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企業立地の観点から(基礎調査)― [PDFファイル/1.83MB]

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企業立地の観点から(基礎調査)― [PDFファイル/1.83MB]
2014年10月27日
平成26年度 第3回大阪府・大阪市経済動向報告会第2部
大阪産業経済リサーチセンター
主任研究員
福井
紳也
日経新聞に取り上げて
いただきました!
(出所)日本経済新聞2014年4月23日朝刊
1
2
*競争環境のグローバル化により、大阪の都市
戦略は意識転換が求められている。
東京・愛知等との比較に基づく国内都市間競争
アジアにおける国際都市間競争
*企業活動が広域化・グローバル化する中で、
競合する都市も広域化・グローバル化。
*都市にはグローバルな⽴地競争という視点が
求められている。
3
* 一人当たりGDPでアジア
TOP10に入る都市を
ピックアップ。
* 大阪から2500km圏内
2500km
⇒北東アジア:
ソウル、上海、台北、北京、
香港
5000km
* 大阪から2500〜5000km圏
⇒東南アジア:
バンコク、クアラルンプール、
シンガポール
*
0
アジア主要都市地図
(出所)【世界地図|
SEKAICHIZU】を加工して大阪産
業経済リサーチセンター作成。
+シドニー、東京
4
(PPPで換算、単位:10億国際ドル)
* 東京が圧倒的
* シンガポール、香港、
上海、北京、ソウル
の伸びが目覚しい。
特に、上海、北京は
顕著。
* 大阪は、2007年に
上海に、2009年に
北京とソウルに、
2010年に⾹港に追
い抜かれている。
(出所)各種統計データより、大阪産業経済リサーチセンター作成。
5
2000年代から
アジア有力都市
の急成長!
(出所)各種統計データより、大阪産業経済リサーチセンター作成。
6
(PPPで換算、単位:国際ドル)
* ここでも東京は圧倒
的
* シンガポール、香港
の急速な追随。
* 上海、北京は、ここ
では下位。
* 大阪は1995年にシ
ンガポールに、
2004年に⾹港に追
い抜かれている。
(出所)各種統計データより、大阪産業経済リサーチセンター作成。
7
世界の都市経済圏LRPランキング
順位
(単位:10億ドル)
経済圏
LRP
1 東京‐川崎‐横浜
1,998
2 ニューヨーク‐フィラデルフィア‐ニューアーク
1,182
3 京都‐大阪‐神戸
618
4 ロサンゼルス
562
5 名古屋
558
6 シカゴ‐ミルウォーキー
406
7 ロンドン
378
8 アントウェルペン‐ヘント‐ブリュッセル‐リール‐リエージュ 336
9 ボン‐ドルトムント‐デュースブルク‐ケルン
315
10 ワシントンD.C.‐ボルチモア
297
11 パリ
281
12 ボストン
275
13 ソウル‐仁川
239
14 サンノゼ
235
15 リーズ‐シェフィールド‐バーミンガム
222
16 ダラス
213
17 広州‐香港‐深せん
201
18 アムステルダム‐ロッテルダム‐デン・ハーグ
188
19 ミラノ
182
20 ヒューストン
170
* Richard Florida et al. (2009)
では、宇宙から⾒た夜間の光に
よって、経済圏ごとのGRP
(LRP )を計測している。
* 大阪―神⼾―京都経済圏は、
ニューヨーク経済圏に次ぐ世界
第3位。
(出所)Richard Florida, Charlotta Mellander, and Tim Gulden (2009), “Global Metropolis: The Role of Cities and Metropolitan Areas in the
Global Economy” Martin Prosperity Institute Working Paper.より大阪産業経済リサーチセンター作成。
8
都市の国際間競争⼒の決定ファクター
経済・産業、インフラ、コスト、社会制度(教育等)、
⾏政制度(税制等あるいはバックアップ体制)、
国際間協定(関税等)、労働環境、都市構造など
これらのファクターを都市間で比較し、外資
系企業の動向を分析することで、
大阪の強み・弱みを⾒出す。
9
*エージェント=多国籍企業等の国際間都市⽴地選
択において、企業の代理⼈として⽴地を仲介した
りする企業・組織など
* エージェントT:貿易・投資促進機関、⼤使館、領事館など投資誘致関連
機関(順不同)
シンガポール国際企業庁
中華人民共和国駐日本国大使館経済商務処
東京都知事本局総合特区推進部
香港貿易發展局大阪事務所
マレーシア投資開発庁大阪事務所
JETRO(日本貿易振興機構)大阪本部
KOTRA(大韓貿易投資振興公社)大阪貿易館
O-BIC(大阪外国企業誘致センター)
他1機関
* エージェントF:コンサルティング・ファーム、ロー・ファーム、⾏政書
⼠・公認会計⼠などの⼠(サムライ)業、不動産会社などのビジネス・サ
クセンチュア株式会社
ポート企業(順不同)ア
ジョーンズ・デイ法律事務所
中矢一虎法務事務所
東天満総合会計事務所
プライスウォーターハウスクーパース株式会社
三菱地所株式会社(EGG JAPAN)
他2社
10
11
* 都市再生特別措置法の第2条第4項:「この法律において『都市の国
際競争⼒の強化』とは、都市において、外国会社、国際機関その他
の者による国際的な活動に関連する居住者、来訪者又は滞在者を増
加させるため、都市開発事業等を通じて、その活動の拠点の形成に
資するよう、都市機能を⾼度化し、及び都市の居住環境を向上させ
ることをいう。」
*つまり、「国際都市間競争⼒」を強化すると
は、企業等ヒト・モノ・カネを呼び込むこと
を目的とし、そのために都市環境を整備する
ということである。
12
*グローバル化とは、都市間の「物理的な距離」と
「社会的・制度的な距離」の短縮、つまり
広義の輸送費の低下。
広義の輸送費:通常の輸送費(物流コスト等)
+関税・非関税障壁コスト、為替レート変動コスト、
情報収集コスト、言語・文化の違いによるコスト、etc.
*広義の輸送費の低下によって、拠点都市が成⻑し
ていく。こうした一極集中が、
東京と大阪など国内都市間での現象
東京と上海など国際都市間での一拠点への集積
*これが、都市間競争をアジアで論じる根拠。
13
*ある地点への集積の存在⾃体が⽴地空間にロック
イン効果(凍結効果)を生み、都市はより強い集
積⼒を持つ。
*さらに、よりグローバルな市場を持つとき、⽴地
空間においてより強いロックイン効果を及ぼし、
強い慣性をもって企業や労働者はその集積に引き
寄せられるという循環が生じる。
(ただし、⻑期的には負のロックイン効果の可能性も)
*重要な都市であるほど集積が拡大し、地域統括本
部などの重要な機能が置かれることになる。
14
その都市への
より多様なイ
ノベーション
活動の集積
より多様な人
材・サポー
ティング活動
への需要
⼀例として、藤⽥(2005)の
「人間の多様性を中心とするイノ
ベーションの場の形成」を図示
フェイス・トゥ・フェイ
ス・コミュニケーション
知識外部性の
増大
イノベーショ
ン活動の生産
性上昇
その都市へのより
多様な人材・サ
ポーティング活動
への集積
(出所)藤田昌久(2005)「日本の産業クラスター」、アジアとその他の地域の産業集積比較研究会編『アジアとその他の地域の産業集積比較 — 集積発
展の要因 —』pp.13-34のp.22、図3「人間の多様性を中心とするイノベーションの場の形成」より作成。
15
16
森記念財団「世界の都市総 A.T. Kearney
合力ランキング」
"Global Cities Index"
"Global Power City Index"
略称
発表年
都市数
大阪
東京
シンガポール
香港
ソウル
上海
シドニー
北京
台北
バンコク
クアラルンプール
Economist Intelligence
Unit
"Global City
Competitiveness Index"
【GPCI】
【GCI】
【GCCI】
2010 2011 2012 2013 2008 2010 2012
35
35
40
40
66
66
66
18
15
17
23
45
47
47
4
4
4
4
4
3
4
5
5
5
5
7
8
11
9
8
9
11
5
5
5
8
7
6
6
9
10
8
26
23
14
12
20
21
21
10
11
15
13
16
9
12
24
18
11
14
12
15
14
29
29
32
33
34
39
40
31
30
35
32
22
36
43
30
31
34
34
40
48
49
Knight Frank
PwC
"Cities of "Global Cities
Survey"
Opportunity"
【CO】
2012
120
47
6
3
4
20
43
15
39
37
61
45
【GCS】
2012
27
-
2013
40
-
10
7
8
14
19
11
17
-
4
6
5
13
24
7
15
-
18
40
39
(出所)森記念財団「世界の都市総合⼒ランキング」2010、2011、2012、2013、A.T. Kearney “Global Cities Index”2008、2010、2012、
Economist Intelligence Unit "Global City Competitiveness Index"2012、PwC “Cities of Opportunity”2012、Knight Frank "Global Cities
Survey"2013より大阪産業経済リサーチセンター作成。
17
* いずれも東京、シンガポール、香港は高いランク。GPCIとGCI では、ソウル
も上位。⇒第一グループ
* 上海、北京、シドニーも比較的高いランク。上海、北京は、近年急速に伸びを
みせている都市。
⇒第二グループ
* 大阪は
・2013年のGPCI:23(位)/40(都市)
・2012年のGCI:47/66
・2012年のGCCI:47/120
+台北、バンコク、クアラルンプール⇒第三グループ
18
*イギリス、ラフバラー大学(Loughborough University)の
Globalization and World Cities Research
Network(=GaWC)
*世界都市間の相互関係性に焦点を当てた研究ネッ
トワーク。
*都市間競争⼒の⽐較は、都市ランキングが示すよ
うな、その都市の持つ⼒や質だけでなく、都市間
のネットワーク、相互関連性などにも注視してい
く必要がある。
19
*175社のグローバルなトップ・ビジネス・サービ
ス・ファームの、526都市における相互のネット
ワークによって、都市をランク付け。
会計事務所、広告事務所、法律事務所、コンサル・ファームの上位25社(計100社)
+⾦融業と保険業からなる⾦融サービス会社の上位75社。
*これらファームのオフィス間の日常的なやり取り
が、グローバル経済の中での都市間ネットワーク
を表すと仮定している。
*ファームの都市への⽴地機能で点数付けて都市を
ランキング。
5点:本社、4点:地域統括本部、3点:重要拠点、2点:通常の支社など、
1点:出張所レベル、0点:未進出
20
都市(国)
α++
α+
αとα-
βすべて
γすべて
H.S.とS.
他のどの都市より高度に世界ネットワークに
大阪(日本)
統合されている世界都市で、全調査において
東京(日本)
ニューヨーク、ロンドンが格付け
ソウル(韓国)
上海(中国)
ニューヨーク、ロンドンに次ぎ、相当程度世界
台北(台湾)
ネットワークに統合された世界都市で、アジ
ア・パシフィック地域のビジネス・ニーズが多く 北京(中国)
香港(中国)
見受けられる
バンコク(タイ)
クアラルンプール(マレーシア)
主要な経済圏と世界経済をつなげる、超重要 シンガポール(シンガポール)
世界都市
シドニー(オーストラリア)
広州(中国)
深せん(中国)
成都(中国)
地域と世界経済をつなげる重要世界都市
天津(中国)
南京(中国)
杭州(中国)
中小規模地域を世界経済とつなげる世界都 青島(中国)
市、もしくはグローバル・ファームにとって重 重慶(中国)
要な位置づけにないが、重要な世界都市
ジャカルタ(インドネシア)
マニラ(フィリピン)
世界都市ではないが、グローバル・ファーム ホーチミン(ベトナム)
のサービスが充実している都市。小規模な首 ハノイ(ベトナム)
都や、伝統的に製造業の中心地であるのが メルボルン(オーストラリア)
特徴
パース(オーストラリア)
ウェリントン(ニュージーランド)
オークランド(ニュージーランド)
2012
γ+
α+
αα+
αα+
α+
αα
α+
α+
β+
βH.S.
γH.S.
H.S.
H.S.
H.S.
αβ+
β
βαβH.S.
β
2010
2008
2004
2000
βα+
α
α+
αα
α+
αα
α+
α+
β
βS.
H.S.
S.
S.
S.
H.S.
α+
α
α+
αα+
α+
αα
α+
α+
βγ
S.
S.
S.
γα+
ααααα+
ααα+
α
γS.
H.S.
α+
β+
ααβ+
α+
ααα+
α
γS.
α
β+
β
γ+
αβγβ
αβ+
βH.S.
β+
γ
γα-
αγ+
H.S.
H.S.
αγH.S.
β-
αβ+
γ
H.S.
αγ+
γ
β+
(出所) “The World According to GaWC” (http://www.lboro.ac.uk/gawc/gawcworlds.html)より大阪産業経済リサーチセンター作成。
(注1)H.S.=High sufficiency、S.= Sufficiency
(注2)×は調査対象外。掲載都市以外にもアジア・オセアニア都市の格付けはあるが、省略した。
21
* 常にα+=東京、シンガポール、香港⇒第一グループ
* 上海、北京、シドニーは2008年からα+に格上げ。⇒第二グループ
* 東京、シンガポール、⾹港、上海、北京、シドニーは、「相当程度世界ネット
ワークに統合された世界都市」で、アジア・パシフィック地域の拠点都市とい
える(2012年時点)。
* クアラルンプール、ソウル、台北、バンコク⇒第三グループ
* 大阪は、2000年=H.S. 2004年=γ- 2008年=H.S. 2010年=βクラス
2012年=γ+ 大阪⇒第四グループ
* 大阪は、関⻄地域の中心地としての位置づけではないか。
* 都市間のネットワークという観点では、アジア主要都市の中では、⼤阪は劣っ
ている。
22
*同じくGaWCの、P.J. Taylor and György (2012)
では、“The Forbes Global 2000”を用い、国際産
業分類基準に基づく10のセクター別に、都市に⽴
地する自都市の多国籍企業を収益等で評価し、都
市の⼒を比較。
*自都市企業とは:当該都市に⽴地し、当該都市に
本社を置く多国籍企業。
(参考文献)P.J. Taylor , György Csomós (2012) “Cities as Control and Command Centres: Analysis and Interpretation”, Cities,
Volume 29, Issue 6, December 2012, Pages 408–411. , G. Csomós “Global Command and Control Centres,
2006/2009/2012”, GaWC Data Set 26
23
(アジア都市)
(5000億US$以下)
(出所)G. Csomós “Global Command and Control Centres, 2006/2009/2012”, GaWC Data Set 26より大阪産業経済リサーチセンター作成。
24
* 東京は世界第1位(2位:パリ、3位:ニューヨーク)、北京(第5位)、ソ
ウル(第6位)も上位。⇒第一グループ
* 香港は第18位。大阪は世界で19位であり、アジア都市の中でも上位
⇒第二グループ
* 台北、シドニー、上海⇒第三グループ
* シンガポール、バンコク、クアラルンプール⇒第四グループ
* ハブ都市・中継都市として発展してきた、シンガポールや香港は、自都市オ
リジナル企業の集積という観点では、さほどの⼒は持っていない。
(※豊田、名古屋、刈谷など、少ないHQsで大きな収益を上げている
=⾃動⾞関連企業)
25
第一グループ都市
第二グループ都市
第三グループ都市
第四グループ都市
都市の質(都市ランキング)
東京、シンガポー
大阪、台北、バンコ
上海、北京、シドニー
ル、香港、ソウル
ク、クアラルンプール
-
都市間ネットワーク
東京、シンガポー
クアラルンプール、ソ
上海、北京、シドニー
ル、香港
ウル、台北、バンコク
大阪
自都市企業の集積
東京、北京、ソウル
香港、大阪
シンガポール、バン
台北、シドニー、上海 コク、クアラルンプー
ル
(出所)大阪産業経済リサーチセンター作成。
⼤阪は、⻑い歴史をもって成熟してきた、世界的
にも有数な自都市企業の集積がみられるが、アジ
ア新興都市と⽐べた場合、都市の⽴地環境や、都
市間ネットワークという観点、つまり、現時点で
の都市の競争⼒や企業を引き付ける⼒では、劣っ
ているのではないか?
26
Economist Intelligence Unit による2012年の
“Best cities ranking and report”(住みやすさラ
ンキング)によれば、大阪は世界70都市中第3位。
世界住みやすさランキング
アジア・オセアニア都市
香港
大阪
シドニー
東京
ソウル
シンガポール
北京
上海
深せん
ランク アジア・オセアニア都市
1 クアラルンプール
3 天津
5 広州
10 バンコク
20 ジャカルタ
22 ハノイ
30 ホーチミン
33 プノンペン
34
ランク
37
38
39
49
56
57
60
64
(出所)Economist Intelligence Unit “Best cities ranking and report”(2012)より、大阪産業経済リサーチセンター作成。
(注)このランキングは、“EIU Liveability Index”に空間的要素を加えた“Spatial Adjusted Liveability Index”である。
27
28
アジア・オセアニア地域における地域統括拠点の設置状況(2010年度)(単位:拠点)
経営企画
営業・販売・
マーケティング
研究開発
製造・加工
物流
日本
147 (19.5)
430 (31.9)
69 (24.2)
107 (24.1)
84 (23.5)
中国
140 (18.6)
207 (15.3)
64 (22.5)
144 (32.4)
77 (21.6)
香港
139 (18.5)
165 (12.2)
32 (11.2)
27
(6.1)
46 (12.9)
台湾
29
(3.9)
66
(4.9)
19
(6.7)
23
(5.2)
14
(3.9)
韓国
25
(3.3)
66
(4.9)
18
(6.3)
19
(4.3)
15
(4.2)
タイ
13
(1.7)
25
(1.9)
6
(2.1)
16
(3.6)
7
(2.0)
マレーシア
12
(1.6)
25
(1.9)
6
(2.1)
11
(2.5)
13
(3.6)
シンガポール
175 (23.3)
215 (15.9)
38 (13.3)
48 (10.8)
69 (19.3)
オーストラリア
40
(5.3)
66
(4.9)
11
(3.9)
13
(2.9)
11
(3.1)
東京都
79 (10.5)
260 (19.3)
13
(4.6)
25
(5.6)
28
(7.8)
神奈川県
13
(1.7)
21
(1.6)
2
(0.7)
14
(3.2)
2
(0.6)
埼玉県
2
(0.3)
20
(1.5)
1
(0.4)
5
(1.1)
0
(0.0)
千葉県
6
(0.8)
2
(0.1)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
愛知県
0
(0.0)
2
(0.1)
2
(0.7)
1
(0.2)
0
(0.0)
大阪府
7
(0.9)
40
(3.0)
6
(2.1)
14
(3.2)
20
(5.6)
兵庫県
0
(0.0)
10
(0.7)
0
(0.0)
4
(0.9)
0
(0.0)
日 本 (回答外)
38
(5.1)
48
(3.6)
28
(9.8)
26
(5.9)
20
(5.6)
回答企業の全合計
109 (14.5)
382 (28.3)
41 (14.4)
81 (18.2)
64 (17.9)
総計
752 (100.0) 1350 (100.0)
285 (100.0)
444 (100.0)
357 (100.0)
(出所)経済産業省「2011年外資系企業動向調査(2010年度実績)」より⼤阪産業経済リサーチセンター作成。
(注)表の( )内は、都市・国別の拠点数を機能別アジア・オセアニア合計で割った割合(%)。
金融・財務
130 (19.9)
106 (16.2)
132 (20.2)
22
(3.4)
15
(2.3)
11
(1.7)
12
(1.8)
154 (23.5)
33
(5.0)
51
(7.8)
15
(2.3)
4
(0.6)
0
(0.0)
0
(0.0)
10
(1.5)
0
(0.0)
36
(5.5)
94 (14.4)
654 (100.0)
人事・人材育
成
98 (18.6)
97 (18.4)
103 (19.5)
22
(4.2)
18
(3.4)
10
(1.9)
11
(2.1)
127 (24.1)
16
(3.0)
28
(5.3)
7
(1.3)
0
(0.0)
6
(1.1)
0
(0.0)
10
(1.9)
0
(0.0)
33
(6.3)
65 (12.3)
528 (100.0)
全回答企業合計に占める、機能別・主要都道府県別割合(2010年度)(単位:%)
東京都
神奈川県
埼玉県
千葉県
愛知県
大阪府
兵庫県
回答企業の全合計
営業・販
製造・加
経営企画 売・マーケティ 研究開発
工
ング
72.5
68.1
31.7
30.9
11.9
5.5
4.9
17.3
1.8
5.2
2.4
6.2
5.5
0.5
0.0
0.0
0.0
0.5
4.9
1.2
6.4
10.5
14.6
17.3
0.0
2.6
0.0
4.9
109
382
41
81
物流
43.8
3.1
0.0
0.0
0.0
31.3
0.0
64
金融・財
務
54.3
16.0
4.3
0.0
0.0
10.6
0.0
94
(出所)経済産業省「2011年外資系企業動向調査(2010年度実績)」より⼤阪産業経済リサーチセンター作成。
人事・人
材育成
43.1
10.8
0.0
9.2
0.0
15.4
0.0
65
29
アジア・オセアニア地域における地域統括拠点の設置状況(2011年度)(単位:拠点)
経営企画
営業・販売・
マーケティング
研究開発
製造・加工
物流
日本
155 (23.3)
323 (30.3)
49 (25.0)
73 (20.6)
80 (28.1)
中国
119 (17.9)
188 (17.6)
56 (28.6)
133 (37.6)
65 (22.8)
香港
129 (19.4)
133 (12.5)
14
(7.1)
15
(4.2)
42 (14.7)
台湾
14
(2.1)
41
(3.8)
10
(5.1)
13
(3.7)
7
(2.5)
韓国
14
(2.1)
46
(4.3)
9
(4.6)
17
(4.8)
11
(3.9)
タイ
13
(2.0)
23
(2.2)
4
(2.0)
13
(3.7)
2
(0.7)
マレーシア
10
(1.5)
26
(2.4)
6
(3.1)
10
(2.8)
10
(3.5)
シンガポール
158 (23.8)
200 (18.8)
27 (13.8)
40 (11.3)
53 (18.6)
オーストラリア
30
(4.5)
42
(3.9)
5
(2.6)
8
(2.3)
7
(2.5)
東京都
52
(7.8)
164 (15.4)
13
(6.6)
19
(5.4)
31 (10.9)
神奈川県
18
(2.7)
54
(5.1)
3
(1.5)
13
(3.7)
5
(1.8)
埼玉県
1
(0.2)
2
(0.2)
1
(0.5)
5
(1.4)
0
(0.0)
千葉県
0
(0.0)
10
(0.9)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
愛知県
2
(0.3)
2
(0.2)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
大阪府
1
(0.2)
12
(1.1)
4
(2.0)
4
(1.1)
7
(2.5)
兵庫県
20
(3.0)
29
(2.7)
0
(0.0)
6
(1.7)
17
(6.0)
日 本 (回答外)
61
(9.2)
49
(4.6)
28 (14.3)
26
(7.3)
20
(7.0)
回答企業の全合計
94 (14.2)
274 (25.7)
21 (10.7)
47 (13.3)
60 (21.1)
総計
664 (100.0) 1066 (100.0)
196 (100.0)
354 (100.0)
285 (100.0)
(出所)経済産業省「2012年外資系企業動向調査(2011年度実績)」より大阪産業経済リサーチセンター作成。
(注)表の( )内は、都市・国別の拠点数を機能別アジア・オセアニア合計で割った割合(%)。
金融・財務
139 (26.6)
85 (16.3)
92 (17.6)
12
(2.3)
13
(2.5)
8
(1.5)
11
(2.1)
133 (25.4)
17
(3.3)
57 (10.9)
18
(3.4)
4
(0.8)
0
(0.0)
2
(0.4)
0
(0.0)
15
(2.9)
43
(8.2)
96 (18.4)
523 (100.0)
人事・人材育
成
101 (22.6)
81 (18.2)
77 (17.3)
14
(3.1)
12
(2.7)
8
(1.8)
10
(2.2)
115 (25.8)
14
(3.1)
38
(8.5)
10
(2.2)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
0
(0.0)
15
(3.4)
38
(8.5)
63 (14.1)
446 (100.0)
全回答企業合計に占める、機能別・主要都道府県別割合(2011年度)(単位:%)
東京都
神奈川県
埼玉県
千葉県
愛知県
大阪府
兵庫県
回答企業の全合計
経営企画
55.3
19.1
1.1
0.0
2.1
1.1
21.3
94
営業・販
売・マーケティ
製造・
金融・
人事・
ング
研究開発 加工
物流
財務
人材育成
59.9
61.9
40.4
51.7
59.4
60.3
19.7
14.3
27.7
8.3
18.8
15.9
0.7
4.8
10.6
0.0
4.2
0.0
3.6
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.7
0.0
0.0
0.0
2.1
0.0
4.4
19.0
8.5
11.7
0.0
0.0
10.6
0.0
12.8
28.3
15.6
23.8
274
21
47
60
96
63
(出所)経済産業省「2012年外資系企業動向調査(2011年度実績)」より大阪産業経済リサーチセンター作成。
30
31
* アジアの都市別・機能別の企業拠点⽴地に関する調査研究はこれまで
あまり多くなされてこなかったし、現状が把握できない。このため、
独自に都市別の拠点⽴地ポテンシャルを試算した。
※ただし、国別・機能別の調査は、経産省委託調査(アクセンチュア㈱(2014)など)等でコンスタントに実施されている。
※都市国家である、シンガポール、⾹港に関しては例外。
※JETRO(2008)では、シンガポール、⾹港、上海、北京、ソウルなど、アジア主要都市の機能別拠点⽴地を調査している。
ポテンシャル分析について
* 日本能率協会総合研究所(2010)では、国内に⽴地している外資系企業の
海外親会社が設置するアジア地域統括拠点の7つの機能別に、それぞれ21の設
置理由を尋ねている。(以下、理由のうち、「その他」を除く)
地域統括拠点の7つの機能とは
「地域統括拠点」「製造拠点」「R&D拠点」
「バックオフィス」「物流拠点」「⾦融拠点」
「営業・販売・マーケティング拠点」
(参考文献)株式会社⽇本能率協会総合研究所(2010)「平成21年度対⽇直接投資に関する外資系企業の意識調査報告書」、JETRO(2008)「平
成19年度対内直接投資促進事業「アジアにおける世界主要企業の⽴地(集積)状況と企業誘致策に関する調査」報告書」、アクセンチュア㈱
(2014)「欧⽶アジアの外国企業の対⽇投資関⼼度調査報告書」
32
(単位:%、3つまでの複数回答)
順位 地域統括拠点
1 市場の大きさ
2 マーケットとしての成長性
3 地理的要因
4 人件費
5 人材・労働者の質、能力
6 事業規制の開放性
優れた技術を持つ企業・
7 産業集積の存在
8 優秀な人材確保の容易性
9 税負担
10 外国人に適した生活の質
製造拠点
人件費
市場の大きさ
マーケットとしての成長性
人材・労働者の質、能力
用地確保の容易性・規
14.5 制、不動産コスト
32.6
30.1
23.3
15.5
48.8
34.4
33.8
18.8
R&D拠点
人材・労働者の質、能力
市場の大きさ
人件費
優秀な人材確保の容易性
17.5 マーケットとしての成長性
用地確保の容易性・規
6.7 地理的要因
8.1 制、不動産コスト
研究開発機能の質、集積
6.2 インフラ整備
6.3 度
優れた技術を持つ企業・
6.2 優秀な人材確保の容易性 6.3 産業集積の存在
6.2 税負担
優れた技術を持つ企業・
5.7 産業集積の存在
研究開発機能の質、集積
5.2 度
5.6 地理的要因
5.2 労働法制の柔軟性
4.7 事業規制の開放性
3.6 社会の安定性
27.2
25.9
25.9
23.5
バックオフィス
人件費
人材・労働者の質、能力
市場の大きさ
地理的要因
22.2 マーケットとしての成長性
23.0
20.7
19.5
18.4
14.9
14.8 優秀な人材確保の容易性 13.8
12.3 インフラ整備
用地確保の容易性・規
8.6 制、不動産コスト
優れた技術を持つ企業・
4.9 産業集積の存在
11.5
8.0
5.7
2.5 インフラ整備
3.7 税負担
5.7
2.5 外国人に適した生活の質
3.7 外国人に適した生活の質
5.7
2.5 事業規制の開放性
2.5 社会の安定性
1.2 洗練された市場
4.6
4.6
2.3
2.6 外国人に適した生活の質
1.9 洗練された市場
1.9 税負担
1.9 労働法制の柔軟性
資金調達・金融市場の充
1.3 実
2.3
1.6 知財保護制度の充実
0.6 事業規制の開放性
0.0 各種手続きの透明性
18 各種手続きの透明性
1.6 洗練された市場
資金調達・金融市場の充
1.0 実
0.0 各種手続きの透明性
公的機関による優遇措
0.0 置、補助制度
研究開発機能の質、集積
0.0 度
資金調達・金融市場の充
0.0 実
19 知財保護制度の充実
公的機関による優遇措
20 置、補助制度
N=193
1.0 各種手続きの透明性
公的機関による優遇措
1.0 置、補助制度
N=160
0.0 労働法制の柔軟性
1.1
0.0 知財保護制度の充実
N=87
0.0
11 インフラ整備
用地確保の容易性・規
12 制、不動産コスト
13 社会の安定性
14 洗練された市場
資金調達・金融市場の充
15 実
研究開発機能の質、集積
16 度
17 労働法制の柔軟性
0.0 知財保護制度の充実
公的機関による優遇措
0.0 置、補助制度
0.0 社会の安定性
N=81
(出所)株式会社⽇本能率協会総合研究所(2010)「平成21年度対⽇直接投資に関する外資系企業の意識調査報告書」より
大阪産業経済リサーチセンター作成。
※その
他を除
く
2.3
1.1
1.1
33
(単位:%、3つまでの複数回答)
順位 物流拠点
1 市場の大きさ
2 地理的要因
3 インフラ整備
4 マーケットとしての成長性
5 人件費
6 人材・労働者の質、能力
用地確保の容易性・規
7 制、不動産コスト
8 優秀な人材確保の容易性
9 労働法制の柔軟性
10 事業規制の開放性
11 税負担
12 洗練された市場
優れた技術を持つ企業・
13 産業集積の存在
14 各種手続きの透明性
公的機関による優遇措
15 置、補助制度
16 社会の安定性
17 外国人に適した生活の質
研究開発機能の質、集積
18 度
資金調達・金融市場の充
19 実
20 知財保護制度の充実
N=88
営業・販売・マーケティ
ング拠点
23.0 マーケットとしての成長性
13.1 市場の大きさ
60.3
57.3
13.1
11.5
9.8
8.2
インフラ整備
地理的要因
人材・労働者の質、能力
洗練された市場
50.6
15.5
10.0
8.8
8.2 人件費
優れた技術を持つ企業・
4.9 産業集積の存在
4.9 社会の安定性
4.9 事業規制の開放性
8.4
3.3 優秀な人材確保の容易性
3.3 外国人に適した生活の質
2.5
2.5
2.1
0.8
1.1 外国人に適した生活の質
優れた技術を持つ企業・
1.1 産業集積の存在
研究開発機能の質、集積
0.0 度
3.3 税負担
1.6 労働法制の柔軟性
公的機関による優遇措
1.6 置、補助制度
研究開発機能の質、集積
1.6 度
資金調達・金融環境の充
0.0 実
用地確保の容易性・規
0.0 制、不動産コスト
0.0 インフラ整備
0.0 知財保護制度の充実
N=61
0.0 各種手続きの透明性
0.0 知財保護制度の充実
N=239
0.4
0.0
27.3
23.9
19.3
18.2
18.2
13.6
金融拠点
市場の大きさ
マーケットとしての成長性
資金調達・金融環境の充
実
人件費
地理的要因
人材・労働者の質、能力
9.1 優秀な人材確保の容易性
5.7 洗練された市場
4.5 税負担
4.5 事業規制の開放性
用地確保の容易性・規
3.4 制、不動産コスト
2.3 労働法制の柔軟性
公的機関による優遇措
1.1 置、補助制度
1.1 各種手続きの透明性
1.1 社会の安定性
※その他を除く
5.9
3.8
2.9
0.8
0.4
0.4
0.4
(出所)株式会社⽇本能率協会総合研究所(2010)「平成21年度対⽇直接投資に関する外資系企業の意識調査報告書」より
大阪産業経済リサーチセンター作成。
34
「その他」を除く、機能別の設置理由
(20)の回答割合を単純合計した結果
をみると、拠点⽴地にとって重要な上
位4つの要因が浮かび上がってくる。
設置理由
市場の大きさ
マーケットとしての成長性
人件費
人材・労働者の質、能力
地理的要因
インフラ整備
優秀な人材確保の容易性
用地確保の容易性・規制、不動産コスト
税負担
優れた技術を持つ企業・産業集積の存在
事業規制の開放性
洗練された市場
外国人に適した生活の質
研究開発機能の質、集積度
社会の安定性
資金調達・金融市場の充実
労働法制の柔軟性
公的機関による優遇措置、補助制度
各種手続きの透明性
知財保護制度の充実
割合合計
220
193
151
113
104
97
66
58
30
30
26
24
22
18
18
17
14
9
6
2
①都市及びその周辺のマー
ケット規模及び成⻑性
②優秀な人材を安く雇用したい
③都市へのアクセスや
後背地へのアクセス性、
都市内での移動容易性
④人件費以外のコスト要因
(出所)株式会社⽇本能率協会総合研究所(2010)「平成21年度対⽇直接投資に関する外資系企業の意識調査報告書」より
大阪産業経済リサーチセンター作成。
35
20の拠点設置理由を都市別データとマッチアップす
ることで、都市別・機能別の拠点⽴地ポテンシャル
を比較できる。
*都市データは、
○森記念財団 “Global Power City Index Yearbook ” (GPCI)
○A.T. Kearney “Global Cities Index” 2012 (GCI)
○World Economic Forum “The Global Competitiveness Report” (GCR)
○JETRO「アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較」
* 例えば、『⼈材・労働者の質、能⼒』であれば、GPCIから「世界トップ
200⼤学」「数学・化学に関する学⼒」「⼈材プール(⼈材の豊富さ)」、
GCIから「人的資本(Human Capital)」を採用し、それぞれの都市別の点
数を単純平均し足し合わせた。こうして、都市別の『人材・労働者の質、能
⼒』の得点が算出される。
36
1.設置理由別の構成データを、最大値を100、最小値を0とする指数に換算。
2.設置理由別にマッチアップしたGPCIなどの構成データの単純平均を取る
ことで、設置理由別の都市別得点を算出する。
3.2の得点を、機能別の設置理由(20)の回答割合でウエイト付け。
4.3の得点を都市別で合計する。
(出所)大阪産業経済リサーチセンター作成。
37
* 20の設置理由のうち「地理的要因」は、いずれの機能でも上位に位置し重要
な設置理由。しかし、既存の都市別データだけではうまく得点化できない。
このため独⾃試算を⾏った。
* 地理的要因とは、都市から⾒た他の都市との空間的な相互関係性であると考
えた。つまり後背地のマーケット魅⼒や後背地との近接性、他の都市とのコ
ミュニケーション容易性が、拠点の⽴地誘引の一つとなる(cf.エージェント
T)。「広義の輸送費」が低い都市ほど魅⼒。
* グラビティモデル(重⼒⽅程式)という経済モデルの考え⽅を⽤いる。貿易
額は、2か国間の経済規模の⼤きさに⽐例し、地理的距離に反⽐例するとい
う関係を説明したモデル。
ただし、Exij:i国からj国への貿易額(輸出額)、Yi:i国の経済規模(GDP)、
Yj:j国の経済規模(GDP)、Dij:i国とj国との地理的距離、Aは定数。
38
* 遠藤(2006)での定式化を参考にして、以下の式で都市別の地理的要因
(GEO)を独自試算。
=
,
ただし、i:自都市、j:相手都市、Y:都市別名目GDP、y:都市ごとの一人
当たり名目GDP、D:相⼿都市との距離、LAN:自都市と相手都市の言語の共
通性、Ygrowth, j:j都市の過去3か年平均の名⽬GDP成⻑率。
言語の共通性は、共通である場合は10、共通でない場合は0と得点付けした。
(参考文献)遠藤正寛(2006)「BRICs の経済成⻑と貿易・投資」(内閣府経済社会総合研究所『BRICs経済の成⻑と世界経済への含
意に関する調査研究報告書』、研究会報告書等 No.16、pp.297-315)。
つまり、ある都市にとっての地理的要因(GEO)の一つの考え方は、
○自都市と相手都市のマーケット規模
○自都市と相手都市の経済水準
○⾃都市と相⼿都市の距離の逆数
をそれぞれ掛け合わせ、足したものに、
○言語の共通性
○相⼿都市の成⻑性
を足した数値の合計。
39
GDP
言語の
共通性
GDP
他都市との
距離
(出所)【世界地図|SEKAICHIZU】を
加工して大阪産業経済リサーチセンター
作成。(注)シドニーは除く。
GDP
40
*本分析における都市は周辺地域も含む都市圏と捉える。
*これまでの拠点⽴地の集積(ストック)でなく、現
時点での都市への拠点⽴地を引き付ける⼒(フロー)
のポテンシャルを測ったものである。
* 機能別の合計得点は理論上、300点満点。
* 得点内訳は、10ポイント以上をピックアップ。
地域統括拠点
(上位都市)シンガポール、⾹港、上海、北京
(得点内訳)[シンガポール、香港]:マーケットとしての成⻑性、地理的要因
[上海、北京]:マーケットとしての成⻑性、⼈件費
製造拠点
(上位都市)上海、北京、クアラルンプール、シンガポール、台北
(得点内訳)[上位5都市]:マーケットとしての成⻑性、⼈件費
[上海、クアラルンプール、台北]:
用地確保の容易性・規制、不動産コスト
41
R&D
(上位都市)北京、上海、シンガポール、東京
(得点内訳)[上位4都市]:人件費
[上海、北京、シンガポール]:マーケットとしての成⻑性
[東京]:市場の大きさ、人材・労働者の質・能⼒、
用地確保の容易性・規制、不動産コスト
バックオフィス
(上位都市)⾹港、シンガポール、上海、北京
(得点内訳)[上位4都市]:人件費
[シンガポール、上海、北京]:マーケットとしての成⻑性
[香港]:地理的要因
物流拠点
(上位都市)シンガポール、香港、上海
(得点内訳)[上位3都市]:人件費
[シンガポール、上海]:マーケットとしての成⻑性
[シンガポール、香港]:地理的要因
⾦融拠点
(上位都市)シンガポール、香港
(得点内訳)[シンガポール、香港]:資⾦調達・⾦融環境の充実
営業・販売・マーケティング拠点
(上位都市)北京、シンガポール、上海、⾹港、東京
(得点内訳)[上位5都市]:インフラ整備
[東京以外の4都市]:マーケットとしての成⻑性
[上海、香港、東京]:市場の大きさ
42
大阪はいずれの機能においても最下位あるいは下から2番手
「⼤阪が不利な点として、成⻑⼒が無い、コストが⾼いなど」(エージェントT)
(出所)大阪産業経済リサーチセンター作成。
43
44
報告書の各パートで分析した大阪の強み弱みのまとめ
大阪の強みやリードしている分野
インフラ
都市内公共交通の充実
事業展開のメ アジア市場への展開の足がかり
流行に敏感であり、新製品・新サービスに対する競争力が検証できる
リット
ビジネス支援機関の充実
ビジネス・研究 人件費、事務所賃料の安さ
開発環境 研究開発費
特許の登録数
住居等確保
平均余命の高さ
居住性
地域コミュニティ
人口当たり医師数
生活の利便性
災害に対する安全性
安全性
社会の安定性
大阪の弱みや課題
インフラ・ネット 国際航空ネットワーク環境の整備
ワーク
タクシー運賃
業務提携先が有する人的・企業ネットワーク
企業集積・人材
グローバル企業等の集積
集積・人的ネッ
人材確保の難しさ
トワーク
研究者の交流機会や外国人研究者の受け入れ態勢
外国法律事務所の支店設置規制
規制・慣行・税
社会保障費の負担や法定外福利費水準
等
税負担
マーケットとしての成長性
経済・地理要因
地理的要因
失業率の高さ
外国人学校の整備
生活環境
英語の通じる病院・医師
外国人に適した生活の質
(出所)大阪産業経済リサーチセンター作成。
「日本には、ビジネスができて英語を話せる人材が非常に少ない。このことが、シ
ンガポール、香港などと差をあけられている要因」(エージェントF)
45
*アジア主要都市間における、大阪への企業の拠点
⽴地は、現状もポテンシャルも厳しい結果。
(そもそもアジアの中で日本のプレゼンスが下がっている中で、まず日本が選
択されなくなった。)
*アジアの都市間競争が激化する中、いかに外資系
企業を大阪に呼び込むか。
*大阪の強みと弱みを踏まえ、強みの分野にターゲ
ティングすることが重要である。この際、
よほど分野を絞りこむ必要がある。
(複数のエージェントからも指摘)
46
大きく5つの視点に⽴ち、大阪における外資系企業
誘致政策について提言。
(1)大阪の技術集積
(2)大阪・日本のマーケットの独自性
(3)R&D拠点
(4)対外的PRの強化、MICEの積極活用
(5)京阪神の連携
(1)アジア諸国では依然として、鍵となる材料等は、⽇本や⽶国から調達している。
こうした技術は魅⼒的。(エージェントT)
(2)日本マーケットの品質水準の厳しさ。日本進出という実績作り。
(複数のエージェントT)
(3)京阪神の大学集積、東大阪の技術集積、バイオ・医療関連などの強み。
(4)大阪のアピールが足りない(複数のエージェント)。日本の都市の歴史及
び文化はアジアでは貴重(エージェントF)。
(cf.多国籍企業の海外都市への⽴地選択サービスを展開するエージェント)
(5)それぞれの経済規模と個性を持った3種3様の都市圏の併存
47
(識者のサジェスチョン)。
* 上海、北京の急速な成⻑により、そもそもアジアの中での日本への投資関心
度⾃体が低下している(複数のエージェント)中、東京という巨大都市がわ
ずか400kmに位置する大阪は、外資系企業誘致においては、相当な絞込み
をすることが求められる。
* 例えば、米国のボストンは、ニューヨークという世界的な巨大都市を
300kmの間近に控えながら、アメリカでも有数のバイオ産業、IT 産業等の
先端産業の集積を誇っている。大阪と似通ったところがある(エージェント
Fのサジェスチョン)。
* ボストンは、GPCI2013では、総合ランクは31位と大阪(23位)より下位である
が、研究・開発分野では世界第5位と大阪(12位)より上位であり、世界的にも
上位である⇒ロックイン効果
* また、大阪の都市の優位性として、居住性や社会の安全性などを積極的に示
すことや、例えばバイオ産業など戦略的な重点分野を対外的に⽰し、リソー
スを集中させるといった、インパクトのあるPR政策が必要となろう(エー
ジェントF)。
* ⼤阪の外資系企業誘致戦略においては、ランキングなどの良し悪しのみで⼀
喜一憂せず、また、経済規模を主張するだけでなく、各データの背景なども
含め、多角的な分析をした上で、強みとなる分野を絞り込み、対外的なPR
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を戦略的に⾏っていくことが重要である。
ご質問等ございましたら、こちらまでご連絡ください。
大阪産業経済リサーチセンター 福井 紳也
E-mail: [email protected]
大阪産業経済リサーチセンター2013年度政策⽴案⽀援調
査(資料No.136):「アジア主要都市と大阪の都市間競
争⼒⽐較〜企業⽴地の観点から(基礎調査)〜」
(執筆:福井)
ぜひ、WEB等でご覧下さい。
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