学
・組織内にて実施
・BDC内にて実施
(研究成果の実用化推進グループ)
スイス連邦工科大学チューリッヒ校
3
チューリッヒ大学・ベルン大学
バーゼル大学
ボン大学
アーヘン工科大学
発明の権
利化の支
援
特許取得・活用戦略
特許出願・維持費の財源
○2008年の実績:
発明届出数:85件
特許登録数:25件
ライセンス件数:21件
・LEH社の特許ファンドを活用
・知識活用センターは、特許出願・
管理の事務手続きを行っているほ
か、特許を活用したビジネス創出や
ライセンシングに係る戦略立案の
支援を行っている。一部のライセン
シング活動は、各学部の技術移転
支援者でも行われている。
○2008年の実績:
発明届出数:190件
特許出願数:104件
特許登録数:34件
大学間の
他の大学との連携状況
連携
・オランダの3理工系大学(トゥエン
テ大学、アイントホーフェン工科大
学と)にて、共通の窓口として3TUイ
ノベーションラボを設置している
地方自治
体との連 地元自治体との連携状況
携
・大学及びデルフト市が共同出資
し、大学のキャンパス内にインキュ
ベーションセンター「Yes!Delft」を設
置し、共同にて運営。
・研究支援チームにより、公的資
その他
・Unitectraの運営費用は、60%を
チューリッヒ大学が、40%をベルン大
学が負担
・CTIのWTT(Technology Transfer
Consortium)の費用(総額5 百万ス
イスフラン(約4.3億円))を含んでい
る(年間の費用額は明らかにしてい
ない)
○IBMとの連携(2008年5月契約締
結)
・Joint Nanosciences Laboratoryを
IBMの費用負担にて建設(約54億
円)。
・研究設備のための費用26億円
は、ETHとIBMにて50%ずつを負担。
・ETHは10年間に渡ってこの施設を
使用することが可能であり、ナノサ
イエンスに関する共同研究を実施。
・共同研究の成果であるIPについて
は、双方が自由に実施ないし他者
ライセンスが可能。
○大学発ベンチャー企業のエクイ
ティを保有することを可能としてお
り、25社についてエクイティを保有
し、3社について売却によるゲインを
得ている。
スタートアップ企業の主なExit実績
は以下のとおりである。
・スタートアップ企業GlycArt
Biotechnology社がRosche社に235
百万スイスフラン(約200億円)にて
買収(2004年)
・スタートアップ企業Integrated
Systems Engineering社がSynopsis
社に90百万スイスフラン(約77億
円)にて買収(2005年)
・特許出願・維持経費を意識するこ
となく、PROvendisの評価通りに特
許出願を行っている。特許ライセン
シングのような知的財産の活用に
関しては、全てをPROvendisが実施
している
○2008年の実績:
発明届出件数 38
特許出願件数 19
・最近、大学独自のパテントスカウ
トを配置することにより、発明届け
出数は増加傾向にあり
○2008年の実績:
発明届数 105
出願特許数 34
登録数 11
ライセンス件数 0
・Technology and Innovation
Transfer Divisionの運営費用は、年
・バーゼル大学からの資金は、年 ・知的財産権の管理・活用は
間400,000ユーロ(約5,000万円)で主
間1M$(約9,000万円)で固定(成果 PROVendis社が担当
に人件費
に応じた上積みはない)。
(州政府により運営)
・知的財産権の管理・活用は
・このうちの20%がIPの出願・維持費 発明の特許化支援・知的財産管
PROVendis社が担当
用であり、80%はオペレーションコス 理、研究成果の分析・評価、研究成 (州政府により運営)
トと人件費(FTEで3.5名分)である 果の産業化の助言などの業務
発明の特許化支援・知的財産管
理、研究成果の分析・評価、研究成
果の産業化の助言などの業務
○エーオン(E.ON)社との共同研究
・E.ON社(ドイツのデュッセルドルフ
に本社を置き、電力・ガスなどを供
給するヨーロッパ有数の大手エネ
ルギー会社)とのエネルギー分野
における共同研究として、E.ON
Energy Research Centerを2007年
に設置した。・総額40Million €(約50
億円)の資金提供を10年間受ける
ものである。
○Innovation Clusterの取り組み
・15の技術分野についてのCluster
をアーヘン工科大学のMelatenキャ
ンパスに設置する計画である。
・このための資金は主に企業側が
負担するもので、現在、一部の
Clusterのみが進行中であるが、60
~80社が参画予定である
・Laser Technology Cluster
大学の3名の教授がFhG ILTを兼任
し、産業界との共同研究を進めて
いる(大学のProf. Dr. Reinhart
PopraweがFhG ILTの所長を兼
任)。現在、200の共同研究プロジェ
クトを産業界と実施中で、年間の特
許出願件数は12件。
・チューリッヒ大学とベルン大学は
共同にてNPOであるUnitectra社を
設立し、両大学の技術移転業務を
担当させている。二つの大学が学
外組織としての技術移転部門を共
有。
・スタートアップ企業の起業支援に
て協力(AGIT、上掲)
・産学連携のマッチングファンドや
リサーチアドミニストレーター等 金・民間資金を活用した共同研究・ 産学官連携によるコンソーシアム ・Third Party Funding部門にて、教
の公募に関しては、知識活用セン
研究コンソーシアムの創出の支援
員の外部資金獲得を支援
による研究支援体制
ターが関連情報を収集し、広く学内
を行っている
○2008年の実績:
○2008年の実績:
発明届数 99
発明届出件数 23
出願特許数 37
特許出願件数 17
登録特許数 11
保有特許数 55
新規ライセンス件数 49
保有特許数(アクティブ)は、ここ5
ライセンス収入5.4 Million CHF (約 年間はほぼ一定であり、費用の観
4.6億円)
点から制限をしているものと推定
・発明届出数に比べて、高い割合
にてライセンスに至っている。
・連邦政府のCTI(Innovation
Promotion Agency)は、大学の
・知識活用センターの運営費は、そ
Technology Transferの部門に年間
の多くを大学の運営費から支出さ
5百万スイスフラン(約4.3億円)を提
れているが、一部はオランダ政府に
供しているが、ETHTransferへの配
よるテクノパートナープログラム
分金額は明らかにしていない。
(Tecno Partner Programme)から
・IPについての費用は、年間1百万
の資金が充当されている
スイスフラン(約8,500万円)に上限
を設定している。
○Shellとの戦略的提携
・テーマ:再生可能エネルギー
・期間:4年間
・企業負担額:3百万ユーロ(3.8億
円)
成功事例
代表的な成功事例・失敗事例
失敗事例
○2008年の実績:
発明届出数:131件(内ソフトウェア
10件)
特許登録数:65件 (単独特許:52
件、企業との共有:13件)
ライセンス件数:46件、譲渡の件
数:38件
2008年末の時点にて、保有特許は
437件、ライセンス中の特許は149
件。
の研究者に通知。
4
・Research Funding and Research
Marketing Divisionにて、教員の外
部資金獲得を支援
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