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北海道消化器内視鏡技師研究会 in 旭川 プログラム

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北海道消化器内視鏡技師研究会 in 旭川 プログラム
北海道消化器内視鏡技師研究会 in 旭川
プログラム
日時:2013年9月21日(土)13 時~16 時 30 分
場所:旭川厚生病院 (旭川市一条通 24 丁目 111-3)
タイムスケジュール
13:00 ~ 受付
13:30 ~ 開会のあいさつ (会長 山口)
13:35 ~ 医学講義『大腸内視鏡検査』(60分)
旭川医科大学 第 3 内科 盛一健太郎先生
座長 札幌緑愛病院 相馬 和幸
14:35
14:45
~
~
16:25~
休憩(10分)
パネルディスカッション
座長 倶知安厚生病院 土田 徹
演題発表 3 演題 および ディスカッション
閉会のあいさつ
16:30
終了
(実行委員長
北野)
【演題】
1.下部内視鏡検査の前処置法に関する工夫と課題
小樽掖済会病院 消化器病センター
内視鏡技師
○塚本 友美子、北野
由紀
【はじめに】大腸内視鏡検査前には、診断の精度をあげるため多量の腸管洗浄剤を服用しなければなら
ない。現在当院では、年間 2500 件を超える下部内視鏡検査(治療を含む)を行っているが、患者の基
礎疾患と要望を考慮した上で、4 種類の洗腸剤が選択できるようになっている。前処置に関する患者の
苦痛を軽減しつつ、腸管内の洗腸効果を高めるために行っている当院の取り組みと課題を報告する。
【服用場所】自宅での服用:自宅服用方法を理解できる方。院内での服用:他院からの紹介患者、遠方
の方、理解力の低い方、出血、穿孔など偶発症の危険が考えられる方。
【洗腸剤の選択・服用方法】
マグコロール®P
特徴
前日
当日
等張液
・ガスモチン®3 錠 3×n
・ガスモチン®1 錠 1×朝
・ラキソベロンユニット 1 本
・検査4時間前から
(就寝前)
コップ 1 杯の溶解液を 10 分おきに最大
2400ml
ニフレック®
等張液
・ラキソベロンユニット 1 本
腎機能障害があっ
(就寝前)
錠剤
コップ 1 杯の溶解液を 10 分おきに
最大 4000ml
ても慎重投与可
ビジクリア®
・検査4時間前から
・ガスモチン®3 錠 3×n
・ガスモチン®1 錠 1×朝
・ラキソベロンユニット 1 本
・検査4時間前から 1 回あたり 5 錠ずつ、
(就寝前)
コップ 1 杯の水かお茶とともに 15 分毎に
計 10 回最大 50 錠
モビプレップ®
高張液
・ガスモチン®3 錠 3×n
・ガスモチン®1 錠 1×朝
腎機能障害があっ
・ラキソベロンユニット 1 本
・検査 4 時間前から
ても慎重投与可
(就寝前)
コップ 1 杯の溶解液を 10 分おきに
1000ml 服用した後に水かお茶 500ml を
飲用する。最大 2000ml 服用し、さらにそ
の半量の水かお茶を飲用する。
※コップ 1 杯 180~200ml
【洗腸状態の判定】院内で統一した排便観察 5 段階評価表で④⑤の便状態で検査可能(色が残っていて
もにごりがなければ可)とする。
【課題】1、トイレの数、服用場所とのトイレの距離。2、洗腸剤の選
択を効率よく行う方法の確立。
【まとめ】患者の受容度をあげることにより、より多くの方が大腸内視鏡
検査を受け大腸疾患が早期に発見されるよう、今後も創意工夫をつづけていきたい。
2.当院における下部内視鏡検査前処置の実際
市立旭川病院 内科内視鏡室
○中川真由子 本間幸子
小松奈緒
小林隆子 平出浩子 斉藤江美
Ⅰ.はじめに
当院は旭川及び道北地域の高度・特殊・先進医療を担う基幹病院として、24 時間体制で内視鏡診療を
行っている。下部内視鏡検査は年間約 2800 件行っており、大腸ポリペクトミーや大腸 ESD などの治
療を目的とするものと、UC やクローン病患者の診断及び治療評価、また外来患者の多くを占めるのは他
院で挿入困難な症例のスクリーニングである。
下部内視鏡検査は前処置状況が検査の進行を左右する。昨年では外来患者に対し 170 件の高圧浣腸の
追加処置を行った。前処置が円滑に進むためには、検査前の充分な説明と患者教育が必要である。現在
大腸検査の説明、大腸ポリペクトミー及び大腸 ESD の入院説明は、内視鏡室看護師ではなく、内科外来
の看護師が行っている。そのため患者の排便習慣の聞き取りや低残渣食の指導などが充分に行えていな
い。そこで現状の業務を見直し、可能な範囲で検査説明を行っていくこととした。実際に検査説明を始
めてから、現時点では 17 件と実施症例が少なく、前処置状況に有意差が見られてはいないが、その取
り組みを報告する。
Ⅱ.下部内視鏡検査説明の流れ
外来患者の大半は自宅にて前処置を行い、高齢者や遠方から来院される方、検査に対する不安の強い
方などは、内視鏡室にて前処置を開始している。どちらで前処置を行うかは、検査説明時の問診にて看
護師が判断し決定する。
外来患者の場合、下部内視鏡検査の説明は全て内科外来に依頼していた。しかし患者の排便習慣や普
段の下剤服用状況、内視鏡室の設備やアメニティーなどについての情報不足により、検査の前処置が円
滑に進行しない例が多くあった。そこで内視鏡室で下部内視鏡検査がオーダーとなった患者においては、
内視鏡室看護師が検査説明を行うこととした。
Ⅲ.内視鏡室での下部内視鏡検査説明
検査説明用紙は内科外来と同じものを使用した。内視鏡室で説明を行うとこで、患者は検査の流れを
イメージしやすく、高齢者や ADL の低下がみられる方の場合も、前処置を行う場所を内視鏡室か、日常
使い慣れた自宅かを患者自身が選択できた。また患者の排便習慣や普段の下剤服用状況の情報を考慮し
た下部内視鏡検査の前処置を行うことができるようになった。
現行の検査説明用紙では低残渣食の内容が不十分で、患者が実践しにくい内容であることがわかった。
Ⅳ.今後の課題
試行症例も少なく、内視鏡室で検査説明を行ったことで前処置状況に有意差はみられてはいないが、
患者とともに考える時間が持てたことで下部内視鏡検査の説明方法を見直す機会となった。今後は下部
内視鏡検査の説明や、大腸ポリペクトミー、大腸 ESD の入院説明などの内容の見直しを行っていく。
3.当院における大腸内視鏡前処置の現状と問題点
独立行政法人国立病院機構 北海道がんセンター
内視鏡室
○高森晴美・浅黄谷美里・梶谷智美
日本人の大腸がん罹患率、死亡率は急増している現状の中、大腸内視鏡検査(以下CF)は特に早期
がんの検出に有用である。当院の平成 24 年度の CF 件数は約 1230 件であったが、外来患者の大半が
自宅で前処置をおこなっており患者にとって負担が多く懸念される検査といえる。また内視鏡における
前処置の偶発症のなかで腸管洗浄液による偶発症の発生率は、鎮静剤に関連したもの次に高率という報
告があり、服用の指導と服用中の観察には得に注意を要する。
当院の前処置として経口腸管洗浄剤ムーベンを多く使用しているが、自宅で服用が困難な患者(高齢
者・ひとり暮らし・初回患者・不安の強い患者・遠方者)は内視鏡室内での服用としている。残念なが
ら当院の環境は飲用場所・トイレなど施設のハード面の整備に限界あり患者満足を得られる現状とはい
えない。しかしスタッフは巡回と声掛けを頻回に行い、異常の早期発見と不安の解消、励ましと思いや
りによる苦痛の軽減を図るように努めている。CFを受ける患者の約 70%は 60 歳以上の高齢者が多く、
正しく理解して患者自身が異常の早期発見してもらうためには前処置説明は得に重要な役割をはたす。
そのため数々のツール(患者用説明用紙・パンフレット・DVD・ポスター)を活用してのオリエンテ
ーションを実施している。また当院では医療者用のチェックリストを使用して情報の共有を行っている。
CF の予約時に指示を受けた看護師が患者情報を収集しチェック項目に沿って確認し検査の前日までに
内視鏡室に届けるシステムとなっている。内視鏡室では前日に情報を収集し安全かつスムーズに検査を
提供できるよう再度確認している。また当日の検査状況(洗腸剤内服状況・前処置完了状況)をチェッ
クリストに最終記入しスキャナーにかけ電子カルテ上に残している。
今回平成 25 年1月から6月までの当院でCF施行症例 359 例(外来患者のみ)の前処置のデーター
を収集した。その結果前処置の不完全でなんらかの影響が出た症例が約 20%と高い数値が算出された。
その背景に外来患者のCFの説明のほとんどは内科外来看護師が行っており煩雑とした業務の中で患者
の個別症状(便秘・前回前処置不良)に対応したオリエンテーションを求めるには制限があると思われ
た。
また前回のCF前処置の完了状況や洗腸剤内服状況の電子カルテ上の情報が生かされていなく、指示を
出す医師によっては意識が低く前処置に関するレポートが残されていない現状がみえてきた。そのため
検査当日の追加処置や検査時間延長による患者負担と観察環境や検査運用への影響がでている現状が浮
き彫りとなった。
このような結果から、対策として前処置完了状況の指標となる「前処置スコア」の採用を考慮した。
当院は内視鏡業務支援システム Solemio ENDO を使用しており、医師に協力依頼し検査終了後の患者
レポート入力時に前処置スコアの入力を追加した。
またチェックリストの指示受け覧の内容を、患者の個別性が繁栄され、継続できる工夫が必要と考え現
在検討中である。より安全で効率の良い検査を提供するために今後の当院の CF 前処置の情報の共有の
あり方と運用の方法を示唆できたので報告する。
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