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別紙1 大容量泡放射システムの有効性の確認・検証に当たっての留意

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別紙1 大容量泡放射システムの有効性の確認・検証に当たっての留意
別紙1
大容量泡放射システムの有効性の確認・検証に当たっての留意事項
第1
はじめに
防災本部(評価専門部会を含む。)では、第9号通知に基づき「広域共同防災規程作
成指針及び広域共同防災規程作成指針の概説等について」
(平成19年1月26日付け
消防特第10号)において示した「大容量泡放射システムの配置におけるチェックポ
イント」中のイ、ウの項目に関して、広域共同防災組織(特定事業者)が作成する警
防計画の案を前提に、実際に配備される大容量泡放水砲と大容量泡放水砲用泡消火薬
剤の組み合わせで泡放射した場合の泡性状及び放射特性(以下「泡性状等」という。)
並びに配備対象タンクごとの放射角度及び放射距離に基づき確認・検証を行うことと
なります。
具体的には、広域共同防災組織が作成するこれら配備対象タンクに応じた「泡放射
の実施データ等、能力の有効性が確認できる資料」の提示に基づき、確認・検証を行
うこととなりますが、各広域共同防災組織の配備対象タンクの放射条件は多岐にわた
り、すべての放射条件に応じた泡放射試験を行うことは多額の費用と時間を要し、ま
た、環境等への影響を踏まえれば、相当困難と言わざるを得ません。
したがって、大容量泡放射システムの有効性の確認・検証については、次に示す事
項に留意しながら行うこととなります。
第2
1
基本事項
泡放射試験に使用する泡放水砲、混合装置、ポンプ及び泡消火薬剤
泡放水砲、混合装置、ポンプ及び泡消火薬剤は、大容量泡放射システムの構成上、
重要な資機材等であることから、実際に配備される現品を用いて泡放射試験を実施す
る必要があること。
ただし、ポンプについて現品を用いることが困難な場合には、同一性能のポンプを
用いることができるものであること。
2
放射条件
原則として、泡放水砲のノズル口径(流量)、放射圧力、放射角度及び水質の組合せ
ごとに泡放射試験を実施する必要があること。
ただし、合理的な根拠等に基づき放射条件が集約可能である場合には、代表的な放
射条件で泡放射試験を行うことにより、それ以外の泡放射試験を省略することができ
るものであること(第3参照)。
3
泡性状等の確認・検証
1及び2の条件により実施した泡放射試験における泡性状(発泡倍率、25%還元
時間)、放射特性(射程、射高及び射幅)及び混合率の確認を行うこと。
なお、泡放射試験の結果については、風向、風速等の外的要因の影響を考慮した補
正等を行う必要があること。
4
検証結果の判定
泡の有効性の判定は、泡放射試験の結果等から総合的に判断する必要があること。
第3
代表的な泡放射試験の実施について
1
合理的な根拠等に基づく放射条件の集約化
第2.2に定める「合理的な根拠等に基づき放射条件が集約可能である場合」とは、
次の方法による場合をいうものであること。
(1)メーカー等が異なる大容量泡放射システムで実施した泡放射試験のデータを相
互活用する方法
異なるメーカー等の大容量泡放射システムによる泡放射試験のデータを活用する
方法で、同一の放射条件で放射した泡性状等を比較、検討することで、類似条件の
泡放射試験を省略することが可能とする。
同一放射条件
Aシステム
データ
Bシステム
データ
C システム
データ
D システム
データ
相互データ活用
(2)既存の泡放射試験のデータを活用する方法
既存の泡放射試験のデータの活用又は海外等で実施した泡放射試験のデータを活
用する方法で、泡性状等を比較、検討することで、類似条件の放射条件を省略する
ことが可能とする。
(3)小規模なフィールド実験で実施した泡放射試験のデータを活用する方法
次のような手順で、水質、放射角度、放射圧力又は放射量の違いによる泡性状の
相関性を小規模なフィールド実験により確認し、その相関性を活用することにより、
泡放射試験の放射条件を集約する。
①
使用水質以外は同一放射条件にして小規模なフィールド実験を実施し、海水を用
いた場合と淡水を用いた場合の泡性状の比較検討を行い、実機で検証すべき水質を
決定する。
②
放射角度以外は同一放射条件にして小規模なフィールド実験を実施し、放射角度
の違いによる泡性状の比較、検討を行い、実機で検証すべき放射角度を絞り込む。
③
放射圧力以外は同一放射条件にして小規模なフィールド実験を実施し、放射圧力
の違いによる泡性状の比較、検討を行い、実機で検証すべき放射圧力を絞り込む。
④
放射量以外は同一条件にして小規模なフィールド実験を実施し、放射量の違いに
よる泡性状の比較・検討を行い、実機で検証すべき放射量を絞り込む。
⑤
①~④で確認した泡性状の比較、検討に基づき放射条件を集約し、最終的に実機
で行う泡放射試験の放射条件を決定する。
2
泡放射試験を行うべき放射条件の決定の方策
実機で泡放射試験を行うべき代表的な放射条件を決定するに当たっては、上記1で
得られた知見と各大容量泡放射システムに求められるすべての放射条件の実態を踏ま
え、効率的かつ総合的な泡性状等の評価ができる放射条件とするのが適当であるが、
この場合の基本的な考え方は次のとおりである。
①
水質
海水を使用した場合と淡水を使用した場合において、泡性状等の違いがどの程度
生ずるかについて、あらかじめ検証を行うとともに、各広域共同防災組織に配備す
る大容量泡放射システムで使用する水質を踏まえた上で、泡放射試験に用いる水質
を定める必要があること。
ただし、1(1)の検討により、異なるメーカーの大容量泡放射システムの泡放
射試験のデータ活用が可能な場合、又は、1(3)①の検討結果より水質の違いが
泡性状に及ぼす影響が判明している場合は、合理的な根拠に基づき泡放射試験の一
部を省略することが可能である。
②
放射角度
同一泡放射量、同一泡放射圧力であっても、放射角度により泡水溶液が受ける空
気の影響が異なるため、放射角度毎に対象タンク数の分布を整理し、最高角度、最
低角度を念頭に置いて、放射角度を定める必要があること。
ただし、1(1)の検討により、異なるメーカーの大容量泡放射システムの泡放
射試験のデータ活用が可能な場合、又は、1(3)②の検討結果より放射角度の違
いが泡性状に及ぼす影響が判明している場合には、合理的な根拠に基づき泡放射試
験の一部を省略することが可能である。
③
放射圧力
放射圧力が異なると泡性状等が異なるが、放射圧力の違いによる泡性状等の違い
を定量的に評価する代表的な試験条件を定めるとともに、当該試験結果を踏まえて
省略できる試験条件を定める必要があること。
ただし、1(1)の検討により、異なるメーカーの大容量泡放射システムの泡放
射試験のデータ活用が可能な場合、又は、1(3)③の検討結果より放射圧力の違
いが泡性状に及ぼす影響が判明している場合には、合理的な根拠に基づき泡放射試
験の一部を省略することが可能である。
④
泡放射量
ノズル口径が異なると放射される泡水溶液と空気の混合状態が異なるため、原則
として泡放射量毎に泡性状等の確認を行うことが必要であること。
ただし、1(1)の検討により、異なるメーカーの大容量泡放射システムの泡放
射試験のデータ活用が可能な場合、又は、1(3)④の検討結果より放射量の違い
が泡性状に及ぼす影響が判明している場合には、合理的な根拠に基づき泡放射試験
の一部を省略することが可能である。
第4
1
評価専門部会による確認・検証
評価専門部会等への事前説明
大容量泡放射システムの配備期限が平成20年11月30日となっていることを踏
まえ、評価専門部会等においては、特定事業者が関係道府県知事(二以上の道府県に
わたる区域にあっては総務大臣を含む。以下「道府県知事等」という。)及び関係市町
村長等に対して、十分な時間的余裕をもって説明にあたるよう、調整が図られる必要
があること。
特に、特定事業者が、第3により実機での泡放射試験を合理的に省略して実施しよ
うとする場合にあっては、効率的な泡放射試験の実施という点を考慮すると、泡放射
試験の実施の前に、道府県知事等及び関係市町村長等に対して泡放射試験を省略する
ことができるとした理由について、合理的な根拠に基づく十分な説明を行い了解を得
ておくよう、調整が図られる必要があること。
2
大容量泡放射システムの有効性の確認・検証に必要な資料
特定事業者は、大容量泡放射システムの有効性の確認・検証を受けるにあたり、実
機での泡放射試験により取得した別表中の「資料に必要なデータ等」、「測定条件」及
びこれらに基づく泡性状等の総合的な検証結果を提出する必要があること。
また、第3により、実機での泡放射試験を合理的に省略して実施した場合において
は、合理的に省略することができる根拠(放射条件の違いと泡性状等との相関、これ
を確認することができる既存データ等)を併せて提出する必要があること。
広域共同防災組織等(特定事業者)
①
警防活動計画(案)の作成
②
広域共同防災組織における泡放射条件の整理
③
泡放射試験の効率化
事前説明
関係道府県知事等
関係市町村長等
・既存データの収集
・小規模な実験等によるデータの収集
了承
防災本部
(評価専門部会)
④
既存データ等を踏まえた泡放射試験計画の策定
調整
⑤
道府県知事
泡放射試験の実施
立会
消防本部
提出
⑥
警防計画(案)
(泡放射試験結果に基づく有効性の証明)
届出
道府県知事又は総務大臣(消防庁)
確認・検証
意見調整
(消防庁)
大容量泡放射システムの泡放射試験を効率的に実施するための流れ(例)
別表
項目 確認する事項
大容量泡放水
砲用泡消火薬
剤が、タンク
火災に適した
ものであるこ
と。
確認に必要な
書類等
大容量泡放水
砲と大容量泡
放水砲用泡消
火薬剤の組み
合わせで泡放
射した 場合
の、泡性状が
確認できる資
料。
測定条件
資料に必要な
データ等
①大容量泡放水砲 ①泡の発泡倍 ①ノズル種別(アスピ
と大容量泡放水砲 率
レート、ノンアスピ
用泡消火薬剤の組
レート)
み合わせで泡放射 ②25%還元時 ②消火薬剤種別、濃度
した場合の、泡性 間
状が確認できる資
③混合装置(混合率)
料が添付されてい
④水質(淡水、海水)
るか。
⑤サンプル採取数、採
取位置
②放射圧力、放射
①放射圧力
角度及び気象状況
②放射角度
が記載されている
③天候、気温、湿度
か。
④水温
⑤風向、風速
⑥放水量
③泡性状は大容量 日本消防検定
泡放水砲用泡消火 協会の試験結
薬剤の基準を定め 果通知書等
る告示に適合して
いるか。
大容量泡放水
砲と大容量泡
放水砲用泡消
火薬剤の組み
合わせで泡放
射した 場合
の、泡の放射
特性が確認で
きる資料。
④大容量泡放水砲
と大容量泡放水砲
用泡消火薬剤の組
み合わせで泡放射
した場合の、泡の
放射特性が記載さ
れているか。
⑤放射圧力、放射
角度及び気象条件
が記載されている
か。
泡
性
状
大容量泡放水
砲用泡消火薬
剤が、大容量
泡放水砲で使
泡
用できるもの
の
であること。
放
射
特
性
チェックポイント
①泡の放射軌 ①ノズル種別(アスピ
跡
レート、ノンアスピ
レート)
②射程
②消火薬剤種別、濃度
③射高
③混合装置(混合率)
④射幅
④水質(淡水、海水)
⑤放水量
①放射圧力
②放射角度
③天候、気温、湿度
④水温
⑤風向、風速
⑥放水量
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